2019年 5月 の投稿一覧

海外不動産は「保有耐性」+「外国耐性」

こんにちは、Manachanこと鈴木学です。いつもブログご愛読ありがとうございます。今回は、「海外不動産とオーナーとの相性」というテーマでひとつ書いてみます。

私は世界の不動産を日本向けに紹介・仲介する業者です(自身が投資家でもあります)。この仕事をやる上で、「お客様と海外不動産とが幸せな関係を結べること」を何よりも大切にしています。ある意味、「海外の物件」と「日本在住オーナー様」の良きご縁を取り持つ、結婚紹介所に近い仕事をしているのかもしれません。

でもって、お客様が幸せになる要因を突き詰めて考えると、次に二つに集約されると思っています。

保有耐性」と「外国耐性」

保有耐性、少し分かりにくい言葉ですが簡単にいうと、「購入後、何年~何十年と負担感なく持ち続けられる物件を選んでいるかどうか?」です。

負担感なく持ち続けられる…たとえば、家賃収入が安定的に入ってきて、ローンを払ってもまだ手残りがあるとか、物件の価値が上がり、いつの時点で売ることになっても損しない等々。あるい多少の現金手出しが発生しても、手元の現金で十分対応できるとか…そういう状態なら安心ですよね。

特に物件が遠い海外にある場合、日本から現金を注入しなければ維持できない状態は悲しいので是非避けたいもの。私の場合、オーストラリアやアメリカの物件は大抵ローン組んで買ってますが、家賃収入から諸費用諸税、ローン返済を差し引いてもキャッシュフローが無理なくプラスになるよう、借入比率を抑え目(50~70%)にしています。

あと、海外保有物件のなかには民泊運用していたり、或いは東南アジア新興国のコンドミニアム等、家賃収入の安定感にやや劣るものがありますが、そういう物件は原則、現金で買ってます。収入が変動してもローン返済がなければストレスなく持ち続けられますから…このように私は、保有耐性が常に高い状態を保つよう配慮して、Happy Investingを続けています。

逆にお客様が不動産を買って不幸になるケースの多くは、保有耐性が低いことから起こります

例えば、年収700万円のサラリーマンが1億円の地方中古RCマンションとかをフルローンで買って、手元の現金が数百万円しかない、みたいな状態は非常にリスキー。空室や修繕で少しお金が出ていけば破綻まっしぐら、売り逃げたくても買った値段では売れない。

私はそんな状態を知ってて物件購入を薦めることは絶対に無いですが、世の中にはそれを平気でやる業者やコンサルが少なからず居て、彼らの養分になっちゃう人も多いのが事実。バブル崩壊、スルガショック、アメリカのサブプライム危機、ユーロ危機…「保有耐性の低い客に、身の丈にあわない物件を売りつける」ことによる悲劇は、国内外の不動産の歴史でずっと繰り返されてきました。

幸い(?)にして、日本人が海外不動産を買う場合は、国内不動産みたいな過剰融資が起こりにくい分、救われてますが、それでも下記のケースでは保有耐性の問題が起こりがちですので注意しましょう。

・日本国内の融資(政策金融公庫やインハウスローン)を引いて海外不動産を買う場合、海外で予定通りに家賃収入が入らなくても日本円で毎月返済しなくちゃならないので要注意。特に「海外学生寮」とか「海外民泊」みたいな「事業ありきの家賃保証案件」を日本のローン組んで買ったのに、業者が保証家賃を払ってくれなかったら悲惨。そういう物件は大抵、元本価値より割高に買わされてますから売り逃げもできません(私そういうものおススメしませんが、どうしても買いたいなら、せめて現金買いすべきだと思います)。

上記の「保有耐性」は国内外の不動産に通じる普遍的な原則だと思いますが、海外不動産の場合は、それに加えて「外国耐性」というテーマも出てきます。

外国耐性とは何か?一言でいうと、「日本と違う外国の流儀に、お客様がどれだけ馴染めるか?」ということ。

これは、向き不向きの差がはっきり分かれます。「外国在住経験」があったり、「国際結婚」してたり、「海外旅行好き」だったりする方は大抵問題ないですが、

逆に、そういう原体験がなく、日本の流儀しか知らず、外国ではそれが通用しないことを理解できていない方は、せっかく収益性や資産価値に優れた海外不動産のオーナーになれても、結果的に不幸になってしまう。たとえば、

・海外に物件持つことが「不安 」で仕方ないと言う人( 独白: 海外という不確定要素をデータや知識で克服できるなら喜んでお手伝いしますが、「海外だから何となく不安」という気持ちだと私では解決できません。)

日本の不動産売買と同じ書類を、海外の不動産売買でも出せという人(独白:無理です!何十億円の大型物件お買いになるならしっかりデューデリレポート出ますけど、数千万円規模のフツーの物件なら現地の流儀に従うしかないです。)

私は、外国耐性のないお客様に対しては、大抵「無理して海外買わなくても良いんじゃないですか?」とアドバイスしています。そういう方が海外物件のオーナーになっても、ちょっとしたことで不安や怒りに苛まれるのが目に見えているから…

一つ補足しますと、外国耐性はマインドセットの問題で、(英語など)外国語スキルとは、あまり関連がありません。英語からきしダメという人でも、外国耐性を見事に備えている方もいれば、流暢な英語を話しても外国耐性に著しく欠ける人もいます。これは「良い、悪い」の問題ではなく「向き、不向き」の問題でして、シンプルに「自分に不向きな資産は持たない方が吉」ということです。

以上まとめると

・私は、海外不動産とお客様の幸せなご縁を取り結ぶ仕事をしたい。

その際に私が必ずチェックするのが、「保有耐性」と「外国耐性」が両方揃っているかどうか?

・どちらかが決定的に欠けている場合、私は海外不動産購入をおススメしない。

上記の原則を踏まえつつ、海外不動産と日本在住オーナー様との、良いご縁を結び続けたいと常に思っています。

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カリブ海唯一の先進国「ケイマン島」の奇跡

こんにちは、Manachanです。いま、カリブ海に浮かぶ島「英領ケイマン諸島」に来てます。諸島といっても島は3つだけで、主島のグランドケイマン島に人口と産業、インフラが集中しています。人口わずか6万人、交通渋滞も滅多にない、長閑で静かな熱帯の島です。

このグランドケイマン島、日本では「タックスヘイブン」(租税回避地)として知られています。同国には所得税も固定資産税も法人税も相続税もありません。6万人しか居ない島民から税金とってもたかが知れてるので、それよりは、外国からお金を落としてもらって経済を回した方が合理的なのです。ケイマンで法人設立すれば事業活動で利益が出ても事実上免税になるということで、世界中の多国籍企業や富裕層が、本国での租税回避目的でこの島を使っています。

だから、グランドケイマン島の中心地「ジョージタウン」は、KPMGとかEYとかDeloitteみたいな、世界を代表するグローバル会計事務所のオフィスが集結しています。英国やカナダをはじめ海外の銀行も支店を設けています。でもニューヨークや香港の金融センターと違って、ケイマンは高層建物が滅多にないこともあり、オフィス街といっても長閑でリラックスした雰囲気が漂います。

で、なぜ私がいま、ケイマンに居るのか?資産隠しや租税回避の指南をしたいわけではありません(今そんな時代でもないし…)。私がここに来るきっかけは、今年2月、米国ラスベガスでの国際不動産フォーラムで、ケイマン地場の不動産業者のプレゼンを聞いて、こりゃ見に行くしかないと思いました。特に私の興味をひいたのが、意外にも、「ケイマンの一人あたりGDP」でした。

ケイマンはカリブ海地域で、唯一、先進国レベルの所得水準を達成しています。

ケイマンは独立国ではなく、英国の海外領土(米国の信託統治領グアムみたいなもの)なので、経済データの入手が簡単ではありませんが、詳しく調べると中進国~途上国が圧倒的多数を占めるカリブ海諸国のなかで、ケイマンの数字が際立ちます。

一人あたり名目GDPランキング (2017~18、世界銀行)
英領ケイマン諸島 64,258ドル
(参考)アメリカ 59,532ドル
(参考)カナダ 45,032ドル
バハマ 35,861ドル
英領バージン諸島 32,000ドル
米領プエルトリコ 30,516ドル
セントクリストファーネイビス 18,789ドル
バルバドス 18,451ドル
トリニダード・トバゴ  17,491ドル
アンティグア・バーブーダ 17,476ドル
(参考)パナマ 17,117ドル

ドミニカ共和国 8,267ドル
ジャマイカ 5,475ドル
ハイチ 894ドル

驚くべきことに、ケイマンはカリブ海地域のなかでダントツの所得水準を誇るだけでなく、平均的にはアメリカ人よりも裕福なのです。

カリブ海地域は16~19世紀にスペイン、イギリス、フランス、オランダの列強の草刈り場になって、多くの国が独立した今日でも公用語が宗主国の言葉だったりしますが、同地域で経済的に成功している国は、ほぼ例外なく「英語が公用語 」です。

ケイマン、バルバドス、トリニダードトバゴ、(カリブ海ではないが大西洋上の)バミューダなど高所得な島国は、いずれも「英語 」 を公用語として、かつ「観光」と「金融」を経済の二大看板にしています。言葉を換えれば、いずれもロンドン・シティを総元締めとする「大英帝国タックスヘブン戦略」の一翼を担うことと、アメリカ人・カナダ人観光客の落とすドルを得ることで、高所得を実現しています。

世界中見て回って思うのですが、製造業を主体に経済成長をはかる国が、先進国になれる例は決して多くないし、ましてやドイツや日本の所得水準を超えるのは至難の業。どんなに優れたハイテクがあっても輸出競争を考えると、自国民の給料水準をそう上げるわけにもいかないからです。一方、グローバル経済のなかで「金融」「ビジネスオペレーション」をメインにして成功した国は、ドイツ・日本のレベルを軽々と超えていくことがあります。

それには二つ条件があって、「英語が公用語か、それに近い英語力を持つ国民であること」と「人口規模が少ないこと」。いま世界で高所得の先進国といえば、欧州ではルクセンブルグやスイス、アイルランド。アジアだとシンガポールや香港、ドバイ等がありますが、いずれも「英語ができて、人口規模が少ない、金融センター」という共通点があります。

カリブ海においては「ケイマン」がその役割を果たしており、 人口6万人と非常に少ないので、金融・観光セクターが生み出す富が国民にいきわたって、アメリカ以上の数字になったのだと思います。

実際にケイマンの景色は、島の隅々まで、「まさに先進国そのもの」です。アメリカフロリダ州に近い景色ですが、生活水準はそれ以上に高いと感じました。

・汚い場所が全くない。スラムや落書きの類が皆無
・道端で物売りとかが出てくることもない。
・建物がしっかり建っており、ボロ家、老朽家屋が見当たらない。
・道路はどこもきれいに舗装されている。
・海岸線はどこもきれいに整備され、環境保護意識の高さがうかがわれる。
・治安が本当に良い。荒れてる場所が全く見当たらない。

特に海の美しさは素晴らしく、一度みたら生涯忘れられないほどのインパクトがありました。このレベルで環境が保全されるためには経済力や教育水準の高さが必要で、貧困に苦しむジャマイカ、ハイチ、ドミニカなど隣国では実現不可能でしょう。

グランドケイマン島Seven Mile Beach

グランドケイマン島Rum Point

なお、ケイマンでも人種の近いによる貧富格差が、無いとはいえません。金融オフィス街を闊歩したり、高級ホテルに泊まりにくるのは欧米系白人が多く、清掃員やウェイターとして肉体労働しているのはアフリカ系黒人が多いです。ただ、後者といえども生活水準が低そうには見れない。それなりに給料をもらって、持ち家に住んで車くらいは持って、先進国の庶民レベルの生活はしているようです。いつもニコニコして、フレンドリーで気持ちの良い人たちです。

なぜ、カリブ海で珍しくケイマンが先進国になれたかというと、歴史的な幸運が重なったのだと思います。同地域の多くの国が今でも苦しんでいるのは、歴史的に少数の白人農園主が多数の黒人奴隷を酷使する歴史を経て、今でも大土地所有や富の極端な偏在があるからです。

隣国のジャマイカとの対比が分かりやすいですが、ジャマイカもケイマン諸島ももともと英国の植民地でした。国土が広くプランテーション農園が多かったジャマイカでは黒人奴隷の子孫が多数を占める社会ですが、農園になる土地が乏しいケイマンでは、大量の奴隷をアフリカから導入する必要がなく、白人自由民と黒人奴隷(のちに開放されて自由民化)が、支配・被支配の関係なく共存する社会が19世紀からできていました。

1962年にジャマイカが独立した時、ケイマンは独立せず、英領にとどまることを選択しました。ケイマンで英系金融を主とした経済発展がはじまるのは1970年代のことで、21世紀に入る前にすでに先進国レベルの所得水準を実現していました。

ケイマンは英国の伝統を受け継ぐ島だからでしょうか、極端な貧富の差をつくらず、極端な商業主義に走らず、社会全体の調和を重視するスタンスを感じました。比較的オーストラリアやカナダに近いと思いますが、海岸線にプライベートビーチをつくらず、万人がアクセスできるようにしたり、木立のなかにバーベキューができる憩いの場をつくったりしていて、そこにも好感を持ちました。

ケイマンでは、ビーチは、みんなのもの

そんなケイマンに来てみて、思ったことを箇条書きすると、

・海も一流、生活水準も一流、治安も一流…こんなに環境が良ければ当然、金持ちに選ばれるよなあ。
・いま、ニューヨークとかサンフランシスコみたいな良い都市で仕事している金融マンがケイマン配属になっても、この環境なら誰も文句いわないだろう。

お金持ちにも、金融マンにも選ばれる場所の不動産価値が、上がらないわけがないと思う。

私、ケイマンを誉めすぎな位、べた 誉めしてますけど、本心です。素晴らしい場所だと思ったから、その気持ちを正直に書いています。タックスヘイブンだからといって金欲ガツガツな街は私嫌いだし、ケイマンはそうではなく、心身とも豊かな環境で、のびのびと子育てしながら人生を過ごすに値する場所だと思うので、このように書いています。

そんなケイマンを、日本の方々に、一人でも多く知って欲しいと思います。最後に、「海が燃える」(Seafire)と呼ばれる、ケイマン名物の夕陽をご堪能ください。

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