こんばんはManachanです。いつもご愛読ありがとうございます。いまベトナムのハノイに居ますが、ブログは日本国内不動産ねたでいきますね。
オリンピックを4年後に控えた2016年、日本の不動産史上空前の歴史的な出来事が起こりました。東京圏の中古マンションの流通量が新築マンションをついに凌駕したのです。以下引用。
マンション市場が示す「ストック経済」への道 2017/02/09 みずほ証券 上級研究員 石澤 卓志氏
2016年に東京圏で供給された新築マンションは3万5,772戸(前年比▲11.6%)と3年連続で減少し、2年連続で増加した中古マンションの成約件数3万7,189件(同+6.9%)を下回った。また、東京23区についても、新築マンションの供給戸数は1万4,764戸(同▲20.1%)と3年連続で減少し、やはり2年連続で増加した中古マンションの成約件数1万5,290件(同+11.1%)を下回った(中略)新築と中古の逆転は、不動産関係者にとって衝撃的な出来事と言える。
補足しますと、上記の数字は供給戸数であり、2016年に売れなかった残戸数5899戸を差し引くと、新築マンション契約戸数は2万9873戸まで下がります。2016年時点ですでに「中古>新築」は決定的な差になっていたのです。
【2016年、東京圏と23区で中古の供給数が新築を逆転】
今なぜ、首都圏で中古マンションの売れ行きが絶好調なのかというと、ずばり「新築が高すぎる」からです。東京23区では新築マンションの平均坪単価が330万円を超えました。20坪のファミリーマンションで6600万円にもなり、多くの人に手が出ない価格帯になってしまいました。
一方中古マンションなら平均坪単価230万円と新築の約70%、成約ベースで平均4039万円(専有面積は平均17〜18坪)と、サラリーマン家庭にも手の届く価格帯。年収倍率も6.5倍程度なので、現在の低金利環境下で、「新築は無理でも中古なら何とか23区内を買える」世の中といえましょう。
いま、新築マンションの値段が高いのは、地価とともに建築コストの大部分を占める労務単価と鉄鋼価格が高いことが主な理由です。特に2017年は、いずれも過去最高額になっており、平均的な分譲マンション建築に2年かかることを考慮すると、2018〜19年に完成するマンションを安い価格で分譲できないことが一目瞭然。特に東京23区では、企業体力やブランド力ある財閥系、電鉄系大手が、駅近好立地で高額プレミア物件を供給する世界になるでしょう。
中堅デベロッパーの多くは都内新築から撤退し、地方中核都市で建てるか、リフォームなどで収益を上げる構造に転換しています。そう考えると東京圏はますます中古マンションの流通が増え、新築は脇役(高所得者の贅沢品?)になっていくでしょう。
これは、不動産オーナー視点からすると望ましいことです。日本はようやく、アジア的な新築偏重社会を卒業し、欧米的なストック住宅社会に変貌したわけです。これからの日本(都市部)は、一生に一度の買い物で新築マンションを買うのではなく、中古住宅を買って、メンテしながら長く住まう、ライフスタイルに応じて買い換える、という時代になるのでしょう。
アメリカやヨーロッパでは、住宅流通の8〜9割が中古で占められ、新築と中古との価格差がほぼありません。つまり、築年数が経ってもちゃんとメンテしていれば減価しない、値上がりも十分ありうるという世界。日本がそうなるには、まだ数十年かかるでしょう。金融機関の不動産担保ローン審査や、減価償却ルール、中古住宅インスペクションや新築供給戸数制限など、多方面での改革が必要。でも、時間かかっても、日本マーケットは必ずその方向に向かうと私は考えます。
現時点はまだ過渡期ゆえ、新築と中古の価格差が大きい(平均で30%)ですが、中古住宅の流通が当たり前になれば、新築との価格差は理論的には縮まるはずです。なぜなら、
– 【収益還元】賃貸需要旺盛な都心部で同等の立地なら、築年数に関係なく、似たような賃料で貸せる。
– 【売却出口】人々が中古住宅を買うのが当たり前の時代になれば、築年数関係なく、立地が良ければ普通に売れる。
とはいえ、個別に詳しくみていくと、究極の好立地=都心3区でさえも、中古の売買価格が新築の約半分、みたいなケースが散見されます。たとえば、
【中央区新川2丁目(最寄り:茅場町、八丁堀)】
新築(クレヴィア東京八丁堀 新川ザ•レジデンス) 坪単価平均393万円
中古(ライオンズマンション越前堀公園、築35年)坪単価187万円→20.8坪3880万円
(作者コメント)東京駅、日本橋に至近距離。兜町の金融地区まで歩いていけて、賃貸、売買ともに分厚い実需がある都心エリア。ライオンズMは築35年でリフォーム必要とはいえ、中古価格の単価が新築の半分以下で売りに出される合理的な理由が見当たらない。
もし3880万円で中古を買い、800万円かけてリフォームしても4680万円。目と鼻の先で8200万円出して同じ面積の新築買うより、中古買った方がどうみてもお買い得。利益乗せて5200万円で売っても坪250万円だから地域相場からみて十分安い。
【港区芝浦4丁目〜海岸2丁目(最寄り:田町)】
新築(クラッシイハウス芝浦) 坪単価平均347万円
中古(クレストフォルム田町ベイサイドスクエア、築17年)坪単価214万円→19.1坪4080万円
(作者コメント)港区内で比較的単価の安い芝浦エリアとはいえ、山手線の田町駅へ徒歩圏内という立地はプレミア級。南には山手新駅と品川駅、北には羽田へモノレール直結の浜松町、どこを向いても利用価値が高い。
この地域で、中古に目を向ければ「築17年の優良マンションが、新築のほぼ4割引で買える」のがポイント。クレストフォルムは2000年という、建築コストが非常に安い時代に建ったので、オーナーも控え目な値付けしてるんでしょうが、物件のグレードや管理、周辺相場から考えてもっと価値は高いと思う。
【千代田区東神田3丁目〜中央区東日本橋2丁目(最寄り:浅草橋、秋葉原、東日本橋)】
新築(ウエリス千代田東神田) 坪単価平均365万円
中古(シャルムコート東日本橋、築13年)坪単価218万円→15.6坪3400万円
(作者コメント)千代田区と中央区と台東区がせめぎ合う地域。山手線の秋葉原や神田から徒歩10分圏内であるほか、浅草橋、馬喰町(JR)、東日本橋、馬喰横山、岩本町(都営)、小伝馬町(東京メトロ)と、歩いていける駅が非常に多彩なのがポイント。東京駅から2km圏内。
ここで新築を買うと、千代田区最安値とはいえ20坪で7000万超。でも中古に目を向ければ築13年が4割引の単価で買え、アドレスも中央区。現況賃貸中で住宅ローンが組みにくい分、すぐ住める状態より安く売り出されるのでしょうが、退去後きれいにリフォームして実需客に4000万(坪単価257万円)以上で売れると思う。
そういう視点で探してみると、東京都心部では新築と中古の間に大きな価格差があり、地価や建築コストの関係で新築が安く供給できない間は、比較的割安な中古マンションの価格が新築に引っ張られて上がる、その後も「需要>供給」の状態が続く限り上がり続けると思います。
東京都心、需要は日本一旺盛なエリアであり、新築供給できる土地も限られます。通勤通学はもちろん生活利便性も高く、全国屈指の人口増加エリアですので、今後末永く、元本価値を毀損しない手堅い不動産保有ができる場所です。また投資家目線でいうと、「マーケットの歪み」(新築vs中古の価格差)があるうちに早く投資しておカネに換えていきたいですね。
最後に、私はいま東京都心部で「平米単価220万円以下、専有面積40平米以上、5000万円まで」という条件で投資物件を探しはじめています。今後、どんどん物件出てくると思います。自分が投資するだけでなく、読者の皆様とも情報交換しながら楽しく学び、共に投資利益を手にしていきたいです。
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