2018年 4月 の投稿一覧

イギリス~この国と文化のかたち

おはようございます。Manachanです。私は数日前まで、英国ロンドン近郊のセントアルバンス(St Albans)という美しい街にいました。驚くべきことに、この街は古代ローマ時代以来の2000年の歴史を持ち、当時は英国(グレートブリテン島)のなかでロンドンに次ぐ第二の都市だったそぅです。

現在、英国の主力民族であるアングロ・サクソン族が、欧州大陸からグレートブリテン島に渡ってくるはるか以前、先住民(ケルト民族)が支配者ローマ人に抵抗して戦った地が、ここセントアルバンス。

あれから2000年経って、大都市ロンドンの通勤圏ベッドタウンになった今も、街中いたるところに、ローマ時代の大聖堂や石積みの橋などの遺構が残っています。それだけでなく中世、近代、現代の建築物や道標、エンブレム、郵便ポスト等が街中に存在し、今なお現役で頑張っています。

 

 

海の向こうから訪れる私たちにとって、英国が今日みせる景色は、とても魅力的です。

この国では、古い街は古い街らしい落ち着いた佇まいをみせ、大都会ロンドン内にある各地域でさえ個性豊かな歴史と風情に溢れています。そして、真っ白な羊が草を食む緑の田園風景は他のどの国よりも美しい。

大陸欧州と違って戦災や自然災害による破壊が少なかった分、昔のものがよく残っています。その点は島国・日本にも近いのかもしれませんが、日本の農村によくある新建材の家みたいなものは少なく、荘園(マナーハウス)や茅葺き屋根の家とか水車小屋など、昔ながらの良さが残っています。

 

一方で、英国・アングロサクソンの文化は、「新しもの好き」で、情報発信能力に優れています。今なお、ビートルズとかハリーポッターとかマンチェスター・ユナイテッド等、世界中に影響力あるコンテンツを生み出し続けています。

それ以前の時代も、議会制度、郵便、鉄道、金融システム、株式会社と近代企業経営、サッカー、ラグビー、クリケット、ポップミュージック…英国人が始めた様々な仕組みが、世界中に広まって、人々の暮らしを楽しく豊かにしています。

なぜ、英国は古いものを多く残しながら、新しい仕組みやトレンドを生み出す力を持っているのか?英国文化を源流にもつ国・オーストラリアで暮らしていた私の仮説はこうです。

 
「アングロ・サクソンほど、親と子の関係や成人同士の関係が対等な社会は他に類例を見ない。多分それが、独自の文化創造力につながっている」

 

オーストラリアで暮らして驚いたのですが、この社会では、長幼の序とか、先輩・後輩みたいな感覚が皆無に近く、成人すれば、たとえ20歳と50歳であろうと対等、という雰囲気でした。

親子の関係にせよ、誤解を恐れずにいうと「お互いにため口をききあう」みたいなフラットな関係で、特に子供が成人すれば、その意志は個人として尊重され、親の意向を押し付けることは少ない。

こんな社会だからこそ、「親の世代はともかく、俺は俺の好きなようにやるよ」となる。その結果、世代ごとにトレンドが生まれる。それが、事実上の世界共通語(リンガフランカ)になった英語とともに世界中に広まる…

 

一方で、「なぜ、英国では古いものがよく残るのか?」というと、それも、アングロサクソンのフラットな親子関係が影響していると思います。

この社会では、子供世代は自分の好きなことをやる。でもって、親の世代が残したものは、良い意味で「放っておかれる」のです。

親世代が子供世代に対して、古い価値観を強圧的に押し付けるような社会では、力関係が逆転した時に、親世代の残したものを全否定したり破壊したり、みたいな負のパワーが生まれがちですが、

アングロサクソンでは、(少なくとも近現代においては)その押し付け自体が少なく、基本「自分の好きなことをやりなさい」という社会だから、親世代が残したものをあえて破壊したいという気持ちも生まれない。

下の写真にみるように、100年以上は経っていると思われるレンガ造りの住宅にモダンな店舗ができたり、隣の古い家に高さを揃えるかたちでモダンな近代集合住宅が建ったりするのは、英国ではありふれた風景です。

 

そういう歴史を繰り返してきたからこそ、今日の英国では、古い時代から遺されたものが、重層的に存在して、モダンなものと自然に共存していると思います。

日本はアジアのなかでは、奇跡的に、英国と似ている面の多い社会だと思いますが(島国、古いものがよく残る、実は新しもの好き…)、でも日本と大きく違うのは、英国は万事、「あまり無理しない」ことだと思います。インフラ整備も、ライフスタイルも、日本の都市部ほどせかせか急がず、ゆっくり、無理せず…そんな緩い空気の溢れた国。

英国のそんなところが、世界中の旅人を魅了するのだと思います。

Share on Facebook

漢字で学ぶ中国語‐日本人の特権

こんにちはManachanです。今回は久々「語学ねた」でブログ書きます。

 

我が家は国際結婚ファミリーで、東京に住んでいます。子供は二人いて中1と小4。上の子は明日が入学式です。

私は日本で育ち母語は日本語、大人になってから英語圏に5年、中国語圏に3年暮らしたので、英語も中国語もビジネスレベルでできます。妻は台湾生まれですが幼い頃オーストラリアに移住したので、英語がネイティブ。家庭で親との会話は中国語が使われていましたがオーストラリア育ちゆえ漢字に触れられる環境ではなく、きょうだい間は英語が共通語になりました。彼女が漢字読めるようになったのは、高校卒業後、台湾に留学したからです。

その留学中、日本から語学留学に台湾に来ていた私との出会いがありました。その後、結婚して子供ふたりできて、いまは東京で暮らしています。

 

台湾で私たちが出会ったのは、1989年のこと。当時、妻は留学3年目で、中国語を流暢に話しましたが、それでも他の留学生と同様、「漢字の読み書きが難しい」と言ってました。

一方の私は、台湾に来てからわずか2か月、話し言葉は十分にできませんでしたが、日本で育ったおかげで漢字の読み書きの苦労はありませんでした♪

当時の留学生にとって、朝食は街の安食堂が定番ですが、当然ながら漢字オンリーの環境。「小籠包」「豆醤」「油条」「焼餅」「葱油餅加蛋」などと書かれたメニューを解読して満足に注文できるようになるまでに、約1年の中国語学習が必要と言われていました。確かに、漢字を持たない国で育って「一、二、三‥」の書き取りからはじめる人にはその位の学習期間は必要かもしれません。でも日本人だけは別で、中国語知らなくても、来台1日目からメニューの意味くらいは分かってしまいます。

 

その後、台湾で一年暮らしてどうなったかというと、私の中国語は長足の進歩を遂げ、台湾滞在4年目の妻と遜色ないレベルになりました。一生懸命勉強したつもりはありません。たまたま漢字を知っているアドバンテージを素直に活かしたらそうなったのです。

当時の私が中国語をどうやって覚えたかというと、日々、貸し漫画屋で「ドラえもん」の繁体字中国語版を借りて読んでました。1冊4元(20円)で借りられるので安いし、漢字だから意味が分かるし、何より子供の頃から親しんだ日本の漫画だからストーリーも知ってる。「なるほど…中国語ではこの場面でこう言うんだ!」。それを繰り返し、日常生活で真似していくと、話し言葉がどんどんできるようになりました。

 

あと、台湾の字幕付きTV番組も、中国語学習に大いに役立ちました。当時の台湾では日常的に台湾語(閔南方言)や客家語を使い、北京語発音を理解しにくい人が年配者を中心に多かったのです。それでも漢字字幕があれば理解できるので、ほとんど全てのTV番組に字幕がついていましたが、

日本で育った私からみて、こんなに素晴らしい学習手段は他にありません。字幕は漢字だから目で追っていけば意味はだいたい分かる、そこに北京語の音声がついてくるわけです。すでに知ってる漢字の意味に「日常生活で使われる生きた北京語の言い回し」を当てはめていけば、TVで楽しみながら語彙力が日々アップしていくわけです。漢字のない国で育った人だと、学習2~3年目にならないとできない芸当でしょうが、私はたまたま日本で育ったおかげで台湾渡航後すぐ実行できてしまうのです。

日本人が漢字知ってるアドバンテージを活かせば中国語は英語よりずっとラクに習得できる外国語・・・それが正直な実感です。

 

ところで、私たちはいま、日本で子育てしています。家庭で子供に対しては私が日本語、妻が英語で話します。平日は区立の小学校で普通に日本語環境、英語は補習校に週1回通わせています。

二人の子供たちは日本語と英語がネイティブで話せて読み書きもできます。中国語は子供たちは普段話しませんが、私は全く心配してません。なぜなら、

「二人とも日本で育ってるから漢字は分かる。それで中国語半分できたも同然」と思ってるからです。彼らが将来、中国大陸や台湾に行って中国語環境に身を置けば、経験上、非漢字圏の学習者の約半分の時間で習得できてしまうでしょう。

 

逆に、「英語圏で育てた方がいい」とアドバイスする人の気持ちが正直分かりません。漢字を使う日本で育つからこそ中国語に横展開できるのです。英語圏に連れていったらそのメリットが活かせないわけで・・・

私も妻も子供たちも人種的にはアジア人ですし、親から子へ文化的に継承すべき言語は日本語、英語、中国語の3つ。そう考えると、いま子供たちが「日本で育ち日本語をしっかり学ぶ」ことは、アジアと世界で生きていく上で戦略的価値があると私は考えます

 

Share on Facebook