日本不動産

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不動産屋からみる日本の景気

こんばんは、Manachanです。今はシルバーウィーク。東京を一歩を出ることなく、家族でのんびりしてます。

ところで、S&Pの日本国債の格付けが、また下がりましたね。アベノミクス登場後、もうすぐ3年。大胆な金融緩和と円安誘導で景気浮揚をはかったものの、GDP成長率や税収の面でまだ目に見える効果が上がっていないと、よく指摘されます。確かに、消費税8%に上げた後に2期連続マイナス成長とかあったり、数字的には一進一退に見えますよねえ。

私、東京で暮らしている生活実感からいえば、景気、悪くないですよ。むちゃくちゃ良いわけじゃないけど、小康状態といいますか…品川や新宿でセミナーやった後、居酒屋とかは軒並み満員で予約しにくいし、終電後のタクシー台数も多いし、豊洲のららぽーと行ったら平日でも混んでるし、新幹線よく乗るけど、時間帯を問わず客多いし・・

仕事柄、全国、いろんな土地にいきますが、特に景気良いと感じるのは東京と、愛知あたりですね。名古屋駅の構内は訪れるたびに人が増えてるように感じるし、刈谷、岡崎~豊橋~浜松にかけての工業都市群は円安効果もあり正社員も派遣も増えてるようで、ァパートの入居が軒並み良い。

景気の良さを感じるのは、私が収益不動産という、融資マネーが真っ先に向かう世界で仕事をしているからかもしれません。金融緩和でダブついたお金はまず銀行に溜まります。いま銀行は、貸したくて仕方ないわけですが、手堅い貸し先としては、やはり不動産が上位に来るわけです。東京23区をはじめ、大阪、名古屋、福岡など国内主要都市の不動産価格が上がっているのは、直近の統計数字をみても明らかですが、実際にはもっと上がっている感があります。

マクロな経済状態が良いとはいえないのに、都市部の不動産価格が上がる現象は、世界的によくあることです。日本以外では、たとえば欧州のオーストリアとか、フィンランドなどが、似たような状態だそうです。金融緩和すれば、まず株価や不動産価格が上がる、それで潤った個人や法人が消費や設備投資を増やすことで、実体経済も潤う(トリクルダウン)。アベノミクスも、それを狙っているわけですが、日本経済には構造的な問題があり、東京が潤っても日本全体が潤うのは難しい。

そもそも、アベノミクス効果で不動産価格が上がっている地域ってどこからどこまでなんでしょう?私の肌感覚でざっくりいうと、関東では「東京都心30㎞圏内」でしょうね。

都心から20~30㎞、郊外ベッドタウンの船橋市や柏市でいま何が起こっているのかというと、中心駅(船橋駅、津田沼駅、柏駅)の徒歩圏は目に見えて上がってますが、駅から離れたバス便エリアになると全然上がらない。都心直結の鉄道沿線の駅(南柏駅、東船橋駅など)徒歩圏なら上がるけど、新京成線や東武野田線など、千葉埼玉しか走らない首都圏外周ラインだと、駅徒歩圏でも良くて横ばい。

もう少し都心から離れた40~50km圏になると、「中心駅以外は全部ダメ」になる。それも、千葉~八王子~厚木~平塚ラインが限界ですね。さらに離れて、神奈川県の伊勢原市以遠、千葉県の市原市・四街道市以遠になると、もはや上がりようがないと思います。なぜなら、

・サラリーマンに強い某金融機関の融資エリア外になる。
・いま収益物件をガンガン買ってる中間省略屋さんの買取エリア外になってしまう。

私、友人から「中古RCを高く売って欲しい」みたいな依頼も時々受けます。千葉市あたりなら築が多少古くても、満室想定で表面利回り8~9%出れば東京の中間省略業者に持ち込み売りできますが、同じ千葉県でも東金市や茂原市になると、表面10%出ても買ってくれない。個別の物件内容が良くても、エリアだけでダメ出しされるのです。

じゃ、東金や茂原の収益物件をどこに売ればいいかというと、売り先は、地元の不動産業者くらいしか知りません。彼らも商売なので、思い切り、買い叩かれます。千葉市あたりと比べて、出口が非常に限られるのです。

これ、中間省略屋さんのセイじゃないと思いますよ。彼らは、「金融機関の眼差し」を感じながら仕事してるはずで、「東金・茂原なんて頑張っても融資つかないから買い取れない」という判断なのでしょう。多くの金融機関が、融資エリアを事実上限定している(又はそのような運用をしている)のがそもそもの原因で、せっかく、日銀からあり余るマネーを供給されていても、結局、首都30㎞圏と地方ブロック中核都市しか潤わない構造になってしまっている。

「アベノミクスの恩恵が地方にいきわたらない」とか、「東京ばかり潤って地域格差を助長している」とか、よく言われますが、これはアベノミクスというより、各金融機関の融資姿勢に象徴される日本の経済構造の問題なのでしょう。

物件が東金や茂原にあっても、ちゃんと表面10%回っていれば適正価格で取引され、千葉市物件と同じような融資がつくような仕組みをつくらないと、日本全国の不動産価格が上がるなんて、夢のまた夢でしょう。この構造にメスを入れるのが、政治の仕事、「アベノミクス第三の矢」の本領だと思います。

 

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千葉県戸建リタイアの土地選び

おはようございます。Manachanです。いまタイのバンコクにいます。

今回、バンコクに来た理由は、最近買ったコンドミニアムの引き渡しと、AirBnB運営に向けた内装の打ち合わせです。この辺の事情は、数日後にリリースされるHome’sの不動産投資コラムでご確認ください。

今回は、数日前に書いて大好評だった、中古戸建でリタイアする方法の続編を書きます。

 

【これまでのあらすじ】(マネー相談の原文はこちら)

36歳独身男性、現役公務員、主に預貯金からなる金融資産4000万円超、それを運用してすぐリタイアしたい、2年間の完全休養後はパートをしながら生活費を抑えて余生を送りたい。このような想定でリタイアが可能か?という質問に対し、ベテランFPが、「このリタイアプランは、年金受給前に資産を食いつぶしてしまうので困難。労働収入アップ」を提案。

 

【私が思ったこと】

「36歳で4000万円もの金融資産を持つ人が、リタイアしてパート労働で細々食いつなぎたい」という、わざとらしい設定のマネー相談。FPの自作自演も疑われるなか、その割に分析・アドバイスの内容が余りにもイケてないので、私がブログのネタにしました。

なぜ、違和感を感じたのか?「資産を食いつぶしてキャッシュフローを得るライフプラン」という、伝統的なFPの手法が、私たち不動産投資家のセンスと余りにも違うからなんでしょうね。我々は、土地建物という、「毀損しにくい(価値がゼロにならない)実物資産」を運用して収益を得る人々なので、なおさら、「食いつぶす」という哲学が「ありえね~!」と思ってしまう。

実際、資産食いつぶして余生…というのは辛いし、リスキーだと思いますよ。歳を取って医療費が年々かさむのに、手持ちの資産がどんどん減っていくのは、精神衛生上よろしくないと思うし、不慮のアクシデントで急にお金が必要になったらライフプランが瓦解してしまうと思うから・・・現金という「果実を生まない」資産を想定した発想だと、どうしてもそうなる。

その点、賃貸に出せる不動産を所有していれば、資産価値を食いつぶさずに、賃料収入を生活の糧にできますし、また換金性の良い物件を所有していれば、「不慮の出費」には不動産売却や追加融資というかたちで対応可能。特に日本の不動産は賃料収入主体のインカムゲイン型なのでリタイアに向く。ライフプランにこれ使わない手はないでしょうと正直思います。

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もっとも、老後の生活資金を捻出する想定である以上、「極力、リスクを抑えたプラン」にする必要はあるでしょう。不動産投資・賃貸経営の主要なリスクは、「賃料収入が得られない」インカムゲインリスク、「資産が毀損・目減りする」キャピタルゲインリスク、「売りたい時に売れない」出口リスクの3つと思うので、そのリスクを極力減らしたい。そこで私が考えたのが、

「都市近郊の中古戸建」を使ったリタイアプラン

 

その心は、

・「土地付き戸建に住みたい」賃貸需要のある地域で、ファミリーに貸すことにより、賃料収入リスクを低減。

・「土地付き戸建を建てて住みたい」購入需要のある地域で、土地相場以下の価格で戸建を仕入れることで、出口リスクも低減。

・土地という、今後何十年経っても目減りしない資産を持つことで、キャピタルゲインリスクも低減。

 

このようなプランは、「土地が安い割に人間がたくさん住んでいる」、「将来も人口があまり減らない」エリア向き(都内23区だと土地代高すぎて成り立ちにくいでしょう)。とはいえ、土地代が坪数万円みたいな激安エリアだと資産性がなさすぎなので、坪20万円くらいは欲しい。

関東圏だと、「千葉県」が最適だと思います。千葉県内の400~800万円位の築古戸建を軸に、土地代やや高くなりますが「埼玉県」や、より安いものは「茨城県」を組み込んだ、「東関東ポートフォリオ」で万全な老後ライフサポート体制をつくっていきたい。

では、千葉県内でどのような中古戸建を選べばいいのか?…が、今回のブログのテーマです。まず、前提知識として知っておきたいのは、

・千葉県は、東京に近くて便利なエリアほど、人口が多く、土地代が高い。

・東京からの時間距離に比例して、近い順から、「1)首都圏分譲マンション適地」、「2)郊外賃貸アパート適地」、「3)郊外戸建適地」の3リング構造になっている。

1)首都圏分譲マンション適地とは、「新築マンション採算ラインの坪100~120万円で分譲できる」地域で、千葉県内でも東京近接地域に限られる。具体的には、千葉駅~新鎌ヶ谷駅~我孫子駅ラインから都内寄りの駅徒歩圏。ほぼ「国道16号線の内側」に相当。このエリアでは、「賃貸アパート」も「戸建」も、全ての需要がある。坪単価の目安は40万円以上。

2)郊外賃貸アパート適地とは、「新築マンションは建たないけど、人口と賃貸需要はそれなりにある」地域で、国道16号線の外側であっても、確立した既存市街地や、ロードサイド店へのアクセスが便利なエリアならOK。佐倉、成田、市原、木更津、東金、茂原の市街地とか、大網の駅近などが該当する。坪単価の目安は20~40万円。もちろん、戸建用地としても成立する。

3)郊外戸建適地とは、「新築マンションも経たず、賃貸需要も乏しいけれど、実需型戸建エリアとしては十分成立する」地域で、千葉県内の広いエリアが該当する。四街道や酒々井、印西、富里、君津、佐原などの小さな街、成田駅から少々離れたバス便エリアでも、戸建を建てる需要が十分あればOK。坪単価の目安は10~20万円。

・それ以遠は、田舎で需要・資産価値が乏しい。

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私の提唱する、千葉県築古戸建を使った「資産保全型、安心ライフプラン」では、

・「1.首都圏分譲マンションエリア」、「2.郊外賃貸アパートエリア」、「3.郊外戸建エリア」を、バランスよく組み合わせて、ポートフォリオを作る。

・「1.首都圏分譲マンション適地エリア」(船橋市、柏市、千葉市など。埼玉県内でも可)で、坪40万円までの土地付き築古戸建を土地値かそれ以下で買う。出口のバイヤーとして、分譲マンション業者、賃貸アパート業者、戸建業者の3つが存在するので、安心度が高い。

・「2.郊外賃貸アパートエリア」(佐倉市、成田市の中心地近くなど)で、坪20万前後の土地付き築古戸建を土地値かそれ以下で買う。出口のバイヤーとして、賃貸アパート業者、戸建業者の2社が存在。

・「3.郊外戸建エリア」(富里市、君津市など。茨城県土浦以南も可)で、坪10~15万円の土地付き築古戸建を土地値かそれ以下で買う。出口のバイヤーとしては戸建業者を想定。

 

なお、土地仕入れにあたっては、将来時点で住宅を壊して更地にすることを想定しているので、下記に留意する。

・敷地延長や袋地を避け、前面接道が4m以上の土地を選び、壊した住宅の運搬の人件費を節約する。

・敷地内に大きな立ち木のある物件は、撤去費用が高いので避ける。

 

なお、「首都圏分譲マンションエリア」など、付加価値の高い土地に関しては、

・「建ぺい率60%、容積率160%」かそれ以上の土地を選び、戸建業者だけでなく、アパート・マンション業者にも売れるようにする。

このモデル、かなり安全度が高くて、ライフプラン、老後資金づくりに最適だと思うんだけどなあ・・・

 

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築古戸建でリタイアする方法

こんばんは、Manachan@家族と北海道ファームステイ中です。昨日、ネットで読んだマネー相談記事が面白く、私も思うところがあったので、ブログ一本書いてみます・

36歳公務員、貯蓄4000万円。今からリタイアできる?
大まかな内容と、ポイントを箇条書きしますね。

・相談者は大阪在住の36歳男性、公務員、独身。
・4000万円以上の金融資産(貯蓄、ETF等)あり。
・仕事がつらいので退職、セミリタイアしたい。
・退職後は2年間休養、その後は至近の運用と60歳までのパート労働で、生活費を切り詰めて暮らしたい。
上の相談に対する、業歴26年のベテランFPからの回答は次の通り、

・このプランだと、年金受給前に生活費が底をついてしまう。
・2000万円を年2%(インフレ調整後)で運用し続けられれば良いが、それは相当ハードルが高いと言わざるを得ない。
・アドバイスは労働収入アップ(退職時期を延ばす、パートの年数を70歳まで延ばす等)

 

これ読んで、私が思ったこと、

・「お金のプロ」のアドバイス内容が、「労働収入アップ」じゃあ、発想があまりにも貧弱ではないの?
・そもそも、仕事が辛くてやめたい人に対して、労働収入アップのアドバイスは酷ではないか?
・せっかく、4000万円もの資金があるのに、「資産運用」にもっと軸足を置いた提案はできないの?
・なぜ、年2%の資産運用が難しいと思うの?収益不動産使えば簡単じゃん!

 

そこで私が、不動産を使った「Manachan的ソリューション」を考えました。不動産といってもいろいろありますが、この相談者に一番合う、リスクを抑えた投資方法だと思うのが、

・千葉県など都市近郊で、築25~35年位の土地付き戸建を、600万円くらいで3戸買う。
・それぞれを月5万円位で賃貸に出す。
・築がさらに古くなり、入居づけが厳しくなったら、古家付土地として、業者に600万円くらいで売る。
・売れたら、資産を組み替える(築25~35年位の戸建を新たに買って賃貸に出す)

 

たった600万円で、どんな戸建が買えるのかと、都会人の皆様は不思議に思うかもしれませんが、そこは、千葉県出身の私に聞いてください。都内、神奈川、埼玉では厳しいでしょうが、地価の安い千葉県なら、例えばこんなポートフォリオを組めます。


・シティ派戸建・・・船橋市、柏市、流山市あたりの東京近郊地域、駅からバス便のやや不便な立地で、土地25~30坪付きの築古戸建が600~800万円で買え、地元ファミリーに月5~7万円に貸せます。

・田舎派戸建・・・八街市、富里市、大網白里市あたり、東京通勤圏を外れた立地とはいえ、駐車場さえあればファミリー賃貸がつく場所で、30~60坪土地付き戸建が400~600万で買え、地元ファミリーに月4~6万円で貸せます。

 

【柏市戸建(豊四季駅徒歩10分)の例・・・リタイアに理想的な土地値以下物件】

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シティ派、田舎派とも、「戸建用地として売却できる場所」で「土地値で買う」ことがポイントです。たとえばシティ派の船橋市、柏市あたりでは、バス便立地でも戸建用地の需要は旺盛、かつ坪20万円以上で売れますので、25~30坪あれば700~800万円で売れる。田舎派でも八街市や大網あたりの戸建用地なら坪10万円以上はつくので、30~60坪の土地の売却代金は300~600万になる。

つまり、土地値で買うから、資産の目減りはない。かかるとすれば、撤去費用ですが、木造なので100万円くらいで済みます。道路づけが良く、大きな庭木がなく、撤去費用が安上がりな物件を選んでおくのがポイントですね。あと築古戸建は固定費がベラボーに安上がりなのが魅力。マンションと違って月々の管理費修繕費はかからないし、建物が法定償却年数を終えていれば固定資産税は土地分だけなので激安。

千葉県、茨城県あたりでは、不便でも土地付き戸建に住みたいファミリーは多いし、需要は根強く、末永い。かつ、一旦入居がついてしまえば、入居期間は長期に及ぶ特徴があります。

 

投資できる金が2000万円あれば、どんなものが買えるでしょう。たとえばの話

・千葉県柏市でシティ派戸建を700万円で購入、月額家賃6万円で現況賃貸中
・千葉県船橋市でシティ派戸建を700万円で購入、月額家賃6万円で現況空室
・千葉県富里市で田舎派戸建を400万円で購入、月額家賃4万円で現況賃貸中

 

というポートフォリオが組めたとすれば、

・物件代金 1800万円
・購入時費用 200万円 (仲介手数料、登記代、入居広告費等)
―――――――――――――――――――――――――――
合計 2000万円

 

月々の収入は、3戸とも入居ついたとして、

賃料 16万円 (6万+6万+4万)
‐ 経費率 20%⇒3万2千円 (管理費+固定資産税=10%以下、保険代、修繕費用を多めにみても20%で十分)
‐ 資産組換えの積み立て 10%⇒1万6千円 (将来、戸建売却の際の撤去費、新たな戸建取得費用に充当)
――――――――――――――――――――――――――――
ネット月収 11万2千円

 

3戸中、いくつかが空室になっても、残りの物件から家賃は入ってきます。

3戸中2戸入居の場合 ⇒ 7万~8万4千円
3戸中1戸入居の場合 ⇒ 2万8千~4万2千円

 

もともと、2000万円の投資資金を投じているわけですから、

3戸中3戸入居の場合 ⇒ ネット年収 134万4千円 、運用益 6.72%
3戸中2戸入居の場合 ⇒ ネット年収 84万~100万8千円、運用益 4.20~5.04%
3戸中1戸入居の場合 ⇒ ネット年収 33万6千~50万4千円、運用益 1.68~2.52%

例のベテランFPは、「運用益2%を続けるのは相当ハードル高い」と言ってましたが、戸建賃貸モデルでいけば、たとえ3戸中2戸が空室続きでも、2%以上の運用益はラクラク出るのです。

 

リスクとしては、何があるのでしょう。

・自然災害や火災による物件全半壊、毀損リスク・
 ⇒保険でカバーできる面が大きいし、たとえ全壊しても土地の価値は残るから、損失出さずに出口取れる可能性が大きい。

・入居がつかないリスク
 ⇒入居づけ困難なら更地にして売却すればいい。

・入居者とのトラブルのリスク
 ⇒管理会社、家賃保証会社、保険の活用でかなりの部分はリスクヘッジできる。

・更地にしても売れないリスク
 ⇒宅地としての需要がある限り、少なくともマーケットに見合う価格まで値下げれば必ず売れる。計画的に売却を進め、売り急がないことが肝要。

・インフレリスク
 ⇒インフレ局面で土地と家屋を所有していれば強い。額面家賃の目減りはある反面、不動産価値(売却時価格)が上がる可能性が大きい。

・金利上昇リスク
 ⇒そもそも融資組んでないのでリスクはない。

・相続税リスク
 ⇒都市郊外や田舎で、評価額が土地値だけの物件なので、よほどの戸数がない限り相続税かからない。

 

私思うに、最大のリスクは、「相談者本人が、賃貸経営をやろうとする気になるか?」だと思います。もし、彼がやる気になり、私のアドバイスを聞いたならば、100%に近い確率で、彼のリタイア計画を成功させられると思います。

もう少し、戸数と家賃収入が増えれば、もはや時間を切り売りしてパート労働なんかやる必要ない。賃貸経営者として食っていけると思います。

 

続編もお読みください→千葉県戸建リタイアの土地選び

 

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大宮と柏~北関東のテーマパーク

こんにちは、Manachanです。

私、「秘密のケンミンSHOW!」大好きなんですが、今年2月13日の「茨城県特集」はすげー良かった。爆笑ものでしたね。

 

一応、茨城の県民ショーでありながら、他県の都市「大宮」と「柏」が、とにかく、たくさん出てくるんです。茨城県で育った若者は、東京へ遊びに行きたくても、いきなり行くのは敷居が高いので、

JR常磐線に乗って「柏」(千葉県)で都会デビューするか…

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JR東北本線に乗って「大宮」(埼玉県)で都会デビューするらしい。

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私は柏市の出身。物心ついた時から、柏の「街」は、すぐそこにありました。確かに、デパートや商店街が発達して、なんでも揃う便利な街ですが、他所からわざわざ買い物に来るほどの街なのかなあ~と子供心に思っていましたが、

高校生くらいになって、「茨城県から、都会の雰囲気を味わうために、若者が柏にやってくる」ことを初めて知りました。ケンミンSHOWに出てきた、鈴木奈々ちゃん(茨城県竜ケ崎市出身)。

東京に行く前に、柏で慣らすのは「茨城県民の常識」と豪語!

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彼女の柏デビューは早く、なんと「小学生」から遊びに来てたそうで…ま、彼女の地元は竜ケ崎市の佐貫。柏から電車一本で20分と極めて近いので、そういうケースもあるかもしれません(私は小学6年から、竜ケ崎や牛久へブラックバス釣りに行ってた…)

次に、デブ&セクシーという、新たな境地を開拓した渡辺直美嬢(茨城県石岡市出身)。彼女の柏デビューは17歳だったそうです。石岡から柏までは、電車で約1時間。

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「朝6時に起きて、気合入れて髪の毛セットして、ピッチピチのセクシーな服着て」
・・・そこまで気合入れて行く場所が柏かよ?って突っ込みたくなりますが、

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柏のどこが都会なの・・という問いに、フルーツポンチの村上健志くん(茨城県牛久市出身)が、こう答えます。

柏の駅の改札出て、すぐデパート…だから都会!
なるほど、分かりやすいっすね。

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常磐線を使う茨城県民にとっての手軽な都会が「柏」なら、東北本線を使う古河市や栃木県あたりの若者にとっての気軽な都会は「大宮」…渡辺徹氏(茨城県古河市出身)が熱く語る「大宮デビュー」。

大宮の高島屋が怖かった・・

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U字工事(栃木県北部出身)の地元は、まずは宇都宮で都会慣れして、次のステップが「大宮」だったという。

同じ「宮」でも宇都宮と大宮はレベルが全然違うんだよ…

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お笑いのなかではイケメン系、ピースの綾部祐二くん、地元は茨城県猿島郡総和町(現・古河市)なので東北本線ユーザー、当然、大宮を目指します。

大宮には、茨城にないファストフード店がある!

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茨城県や栃木県など、北関東の若者が、なぜ、ホンモノの都会「東京」に行く前に、中途半端なプチ都会「柏」や「大宮」を目指すのか、彼らの立場に立って考えてみました。

 

理由1)東京の満員電車の乗り換えが超コワイ!だから、電車一本で行ける大宮や柏を選ぶ

普段、クルマ社会に暮らし、通学以外に電車に乗ることもない地域の若者にとって、東京の鉄道路線図は、見ただけで頭クラクラするはず。どの駅で、何番ホームから、何線に乗ればいいのか…相当慣れないと敷居が高い。それに東京の電車は、時間帯によっては、見たこともないギュウ詰めになるので、行きたいのはやまやまだけど、恐怖感がさらに倍増。

その点、柏や大宮なら、地元から乗り換えなしで行けるので、相当、気楽なのでしょうね。

 

理由2)地元にない「高密度な都会感」を味わうには大宮や柏で十分。

茨城県には「内ジャス」(イオン水戸内原店)、栃木県には「インターパーク宇都宮南」など、立派な巨大ショッピングセンターがあります。シネコン、スタバ、ブランド衣類・・モノの面でいえば東京と全く遜色ありません。

しかし、いずれも「クルマ社会」を前提にした商業施設なので、駐車場が視界に入ると概してスカスカ。「都会の高密度感」を味わうことは無理です。その点、「駅前にすぐ丸井がある柏」、「大宮駅東口おりてすぐ高島屋」みたいな、高密度な土地利用が都会を感じさせ、そこを闊歩する大勢の若者を、トレンディに見せる効果があるのでしょう。

そう考えると、

大宮と柏って、北関東人が「都会」の雰囲気を味わうテーマパークみたいな街

なんでしょうね。柏って、一応都会と呼べるのは駅からせいぜい半径300メートル位だし、大宮の街もサイズ的にはそう大差ない。東京人からみると「都会」のカテゴリーには入らないでしょうが、それでも、ディズニーランドみたいな「テーマパーク」だと割り切れば、サイズ的にはそれで十分かもしれません。

あと、西多摩人や山梨県民にとっての「立川」、神奈川県央地域の若者にとっての「町田」も、似たようなものかもしれません。ただ、大宮と柏は、「東京以北の広大な北関東エリア」を相手にしている分、その存在意義が一層際立ちますね。

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新幹線停車駅は宝の山

こんにちは、Manachanです。今回は久々に、日本国内不動産の話題でいきますね。

一昨年の2月に解雇され、サラリーマン稼業をやめた私ですが、昨年1月に宅建業免許を取り、東京・五反田に事務所を開設、同年3月から日本国内の不動産売買仲介を始めましたが、今のところ、これが私の生業になっております。

「日本の物件仲介で食っていけている」だけでなく、
「日本の物件仲介で種銭をつくって、海外の収益物件を次々と買う」図式が、定着してきた感があります。

これも、アベノミクス効果で、不動産融資ユルユルになったおかげかな~本当に有難いことです。

 

いま日本で収益不動産市場が一番盛り上がっているのは、東京23区内だと思いますが、私、余程のことがない限り、都内の不動産には手を出しません。なぜかというと、

・都内は売買価格が高くなりすぎ、投資としての妙味がないものがほとんど。
・仮に投資物件として成り立つ物件があっても、ライバルの仲介業者が多すぎる。

23区内、特にターミナル駅周辺や城南地区の物件仲介で稼ぎたい業者は、それこそ、星の数ほどいます。有象無象がうじゃうじゃひしめくなか、私みたいな無名の零細業者に情報が回ってくる頃には、すでにボロ雑巾のように使い古された情報ばかりで、元請けが誰なのか、間に業者やアンコ(情報屋)が何人入っているのか分からない状態になる。

「駒沢公園5分で表面5%、4.7億の築浅RCレジが入りました!」みたいな情報が来ても、全く心ときめきません。「どうせ俺が仲介できないんだろ?時間かけるだけ無駄じゃん」というスクリーニングがかかっちゃう状態。それに、いくら世田谷区の駅近とはいえ表面5%みたいな物件、全然良いとは思わないし、人にも薦められませんもの。

一方、物件の場所が「千葉」や「埼玉」、「茨城」あたりになると、俄然、燃えてきます。都内に比べてライバルが断然少ないし、自分自身が「ちばらぎたま」(千葉+茨城+埼玉)県境付近の出身だから土地勘もあるし、目利きもできる。「このエリアなら、俺に任せて!」ってな感じ。

実際、私は独立後しばらくは、千葉や埼玉の土地アパートの仲介で食ってきたようなもんです。いま楽待の「査定・ブツ上げサービス」使ってますが、わざと「東京都」を避けて、それ以外の関東の県を対象エリアと設定している位です…

 

最近は、さらにエリアが広がり、関東圏外の収益物件の取扱いが増えています。

・関東に近い東北地方の新幹線駅
・関東に近い中部地方の新幹線駅

あたりが、特に狙い目だと感じています。

7月は、浜松(静岡県)で決済しましたし、先週、郡山(福島県)と豊橋(愛知県)に行ってきました。福島市や宇都宮市にも時々行きます。こういった地域の収益物件をみていて思うのは、

・価格1億を超えると、地元の人が手が出ない価格帯になるが、東京の人ならラクラク買える。
・1~3億くらいの収益物件、いま東京では利回り下がってどうしようもないが、浜松や郡山だと当たり前に10%超え(地元民買えないから、利回り高くなる)。

・新幹線駅なら知名度もあり、東京の投資家からみて心理的な抵抗感が少ない。
・また、知名度ゆえ、東京のサラリーマン向けの金融機関が融資を出すことが多い。
・何より、東京から近くて行きやすい。郡山も浜松も、東京駅から新幹線で1時間20分、現地調査・内見手配もラクラク。
・新幹線が止まるような都市だから、管理会社も一社独占ではなく、複数の選択肢のなかから選べる。

 

いずれも地方都市ですが、「田舎のなかの都会」ですから、雇用機会は豊富で底固い賃貸需要があります。このエリアでこの間取り、この賃料なら確実に賃料がつく等々、賃貸経営上の数字が読める案件も多いし、投資家のお客様におすすめもしやすい。

いまの市況なら、郡山や浜松みたいな中堅都市で、1億円クラスの収益物件をちゃんと目利きして、東京の投資家に売るだけで十分、食っていけると思います。

 

あと、こういう中堅都市(日本どこでも似たようなものでしょうが・・・)では、

1)地元民の賃貸需要があり、収益物件として十分成り立つ物件 と、
2)場所が田舎でどうしようもない物件(地主が騙されてアパート建てちゃった系)

に、二極化している印象がありますが、

 

1)なら、物件目利きして投資家に売る。
2)なら、そういう物件を専門に買い取る業者に売る。

というかたちで、いずれも商売になります。特に2)のどうしようもない物件を売りたい場合は、私にご相談くださいね。

福島県で一番高いビルがそびえる郡山駅

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アジア太平洋インバウンドセミナーの可能性

こんばんは、Manachanです。

私が代表をつとめるアジア太平洋大家の会(APHOC)では、2011年2月の創立以来、4年半にわたって、日本人投資家に海外不動産を紹介する、いわゆる「アウトバウンド」(日本人の海外買い)のセミナーを中心に開催してきました。

今年9月以降は、アウトバウンドと並行して、「インバウンド」(外国人の日本買い)のセミナーも精力的に企画していこうと考えています。

なぜ、アジア太平洋大家の会でインバウンドセミナーをやる意味があるのか?二つの理由があります。

インバウンド需要の高まり

数年前と違って今は、1米ドル=120円超の円安の時代。かつアジア近隣諸国の購買力上昇や訪日ビザ要件緩和を背景に、インバウンドの不動産需要が高まっています。またAirBnBなどを使った、新しいインバウンド賃貸経営モデルも出てきています。APHOC会員からも、日本国内で保有する物件を外国人に売りたい、貸したいというニーズの高まりも感じます。

そういう時代背景のなか、外国人が日本の不動産に投資して収益を上げたり、あるいは日本の不動産仲介業者や大家さんが、外国人との関係を活かして利益を上げる…そのために必要な情報提供やスキルアップ、マッチングの機会を提供していきたいと考えます。

日本に海外マネーを呼び込んで経済を活性化したい

会の代表として、私の個人的な思いを言うと、「アウトバウンドだけやってもつまらない」…なぜなら、「結局、日本人が汗水たらしてつくったおカネを外に出す活動」だけになっちゃうからです。

もちろん、いま、日本でロクな利子もつかずに眠っているおカネ(あるいは数年後、役所に相続税として召し上げられるおカネ)を、海外に出して高収益を目指すことはどんどんやるべきだし、それに必要な日本人のファイナンシャル・リテラシー向上の必要性は論を待ちません。当会は不動産の分野で、その営みを4年半、続けてきました。

ですが、「一旦、外に出したおカネ」を、「日本に還流させる」メカニズムがないと、結局、日本のマネー、産業、雇用はやせ細っていきます。この国のメシを食って大きくなった人間として、祖国の経済衰退は受け入れがたい。「おカネを日本に還流させる」ために、不動産の分野で力を尽くしたいという思いがあります。

日本以外で暮らしたことのない人は、海外とのフラットな比較や相対化が十分にできていないケースが多い。「これから日本の人口は減っていく、どんどん経済衰退して貧しくなっていく」みたいな俗説を信じて疑わない人も多い。

でも、海外で長年過ごした私にいわせれば、日本なんてまだ、ポテンシャルだらけ、伸びしろだらけですよ。昨年12月に書いた「日本経済は成長できる(前編後編)」に私の持論が出てきますが、女性や外国人の活用、インバウンド観光、不動産評価や融資…いろんな面で「実現されてない価値」が巨大な量、存在するのですから、将来を悲観することはない。海外でヒントを得て、日本でビジネスチャンスを見つけて大きく育てていけば、人口が減るとはいえ、この国はまだまだ十分、伸びられるはず。だからこそ、会の活動としてインバウンドをやりたい。

成長著しい日本のインバウンド観光
(定住人口は減っても、交流人口はいくらでも増やせるんです。)

では、これからどんなインバウンドセミナーを開催していくか、いろいろ考えていますが、

1)外国人が日本の不動産を買う上での融資や、法制税制などの知識系セミナー

これは、早い段階からどんどんやっていきたいです。例えばの話、

・日本国内で営業する外銀の融資担当者を講師に招き、外国人投資家向けの融資商品や審査、運用についてレクチャーする。

・私(Manachan)が外国人投資家の不動産購入・融資ニーズについてプレゼンする (これまで4年以上、インバウンドの不動産業者として外国人バイヤーと接してきたので、話すネタはいろいろあります。)

この方針でクオリティの高いセミナーが開催できれば、不動産業者、金融機関、物件オーナー…いろんな人に役に立つと思います。

・日本の物件を外国人に売っていきたい不動産業者に対する実践的な情報提供の場になる。

・日本国内物件のオーナーが、売りたい物件を外国人向けに販売・マーケティングしていく上での基礎知識やヒントになる。

・不動産業者がオーナーから直接ブツ上げして、外国人向けに売りだすことできる。

・外国人バイヤーを新たな融資先として開拓したい金融機関にとって、商品設計のヒントになる。

あとは、こんなセミナーも企画したいです。

2)日本人の大家が、外国人投資家向けに直接物件紹介するセミナー

イメージとしては、例えば、

「東京へ不動産視察に来た台湾人投資家グループに、関東圏の物件オーナーが、自分の物件内覧会も兼ねて販売するセミナー」とか、

「福岡県の大家グループが、不動産業者を伴って香港に行って、福岡の街や不動産投資の魅力を直接アピールしつつ、現地投資家に物件をプレゼンするセミナー」とか、

いろいろと仕掛けが必要で、時間はかかると思いますが、是非、取り組んでいきたいと思います。

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瀬戸内の島を世界で売る!

こんばんは、Manachanです。

いきなり、白砂のプライベートビーチの写真!海の透明度が素晴らしいですね。遠い海外ではありません。山口県の岩国錦帯橋空港から、車で40分ほどの島ですよ~。

画面中央が、今回、売りに出ている笠佐島(かささじま)。画面左上の陸地が本州(山口県柳井市)、右上が周防大島(瀬戸内海で三番目に大きな島)です。私の会社で仲介するべく、いま、世界中でお客様を探しています。

英語のプレゼン資料もつくりました。まずは来週、モンゴル・ウランバートルに売りに行きます。

そして、中国語でエッセイを書き、Leeways社のポータルサイトで発表しました。

日本離島好買賣 (Leeways Onlines)

(日本語訳) 「日本の楽しい離島売買」

日本は大海に浮かぶ島国です。島の数、なんと6852。インドネシア、フィリピンに次ぐ、世界第三の島嶼数を誇ります。

国土交通省の定義によれば、日本領土における島は、主要5島(本州、北海道、九州、四国、沖縄)と、6847の離島に分類されます。離島のうち、約400島が有人島、その他6400余りが無人島です。離島のなかには、例えば兵庫県淡路島のように、高速道路が通り利便性が高く、相当の人口(13万人余)を擁する島もありますが、大部分の離島は交通不便で人口が減少しています。全員が島を離れて打ち捨てられた無人島も少なくありません。

日本において、離島が特に多い地域は九州近辺(長崎県、鹿児島県等)、瀬戸内海(広島県、愛媛県、山口県、香川県等)、北海道近辺、沖縄近辺、東京南方の伊豆諸島・小笠原諸島などです。

日本の離島のなかでも、国際的視野でみて大きな経済価値やポテンシャルを持つ島がいくつもあります。たとえば、私が先日訪れた瀬戸内海の島は、面積28万坪、人口わずか13名。本州からわずか2㎞の距離。本土と結ぶ定期船もあり交通は比較的便利。人が住んでいるのは島の北部だけで、南部は完全に無人の世界、そこは手つかずの自然、プライベートビーチの宝庫です。瀬戸内の穏やかな気候、澄んだ海水、多島海の美、まさにこの世の桃源郷、「東洋のエーゲ海」といえる場所です。

この島の大部分はリゾート開発会社により所有されており、経営者が引退するため、島内10万坪の土地を4.5億円(2250万人民元、1.12億台湾元)で売り出しています。有人島であるため、水道、電気、通信網などのインフラは整っています。ここをリゾートとして使いたい向きには、インフラ敷設コストが無人島よりずっと安く上がります。

日本においてはこのような、経済的価値の高い離島が少なくありません。日本国内の土地は、外国人でも購入・所有できます。国境近くの、国際紛争を起こしやすい島でもない限り、現時点では全て購入可能。外国人オーナーであっても日本国への納税義務を果たし、法令を順守していれば問題ありません。

さらに、タイ語クラスでもこのテーマで作文して、先生に添削してもらいました。タイ語はまだ初心者で中国語ほどの表現力はないので、ごく簡単な文にしました。

(日本語訳)「日本の島を買いたいですか?」

日本は太平洋に浮かぶ島国です。なんと6852もの島があり世界第三位。日本より島の数が多い国はインドネシアとフィリピンだけです。

日本の島は、主要5島(本州、北海道、九州、四国、沖縄)と、6847の離島からなります。離島のうち、有人島の数は約400、残りの6400島は無人島です。

外国人でも日本の島を購入することができます。私の会社では山口県にある、美しいプライベートビーチのある島の売買仲介をしています。ここではヴィラ、リゾートなどを開発したりできます。値段は4.5億円です。

この島が本当に売れるのかは、やってみないと分かりません。ま、珍しい試みだし面白いので、楽しみながら客探しを続けていきます。

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我孫子の憂鬱と希望(後編)

前回の続きです。

我孫子の行く末を考えるには、まず、JR我孫子駅ホームで営業する立ち食い「弥生軒」の唐揚げ蕎麦を食すことから始めたい。

昭和3年創業。あの「山下清画伯」も無名の絵描きだった頃に働いたという、歴史由緒ある名店。1号店から8号店まであり、同駅ホームの顔となった弥生軒は今や、間違いなく我孫子で最も有名な飲食店でしょう。私も我孫子に用事があれば、必ず立ち寄ります。何が凄いのかというと、

・唐揚げの大きさがすごい!蕎麦も汁も見えなくなる位、容器を埋め尽くす!
・唐揚げをガツガツ食っても、いくら食ってもなくならないボリューム!
・唐揚げ食いに飽きてきたところで、ようやく見えてくる蕎麦の麺とつゆが、とにかく旨い!

全部食べたら凄まじい高カロリーと思うので、小腹が空いた時の一杯としては全くお勧めしませんが、腹を空かして、「とにかく、巨大な唐揚げと格闘したい」戦闘モードになった時、あなたの胃袋と心を必ず満たしてくれる逸品です。(Tips:巨大唐揚げ二個入りが基本形ですが、二個食べきる自信のない人は一個入りにしましょう。)

我孫子駅の弥生軒、私が幼い頃からありましたよ。ただ、当時は1~2店舗しかなくて、客の入りも少なく閑散としていました。でも今では8店舗もあって、なおかつ狭い店内に客が入りきらず、ホームで唐揚げと格闘する高校生やサラリーマンの姿が・・・もはや我孫子の風物詩ですね。首都圏の立ち食い蕎麦屋でも有数の成功事例として、他所から「観光客」さえ呼び込む程の人気!

この「弥生軒」こそ、我孫子の地理的特性が生んだお店だと思います。なぜなら、

1)我孫子駅は常磐線と成田線(我孫子支線)の乗り換え駅。都心直結、本数が多く便利な常磐線に比べて、成田線は単線で本数が少なく不便。我孫子駅での乗り換え時間も長い。彼らの「時間つぶし」ニーズこそ「弥生軒」を成長させた原動力といえる。

2)「弥生軒」が我孫子ローカルでなく首都圏ワイドでメジャーになったのは、駅ホームという立地と、JR常磐線という大量交通機関あってのこと。

弥生軒の成功を、我孫子市浮揚のヒントにできないものか…唐揚げで満たされたお腹で考えてみる…先ほど書いた「我孫子の地理的特性」を、もう少し噛み砕いて考えてみる。

1)不便な成田線⇒「都会的なものは乏しい」、「その代わり時間はたっぷりある」、「豊かな自然も残る」⇒我孫子の、郊外田舎的なライフスタイルを、皆に分かりやすいかたちで打ち出せないものだろうか?

2)便利な常磐線⇒「東京と首都圏全体にアクセスできる」、「東京メディアを使って全国・世界に発信もできる」⇒我孫子の良さを首都圏ワイドで上手にアピールすることによって、知名度、ブランド価値向上につなげられないものだろうか?

さらに考えを進めると、

1)分かりやすさ⇒「キャッチコピー」と「目に見えるモノ」を使うのが一番

2)知名度・ブランド価値向上⇒隣町の「柏」を上手に利用するのが良策

現時点での私のアイデアは次の通り、

我孫子のキャッチコピー:「都心に一番近い湖のまち」

我孫子駅から徒歩10分ほど南下すると「手賀沼」湖畔に出ます。一周38kmの広さを持つ、東京都心30km圏内で唯一の天然湖(というか沼)です。手賀沼は隣の柏市や印西市にもまたがっていますが、レイクサイドが商業地や住宅地などの街になっているのは我孫子市域だけなので、「都心に一番近い湖のまち」を名乗る資格は十分あるでしょう。

首都圏ベッドタウンに位置するため水質は全国ワーストから数えた方が早いですが、それでも私の子供時代よりはずいぶんマシになり、トライアスロンなども行われるようになりました。野鳥に野草、水生植物…湖岸は驚くほど豊かな自然に溢れていますよ。

でも、湖や自然だけ打ち出したのでは田舎っぽいので、「アーバンな都市生活」の要素を入れてプロモーションしなければならない。それには、我孫子のすぐ隣にある、首都圏郊外を代表する繁華街のひとつ「柏」を使わない手はない。そこで、

我孫子レイクサイド(手賀沼公園周辺)と、柏駅前との間に、10分に1本(ラッシュ時は5分に1本)バスを走らせる。それによって、「柏アーバンライフ」と「我孫子レイクサイドライフ」をセットで、首都圏ワイドに打ち出す。

我孫子市には「あびバス」という、かなり使える市営バスがあり、市内くまなく走っていますが、これを市の境界を超えて「柏市街地と直結する」ことに使う。

バスだと不便に聞こえるかもしれませんが、幸い、手賀沼ふれあい通りと柏ふるさと大橋経由で、柏市街地までの道路事情は良好。本数を増やして途中停車ゼロで直通させれば使い勝手は良くなるでしょう。

要は、「柏(都会)と我孫子(湖畔)がセット」であることを打ち出すツールとして直通バスを使う。首都圏近郊で、この二つが同時に楽しめる場所は他にない。その魅力を打ち出して首都圏全体から新住民獲得を目指す。

柏市街地と手賀沼は地理的に一体

最後に、

我孫子レイクサイドに良いデザインの中高層分譲マンションを集めて、ゴールドコーストっぽくする

都市内の水辺空間(ウォーターフロント)は高級住宅地になるのが世界の常識。海と湖(沼)の違いはありますが、オーストラリア・ゴールドコーストをモデルに、時間をかけて、我孫子レイクサイドを、手賀沼と調和するスタイリッシュな中高層住宅地にしていきたい。それができれば、「我孫子市」アドレス自体がブランド価値を持つでしょう。

このように考えると、我孫子ってポテンシャルにあふれていますね。「都心に一番近い湖のまち」を衰退させてはもったいない。知恵を絞って、希望あふれる街にしていきたいものです。

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ゼロ番線の駅、大躍進の予感

こんにちはManachanです。1泊2日の台湾出張から帰ってきました。今日は仕事の用事で、足立区の「北綾瀬」(きたあやせ)という駅に行ってきました。

「北綾瀬」…都内でも不思議な場所です。ここには一応、メトロ千代田線の駅があるんですが、現時点では千代田線の本線と直通しておらず、隣の「綾瀬」駅から盲腸線みたいに伸びる支線に乗って、10分に1本のピストン輸送、3両編成の電車に揺られて、ようやくたどり着く場所。

しかも綾瀬駅「0番線」という、ハリーポッターみたいな不思議なホームから、北綾瀬行きの電車が出ているんです。

私は社会人駆け出しの頃、綾瀬駅が最寄りのアパートに住んでいた時期があります(足立区民でした♪)。この駅からの移動は、メトロ千代田線の上り電車で都心方面に行くか、下り電車で柏の実家に行くかのいずれかで、北綾瀬に向かう0番線のことを、意識することはありませんでした。特に行く用事もないし…近くにありながら、とても遠く感じる不思議な駅でした。

不動産の仕事をするようになってから、ようやく、北綾瀬に行く用事ができたわけですが、行ってみると、駅前すぐのところに「しょうぶ沼公園」がある、閑静な住宅地でした。

北綾瀬の駅前には、数軒の商店の他、現状は何もありません。駅のすぐそばを環七が通り、ロードサイドの外食店がぽつぽつあるだけです。駅から東へ6分ほど歩くと西友がありますが、スーパーらしいスーパーここだけです。

良くも悪くも、閑静な近郊住宅地という感じで、足立区という言葉から連想される猥雑さ、雑然さはなく、クリーンで静かな町でしたね。

その北綾瀬駅が、3年後、大きく変化します。

2018年に、北綾瀬駅のホームが拡張され、千代田線の本線に直通する10両編成の電車が出て、大手町、霞が関、表参道、代々木上原まで乗り換えなしでいけるようになる!(ニュースソースはこちら

これは、北綾瀬地域にとって、劇的な交通アクセスの改善になります。「3両編成が10両に」。そしてダイヤも「10分に1本」から大躍進、「ラッシュ時は4~5分に1本」にはなるでしょう。

数年後には駅前も大きく開けてくるはずです。近隣の「日暮里舎人ライナー」や「つくばエクスプレス」のような派手さはないけれど、都内23区に残された、発展ポテンシャルを持つ地域であることは間違いない。

交通アクセス、地域環境の改善により、北綾瀬の徒歩圏で土地建物をもっている人は、キャピタルゲインが期待できると思います。

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TV取材忌避の理由

おはようございます、Manachanです。

私が取り組んでいる「インバウンド不動産ビジネス」(海外の客が日本の不動産を買うお手伝い)関連で、雑誌、TVから取材させて欲しいという問い合わせが、最近増えています。

私、できるだけ快く取材を受けたいのですが、雑誌など文字媒体はともかく、TVなど映像媒体の取材に関しては、かなり慎重です。特に、「鈴木さんが中国人に不動産案内している映像を撮らせて欲しい」みたいなリクエストは、できれば避けたいのが本音です。

物件選びの途中でカメラが回るのは、お客様にとっても不自然なことですし、それに、私なりの哲学と理想、情熱をもって取り組んでいるビジネスを、TV映像という「単純化フィルター」を通じて、私の本意ではないかたちで視聴者に伝わってしまうのが恐いのです。

今後、雑誌TVの取材要望は確実に増えるでしょう。取材前に記者さんに読んでいただくために、今回の文章を書きました。

・私がどんな哲学を持って、インバウンドビジネスに取り組んでいるのか?
・私の仕事を、誰に対して、どのように伝えて欲しいのか?(逆に、どのように伝えて欲しくないのか…)

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いま、海外から日本への観光、留学、就労、不動産購入…所謂インバウンドビジネスは、明らかに中国人(中華系)が主役といえます。

その中国で、私は、サラリーマンをやっていた時期があります。2005~07年にかけて、大連のIBMで、ITエンジニアとして勤務していました。

当時の大連オフィスでは、中国人社員を対象に、欧米と日本のビジネス文化を学ぶ研修が、精力的に行われていました。私も、数少ない日本人社員の一人として、その種の研修に何度かゲストとして駆り出されましたが、参加者一同が真剣に取り組んでいたのが印象的でした。日本に対する理解のレベルも高く、かつ実践的でした。

「日本人は私たち(中国人)と顔はそっくりでも、文化面では相当な違いがあることに注意すべきだ。」

「たとえば、日本人相手に仕事をする場合は、細部まで手を抜いてはいけない。本番の納品物でないサンプルだと、中国人だと適当にやってしまうことが多いが、日本人は完璧に仕上げて当然だと思っている。」

「日本の会社では、たとえ職位が上でなくても、精確にきちんと仕事する現場の労働者が尊敬を得ている。」

「私たちが日本人顧客の信頼を勝ち得るには、たとえ瑣末でも一つ一つの仕事を精確にこなし、きちんと仕事できることを見せることが肝要だ」

中国へ進出する日本企業内で、このレベルの文化研修が行われているのかどうか知りませんが、たぶんやっているのでしょう。異文化を相手に商売するわけですから、まず何より「相手を知る」、「相手社会のメカニズムを知る」、「相手の文化をリスペクトする」は、基本中の基本でしょう。

日本人からみて、中国人の文化は、外見の近さから連想される以上の違いは、確かにある。とはいえ、隔絶したほどの距離感ではないと思います。私は中国のほか、オーストラリア、インド、アメリカで、それぞれ上司や部下と共にチームで仕事してきましたが、それらの国出身の社員に比べれば、中国人社員の方がいろんな面で日本人に近く、比較的似た感覚で仕事できると感じました。

例えば上下関係の感覚、面子(メンツ)の感覚、基本的に真面目で勤勉なこと、上司がいる環境だと遠慮してしまうこと…まで含めて、世界的視野でいえば中国人の文化は日本人のそれに比較的近いと思います。

そんなクロスカルチュラル(多文化)環境で長年過ごして、語学習得や文化理解をした上で、私は東京でインバウンドの不動産ビジネスを興しました。

日本での移住、不動産購入を考える方なら世界中の方を相手にしますが、数量的にいえば現時点では中国人・中華系相手が中心のビジネス。

基本的に中国語(時には日本語、英語)を使ってやり取りをし、お客様のニーズ(日本のビザを取って移住したい、資産の一部を日本に移したい等々…)に合わせて、一緒に事業計画を練ったり、合同会社や法人口座をつくったり、日本の確定申告、源泉税納付、印鑑証明や納税証明の取り方の指導に至るまで、結構泥臭い仕事をやっています。

外国人に都内一等地、数億円の高額不動産を紹介して仲介手数料ゲット…みたいな派手な仕事やりたい気持ちはありますが、私のような無名な零細事業者には、そのような話はあまり入ってきません。泥臭くて細かくて面倒くさい業務ですが私は、

・自己実現の舞台として日本を選んでくれた外国人を誠心誠意サポートする

その一念で、ここ4~5年、頑張ってきました。幸い、私が仕事でサポートした外国人(大部分が中国人、一部が韓国人)は皆、優秀です。日本で事業を興して、きちんと納税義務を果たし、新たな雇用も創り出して、良き市民として日本で暮らしている人が多く、私は自分の事業を通じて、日本の経済社会に対してささやかな貢献ができたと、胸を張って言えます。

日中関係云々とか、大それたことは言わないけど、民間レベルで「地下水脈」のように、国を跨いだ「信頼の環」を広げていくために、私は一事業者として貢献したいし、何だかんだ言って文化的な共通項の多い日本‐中国間だからこそ、比較的やりやすいとも感じています。

そうした「一事業者の思い」が、雑誌・TV取材でどこまで通じるのでしょう?私の意図をちゃんと汲んで読者に伝えていただけるのでしょうか?

一般論として、それは難しいでしょう。特に一般週刊誌や民放TVでは、読者・視聴者のほとんどが、日本人に囲まれて日本語の世界だけで暮らしているでしょうし、彼らを対象とする紙面・番組づくりにならざるを得ないから、私のビジネスの根底に存在する「異文化・外国語理解やリスペクト」まできちんと伝えていただける可能性は低い。字数にも制限あるでしょうし…

どっちみち「私の仕事の表面しか読者に伝わらない」ことが前提になるなら、それが引き起こす「誤解・曲解のリスク」を少なくしたいのが、正直なところです。

これまで私、週刊誌の取材には、快く応じてきましたが、それは文字の情報だからです。「中国人が日本の不動
産を買い来ている」という大きな話の流れのなかで、私のビジネスの話が出てきて、昨今の市況とか、中国人バイヤーの嗜好などを客観的に語る程度であれば、たとえ誤解曲解されても影響はたかが知れている。

しかし、TVなどの映像情報になると、話は違う。「私が日本の不動産を中国人バイヤーに案内している」みたいな絵が、ビジュアルで視聴者に伝わることによって、即時に反応を引き起こす。人によっては、「日本の土地建物を外国人に売り払う片棒担ぎなんて怪しからん!」と感じたりするわけで、

「映像」と「脳内反応」が即時に結びつく時、私がこのビジネスを立ち上げた万感極まる思いとか、長年の海外勤務で培った文化理解…そうした大事な要素が一瞬にして吹っ飛んでしまうでしょう。今はTV映像がYoutubeやニコ動に録画されて永遠に残るから、下手したら取り返しのつかないことになる。

TV局が私に密着取材して、インバウンドビジネスを立ち上げた動機から始まって、私の手助けで日本で事業を起こした中国人とか、私の仲介したマンションから上がる家賃収入で毎年日本旅行する台湾人を取材するとか、そういう企画ならともかく、

「日本不動産を買いあさる中国人」みたいな扇情的な企画番組に私のビジネスが使われるのは嫌だし、もしそうなら基本はお断りのスタンスです。

最初から結論の決まった筋書に、私が苦労して立ち上げたビジネスがネタとして使われたらたまらない

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