2017年 10月 の投稿一覧

海外中古物件の管理、やって初めて一人前

こんばんはManachanです。今回は、海外物件買った後の、「管理、アフターサポート」の難しさについて書いてみます。

私は、2011年に投資家コミュニティ「アジア太平洋大家の会」を立ち上げて以来、200以上の海外不動産セミナーをこなしてきました。もともとは、「業者と投資家をセミナーで結びつける」という「場の提供」をやっていましたが、活動の内容が進化するうちに、場の提供だけでは会員・オーナーに対して無責任だと痛感するようになりました。なぜなら、

我々が企画したセミナーで海外物件を買った多くの日本人投資家が、業者に適切な管理をやってもらえず(=放置プレイ)、入居付けも売却もできずに泣き寝入りしているケース

を、目の当たりにしたからです。特に東南アジアで深刻な問題が起こっており、今の私はマレーシア・タイを中心に、会員の要請に応じて「入居付け出張レスキューオペレーション」を毎年やっています。また、会を一緒に立ち上げた相棒の坂口は、フィリピンに移住し現地で管理会社を立ち上げています。結局、会員・オーナーに本当の意味で責任を取るためには、どこかのタイミングで「業者成り」して、長年真面目にやり続けなければならない…それが不動産の宿命なのだと思います。

 

ところで、東南アジアなど発展途上の新興国で、立地やクオリティに劣る物件の入居付け、修繕手配、クレーム処理、管理費光熱費の支払や税金関係のお世話を含めて、日本の管理会社が通常やるレベルのサービスを自社でやることは、並大抵の努力ではつとまりません。マンパワーかかる割に儲からない、それに何より、新興国では日本では考えられないレベルの問題が頻発するので、不謹慎ながら、放置プレイしたくなる業者の気持ちもよ~く分かります。

現時点では特に、人の問題が大きいですね。新興国では、不動産管理のプロフェッショナルがまだ育っていないのです。マレーシアを例にとると、優秀な人間は物件管理の仕事など、まずやりません。ベストではない人間(=日本人の基準からすると相当、出来の悪い人間)が、少し仕事やってはすぐ辞めていき、さらに経験のない新人が担当になる、そいつに一から説明してもすぐ辞めていく…給料安い上に、多くの物件で「毎日、罵声が飛んでくるストレスフルな仕事」のため、長続きしないのです。物件の施工レベルがいまいちで、ドアや窓の建て付け、漏水、コンクリ剥離…築浅なのに様々な問題が起こるため作業量がなかなか減りません。

 

私はいま、次のような立ち位置で海外不動産の活動をしています。

1)自分が買って保有するような、「自信のある海外本命物件」に関しては、業者として、管理まで責任持ってサポートする(注.先進国物件に限る)。

2)上記以外に関しては、業者から開催料金をいただいてセミナー企画(=場の提供)するが、成約報酬は一切いただかない。

1)に関しては、主にドイツ、アメリカ、オーストラリアのいくつかの地域で実施しています。その対象を先進国に限っているのは、「新興国の物件管理を頼まれても、現時点では業者としてリスクを負う自信がない」からです。新興国で私にやれることは、上述「レスキューサポート」か、マレーシアやタイ、フィリピンなどで比較的信頼できる日系管理会社につなぐこと位ですね。東南アジアの管理会社セミナーも時々企画しています(例.「ジョホールバル物件管理・入居付け相談会」2017/11/21東京)。

先進国であれば、法制度がしっかりしてるし、不動産管理のプロも豊富に居るので、地元の信頼おける管理会社に日常的なオペレーションしてもらった上で、ある程度のマンパワーをかければ、日本人オーナーに説明責任取れるレベルで管理サポートが可能だと考えています。

 

ですが、それでもいろんな問題は起こりますし、事態の解明・解決に結構なパワーが必要となります。時には先方とドンパチ、派手に喧嘩する場面も出てきます。例えば、我々が手掛けるドイツやアメリカの中古物件でよく起こる問題は、

家賃や諸経費の支払の過程で、意味不明な入出金が起こる

・入退去があっても管理会社からの報告がない

・予告なしにリフォーム工事の工期が大幅に遅れる。

・予告なしに残金支払の期日が前倒しになってしまう。

等々…

 

これらは、現地管理スタッフの経験・能力が足りないとか不真面目というよりは、むしろ「仕事の丁寧さや報告・情報共有の仕方が日本と大きく違う」がゆえに起こる問題だと思います。暗黙の了解や、日本式の「ほうれんそう(報告・連絡・相談)」が全く通じない世界。担当者が長期休暇を取れば、結果的にいろんな物事がストップしてしまいます。定期的にSkype会議をして、何度も何度も、繰り返し注意して、こちらの期待値を伝えれば、なんとか意図通りに動いてくれますが、そうなるまでに、かなりの時間とエネルギーを使います。

世界中見渡しても、おそらく日本人ほど、客の要求に対して主体的かつ真摯に対応し、こまめに連絡・報告してくれる国民は、他に居ないと思います(中にはもちろん、そうじゃない方もいますが、全体的な印象として、日本人は圧倒的に素晴らしく真面目ですね)。決められたことしかやらない。いや、それさえやらないで言い訳だけは天才的な国民が多いなか、多様な問題が起こる中古不動産の管理において、日本人オーナーが何とか満足できるレベルで任せられる外国の管理会社は、私の経験上、皆無に近い。

日本人オーナーが所有する海外物件の管理を彼らに丸投げすると、文化慣習や法律の違い、コミュニケーションに関する感覚の違いゆえ、たくさんのトラブルが起こる。オーナーを怒らせたり、不安にさせる前に介入した方が得策だが、結局、相当な手間暇をかけなければならない。相手が真面目で信頼できる人なら、将来時点で、何とか自動的に回るようにできるかもしれないが、それには、こちら側も様々なトラブルを経験し、対応力を高めておく必要がある。

 

日々是、問題発生、バトル(?)の日々ですが、それもまた、楽しいです。不動産が好きだから、賃貸経営を長年やってるから、「まじかよ!勘弁してくれよ~!」と呆れるレベルの問題が起こっても理解はできるし、こちらに問題解決のパワーがあって、相手が真面目でありさえすれば、解決できない問題はないと思っています。海外中古物件に関わるリアルな問題・トラブルの対応は、不動産投資家として、業者として、私を成長させてくれる最高の題材だと思います。

逆にいえば、そうした物件周りのリアルな問題に直面せず、プレビルド(予約販売物件)ばっかり売ってる業者は、不動産としての仕事してないも同だと思います。リアルな実物不動産を業務で扱った経験がないんだから、実際いくらで貸せるか、どんな問題が起こると想定され、どんな対策が取りうるのか…分かるわけがないよね。

人間の住まいやオフィス・商店として活用されるリアルな不動産、特に中古物件の管理は何かと大変で、国をまたぐと難易度も増しますが、それをやらないと結局、業者として一人前になれないのだと思います。

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学校行かずに家で育つ、という考え方

こんにちはManachanです。久々の育児ねたでいきます。

小学6年になる娘ソフィアですが、相変わらず学校行かずに、平日も家で過ごしております。正真正銘の「不登校児」。

学校行かないとはいえ、それなりに規則正しく生活しております。朝は普通の時間に起きるし、日中も決められた時間にネットつないで、Youtube動画とか見ますけど英語の自宅学習教材(算数)を毎日やってますし、ネットつなげない時間は本とか読んでますし、ちゃんと三食たべてますし、家の手伝いも少しはしますし、夜はたいてい10時前に寝ますし…

登校しないこと、クラスの友達と同じ宿題をやってないこと、滅多に外出しないことが気になりますが、それ以外は問題なく、家で順調に育っていると思います。

娘がほぼ毎日不登校になったのが、5年生の夏休み明け。それから約1年が経ちました。最初は区が運営する「ブリッジスクール」なる、不登校児向けの教育施設に行ってましたが、半年しか続かず、それ以降は、毎日家で過ごすようになりました。

ブリッジスクールは「適応指導教室」と呼ばれるもので、不登校児を「所属校に復帰させる」ことを目標に、学校生活に徐々に馴らしていく施設。通常の学校に比べて自由度は高いですが、結局、娘には合わなかったんですね。

最近の私は、「必ずしも、学校に復帰させなくてもいいじゃん」と思うようになってきました。忙しい仕事の合間、時間をみつけてフリースクール等の説明会に行ってますが、今朝、妻と一緒に行った「東京シューレ」の説明会は、これまで見聞したなかで一番、「娘に合う場所」だと思いました。

東京シューレは、首都圏にあまたある「フリースクール」と呼ばれる学校外教育機関のなかで、たぶん一番有名で、歴史も長い。「学校行かなくてもいい」、「家で学べばいい」、「本人が希望すれば、いつでも遊びに来てよい」という意味でのフリースクールの草分け的存在。創立者かつ代表の奥地圭子さんは不登校の世界では有名な方ですね。今日、彼女の講演を聞いて、ピンと来ることがありました。

・英米圏の国では「不登校問題」がない。それは、学校に行かない子が「自宅学習(ホームスクーリング)」することが、正式な教育として認められているから。

・日本を含め、東アジアの国は学校信仰が強い社会なので、学校に行かない自体が「問題視」される、大人のその見方が、「不登校問題」をつくっている。

私の場合、妻がオーストラリア人なので、すぐピンときました。かの国では、私の知る限り、普通の学校に適応できなければホームスクーリングで良いという考え方。お父さんお母さんが自宅学習プログラムを考える時に、教育専門家がサポートする体制も整っています。ソフィアと同じ年齢で仲良しのお友達も、今は学校行かずにホームスクーリングやってて、それが別段問題視されません。

日本は全く逆で、学校に行かないことが問題視されますし(特に、親が問題視しますね)。あの手この手で、不登校児を学校に戻そうとします。以前ソフィアが行ってた「ブリッジスクール」も含め、行政施策の多くが、「学校に復帰させる」ことを目標に組み立てられています。学校行かなくて良いホームスクーリングの考えとは真逆ですね。

ま、それでも、私が子供だった時代に比べれば、社会も不登校児に対してずいぶん優しく理解する世の中になったと思いますよ。あの頃、子供が学校に行かないと不登校どころか「登校拒否」と呼ばれ、世間に顔向けできないレベルの大問題になったものです。子供の視点に立った大人の理解なんて、まず期待できなかった…私は学校にすんなり適応できた子ではなかったので、あの頃の日本社会の学校信仰の激しさは痛烈に覚えています。

子供時代に辛い経験をした私が、いま父親として、ソフィアに何ができるのかというと、

・学校行かなくてもいいんだよ。
・家で元気に育てばいいんだよ。
・今のままのソフィアでいい。変わらなくていいんだよ。

そういうメッセージを伝えつつ、本人が何か学びたいと言い出した時にサポートしたり、そのためのアンテナを広げておくことなのかなと思います。

なお、東京シューレの説明会で、面白い話を聞きました。

・日本の総理大臣で、東京シューレを初めて視察したのが、安倍首相だったそうです(2014年9月)
・フリースクール等、学校外教育機関を支援する目的で、昨年成立した「教育機会確保法」に一番尽力したのは、自民党の馳浩(はせひろし)議員だったそうです。

こういう教育領域って、共産党、社民党、(立憲)民主党あたりが力を入れてる分野かと思いましたが、フリースクールに関しては、自民党が中心となって推進していたんですね(より正確にいえば、馳さんみたいな、自民党内のリベラル派か‥)。民主党や共産党あたりが、フリースクール支援に消極的(だった)だとしたら、その理由は何なのでしょうか?フリースクールみたいな私学よりも、学校教育を充実させろという考え方でしょうか?

いずれにせよ、私たち大人が「何でも学校」みたいな思想から離れて、もっと多様で柔軟な育ち方、教育方法を認めるような考え方をしないと、ソフィアみたいな子は浮かばれない。

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東陽町にマンションバブルがやって来た!

こんにちはManachanです。今回は「東京の不動産」ねたでいきますね。

私は東京都内、江東区の東陽町に住んでいます。東京駅から東へ、メトロ東西線でわずか5駅9分の至近距離。タクシー乗っても2000円ちょっと、頑張れば歩けます(私の足で50分かかりますが…)。

この一帯の基本的性格は下町、庶民の街。金持ちが好んで住む場所ではありません。でも都心に近くて便利なので、最近はアッパーサラリーマン家庭がマンション買って住む場所になっています。下町ながらインターナショナルスクールもあって、外国人も比較的多いです。

 

その東陽町界隈、いま新築マンション建設ラッシュです。駅徒歩5分圏内に3社の新築分譲マンションが同時に販売中。

・住友不動産のシティテラス東陽町(駅5分、522戸、完成済)
・野村不動産のプラウド東陽町サウス(駅4分、97戸)
・新日鉄興和のリビオレゾン東陽町プレミア(駅3分、93戸)

 

これらに加えて、

・三菱地所のパークハウス東陽町翠賓閣(駅8分、117戸)
・一建設のプレシス東陽町(駅12分、35戸)

 

狭い地域にこんなに建てて売れるのかと思いきや、案の定、住友の「シティテラス東陽町」はしっかり完成在庫になってます。今でも150戸(約30%)くらいは残っているとの噂で、暑い日も寒い日も、立て看板持ったアルバイトのおじさんが駅前に立ってビラ配ってます。

最近は野村の「プラウド東陽町サウス」の立て看板持ったおじさんが近くに立ち、2プロジェクトの販売合戦を繰り広げるのが、東陽町の風物詩(?)になっています。

 

シティテラスが完成在庫いつまでもはけないように、他の駅近物件も苦戦するでしょうね。全プロジェクト、完成在庫まっしぐらでしょう。理由は簡単で、売値が高すぎる。

・東陽町の駅近新築マンションは、坪単価250万円位なら実需客に売れる。

・でも、住友も野村も、坪単価平均310万円くらいで出してきている。

・土地の仕入れも、建築費も高いので、安売りするわけにはいかない。

 

東陽町で坪300万円超なんて、住んでる者からすれば、「ウソだろう~」と思う高額帯。単純計算して70㎡で6800万円とかするわけですから、区内No.1ブランドの門前仲町でさえ、そんな値段で売るのは難しいはず。ましてや東陽町のマーケットに合う価格帯ではない。

これ、「都心局地バブル」の波及と考えられます。アベノミクス始動後、特に2014年末の黒田バズーカ第二弾で金融緩和が行われた結果、東京の都心、城南、湾岸と、神奈川県の武蔵小杉、みなとみらい、京都市の御所周辺など、局地的に地価・マンション価格が高騰しました。

折りしも、「インバウンド観光需要」が盛り上がり、都心駅近の土地はホテル業者やワンルーム業者がありえない高値で買う世界となりました。マンション業者も土地仕入れなければなりませんので、無理した高値で仕入れ、高い建築費かけて建て、そのコストを転嫁して分譲しました。その結果、都心近くでは坪単価400万が一気に600万になり、近郊でも200万台だったのが軒並み300万台に…いつの間に、「都内の分譲マンション、予算5000万円では新小岩あたりの安普請マンションしか買えない」時代になりました。

これが、番町、青山、六本木、銀座、恵比寿…富裕層のセカンドホームや、相続税対策等の資産保全用として成り立つステータスな場所なら高値でも売れます。西新宿や豊洲界隈のタワマンも、分かりやすいので中国人投資家の物色対象になりました。いずれにせよ、実需客が買えない価格帯になってしまったのです。

 

その矛盾が一番顕著に出たのが「2016年の世田谷区」。住宅地としては良い場所ですが、所詮、アッパーサラリーマン層の実需しかないエリア。どのデベロッパーが売り出しても、値段高すぎて売れず、完成在庫の山になってしまったのです。

考えてみれば、すぐ分かること。いくら世田谷区でも、タダみたいな金利で35年ローン借りられても、20坪強で8000万円もする桜新町の新築マンションなんか買わないよなあ。億のキャッシュうなってる地方の金持ちが、都内のマンション買うにしても桜新町なんて普通選ばないし…

 

2016年に世田谷で起こったことが、いま、1年遅れで、江東区東陽町にやってきた感があります。私はっきり言います。この場所で坪300万円では売れません!

東陽町や木場の中古マンション相場って、だいたい決まってます。駅5分近辺なら、大体こんなもん。

・築10年 坪200~220万円
・築20年 坪180~200万円
・築30年 坪160~180万円

そんな市況のなか、「いま6800万円(坪300万)で買って、10年後に4500万円(坪200万強)くらいに減価しちゃう」マンションなんて誰も買わないです。そもそも木場・東陽町は10~20年前に建った良質な中古マンションが豊富で、リフォーム済がどんどん出てますから、無理のない値段で中古買えばいい、みたいな知恵がついてきた人も増えてきたようで…

富裕層や外国人が金に糸目をつけずに資産保全目的買うなら別ですが、木場•東陽町のような下町は見渡す限り実需しかない世界ですから、間違いなく価格調整が起こるはず。東陽町本来の実力である、駅近新築で坪250~260万円近辺まで値段が下がるでしょう。

 

【東陽町4分の新築6629万円 vs 木場3分の築19年3999万円~どっち買います?】

 

いま、分譲マンションデベロッパーや販売会社は本当に辛い時代ですね。すでに首都圏では中古住宅の流通が新築供給数を上回り、ますます欧米型の「ストック住宅経済」に近づいてきています。新築マンションも値段下がらないのなら、実需層は中古を買って、新築買うのは富裕層の趣味、みたいな時代になっていくでしょう。

そうなっても、デベロッパーや販社以外、別に誰も困らないと思いますよ。日本はもう住宅足りてるんですから。

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公庫融資受けて買ってはいけない海外不動産とは?

おはようございます、Manachanです。

昨年の前半から、海外不動産の取得に政策金融公庫の融資を使う事例が増えてきました。2016年3月期に、公庫の融資のなかに、「賃貸事業の海外展開」という新カテゴリーができたことがきっかけです。条件さえあえば、審査がシンプルで早く、サラリーマン以外の自営業者や女性にも使いやすく、コストも安い…ということで、融資事例が大きく伸びました。

(余談ですが、上記の公庫融資スキームを、後日、民間のいくつかの銀行が真似して商品化しました。今日の日本では、官製金融機関の方が民間よりもアクション早いという「ねじれ現象」が散見されます。逆にいえば、民間銀行何やってんだよと思う。)

 

昨年中盤には、公庫融資コンサルタントと組んだ、海外不動産セミナーが激増しました。東南アジアを中心に、海外不動産が思うように売れなくなっていた時期、公庫融資の登場は業者にとって、まさに「干天の慈雨」でした。

でも、余りに「売らんかな」スタンスの粗雑なセミナーが目についたので、昨年8月のブログで批判したこともあります。タイ、フィリピン、マレーシア、カンボジアなど、同じASEAN新興国でも客観条件も不動産マーケットも投資スタイルも全然違う数か国の物件を、短い時間で一挙に紹介して、公庫融資受けて買おうぜ!みたいなセミナーは、分かりやすく言うと「アパート建築ありきの土地活用セミナー」みたいなもので、一定以上の投資リテラシーをつけてから参加すべきだと思います。

業者主催の新興国数か国同時セミナーに思う…

 

年が明けて、2017年3月頃から、海外不動産に対する公庫融資の審査が厳しくなったという声が巷に上がるようになりました。調べてみると、「キャッシュフローを厳しめにみる」ようになったようで、ある意味、融資本来のあるべき姿に戻ったともいえます。

図が見にくくて恐縮ですが、公庫などに出す典型的なキャッシュフロー表は、こんな構成になります。

・初期投資額―融資と自己資金

・今後10年の家賃収入 (赤枠で囲んだ場所)

・今後10年の諸費用・諸税と銀行返済

 

要は、国内のアパート経営等における融資審査と同じく、

・「家賃収入―費用&返済」(キャッシュフロー)が恒常的にプラスになることが、一番大事。

・給与収入や、国内の担保物件も大事な審査項目だが、副次的な意味しか持たない。

 

その、赤枠で囲んだ場所(家賃収入)に果たしてどれだけ信頼性があるのか、公庫の融資担当も学んだのだと思います。最近、下記のような物件は、どんどん融資に通らなくなったようです。

・新興国によくある、一般ピープルの収入水準では借りられない高額賃料の物件に、外国人や駐在員を住まわせて利回りを出すような案件。

・新興国・先進国を問わず、最初の数年間は家賃保証がつくが、その後の賃貸経営に疑問符がつく案件。

 

上記のような案件に、公庫が融資出さなくて私は当然だと思うし、借りる側もお金なんか借りずに、身銭切って全額現金で投資した方が良いと思います。賃貸経営のリスク高くて、想定された家賃で入居つくのか、家賃がいつ入るのかさえあやふやな物件に、金借りて投資するもんじゃない。

 

逆に、次のような海外物件であれば、公庫融資借りて投資しても、為替以外のリスクは低いと思います。

・賃貸住宅の需給バランスが良く、かつ賃料に関する客観的データが豊富にある国・地域で、一般ピープルの収入水準で普通に借りられる賃貸物件。

・一般ピープルの賃料収入からかけ離れた、駐在員や外国人に貸すビジネスモデルでも、ライバル物件に対する優位性が長期にわたって持続すると思われるオンリーワン物件。

 

最後に一言、海外不動産投資で公庫融資ひく場合は、物件の収益性や賃貸マーケットをよく吟味しましょう。その努力をせずに海外物件買いたいなら、お金借りずに、全額現金で投資しましょう。

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正論を吐く男の胸の内

こんばんは、Manachanです。いつもご愛読ありがとうございます。今日は「正論を吐く」というテーマで一つ書いてみます。

知に働けば角が立つ、情に棹させば流される、意地を通せば窮屈だ、とかく人の世は住みにくい

夏目漱石の「草枕」に出てくる有名なくだりですね。この「知に働けば角が立つ」を現代語訳すると、「理詰めの方向に突き進んでゆくと、他人と摩擦を起こす」という意味だと思います。これは、私の人生における主要なテーマでもあります。

私は、世の多くの人が関心を持つであろう物事には無関心、自分の身なりや外見に関してさえ無頓着な男ですが、三度の飯より大好きな「不動産投資」に関しては一家言持っているし、自分が正しいと信じる方向で「正論」を吐く機会も結構多いです。

不動産投資において、何が正しいと考えるか?私の場合、自分が大家なので、「不動産オーナーの立場に立った利益最大化」と、「その目的に資する正確な知識情報や判断基準の提供」を軸に善悪判断をします。なお、私は仲介業者のポジションも持っていますが、「客(不動産オーナー)の利益にならない仕事はしない」と決めており、そこはポリシーを持ってこだわっています。

要するに、「客を騙して損させる業者」が嫌い。それこそ、蛇蝎の如く嫌悪しています。なお、自分が業者やってると分かりますが、この業界は本当に、「客に損させても自分が儲かる話」ばかり持ってくる奴らが多いし、「自分が両手取るために情報を囲い込む業者」も多い(大手ほど酷い)。「新築建売アパートを高く売るために、想定賃料を思い切り水増ししてプレゼンする業者」も後を絶たず(融資金融機関もグル)、そういう「客を不幸にする」行為を正すべき協会もアナログで旧態依然。

海外不動産に関しても状況は似たようなもの。職業倫理云々以前に、この世界は異業種からの参入が多い、まだ未成熟な業界。別に異業種から参入しても良いけど、結局不動産業者としてのスキルや経験が足りないが故に、客に損させるケースが多い。特によくある話が、不動産投資は現物を運営する「実業」なのに、その理解が足りず、ペーパーアセットみたいなノリで取り扱っている業者。彼らはよく、「年利8%の賃料保障が5年間ついた海外不動産案件」等に飛びつきますが、それが往々にして賃貸需要のない糞田舎にあったり、周辺相場やコスト構造からみて異常に割高だったりします。つまり彼らは、不動産の「モノ」としての価値や運営には無関心で目利きもできないのに平気で客に売っているのです。

また、そういう業者ほど、「投資は自己責任」みたいな言葉を軽々しく使います。自己責任それ自体に異論はありませんが、問題は彼らが、「一口何十万円で分散投資できる金融商品」じゃなくて、「何千万円もする高額な不動産」を売っていること…当然、「売った者の説明責任」は値段の分だけ重いはずですが、何十万円の金融商品みたいな「耐えられない軽さ」で自己責任論をのたまったりすると、さすがに、そりゃ違うんじゃないのと思う。

上のようなことは、不動産オーナーの立場からすれば「正論」だと私は思っているし、「正論すぎて、業界的には皆、たぶん見てみぬふりをするんだろうな」とも思います。

日本社会は、誰かが「正論」を吐いて、その方向で物事が動く社会ではありません。ここは、本音と建前が分離している社会。「お前の言うことはもっともだけど、実際のところは…」という風になるし、また、いくら言ってる内容が正しくても、立場をわきまえない発言や、事前に関係者に根回ししない発言は、物凄く嫌われます。

「知に働けば角が立つ」とはよく言ったもので、今も昔も、TPOや相手の感情をわきまえず正論だけ言っていると、周りとの摩擦が絶えなくなるのです。私も40数年生きているので、さすがにそれは分かります。

正論を吐くべき時に、どのようなタイミングで、どんな言葉を選んで言うか?私の発言が原因で誰かが気分を害するケース、人間関係が切れるリスクをどのように予測して、地雷を踏まずに注意深くコメントしていくか?事前に誰にどのような根回しをしていくか…その辺が上手にできれば、日本社会では「大人」なんでしょうが、

悲しいかな、私はそれが得意ではありません。自分でも自覚ありますが、不器用でバランス感覚が良くないのです。心のなかである種のセンサーが欠落しているために、「攻撃モード」になる時、やたらと「思い切りが良い」のです。「喧嘩上等メンタリティ」といいますか、

自分が正論を吐いた結果、誰かと衝突することを、こわいと思う感覚がほとんどない。

その「地」を出しちゃうと、たぶん皆に嫌われるし、商売上もいろいろ支障が出てくるのだと思います。だから「正論を吐きたくなった時」は、私よりバランス感覚に優れた友人に前もって相談したりします。例えば、

「〇〇さんに対してがっつり言いたいんですけど・・・思い切りキレていいですか?」

その結果、「キレてよし!」となるか、「ごめん、キレるのは待ってくれ!」となるのか・・・いずれにせよ、私が自分の頭で判断するより良いのは分かってます。

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