不動産購入を休む勇気

おはようございます。Manachanです。今回は、「不動産物件仕入れと売却のタイミング」について、思うところを書きます。

 

家主と地主」(全国賃貸住宅新聞社の月間雑誌)、私もコラム執筆で長年お世話になってますが、今月号の特集は素晴らしいですね。「家賃収入アップを実現した家主100人の見事な新手法」。

新発想の賃貸住宅として売り出す、旅行者向けに短期貸しする、入居者コミュニティをつくる、間取りを広くして1ランク上の住宅として貸す、空室に賃貸つけて投資家に売る、投資マーケットで仕入れて実需マーケットで売る…世の中、いろんな手法があるものですね。

なお私は、今回出てくる100名の凄腕大家さんのうち、約半数と面識があり、彼らにはいつも、良い刺激を与えていただいてます。不動産の世界で生きていく上で欠かせない人脈だと思うので、ずっと大事にしていきたいです。

 

ところで、凄腕大家さんの多くは、複数の物件を持っています。彼らは常にマーケットを見ながら、長期保有するもの、売却するもの、新たに仕入れるものを考え、ポートフォリオを入れ替えながら運営しています。

最近は、超低金利を背景に、収益物件の価格が全国的に高止まりしています。要は「売り時」なので、いま売却に走る大家さんも多いです。

 

特に、リーマンショックの影響冷めやらぬ、2009~11年頃は、収益物件の価格が非常に安かったわけですが、その時期に仕入れた物件を今の相場で売れば、場所や規模、工法にもよりますが2~5割は確実に値上がったのではないでしょうか?

税金面から言っても、すでに保有6年目を経過していますから、個人で買ったとしても長期譲渡の安い税率が適用されますからメリット大きいですね。

 

要は何が言いたいのか?不動産は「安い時期に買い、高い時期に売って利益確定する」のが基本、ということです。日本は他の先進国と比べると、いろんな構造要因があって不動産価格が上がりにくいマーケットといえますが、それでも、10年あれば2~3年くらいは、不動産価格の上昇・下落のサイクルを上手につかんで、値上がり益をとれるチャンスがあるということです。その観点でいうと、

 

・2009~11年頃に、収益不動産を安く仕込んで、賃貸で回す。
・いま(2016年頃)は価格が高いので、積極的に売却する。
・数年後、マーケットがクラッシュして安くなった頃に、再度、安く仕込む。

 

それが、「洗練された不動産投資家」の行動だと思うし、私も常にそうありたいと思っています。

しかし、それは多くの人にとって、「言うは易し、行うは難し」なのかもしれません。そこに「銀行融資」の問題が絡んでくるからです。

 

・2009~11年頃は、リーマンショック後ゆえ金融機関の融資姿勢が慎重で、収益不動産に対して融資が出にくい時代だった(だから安い!)
・いま(2016年頃)は、収益不動産に対する融資はジャブジャブ出る。金利も、ものすごく安い。

 

「収益物件の利回りが下がったとはいえ、今はどんどん融資引けるんだから、これを機に、一気に拡大しようぜ!」という人が多いのも理解できます。日本全体をみれば、たぶん、「いま売り時だから高く売る」人よりも、「低金利を利用してどんどん借りて買う」人の方がずっと多くて、多くの業者や金融機関がそれにぶら下がっているのでしょう。

日経新聞で、立て続けにこういう記事が出んだから、不動産投資と融資が、いま相当過熱しているのでしょうね。

 

不動産は「利回り商品」 群がる運用難民  (2016/9/11)

金融システム、金利変動や不動産集中にリスク  金融庁が警鐘  (2016/9/15)

 

長年、日本の不動産市場を見てきた経験から、私の意見を正直にいうと、

 

・いま、融資がどんどん出るからといって、収益不動産を高い値段で買うのは、相当な経験者・上級者でもない限り、やめた方が賢明。

・多くの人にとって、今は購入を「一休み」すべき時期。

 

いま買うなら、仕入れの基準を厳しめにした方が良いかもしれませんね。何となくの感覚ですが、「都市圏で新築・築浅の木造アパートを買うなら、都心近くで6%台後半、近郊で7%台前半が足切りライン」とか、「築20年強のRCを買うなら、23区内で8%、近県や地方中核都市で9%以上で仕入れる」とか、

そういう数字の出る物件、今は正直少ないですけど、上のような条件で買えれば、ま、アリではないでしょうか?

 

そういう物件が出ないのであれば、「一休み」して、市況が下がるのを待つのも手かもしれませんね。「買いたい」気持ちが先走るとコントロールするのが難しいですが、そこは「トンチの一休さん」の知恵を借りて、

 

あわてないあわてない   一休み一休み

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タイの文化と人々が面白い…

おはようございます、Manachanです。いつもは不動産投資の話題ですが、今回は趣向を変えて、「語学と文化」ねたで書いてみます。

 

私は昨年4月に、東京・飯田橋の学校で、タイ語のプライベートレッスンを始めました。学習のきっかけは、昨年7月にバンコク、今年1月にパタヤ・シラチャーで不動産マーケット調査をするにあたって、タイ語の基本的な読み書き会話ができた方が便利という理由でした。実際、むちゃくちゃ役に立ちました。バンコク都心を少し外れると英語がほぼ通じない、タイ文字ばかりの世界になりますから。

で、蓋を開けてみれば、タイでの不動産マーケット調査が終わっても、相変わらず学習を続けています。先生にも恵まれ、楽しいから続けているんですよね。私は出張多い身ですけど、東京にいる時は、1~2週間に1度のペースで、2時間のレッスンを受け、その事前学習に2~3時間くらい費やしています。

40代半ばを過ぎると、記憶力が落ちてきて、「単語4つ覚えて、3つ忘れる」みたいな効率の悪さですが、自分のペースで学習続けていると、頑張れば文章もそれなりに読めるようになるものです。

 

私のタイ語は、いま中級レベル。「読み」を中心に学習しています。普段は、日本で出版されている「中級タイ語総合読本」と、

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タイ本国で外国人向け学習教材として出版されている「UTL (Unity Thai Language Shool、ユニティタイ語学校)」のプリントを併用しています。

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「中級タイ語総合読本」の方は、少し古風な教科書といった感じの読み物、タイの地理、気候、民族、観光地、家屋、結婚、家族、葬式など、スタンダードな内容を、当たり障りのない言葉で扱います。私が読むと、ちょっと退屈…

一方、UTLの方は対照的に、「生きたタイ語の読み物」。タイ人ライターが、皆さんの関心あるトピックについて、いま普通に使われているタイ語で書いた、1500字位のエッセイで構成されています。こちらの方は、読んでてとても面白い。ブロガーの知識欲、文章表現に対する興味を、十分満足させてくれる内容です。

これまで読んだUTLのエッセイのなかで、一番好きな文章がこれです。思い切り意訳して日本語で書きますね。

 

タイのやくざとヤンキー」(นักเลงโต)

昔、タイの農村ではどこも、「盗賊」が悩みの種でした。特に裕福な村では、いつ盗賊に襲われて大事な財産を盗られるか分からず、不安で夜も安心して眠れませんでした。警察など、ろくになかった時代でしたから、どの村にも、壮健な若者からなる「やくざ組織」があって、暴力には暴力で対抗することで、村人の財産を守っていたものです。

当時、タイの村々にいたやくざ者は、命知らずでケンカが滅法強く、人々の畏敬の的でした。また、子分や仲間がたくさんいて、ケチケチしない「気前の良さ」が身上でもありました。当然、暴力は振るいますが、村に欠かせない大事な役割を果たしていたのです。

時代は下り、社会が都市化・組織化されてくると、「古き良きやくざ者」の居場所が、だんだんなくなっていきました。今日のタイ農村では、「やくざ者」は単なる「チンピラ」「ヤンキー」の類に成り下がり、単に乱暴な連中というネガティブなイメージになりました。農村の生活は退屈で、若い身体を持て余してしまいますから、ヤンキーの兄ちゃんたちは、スリルと興奮を求めて、隣り村の水牛を盗むなどの悪さをします。なお、タイの近隣諸国でも、同じような「やくざ者」はたくさんいます。

 

読んだ感想…何だか、日本とよく似てますね。タイのやくざ者気質は、日本の「任侠の世界」を彷彿とさせます。「堅気には迷惑かけねえ」、ご近所に優しい「その筋の方々」は、今日でも日本各地にいますよね。

現代だと法律が整備されるので、彼らはどうしても「反社」指定されたりして、居心地が悪くなるものです。タイ版「農村ヤンキー」も、構図的には日本と似てますね。日本の田舎ヤンキー、さすがに水牛は盗まないけど、改造したバイク乗り回したりして、退屈な日々にスリルを求めようとしているわけで…

 

あと、この文章も好きです。

 

タイ人の教育」(การศึกษาของคนไทย)

昔、タイの農村には学校がありませんでした。子供たちは、掃除洗濯、炊事、野菜の育て方、家畜の扱い方など、生きていく上の知恵や技能を、親や年長者から自然と学んだものです。

当時は、「お寺」が教育機関の役割を果たした面もあります。タイは仏教の国ですから、仏教寺院はどの村にもあり、読み書きのできる「僧侶」がいます。男の子はお寺に住み込んで、お寺の仕事を手伝いながら、読み書きや礼儀作法を習うこともありました。なお、これは男の子だけの特権でした。女の子はお寺に住み込むことは許されず、読み書きを習う機会もほぼありませんでした。

ラーマ3世の時代(1850年頃、江戸時代末期)に、タイで初めての学校ができました。これは皇都バンコクの王宮内に設置され、王族の子女しか学ぶことはできませんでした。時代は下り、ラーマ5世の時代(1900年頃、明治後期)になって、王族だけでなく一般人男女にも学校教育の機会が開放されましたが、結局、子供に学校教育を受けさせるのは経済力のある家庭に限られました。

今のような現代的な学校制度が確立したのは、1960年頃です。今日のタイでは男女の区別なく、誰もが学校に通い、読み書きができて当たり前という状況になりました。

 

感想…教育をめぐるタイの話を聞くと、やはり、日本の風景とダブってみえます。学校制度の確立以前、農村のお寺が教育機関の役割を果たしたのも、また、教育機会が男の子に偏重していたのも、日本と似てますし、また、タイで学校制度が確立した時期や、発達の経緯も、日本と大きな差がないですね。

 

あと、「石油の値上がりで生活が苦しくなった時、学校の先生が子供たちと一生懸命エネルギー節約の方法を考える話」とか、「タイ人が憧れる職業の話」とか、「タイ人の敬愛を一身に集める王室の話」とか、「庇(ひさし)を貸して母屋をとられた話」など、UTL教材には他にも良いエッセイがいろいろあります。

これ読めば読むほど、タイの文化や人々が、自分にとって身近な存在になってきますね。西洋の読み物も好きですが、タイの場合、田畑とかお寺とか、お祭りとかがいつも出てきて、日本の風景と似ているからイメージしやすい。王室(天皇)を敬う心とか、農村が都市化されて近代住宅になっていく風景とか、どんどん複雑になっていく今日の社会、現代ならではの人々の悩みとか…いろんな意味で、タイは日本を映す鏡と言っても良い。

 

チャオプラヤー河に、上流から椰子の葉や実が流れ来る、常夏の国タイ。日本から遠く離れて気候風土も違うけど、水田農耕をベースにした、同じアジアの国で、仏教や王室など共通点も多い。タイの言葉を学んでみると、「我々に似ているんだなあ~」と、さらに親近感がわいてきます。これからも学習を続けようと思います。

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金融商品みたいな海外不動産物件が流行る理由

おはようございます、Manachanです。今回も定番の海外不動産ネタで。

 

私、2011年以来、海外不動産セミナーを200回以上開催してきましたが、最近の傾向としては、

・東南アジア等、新興国の物件は、余程の特徴がないと売れにくい。

・先進国物件のセミナーの方が、来場者の真剣度が高い。

・ただ、先進国では住宅物件の価格が高いため、売れるのに時間がかかる。快速償却取れる木造戸建か、少額で投資できる金融商品チックなものがよく売れる。

 

金融商品系プロダクト(?)の場合、最近の売れ筋は、すごくはっきりしています。

・1000万円くらいで区分所有できる、英国学生寮、ケアホーム

・100~500万円くらいで持分所有できる、北米のランドバンキング

 

上記のタイプの物件に、よくある特徴としては、

・最初の〇年間、△%利回り保証

・事業会社による買取保証付き

 

なお、先進国でありませんが、昨年、私が関わったなかで一番売れたものは、「モンゴル、ゲル地区再開発マンション」。こちらも、「米ドルで1年後に十数%増える」という、金融商品チックな話でしたね。

なぜ、海外だとそういうものが売れるのか?について、考察を加えたいと思います。

 

その前に、そもそも「金融商品チックな不動産」って、何なのでしょう?よく考えれば不動産だって、金融商品の一種ではないですか?

確かに、不動産は「投資」や「収益」が成り立つものなので、広い意味で金融商品ですよね。よく聞く話ですが、金融商品カテゴリを横軸に並べて「預貯金=低リスク、低リターン」、「不動産=中リスク、中リターン」、「株式=高リスク、高リターン」だと…見方によっては、そういう整理もアリでしょう。

 

ただ、私のような「なんとかの一つ覚えみたいに不動産ばっかりやってる」者からみると、不動産(特に住居系)は他の金融商品と著しく違う特徴があると思います。特に重要なポイントは、

「保有中の運営」によって、収益が大きく左右される。つまり、どの場所にどんな建物が建つかと同時に、誰がどういう運営するかによって、収益は段違いに変わりうる。

 

たとえばの話、東京23区内の駅近だって、腐った建物たくさんありますよね?オーナーが長年放置プレーして、メンテもろくにせず、誰も住まず、相続税におびえるだけの「負」動産が…でも、それを再生して、エアビーとか使って短期貸しして、利回り20%出してる賢いオーナーだってたくさんいるわけです。つまり、同じ場所・建物でも、誰がオーナーやるか、どんな管理手法をとるかによって、ぶっちゃけ、収益が0~20%の幅で変動する。

…そんな「典型的不動産」の世界で暮らしている、私のような者からみると、「利回り保証、買取保証」つきの不動産投資商品は、たとえ土地建物の権利があっても、不動産らしくみえない。なぜなら、「誰がオーナーになっても、収益は一緒だから…」。

 

いま、ちょうどカレーが食いたいので、カレーでたとえてみますね。

金融商品チックな不動産を選ぶことって、例えば「ココイチ」に行って、メニュー見て、「牛メンチかつカレー」にしようかな~、「鶏つくねと根菜の和風カレー」しようかな~と、思案するようなもの。

「牛メンチかつカレー」を頼めば、愛知でも東京でも、全国どの店舗でも、基本的に同じレシピの食べ物が出てきます。それを美味しいと思うか、いまいちと思うかは各人次第ですが、商品自体は同じです。

 

一方で、通常の住宅不動産を選ぶことは、ジャガイモ、ニンジン、玉ねぎ、豚小間切れ肉、カレールーといった材料を渡されて、自分で調理するようなものだと思います。

カレーの作り方は、大雑把なレベルでは、食材を柔らかく煮てカレールーを混ぜてじっくり煮る…という基本は同じでも、材料の切り方、火加減、調理時間によって、味が全く違ってしまう。つまり、誰が物件選ぶか、誰が保有・運用するかで、全く結果が違ってしまう。

 

どちらが良いかは、個人のセンス・価値観次第です。手間かけずに定額をチャリンチャリンが良いなら、金融商品系プロダクトが良いでしょう。一方で、私みたいな不動産ラバーは、「誰が保有しても同じ収益、みたいな物件は面白くない」と感じます。

あと、不動産ラバーであるほど、「出口の時期を自分で決められないことにストレスを感じるものです。だから我々は通常、買取保証とかよりも、二次マーケット(=いつでも売れる旺盛な売買需要)の分厚さを考えて投資判断をします。

 

そろそろ本題に戻りますが、なぜ、海外不動産は金融商品チックなものが売れるのか?

それは、「海外において、いわゆる不動産運営の敷居が高い」と思っている方が多いからだと思います。海外不動産のオーナーとなるのは(お金があれば)簡単だけど、言葉も違う商習慣も違う、土地勘もない、管理会社だって心もとない…そんな環境下で、どうやって物件を運用して、収益をあげるのか?

海外に物件持ってみたいけど、不安に苛まれたくないし、損もしたくない。であれば金融商品的な方が話が分かりやすいし、大手の実績ある会社が買い取ってくれる方が、自分が運営するより収益も高そうだし安心だ…ということなのでしょう。

 

つまり、情報とスキルの問題なのでしょうね。金融商品チックなものと通常の住居物件、どちらも良し悪しがありますし、どちらを選んでも良いでしょう。ただ、日本で「不動産ラバー」として楽しく収益を上げておられる方は、海外でも「不動産ラバーの遊び心」をガッツリ満足させる、通常の住居物件を選んだ方が、たぶんハッピーになれると思いますが、現時点ではそういう情報が質量ともに足りていないのです。

海の向こうで、本当に物件運用できるのか?できます!私はこれまで11年、世界各国で収益不動産運用をやってきて成果もあげてきました。これからも続けますし、情報もシェアし続けます。不動産ラバー仲間の海外展開のために、道をつくっていきたいですから…

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友人紹介のリスク

こんばんは、Manachanです。今回は、ビジネスマンの誰にも身近な「友人を紹介する」という行為について、思うところを書きますね。

 

仕事柄、私はこんなリクエストを、日々受けています。

 

「私は〇〇国で不動産仲介をしている者です、業容拡大のため、日本の投資家向けの販売を始めました。どなたか紹介していただけますか?」

 

「弊社では日本の投資家向けに△△国の不動産を扱う仕事を始めました。この領域で協業できそうな方、どなたか紹介していただけますか?」

 

私は、上記のような紹介リクエストの多くは快く引き受けています。特に、税理士や弁護士みたいな士業の方を紹介する話ならやりやすいですね。彼らも客を求めていますから・・

 

ですが、私の紹介がもとで、時には困った問題も起こります。

 

・「Aさん」のリクエストを聞いて、私が友人の「Bさん」を紹介して、
・後日、「Aさん」と「Bさん」の間でトラブルになったら…

 

この場合、紹介者である私にも火の粉がかかってくる可能性があります。特に「Bさん」と「私」との関係に影響が出たりします。

 

B:「お前なんで、Aみたいな奴を紹介してくるんだよ!!」

 

あるいは、「Aさん」と「私」との間が気まずくなることも、無きにしもあらず。

 

A:「あなたの紹介したBさんはひどい人ですね!!」

 

こういう場合、私が悪いんでしょうか?責任とらなきゃならないんでしょうか?私の立場から言うと、AさんをBさんに紹介する時点で、こんなトラブルになるとは、予見すらできません(そもそも、トラブル起きそうな予感がしたら、最初から紹介なんてしません)。

 

たいていの場合、AB間のトラブルの原因は、双方の「相性の悪さ」や「価値観の違い」、「ちょっとした行き違い、ミスコミュニケーション」だったりするものです。

 

それに私はいつも、まずAさんの立場やビジネス目的をヒアリングした上で、Bさんに前もって、「Aさんという、〇〇の仕事をしている方が、△△の目的で、Bさんと協業に向けてお話ししたいそうです。よろしければ連絡先を教えていいですか?」と、一言断ってから紹介しています。

 

それやった後は、「お二人の間で上手に処理してくれよ、あんたらの相性が合うか合わないかなんて、俺の知ったことじゃない!」と言いたいのが本音なのです。

 

ただ現実的には、BさんもAさんも、私の大事な友達だったり、顧客・得意先だったりします。人脈を使ってビジネスしている以上、AB間の決裂によって私も影響を受けるのは必至。これが、「紹介するリスク」なのだと思います。

 

投資家的にいえば、これ、おそろしく割にあわないリスクですよ。だって、私は「Aさん」を「Bさん」に紹介する対価を一切いただかないんですから。要はリスクしかない。トラブルが頻発するようなら、紹介自体が「ハイリスク、ゼロリターン」な行為になってしまいます。

 

あと、時には私が「Aさん」(紹介して欲しい人)の立場で、結果的にトラブルになることもあります。

 

以前起こった話ですが、私が「紹介者」の好意で、「Bさん」という方をご紹介いただきました。そのBさんに会いに、遠くの街まで行って、実際良い商談になりつつあったんですが、

 

ちょっとしたコミュニケーションの行き違いで、「紹介者」が「私」に対して激怒!結果、全てがご破談になりました。

 

私に言わせれば、なぜこんなトラブルになったのか、正直分かりません。LINEのやりとりを何度読み返しても、いつ、どのタイミングで、誰とどんな確認・合意をしたのか…その経緯を見直しても、私自身に落ち度らしきものは見当たらないし、常に礼節を持って、紹介者とBさんと接していたはずですし、

 

それでも、めぐり合わせが悪いと、トラブルになるのです。たぶんこれは、「どうしようもない相性の悪さ」のなせる業なんでしょうね。

 

私は人間だから、トラブルになると当然、不快な感情も生まれてきます。私に激怒した紹介者に対して、後から、やり場のない怒りがフツフツと、マグマのようにこみ上げてきます。ま、これは忘れるしかないですけど。

 

結局何が言いたいのか?「紹介」という無償の行為(好意)をきっかけに、人と人とが出会い、お互いに、良かれと思って動いても、それが「決裂」という不幸な結果になることがある

 

人と人との間に「相性」の良し悪しがある限り、決裂・破談のリスクや、それがもとで起こるネガティブな影響は、避けられない…

 

とはいえ、リスクあるからといって、私は紹介することをやめませんめぐり合わせが悪くて不愉快な思いをしても、それは誰にとっても、避けられない人生のひとこま。トータルにみると、人に良かれと思ってしたことは、いつか、プラスのかたちで、自分に返ってくると思います。

 

全ては、因果応報、What you give to the world is what you receive from the world.
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相談してね!新築ワンルーム購入の前に…

おはようございます。Manachanです。

アベノミクス以降、都市部の不動産取引が活発で、融資はそれに輪をかけて活況。「銀行や信用金庫の不動産業向け新規融資額が バブル期も超えて過去最高」という凄いニュースもありましたね。

 

我々不動産投資家は、「安く仕入れて、高く売る」のが基本スタンス。私は、いま日本の都市部での収益物件仕入れは「とりあえず一休み」してます。もっと値段下がれば勝負しますけど、今のタイミングで別に無理して東京買わなくたって、世界中に目を向ければ、不動産仕込みタイミングな都市がたくさんありますし…

そんな東京でも、値付け間違いとかで相場より超割安な物件が偶然出たらパクっと食いつきますけど、マーケット全体をみれば、いまの日本「価格は天井で今が売り時」という判断になりますね。

 

周りの不動産投資仲間をみても、最近は一生懸命、物件売って利益確定している段階。だもんで、いま割高感のある日本の収益物件を一生懸命買ってるボリュームゾーンは、彼らのような洗練された投資家ではなく、不動産リテラシーの低い素人だという類推が成り立ちます。昔から定番なのは、

 

・サラリーマンが融資受けて買う都市部の新築ワンルームや、新築シェアハウス

・地主が融資受けて買う、田んぼのなかの土地活用アパート

 

でも、日本の収益不動産の歴史を見れば、「目利きできないで買った収益不動産で失敗して死屍累々」⇒「投資家が安く買い叩いて高利回りで運用」⇒「時が経ち、皆が忘れた頃に、アベノミクスみたいな融資じゃぶじゃぶの時代が来て、収益不動産を高買いする人続出」…その繰り返しですから、

「情報の非対称性をネタに荒稼ぎする業者に、サラリーマンや地主が食い物にされる」、その構図を理解しないまま、売買契約書にハンコ押すべきじゃないんですよね。

 

新築ワンルームに関して、いくつかエピソードを皆さんと共有します。

 

・私が2008年1月に、福岡市中央区で買った築15年ワンルームの価格は366万円。これは1992年に、2200万円で新築で売り出されたものでした(83.7%値下がり)。

・私が2010年7月に、愛知県一宮市で買った築22年ワンルームの価格は191万円。これは1988年に、1230万円で新築で売り出されたものでした(84.5%値下がり)。

 

新築から、わずか15年とか20年で8割以上も値下がり!それを安く買った私はウハウハですが、新築時点で高く買っちゃったオーナーはたまらないだろうな。融資を受けて買ったらなおさら…

ワンルームマンションって、実需の人は買いませんから、中古で売却する時は投資家に売るしかありません。その投資家は利回りで購入判断をします。築が多少経っても、東京都心近くなら6%でも買おうとか、足立葛飾江戸川だと10%必須、愛知の一宮みたいな地方だと12%ないと買わないとか…

でも、ワンルームが新築で売り出される時は、いま都内だと4%を切るような値段で分譲されたりするでしょ?こないだ、品川区で3000万円前後で20㎡程度の新築ワンルームが、サラリーマンに飛ぶように売れたというニュースを見ましたけど、月額家賃が9万として、グロス利回り9万x12÷3000万=3.6%か…こんなの買っちゃって、10年後とかに売ると半値程度になるの当たり前だと私は思うんですけど…

 

こういうの書くと、我ながら気が滅入るので、少し良い話も、シェアします。

数年前、私がサラリーマンだった頃、仲の良い同僚が職場で、「今度、収益物件買うんだけど、見てくれない?」と相談してきたので、一緒にランチしながら資料を見ました。これが、「いかにも新築ワンルーム」なシロモノで、

 

・都内世田谷区の駅徒歩5分

・20㎡いかない新築ワンルーム

・売価2350万円

・想定家賃は月9万円

・信販系の年利2.9%位、35年のフルローン組んで、「自己資金ゼロ」で購入可能

 

添付の収支シミュレーションをみて、私は噴いてしまった…

 

・購入後35年間、全く空室ゼロ、運営経費ゼロ、家賃下落ゼロの想定で、

・年間キャッシュフローが、3~8万円という計算

 

私は申し上げました。「あのねえ、こんなのは資産形成でもなんでもないんだよ。買っちゃうと、お金が出ていくだけ、売りたくたって良い値段で売れないよ。世の中、サラリーマン食い物にして焼け太る業者いっぱいいるけど、君はそんな奴らの養分になりたいの?

私のその一言を聞いて、同僚は購入をやめました。めでたしめでたし。

 

いま思うに、買う前に、「私に相談」という行動をとった同僚の判断が優れていたのだと思います。私と知り合いだったということも含めて、これはある種の才能ですね。

世の中、そういう才能を持たない方が大部分なのでしょう。業者トークに乗せられて、高買いしてしまう人が多いからこそ、資産性のないワンルームが3000万円みたいな価格で流通してしまう。

 

私は、投資家の正義感に燃えるあまり、業者を名指しで非難する…みたいなことはしません。情報収集や判断を含めて、投資は、あくまで自己責任。相場より高い物件を掴まされるのも、自業自得。

私は割高な新築ワンルームなんて買わないけど、日本のどこかに買う人が相当数いるからこそ、経済が回っている部分もある。誰かが損して、誰かが得するゲームのなかで、自分はリテラシーとスキルを高めて利益取りたいよね、同じ考えの投資家とは一緒にやりたいよね、というスタンス。

 

最後に一言。あなたの大事な人が、とっても高い新築ワンルーム買っちゃいそうになったら、私のブログ記事でも読ませてあげてください。有名な、この歌を贈ります。

 

平松愛理「部屋とYシャツと私」

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♪~ロマンスグレーになって 冒険の人生
突然 選びたくなったら
最初に相談してね

 

不動産投資で、「冒険の人生」は選びたくないよね。

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起業、石の上にも3年

おはようございます、Manachanです。昨日は伊豆半島に物件調査に行ってました。海も山も、景色素晴らしくてワクワクします。平日昼間に、こういう良い場所に来れるのも、自分がサラリーマンやめて起業したおかげですね。

今回は「起業」について、思うところを書いてみます。

 

私は、44歳の時に会社員を辞め(もとい、不本意ながら解雇されて…)、起業しました。奇しくも私の父も、44歳で起業、当時私は18歳で、大学受験して現役合格したところでした。

 

「うちのお父さんはこれから、サラリーマンの給料をもらえなくなる」
「これから、毎月、家にいくらお金を入れられるか分からない」

 

その状況が理解できたので、私は大学時代、家から仕送りをもらわず、基本アルバイトと奨学金だけでやりくりしました。40代になって、収入や生活水準が上がっても、相変わらず安宿泊まったりLCCで移動したり、質素な生活をしているのは、大学時代にお金なくて苦労した原体験があるからだと思います。

私の大学生当時、日本はバブル景気で、周りの友人をみると「家賃のほかに月15万円の仕送り」をもらってる奴とかいました。学生なのに消費生活は派手。若いうちにこんな体験をしていまうと、収入下がってもなかなか生活水準下げられないんだろうなあと思います。

 

ところで、私のきょうだいは、2人います。父の起業当時、妹が15歳、弟が9歳でした。まだ「養ってもらう」段階なので、特に高校生になったばかりの妹は、心境複雑だったろうと思います。「いまの段階でサラリーマン辞めて、うちのお父さんも無責任だよね」という意見も、家族から何度か聞きました。一家の大黒柱に定期収入がないという状態に、家族全員が慣れるのに、結構な時間がかかりました。

歴史は繰り返す…あれから26年後、私が44歳で脱サラ・起業しました。当時、うちは4人家族。妻は専業主婦、子供たちは小さく、娘が8歳、息子が4歳でした。

 

起業してから、周りからみた「私の生活スタイル」が、激変しました。

 

平日の朝、定時に出社せず、家にいたり、真っ昼間に、近所の喫茶店とか行ってる。

 

その姿が、「ママ友」とかに目撃されて、「ソフィアちゃんのお父さん、会社辞めさせられたのかしらねえ…」みたいな噂が立ったりしました。私は世間の目なんて全然気にしないけど、それを妻が気にするなと要求するのも無理な話ですよね。あと、

 

家にいるのに、いつもPC広げて忙しく働いていて、子育てに参画しない

 

…というのも、妻の不満の種で、かつ、夫婦喧嘩のネタでした。妻がそれを指摘すると、私が「定期収入のないなか、一家を養うために頑張って働いてるのに、何で文句言われるんだよ!」と逆ギレして、いつもの喧嘩が始まるわけです。

あの頃は、環境の変化、生活不安、子育ての苦労…いろんな要素が絡まって、夫婦関係は最悪でしたなあ。ただ、これは夫婦どちらが悪いと言い切れる問題ではありません。「私が、自宅以外の場所で仕事する」、「妻が、私の立場を理解・配慮する」みたいな、小さな工夫と努力を重ねて、2~3年かけて夫婦関係を回復しました。

 

また、その2~3年かけて、私も不動産事業の立ち上げになんとか成功、今では売上がサラリーマン時代の年収の3倍程度にはなりました。ただ、経営者の立場になると、「自分の年収って一体何?」みたいな感覚になるので、サラリーマン時代と比べてどちらが経済的に豊かなのかよくわかりません。

間違いなくいえることは、起業して、「精神的には豊か」になったことです。24時間、自分の好きなように使えるのは素晴らしい。その時間の範囲内で、好きな仕事、やるべき仕事だけして、かつ一緒に仕事したい人を選べる、一緒にやりたくない人は容赦なく切れる…そんな自由も手に入れたのですから。

心から、「人間やっててよかった」と思ったのは、起業してからですね。

 

最後に、「石の上に3年」という言葉は、よく言ったもんだと思います。サラリーマンを長年勤めた後、勇気を出して起業した男性のためにあるような言葉だと思います。その心は、

 

1)「定期収入がなくなり、変動する事業収入で生活する」という現実に、周囲の人が慣れるのに、約3年かかる。

2)「定刻に出勤しない代わり、事業チャンスを求めて、土日祝日構わず動き回る」というライフスタイルに、周囲の人が慣れるのに、約3年かかる。

 

先日、ちょっと嬉しいことがありました。私は大阪・名古屋へ泊りがけ出張して、夕方帰ってきましたが、7歳の息子ポニーとお風呂に入っていたとき、

 

「パパは留守が多いけど、家族みんなのためにお金稼いでるんでしょ。ボクはいいことだと思うよ」

 

よく分かってるじゃん!この子も、44歳になったら、脱サラ起業するのかもしれないな。

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名古屋駅西に魅せられて…

おはようございます。Manachanです。

 

右の写真(スマホでみると上かな?)は、名古屋市中村区、黄金(おうごん)通り界隈で撮った写真です。公園越しに名古屋駅前の高層ビル群がすぐ近くに見えます。駅まで歩いても17分程度の距離。自転車なら5分、本当に近い。

 

これ、不動産投資家からみれば実に「しびれる」風景ですね。この付近の宅地、実は安くて坪40~50万円で取引されているんです。より正確にいうと、名古屋人が「宅地、アパート用地」として認識する30~100坪くらいの区画だと、道路付けにもよりますが坪50万円台、それ以下の狭小地や反対に大きな土地になると坪40万円近辺。

 
周囲はこんな感じの下町住宅地です。名古屋人の間で、中村区界隈は住宅地としての評価が高くないので割安なのですが、でも、「利便性やポテンシャル考えると、この価格は安すぎないか!」というのが、私の率直な感想。
 

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名古屋駅の西側、徒歩3~5分位の場所に、やや寂れた商店街「駅西銀座」があります。昭和テイストの店が多い。
 
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この商店街の入り口付近に、「JR東海事業用地」なる、かなり広い空き地があります。ここが、2027年開通予定リニア名古屋駅」の西側出入口となる予定です。
 

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このリニア名古屋駅から、先ほどの「黄金通りの土地」まではさらに近く、徒歩15分前後になります。リニアが開通すると「東京の品川駅まで最短40分」で結ばれます。つまり、ここは「東京都心から40分で到達できるターミナル駅徒歩圏の土地」になるのです。

 

また、すでにある地下鉄桜通線の始発駅「中村区役所前」からだと歩いて9分程度。名古屋の地下鉄は東山線が有名ですが、桜通線も都心部区間は東山線と平行していて「なにげに便利」な路線なので、なおさら、坪40~50万という地価が、土地の実力からみて過小評価に感じます。

 

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こういう土地、いま買っておけば、少なくともリニア開通までは右肩上がりだろうと私は思います。

 

名古屋市中村区内の商業地は、ここ数年、上昇率で全国上位を占め続けています。駅周辺だけですが、年率10~40%、新興国の首都みたいな、すごい上がり方ですね。

 

〇2014年地価公示 愛知県名古屋市中村区椿町15-2(ミタニビル)  1,960,000円  前年比12.0%上昇 (商業地で全国1位)
 
〇2015年地価公示 愛知県名古屋市中村区椿町15-2(ミタニビル)  2,290,000円  前年比16.3%上昇 (商業地で全国2位)
 
〇同 愛知県名古屋市名駅4-6-23(第三堀内ビル)  6,240,000円  前年比12.5%上昇 (商業地で全国10位)
 
〇2016年地価公示 愛知県名古屋市中村区椿町15-2(ミタニビル)  3,170,000円  前年比38.4%上昇 (商業地で全国3位)
 
〇2016年 愛知県名古屋市名駅2-36-10(第三堀内ビル)  1,550,000円  前年比36.0%上昇 (商業地で全国5位)
 

 

2014~15年の上昇率12.56%(全国1886自治体中19位)
http://www.tochidai.info/aichi/nagoya-nakamura/
2015年、中村区の地価推移グラフ。商業地・住宅地含めた区内41地点中、下落地点ゼロ。
http://chika.m47.jp/2015/1/city-23105.html

 

ただ、データをよく見れば、中村区内の地価上昇が著しいのは今のところ商業地だけで、区内の住宅地は、年1~4%といった穏やかな速度で上昇しています。隆盛する商業地価が住宅地に波及するには時間がかかるのですね。

 

それにしても、商業地と住宅地の地価の差が凄いなあ。徒歩10数分しか離れてないのに。

 
名古屋市中村区椿町1-16(商業地) 325万円/平米 前年比35.98%上昇 

名古屋市中村区二ツ橋町4-32(住宅地) 18.2万円/平米 前年比3.41%上昇

名古屋市中村区角割町3-13-6(住宅地) 14.1万円/平米 前年比0.71%上昇

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名古屋駅西エリア、日本に残された数少ない不動産投資フロンティアかもしれません。今のうち、たくさん仕込んでおきたいです。

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海外不動産は現地国の融資を優先すべし

こんにちはManachanです。ここ2日間、「東京→大阪(セミナー講演)→名古屋(宿泊)→東京(セミナー講演)→静岡(商談)→名古屋(セミナー講演)→東京」と、 新幹線で西へ東へ大移動。仕事が一段落して自宅に帰ったら、家族がハムスター2匹買ってきてました♪

今回の日記は、「海外不動産購入と融資づけ」のテーマで書きます。

 

私自身を含め、ブログ読者の多くが「日本国籍の日本在住者」という前提で書きますが、私たちが海外(日本以外)の不動産を購入する際に、果たして銀行融資を使えるでしょうか?不動産の所在国別に考えてみましょう。

 

☆英米圏先進国の場合、

一定水準以上の価格帯(目安は3000~4000万円以上)なら、現地国の金融機関から融資が受けられることが多く、日本人投資家の利用者も多い。現時点では、

・オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、イギリス…物件価格の60~65%程度まで融資が利用可能。金利3~5%。期間20~30年位まで。
・アメリカ…物件価格の50%程度まで融資が利用可能。金利4~5%。期間20~30年位まで。

 

☆東南アジア新興国の場合、

物件によっては、現地国の金融機関から融資受けられることもあるが、日本人投資家で利用者は少ない。主な理由は、融資制度の未発達と、金利水準の高さ(年6~10%以上)。

 

なお、物件所在国が先進国、新興国の如何を問わず、日本国内の金融機関で、海外不動産購入に対して融資を出すところがいくつかあります。なお、日本の銀行は海外不動産の担保評価をしないので、要は借り手の個人属性や資産背景を総合的に評価した上での融資になります。現時点では、次の3つが知られています。

 

☆政策金融公庫…日本国内で不動産賃貸経営の実績ある者に対して融資。物件担保の有無に関わらず金利は1%台と安い、融資期間は通常15年まで。2000万円までなら比較的借りやすい。

☆オリックス銀行…日本国内で十分な空き担保のある物件所有者に対して融資。担保必須。金利は2%台前半。

☆スルガ銀行…日本国内で十分なサラリーマン給与収入がある者に対して融資。金利7%前後だが、フリーローンで手軽に借りられる。融資期間は通常10年。

 

したがって、購入者(日本人投資家)からみると、こうなります。

 

☆英米圏先進国の物件を買う場合

・3000~4000万円以上の価格帯なら、「現地金融機関」と「日本の金融機関」どちらも使える
・それ以下の価格帯だと、「キャッシュ買い」、あるいは「日本の金融機関」を使う。

 

☆東南アジア新興国の物件を買う場合

・価格帯を問わず、「キャッシュ買い」、あるいは「日本の金融機関」を使う。

 

現実的にいえば、「先進国のまともな価格の物件」を買う場合のみ、「現地国の金融機関」か「日本の金融機関」の両方から選べるということになります。

その場合、今後のことを考えると「できるだけ現地国の融資を優先すべきだと私は思います。なぜか?

 

理由はシンプルです。どの国、どの都市の、どの銀行も、「取引実績」を重視します。もし、物件オーナーが遠方に住んでいればなおさら、「地元」(物件所在地)での融資・返済実績や口座の入出金履歴が、銀行にとっては大事な判断基準(稟議書のネタ)になります。

日本国内だって、東京在住の人が、札幌の収益物件を融資受けて増やす場合は、普通、札幌市や道内の金融機関との継続的なお付き合いを大事にしますよね?なかには、札幌に法人立てたり、一時的に住民票移してまで、地元の信金信組から融資ひく「つわもの」もいます。

物件が日本国外にあっても事情は全く同じです。例えば、日本人がオーストラリアの物件を買う場合は、たいてい、同国の4大銀行(NAB、ANZ、Westpac、Commonwealth)のいずれかから融資引くことになると思いますが、たとえ遠い外国在住であっても「オーストラリアの銀行から融資を引いた実績」が、次の物件取得につながるのです。

 

また、「現地国の物件担保ローン」をひくことが、後々、大きな意味を持ってきます。物件の担保価値が上がる場合は、価値上昇分がそのまま「エクイティ」(Equity、自己資金)になりますし、かりに価値上昇しなくても元本を返していけば、残債減少分が「エクイティ」として評価されます。

英米圏先進国では、「エクイティ」ができれば、それを使って次の物件取得もできるし、或いは、より有利な融資条件を求めて、他の銀行に乗り換えることもできます(※私はオーストラリアで、3回もローン借り換えました)。また、「ドローバック」(Drawback)といって、これまで返した残債の一定割合(80%程度)を、銀行から借りることもでき、緊急にお金が必要になった時に便利。

あと、マイナス金利の日本と違い、オーストラリアやニュージーランドでは、預金金利が年1 ~2%とかつきます。物件担保ローンと預金を同じ口座で同時にやれば、「オフセット」(Offset)といって、「預金金利稼いだ分を、そのまま無税で、金利分の支払いに充当する」ことができます。

 

何が言いたいのか?・・・現地国の金融機関から融資を引くと、「実績」になるほか、副産物として「値上がり分の自己資金充当」や「他行への借り換え」、「一時借り入れ」や「預金金利を使った返済金利負担軽減」までできてしまう。一方、日本の金融機関から融資受けた場合、こうしたメリットが一切受けられません。要は、日本で借りても、海外で資産増やす上でのレバレッジにならないのです。

あと、為替リスクもありますね。日本でお金借りると当然、日本円での返済になりますが、海外物件の家賃収入は当然、海外通貨建て。為替が円高に振れれば、それだけで金利負担が重くなります…そうした為替リスクを、借り手が負わなければなりません。

 

こうしたをもろもろを知っていれば…たとえばオーストラリアの不動産購入に際して、下記二つの融資オプションがあったとして、

・現地の金融機関で、豪ドル融資、金利4%台、期間20年

・日本の金融機関で、日本円融資、金利2%台、期間15年

 

これらを比べて、「日本の方が金利安くて有利じゃん!」と飛びつくことは、なくなるはずです。少なくとも私は、上の条件なら100%間違いなく豪ドル融資を選びます。

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俺みたいな不動産投資はするな!

こんにちはManachanです。いまセミナー講演のため、新幹線で大阪へ向けて移動中。

9/2(金)18:30~20:30 大阪セミナー(ハワイ不動産)
9/3(土)10:30~12:30 東京セミナー(カンボジア不動産)
9/3(土)16:30~18:30 名古屋セミナー(ハワイ不動産)

…という動線なので、新幹線大活躍なのですが、こういう時はJapan Rail Pass使って、旅費をものすごく低く抑えています。外国永住者の特権になりますが、7日間で29,100円、新幹線も特急もほぼ乗り放題という破格値。これを使って、アジア太平洋大家の会の地方セミナーを3回位やる。私が新幹線移動しても、会に請求する旅費が非常に安く済む…「究極のローコスト運営」に大いに役立っています。

 

今回も海外不動産投資ネタでいきます。私はこれまで200回以上の不動産セミナーを国内外各地で開催してきましたが、主催者として、結構困惑するのが、

 

「Manachanはこの物件買ってるの?

Manachanが買うなら俺も買う!

 

…みたいな会話。もちろん、初めての海外不動産投資は不安でいっぱい、判断するの難しいから私みたいな経験者の真似したい、という気持ちは痛いほどよく分かるのですが、それでも、

 

私が買ったかどうかという行動を、皆様の購入判断の基準にして欲しくありません!

 

これだけは、はっきりお伝えしたいです。私は不動産において、「俺も買うからみんなで買おう!」みたいなトークが嫌い。突き放したような話で恐縮ですが、これには2つの理由があります。

 

1)一人ひとりの資産背景やリスク選好は違う。私にとって最善だと思って買った物件が、他の方にとっても最善だとは限らない。

そして、

2)私は「良い子のみなさん真似しないでね」と言いたくなるような、ファンキーな物件を買うこともある。

 

1)は当たり前の話ですね。例えば、海外生活の長い私は、「犬肉のスープ」とか「蒸したカイコ」、「羊のペ〇ス」みたいな変な料理を好んで食べますが、日本在住の皆様が、これらを美味しいと感じて食べることは多分ないと思います。つまり、私にとっての最適解が、他人にとっての最適解とは限らないわけだし、

そして、投資で思うような収益が上がらなかった時、「Manachanを信じて買ったのに、こんなことになるなんて…」みたいな文句を言われても困るのです。誰が何と言おうと、投資は自己責任。あの「寅さん」も言ってたでしょう?

 

俺とお前は別の人間なんだぞ!早え話が、俺がイモ食えばテメエの尻からプッと屁が出るか

torasan

 

2)については、もう少し詳しく話しますね。私は投資家のみならず、「海外不動産のプロモーター、マーケッター」という顔を持つがゆえ、「資産形成」目的以外にも、いろんなかたちで不動産に手を出しております。

 

・私は日々、世界中のいろんな投資案件に参画しませんかと、各方面から声をかけられています。それに「ちょっとお付き合い」するかたちで、海外の物件を買うことがあります。

・海外不動産の共同投資も、いろいろやっています。たとえば、「45万ドル集めたけど、5万ドル足りないからManachan一口買って!」とか、「投資グループのまとめ役がいないから、少しお金出して参画して!」とお願いされることがあり、時々、そういう話に「乗る」こともあります。

 

こういう話、私はブログで発表したりはしないんですが、海外不動産売りたい業者さんが、「Manachanも買ってる物件です」と言っちゃうこともあるし、私も懇親会などの場で、話の流れで言っちゃうこともあるし…

でも、そういう類の投資話は、「投資先の国がすごく好きな数名のグループ」だったり、「特殊なリスクを背負えるファンキーな投資家の集まり」だったりするので、一般にはあまりお勧めできないものなんですよね。私が買ってるからといって、良い子の皆さんは、まぢで、こんなの真似しないで欲しいです。

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それを分かった上で、あえて、どうしても私の真似して買いたいというなら、「日本」と「オーストラリア」だけにしてください。

この2か国に関しては、私も10数年不動産投資続けてきました。無事、出口を迎えたものもいくつかあるし、不動産マーケットを読む方法、勝つ方法論も確立しているので、皆様の自己責任ながら、基本的に真似して買ってOK(その他の国に関しては、正直そこまで自信ないので私の真似は勘弁!)。

 

これって、「売却・利益確定を何度もやってる」から言えることなんですよ。日本国内の不動産投資だって、メンターにするなら「何度も利益確定している人」を選ぶべきでしょう?たまたま融資ひけて、1棟か2棟保有しているだけの人に師事すべきじゃないでしょう?それと同じことです。

さらに言えば、いまの海外不動産投資って、往々にして、「売却・利益確定まで経験したことのない」業者のトークを聞いて、投資家が判断するわけでしょう?その話が投資視点でどれだけ妥当性を持つのか、冷静に考えた方が良いと思いますよ。

「プレゼンのうまさ」や「会社の信用」よりも、「その国の不動産投資におけるトータルな経験」が、投資判断の材料としてより大きな価値を持つと思います。

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コミッション一切いただきません

こんばんは、Manachanです。福岡&台湾、1泊2日の弾丸出張から東京に帰ってきました。東京は9月に入っても残暑ですが、それでも蒸し暑さMaxの台北から直接帰ると、少しだけ涼しく感じますね。明日からは大阪と名古屋に出張、移動が続きます。

 

ところで、8月28日に書いた日記「業者主催の新興国数か国同時セミナーに思う」。ついに、当ブログ史上最高のページビュー数になりました。

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これだけたくさんの方が読み、そして、賛否両論が沸き起こっています。「よくぞ言ってくれた」、「揺るがないポリシーが素晴らしい」といった激励のメッセージもいただきましたし、同時に、疑念の声も聞こえてきました。その具体的内容は、次の二つの言葉に集約されます。

・Disる
・ステマ

 

どちらもネットスラングで、書くのもお恥ずかしい限りですが、意味はこうです、

Disる=軽蔑し、罵り・けなすこと。英語のDisrespectが語源

ステマ=ステルスマーケティング(Stealth Marketing)の略。 ステルスマーケティングとは、宣伝であると気づかれないように隠れて宣伝をすること。

 

要は、「Manachanは東南アジア不動産をDisっている」「Manachanは投資家面してブログ記事書くことで、カナダやオーストラリアの不動産が売れるように利益誘導する、ステマではないか?」と、陰で言われてるようです。

ま、何言われたっていいですが、こんなこと言う人って、発想が悲しいよね。「Disる」って「誰かの悪口を言う」ことでしょ?先日の物議を醸した(?)ブログ日記では、「東南アジアなど新興国の不動産は、先進国と比べて、目標利回りが実現しにくい客観的状況があり、それは投資家として知っておくべきだ」と指摘しただけで、特定の国や業者名に言及したわけじゃない。これを「Disってる」と言われたら(呆れて…)二の句がつげません。

「誰かの悪口を言う」のは時間の無駄だと私は思ってます。一投資家としていえば、「ライバルの悪口を言う業者」から物件買いたくありません。誰かの悪口を言うのが天に唾することだと分からない者にサービスしてもらいたくないですから…

あと、「ステマ」って何よ?そもそも私は海外不動産の業者ではないし、特定の国・業者の不動産が売れるように利益誘導したところで、一銭の得にもなりません。そもそも時間かけてステマをやる動機がないよね?

 

今日は2016年9月1日。私が主宰するアジア太平洋大家の会(APHOC)が、「業者からのコミッション(成約報酬)一切いただきません」。その原則が施行された、記念すべき日です。

それに先立ち、6月19日に、弊会がお付き合いしてきた30数社の業者様に宛てたメールを引用します。

 

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↓ 引用ここから

私たちAPHOCは、2011年2月の創立以来、5年半の間、「海外不動産に特化した大家・投資家の会」というユニークな立ち位置で運営を続けてきました。

海の向こうの不動産に投資するには、一にも二にも、「情報」が決め手になります。私たちは創立後ずっと、海外不動産の取扱業者様に、情報を大きく依存してきましたし、もちろん今でもそうです。

弊会が集客するセミナーに、業者様がご登壇いただく、その協業のモデルは、これまで「コミッションシェア」が主流でありました。つまり、弊会がセミナー開催費(会場費等)を負担し、セミナーの結果、成約者が出た場合に、業者様が得るコミッションの一部分を分けていただく、というかたちでやってきました。

 

大家の会の運営者の立場からいうと、このコミッションシェアは有り難い反面、いつかは克服したいと考えていました。というのも、弊会が業者様から報酬をいただくとどうしても、「会員に海外物件を売る」ことに寄った活動になりがちで、会としての中立性に懸念が出てくるからです。

そこで、2014年に私たちは、「コミッションシェアモデル」の他に、「セミナー開催費モデル」を一部導入しました。これは、業者様に定額のセミナー開催費をご負担いただき、私たちがその予算を使って会場確保・集客努力を行う。その代わり、コミッションシェアは一切しないモデル。言い換えれば、業者様は私たちAPHOCを「メディア」として使う方式です。

ですが、多くの業者様がコミッションシェアを希望される状況のなか、私たちのセミナーは現時点でも、「コミッションシェアモデルが約3分の2」、「開催費モデルが約3分の1」になっています。

 

ここから本題になります。

APHOC創立5年を過ぎ、かつ、我々以外にも多数の企業・団体が海外不動産セミナーを開催するようになった現在、私たちは今こそ「中立な大家の会」としての原点に立ち返りたいと考えます。そこで、

☆2016年9月1日以降、海外物件販売を目的とする弊会主催のセミナーは原則全て、「セミナー開催費モデル」に移行いたします。(中略)

☆セミナー開催費以外に、弊会が業者様から費用を取ることはありません。

☆成約しても、コミッションシェアはいたしません(手数料全部取ってください)。

(中略)

上記をご理解いただいたうえ、9月1日以降も、弊会との協業関係を続けていきたい業者様とは、変わらぬ良いお付き合いを続けたいと思っています。よろしくお願いいたします。

2016年6月19日
アジア太平洋大家の会 代表 鈴木学

↑ 引用ここまで
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

私たちは業者からのコミッションをいただかない。つまり、我々のセミナー経由で海外不動産が売れても売れなくても、弊会の収益には何ら影響しません(だから、ステマなんてやる理由ないんです…)。

私たちは、「海外不動産をセールスする業者様」と「海外不動産に興味ある投資家会員」を引き合わせることに専念する、「中立なメディア」として、これからも活動を続けていきます。

 

とはいえ、その活動には、事務所費用、社団法人の税務申告費用や地方税、システムの維持費用、セミナー会場費、名古屋、大阪、福岡への出張旅費など、それなりにお金がかかります。その財源はコミッションではなく、業者様からいただく「セミナー開催費」から捻出します。

我々のセミナー開催費は、業界の基準からすると、たぶん激安だと思いますが…でも固定費が出ていくことで、これまでお付き合いしていた業者が逃げていくことも予想しましたが、蓋を開けてみたら、ほとんどの業者様と、これまでと変わらぬ良いお付き合いを続けていますし、セミナーの頻度も減っていません。有り難いことです。

 

私の願いは、昔も今も変わりません。世界の不動産に目を向け、投資家として成長する力強いコミュニティをつくりたい。皆の情報と知恵と力を合わせて、投資利益を最大化したい…その理念に共感し、我々と共に歩んでくれる業者さんなら大歓迎します。

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