2018年 10月 の投稿一覧

函館の地元で、街興しの仕事を一緒に創りませんか?

拝啓 函館在住の皆様、函館を愛する旅人の皆様へ

 

こんにちは。私は東京在住で、世界中を舞台に不動産投資に関わる仕事をする者です。自身も15年以上前から、個人投資家として、日本のほかオーストラリアやアメリカ、東南アジアを中心に不動産投資を続けてきました。とにかく三度のメシより不動産が大好きで、この命が尽きる瞬間まで、間違いなく、不動産に関わって生きていくと思います。

私のライフワークである不動産が、他の金融商品と大きく違うのは、1)利用価値を持った実物(モノ)であること、2)「住まう」「働く」「商売する」といった人間の暮らしの根幹をなすこと、3)寿命が長く、メンテナンスを続ければ人間の寿命よりも長持ちすること…それゆえ、不動産の世界で成功するためには、「長期的な視野」と「地域の人間生活に対する深い洞察」が欠かせません。

私が不動産投資・ビジネスにおいて他の何よりも重視するのは、「あるべき場所に、あるべき建物があって、後世まで引き継がれていく」ことです。いま日本は全体として家余りで人口も減っていますが、利用価値のある土地や街に、よく調和した良質な建物があって、適切にメンテされていれば、将来にわたって価値が保たれていくはずです。私はそういう価値ある物件のオーナーになったり、発掘・企画することに生き甲斐を見出しています。

今回(2018年10月24日)、縁あって訪れた函館の西部地区は、まさに、「街とは何か?」「価値ある物件とは何か?」を、考えさせられた場所です。

 

1)魅力的な都市日本一なのに、激しい過疎化

「地域ブランド調査」で、函館市の快進撃が続いています。2014、15、16年と「京都」をしのぎ、3年連続日本一に輝いています。特に「観光意欲度」、「地元の食材が豊富」、「食事がおいしい」という項目で全国1位。全国屈指の好印象を持たれている都市といって間違いないでしょう。

日本の魅力的な都市ランキング1位は?函館が3連覇!札幌や小樽は?

 

そこまで魅力的な都市だと思われているにもかかわらず、函館市では全国屈指の激しい人口流出・減少が続いています。1940年以前は、北海道で一番人口の多い都市だったのに、札幌に抜かれ、旭川に抜かれ、今は総人口26万人しかおらず、しかも毎年3千人減り続けています。日本有数の好感度を持つ観光都市なのに、全市が過疎地域に認定されているのは何という皮肉でしょう?

毎年3千人が消えてる?! 函館の人口が減り続ける理由 まとめ

 

2)函館市で一番魅力的な観光地に、市民が住まない

函館市の主要産業は、以前は「漁業」でしたが、今は「観光」です。アジア近隣諸国からインバウンド観光の後押しもあり、JR函館駅周辺エリアでは大資本が入りホテル建設ラッシュの様相。マンションも含めて高層建物が並び、駅前は朝市周辺を除けば平凡な地方都市的景観になっています。

 

他方、函館らしい景観と、魅力的な観光地が多いのは、函館山の麓に広がる「西部地区」。坂の向こうに青く輝く海、緑の函館山をバックに、おしゃれなお店が並び、カトリック元町教会、ハリストス正教会、イギリス領事館など洋館群が並ぶ観光地になっており、「女子旅」を中心に観光客でにぎわっています。この辺は19世紀から栄えた旧市街なので、市電はじめインフラも完備されています。

 

しかし、今日の函館市民の大多数は西部地区に住みません。住まいという意味での函館市の中心は、西部地区→函館駅周辺→五稜郭周辺→産業道路周辺(美原地区)と、時代とともに北上を続けています。クルマ・道路の便が良く近代的に整い、函館市民のマイホーム取得の中心地である美原地区は、日本のどこにでもある郊外ロードサイドの風景が広がりますが、そこから最南端の西部地区は距離的に一番遠く、冬季だとクルマで一時間かかってしまうこともあります。

つまり、今日の函館は、主要産業の稼ぎ頭である「観光地」と、市民の生活の場が完全に分離した都市になっているのです。

私が訪れた時も、「元町」エリアの観光動線上にあり、観光客相手の民泊立地としては申し分ない戸建住宅(3棟長屋のうちの1戸)を内見しました。この物件は相続で売りに出されましたが、地元実需がまるでなく2年間も売れませんでした。人が住まない間、寒波で水道管が凍ったりして、メンテナンスコストがかかることも一因ですが、放置されるのは余りにも勿体ない。

 

山側のお部屋からは、函館山ビューが…

 

海側のお部屋からは、(ちょっとだけ)函館港のオーシャンビューが

 

長屋なのでお隣と共有壁ですが、その真ん中に雪落としスペースがあり、ここは中庭としていい感じの景色

 

外観はこんな感じで

 

玄関先には、石畳の道。

 

この石畳の道の斜向かいが「旧相馬邸」、その先がすぐ「元町公園」の洋館群が並ぶ一角。観光立地としては申し分ないですが、こういう家が売れずに放置されるのが、いまの函館の現状です。

 

元町から10分足らず歩いた距離の弁天町には、これまた、後世に残したい「明治創業の酒屋」、「鉄骨の建物に蔵2つが入っている」魅力的な建物があり、こちらも売りに出ています。長年、酒と味噌に関わる事業を営んだ商家ならではの、ホーロー引きのレトロな看板やイラストの数々。倉庫レストラン兼宿泊施設(オーベルジュ)みたいな活用法で再生できないものかなあ?

 

 

 

3)函館民泊運営はブルーオーシャン

いま函館は近隣アジアからのインバウンド観光が盛り上がっています。平日の元町界隈を歩いても、市電に乗っても、中国語や広東語が当たり前に聞こえてきました。皆さん、日本人と同じような少人数の女子旅で来てました。

彼らの宿泊先として、函館駅界隈でホテル建設が進んでいますが、函館の雰囲気が感じられる主要観光地から2~3㎞離れています。元町界隈の良い感じのエリアに泊まりたい需要は必ずあるはずですが、現時点では民泊が数えるほどしか登録されていません。日本各地の観光地と比べても驚くべきライバルの少なさです。

 

その理由は、現時点で函館現地に住み、民家型の宿泊施設運営を事業としてやっている方がほぼ居ない、という、運営側の事情につきます。なぜなら、「運営体制さえ整えば函館元町の古民家どんどん買いたい」という都会の投資家も、「函館地元で売れない中古住宅を買ってくれる方が居ればすぐにも売りたい」という地元オーナーも、いくらでもいるからです。

言葉を換えれば、「いま函館で民家型の宿泊施設運営に事業として参入すれば、ライバル居ないなかで商売を伸ばせる」まさにブルーオーシャンといえます。

またこれは、函館旧市街地で長年の風雪に耐えて、いまオーナーが居なくなり取り壊しの運命にある住宅を結果的に救い、函館の個性ある都市景観を守ることにも直結します。そういう街興しの社会的意義ある仕事が、地元に居ながらできるのです。

 

もし、「是非やってみたい」、「できるかどうか分からないが、興味あるので調べてみたい」という地元在住の方、或いは函館と関わる仕事をしてみたい方は、是非、私までご一報いただけると幸いです。私、函館に地縁血縁もない余所者ではありますが、この街の個性ある都市景観を守り、観光業を持続的に発展させる上で、自ら函館の民家オーナーになって再生資金を出したり、或いは志を同じくする東京の投資家を連れてきたり、といった貢献はできますので。

 

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出でよ金融マン!(日本の銀行このままでいいの?)

今回のブログ記事は、日本の銀行関係者、または融資関係で銀行とお付き合いのある経営者・投資家の方々に向けて書いた、一事業者からの問題提起です。

 

私は、東京の品川区でささやかな不動産仲介業を営む者です。もともと外資系IT企業に勤めるエンジニアで、趣味で不動産投資を嗜んできましたが、2013年2月、勤め先を解雇されたことをきっかけに、大好きな不動産で生計を立てる決意をして第二の人生をスタート。オフィスを借り宅建業免許を取り、一人社長で頑張ってきました。

創業5年目の2017年末、ご縁あって、石川県金沢市、ひがし茶屋街近くにある町家を弊社で買わせていただきました。金沢の文豪・徳田秋声の名作「町の踊り場」にも出てくる、明治35年から116年の長きにわたり、金沢の街を見守り続けてきた歴史ある家です。秋声の姉の婚家(葉茶屋)であった大正~昭和初期から所有者が何度か変わり、今回、オーナーの和菓子屋ご夫婦が高齢で引退に伴い売却することになりました。事情でキャンセルが続いてしまいタイムリミット(年末)が迫るなか、金沢の業者仲間経由で私に話が来ました。

 

この住宅は、もし私が買わなければ、おそらく取り壊されてコインパーキングになっていただろうという話。もしそうなったら秋声作品ゆかりの建物がこの世から消えてしまいます。私は是非後世に残したいと考え、手元の現金を使ってまず土地建物を購入。翌年から建物本来の良さを残した町家を再生した宿泊施設として設計を開始、旅館業許可つきの建築確認を取り、現地の一棟民泊専門の業者に運営をお願いする想定で、つい先日(2018年10月初め)、工事着工したところです。

よそ者である私が、金沢の街で宿泊施設のオーナーになるにあたって、まず地元町会の方々の気持ちを理解尊重する必要がありますし、同時に私の事業が金沢の和風な街並みを守り文化を継承する趣旨であることを、地元にご理解いただく必要があります。そこで現地の友人の手ほどきを受けつつ、何度も金沢に足を運び、ご挨拶を重ねてきました。

 

事業資金については、すでに支出した土地建物や取得費用、税金、火災保険、設計費等については自費で賄った上で、工事資金に関しては一部で良いので、できれば金融機関にご支援いただこうと思い、金沢および東京の金融機関数行にご相談しましたが、今のところ、ゼロ回答が続いています。

各銀行や支店にそれぞれの融資・審査基準があり、結果的にご縁がなくてゼロ回答になることは仕方ないですし、また銀行からみて弊社のような中小零細企業への融資は手間がかかる割に大して旨味がないのかもしれません。

ですが審査や回答の中身が、(こんな言い方して申し訳ないですが…)私たち民間事業者からみて余りにも「思考停止」ふうに見えたのが余りにも残念で、一言申し上げたい一念から、筆をとらせていただきました。

 

【ゼロ回答の例】

1)石川県に本店がある地銀より「石川県内にお住まいや事業所のない方にはご融資できません」

→これを石川県にしか拠点がない銀行から言われるなら理解できますが、私が相談した銀行は東京に支店があり、かつ私自身が東京支店に出向いて融資相談に行った結果、これを言われました(注.東京支店から私の事務所まで電車で15分の距離です)。

 

2)東京都に本店があるメガバンクより「築年数が耐用年数を超えており担保が取れないので無理です」、「弊社として一棟物件の運営事業には当面融資できません」

→相談したタイミングが、スルガ銀行に対する金融庁の検査が入っている時でしたから、稟議が厳しいのは理解しますが、ここは「平時」でも耐用年数超え物件に融資出さないことで知られる銀行で、私ども不動産業者からみて、かなりビジネスチャンスを逸しているように見えます。

 

銀行とは本来、資金需要のある民間企業にお金を貸して、事業のリスクの一部を負うことで利益を出す業態であるはず。実際に融資を通じて日本の経済成長を支えてきたわけだし、それが銀行員のプライドや信頼感の源泉になってきたはずです。

しかし今や、時代が変わり、銀行業務も激変。原点を忘れた銀行経営陣や行員が増えた(ように見える)結果、一部の民間事業者に、今やこんな風に揶揄されていますよ。

 

・融資を必要とする俺ら中小企業に全然貸さないし、貸すノウハウもない。

・逆に、株式市場や社債でいくらでも資金調達できる大企業にばかり貸したがる。必要ない人に貸すから金利値切られるし、儲からない。

・本業(融資)で稼げないからといって、本来は証券会社や保険会社がやるはずの手数料稼ぎに走っている。それでも行員食わせるの大変だから次は不動産仲介までやらせてもらうらしい。

・俺ら(事業者)ばかりがリスクを負って、銀行がリスク負わずに手数料稼ぎに走る、そんな国が経済成長できるのか?

・お前らもっと頭使ってガチで仕事しろよ!働くって「はた(傍)をラク(楽)にする」ことだろう?民間企業の資金繰りを楽にしてくれない銀行の存在意義って一体何なの?

 

もし「それは違う!」というのなら、具体的な行動で示していただきたい。「私が上を説得して、500万円でも出してみせます!」…この文章がきっかけで、行員が意気に感じるかもしれない。或いは、この文章を読んだ方が、私を気概のある行員と引き合わせてくれるかもしれない。そんな一縷の望みを託しつつこの文章を書きました。

出でよ、金融マン!日本の銀行、このままでいいのか?リスクを負ってビジネスと雇用をつくり出すこの国の民間事業者から「使えねえ」扱いされていて良いのか?「否!」というなら、すぐに行動で示して欲しい。そんな人間が現れてくる日本であるなら、まだ将来の望みは残っていると信じたい。

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世界中が東京不動産を買う予感

こんにちは、Manachanです。いつもご愛読ありがとうございます。

つい数日前まで、私はスペイン•バルセロナで、国際不動産業界のシンポジウムに出てました。ヨーロッパやアメリカを中心に、北はアイスランドから南はニュージーランド、南アフリカまで、世界各国から約70社が参加する大型イベントでしたが、百名を超える参加者全員を前に行われた「基調講演」の内容に、私はぶったまげました。

– アジアでこれから面白くなる不動産マーケットは、ずばり「東京」。

– オリンピックを控えた東京ではエキサイティングなことが起こりつつある。

– 経済もようやく回復し、自信(Confidence)が戻りつつある。東京の不動産価値も直近で9.4%上昇中。

– しかも東京不動産は、同じアジアの香港やシンガポールと比べて割安感がある

 

私はこれを聞いて、「東京の優良不動産を全世界向けに売るっきゃない」と思いましたね。中華系だけではなく、むしろ欧米系のお客様にチョイス、マーケティングして売れるようにしたい。

それにしても、彼らの着眼点は、日本でよく聞く話とは真逆ですね。日本人の不動産評論家や投資家が良く言うのは、「オリンピック後、東京の不動産市況は腰折れする」、「これから日本は人口が減って空室も増え、不動産価値は下がる一方」みたいな悲観論が多いですが、これに対して私が思うこと、

・不動産に関して、日本全体と東京は明らかに違うマーケットでしょ?

・東京マーケットに関していえば、日本人の言うことより外国人の方に説得力を感じる。なぜなら前者は日本しか見てないのに対し、後者は「グローバルな都市比較」の視点があるから。

・世界の不動産投資マネーは「国」よりも「都市」で動く面が大きい。同じアジアの香港やシンガポールよりも東京の不動産が安く買えて、かつ、東京が都市機能的に劣らないのであれば、割安感を求めて資金流入は大いにありうること。

 

客観的にみて、東京が香港シンガポールに都市として劣ることはありません。都市圏人口・総生産、Fortune Global 500企業の本社数、都市総合力の世界ランキング、インフラ…現時点で東京は間違いなく、アジア・世界でトップ都市の一角に入ります。

 

JLL世界都市の類型をみても、東京は香港やシンガポールと同じく「世界のビッグ7」に入っています。

 

「アジアのスーパー世界都市」東京の都心部不動産価格に割安感があるのか、私の感覚的にいうと、

・香港と比べれば、明らかに割安です。

・シンガポールと比べれば、ほぼ同じかなあ~。でも、シンガポールで外国人が不動産買うと約20%の印紙税がかかり、東京ではそれが無い分、割安にみえそう。

 
今年2月、私はシンガポール都心部で、Tanjong Pagar駅直結のタワマンWallich Residenceはじめいくつかのレジデンスを内見しています。当時の感覚値は、「シンガポール都心部レジの値段は、坪@700万円くらい」(22,000~26,000 SGD/Square Feet)だったので、いま東京の港区あたりで@700万円で同等物件が買えれば、少なくとも20%印紙税分は割安ということになる。

そこで、REINSを叩いて、港区でお金持ちが買いそうなエリアのマンション在庫・成約価格を調べてみました。そこで見えてきたこと、
 

・港区の赤坂、南青山、虎ノ門といった一等立地で、出し値レベルでは坪@1000万円超のプレミア物件(虎ノ門ヒルズレジデンス、パークコート檜町ザ・タワー等)がいくつかあるが、プレミアでない通常の新築・築浅マンションだと坪@500~600万円台がせいぜい。

・麻布十番、広尾、高輪、白金、南麻布といったエリアになると、地域トップ物件でも@700万円台いくかいかないかで、その他は@500万円を切るレベル(その代わり、広尾あたりだと築が古くなっても値下がらないという副産物があるが…)
 

つまり東京都心でも、超プレミア物件以外は高くてもせいぜい坪@700万円で、シンガポールのオーチャードや金融CBD地区とほぼ同等レベル、印紙税分だけ割安感あるように感じました。香港などはシンガポールの倍みたいな世界だから、それと比べれば虎ヒルでさえかなりのバーゲンに見えてしまいます。オリンピックを控えて世界の富裕層にもっと注目されそうですね。

なお、港区以外の千代田区、中央区、江東区まで、REINS事例を一通りみてみました。思ったこと、

・千代田区は港区の一部のような超プレミア物件が乏しい代わりに、築古になっても資産価値が底堅く、坪@300万円を切るものがあまりない(港区には@200万円台が結構多い)。飯田橋や市ヶ谷は特に強くて、築浅中古で@500万近くで売れたりする。番町アドレスだと中古で@600万円いくこともあるので、赤坂・南青山レベルに近い千代田最強の戦闘力といえる。

・中央区は港、千代田と比べると品等が落ち、坪@500万円を超えるレジが数えるほどしかない。区内では佃のリバーシティは中古でも資産価値が底堅い。勝どき、晴海は築10年以内の中古成約がものすごく多く、需要の旺盛さを感じるが、坪単価は@300万ちょっとの実需レベル。あと、「水天宮前>小伝馬町」、「佃>月島」みたいなミクロな序列があるのが面白い

・江東区は…(ノーコメント。データ見てるうちにボルテージ下がってしまう。ああ俺はなんて庶民的なエリアに住んでるんだ!)。

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