建物と不動産オーナーを大事にする日本にしたい〜一事業家の孤軍奮闘記

「第1章、首都圏発展都市の不動産価値が下がる!不思議の国ニッポン」

私は千葉県柏市に生まれ育ちました。ここは典型的な東京郊外ベッドタウン。地方の県庁所在地並みの42万人が暮らす街、住宅開発が盛んで今なお人口が増え続けていますが、ここはある意味、現代日本を象徴する「建物の墓場」です。

柏市住民の典型的な住まいといえば「土地つき戸建」。平均45坪くらいの敷地に、カーポートのついた建売の新築木造住宅を30年ローン組んで買って家族で住まう、所有者が年老いたら取り壊され、更地を建売業者が買って似たような木造住宅かアパートを建てて新たな所有者に売る…その繰り返しです。中古住宅を買って住む人は余りいません。

約30年のスクラップ&ビルドのサイクルに合わせてか、30年程度しか使用されない想定の住宅が建てられます。建築基準法や耐震基準は満たしても断熱性能含めた快適性の意味では疑問符のつく、安普請感が否めない住宅が多くを占めます。柏市だけでなく、千葉市でもさいたま市でも、首都圏ベッドタウンはどこも似たり寄ったりです。

そんな場所に育った私、根源的な疑問が、3つあります。

1)なぜ、冬暖かく夏涼しい、年中快適に過ごせる住宅をつくれるのに、そうしないのか?

2)子孫の代まで、100年は住めるような住宅がつくれるのに、なぜそれが一般化しないのか?

3)なぜ、30年ローン組んでマイホーム買っても、ローン完済する頃には建物の価値がほぼゼロになってしまうのか?

結局、中古住宅の価値が正当に評価されない日本の社会システムが諸悪の根源ではないでしょうか?

柏市内にも多様な住宅ニーズがあります。パワービルダーの格安な建売住宅を買う人ばかりではなく、長持ちする二世代住宅を建てる人、こだわりのデザインで注文住宅を建てる人も大勢います。でも彼らはもれなく、築後22年建つと木造住宅の価値が帳簿上ゼロになり、ローンも組めず流通もせず資産価値を毀損する、他の先進国に例をみない変なシステムのもとで暮らしています。

そもそも、首都圏の柏市に所在する不動産の資産価値が下がるって変じゃないですか?ここは毎月、最高人口記録を更新し続けるような発展都市。ここ10年だけでもつくばエクスプレスが通りショッピングモールが多数できて、誰がどうみたって生活利便性が向上しています。

諸外国では柏市のような都市部に家持ってれば資産価値が普通は上がるはずで、いつでも売りたい時に良い値段で売却して特養老人ホームに入るなり、南の島に移住するなりして、人生の選択肢が広がるはずなのに、不動産が日本にあるとそれができない。

私の身の回りでも、マイホームが二足三文でしか売れない、都内のマンションに住み替えたくてもお金が足りなくてできない、みたいな恨み節ばかり。30年間一生懸命働いてマイホームのローン完済した挙句にそんな生活しか手に入らない日本、どう考えても変じゃないですか?

1)日本は、国民の資産価値をいたずらに毀損し、人生の選択肢を広げない経済システムをいつまで続けるんですか?

2)日本は、限りある木材資源とエネルギー、家族の物語が詰まった建物の使い捨てを、いつまで続けるんですが?

3)建築業者と銀行だけが儲かり、不動産オーナーが豊かにならない時代遅れの社会システムを、なぜ改めないんですか?

 

「第2章、日本有数の観光都市で伝統家屋が駐車場になる不思議」

地方都市に行くと、柏市とは少し違うかたちで日本のシステムの歪みが立ち現れます。首都圏と比べると住宅需要が乏しく、かつクルマ社会なので、住宅の跡地がたいてい駐車場になるのです。

中古住宅はスクラップして更地化、跡地は駐車場に…それが既定路線になっていて、金融機関もその方向で融資するのです。

その結果、金沢市や函館市といった、全国有数の観光価値を持つ都市の良質な既存建物が次々と消えつつあります。

「加賀百万石のお膝元」金沢市は様々な建築様式の町家や茶屋、武家屋敷が多数残る街で、その景観が観光上の強みにもなっています。市の行政も伝統的な日本家屋が残る街並みを保護しようと先進的な取り組みを続けています、その努力は素直にリスペクトしますが、

悲しいかな金沢市は日本にあり、この国の社会システムと金融は建物使い捨てが前提になっています。行政の努力で町家を1戸救えても、その間に多分、何十戸の町家が取り壊され更地化されています。
これ、何とかできないの?

日本の原風景ともいえる金沢の木造建物が消えて街並みが壊れていくのを座視できない。現代に生きる日本人として一矢報いることはできないものだろうか?

「第3章、金澤町家ひとつ残すため現金3000万円を投じた男のひとり蛮勇記」

2017年12月、積雪の残る金沢市で、私は縁あって、町家をひとつ買わせていただきました。

観光地「ひがし茶屋街」から徒歩8分、北國街道に面した築115年の町家。金沢を代表する文豪·徳田秋声の小説「町の踊り場」にも出てくる由緒ある旧家で、明治、大正、昭和を生き延びて平成の世まで残った風格ある木造家屋。長い年月の間、所有者が何度も変わり、葉茶屋や和菓子屋として、金沢の人々の暮らしのなかで生き、物語を紡いできました。

今は旅館業(簡易宿所)として改装中ですが、写真見れば分かるように、雪国らしい6寸柱といい木材の組み方といい、惚れ惚れするほど見事な日本家屋です。雪捨て場として設けられた空間も中庭(パティオ)みたいで情趣があります。

そこまで建築的、文学的価値のある建物でさえ、築が古いからといって機械的に価値ゼロとみなされるのが日本のシステム。もし私が買わなかったなら、たぶん、駐車場になっていたことでしょう。

お恥ずかしい話ですが、私、この建物の再生•収益化に伴う事業資金の融資づけに未だ成功できていません。土地建物の購入費、諸経費、諸税、火災保険、設計、施工工事、家具備品、宿泊施設としてのマーケティング費用を含め、総事業費3000万円ちょっとかかるのですが、銀行にはこれまで7行融資チャレンジして全て断られています。

築が古いから担保評価が出ない、東京在住の私が遠隔地(金沢)の物件を保有するモデルだから信金信組で取り組めない、町家再生による旅館業自体が新しい事業だから収益性が評価しにくい…いろんなハードルがあり、それをまだ突破できないのは、私の事業者としての実力や経験が至らないからでしょう。でも、115年の風雪に耐えたこの素晴らしい建物を後世に残すと決めた以上、何とか費用を捻出して事業化します。

徳田秋声ゆかりの旧家といえども、いまの日本のシステムでは取り壊されるのが既定路線。それに納得できなくて反旗を翻そうと粋がってみたけれど、いまの私の甲斐性では金沢の町家ひとつを救うのが精一杯というところです。

一事業家として本音を言うと、地元の金融機関に何とか頑張って取り組んで欲しいです。担保評価出ない、地元の人じゃないから取り組みにくい、既存の商品設計に馴染まない、上司や審査部に通しにくい…それは理解しますが、それでお断りしてる間にも金沢の街中で良い民家がどんどん消えてるんです。金沢のため、北陸地方のため、そして日本の長期的な利益を考えた時、今までのやり方を続けてていいんですか?

事業家の手元現金と、行政の予算だけでは金沢の景観を守れないんです。クラウドファンディングも良いけれど、ある意味社会の公器として、世の中に必要な事業に資金を回す役割を持っているはずの銀行に支援モデルを考えて欲しいです。業務横断的に考えれば必ず解が見つかるはずだし、銀行が支援するなら私みたいな事業家がどんどん出てくるはずだから。

手元の現金3000万円を投じる、その重みを知った人間が発言していることを、真摯に受け止めて欲しいです。

「第4章、建物を使い捨てしない!諸外国の物件再生事例」

私は仕事柄、欧米各国の建築物をたくさん見ています。

特に欧州は伝統的に石造りの建築文化で、住宅はメンテしながら数百年使い続けるのが当たり前。日本と比べて新築供給は驚くほど少なく、既存建物の躯体を上手にレノベして近代生活できるように仕上げます。

既存建物の再生は、経済的にも合理にかなっています。かつて建材も人件費も安かった時代につくられた建物には、贅沢な天井高、ゆったりした間取り、凝ったデザインのファサードなどを伴う、良質なものが多いからです。

欧米では築が古いからといって建物の価値が毀損することはありません。きちんとメンテしていれば価値が上がるので、皆、そうします。

以下が私が欧州各国で視察した物件再生事例です。

スペイン•バルセロナ…1882年築の豪邸を全面改装して近代的なレジデンスに再生し「新築」として販売。入り口ドアの豪壮さ、天井高が圧巻。

ドイツ•ミュンヘン…16世紀築、教会や刑務所として使われていた建物の躯体を活かし、一部を増築して近代的レジデンスとして再生、販売。

ラトビア•リガ…19世紀築の工場躯体を活かしてレンガを磨いて再生。共用部分に柱を残して工場であった過去を伝えている。

「最後に、前所有者からの嬉しいメッセージ」

最後に、私が買わせていただいた金沢町家の前オーナーの娘さんから、嬉しいメッセージをいただいたので引用します。

「古い建物だったので、壊して駐車場にするくらいしか考えていなかった私たち家族にとって、鈴木様とのご縁で、また新たな価値ある建物として復活すること、本当に胸が熱くなる思いで写真と記事を読みました。両親も本当に喜んでおります。完成が待ち遠しいですね。素晴らしい施設になるよう、応援してます!」

本当に、町家買って良かったです。金沢の皆様の期待に応えるためにも、建物を維持し頑張って運営しなければと思いました。

皆の知恵を合わせて、お金を上手に使って、建物と街を大事にする日本をつくりたいです。特に、建物を守るオーナーが金銭的に報われることが絶対に必要でしょう。

建物と街を大事にすることは、日本の生活文化を守ることでもあります。21世紀の世界で日本が輝くために必要だと思います。

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函館の地元で、街興しの仕事を一緒に創りませんか?

拝啓 函館在住の皆様、函館を愛する旅人の皆様へ

 

こんにちは。私は東京在住で、世界中を舞台に不動産投資に関わる仕事をする者です。自身も15年以上前から、個人投資家として、日本のほかオーストラリアやアメリカ、東南アジアを中心に不動産投資を続けてきました。とにかく三度のメシより不動産が大好きで、この命が尽きる瞬間まで、間違いなく、不動産に関わって生きていくと思います。

私のライフワークである不動産が、他の金融商品と大きく違うのは、1)利用価値を持った実物(モノ)であること、2)「住まう」「働く」「商売する」といった人間の暮らしの根幹をなすこと、3)寿命が長く、メンテナンスを続ければ人間の寿命よりも長持ちすること…それゆえ、不動産の世界で成功するためには、「長期的な視野」と「地域の人間生活に対する深い洞察」が欠かせません。

私が不動産投資・ビジネスにおいて他の何よりも重視するのは、「あるべき場所に、あるべき建物があって、後世まで引き継がれていく」ことです。いま日本は全体として家余りで人口も減っていますが、利用価値のある土地や街に、よく調和した良質な建物があって、適切にメンテされていれば、将来にわたって価値が保たれていくはずです。私はそういう価値ある物件のオーナーになったり、発掘・企画することに生き甲斐を見出しています。

今回(2018年10月24日)、縁あって訪れた函館の西部地区は、まさに、「街とは何か?」「価値ある物件とは何か?」を、考えさせられた場所です。

 

1)魅力的な都市日本一なのに、激しい過疎化

「地域ブランド調査」で、函館市の快進撃が続いています。2014、15、16年と「京都」をしのぎ、3年連続日本一に輝いています。特に「観光意欲度」、「地元の食材が豊富」、「食事がおいしい」という項目で全国1位。全国屈指の好印象を持たれている都市といって間違いないでしょう。

日本の魅力的な都市ランキング1位は?函館が3連覇!札幌や小樽は?

 

そこまで魅力的な都市だと思われているにもかかわらず、函館市では全国屈指の激しい人口流出・減少が続いています。1940年以前は、北海道で一番人口の多い都市だったのに、札幌に抜かれ、旭川に抜かれ、今は総人口26万人しかおらず、しかも毎年3千人減り続けています。日本有数の好感度を持つ観光都市なのに、全市が過疎地域に認定されているのは何という皮肉でしょう?

毎年3千人が消えてる?! 函館の人口が減り続ける理由 まとめ

 

2)函館市で一番魅力的な観光地に、市民が住まない

函館市の主要産業は、以前は「漁業」でしたが、今は「観光」です。アジア近隣諸国からインバウンド観光の後押しもあり、JR函館駅周辺エリアでは大資本が入りホテル建設ラッシュの様相。マンションも含めて高層建物が並び、駅前は朝市周辺を除けば平凡な地方都市的景観になっています。

 

他方、函館らしい景観と、魅力的な観光地が多いのは、函館山の麓に広がる「西部地区」。坂の向こうに青く輝く海、緑の函館山をバックに、おしゃれなお店が並び、カトリック元町教会、ハリストス正教会、イギリス領事館など洋館群が並ぶ観光地になっており、「女子旅」を中心に観光客でにぎわっています。この辺は19世紀から栄えた旧市街なので、市電はじめインフラも完備されています。

 

しかし、今日の函館市民の大多数は西部地区に住みません。住まいという意味での函館市の中心は、西部地区→函館駅周辺→五稜郭周辺→産業道路周辺(美原地区)と、時代とともに北上を続けています。クルマ・道路の便が良く近代的に整い、函館市民のマイホーム取得の中心地である美原地区は、日本のどこにでもある郊外ロードサイドの風景が広がりますが、そこから最南端の西部地区は距離的に一番遠く、冬季だとクルマで一時間かかってしまうこともあります。

つまり、今日の函館は、主要産業の稼ぎ頭である「観光地」と、市民の生活の場が完全に分離した都市になっているのです。

私が訪れた時も、「元町」エリアの観光動線上にあり、観光客相手の民泊立地としては申し分ない戸建住宅(3棟長屋のうちの1戸)を内見しました。この物件は相続で売りに出されましたが、地元実需がまるでなく2年間も売れませんでした。人が住まない間、寒波で水道管が凍ったりして、メンテナンスコストがかかることも一因ですが、放置されるのは余りにも勿体ない。

 

山側のお部屋からは、函館山ビューが…

 

海側のお部屋からは、(ちょっとだけ)函館港のオーシャンビューが

 

長屋なのでお隣と共有壁ですが、その真ん中に雪落としスペースがあり、ここは中庭としていい感じの景色

 

外観はこんな感じで

 

玄関先には、石畳の道。

 

この石畳の道の斜向かいが「旧相馬邸」、その先がすぐ「元町公園」の洋館群が並ぶ一角。観光立地としては申し分ないですが、こういう家が売れずに放置されるのが、いまの函館の現状です。

 

元町から10分足らず歩いた距離の弁天町には、これまた、後世に残したい「明治創業の酒屋」、「鉄骨の建物に蔵2つが入っている」魅力的な建物があり、こちらも売りに出ています。長年、酒と味噌に関わる事業を営んだ商家ならではの、ホーロー引きのレトロな看板やイラストの数々。倉庫レストラン兼宿泊施設(オーベルジュ)みたいな活用法で再生できないものかなあ?

 

 

 

3)函館民泊運営はブルーオーシャン

いま函館は近隣アジアからのインバウンド観光が盛り上がっています。平日の元町界隈を歩いても、市電に乗っても、中国語や広東語が当たり前に聞こえてきました。皆さん、日本人と同じような少人数の女子旅で来てました。

彼らの宿泊先として、函館駅界隈でホテル建設が進んでいますが、函館の雰囲気が感じられる主要観光地から2~3㎞離れています。元町界隈の良い感じのエリアに泊まりたい需要は必ずあるはずですが、現時点では民泊が数えるほどしか登録されていません。日本各地の観光地と比べても驚くべきライバルの少なさです。

 

その理由は、現時点で函館現地に住み、民家型の宿泊施設運営を事業としてやっている方がほぼ居ない、という、運営側の事情につきます。なぜなら、「運営体制さえ整えば函館元町の古民家どんどん買いたい」という都会の投資家も、「函館地元で売れない中古住宅を買ってくれる方が居ればすぐにも売りたい」という地元オーナーも、いくらでもいるからです。

言葉を換えれば、「いま函館で民家型の宿泊施設運営に事業として参入すれば、ライバル居ないなかで商売を伸ばせる」まさにブルーオーシャンといえます。

またこれは、函館旧市街地で長年の風雪に耐えて、いまオーナーが居なくなり取り壊しの運命にある住宅を結果的に救い、函館の個性ある都市景観を守ることにも直結します。そういう街興しの社会的意義ある仕事が、地元に居ながらできるのです。

 

もし、「是非やってみたい」、「できるかどうか分からないが、興味あるので調べてみたい」という地元在住の方、或いは函館と関わる仕事をしてみたい方は、是非、私までご一報いただけると幸いです。私、函館に地縁血縁もない余所者ではありますが、この街の個性ある都市景観を守り、観光業を持続的に発展させる上で、自ら函館の民家オーナーになって再生資金を出したり、或いは志を同じくする東京の投資家を連れてきたり、といった貢献はできますので。

 

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出でよ金融マン!(日本の銀行このままでいいの?)

今回のブログ記事は、日本の銀行関係者、または融資関係で銀行とお付き合いのある経営者・投資家の方々に向けて書いた、一事業者からの問題提起です。

 

私は、東京の品川区でささやかな不動産仲介業を営む者です。もともと外資系IT企業に勤めるエンジニアで、趣味で不動産投資を嗜んできましたが、2013年2月、勤め先を解雇されたことをきっかけに、大好きな不動産で生計を立てる決意をして第二の人生をスタート。オフィスを借り宅建業免許を取り、一人社長で頑張ってきました。

創業5年目の2017年末、ご縁あって、石川県金沢市、ひがし茶屋街近くにある町家を弊社で買わせていただきました。金沢の文豪・徳田秋声の名作「町の踊り場」にも出てくる、明治35年から116年の長きにわたり、金沢の街を見守り続けてきた歴史ある家です。秋声の姉の婚家(葉茶屋)であった大正~昭和初期から所有者が何度か変わり、今回、オーナーの和菓子屋ご夫婦が高齢で引退に伴い売却することになりました。事情でキャンセルが続いてしまいタイムリミット(年末)が迫るなか、金沢の業者仲間経由で私に話が来ました。

 

この住宅は、もし私が買わなければ、おそらく取り壊されてコインパーキングになっていただろうという話。もしそうなったら秋声作品ゆかりの建物がこの世から消えてしまいます。私は是非後世に残したいと考え、手元の現金を使ってまず土地建物を購入。翌年から建物本来の良さを残した町家を再生した宿泊施設として設計を開始、旅館業許可つきの建築確認を取り、現地の一棟民泊専門の業者に運営をお願いする想定で、つい先日(2018年10月初め)、工事着工したところです。

よそ者である私が、金沢の街で宿泊施設のオーナーになるにあたって、まず地元町会の方々の気持ちを理解尊重する必要がありますし、同時に私の事業が金沢の和風な街並みを守り文化を継承する趣旨であることを、地元にご理解いただく必要があります。そこで現地の友人の手ほどきを受けつつ、何度も金沢に足を運び、ご挨拶を重ねてきました。

 

事業資金については、すでに支出した土地建物や取得費用、税金、火災保険、設計費等については自費で賄った上で、工事資金に関しては一部で良いので、できれば金融機関にご支援いただこうと思い、金沢および東京の金融機関数行にご相談しましたが、今のところ、ゼロ回答が続いています。

各銀行や支店にそれぞれの融資・審査基準があり、結果的にご縁がなくてゼロ回答になることは仕方ないですし、また銀行からみて弊社のような中小零細企業への融資は手間がかかる割に大して旨味がないのかもしれません。

ですが審査や回答の中身が、(こんな言い方して申し訳ないですが…)私たち民間事業者からみて余りにも「思考停止」ふうに見えたのが余りにも残念で、一言申し上げたい一念から、筆をとらせていただきました。

 

【ゼロ回答の例】

1)石川県に本店がある地銀より「石川県内にお住まいや事業所のない方にはご融資できません」

→これを石川県にしか拠点がない銀行から言われるなら理解できますが、私が相談した銀行は東京に支店があり、かつ私自身が東京支店に出向いて融資相談に行った結果、これを言われました(注.東京支店から私の事務所まで電車で15分の距離です)。

 

2)東京都に本店があるメガバンクより「築年数が耐用年数を超えており担保が取れないので無理です」、「弊社として一棟物件の運営事業には当面融資できません」

→相談したタイミングが、スルガ銀行に対する金融庁の検査が入っている時でしたから、稟議が厳しいのは理解しますが、ここは「平時」でも耐用年数超え物件に融資出さないことで知られる銀行で、私ども不動産業者からみて、かなりビジネスチャンスを逸しているように見えます。

 

銀行とは本来、資金需要のある民間企業にお金を貸して、事業のリスクの一部を負うことで利益を出す業態であるはず。実際に融資を通じて日本の経済成長を支えてきたわけだし、それが銀行員のプライドや信頼感の源泉になってきたはずです。

しかし今や、時代が変わり、銀行業務も激変。原点を忘れた銀行経営陣や行員が増えた(ように見える)結果、一部の民間事業者に、今やこんな風に揶揄されていますよ。

 

・融資を必要とする俺ら中小企業に全然貸さないし、貸すノウハウもない。

・逆に、株式市場や社債でいくらでも資金調達できる大企業にばかり貸したがる。必要ない人に貸すから金利値切られるし、儲からない。

・本業(融資)で稼げないからといって、本来は証券会社や保険会社がやるはずの手数料稼ぎに走っている。それでも行員食わせるの大変だから次は不動産仲介までやらせてもらうらしい。

・俺ら(事業者)ばかりがリスクを負って、銀行がリスク負わずに手数料稼ぎに走る、そんな国が経済成長できるのか?

・お前らもっと頭使ってガチで仕事しろよ!働くって「はた(傍)をラク(楽)にする」ことだろう?民間企業の資金繰りを楽にしてくれない銀行の存在意義って一体何なの?

 

もし「それは違う!」というのなら、具体的な行動で示していただきたい。「私が上を説得して、500万円でも出してみせます!」…この文章がきっかけで、行員が意気に感じるかもしれない。或いは、この文章を読んだ方が、私を気概のある行員と引き合わせてくれるかもしれない。そんな一縷の望みを託しつつこの文章を書きました。

出でよ、金融マン!日本の銀行、このままでいいのか?リスクを負ってビジネスと雇用をつくり出すこの国の民間事業者から「使えねえ」扱いされていて良いのか?「否!」というなら、すぐに行動で示して欲しい。そんな人間が現れてくる日本であるなら、まだ将来の望みは残っていると信じたい。

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世界中が東京不動産を買う予感

こんにちは、Manachanです。いつもご愛読ありがとうございます。

つい数日前まで、私はスペイン•バルセロナで、国際不動産業界のシンポジウムに出てました。ヨーロッパやアメリカを中心に、北はアイスランドから南はニュージーランド、南アフリカまで、世界各国から約70社が参加する大型イベントでしたが、百名を超える参加者全員を前に行われた「基調講演」の内容に、私はぶったまげました。

– アジアでこれから面白くなる不動産マーケットは、ずばり「東京」。

– オリンピックを控えた東京ではエキサイティングなことが起こりつつある。

– 経済もようやく回復し、自信(Confidence)が戻りつつある。東京の不動産価値も直近で9.4%上昇中。

– しかも東京不動産は、同じアジアの香港やシンガポールと比べて割安感がある

 

私はこれを聞いて、「東京の優良不動産を全世界向けに売るっきゃない」と思いましたね。中華系だけではなく、むしろ欧米系のお客様にチョイス、マーケティングして売れるようにしたい。

それにしても、彼らの着眼点は、日本でよく聞く話とは真逆ですね。日本人の不動産評論家や投資家が良く言うのは、「オリンピック後、東京の不動産市況は腰折れする」、「これから日本は人口が減って空室も増え、不動産価値は下がる一方」みたいな悲観論が多いですが、これに対して私が思うこと、

・不動産に関して、日本全体と東京は明らかに違うマーケットでしょ?

・東京マーケットに関していえば、日本人の言うことより外国人の方に説得力を感じる。なぜなら前者は日本しか見てないのに対し、後者は「グローバルな都市比較」の視点があるから。

・世界の不動産投資マネーは「国」よりも「都市」で動く面が大きい。同じアジアの香港やシンガポールよりも東京の不動産が安く買えて、かつ、東京が都市機能的に劣らないのであれば、割安感を求めて資金流入は大いにありうること。

 

客観的にみて、東京が香港シンガポールに都市として劣ることはありません。都市圏人口・総生産、Fortune Global 500企業の本社数、都市総合力の世界ランキング、インフラ…現時点で東京は間違いなく、アジア・世界でトップ都市の一角に入ります。

 

JLL世界都市の類型をみても、東京は香港やシンガポールと同じく「世界のビッグ7」に入っています。

 

「アジアのスーパー世界都市」東京の都心部不動産価格に割安感があるのか、私の感覚的にいうと、

・香港と比べれば、明らかに割安です。

・シンガポールと比べれば、ほぼ同じかなあ~。でも、シンガポールで外国人が不動産買うと約20%の印紙税がかかり、東京ではそれが無い分、割安にみえそう。

 
今年2月、私はシンガポール都心部で、Tanjong Pagar駅直結のタワマンWallich Residenceはじめいくつかのレジデンスを内見しています。当時の感覚値は、「シンガポール都心部レジの値段は、坪@700万円くらい」(22,000~26,000 SGD/Square Feet)だったので、いま東京の港区あたりで@700万円で同等物件が買えれば、少なくとも20%印紙税分は割安ということになる。

そこで、REINSを叩いて、港区でお金持ちが買いそうなエリアのマンション在庫・成約価格を調べてみました。そこで見えてきたこと、
 

・港区の赤坂、南青山、虎ノ門といった一等立地で、出し値レベルでは坪@1000万円超のプレミア物件(虎ノ門ヒルズレジデンス、パークコート檜町ザ・タワー等)がいくつかあるが、プレミアでない通常の新築・築浅マンションだと坪@500~600万円台がせいぜい。

・麻布十番、広尾、高輪、白金、南麻布といったエリアになると、地域トップ物件でも@700万円台いくかいかないかで、その他は@500万円を切るレベル(その代わり、広尾あたりだと築が古くなっても値下がらないという副産物があるが…)
 

つまり東京都心でも、超プレミア物件以外は高くてもせいぜい坪@700万円で、シンガポールのオーチャードや金融CBD地区とほぼ同等レベル、印紙税分だけ割安感あるように感じました。香港などはシンガポールの倍みたいな世界だから、それと比べれば虎ヒルでさえかなりのバーゲンに見えてしまいます。オリンピックを控えて世界の富裕層にもっと注目されそうですね。

なお、港区以外の千代田区、中央区、江東区まで、REINS事例を一通りみてみました。思ったこと、

・千代田区は港区の一部のような超プレミア物件が乏しい代わりに、築古になっても資産価値が底堅く、坪@300万円を切るものがあまりない(港区には@200万円台が結構多い)。飯田橋や市ヶ谷は特に強くて、築浅中古で@500万近くで売れたりする。番町アドレスだと中古で@600万円いくこともあるので、赤坂・南青山レベルに近い千代田最強の戦闘力といえる。

・中央区は港、千代田と比べると品等が落ち、坪@500万円を超えるレジが数えるほどしかない。区内では佃のリバーシティは中古でも資産価値が底堅い。勝どき、晴海は築10年以内の中古成約がものすごく多く、需要の旺盛さを感じるが、坪単価は@300万ちょっとの実需レベル。あと、「水天宮前>小伝馬町」、「佃>月島」みたいなミクロな序列があるのが面白い

・江東区は…(ノーコメント。データ見てるうちにボルテージ下がってしまう。ああ俺はなんて庶民的なエリアに住んでるんだ!)。

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私の居場所は市場(マーケット)が決める

こんにちはManachanです。いまヨーロッパから日本に帰る機上です。最近海外出張がやたら多く、私の住まいは機内かホテルみたいな気がする…

 

 

 

最近の行き先は欧米の街が多いこともあり、各地でステキな景色に出会います。

 

素晴らしい天候に恵まれたバルセロナ

 

中世おとぎの国みたいなタリン(エストニア)

 

シアトルのダイナミックな都市景観

 

フロリダ・オーランドのテーマパークは世界一!

 

パリの街角のカフェでたたずむ…

 

もちろん日本国内でも、ステキな場所がたくさんありますよね。

 

金沢の和風な街並み

 

岩手県一関市・厳美渓のだんご茶屋

 

最近、私が余りにもいろんな場所に行きまくっているからか、友人にもよく聞かれます。

「鈴木さんは、最終的にはどこに住みたいんですか?」

 

私の本心をいえば、こうです。

「さあ、どうなんでしょうね?自分でも分かりません。」

「自分の都合でどこか決まったところに住みたいという気持ちが余りないんです」

「世界中どの土地でも順応できますし、基本どこに居てもハッピーですから、私の居場所は皆さんが決めてくれればいいです。」

 

こんなふうに答えると、皆さん「??」となるので、少し詳しく解説しますね。

 

1)私はどの土地にも順応してしまうタイプの人間。酷暑OK厳寒OK、日本語通じなくてOK日本食なくてもOK、きったないカオスな環境OK…外的環境に対する不満がほぼありません。

「酷暑酷寒を避けて気候の良い土地に行きたい」「地震台風リスクのない土地に行きたい」とか、「ヨーロッパの美しい街並みのなかで暮らしたい」とか、「子供の教育のために英語圏に行きたい」みたいな、より良い条件を求めて移動したい気持ちが、私には本音レベルでほぼありません。

40℃超えの酷暑は頭から水かぶってしのげばいい、零下25度の酷寒もOK、天災の脅威もサバイバルゲームみたいに楽しめばいい、日本語や英語が通じなければ現地の言葉覚えればいい、酷い大気汚染も2日目から身体が慣れる、途上国の小便臭い安宿でゴキブリ潰す暮らしだって気にならない。ぶっちゃけ人間が住める環境ならどこだっていいです。

(もっとも私は国際不動産の仕事をしていて、お客様の物件購入動機は基本「良い条件の国・都市への憧れ」ですから、それは理解しようと努めてます。)

 

あえて、住む場所に関して自分の「好み」的なものを言うと、こんな感じでしょうか。

・田舎よりは、都市に住みたい。

・都市のなかでは、ローカル感あって下町っぽくて物価が安くて便利な場所がいい(例.東京でいえば「自由が丘」より「北千住」を好む、バンコクなら「スティサン」、ホーチミン市なら「10区」あたりが理想)

・多国籍な都市では、ちょっとカオスでエキサイティングな、第三世界からの移民が多く暮らすような場所がいい(例.パリでいえば、「18区バルベス界隈」あたりが好み)

 

2)私は現時点の知識をもとに、人生の最終形を決めてしまうことを好みません。むしろ、身体が丈夫でガンガン動ける今のうちに広い世界を体験し、「思いがけない出会い」から「人生が意外な方向に進んでしまう」未完成形の人生を楽しみたいです。

私はもうすぐ50歳になります。20~30代の頃みたいな無茶はできなくなりましたし、これから60代、70代になるともっと制約がきつくなるのは分かってます。でも、だからといって、60~70代になった時のためにいま何かする気にはまだなれないです。それは、「49歳の浅知恵で人生後半戦の方針を決める」ような気がして…

世の中、私より賢い人はたくさん居るはずだし、今みたいに積極的に動いていればそういう方々と出会って、刺激を受けて人生思わぬ方向に進むかもしれない。今はそういう可能性・意外性に賭けてみたいのです。

 

3)だから私の居場所は、ぶっちゃけ、読者・投資家仲間の皆さんが決めていただければ良いです

「今年の7~8月、Manachanと一緒にヨーロッパ3か国不動産旅に行きたい」

「南米コロンビアとペルーの不動産が気になるので、Manachanに見てきて、レポートして欲しい」

「モスクワとサンクトペテルブルク以外のロシアの都市で不動産投資チャンスがあるのがどこなのか、100万円出すからManachanの見立てで動画つき現地レポートして!」

「イラクやイラン、レバノンで不動産投資ができるのか、興味あるのでManachanに調べてもらいたい」

…等々、どんどんリクエストしていただければ良い。もちろん家族の都合等はありますけど、私は基本フットワーク軽いし、世界中どこでもハッピーに過ごせるし、言葉もすぐ覚えるし、もちろん不動産の見立てもできますので、

そういう用途に、私の身体と能力を使っていただければと思います。幸か不幸か、「どこに居たい」みたいなエゴが余りありませんので、私の居場所は基本、市場(マーケット)に決めてもらって結構です。

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富裕層と逆をやったら富裕層が集まってきた話…

こんにちは、Manachanです。今回は「富裕層ビジネス」ねたでブログ書きますね。

私は国際不動産ビジネスの経営者ですが、この仕事をやってると「富裕層」と知り合う機会が豊富にあります。我々の商品である「海外不動産」自体、相当なお金がないと買えないものですし、実際に買われるお客様は、相当額の資産や現金をお持ちの方が、少なからず居られます。

ここでいう「相当の資産」を数字で表現しますと、「1億円が小金持ちスタートライン」、「5億円以上で金持ち」、「50億円で中金持ち」、「100億円で大金持ち」といったイメージでしょうか。彼らは「年収いくら」みたいなサラリーマン概念とは全く違う世界に生きる人たちです。

 

私はいま、1年365日のうち、約120~130日は海外出張しており、世界各地の不動産物件を精力的に見て回っておりますが、その旅費・滞在費の全てを自腹切って捻出しているわけではありません。上述、「中金持ちのお客様を物件現地にご案内」したり、場合によっては、「知られざるマイナーな国の不動産視察を、私と一緒に面白がってやってくれる(ついでに私の旅費も出してくれる)大金持ちのお客様」が居たりします。

その場合、お客様のフライトはビジネスクラス以上で、私はエコノミークラス。ホテルなども別々に泊まったりするわけですが、それでもヨカヨカ。富裕層のお得意先を持つことで、海外出張自体がお金を生む頻度が確実に増えている今日この頃です。

 

 

我ながら、こんな人生を歩んでいることが不思議でなりません。私は東京郊外ベッドタウンのサラリーマン家庭の生まれで、お金持ちとは全く無縁の環境で育ちました。大学時代は海外一人旅に目覚め、休みのたびにアルバイトで貯めたお金を握りしめて、バックパック背負って世界各国を貧乏旅行していました。

恥ずかしながら、50歳近くなった今でも、私はバックパッカー時代の貧乏旅行癖を引きずってまして、海外出張しても小便臭い安宿に泊まってゴキブリ一生懸命潰してたり、得体の知れない屋台メシを手当たり次第食ったり、ベトナム~カンボジア間、タイ~ラオス間を安い国境超えバスで移動したり、安いローカルバスを乗りこなすために現地の文字を一生懸命覚えたり…好きでやってるからいいんですけどね。今なお、富裕層っぽい旅のスタイルとはかけ離れた行動をしています。

さらに私は、この歳になっても見た目を小ぎれいに整えることがまるでできない人間…普段はアロハシャツに短パン姿、一部上場さんに会いに行く時も極めてカジュアルな恰好。お渡しする名刺が折れ曲がってたりするし、髪型にしても、海外の旅先で散髪やるので、運が悪いと見るも無残な丸刈りになってたりします。

富裕層といえば高級車のイメージがありますが、私はベントレーやベンツどころか、クルマ自体持ってませんし、都内を移動する時は、電車かシェア自転車を使います。真夏の暑い時期以外は、下町(東陽町)の自宅近く、ドコモバイクシェアのシェアポートから、30分150円、真っ赤な電動アシスト付き自転車で都心を走るのが私の日常スタイル。

 

つまり、ライフスタイルから外見から趣味から、何をとっても「富裕層のイメージとは真逆」なのが私なのです。これはたぶん一生変わらんでしょう。それでも、「Manachanのやってる海外不動産の活動は面白い」ということで、これまでお付き合いしたことのない富裕層の方々がどんどん声がかかり、良いお客様になってくれています。

繰り返しになりますが、「我ながら、こんな人生を歩んでいることが不思議」…現実がこうなってる理由は、たぶん二つあると思います。

 

1)リアルに「富裕層の真逆」をやってることが、富裕層から見れば面白い。
2)富裕層が欲しい「海外不動産のリアルな情報」ニーズに応えられるから選ばれる。

 

1)は、わざとそういう役割を演技しているのではなく、素のままの私ですからリアルです。いつもスキだらけのカジュアルな恰好して、どの国に行っても安宿泊まって地元の安メシ食って、ローカルバス乗って数百円で散髪して(行先が東南アジア方面なら見た目も現地人に同化して)、ビジネスクラスや5~6星ホテルとかに全然興味がない。そんな人生を自分自身面白がってるわけですから、これ以上のリアルはありませんね。

ビジネスで富裕層とお近づきになりたければ、彼らの外面だけ真似するのはかえって逆効果なのだと思います。同ビジネス界隈でよく聞くのが「ベントレーに乗って、六本木ヒルズのレジデンス棟に住んで、趣味の良いものを身につけて富裕層の知り合いがたくさん」みたいな話ですが、あんなのは本物の富裕層から見て面白くも何ともないし、さらに、「自分のお金が目当てで、高額商品を売りつけようとしている」のが見え見えですから敬遠されるでしょう。私は逆に、富裕層ビジネスのイメージに自分自身を無理やり合わせたり媚びたりを一切しないで、常にありのままの自分で生きているので、それが好まれているのだと思います。

 

2)ですが、海外不動産のリアルな現場をたくさん見て、生きた情報を豊富に持っているという面で、私やビジネスパートナーの市川は、絶大の自信を持っています。仕事で海外に行くと、以前は友人に羨ましがられたものですが、最近はその頻度が多すぎてスケジュールの密度も濃すぎて、羨ましいどころか「Manachan海外出張続きで大変だねえ。あんな生活してよく身体持つねえ…」と同情されていますが、私や市川にとって、世界中の不動産みること自体が趣味であり、楽しくて仕方ないから苦痛を感じたことはないです。

実際、富裕層になればなるほど、不動産は人生に絶対必要なものです。節税、資産保全、相続・事業継承、ライフスタイル…財産を持つが故の悩みや課題に対する解決策になりうるのが不動産だからです。

海外の不動産も、いまや彼らにとって絶対に避けて通れないテーマになりつつあります。日本国内の円資産だけでは財産を守れないということは、市井のサラリーマンよりも富裕層の方がよりリアルに認識しています。

私や市川は、富裕層が求める海外不動産のリアルな情報を、たぶん日本で誰よりもバラエティ豊富に持っています。富裕層の方々が普段お付き合いする都銀や証券会社、プライベートバンクの運用担当者が、海外不動産に詳しいとは限りません(ほとんどの場合、そうではない)し、質問しても気の利いた答えは返ってきませんのでフラストレーションが溜まります。そんな彼らの「満たされないニーズ」に応えられるのが、世界の不動産が好きでたまらない私や市川だったりするので、お声がかかるのです。

 

海外不動産の領域でオンリーワンだから、というよりも、我が趣味の世界を、富裕層を含めて不動産ニーズのある人々が集うコミュニティに変えたからこそ成り立つ、オンリーワンなビジネスモデルなのだと思います。今のネット時代は、それが低コストでできるわけですね。

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海外不動産投資は参入タイミング命!

おはようございます。Manachanです。

私は日本と海外各国で同時並行で不動産投資してますが、自分が日本国内(東京)に住んでいる前提でいうと、海外不動産投資は非常にシンプルで分かりやすいと感じています。

 

なぜシンプルなのか?それは「物件が遠くにあるため、自分でやれることが少ない」からです。「遠隔ゆえシンプルにならざるを得ない」と言った方が正確かな。

逆に物件が自分の近くにあれば、地域の情報が入る上に、いろんなことが自分でできてしまいます。私は国内大家さんの知り合いが多数いますが、彼らが収益アップのために取り組んでいることは、大きくいうと下記の6つに集約されます。

1.安いタイミングで買って値上がり益を取る。
2.賃貸に出して利回りを得る。
3.難あり物件をバリューアップして収益性を上げる。
4.民泊・シェアハウス、時間貸しなど運営方法を変えて収益性を上げる。
5.土地から仕込んで建物を企画・建設する。
6.自主管理、セルフリフォーム等で運営コストを下げる。

 

上記の選択肢を一つ一つ検討すると、

・5,6は、自分が物件の近くに居ないとほぼ無理。
・3,4は、アウトソースできれば遠隔地でも運営可能だが、結構高度な知識とスキルが要る。
・1,2は、アウトソースできる上に、お金と投資リテラシーがあれば比較的簡単に実施できる。

したがって、「究極の遠隔地投資」である海外不動産の場合、我々バイヤーが現実的にできることはぶっちゃけ1,2だけです(厳密にいえば3,4もできますが、外国人パートナーとやり合うことを含め、高度な知識・スキルが必要になります)。

逆にいえば1,2しかできないからこそ、シンプルなのです。「地域の人口が増える」、「経済・所得が伸びる」といったマクロ要因と、「交通アクセスが改善される」、「他地域に比べて割安に買える」、「5年以上経っても人気が落ちそうにない」といったミクロ要因、あと基本的な権利関係だけしっかりウォッチしていれば、そんなに間違いませんし、かなりの確率で投資利益は手にできます。

 

シンプルなゲームですが、ここで注意しなくてはいけないポイントは、タイミングの見極め。つまり「今が買い時か?売り時か?」ということです。ここは「不動産価格ライフサイクル」という分かりやすい図を使えば理解しやすいと思います。

 

「不動産ライフサイクル」とは?

・世界中どの都市でも、不動産価格トレンドは「成長局面→ピーク→調整局面→ボトム」という段階を繰り返す。
・「時計」を使って分かりやすく表現すると、こうなる
6;00 ボトム(最も割安に買えるが、この段階で買うのは相当な度胸が要る)
9;00 成長局面(いま、まさに値上がり中)
12:00 ピーク(最も割高な時期。初心者ほどこの局面で物件を高値掴みしやすい)
3:00 調整局面(購入マインドが下がり、価格が下がっている局面)
・上記1サイクル回るのに、約7~10年の年数を要する。

 

日本国内の事例で分かりやすくいうと、

・2009~11年頃のリーマンショック直後は、まさにボトム(6:00)。この時期は融資が難しく、相当な現金を持っているか、或いは相当な高給取りサラリーマンでないと収益物件買えませんでした。その代わり、いま考えると相当安い値段で買えた時期といえる。

・2012~15年頃は、アベノミクスが登場して融資も緩くなり、地価や建築コストも上がったために国内主要都市の収益不動産価格が目に見えて上がった。つまり上昇局面(9:00)。

・2016~17年頃は、地銀を中心とする積極的な貸出の時代。フルローン出やすいので収益物件が非常に高値で取引された、価格ピーク局面(12:00)。「かぼちゃの馬車」事件に象徴されるように、この時期に物件を高値掴みしちゃった人が多い。

・2018年~、スルガショックが起こり、融資が厳しくなり、収益不動産価格も調整局面に入った感あり(3:00)

 

私が何言いたいのか、もうお分かりですね。投資家としては、「安い時期に買って高く売りたい」。具体的には「6;00~9:00の段階で仕入れて、12:00近くで売り抜けたい」のです。

2011~14年、日本国内物件がまだ安く買えた時期に、私は東京や千葉、福岡で収益不動産を仕込んで、2017年のピーク時に売り抜けて値上がり益に手にしました。それと同じことを、海外でも常に実践しようとしています。

 

ライフサイクルを決める要因は、主に下記の3つに集約されます。

・Population Growth(人口増加)
・Economic outlook/Unemployment(経済状態や失業率)
・Affordability/Interest Rate(不動産の買いやすさ、融資環境)

 

人口増加、経済状況についてはここで説明するまでもないでしょうが、Affordability(買いやすさ)については、よく「不動産の年収倍率」という指標が用いられます。つまり、都市内の平均的な不動産が、住民の平均額面所得の何倍で買えるかという指標。

世界中の都市をみると、2017年時点で香港、シドニー、ロサンゼルス、ロンドンなどは不動産価格が上がりすぎ「危険水域」に達しています。東京・横浜はまだそこまで行っておらず、アトランタなどは特に割安に買えるので、人口増加と経済成長が伴えば上がり目は大きいと言えそうです。

 

下記は、上記を総合した上で、オーストラリア各都市のライフサイクルを示した図です。それによると、

・シドニーは調整局面入り(1:30)
・パース・ダーウィンはボトム(6:00)
・ケアンズは上昇局面がはじまったばかり(7:30)
・ブリスベン・アデレードは上昇中(9:00)
・メルボルンは上昇中だがピークに近い(10:30)

 

ここで皆様に考えていただきたいポイントは、「海外不動産セミナーで、講師が紹介する物件が”いま割安であるか?”を、ロジカルに説明できているか?」です。単に人口が増えている、経済が伸びていると言うだけでは不十分。不動産ライフサイクル上すでにピーク局面に近かったり、あるいは近隣の類似物件と比べて割高だったり、変な業者利益が乗っかって投資利益を毀損するようなものを紹介してたら意味がないのです。

海外不動産はシンプルに考えましょう。価格安い局面で、賃貸需要や中古売買需要のあるまともな物件を普通に市場価格で買えればたいてい「勝てる」のだから…

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アジアの裕福なド田舎国家「ブルネイ」不動産の魅力

こんにちは、国際不動産エージェントManachanです。東南アジア、ボルネオ島にある小さな王国「ブルネイ」への2泊弾丸出張から帰ってきました。

東南アジアは日本との経済関係が盛んな地域で、特にタイやベトナム、シンガポールやマレーシア、フィリピンに馴染みの深い方は多いと思いますが、そのなかで「ブルネイ」は知名度がとびきり低くスルーされることが多い国。私は何年も前から東南アジア不動産関連の仕事をしてますが、ブルネイのことはほとんど知りませんでした。

実際、ブルネイ不動産の情報は非常に少なく、世界の多くにとって「知られざる秘境国」であることは間違いないでしょう。でも調べてみると面白い。ある意味、アジアでこんなユニークな国はないでしょうね。

 

・国土面積は5700平方キロ(三重県相当)
・人口は非常に少なく42万人。うち外国籍労働者が約15万人を占める。
・石油・天然ガスの輸出により、国民の裕福度が高く、福祉がたいへん充実。
・国土全域が「マレーシア」に囲まれている。
・食文化、生活文化とも、マレーシアとシンガポールに近い。
・1984年まで英領植民地であったため、英語の通用度が高い。他にはマレー語、中国語が通じやすい多言語国家。
・敬虔なイスラム国家であり、国内でお酒が飲めない。
・絶対君主制の国で、国王(スルタン)が敬愛されている。
・国王一家は、世界の王室としてはトップクラスの莫大な富を保有している。

 

【ブルネイ王室の富を象徴する、世界に二つしかない7つ星ホテルThe Empire】

 

百聞は一見に如かず。今回、機会を得て実際に見に行ってみました。その印象を一言でいうと、

裕福なのに、なーんにもない。バスもタクシーも、娯楽もサービスもない、ド田舎な国
 

隣国「マレーシア」と比べると、その特徴が際立ちます。

・ブルネイの方が所得も、物価も高い。
・でもマレーシアの都会と比べると、ブルネイは田舎。

 

景色や建物、人々の様子がマレーシアにとても似ている分、ブルネイはぶっちゃけ「マレーシアの二線級地方都市」に見えます。ブルネイからみて、マレーシアの首都クアラルンプール(KL)は仰ぎ見るような大都会で、シンガポールとともにトレンドの発信地みたいなもんですし、同じボルネオ島にあるマレーシア領の地方都市コタキナバル(KK)でさえ、ブルネイよりはずっと大きくて都会です。

都会の刺激がない分、ブルネイの民家やショッピングセンターも外観、デザインが概して田舎臭い。KLの高級住宅地モントキアラあたりの、新しめのデザインの建物を持ってきたら、ブルネイでは即トップになれる…そんな世界。

 

【ブルネイの平均的なショッピング施設の外観はこんなもん】

 

【この位きれいにすれば、ブルネイではトップ10%に入りそう】

 

そこまで田舎なのに、石油のおかげでブルネイ民は裕福なんです。彼らはマレーシア人より金を持っており、初任給もマレーシアの倍額取れますし、ブルネイの街中はベンツやレクサスがいくらでも走っています。

ブルネイの幹線道路はキレイに整備され、まるでシンガポールのよう。国中が整然としており衛生的で、汚い場所、カオスな場所が滅多にありません(少なくともマレーシアよりは明らかに少ない)。

 

【国中で道路の整備状態はとても良い・・でも景色は田舎】

 

【自然に囲まれ、市街地では野生サルが出現してくる】

 

ブルネイの首都から車で1時間も走ればマレーシア領の中堅都市「ミリ」(Miri)に到達しますが、そこでマレーシアの安い物価、バラエティ豊かな商品、国内で禁じられたアルコールを求めて、ブルネイ民が押し寄せます。一方で、マレーシア人が国境を超え、ブルネイの高い給料を求めて働きに来ます。

(私は都会が好きな人間なので、もしブルネイに生まれ育っていたら退屈でたまらんでしょうね。それこそ毎週末、KLに飛んで都会の空気を吸いに行くと思います。アジア1の大都会「東京」なんぞ見た日には嬉しくて卒倒するかも…)

 

【ブルネイで数少ない近代的なコンドミニアム】

 

ブルネイの、「田舎で裕福」という特徴は、私からみて、不動産プロジェクトや投資の妙味にあふれる場所に映ります。なぜなら、

・人口40万の極小マーケットなので競争相手が少ない。
・田舎ゆえ建物のデザイン・施工レベルが低いので、少しマシなクオリティを供給できればたぶんマーケットで勝てる。
・国民の平均所得が高いのでエンド価格が結構高く取れる。
・産油国らしくインド、フィリピンの外国人労働者を月3~4万円で働かせているので、建築コストは安い(坪20~30万円、マレーシア・タイ並みか)
・平均所得が高いので家賃も結構取れる。
・いまブルネイの経済状況が良くなく、不動産価格も底に近いので、物件を安く買えるチャンスが大きい。
・物件が安く家賃が高いため、賃貸利回りも7~9%くらいは普通に出る。

 

【ブルネイのショッピングセンター…マレーシア地方都市に酷似】

 

しかも、産油国で税金が非常に安いというのも、不動産オーナーには嬉しいですね。

・所得税無いも同然(年収8000万円以上でようやく税金かかる、みたいな世界)
・購入コストが非常に安い(印紙税のみ、収入印紙代くらいの出費)
・保有コストが非常に安い(国税なし、オーナー出費は地区で必要な清掃費用くらい)
・売却コストが非常に安い(キャピタルゲイン税なし、かかるのは仲介手数料くらい)
 
ブルネイで不動産を持つと、同国の通貨「ブルネイドル」資産になりますが、現時点でブルネイドルはシンガポールドルと等価であるため、「実質シンガポールドル資産」といえます。

権利関係に関しては、東南アジアの多くの国と同様、外国人個人名義で土地は持てませんが、区分マンションやタウンハウスなら所有できます。その場合、「60年か99年の借地権(Leasehold, Strata Title)」で、「謄本(Deed)」も発行されます。

ブルネイで土地を買って建設事業あるいはランドバンキングをする場合は、100%外資のブルネイ法人を設立するのが基本です。税金がほぼない国なので設立費用も法人維持費用も非常に安いです。

 

ブルネイ不動産投資の主なリスクや不便な点について、

・キャピタルゲインは現時点であまり期待できません。ブルネイ経済がゼロ成長に近く、人口増加も少なく、開発のスピードも遅いので値上がりが期待しにくいマクロ状況です。
・他の東南アジア諸国と同様、新築嗜好が強く、そのため建物は経年すると減価しやすいです。施工レベルが概して低いので、中古物件を買う場合はクオリティに注意が必要。
・外国人に対するブルネイ金融機関での融資は使えません。

 

最後に、私がいま考えているモデルは、次の通りです。

・日本のデベロッパーか大口個人投資家にブルネイで住宅開発してもらう。
・それでできた区分マンション・タウンハウスに99年リースのStrata Titleで、8%前後利回りの出る商品として売り、長期保有してもらう。

 

これからちゃんと準備して、セミナーや勉強会というかたちで紹介していきます。お楽しみに。

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各国不動産の情報・知識を体系的に学べるウェブサイト登場!

こんにちは、Manachanです。今日のブログは手短にいきます。

私が取締役をつとめる(株)国際不動産エージェント(IPA)のウェブサイトが、大幅リニューアルしました。

作業は私がやりました。先週末、徹夜してサイトのコンテンツをいじって、ついに、世界30か国以上の不動産情報を一元的に見れるようにしました。

 

国際不動産エージェントのサイトURL

http://ipag.jp/

 

メニューバー「各国不動産」>「ヨーロッパ不動産」を選べば、ドイツ、イギリス、フランス…ロシア、トルコまで、11か国の不動産情報が取りまとめてあります。

「各国不動産」>「北米不動産」では、アメリカ・カナダの不動産情報が充実。

「各国不動産」>「オセアニア不動産」では、オーストラリア・ニュージーランドの不動産情報を掲載しています。

欧米ばかりではありません。「各国不動産」>「東南アジア不動産」では、タイやマレーシアをはじめASEAN各国の不動産情報を国別に掲載中。

「各国不動産」>「東アジア不動産」では、日本、中国などの不動産情報が充実。

また、国を特定せず、国際不動産を体系的に学びたいという方は、「コラム」>「国際不動産の基本」がおすすめ。業者の販売セミナーに出る前に、まずこのコーナーの文章を読んで、Podcast音声を一通り聞けば、並みの講師より情報通になれること請け合いです。

 

あと、テーマ別のメニューもあります。融資や税金について情報を得たいは、「コラム」>「国際不動産の融資・税金」。

海の向こうの物件の管理について知りたい方は、「コラム」>「国際不動産の管理」。

最後に、私たち国際不動産エージェントが、どういう問題意識・意気込みで仕事をしているかを知りたい方は、「コラム」>「IPAについて」をどうぞ。

 

情報のクオリティや「濃さ」には自信を持っています。私たちは、世界各地の不動産を実際にみて、街を歩いて、自ら情報コンテンツをつくる頭脳集団。Webで得られるような情報のコピ&ぺとか翻訳ではなく、全て、自前でオリジナルな情報をつくっていますし、これからもやり続けます。

世界の不動産が大好きですから…。

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「日本語教育基本法」オリンピックに向け東京都江東区をモデル地区に

今国会中の成立に向けて、超党派議員有志が推進している「日本語教育基本法案」ですが、私は外国人住民が急増する東京都江東区に暮らす一人として、当法案の早期成立と、日本に定住する外国人子弟の日本語教育の拡充を切に望むものであります。

グラフにみるように、我が国の首都・東京23区の外国人比率は年々増加し、総人口の4.4%を占める上に、その増加数は23区全体の半分近くを占めるまでになっています。

私たちの暮らす江東区では2万8千人の外国人が居住し、総人口に占める比率は5.5%と、23区平均より高い数値になっています(私の妻も外国籍住民の一人です)。

江東区は再来年の東京オリンピック・パラリンピックで、競技会場が最も集中する地域となっていますが、実は以前より、オリンピックと外国人住民に縁の深い土地でした。1940年に開催が企画され、日中戦争の影響で消えた「幻の東京五輪」で、都内他地域からの移住を迫られた在日朝鮮人が区内の枝川(えだがわ)地区につくった街「枝川コリアンタウン」が所在し、長年日本人と調和して暮らしてきた街です。

区内で初めて、日本語を母語としない外国人児童のための補習教室「日本語クラブ」が設けられたのは、枝川と近隣地域の子供たちが通う「深川第8中学校」で、1984年の開講。現在も4名の先生方が、中国、韓国、フィリピン、タイなどから来た約20名の児童の日本語学習を支援しています(ウェブサイト)。

時代は流れ、江東区内では昔からいる在日朝鮮人に加え、大手企業から赴任で来た韓国人ビジネスマンや、インド人のITエンジニアが目立つようになりました。それを数倍する数の中国人、そしてベトナム人、フィリピン人など、多様な国籍・様々な職業に従事する外国人が、日本人と共存して暮らす多文化な街になりつつあります。

 

多文化社会へ変貌するなかで、様々な社会問題の萌芽が出てきていますが、私からみて最も深刻かつ喫緊の課題と思われるのは、「江東区に暮らす外国人の児童が、必要な日本語教育にアクセスできていない」という問題です。

人口51万人を抱える江東区には、区立の小学校が45、中学校が23ありますが、「日本語クラブ」が設けられているのは、私が確認した限り3校だけです。区内の在籍児童数は小学校24,309名、中学校7,906名、計31,215名いて、人口比から考えて1,000名以上の外国籍児童が学んでいると思われますが(区内どこでもクラスに23名居るのが当たり前です)、統計的把握はなされておらず、日本語教育ニーズの把握もこれからの課題です。

特に、区内で外国人人口が増えている亀戸(かめいど)や大島(おおじま)地区に日本語クラブが存在しないことが問題となっており、児童が転入してきた小中学校に日本語を教える機能自体がなく、多くはケアのないまま放置されています。

日本語クラブ空白地区の外国籍児童のために、江東区主催で今年9月から日本語補習クラスを開くことになり、募集を行ったところ、会場に入りきれないほど希望者が殺到したそうです。まさに日本語学習ニーズが「爆発」しており、区として地域として「すぐに何かしなければならない」状況です。

日本語教育基本法案の「目的」のところに、「日本語教育の推進に関する施策を総合的に推進し、もって我が国に居住する外国人との共生を通じて多様な文化を尊重した活力ある共生社会の実現」という記述がありますが、今まさにその具体的実施を喫緊に求められている自治体の一つが江東区なのです。

日本の一国民として、外国人を含む家庭で暮らしを営む父親として、この法案が成立することを切に望みますし、晴れて成立した暁に、何か具体的でシンボリックな事業をやるならば、その舞台の一つに「江東区」が選ばれるべきだと思っています。ここは2020年東京オリンピック・パラリンピックの主要な舞台であり、全世界の人々が注目する「日本のショーケース」になります。その場所で、「日本に暮らす外国人が満足に日本語の公教育にアクセスできない」状況が全世界に知られるのは恥ずべきことだと思いますし、日本国として「何とかする意志」を見せるべきではないかと思います。

同時に、江東区は外国人と日本人の長い共生の歴史、30年以上にわたる「にほんごクラブ」の活動など、日本における先端的な多文化社会の一つでもありますので、その蓄積を生かして有意義な事業を実施できる環境だと思います。

 

江東区における日本語教育モデル事業(案)

 ・ 区内在住外国人児童の実態、教育ニーズの統計的把握
  ・日本語コミュニケーション力到達度評価の手法開発・実施
 ・ 「言語保障から学力保証へ」、JSLJapanese as Second Language)教育プログラムの開発と実施
 ・ 日本語クラブの全区小中学校への段階的拡充
 ・ 専門人材(日本語教育、教育心理学等)の育成と活用
 ・ 地域に存在する多様な言語スキルを活かした、外国人児童や家族へのサポート

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