こんにちは、Manachanです。大晦日ですね。世の中はすっかりお休みモードですが、今日もなんとなく仕事している私(汗…)
今回は、Let’s海外不動産投資という、有名なブログについて書きます。作者は、澤さんという投資家の方です。その最新のブログ記事で、アジア太平洋大家の会と、私が個人名で名指しされております。
業者主導の海外不動産投資の形態は時代遅れになっていく (2015/12/30)
口調は穏当です。言ってることに、妥当性もありますし、共感すべき部分もあります。澤さんに対しては投資家として尊敬する面もあります。しかしながら、ひとさまの社会的立場に配慮しない言動、無断での実在社名・人名の名指し、十分な事実確認をせずにWebで公表・拡散・・・自分の行動が、いかにビジネス道徳にもとるのか、無自覚さが余りに目に余るので、私、今回は批判の声をあげざるを得ませんでした。
なお、読者の皆さんに知っていただきたいのは、澤さんの主張する「現地売買価格との比較」は、私も調査中で、判明した事実を、順次、このページで公開しています。一つ一つ、提携業者と確認・同意をとりながらやってるので、どうしても時間かかりますが、確かな事実に基づいて発表していると自負しています。
アメリカ不動産~バリューアップ業者vs転売放置業者 (2015/12/25)
澤さんブログ記事に戻ります。「業者主導のセミナーは時代遅れになる」・・・ハイそれで結構です。私だって、いまアジア太平洋大家の会でやってる「業者主導のセミナー」が、究極のベストの形だとは思ってません。本音をいうと、「誰かが、もっと良いビジネスモデルをつくって、既存の業者主導セミナーを時代遅れにしてほしい」です。
例えば、海外不動産のネット直売とか、将来できればいいですよね。仲介業者が「中抜き」せず、現地のバイヤーズエージェントが、Webinar(Webセミナー)で説明会やって、日本の投資家のリクエストに応じて、現地の価格で買ってくれる。売買契約、所有権移転から、管理会社紹介、入居づけまで、全て、フェアな現地価格でやってくれるならいいなあ。
アメリカ不動産でいうと、たとえば社会保障番号や納税者番号を持たない日本人向けに、リーズナブルな値段で米国銀行口座開設してくれて、米国内に住所がないオーナーというイレギュラーな条件で管理会社にもOKとりつけてくれて、英語が堪能とは限らない日本人向けに、英語文書の説明までやってくれて、米国の確定申告も手配してくれて、日本税法に基づく減価償却や譲渡所得税の最適化、場合によっては日本法人での取得にも対応してくれて、米国LLC設立もやってくれて、その他、時差のある日本からの質問にもタイムリーに対応してくれて…そこまでやって、米国人が買うようなフツーの値段で買える方法を編み出してくれたなら、素晴らしい。
近い将来、そういう方法が確立できて、ビジネスとして成り立つのなら、日本で業者呼んでセミナーなんて、確かに時代遅れになるよね。投資家の立場からいうと、そうなって欲しいですよ・・・誰かがそれを、ビジネスとして、やり切れるのなら。
澤さんは、そういう仕事を、日本に住んでる日本人相手にやり切れるんですか?自分がやる想定で、発言されてますか?・・・というのが、私の根源的な問いです。
私、日本で200回近く、海外不動産セミナーやってますが、上記の仕事が満足いくレベルでできる業者にお目にかかったことがありません。また、日本の投資家も、まだリテラシーがついてきてません。それに、日本に住んでいれば日本国内の資産入れ替え、節税、法人化といった課題を各人が抱えており、日本と海外の資産ミックスのなかで、最適解を見出していかなければなりません。国内外の基本的な不動産税制や、FP2~3級レベルのリテラシーは最低限必要。それらもろもろ考えると、結局、現時点では、「時間とコストがかかっても、日本でセミナーやって、業者利益乗せて売る」以外のビジネスモデルが確立してないんです。
このモデルが、究極のベストじゃないかもしれないけど、現時点で、ニーズは旺盛です。ここ数年、業者から「セミナーやって欲しい」リクエストは増える一方。我々アジア太平洋大家の会だけではさばききれないから、「オウチーノ社」と分担してる位。集客数も年々増える一方。むしろ、投資家の多様なニーズに応えられる業者が十分に育っていないので、育成が必要な段階といえます。
「本来、どうあるべき」という理想論ではなく、「客観的状況に即して、何を優先して取り組むべきか?」という現実論からいえば、「業者を呼んで日本でセミナー」という枠組のなかで、
「いかにして、投資家の知識・情報武装をサポートしていけるか?」
「まじめな業者を、いかに大きく育てるか?」
を、現時点では優先しています。「日本人が、もっと安く、早く、スムーズに海外物件を買って運営できる」次の時代を見据えながら、少なくともあと2~3年は、日本でセミナーを続けていかねばならないと思っています。
業者は叩くより育てよ (2015/12/16)
で、先程の本題に戻ります。澤さんが、「日本の投資家のために、低コストで米国不動産直売ビジネスやります」と言っても、私は彼と一緒に仕事することは多分ないでしょう。残念ながら彼は、ネット上で非常に悪質なことをやっており、私は正直、激怒しています。・・・特にこれが問題、
海外不動産投資で情報弱者が支払う対価について (2015/12/12)
私のコメント付きで、引用しますね。
今年より日本人向けにメンフィスの物件を紹介しているWIN/WIN Properties, LLCという会社があります。代表者は山崎美未、呉純子、柳原大輝の3名です。WIN/WIN Properties, LLCがセミナーで紹介されていた物件を元に上記3つの投資家にどのような違いが出てくるのか数字で比べたいと思います。
(Manachan)おっ、すげえ!いきなり社名名指し、実在の人名晒しですか…
WIN/WIN Properties, LLCで紹介されていた物件です。
物件タイプ:Single Family home
物件:大きさ約1000Sqft
想定家賃:$825
物件価格:$110,000
表面利回り:9%
(Manachan)この物件住所はどこでしょうか?いつの時点で販売されていたものでしょうか?それが示されないと、この情報の真偽自体判断できません。ちなみに、私がWINWIN社に問い合わせたところ、同社が取り扱った物件のなかで、上記の想定家賃・物件価格で売り出されたものはないそうです。
同じような物件を地元の不動産投資家/不動産会社は以下のように販売しています。
物件タイプ:Single Family home
物件:大きさ約1000Sqft
実際の家賃:$825
物件価格:$64,000
表面利回り:15.4%
(Manachan)この物件住所はどこでしょうか?どの業者が、いつの時点で販売されていたものでしょうか?
同じ条件の同じ物件でもWIN/WIN Properties, LLCから物件を購入した場合、現地の投資家達が購入する金額よりも$46000割高な金額になってしまいます(中略)$46000というと日本円で約560万です。
(Manachan) 「WINWIN社が46,000ドル、高く売っている」の具体的根拠が分かりません。だいいち、比較しているのが同じ物件なのか、かつ同じタイミングで販売されていたものなのか、基本的な事実が書かれてない以上、その正しさを判断する術がありません。
引用終わります。澤さん本人が「同じような物件」と言ってますので、おそらく、「似たエリアで、想定賃料ほぼ同じで、約1000SqtのSingle Family Home」を比較したんじゃないでしょうか?物件が違うのに、フェアな価格比較できるんですか?不動産はひとつひとつ違いますよね?この2物件は、間取りから設備から全く同じ状態なんですか?同じストリート?築年数は?入居の有無は?入居者属性は?市場価格同じはずと思う根拠は何?・・・統計学的に整理するやり方はアリだけど、それやるなら相当数のサンプルをとって比較しないと有意ではないはずと思いますが・・・
日本の事例で分かりやすくいうと、私は今月、「埼玉県内、同じ駅の北口と南口で、全く同じ賃料で出ている中古戸建2つ」を見ました。延床面積、間取りとも似たようなものです。でも、駅距離が違う(徒歩5分vs16分)、室内設備内容が違う(追い炊き付のユニットバスvsバランス窯)、室内コンディションも違うし、土地面積も接道条件も用途地域も全部違う・・・条件悪い方の戸建は、おそらく200万円以上の投資をしないと、同じ賃料で再募集できないし、更地にして売っても二束三文の状態でした。私、この二つの戸建を、顧客に「ほぼ同じ価値です」と言って売るのは、商道徳にもとると思いますし、仮に価値の高い方の戸建を、低い方の戸建より数百万円高く売る業者があっても、それはボッタクリとは思いません。
澤さんの言ってる「同じようなSingle Family Homeの価格」が、これと同じケースでないことを祈りますが、不動産が個別に違う以上、「別の物件を、ほぼ同価値である」と言い切るには、「積算法or再調達原価法or収益還元法による査定」か、あるいは「相当な客観的事実の裏付け」がないと無理があると思います。
また、私の確認した限り、澤氏からWINWIN社に、事実確認の照会は一切なかったようです。だから同社も、「何の物件のこと言われてるのか分からない」と困惑してました。それなのに46,000ドル高く売る、日本人をカモにするボッタクリ業者、という趣旨のことを言い切っている。
少なくとも世間で、こういうものを、調査とはいいません。デマ、風評、極端な誇張、悪意のある情報操作・・・のいずれかです。
投資家のために少しでも安く買える方法を提示したいという彼の「正義」は分かるし、ある意味共感できる。でも、正義感に駆られた彼の行動が、「日本人にとっての海外不動産マーケットを健全に発展させたい」私の立場からすれば、「至極迷惑」なんです。それ以前に、これ立派な営業妨害ではないですか?今の世の中、「某社は560万円もボッタクる」情報を、Webで不特定多数向けに公開すると、SNSを通じて不特定多数に拡散、バッシングされる可能性があります。私、WINWIN社に関しては、いま相当な時間をかけて調査やってますが、そういう「地道な事実の積み重ね」がいとも簡単に否定されて、「ボッタクリ業者」のレッテルや「560万円」という数字だけが独り歩きしてしまいがちなのが、ネット社会の恐ろしさ。
だから、Webにおけるひとさま名指しの批判は、相当の覚悟・説明責任が伴うはずです。ITの世界に明るい澤さんが、それをご存知ないわけはないと思うのですが…
善人面して、投資家利益を守るだの、立派なお題目を掲げながら、他人を、他社を叩く・・・分別ある大人なら、普通そういうことはしないと思いますが、
「自分の言ってることが正しい」という思い込み
「自分のやってることが正義」という自己正当化
「悪(ボッタクリ業者)を懲らしめる」快感(脳内麻薬の分泌)
これが揃うと、人間、結構エグイこともやれてしまうのです。だから、気を付けなければならない。正義感が過剰な人間ほど、目的達成のためには犯罪も辞さない、正義の達成のためには犠牲者が出るのも止むを得ないと思ってしまいがちなのです。たとえば、「地球を守れ!」を錦の御旗にして、漁業を妨害する、彼らが生活苦に喘いでも意に介さない環境保護団体だっています。焼身自殺、自爆テロだって、本人は正義を実践してると思ってるはずです。ポルポトだってビンラディンだって・・・
人間として社会生活する上で、「悪」は比較的対処しやすいけど、「正義」に対処するのは難しい。「正義」が、私たちに、誰かに危害を加える時、現代社会はそれに対処する方法を余り持っていないからです。だからこそ、「正義感のある批判には、反論が大事」・・・それが私の座右の銘。
最後になりますが、私は海外不動産マーケットの健全な発展を妨げる、ネット上の風評拡散行為に対しては、断固とした行動をとります。
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