日本不動産

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日本不動産の、ミクロな幸せ

こんばんは、Manachanです。中国上海での3日間の不動産イベントが無事終わり、参加企業様にも喜んでいただき、いまホテルでほっと一息ついています。

私は、「日本人に海外不動産を紹介」、「外国人に日本不動産を紹介」など、いろんなポジションで不動産ビジネスしてますが、後者の場合、ちょっとつらいのは、「マクロでは明るい話がなかなかできない」ことです。

 

東南アジア各国とか、米国南部(テキサスやフロリダ、カリフォルニア等)であれば、「今後人口が増える、経済が伸びる、不動産価値が上がる」という、マクロで分かりやすい話ができますが、日本に関しては、なかなかそれができません。

日本の総人口が減っているのは周知の事実。だから、「日本全体はともかく、東京の人口は減ってないよ。世帯数は右肩上がりだよ」と言うのが精一杯。また経済成長についても、皆様ご存じの通りマクロでは余り明るい話ができません。

 

それ以前に私は、日本の人口増えないのに賃貸物件バカスカ建ててる状況も知ってるし、築年が経てば普通に値下がるマーケットの状況も知ってる。未だに新築優遇政策を続け、住宅供給数をコントロールしない政府、法廷耐用年数以上に融資出さない金融機関の慣行(=思考停止)が変わらない限り、「日本で不動産買って普通に値上がる」状態は、一般論としてはなかなか成り立たない。せめて不動産相場のサイクルをつかんで、「安い時期に買って、高い時期に売る」位しか、キャピタルゲインを取る分かりやすいモデルがありません。

しかも運の悪いことに、今の日本は不動産相場サイクルの高い方にあると思われます。私は2011~13年の安い時期に物件仕込んでいたので、いま売れば20~50%の値上がり益を取れますが、今の相場で買って、5~6年後にさらに値上がるかといわれれば自信がありません。せめて、「ここは東京都内の好立地なので、元本価値を棄損するリスクは少ないですよ」としか言えません。

いずれにせよ、お先真っ暗とはいわないけど、マクロだけでいえば明るい話がなかなかできないのが、いまの日本不動産のつらいところです。

 

じゃ、マクロ指標の明るい、東南アジアやアメリカ等の物件を買った方が良いのかというと、そうもいえません。不動産は所詮、地面に貼り付いている、ミクロな存在。だから、マクロが暗くてもミクロが明るければそれで良いのです

「マクロが暗くてミクロが明るい」とは、具体的にどんな状態を指すのか?

1)物件本来の価値よりも明らかに安い値段で買ったので、今後いつでも値上り益が得られる状態
(例.秋田県の人口減少率は日本最悪。でも秋田市の市街地で土地付き一軒家が300万円で買えれば、投資として成功したも同然。)

2)通常の賃貸住宅を民泊やシェアオフィス、シェア会議室など、利用形態を変えることにより、高い収益が期待できる状態。
(例.東京都内の値段が高い土地の上に、一棟賃貸アパートを建てて貸すと利回りは4%程度。でも、簡易宿泊許可とマンスリーマンション許可を取って、短期旅行者用に貸出運営して8%の利回りが出れば、いまの都内ではかなりの優良投資案件になる。)

3)局地的な開発やインフラ整備の好影響を受けて、エリアの利用価値が上がり、不動産価値の上昇が期待できる状態。
(例.高齢化が進む東京近郊の住宅地で、シニア層が駅から遠い一戸建を売り、便利な駅近のマンションに越してくる。そこに総合病院でも移転してくれば、局地的な需要が高まりマンションの価値が上がる。)

 

マクロでみた日本の将来像がいかに暗くても、ミクロが明るければ買い進む…これが不動産投資家の常識です。逆に、マクロがどんなに明るい国・地域でも、カス物件、買ってはいけない物件は山ほどあるのです。

海外不動産の販売セミナー(特に初心者イーター系)で、「〇国は経済伸びて人口増えるよ~、不動産値上がるよ~。日本はお先真っ暗だよ~」みたいな、マクロ話に終始するものがよくありますが、ああいうのは一刻も早く時代遅れにしたい。不動産はどの国でも、マクロ経済や国の総人口より、ミクロなエリア分析や個別の物件力見極めの方がずっと大事だからです。

 

あと、いまの日本と、これからの日本。ミクロにフォーカスすれば、実は明るい部分がたくさんあるじゃん~って気がします。

東京・東陽町駅近くの我が家。10年住んでますが、この場所の暮らしはどんどん便利に、良くなっています。近所にカーシェアとバイクシェアができ、一日2500円の激安レンタカー屋が数社出揃い、家を出れば初乗り410円のタクシーが走り回り、1分もしないうちに呼んで、駅までちょい乗りができます。マイカー所持率は減り、近くの月極駐車場は値下げ合戦してますが、同時に、ここに住む誰もが、マイカー持つ以上の利便性を手にしています。

そして、東京の公共交通の利便性は世界有数。「クルマ要らず」で、ここまで完璧近い便利な都市生活が送れる場所は、世界中見渡しても余りなく、あるとしても、ニューヨーク、ロンドン、パリ、シンガポール、香港…どこも都心近くはマンションの坪単価が300~400万円を超えます。で、東陽町の坪単価は新築で300万円弱。客観的にみて、今の水準から下がる気が余りしません。

 

また、東京は巨大都市ながら意外に開発余地を残しており、大きな資本投下をして街を今よりグレードアップできれば、今の水準を突き抜けてさらに地価・不動産価格が上がる可能性もあると思います。

いま私が注目しているのは、浜松町駅東側(海側)や、品川~田町間、日本橋・兜町エリアの再開発などです。特に前者は、東京湾・レインボーブリッジに面した開放感あるロケーションに、世界のビジネスが集まるオフィス棟、富裕層向けの商業施設、高級レジデンス・サービスアパートをうまく配置・運営できれば、世界的にみても相当サマになる景色になるでしょう。

日本橋も然り。近い将来、グレード感のあるオフィスや住居棟が、一定以上の規模感で出現・稼働すれば、都心ゆえ世界の投資マネーの受け皿になる可能性がある。将来的には、山手線内側かつ中央線南側の広大なエリアが、プライム・ロンドンならぬ「プライム・トウキョウ」と呼ばれる都心高級立地として、世界中に認知されているかもしれません。

(注.プライム・トウキョウになっても、金持ち以外このエリアに住めなくなるわけではありません。坪1000万円の超高級住居と、アッパーサラリーマンが住める坪300~500万円のフツーの住居が混在するでしょう。)

 

結論…不動産は、マクロよりミクロが大事。そして日本には、マクロより、ミクロに着目すれば希望がたくさんあります。

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豊洲の中国人爆買いバブルが弾けて当然な理由

こんばんはManachanです。上海出張3日目。日々、美味しいもの食べて楽しく過ごしてます。中国良いですね。本当に私の肌に合う環境で、この国なら元気に長生きできそうです(当然日本でもいいんだけど…)。

いま、上海のイベントで日本不動産をプロモーションする仕事をしてますが、ちょうどタイミング良く、週刊現代でこんな記事が出たのでシェアします。

 

中国人の「タワマン爆買い終了」で、日本の不動産が大ピンチに…

 

この文章、中国人の日本不動産買いの行動パターンをよく知らず、かつ、日本不動産マーケットのセグメント分析したことのない方が書いたのだと思われます。部分的には正しい事実が散りばめられているものの、分析や結論が極めて的外れ。私に言わせれば、

 

・いま中国人投資家が豊洲タワマンを売るのは当たり前じゃん!

・彼らが、アベノミクスが始まる2012年頃に豊洲を安く買って、5~6年経った今のタイミングで売り抜けるのは投資家として当然の行動。

・なぜ今売るのか?端的にいうと、「豊洲には、これ以上の上がり目がない」から。

・しかしながら、豊洲が値下がることと東京全体の不動産マーケットが沈むのは全く別の問題。中古マンションの価格下落という事実から、今後のREIT下落やパニック売り、ハイパーインフレまで導きだすのは理屈として無理筋。

(余談ですが、某チーフエコノミストの言ってることおかしいですね。「まず投資物件の価格が暴落するのにともない、家賃収入が激減」…家賃収入って、給料や可処分所得、近隣物件の競合との連動性が強いもので、投資物件の売値とは直接関係ないと俺は思いますけど。2億の収益物件が融資引き締めの影響で1億に暴落したとしても、8万円とれていた家賃が急に4万円にはならないでしょ?)

 

「豊洲にはこれ以上の上がり目がない」というのは、上記の文章に出てくる長嶋修氏がよく主張している「地価・不動産価格の三極化傾向」というキーワードを使うと分かりやすい。簡単にいうと、

 

・利便性向上やグローバルマネーの受け皿になった結果、不動産価格が今後も上昇を続ける都心部(第一極)

・都市圏内のやや不便な地域など、不動産価格が緩やかに下落していくエリア(第二極)

・地方農村部などで、居住需要や利用価値がないエリアなど、不動産価格がゼロ・マイナスに近づいていくエリア(第三極)

 

日本の不動産は、もともと「二極化」とよく言われていましたが、最近、三極という言葉が出てきたのは、大都市、特に東京の国際都市化と密接な関係があります。

銀座鳩居堂前の公示地価がバブル期を超えて史上最高になり、虎ノ門ヒルズのレジデンス棟が坪単価1000万円を超えるような高値で取引されてバブル期を彷彿させるようになったのは、官民の投資マネーが世界中を飛び回る昨今、東京都心の一等地が、ロンドンやニューヨーク、香港など世界主要都市との比較の上で評価されるようになったことと軌を一にしています。

 

とはいえ、今の状況は30年前のバブルとは全く違います。バブル最盛期の首都圏では東京都内のみならず、神奈川埼玉千葉、遠く茨城栃木まで万遍なく地価上昇が波及し、茨城県牛久の新築マンションが坪250万円で分譲されたり、千葉県柏駅近くの我が実家の土地が、瞬間風速で坪300万円といわれたものです。

でも今は、牛久で新築マンション分譲しても坪80万円くらいでしか売れず、ア〇ダ設計あたりの安い戸建にした方が採算あうし、柏の実家土地だって今はせいぜい坪90~100万円でしょう。東京都心においても、虎ノ門ヒルズから遠からぬところで坪300万円を切る中古マンションだってあります。今は万遍なく値段高いのではなく、物件力、エリア力次第で平気で3倍くらいの価格差がついてしまうのです。特に東京都心3区の場合、「グローバル投資マネーに選ばれる物件であるか否か」で天地の差がつきます。

 

虎ヒルのレジデンス棟、坪1000万円で取引されるなら、30坪で3億円…到底、実需層に手の出る価格帯ではありません。この価格で買う理由があるとすれば、海外や日本国内の富裕層による「資産保全」や「節税」目的の買いでしょう。確かに高額ですが、ニューヨークやロンドンの一等地と比べれば、そんな不自然な価格ではありません。香港と比べれば安いし…

同じ港区内でも、富裕層に選ばれるスペックを兼ね備えない物件は、坪400~500万といった、「実需レベル」の価格に落ちます。それでも20坪マンションで8000万~1億するわけですから、日本の「実需」における最高峰ではあります。あと千代田区内や、渋谷区の恵比寿、中央区の日本橋などに、マンションがその価格帯で中古流通するエリアがあります。

 

で、「豊洲」がどうかというと、ここは世界の富裕層には到底選ばれない立地です都心ではないし、埋立地の工場跡地をきれいにお化粧した場所なので関東圏のお金持ちにだって選ばれない。単に都心に至近距離でタワマンが建ち並んでいる場所というだけで、ここ買ってる典型的な顧客層は、アッパーサラリーマンの実需層。世帯年収1000万円台、一見勝ち組に見えても実は重税取られて可処分所得がブンブンあるわけじゃない…みたいなプロフィール。

千代田区、港区の良い場所での実需層向けマンションの単価が坪400~500万円だとすれば、豊洲の実力はせいぜい坪300万円前半でしょう(同じ江東区の門前仲町、清澄白河とほぼ同格)。一時期、豊洲で「坪380万円」という強気な価格がつきましたが実需層には当然売れず、中国人に売ったデベロッパーも多かったのです。

 

東京の所得水準がこれから目に見えて上がり、人々がどんどん裕福になる連想があるならともかく、現実がそうでない以上、豊洲における実需マンションの値段が、今後300万円から400万、500万へ向けて上がっていくとは到底思えない。グローバルマネーが入れば話は別だけど豊洲には来ない…結局上がり目がないのです。

とはいえ、2012年頃に豊洲を買った中華系(多くは台湾人)の賢い投資家は、坪220万円とか、非常に安い値段で新築を仕込んでいたから、いま中古で売ってもタイミング良ければ坪300万円弱で晴れて利益確定できる(=その値段なら日本人実需層も買える)…そういう計算があって売りに出すのです。売買代金が手に入れば、それをタイ・バンコクや中国広西省など、まだ安くてこれから上がり目のある地域に回して物件買うのです。投資家として当たり前の行動。

 

今後、豊洲のタワマンがどうなるか…坪300万を大きく超える値段ではさすがに無理だけど、都心至近の豊洲に住みたい人は一定数いるわけで、新築~築浅では彼ら実需層が無理なく買える、坪250~280万円くらいの線におさまると思います。タワマンの投げ売りを安く掴む人はいても、マーケットや金利環境を考えると、あの都心距離で坪100万台まで落ちることはさすがにない(あれば俺ら投資家が買いますって~)。

30年前と違って、今の日本は明らかに不動産バブルではなく、グローバルマネーの入る一部都心物件や、地主・サラリーマンが緩い融資受けて買いまくった収益物件を除けば、実需層の購買力と物件価格が、それなりにバランスしている状態と思われるので、マーケット全体が「一気に連鎖的に不動産バブル崩壊」になるとは考えられず、通常の7~10年サイクルで20%程度の上げ下げをする位の値動きに留まるでしょう。そのなかで、世の中の価値観として「利便性重視の都心・駅近シフト」は続いていくので、今はちょっと高いけど、少し安くなったタイミングで、都心・駅近を外さずに良い物件を仕込むのが投資のセオリーかと思います。

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不動産マニアが考える資産三分法

こんにちはManachanです。蒸し暑い8月の東京で、不動産仲間と飲み歩いたり、子供連れて夏祭りに行ったりと、日々アクティブに過ごしております。

今回は、投資ポートフォリオ理論として昔から定評のある「資産三分法」について書きますね。

 

資産三分法を一言でいうと、手持ちの財産を「現金・預貯金」と「株式」と「不動産」という、それぞれ性質の異なる3種類の資産にバランス良く分散して、「良いとこどり」をしようという考え方です。すなわち、

・安全性、換金性はピカイチだが、収益性の低い「現金」
・換金性と収益性に優れるが、価格変動幅が大きく安全性は落ちる「株式」
・現物資産ゆえ安全性に優れ、定期的な家賃収入と値上り益も期待できるが、換金性に劣る「不動産」

を組み合わせることにより、どれか一つの資産が暴落しても他の二つで補う等、リスクを押さえつつバランス良く資産形成・保全をしていく考え方です。

 

この「資産三分法」ですが、明けても暮れても不動産投資ばっかりやってる私から見て、どうなのか?

・株式に3分の1使うかはともかくとして、
・現金・預貯金に3分の1必要なのは、たぶん真理だと思う。

 

不動産真面目にやればやるほど、現金は必要だと痛感します。十分な現金がないと、良い物件が出た時に「即・勝負」できませんし、また現物不動産ならではの突発的な出費(修繕費等)に備えるためにも、ある程度の現金を持っておくことは常に必要。すぐに換金できない不動産だから尚更…。

不動産をメインとする資産を健全に運用し、計画的に入れ替えるには、ざっくり言って、資産総額の3分の1くらいは「現金」か「すぐ現金化できる預貯金やMMF等」として持っておくことが望ましい、それが私の肌感覚ですね。

特に海外不動産投資とかやってると、日本国内物件よりも「キャッシュ買い」の頻度が増えますので、なおさら現金は大事な上、米ドル、日本円、ユーロなど、現金を各主要通貨に分散して各国で持っておく操作も必要になります。

 

「株式」に関しては、どうなんでしょう?なんとなくの感覚ですが、株式だけでポートフォリオを組むのはリスクが高いので、やはり3分の1位は現金や不動産など、安全性の高い資産でもっておくのがセオリーのような気がします。

で、株式と不動産の比率はどう考えればいいか?ま、これは好き嫌いで決めればいいんじゃないかな?

 

株式好きな人から見れば、不動産って徐々にしか値上がらないし、換金性も劣るし、かったるいと思うかもしれません。逆に、私みたいな不動産マニアからみると、株式って1年で2倍増も十分あり得るし、ペーパーアセットの爆発力すげーなと思いつつも、不動産が楽しすぎて株式なかなかやる気にならないです。暗号通貨に関しても同様。

なぜこんなに不動産が好きなのか、自分でもよく分かりません。強いていえば、不動産で「定期的な賃貸収入」が得られ、かつ管理の大部分をアウトソースすることで「自由な時間が得られる」のが最大のメリットだと思いますが、多分それだけじゃないんでしょう。

世の中、カレーが好きでたまらない人、担々麺が好きでたまらない人が多数いるように、私も理屈抜きで、不動産が好きなんだと思います。世界中の担々麺を極めたいと思ってる人に、パスタをすすめてもなかなか心が動かないと思うし、不動産投資マニアに株式や暗号通貨をすすめても、たぶん腰は重いんでしょうね。そう考えると、

 

・不動産マニアなら、現金預貯金で3分の1を持ち、残りは不動産中心でポートフォリオを組む。

・株式マニアなら、現金預貯金で3分の1を持ち、残りは株式中心でポートフォリオを組む。

 

それでいいんじゃないでしょうか。人間誰しも、「好きこそものの上手なれ」だと思いますし。

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「アベノ開国エコノミー」人口減に挑む

こんばんは、Manachanです。いつもご愛読ありがとうございます。今回は、「日本の将来人口と安倍政権の政策」という、大きなテーマでブログ書きます。

2012年末以来、安倍晋三首相率いる内閣は、計4回の改造を経たとはいえ、戦後まれにみる長期政権となりました。スキャンダル等で支持率を落とす局面はありましたが、客観的にみて諸外国に比べれば安定した政権といえるでしょう。

 

彼の名を冠した経済回復策「アベノミクス」。登場4年半を経ましたが、よく言って、まだ道半ばの感があります。在任中に消費税増税という不利なイベントがあったとはいえ、経済成長率とかインフレ率といった指標をみれば、目標数値をなかなか達成できません。でもフェアにみて、20年もの長きにわたって経済不振に悩み、かつ世界に例をみない急速な少子高齢化と人口減少に悩む国ですので、どの指導者が何をやっても、成果が出るまでに相当時間がかかると思います。

なお、近未来の経済成長につながりそうな、構造変化的な兆しはいくつか出ています。「失業率低下(=ほぼ完全雇用)」と「有効求人倍率の高止まり(=かなり深刻な人手不足)」は、労働者の賃金上昇や正社員増加を想起させます。自殺数もなぜか劇的に減っています。また、日本を訪れる観光客は爆発的に増え、アジア有数の観光立国に変貌を遂げつつあります。

そして何より、「日本の総人口が、当初予想されたより減っていない」ことが、経済を下支えしている面は大きいとと思います。

 

安倍首相が、ガチガチの国粋主義者というイメージを抱く人は相当数居るでしょう。一部マスコミがそう喧伝してますし、また憲法改正をめぐる彼の言動が、国粋主義を連想させる面もあるでしょう。でも、経済政策の面でいえば、国粋主義のイメージとは全く逆です。統計数字を解析する限り、私は、次のように理解しています。

 

・近年の歴代政権のなかで、今の安倍政権ほど、外国人の入国・定住に対して開放的な政権は例を見ない。

・今の政権は、たぶん日本の歴史上初めて、外国人を日本に呼び込んで、経済発展につなげる開国政策に舵をきった政権として、後世に記憶されると思う。

 

統計数字でみてみましょう。安倍政権が発足したのが2012年末。その翌年から、「海外からの日本の人口純流入」がいきなり「プラス」に転じて、今日まで拡大を続けています。前任の民主党政権(菅・野田首相)と比べると一目瞭然。

民主党(菅・野田)政権下
2011年マイナス78,984人、2012年マイナス78,885人

自民党(安倍)政権下
2013年プラス14,378人、2014年プラス38,686人、2015年プラス94,438人、2016年プラス133,892人

 

外国人の純流入が増えた結果、どうなったか?日本総人口の年間減少数が、民主党政権下では「20万人台」だったのが、安倍政権になってから「10万人台」に緩和されているのです特に2016年は、外国人流入が日本人減少の約半分を補った計算になります。

民主党(菅・野田)政権下
2011年マイナス233,119人、2012年マイナス241,476人

自民党(安倍)政権下
2013年マイナス178,769人、2014年イナス176,605人、2015年マイナス142,405人、2016年マイナス161,973人

 

安倍政権下で、短期の観光以外の在住資格を得て来日した外国人数は急増しています。政権発足当時と2016年を比べると「3年間で約16%増」。2016年の動態を一言でいうと、「323万人が入国、309万人が出国して、差し引き14万人が日本国内に新たに定住した」ことになります。

民主党(菅・野田)政権下
2011年2,764,665人、2012年2,835,515人

自民党(安倍)政権下
2013年2,782,006人、2014年2,874,802人、2015年2,985,346人、2016年3,227,596人

在日外国人の存在は、急速に高齢化する日本の人口構成を、少しだけ若返らせています。日本人の平均年齢46歳に対し、在日外国人は20代と30代が圧倒的に多いのです。性別でみると女性の方が多く、出産適齢でもあるので、結果的に日本生まれの外国籍者を増やしています。あと高齢者の割合が少ないため、外国籍の出生数は死亡数の2倍以上になります。

2016年の数字が象徴的ですが、この年は、「日本人の出生数が100万人を割った」ことがニュースになりました。でも数字をよく見ると、日本人の出生数は987,747人、外国人が日本で出生した数16,321人を合わせると1,004,068人。在住外国人のおかげで出生100万人を辛うじてキープしたことになります。

なお2016年は、「外国人が日本に定住しているだけで、年間1万人が自然に増える」時代の幕開けになりました。外国籍者は日本で1万6千人生まれ、6千人死ぬから、差し引きプラス1万人です。安倍政権になってから、外国人の日本での出生数はさらに加速しています。

民主党(菅・野田)政権下
2011年11,702人、2012年12,714人

自民党(安倍)政権下
2013年13,245人、2014年14,376人、2015年14,638人、2016年16,321人

 

ここで閑話休題。ここ数年、来日する外国人観光客が爆発的に増えて、東京大阪のホテル不足や民泊ブーム、爆買い景気などを引き起こしましたが、これも今の安倍政権下で起こった現象といえます。訪日外客数データを、長期スパンでみると一目瞭然

自民党(小泉・安倍・福田・麻生)政権下
2001年477万人、2002年524万人、2003年521万人、2004年614万人、2005年673万人、2006年733万人、2007年835万人、2008年835万人、2009年679万人

民主党(鳩山・菅・野田)政権下
2010年861万人、2011年622万人、2012年836万人

自民党(安倍)政権下
2013年1036万人、2014年1341万人、2015年1974万人、2016年2404万人

 

安倍政権の4年間で、観光立国戦略で先行した韓国を一気にゴボウ抜きしたのは記憶に新しいですね。なお、2017年は北朝鮮の不穏な情勢を受けて韓国への観光客が激減した一方、日本へのインバウンド観光は好調なので、日韓間はダブルスコアの差がつきました。日本はすでに中国、タイに次ぐ、アジア第三位の観光立国と言ってよいでしょう。

 

ところで、読者の皆様は2014年5月に、こんなニュースが出たのを覚えておられますでしょうか?

 

人口、50年後に1億人維持 政府が少子化対応で初目標

 

このまま日本の人口が減るに任せていると、2060年時点の推計で8674万人まで人口が激減し、国際的な地位や国民生活の水準が低下し、財政破綻を招くと懸念されるため、政府が2020年までに少子化対策を集中的に進め、同年の人口を1億人以上(10545万人)に維持するという、極めて野心的な内容でした。

詳細な内容については、紙幅の関係で割愛しますが、統計数字を分析した私が思ったことは、

 

・安倍首相は、マジ本気で、日本の人口減と経済衰退に歯止めをかけたいと考えており、その一環として「在留審査緩和による外国人受け入れ」を、事実上の国策として推進していると思われる。

・もちろん、少子化対策の本命は現役子育て世代への政策的支援による出生率向上だが、その効果が出るには時間がかかる。政権執行部は、私がブログで分析した数字等は百も承知で、「日本社会が許容する範囲で、外国人をどう受け入れるか?」を、極めて現実的に考えているはず。

・一時的な落としどころは、おそらく、「日本人の自然減の半分を外国人の受け入れで補う」あたりかと…そうすれば、目に見える出生率改善が起こらなくても、2060年に人口1億人以上は維持できる計算になる

・その目算がついたからこそ、安倍首相は2014年の時点で、「人口1億人キープ宣言」をした可能性があると思う。実際、彼は宣言後2年で、「日本人自然減の半数を外国人流入で補う」状態を実現している。

 

なお、「事実上の移民受け入れをするなら、まず、日本国民にその是非を諮って欲しい。議論を深めて欲しい」という意見もあるかと思います。私は欧米の社会で長年暮らしてきたので、特にそう願っています。でも、日本の政治社会の現実を考えるに、多分それは無理な相談なのだと思います。

 

・日本社会は、指導者が理想の将来像を打ち出して、国民各層がその実現に向かって進んでいくというかたちでは動かない。

・善悪や、あるべき論ではなく、いま日本に暮らしている人々の気分や情緒で物事が決まる社会。だから、国民が移民受け入れの気分にならないうちに、首相がそれを打ち出したところで、政治的に墓穴を掘る結果にしかならない。安倍首相の立場からすれば、政敵に攻撃の口実をつくるリスクにしかみえない。

・だから、物事を表面化するよりは、「ビザ運用緩和による外国人定住促進」という、国民に見えにくい場所で人口を維持する努力をしていると考えられる。

 

私自身は、日本の経済や国民の生活水準、国際的地位や安全保障、財政の観点から考えて、日本の人口水準はできるだけ維持すべきと考えます。なぜなら、人口が減る、急速な高齢化が進むと、誰もが考えている社会で、積極的な設備投資やイノベーションは起こらないし、将来不安から消費マインドも委縮して、後はもう沈むだけになってしまうからです。日本はこんなに素敵な国なのに、子供たちに仕事も夢もない経済衰退国家を残したくありません。我々現役世代が、日本衰退を運命だと諦めず、それに極力抗うべく、果敢にチャレンジすべきだと思います。

その観点から私は、現実的な手段を駆使して人口の維持に努める安倍政権「アベノ開国エコノミー」を評価します。そして何より、我々国民は安倍自民党を選挙で選んでるわけですから、好き嫌いや評価はどうあれ、現政権が何を目指して行動しているかを、正しく理解すべきだと思います。

 

【関連ブログ記事】

外国人受け入れと首都圏再集中の構図(2017/5/5)

実はあまり減らなかった日本の人口(2017/1/4)

 

【参考資料】(※誰もがアクセスできる、簡単な統計だけを使って分析しました。)

総務省統計局、人口推計

日本政府観光局、訪日外客数統計

韓国観光協会、Korea, Monthly Statistics of Tourism

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二地域居住から民泊の時代へ…

こんばんは、Manachanです。

今は世界中どこへ行っても、「民泊」最盛期の時代ですね。AirBnB、途家、Booking.comなどポータルサイトを使って、民間住宅を貸したり借りたり、あるいは保有物件を短期貸しして高収益を上げたり…インターネット・スマホ普及のおかげで簡単にできる時代になりました。私も、海外にあるいくつかの物件を「民泊」運営したり、海外出張で「民泊」に泊まってみたりと、便利に使わせていただいてます。

ところで、民泊が普及する少し前の時代、「二地域居住」という言葉があったのを、覚えておられますか?多くの場合、都会の住人(多くは裕福なシニア層)が、地方の風光明媚な場所にセカンドハウスを持ち、「都会と田舎の二地域に住もう」という文脈で使われていた言葉です。たとえば、

 

・平日は東京の自宅で、週末は八ヶ岳の別荘で過ごす、みたいな「週末居住」パターン
・夏の間は北海道の大自然に囲まれた別荘で、雪が降る頃には東京の自宅で過ごす、みたいな「季節居住」パターン

 

2000年代まで、信州や伊豆、北海道などリゾート価値がある場所で、地元の人に余り売れないマンションや戸建分譲地を買い取って、東京のシニア層向けに別荘として売る商売が流行った時期があります。何を隠そう、実は私も、そういう物件を買っちゃったひとりです。

民泊を知る前の私は、二地域居住に憧れがありました。以前、オーストラリア・シドニーに住んでいた頃、身近な友人でセカンドハウスを持つ者が結構多かったのです。

近所に住む友人は、普段はシドニーで会社勤め、金曜日の仕事が終わると、ピックアップトラックに乗って一路南へ6時間、ヴィクトリア州との境にあるオルバリー(Albury)の別宅に行って、週末そこで過ごして、月曜日の仕事が始まるまでにシドニーに戻る…みたいな生活を続けていました。会社勤めを卒業したら、シドニーの家を賃貸に出してオルバリーに移住するんだと、楽しそうに語っていました。

シドニー住人の間で、セカンドハウスとして人気の場所は、車で3~4時間ほど離れた海岸沿いに多く、北のPort MacquarieやCoffs Harbour、南のKiamaやBatemans Bayには、シドニーやキャンベラに自宅を持つ者の別宅が数多く存在します。シドニーで海岸沿いの家は高くて買えませんが、別荘エリアなら平均的なサラリーマンでもなんとか手が出る価格で、海に近い土地付き住宅を買って住めることもあり、特に裕福な人やシニアでなくても、多くの人が「豪州版・二地域居住」を実践していました。

楽しそうな彼らをみて、「俺だって、いつかは、セカンドハウスを持つ!」という思いが、わが胸に去来したのは言うまでもありません。

 

でもって、2007年、日本にUターン帰国して東京で働くようになり、3年後の2010年、北海道千歳市にセカンドハウスを買ってしまいました。近い将来、季節に応じて住まいが選べるような身分になったら、夏は涼しい北海道を満喫したり、冬場にスキー・スノボを楽しむ拠点としたり、いわゆる「東京と北海道、二地域居住」をやってみたいと思ったからです(ブログ記事「輝く北の大地」2014/1/26)。

広々とした北海道、でっかい空、雲がごんごんと過ぎていく…過密都市・東京に住んでると、こういう風景には、やはり憧れますよねえ。

 

とはいえ、せっかく買ったセカンドハウスには、1週間ほどしか住んでおりません。普段、東京に住んでて仕事が忙しいし、サラリーマンやめて自営になっても世界中いろんな場所に行く仕事ゆえ、北海道に行く時間がなかなか取れないし…

結局、この家は地元勤めの方に貸しております。ま、安い値段で買ったし管理費も1万円以下なので、投資物件として一応成り立っています。入居者さんが退去したら自分で時々使おうかなあと思ってましたが、でも今は考えが変わりました。すでに民泊の世界を知ってしまった私、北海道で必ずしも自分の物件に住まなくても、好きな時に好きな宿に泊まればいいじゃん、という考え方になったのです。

よく考えれば、二地域居住という考え方は、「セカンドハウスのオーナーになる」ことで、「管理費や公租公課を払い、家のメンテナンスに責任を持つ」ことも要求されますから、私みたいなノマド人間には少し荷が重すぎるのかもしれません。民泊みたいに、誰かの家にスマホひとつで予約入れて、好きなだけ泊まる…みたいなスタイルの方がずっと気楽ですので。

 

二地域居住の負の側面が出ているのが、「リゾート地の二束三文マンション」かもしれません。特に新潟県湯沢町には、バブル時代のスキーブームで58棟、約1万5千室のリゾマンが建設され、その数、全国の約2割を占めるという超リゾマン銀座。でも今やスキー人口は激減し、バブル当時2000万円以上で分譲されたリゾマンが、今や10万とか30万みたいな激安価格で叩き売られてます。

画像見にくいですが、湯沢町苗場にある2DK47平米、10万円で売られてます。売値の坪単価6000円って何それ!(賃貸月額の坪単価みたいだ…)

 

こんなボロ安い値段で叩き売られるのは、地元に実需がない上に、リゾート仕様ゆえ管理費が高く(月額3万円程度)、投資物件としても成り立たないという事情があります。とはいえ最近では、東京でリタイアした高齢者が、余りに安い売値と大浴場に惹かれて、月額3万の管理費払っても定住する人が増えているようです。湯沢町によると、2016年4月時点の町民8144人のうち、1008人(約12%)がリゾマンに住民票を置いているとか…

とはいえ、湯沢町内で供給された15000室の全てに定住者が住んでくれるわけでもないので、全体としては状況厳しく、大部分が価値を持たない「負動産」になっちゃってるんだろうな。

 

私思うのですが、せっかく民泊の時代になったんだから、こういうリゾマンをオーナーとして区分所有するよりは、季節居住者や観光客に短期貸しする「民泊」として運用した方が、たぶん高い収益を上げられると思うし、不動産としての価値も出てくるんじゃないかな。

ふと、AirBnBで「湯沢、苗場」近辺の宿を検索してみると、リゾマンの部屋が結構な数、登録されてました。「湯沢と民泊の相性の良さ」に気づいてる人は、すでに商売にしているようです。

 

 

そう考えると、インターネット・スマホの普及が可能にした「民泊の時代」は、二地域居住やセカンドハウスに、新たな利用価値を与えたのだといえそうです。

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東京30km圏~過疎化高齢化サバイバル戦線

こんばんはManachanです。今日は妻の実家で、広い庭のモップかけ作業…ちゃんと労働しております。

前回、「東京都心の人口フィーバー」について書きましたが、世の中、話には必ず裏があるものです。住民が増え、子供も増えて小学校の新設・増設に追われる都心周辺とは対照的に、30㎞以上離れた郊外住宅地では高齢化が進み、子供世代も都内に流出、人口減ってシャッター通り増えて、財政が苦しくなる…急速な「衰退・地方化」が進んでいます。

この種の話題で有名なのは「多摩ニュータウン」ですが、首都圏郊外には、そんなの目じゃない位、強烈に衰退している地域が相当数あります。今回は、「高齢化・衰退と戦う東京郊外」の課題と将来展望について書いてみます。今回取り上げるのは、私の生まれ故郷である、

 

・千葉県柏市と我孫子市

 

です。お互い隣接した両市、東京駅からの直線距離でいうと、柏駅が28~29㎞、我孫子駅が31~32㎞に位置し、その中間あたりを「都心30㎞ライン」が通っています。この地域では奇しくも、「国道16号線(東京環状)」が30㎞ラインとほぼ重なります。この16号線、私の目には、「東京圏と地方圏を分ける結界」のようにも見えます。

 

お互い、都心30㎞圏都市である柏市と我孫子市ですが、将来の人口推計では大差がついています。都心30~50㎞圏都市を対象とする「2010⇒30年人口増減率ランキング」で、柏市は人口増加率ベスト6位であるのに対し、我孫子市はワースト9位。2030年時点でも20年前の人口規模をキープする柏市に対し、我孫子市は13%も人口を失うと推計されています。

我孫子市の将来人口減少は、「厳しい高齢化、少子化(若年層流出)」と直結しています。2030年時点の年齢別人口推計によれば、我孫子市は「少子化比率」、「生産年齢人口比率」、「高齢化比率」の全てでワースト10にランクインしています。都心からみて我孫子より一つ遠い「茨城県取手市」も同じ傾向を示しています。

 

都心距離の面で大差ない両市がなぜ、人口面で差がつくのか、理由は二つあります。

 

・柏市が地域中心地として大きな都市・商業機能を持っているが、我孫子市にはその要素がない。

・柏市北部には新線「つくばエクスプレス」が開通し、ベッドタウンとしての発展が見込めるが、その材料が我孫子市にはない。

 

でもよく考えれば、バブル崩壊前の右肩上がりの時代までは、程度の差こそあれ柏市も我孫子市も発展軌道に乗れていたのです。でも今は低成長と都心回帰の時代、都心距離30㎞も離れた世界では「商業機能や通勤新線の有無」によって、残酷にまでに明暗が分かれてしまうのです。

 

ですが、もっと詳しくみれば、柏市内でも我孫子市と同様、高齢化と若年層流出に悩む地域がたくさんあります。というか、市域の大部分が、すでにそうなっています。

柏市内には、10の駅があります。都心直結している「JR常磐線」上のターミナル駅が「柏」、その両隣が「南柏」と「北柏」。市域北部にも都心直結の「つくばエクスプレス」が通り、「柏の葉キャンパス」、「柏たなか」の2駅あります。これらの駅から、東京駅・大手町まで、乗車時間30~45分で到達できるので、都内通勤圏として十分成立します。

あと、柏駅と交差する「東武野田線」上には、「豊四季」「新柏」「増尾」「逆井」「高柳」の5駅があります。都心直結ではないため多少アクセスは劣りますが、その分地価も安いので、広めの土地付き住宅を求める層に支持され、東京通勤可能圏として成立しています。

 

上記の駅周辺を歩くと、「柏駅の徒歩15~20分圏内」と、「その他の駅徒歩10~12分圏内」には、新築・築浅住宅が多数建っています。つまり、都心通勤が可能なので、この地に育った子供たちも住むし、適度な流入人口もある…住宅地として世代交代ができているわけです。

ですが、駅徒歩圏を離れてバス便エリアになると、途端に「モロ高齢化」した住宅地になってしまうのが柏市の特徴。高度成長期に建ったと思われる築40年超の戸建住宅が建て替えられず、かといって新築戸建もあまり建たず、相続税対策の変な木造賃貸アパートばかりが増える、平日の日中に行くと高齢者ばかり、子供いない…という世界。地域社会として、すでに「サバイバルモード」に突入している感があります。

駅徒歩圏の「世代交代可能な住宅地」と、それ以遠の「過疎・高齢化危惧サバイバル住宅地」を、面積、人口密度を入れてざっと推計してみると、こんな結果になりました。

 

柏市の人口 42.0万人

うち世代交代可能住宅地 15.4万人(36.7%)

それ以外  26.6万人(63.3%)

 

つまり、柏市民のうち、世代交代可能な住宅地に住んでいるのはわずか37%。それ以外はバス便地域の旧い住宅地か、工場、農地、森林が延々と広がる世界であり、都心回帰の圧力にシビアにさらされて過疎化・高齢化が危惧されるという意味では、我孫子市や取手市と基本的に同じ状況と思われます。

柏市内に、東京に通える駅が「10」あるというのは、千葉県北西部の都市としては平均的で、「37の駅がある船橋市」や「20の駅がある松戸市」に比べると明らかに不利といえます。今は通勤新線がつくれる時代でもないので、既存の路線を上手に利用して「駅を増やす」、というチャレンジはやる価値があると思います。

幸い、柏市内の東武野田線にはポテンシャルがあります。

 

・柏―新柏間が3.1km離れているので、中間点に「常盤台」新駅をつくる。

・柏―豊四季間が3.0㎞離れているので、中間点に「旭町」新駅をつくる

現在、「柏市常盤台」地区は、最寄りの柏駅から徒歩20分以上離れているので通勤利便性が劣り、旧い住宅地が世代交代していきません。高齢化も市内トップクラスに進んでいます。でも、東武野田線上に新駅をつくれば、話が全く違ってきます。「柏駅から1駅2分」で結ばれ、都内へラクラク通勤できますので、市内でもかなり好条件の新興住宅地に生まれ変わるはず。宅地がどんどん取引され、若い世代が戸建住宅やマンションに住むようになるでしょう。同じことが「旭町」新駅についてもいえます。

しかも、「常盤台」、「旭町」新駅は、駅勢圏が既存のどの駅とも重ならないため、この2駅の徒歩圏が、まるまる「東京通勤可能な住宅地」として新たな人口を呼び込みます。計算すると、世代交代可能住宅地の人口が2万1千人増えることになります。そこから得られる長期的な住民税や固定資産税、商業発展による地方事業税を考えると、ある程度の市費を投じても実現すべきプロジェクトのような気がします。柏市の人口をさらに持続可能にするためにも大いに意味がある。

よく考えると、首都圏の各地で、新駅つくればいいのに…と思う場所はたくさんありますね。例えば、東海道線の「大船~藤沢」間は5㎞近く離れているので、中間地点の「村岡」あたりに新駅をつくればいいのに。数万の人口が張り付き、東戸塚みたいな街に成長できる可能性も見えるので、現状が実にもったいないと感じます。

 

次に、「我孫子市」の将来をどうするか?…柏市とはまた違ったアプローチがありうると思います。

 

・郊外都市として他市との人口争奪戦に勝ちにいくか?

・あるいは、都市の縮小を前向きに受け入れた上で、次世代型の価値を追求していくか?

 

私は、我孫子には後者の目が十分残っていると思います。風光明媚な手賀沼を擁し、大正時代、白樺派の文人墨客が集まって数々の名作を生みだし、「北の鎌倉」とまで称された地なのですから…それにここは、「東京メトロ一本で行ける、心癒される緑の田園地帯」でもあるのですから。

我孫子市内、JR天王台駅から、利根川に向かって歩いていくと、「青山」や「南青山」といった、東京港区のおしゃれな地名になります。でも「我孫子市の青山」には、ブランドショップやエステサロンはなく、その代わり緑豊かな田園地帯が果てしなく広がります。西は柏市、野田市まで、東は印西市を経て成田近くまで続く、地平線さえ見える広い田園です。

この癒されるロケーション・眺望そのものが、21世紀型のブランド価値を持つと思います。欧米には、都市近郊の田舎が注目されて、観光地やブランド住宅地として賑わう場所がたくさんあります。

 

この広い場所で、バリのエステとかタイの王室マッサージとか、おしゃれな喫茶店とかエスニック雑貨屋とか、ワイナリーみたいなものがあれば楽しいし、これがインバウンド観光と結びつくとさらに大きな可能性を感じます。もし私が我孫子プロモーションの責任者だったなら、ハコモノなんて一切つくらない。その代わり、我孫子の良さを新鮮な視点で紹介できる、ユーチューバーを世界中から集めますね

福岡市で活躍しているミカエラさんみたいな、影響力あるユーチューバーに声かけて、我孫子に来てもらって、縁があれば住んでもらって、世界のいろんな言葉で我孫子を、それぞれの切り口でプロモーションする。「我孫子って何だか面白そうだぞ」と思う人間が世界中から集まり、彼らが我孫子でいろんな商売を始めるのをサポートする、長い時間をかけて、コミュニティをつくっていく…高度成長期から続く都市間競争には負けても、その代わり、21世紀的価値観のなかで、新たな勝ち組を目指す。

我孫子って、地元の小学生が様々な種類の稲を使って「田んぼアート」をつくってしまう…そんなセンスの良さを持っている街。しかも東京から至近距離にあるので、今後、意外なかたちで注目されるかもしれません。

 

子供の頃から、柏・我孫子の各地を、自転車で走り回った私が思うこと…

 

・柏は、首都圏内のメジャーリーグ都市として生き残る競争に乗り出すだろう。

・我孫子は、柏とは全く違ったかたちでの将来像を模索するだろう。

 

東京都心が栄える一方、30km以上離れた郊外では、高齢化・過疎化リスクに直面しています。今後、自分の地域をどうしていきたいのか、各市の模索は続きます。

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日本最後の人口フィーバー地帯=東京都心

こんにちはManachanです。今日もケアンズは良い天気。普段、長旅の疲れが溜まってるのか、ケアンズでは1日10時間くらい寝てます♪

最近オーストラリアねたが続いたので、久々の日本ねたで行きます。舞台は「首都・東京」。

 

私と家族は、東京の大手町駅からメトロ東西線で4駅目「木場」、5駅目「東陽町」の中間くらいに住んでいます。住所は江東区、都心からの直線距離は4kmちょっと、自転車でも行ける近さ。

木場・東陽町一帯は、ここ15~20年くらいで、見違えるほど住みやすくなりました。20年ほど前、私が東京農工大の工学部に居た時、東陽町駅近くの町工場で実験装置の金型をつくってもらってたのですが、当時この一帯は小規模工場が多く雑多な雰囲気で、住みやすい感じはしませんでした。隣の木場は駅前からして工場だらけでしたし・・

 

しかし今や、木場・東陽町は都心近接ベッドタウンとして綺麗に整備されました。工場は中高層住宅とショッピングセンターに置き換わり、公園も多く教育・医療施設にも恵まれ、20坪の新築マンション6000万円近い値段しても住みたい人が続出。2DK40㎡マンションの月額家賃13~14万円しても都内で一番空室率が低いという、都内東側で有数の人気住宅エリアに様変わりしました。最近はインド人エリートITエンジニアも大勢住んでます。

南隣の「豊洲・東雲エリア」のタワマン開発ブームに牽引されるかたちで、江東区民の平均所得も、もともと都内23区で下位だったのが今や真ん中までランクアップ、世帯所得1000万円を超えるファミリーが「都心に近い」という理由でどんどん移り住む。豊洲のららぽーとなんて、二子玉に住んでたような優雅なマダムが悠然と闊歩し、30万円もする血統書付きペットがガンガン売れる…昔の江東区を知る者にとっては驚くことばかり。

区内人口もこの20年、激しく増加しています。20年前、36万人だったのが、今や51万人。年間8000人、年率1.6%という、アメリカやオーストラリア、インドを上回るハイペースで増え続けています。しかも、あと20年は増え続けるらしい…

 

江東区人口爆発の背景には、首都圏における「都心回帰」の流れのなかで、「都心3区」(千代田+中央+港)の人口が大きく増えたことが背景にあります。もともと「オフィスだらけで住みにくかった」のが、今は「都心が住みやすくなった」んですね。

特に中央区の動きが顕著で、2007年を100とした時の区人口が、10年後(2016年)には134.2に爆増。次いで千代田区124.6、港区121.5と、都心3区が人口増加率上位を独占。都心の東側に隣接する江東区も112.8と4位になるのも地理的必然ですね。

 

「港区」の人口推移をみると分かりやすいですが、東京都心部の人口は高度経済成長期からバブル崩壊後にかけてずっと減り続けました。特にバブル最盛期は「このままいくと限界集落になっちゃうの?」と思う位の激減ぶり。ボトムを打ったのが1996年頃で、その後はV字回復。20年ずっと増え続けています。千代田区、中央区も同じ傾向です。

世界最高水準の都市機能が揃う東京都心。「職住接近を好む高所得ファミリー」や「充実した交通と医療環境を求める富裕層シニア」の流入が止まりません。中央区、港区、江東区臨海部に続々と建設されるタワマン群が彼らの受け皿になっています。

 

東京都心周辺の人口は、この先、どこまで増え続けるのか…私は、まだ増加余地が大きいとみています。都市・住宅政策にも影響されますが、都市のキャパシティからみてあと50万人以上は軽く増えそうな気がします。

東京と似たレベルで都市機能や公共交通が揃う大都市は、世界的にみても数えるほどしかありませんが、類似事例として「ニューヨーク」と「香港」をとりあげて比較すると、「東京都心部の人口密度がまだ低い」ことが一目瞭然。

ニューヨーク・マンハッタン 面積59.13㎢、人口1,643,734、人口密度27,799人/㎢

東京都心4区        面積60.46㎢、人口806,482、人口密度13,559人/㎢

香港・九龍         面積47㎢、人口2,109,419、人口密度44,881人/㎢

 

東京の都心4区(千代田、中央、港、新宿)は、マンハッタンとほぼ同じ面積で人口が半分。香港・九龍と比較すると、人口密度が3分の1以下なのです。

都心業務機能、公共交通網、人口規模、インフラ、アメニティ…どの指標をとっても、東京はニューヨークや香港と何ら遜色ないWorld Class City同士であるにも関わらず、都心部の人口が半分以下という、不思議な現象が起こっています。裏を返せば「伸びしろが大きい」といえます。

マンハッタンや香港並みに、東京都心部の容積率を緩和すれば、高層オフィスビルや住居を計画的に開発する余地ができますし、豊洲~有明~お台場~芝浦の臨海部には広大な空き地も残っています。東京オリンピック前後で鉄道や道路インフラの整備も、都心~臨海を中心に進みますし、また東京は世界的にも治安が良い都市で、「利便性」重視の傾向も強いため、需要サイドでも都心選好になりやすい。

 

日経新聞の記事(2017/4/6)によると、都心3区の人口は2015年の44万人から2040年には63万人と、20万人弱増えると推計されていますが、不動産の現場に携わる私からみると、もっと増えると思います。20年後をざっくり予測すると、

・都心三区 20~30万人増
・江東区  10~15万人増
・準都心(新宿、渋谷、台東、品川等)15~20万人増

都心周辺だけで、合計40~65万人増…これだけ増えれば、東京都心部の人口密度が今のマンハッタンに近いレベルになり、都市の在り方としてもバランス良い状態になると思います。それだけ職住接近が進むわけですから。

「関東大震災が起こったらどうなるんだよ!」という方もいるでしょうが、それはまあ、時間が解決するでしょう。不動産的にいうと、「恐怖の記憶は2か月で薄れる、3年後には元に戻る」…2011年の震災で大きな被害の出た新浦安だって最近マンション建って人も移り住んでるし、もともと東京は流動人口が多い都市なのですから、結局は「都市機能の充実」が人を呼び込む要素になるでしょう。

東京都心周辺こそ、人口減少日本に残された、最後の、かつ一番力強い人口増加フロンティアなのだと思います。

 

最後に、私たち不動産投資家は、「日本の総人口が減るから、過剰供給だから、不動産価格が落ちる」みたいなマクロベットな考えを好みません。むしろ、「地面に張り付いて動かない」不動産を扱う分、物件周辺のミクロな人口動態、所得環境、需給バランスなどを重視します。

その視点でみた、東京都心周辺エリアは、これから人口が増える、所得水準もたぶん増えるという意味で、Growth Market的な楽しみがあります。今は値段高いのでなかなか手が出せませんが、もし安く買えたなら、「自宅として買って(住んで)、じっくり値上がりを待ち、マイホーム特例で免税で買い替える」タイプの投資も面白いと考えています。

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石垣島不動産レポート後編「ライバル増えない離島パラダイス」

前編の続きです。今回も、「久々にボルテージの上がる日本不動産の話」を目指して書きます。

前回は、「観光や国防という特殊事情で石垣島の賃貸需要が増えている」ことを書きましたが、いくら入居者が増えても、それ以上に賃貸住宅の供給が増えてしまえば、我々大家にとって面白い話にはなりません。

・需要>供給なら、全ての賃貸物件の賃料が上がる
・需要<供給になると、競争力の落ちる物件の賃料が一気に下がる

それが、賃貸経営の宿命ですよね…

賃貸住宅の過剰供給が、いま日本中で問題になっています。たとえば、私の実家は千葉県の柏駅から4kmほど離れた、まだ農村風景の残る新興住宅地にありますが、その周辺は地主が建てた安普請アパートの数がとにかく凄い!田畑ばかりの不便な場所にアパート建てて一体誰が住むんでしょう?「いい部屋ネット」の入居者募集ノボリがそこら中にはためく風景が、ちょっとシュール。

私は4年前に不動産業者になり、それこそ、地主系アパート乱立で有名な横浜市郊外や埼玉県北部、愛知~岐阜方面、栃木~福島方面、九州や北海道まで足を伸ばしてますが、全国どこでも、賃貸木造アパートがすでに不必要なくらい建ち、しかもどんどん増えてて驚きます。

日本国内で、大手の木造賃貸アパート業者が進出してガンガン建ててる最南端は、今のところ沖縄本島であるようです。それ以上南の離島になると、人口最大の石垣島でさえ5万人程度でマーケットが非常に小さく、かつ、建材の輸送コストもかかるので、さすがの彼らも組織的な進出はしていません…かくして離島部は、見渡す限り地元建築業者が支配する世界です。

【石垣島の賃貸住宅…見渡す限り空室がない!】

沖縄の離島は観光地として優れているので、リゾートやホテルを建築する目的で本土の業者が多数入ってきています。でも彼らのなかで、事業計画通りに建設できた事例は稀。「沖縄は鬼門、金食い虫」という嘆き節も方々から聞こえてきます。それには、いくつかの理由があります。

・農振(農業振興地域)指定を外すのが至難の業。
・本土資本主導の大規模開発に対しては反対運動も強い。
・いざ建築許可がでても、今は建築費高騰に加え、島外からワーカーを導入するコスト(交通費、宿舎費)も別途かかる。

そもそも本土から遠く、文化も気候も商習慣も全然違う「離島」です。当然排他的な面もありますし、役場の人間、政治家、建設業者…島の人たちをうまく巻き込まないと物事が回りません。日本の法律が通じるとはいっても、実際の運用はある意味東南アジア的。本州や九州とは事情が大きく異なります。

もっとも、私たち個人投資家レベルでは大型リゾート開発ではなく、せいぜい単体のアパマンや簡易宿所を建てるレベルの話でしょうから、上記の苦労はしなくて良いのかもしれません。むしろ問題になるのは、「利回りが出るかどうか?」…現時点で頭の痛いのが「建設費高騰」の問題です。

・台風が強烈な沖縄の住まいは、RC造が一般的。今は職人不足と需要増で全国的にRC建設コストが高騰中。
・石垣島ではコンクリートカルテルがあり、資材の仕入れコストが本土に輪をかけて高騰している。
・木造住宅も徐々に増えては来たが、木材を沖縄本島から船で400km運ぶことになるので、建築の坪単価が本土の3割増し位になる。

いまの石垣島、需要面は申し分ありません。住む家が足りないので家賃は高止まり、地元の方々も安い月給ですが共稼ぎして一生懸命家賃払います。お金持ちな本土の移住者も相当数来ていて、東京横浜並みの家賃払って借ります。国防関係の方々も空いた家が出ればすぐ借ります…賃貸住宅の供給不足が続く限り、家賃水準は落ちないでしょう。

しかし、「東京横浜並みの現状家賃」を前提にして事業計画を建てても、建築費を相当抑えてうまくプランニングしない限り、新築しても利回りグロス6%台とか、面白くない数字になってしまいがちなのです。

そんななか頭をしぼって、「8%以上の利回りが得られて、ちゃんと遠隔運用できて、本土の人間でも融資ひける収益物件」をつくるのが、私の使命だと思っています。8%回る物件をつくれれば、離島という「最強の参入障壁」のおかげでライバル物件が増えそうもないし、需要は落ちそうにないし、少なくとも10年くらいは安定して回る気がします。安定稼働している間に売ればキャピタル取れるかもしれない!すげーやりたい。自分がオーナーになるのが一番おいしいじゃん!

ご愛読ありがとうございます。石垣の海より愛をこめて…

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石垣島不動産レポート前編「新空港+外国客+国防で住宅需要爆発」

こんにちはManachanです。日本の最南端、台湾すぐ隣、亜熱帯の海に抱かれた沖縄県石垣島へ2泊3日の出張から東京に帰ってきました。

行ってみた感想、「まじですげー!むちゃ盛り上がってるじゃん!」。不動産大家としてテンション上がりまくりでしたね。

石垣島そのものよりも、この島が経験している「いまの時代」が凄い。日本の他地域ではまずあり得ないパターンの活況なのです。一言でいうと、

「観光需要爆発」+「離島ゆえの住宅供給不足」=「あと10年は空室心配なさそう」という実感ですね。

まず「観光需要爆発」ですが、定住人口5万人弱の島にとって大きすぎる出来事が3つ、相次いで起こっています。

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1)2013年「新空港の開港」

1979年に計画され、34年の歳月と紆余曲折を経て開港した「南ぬ島(ぱいぬしま)石垣空港」によって、建設、観光を主産業とする島の経済は激変しつつあります。

石垣島を含む八重山諸島への入域観光客数は、開港の前と後とで大きく変化しました。予想を上回る伸びだったと、島の人々は口を揃えて言います。

2012年 71.3万人
2013年 94.2万人 (開港の年)
2014年 112.1万人
2015年 111.5万人
2016年 124.8万人

この空港の立地条件は、いろんな意味でユニークです。

「八重山諸島で唯一、東京大阪へ直行できるジェット機が発着可能な空港」(2013年以前は、那覇で乗り継ぎが必要だった。新空港ができて東京大阪からの所要時間が劇的に短縮)

「石垣島だけでなく竹富島、西表島、小浜島への窓口」(上記の島々は人気の高い観光地だが空港がないため、必然的に石垣空港利用になる)

「那覇以南の日本領内で唯一、国際便が発着できる空港」→これは、後述「インバウンド観光」に直結します

2)中華圏旅行客の急増

日本の他の観光地と同様、石垣島にもここ数年、アジア近隣諸国からの旅客が押し寄せ、すでに無視できない数になっています。直近(2017年4月)のデータでは、八重山に入域した観光客118,650人のうち、日本人が94,994人、外国人が23,656人と、すでに「旅行客全体の2割」を外国人が占めています。

国籍別の内訳は中華圏が大多数を占め、「台湾」「中国」「香港」の順。外国人旅行客の半数近くを占める「台湾」の基隆港から石垣島は250kmの至近距離にあるため、

「台湾人は週3便の大型クルーズ船でやって来る」

台湾人の行動パターンは、まず朝、石垣港から上陸。ドラックストアで買い物した後、観光バスかタクシーで島内一の観光地「川平(かびら)湾」のエメラルドグリーンの海で水遊び。その後市街地に戻り、夜8時には沖縄本島に向けて出航します。クルーズなら船中泊が基本ですが、最近は石垣島内の民泊に泊まる台湾人も増えているようです。

「香港人、中国人は香港エクスプレスで飛んでくる」

香港~石垣間を直航する香港エクスプレス便は、最近、週2便から週5便に大幅増便になり、なお稼働率良好だという。台湾と比べ、船の移動だとやや遠い香港や大陸中国の旅行客に選ばれています(それでも石垣島からみて香港は東京より近い)。

3)海上保安庁の尖閣特需(?)

石垣島は国境の島。いま日本と中国台湾との間で領土問題を抱えている「尖閣諸島」(釣魚台)は、日本地図上では石垣市に属します。石垣島からの距離は約180km。

尖閣海域へスクランブル発進できるよう、海上保安庁は「なぐら」をはじめとする巡視艇を石垣港に数隻配備。それに伴い保安庁の職員200名、家族を含めれば約500名の賃貸需要が生じ、官舎を建てても全員の収容はできず、石垣港~登野城にかけての民間賃貸住宅を借りて住まわれる方々が増えているようです。

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以上まとめると、今の石垣島では、「新空港開港」+「外国人客増加」+「国防関係者増加」という3つの出来事が同時に起こっており、いずれも住宅(宿泊+定住)需要を爆発される直接の要因になっているのです。

さらに特筆すべきは、深刻なホテル不足。石垣島は観光需要に比べて宿泊施設が圧倒的に足りておらず、そのため「顕在化しない住宅需要」が少なからずあることです。

上述「クルーズ船でやってくる台湾人客」に関していうと、彼らが石垣島内で宿泊せずに即日出航するのは、「宿泊できるホテルが島内に足りない」からでもあります。

石垣を出て沖縄本島まで行けば宿泊施設のキャパは十分あるので、台湾人客も陸に上がってホテルでゆっくりするはず。言い換えると、石垣島に新しいホテルができれば、台湾人もそこに泊まって島にお金を落とすはずです。

あと、飛行機代と旅客需要の相関も無視できません。例えば東京から石垣島に飛ぶ場合、新空港開港後しばらくはバニラエアやピーチの成田発格安直航便があったと記憶していますが、今は那覇経由になり料金も高い。その心は、「飛行機代安くして観光客たくさん来てくれても島には泊まる場所がない」という切実な台所事情に他なりません。

でも、いま建設中、計画中のホテルやリゾートが全部オープンすれば、石垣島内に1400室を超える収容能力が新たに生まれるので、その需要を見込んでバニラやピーチも成田や関空発の安いチケットを出し、関東関西からさらに旅客が増える可能性が十分あります。

今後、島に宿泊施設が増えれば、そこで働くスタッフも増え、そこから派生する飲食店、土産物屋、バス、タクシーの需要も増えます。石垣島で働く人々が増えれば当然、彼らが住まう住宅が必要になるわけですが、その需要に比べて供給が全く追いついていません。

「住宅需要が堅いなら、建て売りすればいいじゃん」と思われるかもしれません。実際、日本は住宅余りの国、空室増えてもなお建てまくる程、供給能力は有り余るほどあります。しかし、同じ日本でも石垣島は離島ゆえ、本土と全く状況が違い、需給ギャップがすぐ解消するとはとても思えません。

次回は供給サイドの話、「石垣島でなぜ住宅が建たないのか?」について書きます。お楽しみに…

後編に続く

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外国人受け入れと首都圏再集中の構図

こんにちはManachanです。ゴールデンウィーク、気持ちの良い晴天が続きますね。私は忙しい仕事が一段落し、空き時間を使ってブログ更新に励んでおります。今回は、東京を中心に最近目に見えて増えている「外国人住民」が、日本の人口動態さえ変えつつある面に着目し、統計数字をいろいろ調べて書いてみました。
かくいう私自身も、国際結婚してまして、妻は「東京に住む外国系住民」のひとりです。住まいは江東区の東陽町で、近所を歩けば中国語が聞こえてくる、都心勤務のインド人ITエンジニアとご家族も多数お住まいで、ネパール人が経営するインド料理店が毎年増えています。うちの子の通う小学校では外国姓か国際結婚ファミリーの子供がクラスに3~4人はいます。そういえばお隣さんもフィリピン人。
それが大都市の当たり前の姿なのだと思います。ニューヨーク、ロンドン、パリ、シドニー、トロント、シンガポール…海外の大都市はもっとコスモポリタンですよね。東京もゆっくりと、その道を歩みはじめたのだと思います。江東区は外国籍住民の人口比率が5~6%で、年々増えています。でも私が以前住んでいたシドニーは外国出身者が総人口の39%を占める社会でした。真のコスモポリタン都市での暮らしを経験した者の視点から、「ゆっくり国際化しつつある東京・首都圏のいま」を描いてみたいと思います。
ここ数年、東京を中心に「外国人住民が増えている」のは、明らかに、政策によるものです。2012年12月に自民党が政権を奪回し、第二次安倍政権が始まって以来、在留外国人数は右肩上がりに増え、わずか4年間で203万人から238万人に、35万人も増えています。もっとも、この数字は日本国に合法的に滞在できる25種類の在留資格をすべて含んでおり、所謂「移民」に相当するものは「永住者」ビザかと思いますが、このビザの発給数も安倍政権下の4年間で62.4万人から72.7万人へ急増しています。実質的にいえば、10万人余りが新たに日本へ移住したと言って良いでしょう(うちの奥さんもその一人)。


安倍政権が外国人の受け入れを増やしている背景には、日本の人口がすでに厳しい減少局面にある事情があります。安倍政権発足直後の2013年にはすでに、日本国内の出生数104万人に対し、死亡数は127万人。黙っていても年間23万人の日本人が減る状況でした。たとえていえば、神奈川県厚木市や大阪府寝屋川市クラスの中堅都市が、毎年一つづつ、消滅しているような状況です。しかも、出生数と死亡数のギャップは年々拡大する一方で、東京オリンピックが終わる頃には年間50万人の日本人が減ることがほぼ確実視されています。
アベノミクスで日本経済再生を打ち出した自民党・安倍政権。しかし経済を復活させたくても、デフレが20年も続き、かつ人口が年間何十万人も減り続けてマインドが委縮する衰退国家に、一体どんな経済再生の芽があるのか?
為政者が、「できるだけ、日本の人口を減らしたくない」と考えるのは自然なことです。高齢者がお亡くなりになるのはやむを得ない。出生数を増やそうにもすぐに増えるものではない。であれば、政策的にコントロールできるのは「海外からの流入」しかありません。
人口が増えたり減ったりする方程式は、簡単です。

「人口増減」=「自然増減」(「出生数」―「死亡数」)
+「社会増減」(「海外からの流入」―「海外への流出」)

安倍政権が登場した初年度、2013年に、日本の総人口は約20万人、減りました。

出生=104万人、死亡=127万人
海外からの流入=4万人、海外への流出=1万人
⇒人口増減=104万―127万+4万―1万=マイナス20万


それから3年経った、2016年。出生数はさらに減り、死亡数はさらに増え、自然増減はさらに厳しくなりました。しかし、この年の人口減は、16万人にとどまっています。なぜなら、海外からの流入が大幅に増えたからです。

出生=100万人、死亡=130万人
海外からの流入=16万人、海外への流出=2万人
⇒人口増減=100万―130万+16万―2万=マイナス16万


これは仮説ですが、安倍政権は日本人が自然に減る分の全部は無理としても、その半分は外国人受け入れで賄いたかったのではないかと思います。もしそうだとすれば、治世4年間で、その目標は達成されたといえます。2016年には、日本人の自然減30万5593名の52.5%にあたる、16万309名の外国人登録者(特別永住者は除く)を増やしています。


今度はもう少しミクロにみてみましょう。外国人を受け入れた後、彼らは日本のどの地域に定着するのか?2013~16年の間は一貫して、彼らの半数以上が「関東」、特に「首都圏」(東京、神奈川、埼玉、千葉の一都三県)に集中しました。2013年は外国人増加数の68%、2016年は少し全国に散りましたがそれでも52%が、関東の新住民になっています。一都三県の割合はそれぞれ63%(2013)、46%(2016)。


この4年間、「外国人の受け入れ」と「首都圏への一極集中」が進んだ結果、一都三県における外国人登録者数は、77万9千人から97万8千人と、実に20万人も増えています。


外国人が4年間に20万人(年間5万)増える…首都圏一極集中が進むなかでも、これは決して小さな数字ではありません。日本全国から一都三県に移動する転入者が年間15万人程度ですので、外国人の増加分は実に3割を占める計算になります。
安倍政権による外国人受け入れが、ようやく数字に表れてきたのが、2013年後半からです。そこで、2013年6月末から現在(2017年3月末)までの4年弱で、各自治体における人口増加分のうち、外国人がどれだけ寄与しているかを、整理してみました。

東京都平均:日本人増加73.8%(284,348名)、外国人増加26.2%(101,159名)
新宿区:日本人増加53.3%(8,770名)、外国人増加46.7%(7,674名)
豊島区:日本人増加45.8%(6,603名)、外国人増加54.2%(7,814名)
江東区:日本人増加76.2%(18,286名)、外国人増加23.8%(5,700名)
江戸川区:日本人増加51.1%(8,335名)、外国人増加48.9%(7,972名)
世田谷区:日本人増加87.6%(26,265名)、外国人増加12.4%(3,729名)
杉並区:日本人増加76.8%(14,497名)、外国人増加23.2%(4,378名)


東京都だけではなく、周辺県のベッドタウンでも、外国人増加が人口増の相当部分を占める状況は同様です。千葉県、埼玉県、神奈川県の代表的な都市の数字を整理してみました。特に、日本最大の基礎自治体、人口370万を超える横浜市で、外国人の増加数が日本人より多かったのは驚きですね。

市川市:日本人増加74.8%(9,936名)、外国人増加25.2%(3,344名)
船橋市:日本人増加65.5%(8,559名)、外国人増加34.5%(4,511名)
千葉市:日本人増加55.6%(3,620名)、外国人増加44.4%(2,889)
川口市:日本人増加38.9%(5,566名)、外国人増加61.1%(8,754名)
さいたま市:日本人増加86.9%(30,123名)、外国人増加13.1%(4,542名)
川崎市:日本人増加85.0%(41,850名)、外国人増加15.0%(7,389名)
横浜市:日本人増加47.0%(11,414名)、外国人増加53.0%(12,857名)


私は、首都圏で賃貸経営を営むオーナーとして、都内や近郊都市の人口動態を時々調べますが、ここ数年の人口流入が想定以上に力強いのに気がつきました。たとえば、千葉県市川市。ここは2012年以前は人口減少自治体として県内でも有名でしたが、なぜか、この2~3年は人口が増えまくっています。オリンピックを控えて、比較的景気の良い首都圏への人口流入が起こるのは分かるけど、日本の他地域の人口が減るなかで首都圏だけが人口吸引するにしては、流入の勢いが強すぎる。これは、外国人が影響しているに違いないと思い、詳しく数字を調べて整理してみると、案の定、というか予想以上でしたね。
単なる首都圏再集中ではない。たぶん日本の歴史始まって以来の、「東京コスモポリタン化」による人口増加が、首都圏全域で起こっています
いまの時代、日本人だけの人口動態だけを追っていては、精度の高い人口予測はできません。特に象徴的なのは、2014年5月に発表された日本創成会議の試算。「豊島区が都内で唯一の消滅可能性都市」に名指しされて、話題を呼びましたね。これは2010年前後、民主党政権下で日本人と外国人の人口が減っていた頃の枠組に基づいて試算したもので、2013年以降、安倍政権の外国人受け入れによる豊島区人口の爆増を全く織り込んでいませんでした。実際、あのレポートが発表されてから3年弱で、豊島区の人口は1万人も増えているのですから、全く妥当性ありませんでしたね(なお、外国人の増加が全体6割を占めています)。
首都圏で不動産投資する者にとって、外国人住民の流入による賃貸需要、売買需要の増加は、もはや無視できないファクターになったといえます。この波を確実につかんで、ビジネスにつなげていきたいですね。

 

参考ブログ記事)

アベノ開国エコノミー、人口減に挑む(2017/8/18)

実はあまり減らなかった日本の人口(2017/1/4)

 

出典)
・法務省「在留外国人統計」(平成24~28年)
・外務省「海外在留邦人人数調査統計」(平成24~28年)
・各自治体の「住民基本台帳」(平成24年7月~29年4月)

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