築古戸建でリタイアする方法

こんばんは、Manachan@家族と北海道ファームステイ中です。昨日、ネットで読んだマネー相談記事が面白く、私も思うところがあったので、ブログ一本書いてみます・

36歳公務員、貯蓄4000万円。今からリタイアできる?
大まかな内容と、ポイントを箇条書きしますね。

・相談者は大阪在住の36歳男性、公務員、独身。
・4000万円以上の金融資産(貯蓄、ETF等)あり。
・仕事がつらいので退職、セミリタイアしたい。
・退職後は2年間休養、その後は至近の運用と60歳までのパート労働で、生活費を切り詰めて暮らしたい。
上の相談に対する、業歴26年のベテランFPからの回答は次の通り、

・このプランだと、年金受給前に生活費が底をついてしまう。
・2000万円を年2%(インフレ調整後)で運用し続けられれば良いが、それは相当ハードルが高いと言わざるを得ない。
・アドバイスは労働収入アップ(退職時期を延ばす、パートの年数を70歳まで延ばす等)

 

これ読んで、私が思ったこと、

・「お金のプロ」のアドバイス内容が、「労働収入アップ」じゃあ、発想があまりにも貧弱ではないの?
・そもそも、仕事が辛くてやめたい人に対して、労働収入アップのアドバイスは酷ではないか?
・せっかく、4000万円もの資金があるのに、「資産運用」にもっと軸足を置いた提案はできないの?
・なぜ、年2%の資産運用が難しいと思うの?収益不動産使えば簡単じゃん!

 

そこで私が、不動産を使った「Manachan的ソリューション」を考えました。不動産といってもいろいろありますが、この相談者に一番合う、リスクを抑えた投資方法だと思うのが、

・千葉県など都市近郊で、築25~35年位の土地付き戸建を、600万円くらいで3戸買う。
・それぞれを月5万円位で賃貸に出す。
・築がさらに古くなり、入居づけが厳しくなったら、古家付土地として、業者に600万円くらいで売る。
・売れたら、資産を組み替える(築25~35年位の戸建を新たに買って賃貸に出す)

 

たった600万円で、どんな戸建が買えるのかと、都会人の皆様は不思議に思うかもしれませんが、そこは、千葉県出身の私に聞いてください。都内、神奈川、埼玉では厳しいでしょうが、地価の安い千葉県なら、例えばこんなポートフォリオを組めます。


・シティ派戸建・・・船橋市、柏市、流山市あたりの東京近郊地域、駅からバス便のやや不便な立地で、土地25~30坪付きの築古戸建が600~800万円で買え、地元ファミリーに月5~7万円に貸せます。

・田舎派戸建・・・八街市、富里市、大網白里市あたり、東京通勤圏を外れた立地とはいえ、駐車場さえあればファミリー賃貸がつく場所で、30~60坪土地付き戸建が400~600万で買え、地元ファミリーに月4~6万円で貸せます。

 

【柏市戸建(豊四季駅徒歩10分)の例・・・リタイアに理想的な土地値以下物件】

shikoda

シティ派、田舎派とも、「戸建用地として売却できる場所」で「土地値で買う」ことがポイントです。たとえばシティ派の船橋市、柏市あたりでは、バス便立地でも戸建用地の需要は旺盛、かつ坪20万円以上で売れますので、25~30坪あれば700~800万円で売れる。田舎派でも八街市や大網あたりの戸建用地なら坪10万円以上はつくので、30~60坪の土地の売却代金は300~600万になる。

つまり、土地値で買うから、資産の目減りはない。かかるとすれば、撤去費用ですが、木造なので100万円くらいで済みます。道路づけが良く、大きな庭木がなく、撤去費用が安上がりな物件を選んでおくのがポイントですね。あと築古戸建は固定費がベラボーに安上がりなのが魅力。マンションと違って月々の管理費修繕費はかからないし、建物が法定償却年数を終えていれば固定資産税は土地分だけなので激安。

千葉県、茨城県あたりでは、不便でも土地付き戸建に住みたいファミリーは多いし、需要は根強く、末永い。かつ、一旦入居がついてしまえば、入居期間は長期に及ぶ特徴があります。

 

投資できる金が2000万円あれば、どんなものが買えるでしょう。たとえばの話

・千葉県柏市でシティ派戸建を700万円で購入、月額家賃6万円で現況賃貸中
・千葉県船橋市でシティ派戸建を700万円で購入、月額家賃6万円で現況空室
・千葉県富里市で田舎派戸建を400万円で購入、月額家賃4万円で現況賃貸中

 

というポートフォリオが組めたとすれば、

・物件代金 1800万円
・購入時費用 200万円 (仲介手数料、登記代、入居広告費等)
―――――――――――――――――――――――――――
合計 2000万円

 

月々の収入は、3戸とも入居ついたとして、

賃料 16万円 (6万+6万+4万)
‐ 経費率 20%⇒3万2千円 (管理費+固定資産税=10%以下、保険代、修繕費用を多めにみても20%で十分)
‐ 資産組換えの積み立て 10%⇒1万6千円 (将来、戸建売却の際の撤去費、新たな戸建取得費用に充当)
――――――――――――――――――――――――――――
ネット月収 11万2千円

 

3戸中、いくつかが空室になっても、残りの物件から家賃は入ってきます。

3戸中2戸入居の場合 ⇒ 7万~8万4千円
3戸中1戸入居の場合 ⇒ 2万8千~4万2千円

 

もともと、2000万円の投資資金を投じているわけですから、

3戸中3戸入居の場合 ⇒ ネット年収 134万4千円 、運用益 6.72%
3戸中2戸入居の場合 ⇒ ネット年収 84万~100万8千円、運用益 4.20~5.04%
3戸中1戸入居の場合 ⇒ ネット年収 33万6千~50万4千円、運用益 1.68~2.52%

例のベテランFPは、「運用益2%を続けるのは相当ハードル高い」と言ってましたが、戸建賃貸モデルでいけば、たとえ3戸中2戸が空室続きでも、2%以上の運用益はラクラク出るのです。

 

リスクとしては、何があるのでしょう。

・自然災害や火災による物件全半壊、毀損リスク・
 ⇒保険でカバーできる面が大きいし、たとえ全壊しても土地の価値は残るから、損失出さずに出口取れる可能性が大きい。

・入居がつかないリスク
 ⇒入居づけ困難なら更地にして売却すればいい。

・入居者とのトラブルのリスク
 ⇒管理会社、家賃保証会社、保険の活用でかなりの部分はリスクヘッジできる。

・更地にしても売れないリスク
 ⇒宅地としての需要がある限り、少なくともマーケットに見合う価格まで値下げれば必ず売れる。計画的に売却を進め、売り急がないことが肝要。

・インフレリスク
 ⇒インフレ局面で土地と家屋を所有していれば強い。額面家賃の目減りはある反面、不動産価値(売却時価格)が上がる可能性が大きい。

・金利上昇リスク
 ⇒そもそも融資組んでないのでリスクはない。

・相続税リスク
 ⇒都市郊外や田舎で、評価額が土地値だけの物件なので、よほどの戸数がない限り相続税かからない。

 

私思うに、最大のリスクは、「相談者本人が、賃貸経営をやろうとする気になるか?」だと思います。もし、彼がやる気になり、私のアドバイスを聞いたならば、100%に近い確率で、彼のリタイア計画を成功させられると思います。

もう少し、戸数と家賃収入が増えれば、もはや時間を切り売りしてパート労働なんかやる必要ない。賃貸経営者として食っていけると思います。

 

続編もお読みください→千葉県戸建リタイアの土地選び

 

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