日本不動産

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収益不動産ニーズ爆発の時代

おはようございます。Manachanです。

バースデー講演となった、昨日の埼玉セミナー、とても良かったですよ。

・「埼玉県民限定」とうたっている
・開催地が埼玉県川越市

そんなローカル企画ゆえ、こじんまりしたセミナーになるかと思いきや、参加者20名の枠は早々と埋まってしまいました。しかも、台風接近中の悪天候なのにほとんど全員が来場し、そしてセミナー終了後も半数以上が個別相談に残る…

収益不動産に対するニーズの高まりは本当に凄いですね。

アベノミクスの効果が薄れてきたといわれる昨今の日本でも、収益不動産の売買は相変わらず活発。というか、ますます過熱してきた感があります。より正確にいうと、「買いたい人はいくらでもいる」のに対し、「供給が追い付いてない」感じ。

世の中、「やっぱり不景気」なので、実需用不動産は売れない。建築コスト高騰の昨今、実需の分譲マンション売ってる業者は大変。都内一等地でもない限り、販売価格は上がらないわ、利益は建築費に食われるわで、青息吐息。私の知ってるだけで、開店休業状態のデベロッパーがいくつもあります。

逆に、収益用の新築アパートを建てる、企画力も情報発信力もある会社は、まさに「この世の春」状態。なにしろ「買いたい」人が門前列をなしているんですから、「物件つくる」だけで利益を出せてしまう。

最近、私をセミナー講師に呼んでいただいた福岡県の「三和エステート」や、埼玉県の「松堀不動産」のような、有力な収益不動産商品を持っている会社は、社員数を急ピッチで増やしている状態。

なにしろ、物件建つ前にセミナーでばんばん売れてしまうんですから、実需用マンション業者からすれば羨ましくて仕方ないでしょうね。

いま、日本の不動産市況、簡単にいうと、

「お金が増える収益物件」 ◎
「お金が安く済む実需物件」 ○
「フツーの実需物件」 × 

収益不動産人気の背景には、やはり雇用不安や年金不安があるのでしょうね。おカネを生む物件を正しく選んで、有力な管理会社と組んでちゃんと経営すれば年金代わりにもなるし、物件を上手に増やせば、「ファイナンシャルフリー」への道も開ける。

私は昨年2月、不本意ながら、解雇というかたちで、サラリーマンの地位を失いましたが、当時すでに収益不動産を2棟持っていたことで、当面の生活費も捻出できたし、「独立自営業主」への移行もスムーズにできた…

小さなアパート2棟程度の収入では、家族4人の生活費を全部まかなうことはできませんが、もし自分が一人暮らしだったなら、2棟だけで十分、ファイナンシャルフリー♪贅沢はできませんけど、千葉県の鎌ヶ谷とか北習志野みたいな郊外に安い家借りて(あるいは競売戸建を安く買って)、サラリーマンやらずに食っていくことは十分できます。

あるいは東南アジアの、フィリピンとかタイで、生活費安く暮らすこともできますね。現地人と同じような暮らしをすれば、月収5~6万円もあれば十分。もともと貧乏旅行者なので、そういうのは慣れているし、1年もすれば現地語覚えて、地元の社会に溶け込む自信もあります。

幸か不幸か、私は解雇された当時に4人家族で子育て中だったので、今でも相変わらず、(気楽な一人会社の社長として)働いているわけですが、それでも、収益不動産の存在が、サラリーマン時代より自由なライフスタイルを実現する強力な装置として機能したことは、間違いありません。

日本経済やサラリーマン人生の先行き不安が先行する時代を生きる、そのことを自覚したうえで、「安定」や「自由」を渇望する気持ちが、収益不動産ブームをつくっているのだと思います。

私はここ3年ほど、「海外不動産投資」というニッチな分野で活動していますが、こちらも活況が続いています。

よりマクロにとらえれば、「海外不動産投資」人気も、近年の日本を席巻する「収益不動産人気」の一部なのかもしれません。つまり、日本全国で、収益不動産を求める人がものすごい勢いで増えていて、その一部が海外不動産投資に流れているだけの気がしています。

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日本の空室が気になる中華圏投資家

こんにちは、Manachanです。

私、今でこそ不動産専業で気楽な一人会社やってますが、昨年2月までサラリーマンでした。宮仕えの傍ら、副業で中国人向けの日本不動産紹介の仕事をしていました。今のところ、あんまりオカネにはなってませんけど、この仕事のキャリア自体は4年を超えます。

特に中国大陸人の場合、日本で不動産買えばついでにビザも…という話になるので、私が投資経営ビザをサポートしてあげて、晴れて来日、一家で移住された方もいます。こんな話をすると、「日本の土地建物を外国人に売り渡す○○○!」みたいな言われ方をされることもありますが、

私が投資経営ビザに関わった中国人は皆、日本で真面目に商売をしており、納税の義務も果たして新規雇用もつくり、微力ながらも日本経済の活性化に貢献しています。私、胸を張って、「日本のためになる人材を連れて来てるんだ!」って言い切れますよ。

ところで、外国人個人投資家向けの日本不動産紹介の仕事は、はっきり言って、歩留り悪い。仕事のやり方が良くないのかもしれませんが、私の受けた問い合わせの95%以上は、途中で雲散霧消します。

しかも日本人の感覚からすれば、信じがたい程、些細なことで客の気が変わったり、突然連絡取れなくなったりします。

私、今のところ、この仕事では誰も雇っておらず、自分の自由時間と中国語能力だけを使ってやってるから実害少ないけど、誰かを雇って給料払ってたら最後、それこそ、金食い虫。まじでやってられないと思いますよ。

実際、中国人需要を取ろうとした日本の不動産屋のほとんどが、この商売から撤退してますよね。最初はとことん身軽に、金を使わずにやるのがベストだと思います。

ところで、最近、私がやり取りしている潜在客の間で、「日本の空室問題」が話題になっているようです。

今月中旬…私がずっとやり取りしてきて、東京のマンションを買う気満々になっていた台湾人投資家が突然、「東京の空室問題がひどくて、家賃上げられないっていうニュース見たから、当面買わない!」と言い出しました。

そのわずか2~3日後、別件でやり取りしてきた香港人が、全く同じことを言い出してきました。

おそらく、中華圏で影響力のある投資家か評論家が、最近、日本の空室問題に関してコメントしたのでしょうね。

私は、このように答えました。


「日本の空室率が、年々上がっているのは事実です。また、日本人の所得環境が改善しているとはいえないので、家賃の値上げは難しいです。しかし、だからといって、あなたの買った東京物件が同じように空室問題に悩まされるのかというと、そうでもありません。」

「空室率というのは、あくまで平均値の話です。いま、日本の不動産オーナーのなかで、真面目に賃貸経営していない人が、少なくとも半分以上います。彼らは今後、空室問題に悩む側になるでしょう。一方で、賃貸経営頑張って、セミナーにも参加するような熱心な大家さんであれば、東京都内なら間違いなく、90%以上の入居率をマークしているはずです。」

「私は、賃貸経営サボっている大多数の大家さんに比べて、間違いなく不動産に関して多くを学んでいるし、立地や物件を見る目も確かだと自負しています。つまり平均値以上は、軽くマークできる。世間の空室率はどうあれ、東京都内でちゃんと物件を選んで、適切に管理すれば、空室率10%以下で稼働させる自信があります!」

…こんな感じで、時間はかかるでしょうが、我らの隣人、かつ(おカネのある♪)良いお客様である中華圏投資家に対して、日本の不動産事情を、正しく伝えていきたいと思います。

逆にいえば、彼らが空室率を気にすること自体は、不動産投資のスタンスとして、健全な証拠だと思います。

中国人不動産投資家は、アメリカでもカナダでも、オーストラリアでも英国でも、東南アジアでも、どこへでも大量進出して、賃貸利回りなど全く考えない値上がり狙いの投資(投機?)を繰り返した結果、現地の不動産相場を吊り上げた張本人、というイメージがあります。

同じ中華圏内の話ではありますが、香港やマカオ、シンガポールの不動産も、大陸人投資家マネーで大いに高騰しました。

その彼らが、これから東京を中心に、日本不動産に参入してくることでしょう。

各先進国に比べて、まだ割安感のある物件価格、6年後に控えた東京オリンピック、中国主要都市から3時間で行ける近距離、ビザ要件の緩和…ネタは揃っています。

彼らが日本で、投資家としてどんな動きをするのか?億ションを転売しまくるような投機的な動きをするのならば、(業者としては有り難いけど…)一日本国民としては、あまり歓迎はできません。

逆に、空室率を気にするような、真っ当な賃貸経営のスタンスをもって参入してくるのであれば、私は大歓迎したいと思います。

中華圏のなかで、香港人、台湾人は特に、不動産投資のプロ、セミプロ揃いです。グローバルな視点も持っています。

彼らが日本を舞台に、日本トップの不動産投資家・賃貸経営者と切磋琢磨する時代が来るのであれば、それはいかにも楽しくエキサイティングですね♪

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国内不動産セミナーは緊張します!

こんばんは、Manachanです。

最近、セミナーラッシュでして、講演資料作成に追われています。ここ2週間だけで、講演4本…本数自体はともかく、海外ネタ、国内ネタが交互に続くのが、講演者としては結構しんどい。

9月25日 アジア太平洋大家の会主催「3年で出口!新・オーストラリア投資セミナー

9月27日 三和エステート主催「不動産投資実践力強化セミナー

10月3日 オウチーノ主催「フィリピン・セブ島不動産投資セミナー

10月5日 松堀不動産主催「プロ投資家が語る!埼玉新築投資セミナー

見事に、海外(オーストラリア)国内(福岡・千葉)海外(フィリピン)国内(埼玉)という、飛び石連休状態。

私、時間がないので、複数の講演資料を同時進行で作成することが多いです。今日なんか、まずオーストラリア不動産の資料つくって、休む間もなく埼玉不動産の資料づくり・・結構、頭こんがらがりますね。

オーストラリアモードから、埼玉モードへの切り替えを、瞬時にできるようになりたいなあ。

ところで、海外不動産セミナーと国内不動産セミナー、どっちが得意かといえば、今は圧倒的に前者の方ですね。講演者の立場からいうと、国内不動産セミナーの方が、ずっと気を遣います。なぜか?理由は二つあります。

1)日本国内の不動産投資でいえば、私なんかよりずっと保有物件数多くて経験豊富でスキルも優れた、プロな方々も聴きに来るから

2)セミナーでご紹介する物件が、新築建売アパートという、プロな方々には「やや退屈」な商材だから

私、千葉や埼玉で業者向けの土地仕入れとかやってるから大体分かるけど、いま首都圏で、業者が建てる新築の木造2階建アパートは、表面利回り8%出ればいい方です。建築コスト高騰、プラス土地代も上昇気味の昨今、東京通勤圏で7%台後半出すのも正直しんどい。

この、7~8%という利回り、不動産投資初心者で、属性の良いサラリーマンが「第二の収入づくり」、「自分年金づくり」という趣旨で手を出すなら、悪くないと思います。属性よければオリックスとかで金利2%前後で借りられるでしょう。築10年くらいまでは修繕費かからないから、キャッシュフローはラクに回るはず。


しかし、競売、任売、分離発注、セルフリフォーム、シェアハウス経営など、様々なテクを駆使して、高い利回りを自分で作り上げてらっしゃる、プロ級の洗練された賃貸経営事業者からみれば、新築で8%なんて、たぶん、かったるくてやってられないでしょう。それに、業者が企画した建売アパートみたいなパッケージ商品には飽き足らない方々でしょうし…

そういうプロな方々も、聴衆として来ていただく以上、彼らにも何らかの満足を与えていきたい。どうすればいいのか?私の経験、スキルでそれができるのか?

一方で、不動産投資全く初めて、みたいな初心者の方々も聴きにくるから、彼らにも分かりやすく話す必要もある。国内不動産セミナーの場合、そういう組み立てを考えなきゃならないんですよね。

これが海外不動産ネタだったら、ほとんどの人が初めて聞く話だから、講師としてはかえってラクなんです。

建売アパートを紹介する国内不動産セミナーで、プロな方々を含めて、リテラシーの高い聴衆をどうやって満足させるか?

商材自体の話では、上級者を満足させることはできない。
・私の大家体験談も、超プロな方々からみれば児戯に等しい。
・イケメンじゃないから、ルックスでも勝負できない。

であれば、

地域特性や、賃貸市場の読み方あたりの話を入れて、勝負するしかない。

たとえば、10月5日に埼玉をテーマとする不動産セミナーをやりますが、自分の持つ「千葉県出身者」という視点から埼玉という地域を、賃貸経営の視点からマクロからミクロまで俯瞰して語ってみると結構面白いかも…たとえば、

・千葉県には「首都圏チバ」と「地方圏チバ」の両方あり、両者はまさに別世界。埼玉県の場合、どこが首都圏と地方圏の境目なのか?

・「首都圏チバ」の駅でも、駅から徒歩何分離れただけで超田舎になって賃貸市場がほぼない場所がたくさんある。「首都圏サイタマ」の場合はどうなのか?

・千葉と埼玉を直接結ぶ鉄道は、「東武野田線」と「武蔵野線」しかないが、千葉側と埼玉側、どちらが栄えているのか?

・サラリーマンがフルローン引いて新築アパートを建てる場合、今の利回りだとス○ガ銀行だと採算合わないから必然的にオリ○クス銀行に頼ることになる。オリ○クス銀行の融資エリアは千葉県と埼玉県の場合、どこになるのか?

・千葉も埼玉も、農地が多くて地主が土地活用や相続税対策で大○建○やレ○パのアパートを建てることが多いが、具体的に両県でどんな違いがあるのか?

・建築費高騰の折、新築マンション建てても坪100~120万とれないと採算割れと言われているが、千葉と埼玉の場合、どこまでOKで、どこからアウトなのか?

等々…そんな話であれば、プロの方々もたぶん聴いたことないでしょうし、また初心者の方々も十分楽しめるでしょう。

10月5日の埼玉セミナー、頑張って準備します。

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はじめての相鉄線

こんばんは、Manachanです。

相変わらず、アパート用地仕入れの仕事をやってますが、その関係で最近、神奈川県の「相鉄沿線」に行く機会ができました。

相鉄線(相模鉄道)は、横浜駅から内陸部の新興住宅地へ向かう私鉄で、終着駅は海老名と湘南台。神奈川県内だけを走る鉄道事業者です。

<横浜からまっすぐ西へ伸びる、相鉄>

私、相鉄線に乗るのは、生まれて初めてです。私たち、首都圏の北側で生まれ育った者にとって、神奈川って、特に行く用事ないですもん…東京の向こう側だもんね。それに相鉄線は、都内直結してないから、神奈川ローカルじゃないと、なかなか乗る機会ないと思う。

そんな相鉄沿線に、なぜ用事があるかといえば、単純に、

・横浜市内にしては、地価が安い!
・実質は田舎でも、横浜市というだけで、アパート融資を出す金融機関が多い

腐っても天下の横浜市で、地価水準が安ければ私ども仕入れ業者にとってポイント高いわけなのです。

というわけで…ミナトYokohamaのイメージとはかけ離れた、内陸の新興住宅地に行ってきましたよ。相鉄に乗ってルンルン♪

横浜駅を出ると、しばらくは横浜の中心市街地っぽいところを通りますが、都会っぽいのは3つ目の駅「天王町」までですね。ここは、都会というより、ハマの下町。駅前から道路にせり出して野菜積んで…少し東南アジア入ってる風景。

天王町を過ぎると、星川、和田町…なんとも平凡でビミョーな住宅街が延々と続く。我が千葉県東葛地区でいえば、新京成線みたいな感じっすね。

「二俣川」という、免許センターのある駅まで来ると、はじめて、山の手っぽい雰囲気になる。でも、セレブというには程遠くて…肩の力が抜けた、フラットな感じが、いいね。

<相鉄の中心駅、二俣川>

<二俣川駅前…相模大野のミニ版って感じね>

相鉄沿線…いい意味で「ローカル感」、「地元感」満載のエリアでしたね。

私の生まれた柏市とか、さいたま市とかもそうなんだけど、都会でも田舎でもなくて、中途半端ですが生活利便施設は一通り揃ってて、東京都心に約一時間で出れるから、とりあえず暮らしていくには困らない。

新興住宅地だから他所から移り住む人は多いんだけど、親の代からここに住んでる地元民も多くて、腕に覚えのある奴だけ東京に出て、そうでないフツーの人が地元に残る。そんな彼らの醸し出す「地元Love感」というか、「神奈川っていい所だよね♪」~そんな小市民的、マイルドヤンキー的な多幸感があふれる沿線でした。

だから、私としては思い切り共感できる地域でした。特に二俣川は電車の便も良くて整備されたイイ街ですね。

ただ、起伏の多さだけは参りました。物件調査がほとんど山登りに等しいぞ!横浜はどこもそうだけど、なんで斜面のてっぺんまで家を建てるんだろう?平坦な土地に育った者には信じがたい感覚だぜ。

そんな相鉄線ですが、これから訪れる機会も多くなると思います。駅名を覚えるために、パロディーで歌をつくりました。

まず、海老名から東に進んで大和駅へ、その後、横浜駅から西に進んで大和駅に進む、という場面設定です。

『宇宙戦艦サガミ』 (「宇宙戦艦ヤマト」テーマソングの替え歌)

♪~さらば海老名よ かしわ台 さがみ野~
相模大塚 ヤ~マ~ト~!

~横浜離れ 平沼橋と
西横浜へ いま飛び立つ

~天王町 星川
和田町 上星川
西谷 鶴ヶ峰
二俣川で~

免許をとって 希望ヶ丘へ
三ツ境 瀬谷 大和
相模鉄道 ヤ~マ~ト~♪

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フランダース戦略とその応用~前編

こんにちは、Manachanです。

我が家は子供2人つき、4人家族です。今は家庭での娯楽が多様化して、iPadありインターネットTVありWiiあり、何でもありという状況で、かえって「お茶の間+テレビで家族団らん」という図式になりにくいのですが、

私の子供時代は、テレビくらいしか娯楽がなかったので、家族全員が、同じ時間帯に同番組をみていたものです(チャンネル争奪戦が凄かった~)。

あの時代、「親が子供に見せたい番組」かつ「子供も楽しめる番組」として、「世界名作劇場シリーズ」が重宝していました。私、物心ついてから、高校生になるまでは、全作みてましたね。

1973年 「山ねずみロッキーチャック」
1974年 「アルプスの少女ハイジ」
1975年 「フランダースの犬」
1976年 「母をたずねて三千里」
1977年 「あらいぐまラスカル」
1978年 「ペリーヌ物語」
1979年 「赤毛のアン」
1980年 「トム・ソーヤーの冒険」
1981年 「家族ロビンソン漂流記 ふしぎな島のフローネ」
1982年 「南の虹のルーシー」
1983年 「アルプス物語 わたしのアンネット」
1984年 「牧場の少女カトリ」

このなかで、一番インパクト強かった作品といえば、何といっても「フランダースの犬」ですね。とにかく、主人公の「ネロ少年」が魅力的すぎて、そして、エンディングが可哀想すぎて…

生涯、不遇を極め、ついに力尽きたネロが、愛犬パトラッシュと共に、ノートルダム大聖堂の中に飾られた画家ルーベンスの絵の前で天に召されるシーンに、涙した方も多いのではないでしょうか。

名作劇場はどれも素晴らしいけれど、あのエンディングは、全ての作品のなかで白眉、といって良いでしょう。視聴率(関東地区)なんと30%を超え、歴代の世界名作劇場でダントツ一位だそうです。

「フランダースの犬」の舞台になったのは、ベルギー。当地でこの作品は不人気というか、ほとんど知られていないようです。

原作名”A dog of Flanders”- 1872年に初出版。英国人作家による、英語の作品です。地元ベルギーからみれば、外国人の作家が外国語で書いていることは、不人気の理由の一つかもしれません。かといって、英国でも知名度高いわけではありません。

面白いことに、この作品、世界中見渡しても、日本でのみ大ヒットしているのです!。1980年代、日本人観光客がベルギーのアントワープにある「ネロ少年とパトラッシュの像」目当てに大挙して押しかけた時は、地元ベルギー人もびっくり、だったそうです。

作者Maria Louise Raméさんは、1908年にイタリアで亡くなっています。晩年は不遇だったそうです。そして、フランダースの犬が、日本でアニメ化され、お茶の間で大ヒットしたのが1975年…自分の死後70年も経って、遠い極東の、文化も言葉も全然違う島国で、自分の作品が大きく花開くとは、まさか想像もしなかったでしょう。

なぜ、原産地ヨーロッパで好まれない作品が、遠く離れた日本でかくも深く愛されるのか?「ネロ」と「パトラッシュ」をキーワードに自分なりに考えてみました。

【ネロの考察】

原作では、ネロが亡くなった年齢は15歳だったそうです。すでに自活可能な年齢といえますね。その年齢になった少年が、いかに生涯不遇だったとはいえ、絵描き以外に自活の道を探ることなく、自ら命を絶った…その行為に関して、西洋人の目は厳しく、日本人は比較的寛容なのだと思います。

あと、日本人には「判官びいき」の心があります。人生で思いを果たせず、無念の死を遂げた者に対する限りない同情の心があり、その感情がネロにもたっぷり注がれたのでしょう。

あと、ネロは無垢で、まっすぐ、ひたむきな心を持った少年で、日本人好みのタイプだと思います。あれだけ不遇を極め、ひどい仕打ちを受けても、仕返しとか、人から奪って生き延びるみたいなことを考えず、ひたすら、絵のことだけを思い続けた…彼にそんな繊細さ、求道者っぽいところがあったからこそ、日本人が思い切り感情移入できたのでしょう。

【パトラッシュの考察】

司馬遼太郎さんの「オランダ紀行」に、興味深い考察があります。

~「パトラッシュは西洋流に鍛えられた」犬でなく、「主人に忠実なだけがとりえ」の「忠犬」であり、捨てられた所を助けられたという“恩返し”という「忠義の動機」も持っている、それが日本人に好まれる理由のひとつだろう~

確かに、渋谷駅前の一等地に「ハチ公の像」があるように、日本人は忠犬が大好き。犬じゃなくたって、「鶴の恩返し」とか「文福茶釜」、動物の恩返しの話をたっぷり聞いて育ってきた人たちですからねえ。一方、西洋人の感覚からすれば、パトラッシュは魅力に乏しい犬なのだと思います。

そして何より、忠犬パトラッシュが、「ネロの死の瞬間までつきあってくれた」…そこが、日本人の琴線に触れるのだと思います。

<<エンディングが悲しいから、ネロが可哀想だから、明るいオープニングテーマでも「泣けてしまう」…それが、日本人の心>>

「フランダースの犬」はヨーロッパが生んだお話ですが、ネタ的にはあまり西洋人が好みそうな感じではなく、むしろ、いかにも日本人・アジア人が好みそうなお話である。そこが興味深い。

それに目をつけて、「フランダースの犬」をいち早く、日本に持ちこんで、花開かせた人は頭いいと思う。

自分の持つ能力や作品が、自分の生まれ育った社会では評価されなくても、場所を変えれば、その地で大ブレイクするかもしれない。

これは、商売・貿易の基本でもありますね。たとえば、日本の廃棄物処理場で眠っている銅線は、日本では価値ゼロでも、ベトナムに持っていけば高値で売れる。

場所を変えて、新しい価値を生む「商売の原則」を、自分の人生にも応用してみたいと、私はつねづね考えてきました。ベルギーで生まれた「フランダースの犬」を日本に移し替えて、大ヒットさせた事例にちなんで、

「フラ
ンダース戦略」
と呼びます。

次号(後編)では、フランダース戦略の実践的応用例について、詳しく解説していきます。お楽しみに。

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私の言葉、訛ってる?

こんばんは、Manachanです。日本に帰国してから、最初のブログ更新になります。

帰国後約1週間、なぜブログ更新しなかったのかというと…単純に、忙しかったからです。特にここ数日は、栃木方面へ競売物件のリサーチに行って、その報告書づくりに追われてました。

でも、すごく楽しかったですよ。栃木県では、県南部の小山市と、県北部の那須塩原市の物件調査に行きました。どの地域にも賃貸市場の特徴があって、よく研究すれば賃貸経営のスイートスポット(おいしいエリア)が必ず見つかるはず、ということが分かって…

物件見極めのスキルを磨けば、やりようによっては、日本の不動産でいくらでも稼げますね。その意味で、競売物件リサーチの仕事、どんどん増やしていきたいです(ま、関東近県じゃないと、行くのがきついけどね…)。

ところで、栃木とか、茨城方面に行くと、現地の「訛り」というか、東京のとは違う「北関東アクセント」に、必然的に触れることになります。

特に、私が仕事で訪問するのは不動産管理会社。彼らは地域密着の仕事だから、地元の訛りバリバリ全開みたいな人も多い…

そして、彼らと話してると、自然に伝染っちゃうんですよ…彼らのアクセントが。

どう表現すればいいのかなあ?栃木(茨城)弁と共通語(標準語)って、文字で書くと大抵一緒で、イントネーション(抑揚)だけが違うんです。たとえば、クレジットカード使って買い物する時、

東京だと、

インおねがいす。」 (太字にアクセント)

って言うのが普通だけど、

栃木や茨城の場合、

「サインおねがいします」 

…全然、アクセントがないんです。平板調、棒読み調なんです。中国語(北京語)でいえば「三声」(低音、平音)だけが、だらだらと続く感じなんです。

ですので、東京人が栃木に行って地元の人と会話する時は、たいてい、

栃木人 「サインおねがいします」

東 「わかりました。ここにサインすればいんです?」

と、東京流のアクセントをつけて答えるのが本来の姿なんでしょうけど…

私はなぜか、栃木アクセントが伝染った状態で受け答えしちゃうんです!

栃木人 「サインおねがいします」

Manachan「わかりました。ここにサインすればいいんです?」

無意識の感覚ですが、平板調でしゃべると、とってもラクなんですよ。というか、相手がせっかく平板調でしゃべってくれてるのに、こちらがわざわざ東京アクセントをつけてしゃべらなくてもいいだろ…みたいな感覚。

私は千葉県柏市の出身。東京郊外ベッドタウン、共通語エリアのはずなんですが、それでも、東京より北に位置する分、無意識のうちに北関東訛りの入ったしゃべり方をしてるのかもしれません。

そういえば、私のしゃべる語彙のなかで、栃木茨城と共通で、東京と共通でないものが、いくつかあります。Chakuwiki「栃木の言葉」という記事によると、

「後ろ」のことを「裏」と言う。
教室の後ろの黒板は「裏の黒板」。「バスの裏に乗ろうよ」。

⇒ それ、柏でも使ってました。

馬鹿、アホ、などの方言は「でれすけ」と言う。
小学校の先生に「このでれすけ野郎が!」と言われたことがある。

⇒ 柏でもそういう言い方しますよ。

「~したんだけど」という接続詞を「~したっけ(語尾は上げ気味)」と言う。超ウケる。
⇒ 柏でもそういう言い方、普通にありますよ。

「折れる」ことを「おっかける」という。
⇒ 私もそう言いますよ。これって方言なんですか?

私は大人になるまで、「後ろ」のことを「裏」というのは当たり前だと思っていました。東京の立川で塾講師やってた時に、「教室の裏に並びなさい」と言ったら、生徒たちが「??」となったことがあったなあ…

あと、(栃木県)宇都宮出身の男が横浜出身の女友達とつきあった時、「けつめど」(お尻の穴)という言葉の意味を女友達が知らないことをいいことに、彼女に「けつめど」って何回も言わせた、って笑い話があるそうですが、

柏ローカルの人間は普通に「けつめど」を使うはずなので、語彙の面では横浜より宇都宮に近いのかも知れない…

私がすぐ、栃木・茨城のアクセントに伝染ってしまうのも、言葉が近いからなのかもしれない。

そう考えると、東京から北上して、共通語から栃木・茨城方言の世界に入っていく際、どこかを境に突然言葉が変わるのではなく、グラデーションのように、ゆっくり移り変わっていくのでしょう。

柏という場所は、東京から見れば北関東への玄関口であり、北関東(茨城)からみれば首都圏への玄関口だから、共通語優勢とはいえ北関東方言が混じるのはむしろ自然であり、

似たような言語現象が、たとえば埼玉の大宮あたりで起こってるのかもしれないな…と思ったりします。

そういえば、私からみて、自分の言葉に一番近いと思う地域は「埼玉県東部の春日部周辺」ですね。ここも確かに、東京から北関東への遷移地帯…。

「だいじ」は栃木弁で「大丈夫?」の意味。私も分かるよ。

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福島を敵に回した反原発(2014年夏・福島紀行最終回)

こんばんは、Manachanです。福島旅行から、無事、東京に帰ってきました。楽しかった~。

今回の日記は、福島のいまを語る上で欠かせないトピック「反原発運動」…私、彼らに対しては極めて辛辣な口調になりますが、戦後日本の歴史のなかで、かくも愚劣で、多くの人々を失望させた社会運動があったでしょうか?

その評価・総括は、後世の歴史学者に、やってもらうとして、現時点での私の問題意識は、

・なぜ、日本の反原発運動は、福島原発事故という絶好の「ネタ」がありながら、支持を広げていけなかったのだろう?

・なぜ彼らは、原発事故で一番苦しんでいる福島の人々を味方につけられなかったのだろう?

・なぜ彼らは、福島に住んでいる人々の心を傷つける言動(ヘイトスピーチ)を、いつまで経ってもやめられなかったのだろう?

一言でいうと、震災後の反原発運動は「不安」をネタに勢力拡大しようとして、いつまでもそのスタイルに固執した。それが決定的な間違いだったと思います。

仮面ライダー(ウィザード)にたとえれば、要は「ファントム」みたいな運動だったんですね。

「仮面ライダーウィザード」に出てくる「ファントム」っていう怪人は、なかなか興味深い存在ですよ。

ファントムとは:『ウィザード』に登場する魔物の集団、及び人間の精神世界「アンダーワールド」に巣食う魔物の総称。高い魔力を持つ「ゲート」と呼ばれる人間が絶望した瞬間、その者のアンダーワールドから浸食し、ゲートの内側から破壊する事で現実世界に出没する。

ファントムは、私たちの誰もが心の奥底に持っている「絶望」を養分にして、現実世界に出没して、仲間を増やそうとします。

この「絶望」を、「自分では解決不可能な不安」と読み替えても良いでしょう。あの原発事故で、東北や関東の多くの人が、いくばくかの放射線被曝した。それがきっかけで、「健康上の不安」を抱える人が増えた。

不安には、もちろん個人差があります。安全と安心は違うし、危険と不安も違う。私の場合、不安はわずか数週間で解消しました。3月21日に放射性セシウムを含んだ雨が関東に降り、私の故郷・柏エリアを中心に、線量が上がりました。でも、ウェブで勉強して、「あ、何だ、こんな程度。全然問題ないじゃん」と思った。

一方で、いくら客観的な数値を出して、丁寧に説明しても、不安が消えない人はいる。それが長引けば、「絶望」に変わる。ファントムに乗っ取られてしまう…

要は人生哲学の問題でしょうね。私、この世はリスクだらけと思ってます。リスクゼロも、100%の安心も、絶対無理。だから、「リスクを定量化して、他と比較して、どこまでなら許容する」アプローチをとる。その結果、「大丈夫。関東はもちろん、福島県の原発近くに行っても問題ない」という結論に至った。

一方で、「100%の安心」を求める人もいます。そういえばゼロ・ベクレル運動とかあったよねえ。地球上に生きる限り、ゼロは実現不可能なのに…そういうレベルを求めちゃうと、生きにくいよねえ。

東北・関東、そして日本に住む誰もが、安心と不安の狭間で、自分の答えを見つけようとしていたあの頃…反原発運動に関わったリーダーたちは、リスクを定量化・比較するより、「不安」側に寄り添う選択をしました。そこには、彼らなりの正義感と思い込みが働いていたのでしょう。すなわち、

・原発は絶対に悪。再稼働は許してはならない。

・原発が悪だというためには、放射能も危険でなければならない。

・放射能は微量でも超危険だから、福島原発事故に起因する放射能被害が必ず出るはずで、それを強調しなければならない。

そういう脳内概念操作によって、「危険」や「健康不安」を強調する言説ばかりが目立ってしまった。しかし、いま思えば、これは「勝ち目のない」論陣だった。なぜなら、

・原発の状態が落ち着き、2011年3月のような、放射性物質の大規模なフォールアウトは起こらなかった。

・地上に降った放射性セシウムが崩壊するので、空間線量はどんどん下がっていく。

・さらに、4月末までに、原発20㎞圏や高線量地域からは人々がおおむね避難し、農産物の出荷も制限されたので、福島県を含めて、放射線量による健康被害が出る可能性は非常に低くなった。

科学的・定量的に考えるなら、反原発運動のリーダーたちは、ここで戦略転換しても良かったはず。つまり、

「放射能健康被害は、福島県でさえも、たぶん出ない」ことにヤマを張って、原子力災害による故郷消失の不条理や反社会性などに、政府攻撃の焦点を絞れば良かった。

そりゃそうでしょう。浪江町とか飯舘村とか、自分の町で原発誘致してないのに、放射能で避難させられ、暮らしを奪われたんだから、世の中、こんな不条理はない。そこを上手に強調すれば、日本中の多くの人が、いや政府・東電でさえ納得してたはず。

そして、暮らしを奪われた気の毒な人たちが、他所に移住するもよし、故郷に帰るも良し、放射線と賢く付き合いながら、それぞれの人生を全うすることを、物心両面からサポートすべきだった。そうすれば、反原発派は日本国民の味方であり続けることができたはず。

しかし、なぜか分からないが、反原発勢力は、いつまでも「放射能による健康被害」の強調をやめなかった。過剰なほど放射能不安を煽り、ファントムのつぶやきに終始した。

福島で放射能による死者が一人も出ない。いつまで待っても出そうにない…その事実を突き付けられた彼らは、焦りさえ出てきた。死者ゼロは、本来なら喜ぶべきなんですが、それじゃ運動を続けられないという焦りからか、いろんな珍説、珍運動を編み出した…

瓦礫搬入絶対反対運動
(あの~、その瓦礫、福島じゃなくて、岩手・宮城のなんですけど…搬入に何の問題ありますか?)

どうして、こんな人たちが?
(何の目的かしら?動労千葉、動労水戸の人が、福島県内の鉄道開通に絶対反対って、意味不明)

こんなポスターつくって、福島の人、怒るよ
(俺、柏でこんなことされたら、ヤンキーマジ切れだぜ!)

福島で健康被害が起こってくれないと困る。運動が続けられない…そんな手前勝手な、倒錯した願望が、言葉に出さずとも、多くの人々に伝わってしまった。

かくして彼らは、福島の敵、日本の嫌われ者になった。だってファントムなんだもん。福島の人々の健康を素直に喜べない連中が、人間の味方なわけないでしょ?

その後、彼らの末路の哀れさは、推して知るべし。反原発候補、選挙で連戦連敗。福島県でも議席とれない。日本未来の党、瓦解。細川さん小泉さん小沢さん…大物政治家がことごとくKO負け。

鹿児島・川内原発の再稼働だって、阻止する力なし。福島の原発至近の「避難指示準備解除地域」「居住制限区域」「帰還困難区域」の区分けだって、行政主導で進み、反原発派は、何らの貢献もできなかった。

基本的な考え方が間違っているから、いつまでも修正できないから、ダメなんだよ。それで社会を変えるのは無理だよ…それに、彼らが気づくのは、いつのことだろう?

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「大島てる」が突きつけるもの…

こんばんは、Manachanです。

私たち不動産大家にとって、「おっかない」サイトの筆頭格といえば、これ。

大島てる(事故物件ポータルサイト)

日本全国(一部は海外)の事故物件情報を、Google地図上で表示したサイトなのですが、とにかく情報量がすごいし、使い勝手が抜群すぎる。「事故物件」を調べるには、日本で、このサイトの右に出るものはないでしょう。

それにしても、ものすごいビジュアルですねえ。日本全国、炎上しまくってるぞ。

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東京都内を拡大してみると、こんな感じで、

炎上している場所をクリックすると、こんな情報が出てくるのです。

自分の保有物件で、運悪く、自殺や他殺、火事などが起こり、「大島てる」サイトに載ったらどうしようと…懸念する大家さんは少なくありません。

事故物件になったら、当然、告知義務が生じ、家賃も半額くらいに下げなくてはなりません。それだけでなく、事故物件であることが、ネットを通じて、全国に知られることになったら…まさに悪夢。

逆の立場でいえば、自分がこれから買おう、借りようとしている物件が事故物件であるかどうかを知るには、このサイトを見れば、一発で分かる。

私も数年前から、遠隔地の物件を買う時に、必ず、「大島てる」サイトをチェックしたものです。その意味では、重宝します。

日本全体からみれば「氷山の一角」かもしれませんが、それにしても、これだけの膨大な情報を、足を使って、9年間も集め続けた、「株式会社大島てる」の皆様の地道な努力には、脱帽します。

もちろん、賛否分かれるサイトです。強烈にアンチな大家さんも少なくないでしょう。「俺ら、何千万の借金して、リスクを負って賃貸経営してるのに…何が事故物件サイトか、ひとさまの商売の邪魔しやがって」と思う人もいます。

ネット知識が少ない年配の大家、管理会社だと、ネットの威力を知らないからスルーするけど、世代が下って二代目大家になると、見方が変わってくる。事故物件を世間に晒されるリスクは大きいし、メリットは何もないから、アンチになる。

一方で、私みたいに、昔からネットに馴染んでいる者や、物件をどんどん増やすサラリーマン大家のなかには、理解者が多いでしょう。大島てるサイトを使って情報収集する意味で、恩恵を受けているわけですから…

先日、「大島てる」の主催者、大島学氏のセミナー講演に行って、懇親会で名刺交換しました。

彼の話を聞いて、「日本中の事故物件を見える化したい」という、飽くなき熱意を感じました。

「大島てる」は、「世の中から隠し事を一つ一つなくしていく」インターネットの意思のようなものだと思う

インターネットは、マスコミと違って、フツーの人が簡単に情報発信者になれるメディア。特に「事故物件」というニッチなエリアは、素人が始めても日本一になれるかもしれない新興分野(私の「海外不動産投資」と同じくらいニッチかな)。

結果、いろんな人が参入してくる、商機を見出して、ウェブサイトを続々とつくる。それが結句、世の中から、隠し事を一つ一つなくしていくのだと思う。

私たちはそういう時代に、賃貸経営やっているのだから…事故物件になった場合、いずれ世の中に知れ渡ることを前提に、経営計画を立てなくてはならない、ということでしょうね。

事故物件情報のデファクトスタンダード「大島てる」は、隠し事できないネット時代の象徴だと思います。


追記2014/7/9)上記の文章は、2014年7月1日、私が「大島てる」の運営者が講演するセミナーに参加して、削除要求には柔軟に対応している印象を受けた後に書いたものですが、それ以前においては、大家、不動産業者から再三の削除要求にも頑なに応じず、数々のトラブルを引き起こした経緯があることが分かりました。

事故物件情報をウェブサイトに掲載する自由は否定しませんが、賃貸事業者や関連サービス業者の経営や社会的評判に大きく影響する情報を掲載している以上、どの情報をサイトに載せて、何を載せないのか?どういう条件なら削除するのか?・・・それを含めて、掲載条件を公開し、透明性のある運用をすべきだと思います。

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柏名物料理プロモーション

こんばんは、Manachanです。

先日、広島へセミナー講演に行きました。東京から、行きは飛行機、帰りは新幹線…「のぞみ」乗って4時間もかかるんですね。日本は広い!

広い日本を、西から東へ大移動すると、人々のしゃべる言葉も変わります。広島弁から岡山弁、関西弁(京阪神弁)、岐阜弁、名古屋弁と…グラデーションのように変わる。当然、「語彙」も変わります。

たとえば、「鶏肉」を指す言葉。名古屋以西では「かしわ(肉)」と呼ばれますが、そこから東の地方では、「とり(肉)」といいます。

私は、千葉県「かしわ市」出身ですが、柏を含む関東の人間が、「かしわ」と聞いて、鶏肉を思い浮かべることは、まずありません。まず思い浮かぶのは、「都市名」、「樹木名」、「サッカーのチーム」位。

以前、名古屋に行って、肉屋で「かしわ売ってます」と書いてあって、カルチャーショックを受けた関東人の私…

蕎麦屋に行くと、関東でも、「かしわ南蛮」とか、時々出てきますが、大人でも少なからぬ人が「???」なので、「鴨南蛮」とか、自分が理解できるメニューを頼んじゃうことが多いですね。

東京では鶏肉のことをかしわと呼ばないのですか?

☆名古屋以西では、「かしわ」=鶏肉
☆名古屋以東では、「かしわ」=柏市

この現象を、逆手にとって、柏の名物料理づくり、街おこしに使えないだろうか?…と考えました。

たとえば、こういうのは、どうだろう?

【フェーズ1】柏で「かしわ料理」をブレイクさせるっ!

かしわ=鶏肉、という「西日本の常識」が通じない柏の人間に、「かしわ料理」という目新しい食べ物を提供する。例えば、

福岡名物「かしわ飯」
北九州名物「かしわそば」

「鶏肉そぼろ」は、さすがに食べ慣れているとはいえ、九州の甘ったるい醤油ベースの味付けは、柏の人間にとって斬新なはず。それに、自分の住む街の名前を冠した料理を美味しく食べて、誰も悪い気持ちはしないはず。

百貨店のデパ地下、あるいはイーオンタウン柏、モラージュ柏、ららぽーと柏の葉あたりのフードコートで、550円くらいで出せば、飛ぶように売れるだろうな。

これだけでは、「B級グルメ」だけの話で終わってしまうので、「A級グルメ」も仕掛けたいところですね。そこで、柏各地の割烹料亭に頼んで、

「かしわ懐石」 1万円
「かしわミニ懐石」 3千円

を考案してもらう。味付けは、関東の人間にややエキゾチックな味覚という意味で、最初はやっぱり九州風がいいかな。時間が経てば、関東風の塩っぱい醤油味に近づいていくでしょう。

そして、数年かけて、柏エリアで、こんな食文化を定させる。

☆冠婚葬祭には、当然、「かしわ懐石」
☆誕生日パーティーや打ち上げ、女子会には、「かしわミニ懐石」
☆少し懐石っぽい気分を味わいたい人には「かしわミニ懐石」

その頃には、お店の間で競争も激化してレベルも上がり、東京や近県から、わざわざ柏に「かしわ料理」を食べに来る人も増え、柏の名物料理にふさわしくなっていることでしょう。そこまでくれば、

【フェーズ2】本場・柏の「かしわ料理」を、西日本へ逆輸入だっ!

名古屋以西の人間には、「かしわ=鶏肉」の公式が通用します。でも、「かしわ」を地域の名物料理として打ち出した例は、日本中でまだない。

善は急げ!名古屋、大阪、広島、福岡など、西日本の主要都市に向けて、「本場・柏のかしわ料理」をプロモーションする。

「柏のかしわ料理なら美味しいはず…」と思ってもらえるかも。実際に美味しければ、ブレイクするはず。

【フェーズ3】東京五輪の「おもてなし」に、「かしわ懐石」が登場

懐石料理は、外国人のおもてなしに向く料理…2020年の東京五輪に向けて、柏から「かしわ懐石」の店が、都内の銀座、丸の内、新宿、池袋、渋谷、晴海の選手村付近など、主要スポットに出店すれば、「かしわ料理」の味を世界中にプロモーションできる。

是非、やってみたいな。食文化・料理で全国的に有名な街になれれば、かっこいい。

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セクハラ野次は、恥ずかしい…

こんばんは、Manachanです。

都議会発、数日にわたって、世間を騒がせた「セクハラ野次」問題…事件発生から5日経って、野次った本人が名乗り出て、謝罪することで、幕引きがはかられそうです。

まとめ:都議会セクハラ野次事件とは?

カッコ悪い話だし、発生後5日も経って何をいまさら感はあるけれど、野次とばした都議がカミングアウトしてきたのは、良かった。できれば、同調したとされる数名の都議も名乗り出て、釈明して欲しいけど。

私、都議に対して、あまり良い印象はありません。社会人駆け出しの頃、廃棄物処理のプレゼンで都庁に何度も行ったけど、自分が一生懸命話してる時、新進党のM都議なんてソファでぐうぐう寝てたし…失礼千万だぜ!そいつの名前、今でも覚えてるんだけど。

そもそも、なんで、議会の場で野次るの?

というのが、私の素朴な疑問です。自分は議員になったことはないけれど、会社の会議や報告会みたいな公式な場で、誰かの発言中に、自分が野次ったことはないし、他の社員が野次るのを見たこともありません。

どんなに詰まらない内容でも、公式な場で発言権を与えられた人の話は、一応、最後まで聞くのが基本ルールだし、必要あって話をさえぎる時も、挙手をしたり、「発言中済みませんが、一言いわせてください」と断って、許しを得るのが大人の常識だと思っていました。その考えって、甘いの?

都民の税金を使って運営されている、都議会本会議という公的な場で、野次みたいな不規則発言が、なぜ出るの?議会だからこその、野次の必然性があるのでしょうか?

野次の効用は、もしかして、あるのかもしれない。でも私、ハッキリ言って、嫌い!都民として、自分の選んだ選良にそんな自由(?)を許したくない。

発言者が氏名を名乗って、立論をする。自分の発言には責任を持つ…それが、言論のルールではないの?

何百人もいる議会で、発言者が特定しにくいようなシチュエーションで、不規則発言をする。その言動に対する責任は誰も取らない。今回みたいな騒ぎになれば、都議の時間もリソースも、当然税金も浪費するわけだけど、その責任を誰かに取らせる仕組みもない。そんなこと、許していいの?

都議会で最大会派の自民党は、今回の件、たぶん、バックレられると思ってたんでしょう?野次った議員をカミングアウトさせたの、発言から5日後ですものね。石原環境相の「金目発言」もひどいけど、彼はすぐ釈明・謝罪したから、余計、都議会の5日間タイムラグが目立ってしまった。

こんなことやっちゃあ…良い歳した大人として、子供に示しがつかないよね。人を傷つけたら、すぐ謝りなさい、親に報告しなさいと言ってるはずの大人が、犯人を特定できないのをいいことに、バックレたんじゃあ、子供にどの面下げて…みたいな話だよな。

これからは、国会や地方議会で、議員席にビデオ向けて、野次のビデオ判定でもすればいい。あらかじめ議員全員の声紋データを用意しといて、問題の野次が飛んだら、リアルタイム声紋判定で誰の声か判別できるようにして、即、全国中継される…今の技術なら簡単にできるでしょ?

ま、事件発生から2~3日間は、怖くてカミングアウトできない雰囲気があったかもしれない。マスコミ報道に歪曲チックな問題がある可能性はあるけど…「結婚すればいい」以外の、「子供もいないのに」「産めないのか」みたいな野次が飛んだかどうか、真偽は定かではないのに、国内マスコミに報道され、海外マスコミにも取り上げられた。

あと、「みんな(の党)が結婚すればいい」と言っているのに、TVのテロップで「自分が結婚すればいい」と出ているのが意図的な捏造だとする批判もあります。

こういう検証ブログがありますけど…

引用しますと、

まず、「自分が早く結婚したほうがいいんじゃないか!」という野次については、実際には「みんなが結婚した方が良いんじゃないか」という「みんなの党」に対する野次だった。

結局、「自分が早く結婚したほうがいいんじゃないか!」や「産めないのか?」などという女性に対するセクハラ野次は一切なかったということになる。

私、この人の話している前提が分からない。野次の内容が「自分が早く結婚したら…」ではなく、「みんなの党が早く結婚したら…」だったらOKなの?

都議会で少子化対策の議論をしている最中、かつ女性議員が発言しているシチュエーションで、「結婚すればいい」云々の野次が飛んだら、その主語が誰であろうと、無神経で配慮を欠いた発言になりませんか?外国の女性政治家にセクハラと受け取られても満足に釈明できるとは思えないし…

何より、日本の首都議会の品位が低いことを国内外に晒すことになる。私は都民として、それを恥じるけど、この人には、恥の感覚がないみたい。さらに続く、

塩村文夏が自意識過剰な勘違い馬鹿女であることは、「ミスコン6冠」など過去に栄光を自慢したり、デートでレストランに行くと勝手に最高金額のコースを注文したり、別れた男から「1500万円の慰謝料」を取ったり、被害をアピールするためにウソ泣きをしたりすることをテレビで公言していることから明白だ

これ、「発言する女性はウザい」という思考回路の人なら共鳴するかもしれないけど、(私を含めて)そう思わない人にはアピールしないよ。馬鹿女だの自意識過剰だの罵詈雑言を並べてる時点で、信憑性のある文章とは思われない。逆効果。

ブログのタイトルは、「正しい歴史認識、国益重視…」だそうだけど、これってまさに、

日本の国益を気にするくせに、井の中の蛙ゆえ国益を損ねてしまう典型例

だと思いますよ。以前、「激突!橋下発言vsアングロサクソン」(2013/8/16)で書きましたけど、慰安婦の問題一つとっても、国際政治の問題になってしまう以上、日本の中でしか通用しないロジックで物事を語っても仕方がない。グローバルに通用する、特に英語圏アングロサクソンの連中に
通じる理屈で語らないと…

私、慰安婦像を英米圏に建てようとする隣国のことは快く思わないけど、彼らはまだしも、英語圏の理屈と言葉を使って語る努力をしている面がある。それに対して日本は、特にネット右翼は、その努力をまるで怠っている。要は日本を出て、英語の世界で、中韓とガチでやりあう根性が、彼らにはない。

「セクハラ野次は日本人として恥ずかしいぜ」程度の見識さえ持たない彼らの言動が、日本の国益やブランド価値を損なっていると、私は思います。

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