365歩のセルフブランディング

こんばんはManachanです。私は相変わらず出国が多く、明日から海外(タイ・バンコク)に旅立ちます。今回は、先週訪れた土地「熊本」を題材に、セルフ・ブランディング(=世の中に自分を売り込む)について、思うところを書きます。

 

 今年4月の熊本大震災から8か月が経ちました。まだ傷が癒えないなかでも、市内各地で復興の槌音が響いていました。今まさに再建途上にある熊本で、昔の歌がにわかに復活していました。

 

水前寺清子(愛称「チータ」、熊本市出身)『365歩のマーチ』

 

今から30年以上前、私が子供の頃、流行っていた歌です。ご当地歌手の名曲であり、かつ「郷土復興にむけて、一歩一歩進んでいこう」という熊本の気分にぴったり合う歌詞で、いま脚光を浴びています。

 

「365歩のマーチ熊本バージョン」(胸が熱くなりますね…)

 

ロアッソ熊本の試合、関東でも震災復興祈念「365歩のマーチ」が登場

 

「365歩のマーチ」は今も昔も、チータの専売特許。その歌い手として、彼女を超える人間はたぶん地上に存在しません。今の時期、街中でよく聞こえる「クリスマス・イブ」の歌い手は山下達郎じゃなくちゃならないのと同様、「365歩のマーチ」はチータという人格と一体化しています。

 

建築物にたとえると、「ガウディのサグラダファミリア大聖堂」はバルセロナにあってこそ意味がある。「ケルン大聖堂」はケルン中央駅前にあってこそ意味がある…それと同じように、「365歩のマーチ」はチータが歌うからこそ意味があり、他の誰よりも熊本を勇気づけるのです。

 

こう書くと僭越に聞こえるでしょうが、私は「海外不動産投資」の世界で、チータや山下達郎のような人物になりたいと常に思ってきました。「海外不動産といえば、やっぱりManachanだよね」と、皆様が真っ先に思い出す人物になりたい。その一念で、これまで6年間頑張ってきました。

 

言い換えると、「海外不動産投資」というジャンルと「Manachan」という個人名を結び付けるべく、セルフ・ブランディングに努めてきたわけです。たとえば、

 

・個人投資家としては、日本で他の誰よりも(たぶん)、多くの国で幅広く海外不動産を運営し、かつ世界中に人脈を構築している。
 
・個人投資家としては、日本で他の誰よりも(たぶん)、海外不動産に関する幅広い情報を得て、かつ体型的に深く理解している。
 
・個人投資家としては、日本で他の誰よりも(たぶん)、海外のいろんな言葉を習得し、世界各国での情報発信や一次情報取得に活かしている。

 

これらが実現できているかはともかく(というか、まだ道半ばですが…)、努力の方向性としては、常にそれを志向してきましたし、今後も変えずに行きます。良い意味で「変わらない」ことが、セルフブランディングの要諦だと思いますので。

 

そういえば、「365歩のマーチ」の歌詞には、セルフブランディングの大きなヒントが含まれていますね。

 

1番「♪~幸せは、歩いてこない、だから歩いていくんだね~♪」
2番「♪~幸せの、扉はせまい、だからしゃがんで入るのね~♪」
3番「♪~幸せの、となりにいても、分からない日もあるんだね~♪」

 

「幸せ」を「自らを売り込む(セルフブランディング)キーワード」と言いかえれば、筋が見えてきます。

 

1番は、「自分をよく知り、セルフブランディング・キーワードを探しあてよう」
2番は、「セルフブランディングは、ライバルの少ない領域を選ぼう(=狭き門より入れ)」
3番は、「はたからみて、ぴったりなセルフブランディング・キーワードがあっても、自分がそれに気づかないこともある(⇒周囲の意見も参考にしよう)」

 

私は、特に2番が好きですね。もし「日本国内の不動産投資」という領域で勝負してたなら、自分より優れた人がたくさんいて目立てない。だから「海外不動産投資」というマニアックな領域を選び、思い切りマニアックな活動を続けてきました。

 

あと、3番の途中の歌詞も好きです。「♪~千里の道も一歩から、はじまることを信じよう~♪」。すなわち、継続こそ力なり。首尾一貫した活動を愚直に続けていれば、いずれ、皆が分かってくれる。日々歩んでいる「一歩」が、長年積み重なれば「千里の道」になると思うのです。
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起業・副業論

こんにちは、Manachanです。今日は、独立起業の道が何となく気になるサラリーマン諸氏のために、「起業や副業」について、私の思うところを書きます。

私が、東京・五反田の事務所で宅建業者登録したのは、平成26年1月10日ですが、実はそれ以前から、会社の方はつくっていました。私が創立した「合同会社鈴木資産管理」は、平成22年7月26日に法人登記しており、すでに決算を6期やっています。

 

当時、私は外資系企業の勤め人でした。当然、勤め先には黙ってましたが、サラリーマンやりながら、平日夜間や土日は副業に時間を使い、不動産ウェブサイトつくったり、顧客ミーティングで中国へ行ったり、東京で物件案内したり、不動産起業と業務委託契約結んだり、確定申告やったりしていました。

私の「こっそり副業」と「解雇」とは直接の関連ありませんが、平成25年2月14日に、私は勤め先から「ロックアウト解雇」を食らい、19年にわたるサラリーマン人生に劇的な終止符が打たれました。結果からいうと、サラリーマンの身で副業やってた期間は、ちょうど2年半(平成22/7~25/2)になります。

サラリーマンで居られなくなり、生活のために独立起業せざるを得なかった私ですが、今は中小零細企業の社長として、「勤務時間と場所を100%自分で決められる」自由を手にしています。時には売上あがらない月があったり、サラリーマン時代よりも融資引きにくかったりと、いろいろありますけど、一旦この自由な働き方を知ると、もうやめられないですね。今の方が自然体で生きられるし、仕事も好きになったし、もうサラリーマンに戻る気はありません。

 

その楽しそうな姿をみて、昔のサラリーマン仲間が、よく起業相談に来ます。長年会社勤めした男が40歳を過ぎれば、サラリーマンとして先が見えてきます。「俺、このままでいいんだろうか?」、「元気なうちに、本当にやりたいことを始めたい」…そんな問題意識を持つ方々が、私を訪ねてきます。

この種の相談は今後増えると思うので、想定問答集つくっておきますね。

 

Q:起業する時期は、いつが良いですか?

A:私に相談している今こそがベストのタイミングです。「思い立ったら、すぐ起業」。合同会社なんて、登録免許税+登記代行報酬込みで8万円くらいでつくれますし、作業開始から一週間後には、晴れて会社の代表になれます。その会社で事業活動始めれば、勤め人であっても、立派な「起業」。

起業したら名刺つくって、お客様を見つけて、自分が提供したい商品・サービスについて話してみましょう。最初はうまくいかなくてもいい。やってみて売れなければ、都度、軌道修正すればいいんです。

商売の内容なんて、お客様のニーズによって、決まるんです。起業前の目論見と同じかたちになることは、まずない。自分の思い描く、いろいろなモノ・サービスを、世の中にぶつけてみて、そのなかでニーズがあるものが、あなたの商売になっていくのです。

 

その意味では、商売始めるタイミングは、早ければ早いほど良い。「いつになったら、始める」みたいな、条件をつけると、結局いつまでもスタートできません。

相談でよくあるパターンは、「〇〇士の資格をとったら起業する」…社長になればわかりますけど、多くの場合、資格なんて、実務でほぼ役に立ちません。それよりも、売れる能力があるか?売れる商品を見つけてこれるか?…それが社長の必須スキルです。

私に言わせれば、資格の勉強などに使う時間と労力が勿体ない。その時間があったら、さっさと起業して、いろんな商品・サービスを「売ってみる」、その経験の方がずっと大事だと思います。

あと、「会社を辞められる収入の見込みが立ったら起業する」という方もいますが、そういうマインドセットだと厳しいですね。だって、商売なんてやってみないと分からないんですから。とにかく、あれこれ考える前に、早く始めることです。

 

Q:今の勤め先が副業禁止ですが、どうやって始めればいいですか?

私思うに、職場の就業規定なんて、あってもなくても、あまり関係ないんじゃないかな?どんな会社だって、勤務時間以外の、余暇の過ごし方までは介入しないわけだし、プライベートな時間にテニスやってもパソコンゲームやっても構わないじゃないですか?その時間を「副業」に使うかどうかは、あなた次第。

今の世の中、ネットやスマホの力で、大企業じゃなければできない仕事が、どんどん減っています。ウェブサイトは外注、会計・経理もクラウドソーシングで外注、基幹業務や接客でさえ外注可能。私の会社だって、小さいながら外注、業務委託の嵐です。企業からあふれ出た仕事は、中小企業、個人事業主や、その集合体が、どんどん受注していきます。

そういう仕事に、ネットを通じて、自宅や出先などから関与することは十分可能です。自分の好きな時間に、好きな場所・スタイルで働くことが、実現しやすい時代になってきたのです。だから、これから世の中の流れとして、副業OKな会社も増えるでしょうし、一人の人間が、いろんな働き方で複数の仕事をこなす時代になるでしょう。

 

客観的な環境がそこまで整っているのだから、起業を目指すサラリーマンにとって大事なのは、マインドセットの方。特に、「付き合う人たちや、属するコミュニティを変えてみる」のが有効でしょう。

「副業・起業なんて、とんでもない」と思ってる人の多い環境から、「誰もが、いろんな働き方で、一人何役もこなしている」のが当たり前な環境に身を置いてみる。例えば、私が普段付き合っている人たちは、老若男女問わず会社いくつも経営してる人とか、サラリーマンやりつつ仕事いくつも掛け持ちしている人とか、そんなのが当たり前だから、

そういう場所に身を置いていれば、「俺でも、何かやれることがあるかもしれない」と思い、大抵の人が、そのうち何らかの商売はじめるようになるのです。

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家賃の上がる街・熊本

こんにちはManachanです。今回は、九州は熊本の不動産事情をレポートいたします。

熊本といえば、今年4月に震災に見舞われた場所。あれから8か月経った現在も、復興途上。街を歩くと、ご当地キャラ「くまモン」が、商店街や駅、市電など各地で「がんばるばい熊本」と、精一杯応援しています。

(東日本でも、数年前に見た光景ですね。もっとも、方言の関係でこちらは「がんばっぺ東北」でしたけど…)

 

熊本の街を、西区から中央区、東区と歩きましたが、予想したより倒壊家屋はずっと少なく、一見、地震があった事実を忘れてしまう位、普通でした。でもたまに、倒壊してビニールシートのかかった老朽木造家屋が点在していたり、RCマンションの1階に地震の影響で閉店した店舗を見かけました。

 

でも、地震の影響よりもっと印象的だったのは、

 

熊本市って、栄えてるなあ…

中心市街地が、見事に生きてるじゃん!

 

熊本城下の、下通・上通のアーケード街は九州最大規模で常に人通りが多い。市電に乗って、鶴屋デパートのある一角を曲がると、一瞬、「ビルの壁」ができてて大都会チックに見える。

仕事柄、日本全国の地方都市を訪れます。近年は、熊本市と同規模の都市(人口60~80万人)では、たいてい中心市街地が衰退して、ロードサイド店に活力を吸い取られるものですが、熊本の場合は未だ健在に見えます。

九州の首都「福岡市」とは当然比べられないけど、熊本市も中部九州の中核都市として、求心力を持って発展しているようです。事実上「九州の副首都」なのかもしれません。

 

熊本で、収益物件もいくつか見ました。私がぶったまげたのは、レントロールを見た時、

 

何これ!入居が入れ変わる毎に、家賃値上げしてるぞ。

 

日本では、家賃は普通下がるもの…これが大家の常識になって久しい。首都・東京でさえ、家賃を値上げするオーナーは少なくなりました。

でも熊本は、震災復興中、という一過性の事情によるのでしょうが、今は非常に入居希望が多くて、空室にならない。特に、地震に対して堅固なイメージのあるRC(鉄筋コンクリート)造は全然空かないし、家賃値上げしても入居がつく。

 

特にこの画像がすごい…熊本市東区のRC住宅のレントロールから抜粋したものですが。

今年11月19日に入居が入れ替わり、家賃が38,000円から60,000円に改訂!管理費が2,500円から4,000円に改訂!

 

ま、これは極端としても、他の物件のレントロールをいくつか見ても、震災後入居の場合、月額家賃を数千円値上げするのが当たり前で、最悪(?)でも、「同一フロアの最高額家賃」に揃えて設定されていました。

利回り8%の設定で新築されたアパートが、震災後、家賃が月額で最大9000円上がって、利回り9%に迫る、という話も聞きました。

 

東日本大震災の被災地でも、同じ光景をみたことがあります。仙台市、福島市、郡山市、いわき市…大地震に耐えて生き残った賃貸住宅には入居希望者が殺到。月額5万円の家賃が6万、7万円と上がり、AD(広告費)の習慣もなくなりました。だって、AD払わなくても入居決まるんだもんね。

私の見聞した限り、震災3年後(2014年)の福島市では、「JR福島駅から2㎞圏内で、2LDK以上家賃8万円以下の部屋が皆無」で、「震災後、空室になった部屋など聞いたことない」状態でした。隣の郡山市でも住宅不足と家賃高騰が続きましたが、「震災4年後でようやく需給が落ち着き、ADが復活」しました。

熊本でも、震災復興の過程で、あと3年くらいは住宅需給がタイトで、基本は満室、家賃も上がり基調で推移するでしょうね。その後は、状況が落ち着いて、空室やADも復活するでしょう。

参考までに、熊本市近辺のADは震災前でも1ヶ月だったようです。福岡市等と比べて賃貸住宅需給が安定していた印象ありますね。

 

いま熊本市の住宅に投資すべきでしょうか?今はいいけど数年後は普通の地方都市に戻ると思われる熊本市ですが、面白い材料はあると思います。それは、

 

中心市街地とJR熊本駅近辺で、大規模再開発が計画されている!

 

熊本市中心地のど真ん中で行われている再開発事業。規模の大きさに驚かされます。

 

2019年春完成予定、その暁には、今の熊本市からは考えられない、近代的な都市空間が実現するでしょう。

 

あと、現時点ではあまり発展がみられないJR熊本駅周辺でも、新幹線で30分で博多に直通できるようになって、高層タワーマンションなども建って、「ミニ豊洲」みたいになりつつあります。この地で数年後、鹿児島中央駅をしのぐ規模の再開発が計画されています。

 

熊本は、日本の地方都市のなかでは珍しく、伸びしろを残した都市であるといえるでしょう。なかなか面白いですね。

火の国・熊本(なかなか都会♪)からレポートしました。ごきげんよう。

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日本人皆バイリンガル

(冒頭の写真は、スペインのバルセロナ空港で撮ったもの。案内板はカタルーニャ語(バルセロナ方言)、英語、スペイン語の順に書かれています)

こんばんは、Manachanです。1週間近くにわたる、名古屋、大阪、九州出張を終え、東京に戻りました。今日は久々に「語学」ねたで書きます。

3年前に不動産業者として独立して以来、自分でも驚くほど、日本国内のいろんな地域に仕事で行きました。それはすなわち、日本各地のいろんな方言と触れることでもあります。

たとえば、栃木県大田原に競売の仕事で行けば、そこで聞く言葉は「栃木弁(県北)」になるし、福島県郡山で売買契約を決めれば、当地の仲介さんや役場職員の話し言葉は「郡山弁」になります。両者は訛り方が良く似ていますが、よく耳を澄ませば微妙な違いがあります。

これまで仕事で行った国内最南端は、鹿児島県大隅半島てすが、当地のお年寄り同士の会話は、私が聞いても半分くらいしか理解できません。山形県高畠に行った時も、ほぼ同じ状況…このように、日本列島のなかでも実にバラエティ豊かな話し言葉の世界があります。

そのような、訛りのきつい地方に行っても、ちゃんとビジネスはできます。それは、現地の方々の多くが、「方言」と「共通語」のバイリンガルだから…「日本語の共通語」さえ、ある程度できれば、相手が関東出身の私であろうと、或いはバリバリの関西弁話者であろうと、意思疎通は問題なくできるわけです。

共通語の浸透度は、地域や年代によって様々ですが、概して、若い年代ほど共通語を自然に話す、そして同じ県内でも転勤者が多い地域ほど共通語が話される傾向があります。彼らが、地元の仲間と方言バリバリで話し、他地域の人と共通語で話すのなら、言語学的にいえば彼らは立派な「バイリンガル」。

私は先ほどまで福岡市にいましたが、福岡都市圏250万人の老若男女のかなりの割合が、「博多弁」(肥筑方言)と「共通日本語」のバイリンガルだと思われます。広島市周辺では、カープの達川さんみたいな「広島弁」(安芸方言)と他県人と話す際の「共通語」を見事に使いわけるバイリンガルが、何十万人といることでしょう。

そう、英語できなくてもバイリンガルになれるんです。実際、首都圏生まれを除く日本人の大部分が、すでに見事なバイリンガルじゃないですか!

もし、チェコ語とスロバキア語の両方できる人をバイリンガルと呼ぶのなら、或いはクロアチア語とセルビア語、タイ語とラオス語、マレー語とインドネシア語を話せばバイリンガルになるのなら…つまりお互い類縁関係にある2つの言語を話すことをバイリンガルの要件とするならば、

福岡圏や広島圏の大部分の住民、いや日本人の大部分がすでにバイリンガルになってるわけです。

何が言いたいのか…世界中にたくさんいるマルチリンガル(複数言語を操る人たち)を、「すごい、私にはできない」と思う必要は別にないですよ、ということ。

たとえば、ヨーロッパに行って、「私はスペイン語とポルトガル語とフランス語とイタリア語と、英語が少しできる」という人に会っても、過度に尊敬しなくても良い。なぜならそれは、「鹿児島の田舎で育って、博多に出て就職して博多弁覚えて、その後東京に移って東京弁覚えた、英語も少しだけできる」人と、レベル的には大して変わらないかもしれないからです。

先ほどのヨーロッパ人から、”How many languages do you speak?” (あなたは何言語話しますか?)と聞かれたら、

“I speak four languages. Kagoshima-Japanese, Hakata-Japanese, Standard Japanese and a little English” (4言語できます。鹿児島弁と博多弁、共通日本語と、英語が少し)とでも答えておけば良い。そしたら相手が「すげー、語学の天才」と思ってくれるかもしれない。少なくとも、「私、日本語しかできません」と謙遜するよりは、ポジティブに聞こえるよね。

あわよくは相手が、「鹿児島弁と博多弁、共通日本語の違いは何ですか?」と、興味持ってくるかもしれない。そしたら、普段3言語使い分けてる、素晴らしい言語知識を披露すればいいのです。

この私だって海外に出れば、結構ハッタリかましてますよ…もっとも仕事柄ハッタリだけじゃ通用しないから外国語を真面目に勉強してますけど。

最後に…このビデオ好きです。この先生方、見事なジャパニーズバイリンガル。

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グローバル大家、欧米先進国を目指す

おはようございます、Manachanです。今は九州新幹線で移動中。

昨日、オーストラリアより嬉しいニュースが入りました。同国第三の都市ブリスベンで仕込み中の「デュアルキー」(土地1区画に戸建2戸⇒2世帯から家賃とれる収益物件)、願ってもない条件で銀行融資が通りました。同国では海外居住者に対する不動産ローンが非常に厳しくなった現在、永住権を持つ私でさえも、「物件価格の70%まで出れば御の字かな」と思っていたところ、意外にも「80%」の融資承認がおりたのです。

これにより、手元に多少の余裕資金ができそうなので、来年早々に「ドイツの区分マンション」でも買ってみようかと画策中。昨日すでに購入予約をしました。先進国にしては非常に安く(数百万円で)購入でき、値上がり期待は乏しいですが賃貸収入がとにかく堅く、ネット利回り9%とか回るタイプの物件です。

「価格数百万円、ネット9%」の収益物件は、地方都市や首都圏郊外等、日本各地に多数ありますので、「なんでわざわざ、ドイツくんだりまで…」と思われる方もいるでしょうが、ま、単なる趣味です。私はマニアック路線で攻める派、それにユーロでお小遣い欲しいし…

最近海外で仕込んだ物件を振りかえってみると、2015年9月にタイ・バンコクで買って以来、新興国は打ち止め。その後は、ハワイ、オーストラリア、そしてドイツ。先進国ばかり買っています。

アジア太平洋大家の会のセミナーでは、新興国も先進国もバランス良く取り組んでますし、それぞれ良さがあるから紹介してるわけですけども、私の不動産投資家としての行動は、いま、明らかに先進国を志向しています。

なぜそうなるのか?たぶん、私が根っからの大家で、不動産の賃貸経営が大好きだからでしょう。日本でも海外でも、「物件オーナーが居住やビジネスの空間を提供して、対価を得る」という、賃貸経営の基本は変わりません。つまり、物件買った後の「運営」で収益を上げるモデルです。

その視点で考えた場合、私が仕入れ段階で大変重視している要素は、2つ。「賃貸の需給バランス」と「売買の二次マーケット」です。いずれも、ミクロ(物件を中心に半径せいぜい数㎞の範囲内)な指標です。

逆に、国の人口増加率や人口ピラミッド等マクロな指標は重視しません。もちろん参考程度にはしますけど、不動産の賃貸経営には直接関係ないんじゃないかなあと思います。

なぜそう考えるのか?不動産は文字通り「動かせない」土地建物を扱うものだからです。モノが動かない以上、誰かがその場所に来て使ってもらうしかないわけですよね?となると必然的に、その場所にある建物の使用に対しておカネを払う人がどれだけいるのか?近くに似たような建物(ライバル)がどれだけ存在し、何にいくら払われているのか?…といったミクロな賃貸市場の分析・考察が必要になるはず。

売買に対しても、考え方は同じ。不動産はたとえ新築で買っても、経年すれば、必ず中古になります。売って現金化したければ、中古物件としてマーケットに出す以外にありません。となると必然的に、その場所付近にある、どんなスペック・コンディション・築年の物件がいくらで取引されているか?…といったミクロな二次売買マーケットの分析・考察が必要になるはず。

もう少し分かりやすく説明します。いま新興国不動産ではたぶんベトナムが一番アツいし、私も同国の経済成長に関しては大変ポジティブです。人口動態、地の利、産業構造、国民性…どれをとっても、将来の成長に大きな期待が持てる国であることに、異論はほぼありません。

もし不動産が、ホーチミンからハノイ、ダナン、ニャチャン、フーコック島へと、自由に動かせるものであるなら、広い(細長い)ベトナム国土で、一番おカネになるところに建物や設備を移動して、成長の果実を存分に手にすることができるでしょう。

でも不動産は動かせないのがネック。もし自分の物件所在地の近辺に、いきなり何千戸、何万戸という凄い数の物件が供給されたら、逃げられません。余程の特色や優位性がない限り、短期的には空室地獄、損切りしないと貸せない、売れないレッドオーシャン状態になるのは必然。ま、これはたぶん時間が解決してくれるでしょう。10年も経てばベトナムの経済成長が追いついて窮状を救ってくれる可能性はありますが、それまで待てるかどうかは人によるでしょう。

アジア、いや新興国全体にいえることですが、建物の過剰供給が起こりやすいのは、賃貸経営の大きなリスクだと思います。それ以前の根本的な問題として、新興国では地域の賃貸空室率や中古マーケットに関する客観データがまだ整備途上ゆえ、賃貸経営の投資判断自体がやりにくい。

日本も過剰供給の国ですが、それでも賃貸経営関連のデータが豊富に揃っているので、まだ投資判断はできます。でも日本から飛行機で南へ数時間飛ぶと、そのデータがほぼ存在しない世界になります。要は分からないから、必然的に都心部や強力なリゾート地の、競争に負けない物件を選ぶことが「投資で失敗しない秘訣」になる。そういう優良物件は確かに安心だけど、価格も安くありません。

新興国不動産で美味しいのは、まだ注目されてない段階でタイミング良く物件仕込んで、値上がったタイミングで売り逃げるか、或いは我々投資家がデベロッパーとして事業側に回り、先進国では考えられない事業利益を手にすることでしょう。いずれも収益チャンスは大きいですが、賃貸経営モデルとは異なります。

これが欧米先進国に行くと、賃貸経営や二次マーケットに関するデータが日本以上に揃っている上に、多くの国で「社会構造的に建物の過剰供給が起こりにくい⇒まともな物件なら空室になりにくい」ので、賃貸経営やりやすいのが正直な実感。現地で良い管理会社見つけて、自動的に回る仕組みさえ構築してしまえば、たぶん日本以上に賃貸経営やりやすいんじゃないかな。

「空室問題がない⇒賃料上げても入居がつく⇒物件価値も上がる」という、好循環が期待できる物件が欧米には豊富にあるし、投資家としては、そういう物件を安く仕込みたいものです。

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上流情報出したくなるお客様とは?

こんにちは、Manachanです。今週は名古屋、大阪、福岡と出張続き、なかなか家に帰れませんね。今回の日記は、収益不動産における「上流情報」と「お客様」の関係について、業者の視点で書いてみます。

私は、業者成りした不動産投資家です。3年前に宅建業者になり日々ビジネスするなかで、所謂「上流情報」とは何なのかを、身をもって体験することができました。典型的には、
 
1)全国主要都市に収益物件を持つ上場企業の、決算前の「定期的な資産整理」

2)転売業者が、予期した値段で転売できなかったことで発生する「損切り物件放出」

3)不動産業者の廃業に伴い、保有物件を「底値で緊急放出」
 
上記は全て、宅建業者から出てくる案件です。それ以外に、金融機関や弁護士経由で任意売却物件が出てくることがありますが、弊社で現時点で取り扱うのは、主に上記3パターンがほとんど。

1)だと利回りもそれなりですが、2)や3)に関しては、現在の市況では考えられないような安値で買えたりします。

その代わり、客を選びます。「二週間後に決済、融資特約不可」みたいな条件で出てくるので、お金があってリスクが負えて、短期間で決断できる人にしか買えません。つまりプロかセミプロ級の投資家にしか買えないシロモノです。

 

私は、セミプロな買い顧客を多数持っていることで業者様から信頼を得ており、それゆえ緊急放出物件の情報が入ってきます。

こういう情報は、「すぐ買ってくれそうな」お客様にしか流しません。「あーでもない、こーでもない」と逡巡したり、一旦買付出した後でビビッて撤退するようなお客様に紹介すると面倒だし、話がまとまらないと結局、私の信頼も傷ついてしまうからです。たぶん、どの不動産業者も、緊急放出物件をお客様に紹介する段になれば、私と同じ判断をすると思います。

以上まとめると、上流情報をGETできるお客様とは、下記の3条件を兼ね備えた方々、ということになります。
 
・投資物件の収益性を見極めるスキルが高い

・決断のスピードが早い

・物件買うための「軍資金」を常に用意している

 

私が接するお客様は、投資家としてのスキルが比較的高く、よく勉強している人が多いですが、それでも「上流物件買える」人の割合は感覚的に5%以下ですね。県大会を勝ち抜き国体に出るアスリートの如く、少数の方だけが参入できる美味しいマーケットだと思います。

今は、不動産投資の書籍やネット情報が普及しているのか、スキルの低い初心者でも、上流情報を欲しがる現象がみられます。たとえば、
 
「鈴木さん。物件買いたいので、とっておきの上流情報流してください~」
 
みたいなことを言ってくる方がいます。でもそんな人に限って、
 
「手元資金がないので、フルローンで買いたい」

「都内の駅近で高利回りじゃないとパス!」
 
みたいなことを言ってくるので、彼らに上流情報出す価値はないと私は判断します。というより、上流情報の意味を誤解してるんでしょうね。そういう人ほど、どこぞの業者が「上流情報」と称して持ってくる、収益性の低いカス物件を掴まされてしまうリスクが高いと思います。

 

あと、最近ではスキル云々以前に投資のマインドセットを持っていない方々でさえも、私から上流情報を欲しがったりします。

彼らに物件を紹介した後、二言目に出てくる言葉は「不安」とか「安心」、「保証」等々。定量化しにくい言葉ばかり…

成功している(しつつある)投資家なら、不安要素があれば質問・確認して、リスクとして認識し、その発生確率や金銭面でのインパクトを評価して、自身のリスク許容度と照らし合わせて判断するものですが、私が「安心さん」と呼んでるタイプの方々は、そういう思考回路では判断しないんです。
 
「東証一部上場してる会社だから安心!」

「東大教授が言ってるから安心!」

 

そうした「箔がついているかどうか?」で判断することが多く、かつ、「少しでも損することを極度に恐れる」傾向があるので、上流物件はもちろん、弊社で扱う収益物件の多くは馴染みません。

不動産に限らず、投資とは、「誰も見たことのない将来に向けて、不確実性=リスクを自己の責任で負いつつ、収益を目指すゲーム」です。万人に向くものではありません。不動産投資はじめたことで不安で夜も眠れなくなる位なら、最初からやらない方が良い。自分がハッピーになれないことを、わざわざやる意味はないでしょう?

 

でも、私の知らないところで、「買っても業者の養分にしかならない低収益物件」を「きれいな箔に包んで」、巧みなトークで「安心さん」に売りつける業者がいるんだろうな。

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不動産高騰時の攻め方

こんばんはManachanです。

アベノミクス登場以降の数年間、日本の都市部では勢いよく上がってきた不動産価格ですが、最近では足踏みか、ピークを打った感がありますね。

 

私の住む東陽町では、財閥系デベのブランド付き新築マンションが、駅近好立地にも関わらずいつまでも完売できません。寒空のなか、毎日セールスマンがビラ配りしている姿が痛々しくもあります。都内各地で、新築マンションの売れ残りや値引きの話が絶えない今日この頃です。

実需系だけでなく、投資系物件も価格の一段落感がありますね。先日のブログ(2016/11/22 収益物件の値崩れがはじまる!)でも書きましたが、首都圏郊外で条件の厳しい物件ほど、露骨に値下がりしているようです。

都心部では、さすがに値下がり感はありませんが、価格が高止まって取引量が減ってるようで、これ以上、勢いよく上がる感じはありません。

 

不動産の価格が伸びないのは、いまの値段が「高い」と思ってる人が多いからです。買う意欲があっても今の値段では買わずに様子見とか、或いは融資額が伸びずに買えない人が多い。つまり需要が弱含み。そこで、売り側の行動で相場が決まります。

 

・都心好立地の物件は、高く売りたい。でも買う人少ないから、保有に走る。値段高止まりのまま、売買自体が成立しない。

・郊外の物件は、早く始末したいから、値下げしても売る。多くはピーク時の1~2割引きで売買が成立するが、これ以上下がる気配もある。

 

全体的に、収益物件買い進むのは難しい時期になりましたね。数年前に安く仕入れた物件を売るには最高のタイミングですけど、今から新たに買うのは、難易度が高くなったと思います。そんななかでも、物件数を増やしたい人、或いは融資が出るうちに大家デビューを果たしたい人はたくさんいらっしゃいます。

 

賢くてセンスある人は、今の時代を、次のようなアプローチで攻めてる印象があります。

1)実績や信用力を使って、銀行・業者ルートで相場より優良な物件をGET。

2)再建不、既存不適格、郊外戸建など、世人が狙わないニッチな市場を攻める。

3)民泊・簡易宿所、学生寮・シェアハウス等、従来型とは違う運営方法で利回りを高める。

 

あるいは、「守りこそ最大の防御」という言葉の通り、今買いたい気持ちを抑えて「仕入れを戦略的に一休み」する方もいらっしゃいます。

4)新規の仕入れはせず、既存物件の収益アップ、条件良いローンへの借り換え、あるいは現金を貯めておく。

 

いま頑張って仕入れるべきか、じっくり待つべきか…最適な答えは、各人の資産状況や投資スタンス次第だと思います。関連して、私も愛読している「レッド吉田氏の健美家コラム」が示唆に富む内容だったので、引用します(1棟も買えなかった今年の反省)。

 

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今年はもう一棟、もしくはもう一部屋、必ず購入しようと思っていたので残念です。購買意欲はあるんですが。。。なぜ買えなかったのか? 原因はいくつも思い浮かびます。

ひとつ、自分がいいなと思う物件が高くて手が出なかった。
ひとつ、銀行の融資が通らなかった。
ひとつ、都心以外の物件の目利きが出来ない。
ひとつ、一棟目の反省が逆に消極的にさせてしまった。

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これ読んで、身につまされた方も多いのではないでしょうか?私がピンと来たのはこの一言、

ひとつ、都心以外の物件の目利きが出来ない。

 

これがポイントだと思います。私も最近書きましたが(2016/11/13 いま東京を買える人、買えない人)、仕入れを東京都心部に限定してしまうと、今は本当に利回りが出ないし、いま買えないと今後いつ買えるのかも分からない。

こんな時は、思い切って仕入れ場所を変えてみる発想も必要だと思います。例えば、新築・築浅アパートをフルローン近くで買う場合、東京23区内では利回り6%以下が多くてキャッシュフロー出ないけど、近県郊外で7.5%とか回る物件を買えば余裕でキャッシュフローが出る。

その代わり、郊外では「立地の見極め」が、都内よりは難しくなります。アパート過剰供給の問題とも正面から向き合わなければなりません。リスクが高そうに見える分、この選択肢を選ばない人が多いです。

(私は首都圏郊外育ちなので、千葉、埼玉の場所選びは、大得意ですけどね。同じ市内でもどこまでが都会でOK、どこからが田舎でアウトか、知識と勘ですぐ分かる…埼玉なら例えば、「大宮の匂い」と「岩槻の匂い」を嗅ぎ分ける特殊スキルを持っていますので、アパート建てる際は是非ご相談ください。)

 

今の時代、物件高くて買いにくいと思ったら、場所を変えてみる。そしたら、「今が買い時」な場所が見つかるかもしれない。それを世界規模でやっているのが、今の私であり、我々アジア太平洋大家の会の目指すところでもあります。

例えば、日本でも今から3~6年前は物件価格安くて利回りが高く、その時期に都市部で仕込んでおけば、今ではらくらく、20~50%の値上がり益を手にできる可能性が高いわけですが、

世界を広く見渡せば、当時の日本のような市場状態にある国・地域が見つかります。例えば南欧諸国は、リーマン後の大不況からようやく立ち直るタイミングで、不動産価格もこれから上昇する都市が多いですし、

或いは、いろんな要因で、為替がたまたま安くなってる国に注目する方法もあります。例えばEU離脱後、ポンドが下落した英国とか、資源価格安のおかげでカナダドルや豪ドルが安いタイミングに仕込んでおくとか…

 

もちろん、海外になると、見極めや目利きは、首都圏郊外よりもずっと難しくなります。でも、どの国でも不動産の収益構造の基本は変わらないので、不可能ではありません。そのスキルをつけるために、私は毎月(もとい毎月2回)、海外に出て不動産を見まくって、その経験を皆様にお伝えしているわけです。

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EU漫遊記〜不動産マニアの視点

こんにちはManachanです。約1週間にわたる欧州出張を終え、無事帰国しました。
欧州での不動産ビジネスは、今後長い取り組みになりそうです。

2016年7月…イギリス出張
2016年10月…ドイツ、トルコ出張 (済)
2016年11月…ドイツ、スペイン出張 (済)
2017年1月…ドイツ、ポルトガル、スペイン出張 (予定)

最近はドイツを起点に、ほぼ毎月、出張に行く生活が続いています。日本からの飛行機移動がつらいけど、それだけ、欧州不動産ビジネスに可能性と手応え、社会的意義を感じているわけです。

欧州といえば、英国のEU離脱、移民やテロの問題等、ニュースを賑わす頻度が高まっていますが、欧州各国を実際に歩いた私の体感値は、ニュース報道とは大きな隔たりがあります。

報道が「例外事象」をセンセーショナルに伝える傾向があるのに対し、私たち不動産投資家は「普段着の姿」に着目するので、認識のギャップが大きいのも無理からぬことです。

また、巷の経済評論家が「Brexit(英国EU離脱)の影響」等を論じる内容にも違和感を感じます。彼らが往々にして、グローバルなカネの流れや為替等「マクロ」を論じるのに対し、我々不動産愛好家は「ミクロ」な地域経済や賃貸市場に目が行く生き物なので、違和感もそこから来るのだと思います。

今回のブログは、不動産マニアな私が欧州各国を歩いて感じたことを独自の視点で書いてみます。分かりやすく、話をBrexitに絡めてみましょう。

 
1. いま英国で起こっていること

大陸欧州の人々と話すと、「Brexitは英国にとって失敗だった。ほら見ろ、英ポンドはあれだけ下がってしまったじゃないか。将来を不安視する英国人が、大陸(EU)側にどんどん資産を移しているぞ」みたいな声をよく聞きます。

首都ロンドンだけみれば、確かに彼らの言う通りかもしれません。今年7月に出張した時も、ロンドンに関してはどんよりした不安感を感じました。

不動産の世界でいえば、これまでロンドンを買ってた外国人は中近東、ロシア、中国の富裕層が多く、動機はもちろんキャピタルゲインでした。彼らはBrexit後に「値下がり」「英ポンド下落」のダブルパンチで大損した人も多い。それと、ロンドン(シティ)の金融センター機能がBrexitをきっかけに大陸欧州側(フランクフルト等)に移るのではないかという憶測もありました。

つまり、英国=ロンドンという枠組かつ、短期的視野で考える人たちが、Brexit後の英国の先行きについて悲観説を助長させていた気がします。

でも、不動産投資家のセンスでいえば、ロンドンの不動産市場は、Brexitがあってもなくても、いずれ調整局面を迎えていたと思います。要は英国のなかで、ロンドンだけ突出して高騰しすぎていた…

同じ英国の他都市と比べて、ロンドンの不動産価格は5倍以上、国際的にみても、ニューヨーク、東京はじめ、どの大都市よりも高い状況だったのです。

視点を英国第二、第三の都市に移せば、全く違った世界が見えてきます。

それらの都市、特にマンチェスターやバーミンガムは、Brexitのおかげで成長が期待できるでしょう。不動産価格はロンドンの5分の1、国際ビジネスが展開できる都市機能と人材が揃い、英ポンド下落のおかげでオフィス賃料や生活コストは大陸欧州のたいていの大都市より安い。言葉も英語、高速鉄道ができればロンドンと一時間以内で結ばれる…

Brexit後のマンチェスターを歩くと、ロンドンと違って雰囲気明るいですよ。同市を含むイングランド北部の多くの人が、離脱に賛成票を投じたのは、確かに理屈が通っています。

EUとの関係は今後どうなるか分かりませんが、英国はEUとだけ商売してるわけじゃありません。英語というインフラで旧英連邦諸国とビジネスできるのが彼らの強み。本命は、大陸欧州より成長余力が高い「米国」と、間もなく世界最大の人口を持つ国となる「インド」でしょう。

2016年のBrexitは、英国人が大陸欧州よりも米国インドと共に歩むことを選択したと、後世の歴史家は評価するかもしれません。

 
2. いま大陸欧州で起こっていること

いま大陸欧州の経済は、明らかにドイツが引っ張っています。

EUやシェンゲン協定の枠組で、大陸欧州の多くの国が共通通貨ユーロを採用し、人々の行き来を自由にしました。すると、どうなるか?

日本の国内で、人々が就業機会を求めて、首都圏や愛知、関西、福岡といった都市部に移動するのと同じように、大陸欧州(特に東欧、南欧)の人たちは、仕事のあるドイツに移動します。

ドイツはEUのおかげで、「大陸欧州の首都圏」となり、失業率も他国より低く、物価も安定、繁栄を手にしています。

ドイツにはロンドンのような巨大都市がないので単純比較が難しいですが、同じ位のサイズの都市(例.独デュッセルドルフと英マンチェスター)を比べると、街の発展度、先進性はドイツの方が若干勝る印象です。

ドイツの繁栄を、同じEU圏内の国々に還元できれば良いのですが、これはなかなかうまくいかない。もともと言葉や文化の違う国々の集合体なので難しいのでしょう。

大陸欧州が共に発展できるかの試金石が、南欧諸国にあると思います。ギリシャはじめ、スペイン、ポルトガル、イタリアといった国々は、リーマンショック後の6〜7年間、酷い不況に苦しめられました。どの国もドイツやフランスに比べると産業基盤が弱い上に、不動産バブルが派手に弾けて信用収縮が起こった、ユーロを採用したせいで通貨の切り下げも不可能…夥しい失業者が出て、それがいつまでも解決できませんでした。

ただスペインに関しては、ようやく経済復興の道を歩み始めたようです。2015年、16年の経済成長率が3%前後でEU圏内でトップ。失業率も徐々に改善してきました。 スペインは観光が強いだけでなく製造業の基盤もそれなりにあり、EU内では比較的安い労働コスト(月給約1000ユーロ)を活かして工場誘致が進んだようです。

イタリア、ポルトガル、ギリシャがスペインの後に続いて発展軌道に乗れるなら、ドイツ主導のEU経済圏もなんとかワークしそうだという判断になるでしょうが、

その辺は、これから南欧諸国を歩くなかで、じっくり見てきたいと思います。お楽しみに。

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バルセロナ不動産に注目する理由

こんにちは、Manachanです。欧州出張最終日、あと数時間後に長~い帰国の途に着きます。

今はスペイン・バルセロナにいます。2日前に、ドイツのデュッセルドルフから2時間のフライトで当地にやってきました。つくづく思うのは…

 

温暖な地中海性気候の地域って、むちゃくちゃ得してるよなあ。

 

11月末にして、この「陽光」と「海」

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温暖な気候が育む、豊穣な「食」と「彩り」

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先月行ったトルコ・アランヤもそうでしたが(ブログ:奇跡の地中海性気候)。ここ地中海沿岸地方は、

 

・一年のうち晴天日数300日。

・湿気が少ないため、体感的に夏は涼しく、冬は暖かい。

・とはいえ砂漠ではなく、適度な雨量があるため緑も多い。

 

という、他地域からすると垂涎ものの「快適さ」に包まれています。冬が長い英国やドイツ、ロシア、北欧諸国の人が、太陽を求めてやって来るのは、もちろん地中海ですし、また、日本(関東)で育った私からみても、ここは湿気が少ない分、身体がラクですね。

昨日の早朝、バルセロナは気温5℃まで下がり、寒さに慣れない地元っ子は震えあがってましたが、でも東京の5℃と当地の5℃は体感的に全然違う。前者は湿気が身体にまとわりついて骨に響く寒さになりますが、後者はそれがないので、私は全然寒く感じませんでした。

 

バルセロナ地元の友人が言ってました。「北欧、中欧の人が、どんなに一生懸命働いても、どんなにお金を積んでも、この気候は手に入らない」。

だから彼らは毎夏バカンスの時期、2時間くらい飛行機乗ってやって来るし、お金が溜まったら老後の住まいとして、地中海のそばで家を買うのですね。

 

スペイン、ポルトガル、イタリア、ギリシャ、トルコなど地中海地方の国々は、いずれも年間数千万人が訪れる観光大国。「すぐ北方に経済の豊かな、何億人が住む地域があり」、「彼らの求める温暖な気候風土に恵まれている」という点で、大きな優位性を持っています。

特にバルセロナは、気候温暖な地中海地方に属するのに加え、類まれな文化芸術遺産を持つ、極めて競争力の強い国際観光地です。

 

・ガウディの建築作品群(サクラダファミリア、グエル公園、カサミラ等)

・ガウディのライバル達の手による建築作品群(サンパウ病院、カタルーニャ音楽堂)

・21世紀の現代建築(トーレ・アグバル等、新宿モード学園ビルに似てる…)

・パブロ・ピカソ、サルバドール・ダリなど世界的画家の美術館群

 

ここまで凄いネタが揃った街はそうそうありません。街を歩いて楽しいし、いつまでも滞在したくなります。特に、

 

サグラダファミリアは圧巻!現代における、世界一の建築作品ではないでしょうか

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あと、バルサもあるし…

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もう少し、マクロな話をしましょう。不動産投資でキャピタルゲインを狙う上で、私はヨーロッパのなかで、スペインやポルトガルに注目しています。

 

一つは、EU主要国より賃貸利回りが高い(4~5%台)。つまり割安に買える

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また、スペイン、ポルトガルとも、リーマン後の不況を克服し、経済が回復軌道にある。

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特にスペインは、ここ2年間、経済成長率が実質3%と、EU圏のトップレベルにあります。今バルセロナの街を歩いても不況の暗い感じはありません。

但し、数年前は酷い状態でした。リーマンショック後、ドイツやフランスに比べ経済基盤の弱い南欧諸国はPIIGSと呼ばれ(Portugal, Italy, Ireland, Greece, Spain)、財政がやばい国と言われていました。毎年マイナス成長が続く絶不況期は5~6年続き、2012年頃の最悪期は、スペインの失業率25%、若年層に至っては失業率50%超えという状況でした。

当時、スペインの若者は大学出ても数年間仕事が見つからないからドイツ等に出稼ぎに行く、スペインにいた移民は仕事が見つからずに南米や東欧に帰る…という状況で、国の総人口さえ減っていました。ポルトガルも同様。

 

それが、ようやく持ち直してきたのがここ2年ほどの現象です。特にスペインの経済回復は著しく、「もはやPIIGSではない」宣言も出てきています。

そういう時期こそ、往々にして、不動産仕込みのチャンスなんですね。バルセロナ市の平均の数字は、

 

2007年まで、不動産価格の上昇が続き、ピーク時には5200ユーロ/平米に 

2007~13年まで、不動産価格の下落が続き、ボトム時には3100ユーロ/平米に

2014年から、不動産価格が再び上昇し、今は4200ユーロ/平米まで回復

 

不況期の6年間で、価格が40%下落したのを、直近の二年間で半分(20%)だけ回復したのが今の状況。まだ回復途上で不動産価格は上がり続けています。逆に月額賃料の推移をみると、

 

2007年まで、不動産価格の上昇が続き、ピーク時には12ユーロ/平米に 

2007~13年まで、不動産価格の下落が続き、ボトム時には9ユーロ/平米に

2014年から、不動産価格が再び上昇し、今は12.5ユーロ/平米まで回復、史上最高値に

市内の賃貸物件は不足気味で、空室率は1.6%

 

不動産価格がまだ上がりきっていないのに、賃料水準は過去最高を更新(つまり利回りも高い)…だから、今後も価格面で伸びる可能性が大きいと考えます。

バルセロナ市内で、いま普通に賃貸に出せば、利回りが約5%出ます。世界の大都市のなかでは、まあまあ高い水準。ちゃんとした物件をいま5%で仕込んで、貸して家賃とりつつ値上がり益を享受して、5~7年後に4%あたりで売り抜けるというシナリオでいけるのでないかと。空室リスクも今のところほぼないし…

 

もっとも不動産投資は「ミクロ8割、マクロ2割」なので、地元のパートナーと協力して、できるだけ好立地で良い物件を仕入れたいと思います。できれば、サグラダファミリアから歩ける素敵な場所で…

バルセロナでとても良いビジネスパートナーが見つかりました。これから楽しみです。

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正直な不動産、誠実なドイツ

こんにちはManachanです。3日間にわたるドイツ出張を終え、今は次の視察地・スペインのバルセロナにいます。

ドイツ(デュッセルドルフ近郊都市)では、まる2日間、日本人投資家数名の不動産視察・買付ツアーのアテンドをしてました。アテンドの仕事は、数年前から相当数こなしてますが、今回のドイツほど楽しいツアーは他にないですね。

何より心洗われる(?)のが、ドイツのパートナー企業BMG Invesetment社の仕事ぶり。社長以下全員、真面目で一生懸命。常に手を抜かず、細部まできっちり配慮してくれるのです。あの真面目さと実直さ、(良い意味で)日本人の働きぶりにそっくり。そして、不動産や投資に対する知識も相当なものでした。ツアー参加者も、異口同音にこう言ってましたね。

 

・あの人たちは、信頼できる。

・あの会社からなら、何戸でも買い増したい。

 

あの生真面目さは、ドイツ人の特性なのか、それともBMG社の社風なのかは、よく分かりません。同社は、相当な多国籍集団。社長はベラルーシ出身、社員はロシア、ウクライナ、東欧諸国の出身者が多く、我々のツアーをお世話してくれたのは、中国上海出身のY嬢(彼女も相当真面目で勉強家。私とは堅い信頼で結ばれています)。それぞれの社員が数か国語話すなかで、社内共通語はもちろんドイツ語。

たぶん社長の人柄が大きいんでしょうね。何度も商談しましたが、世の中、こんなに生真面目な人がいたのかと思うくらい。大きなビジネスを展開しているとはいえ本体は社員数15名くらいの小さな会社ですから、社長のキャラクターと仕事ぶりが全社に浸透するんでしょうね。

 

社長Michal氏と記念撮影

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今回、ツアー参加者が購入した物件。どれも収益不動産として「至極真っ当」で「真面目」な貌をしていました。

 

メンヒェングラートバッハ、3部屋88㎡、44700ユーロ、NET8.5%

駅徒歩6分、賑やかな商店街に接した、暮らし向きのファミリー居住地域。その土地柄に合った使いやすい間取りです。築40年超えてますが、都心の外国人仕様マンションみたいな「センターイン」かつ「ワイドスパン」。廊下に面積とられないので広く感じます。気候の寒い地域ということもありますが、壁厚や断熱、二重ドアなど、日本の団地よりつくりがずっと堅牢ですね。

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エッセン、1部屋21㎡、25300ユーロ、NET9.0%

この団地は、立地が素晴らしい。人口58万人、ドイツでも十指にはいる都市エッセン、その中央駅(特急電車ICE停車駅)から徒歩10分。歩きやすい道で駅と商店街まですぐ出られる上に、駅近エリアは新築が全く建たないので、部屋が空くのを待ってる人多数。

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デュイスブルク、3部屋+1部屋、117㎡、56000€、NET9.5%

珍しい「2戸一括販売」の物件。2家族から家賃とれるため利回りが高い。アパート最上階で眺望良し。目の前の道路は市電が通る、賑やかな商店街。明るい印象で、内見した全員が「ピンときた」お値打ち物件。

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また、不動産という面で、「ドイツという国の生真面目さ優秀さ」も、十分感じることができました。

デュッセルドルフを州都とする、ノルトライン・ヴェストファーレン州は、人口1800万人でドイツ最大。ヨーロッパ屈指の人口集中地域で、強い産業基盤を持つ大小の都市がたくさんあります。

デュイスブルク、エッセンのような大きな都市、ヴッパ―タール、ノイス、メンヒェングラートバッハなど中規模の都市、メットマン等小規模な街、いろいろ行きましたが、どの街をみても、空室の住宅と、空き店舗がほとんどないつまりシャッター街とは無縁な状態

ドイツが人口増えてるかといえばそうでもありません。一方、人口増加基調にある米国では、巨大ショッピングセンターに空き店舗が結構目立ちます…つまり、ドイツでは住宅や店舗の供給数がうまくコントロールされているようです。

 

空室がほぼない物件。どこ見ても、たいていこんなもん。

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ノイス(Neuss)の市電通り。500mにわたり、空き店舗ゼロ。どの街みても、こんなもん。

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また、交通インフラや運用をみても、ドイツは間違いなく欧州No.1ですね。電車は便利で近代的、時間通りに来る。ドイツ国鉄(DB)や市電(UB)との連携もばっちり・・まるで日本の都市部のような利便性と信頼性。タクシーやレンタカーに頼らず公共交通機関で移動できることは、我々海外の視察者にとっても、移動コストが安く済むのでありがたい。

 

国鉄も市電も、ドイツの電車は信頼性が高く、日本の感覚で利用できる。

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ドイツが、ここまで上手にガバナンスされた、豊かな先進国であることは、資産を置くことに関して安心感が高いですね。しかもデュッセルドルフという場所はヨーロッパの中心にあり、オランダ、ベルギーまで車で1~2時間、パリまで5時間…ヨーロッパの拠点として十分使えます。国際空港も便利だし。

そして彼らが日本人に似た真面目な国民性を持っていることは、日本人投資家とドイツ業者をつなぐ立場としても大変ありがたいです。日本人投資家の細かい要求に、きっちり応えてくれる国が非常に少ないなか、ドイツはその能力とマインドセットを備えた世界でも稀有な国。長期的視野で良いお付き合いができそうです。

 

読者の皆様も、ドイツで収益物件を持って、ユーロのお小遣いを稼いでみませんか?数百万円で買えますし…

年明け1月8~10日に、また視察ツアーやります。ちょっと寒い季節ですが、真面目なドイツと、しっかり家賃稼いでくれる正直な不動産に会いにいきましょう。

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