IT革命で人口が都市に集まる理由

こんばんは、Manachanです。先ほど、オーストラリアへ旅立つ家族を成田空港で見送ったあと、ひとりで、東京・東陽町の我が家に帰ってきました。明日は早起きして、羽田から英国ロンドンに飛び立ちます。

私は仕事柄、出国が多く、毎月1~2回は海外出張してます。そして、毎年7月中旬~8月下旬は、ほとんど日本にいません。家族の住まいと事務所は東京にありますが、自分の居場所は、一年のうち「70%が日本国内、30%が海外」といったところ。

 

世界中どこに行っても、ネットカフェやホテル、空港でPC片手に仕事してますので、「ノマドワーカー」と言っても良いかもしれません。ですがそれでも、1年のうち7割は東京周辺で過ごしているわけで、「東京が本拠地」であることも間違いありません。

満員電車と渋滞・混雑の東京より、もっと環境や景色の良い場所も、国内外にたくさんあるわけですが、私は「本拠地」を東京から移すつもりは、今のところありません。自分が東京に身を置くメリットが非常に大きいと感じるからです。

そんなこと考えている時、面白い文章に出会いました。

 

年収は「住むところ」で決まる(夏目力) 

 

肝心な論点を、いくつか引用します

人間は対面で顔を合わせた時に、一番クリエイティビティを発揮し、

アウトソーシングや機械の自動化ができないクリエイティビティが経済の中心になる21世紀は、クリエティブな人が物理的な「場所」を共有する必要があり、ゲイや外国人、そして何より「組み合わせパーツ」になりうる変わり者を歓迎する都市が、今後栄えていく可能性があります。

多様性にあふれ、クレイジーな人にオープンな都市、または地域に人が集まり、そこからのイノベーションが一番の経済価値になっていきます。

 

私は、作者の論点に賛成です。また、IT革命が進んだ今日、日本を含めて世界的に人口の都市集中が進んできた理由も、クリアに説明できていると思います。

私がなぜ、東京に本拠を置いているのか?それは、東京が日本のなかでは、飛び抜けて「多様な人材」、「多様な情報」、「多様なビジネスモデル」に溢れる場所だからです。

私は、「世界の不動産投資情報」という「知的生産」に関わる仕事をライフワークにしていますが、東京のような場所に居ると、知的生産には極めて効率的なのです。

 

東京に居る時は、「人と会って、話す」ことに主眼を置いた活動をしていますが、多様な領域で活躍する凄い方、素晴らしい方に出会って刺激を受けつつ、自分の知的生産や新たなビジネスの糧としています。

今の私にとって、知的刺激を受ける場所は、ほぼ、東京都内の「山手線と地下鉄丸の内線に囲まれたエリア」(池袋~東京駅ライン以南の山手線内側)に集中しています。特に多いのが、

・新宿周辺
・渋谷、表参道周辺
・新橋~浜松町周辺

次いで、

・池袋周辺
・銀座周辺
・飯田橋~市ヶ谷周辺
・赤坂~六本木周辺

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このエリアを、私は、「知的生産、黄金のトライアングル」と呼んでいます。経験上、山手線の外側、あるいは丸の内線以北になると、優れた知的刺激を受ける頻度が著しく減るので、

今の仕事を続ける以上、「黄金のトライアングル」に容易にアクセスできることが、自分の住まい・事務所選びの重要な基準だと考えています。その意味で、「東京駅まで9分で出られる東陽町」に住んでいることには満足していますが、より理想を言えば、山手線内側の便利な駅前(飯田橋とか四谷とか)に住めればさらにベターかと思います。

 

世界的にみても、IT革命で発展している印象があるエリアは、「都市」が多い。

・サンフランシスコやシアトル、バンガロールなど、既存の都市
・シリコンバレーや北京・中関村など、都市内にある大学・産業集積地
・ロサンゼルス近郊の「シリコンビーチ」など、都市住民に好まれるリゾートチックな場所

 

高速光ファイバーが田舎に張り巡らされても、皆がスマホとPCを持っても、それで田舎に人々が移り住むという話はあまり聞かない。データセンターやコールセンターを誘致する類の話は多いですが、

新たなビジネスと、イノベーション、新たな経済価値の創出は、人と人とのリアルな交流の機会の豊富な都市が中心になる。そこで新たな雇用が産み出されて、他地域から人々が集まる。人口の都市集中が進む・・・

ITを多用してノマドのような働き方をしている私が、東京をメインの拠点にしているのは、ちゃんと理由があってのことです。それは、「IT革命と人口都市集中」のメカニズムに基づく自然なことだと思います。

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ハワイの凄さを知る・・・

おはようございます。Manachanです。

一昨日は、東京・渋谷で「ハワイ不動産セミナー」を開催。集客期間わずか1週間強、しかも客の集まりにくい日曜日午後にも関わらず、セミナー会場は満員。参加者数の急増と、会場のキャパを考えて、Facebookでの周知を途中で止めたほどです。

しかも、2ヵ月後に開催される大阪のハワイセミナーにも、続々と申し込みが入っています。こうなると改めて実感しますね。

 

ハワイに対する世間の関心って凄いんだな!

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かくいう私は、つい2週間前(6月23~28日)、セミナー準備も兼ねてハワイ出張に行ってました。人生で2度目のハワイ。しかも前回の訪問は1998年でしたから、なんと18年ぶり。

18年前、妻と二人で訪れたハワイのワイキキ界隈は、静かでシンプルな場所でした。長閑さの漂うビーチと、ホテル建ち並ぶカラカウア通り、一本奥に入ったクヒオ通りは、ロコ(ハワイ地元民)が暮らす普通のアパートが多かった。

今や、世界の百貨店とブランドショップが建ち並び、すっかり都会風になったワイキキ中心部から、18年前の情景を想像するのは難しい。でも、そこから歩いて10分ほど東に行った、マリオットやパシフィックビーチホテルあたりは静かな環境で海も近く、「18年前のワイキキって、確かこんな感じだったよなあ」と思い出します。

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何はともあれ、ハワイに2回しか行ってない私が、皆様の前で知った顔してセミナー講演するのは、少し気がひける面があります。参加者のなかには、それこそ、毎年ハワイで過ごすような常連さんがいたりするからです。

ハワイの不動産に関することならともかく、ハワイ全般に関しては、講師の私より受講者の方がずっと詳しいだろうなと思いつつ・・

 

もともとバックパッカー上がりの私。いや、47歳になった今でも、大阪~東京間を1800円の激安夜行バスで行き来する「おっさんバックパッカー」ですが、

私を含めて、バックパッカーのカルチャーを持つ人間は、ハワイのような「万人受けするオールマイティなリゾート地」を、意識的に避けるところがあります。なぜなら我々は、

・安い宿、安いめし大好き。

・多少汚くても、臭くても平気。

・陸路国境超え大好き。

ですので、物価高くてキレイで快適な島国のハワイは、我々バックパッカーの旅行先リストになかなか上がってきません。

 

また、旅人としての私の「強み」(?)は、

・途上国の屋台で、危なそうな油で揚げた得体の知れないものを、手当たり次第食っても腹を壊さない、強靭な胃袋。

・旅先で、見知らぬ言葉や文字に出会っても、滞在10日も経てば現地の文字を解読し、地元民となんとか話せてしまう、不思議な語学習得力。

・旅先でA型肝炎にかかって数週間入院しても、「これでA型肝炎の免疫ができた、やったぜ!」と思い、せっせと次の旅支度をはじめる、めげない旅人魂。

その強み(?)が、ハワイのような快適で日本人にやさしい環境ではなかなか発揮できないという面もあります。やはり私には、東南アジアやインド、アフリカ方面の、ハードコアな環境がお似合いなんですけれども・・・

 

ただ、海外不動産セミナーを日本で開催する点でいうと、「ハワイの知名度、ブランド力」は、やはり外せない。これは実感しましたね。

また、「旅人としての私」でなく、「不動産投資家としての私」の目からみた場合、ハワイの知名度、万人受けする魅力は、もちろん検討に値するわけです。

 

今回、ハワイに行って実感したのは、「観光地としての総合力の高さ」です。

・観光
・グルメ
・海でのアクティビティ
・陸地(山など)のアクティビティ
・ショッピング

これらの要素が、オアフ島ワイキキ界隈を中心に、コンパクトに揃っており、老若男女、誰でも楽しめる、その懐の深さがハワイの良さでしょう。

 

ビーチの綺麗さだけなら、ハワイよりも沖縄、グアムの方が上かもしれません。ただ、グアムには海とショッピング以外の観光要素が乏しいし、沖縄でも、ショッピングの楽しい那覇・国際通り周辺と、ビーチリゾートホテルが並ぶ海沿いのエリアとが、物理的に遠く離れています。その点、ハワイなら全て近距離に揃っている。そして、何回もリピートしないと遊び尽くせない位のネタはある。

こういうオールラウンドな観光地は、日本周辺には、ハワイの他にあまりない。加えて、日本からの適度な距離感と、日本語が適度に通じて、しかも適度にアメリカンで海外旅行の気分も味わえる・・・

「憧れのハワイ航路」以来の、海外旅行の「元祖」としてのブランド価値、TVでの露出、芸能人が毎年ハワイで過ごす等・・・今も昔も日本人にとって、ハワイは「別格」な存在であり続けています。

そして、不動産投資先としての期待も「別格」・・・ハワイ不動産セミナー、ただでさえたくさん人集まりますから、それに相応しいクオリティのセミナーをお届けするよう、頑張ります。

 

今後のハワイ不動産セミナー

9/2(金)18:30~ 大阪

9/3(土)16:00~ 名古屋

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海外不動産の割安or割高判定法

こんばんはManachanです。

海外不動産投資の活動、もう長年やってきました。世の中、こんなテーマを続けてる奴は少ないので、いろんな方から、よく聞かれます。

「Manachan、今から海外不動産買うなら、ぶっちゃけ、どの国がオススメですか?」

そう聞く人の気持ちはよく分かるんですけど、でも「オススメの国はどこ?」と聞かれても答えるの難しいです。なぜなら、不動産はひとつひとつ違うから・・・

 

これがFXだったら、オススメの国は比較的答えやすいですよ。通常、独立国に通貨は一種類しかない。「タイ」なら「バーツ」だし、「トルコ」なら「リラ」だし、「南アフリカ」なら「ランド」だから。

「FXやるなら、どの通貨がオススメ?」と聞かれれば、その人がスワップポイント狙いなのか変動益狙いかにもよりますが、前者であれば「高金利の通貨」をオススメし、為替が相当動いてもロスカットされない十分な証拠金を積んでおくことをアドバイスします。レバレッジは25倍までかけられるけど3~5倍程度に抑えたいですね。

 

でも不動産の場合は、一つの国、一つの都市内に、それこそ無数に存在します。東京にはお宝物件もあり、同時にカス物件も多数存在しますが、それは海外都市でも全く同じです。

ハワイやニューヨークだから安心できる、ベトナムやフィリピンだから将来キャピタルゲインが狙えるとよく言われますが、それらの国・都市にどーしようもないカス物件は山ほどあるし、カス物件だと知らずに堂々と売ってる業者だってたくさんいるのです。

 

カス物件とは何か?それは地域の不動産マーケットと比べた時の相対的な概念です。たとえ「立地」や「物件状態」が他より明らかに劣っていても、ものすごく安い価格で買えればオーナーの腕次第ではお宝物件になるかもしれません。でも、次のような物件は、投資視点でみれば明らかにカスです。

・市場価値や地域の購買力と比べて割高な物件
・地域の居住ニーズに合わない間取りやデザインの物件
・コストをかけてバリューアップしたり、新たな賃貸経営手法を導入しても収入に結びつかない物件

 
私たちは、どの国・都市の不動産を狙うにせよ、カス物件をつかまず、お宝(になりうる)物件を賢く選んでお金を増やしたいものです。「カス・お宝判定」には、「国・都市レベル」より、さらにミクロな「所在区や最寄り駅レベル」のミクロな不動産マーケットの知識・理解が欠かせません。

では、どのように調査し、考えていったら良いのでしょう?私の提唱する一つの方法は

 

「物件所在地域の㎡単価を偏差値づけ」

 

偏差値は、中、高、大学受験で皆様にお馴染みの概念かと思いますが、大勢の生徒が受けたテストの点数を上から順に並べた時に、真ん中に来るものを「偏差値50」とする。そして、点数データの分布が「偏差値50」を頂点とした左右対称の山形で表示される(=平均点付近の点数をとる生徒が一番多く、そこから離れるほど生徒数が少なくなる)と仮定した時、次のようになります。

偏差値70⇒トップから2.3%
偏差値60⇒トップから16%
偏差値50⇒トップから50%
偏差値40⇒トップから84%
偏差値30⇒トップから97.7%

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これを不動産の世界に当てはめるとどうなるでしょうか?簡単な例を考えると、たとえば「駅からの距離に応じて物件価値が決まる」街があったとします。具体的には、首都圏郊外の通勤圏の駅(例.千葉県の船橋駅や柏駅)をイメージすれば良いでしょう。前提として、

・駅利用圏は、徒歩15分圏内のみ。
・15分圏内は、同じ密度で、びっしり住宅地が広がっている。
・他の駅の存在は考慮しない。
・駅からの距離が近いほど住宅坪単価が高い。

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その場合、

1)駅5分圏内に100戸あると仮定
2)駅10分圏内の面積は1)の4倍(2x2)だから、400戸ある
3)駅15分圏内の面積は1)の9倍(3x3)だから、900戸ある

⇒この街で、駅歩ちょうど5分の物件は、坪単価の高い方から数えて11%(900戸中100位、偏差値62程度)になる。

⇒この街で、駅歩ちょうど10分の物件は、坪単価の高い方から数えて44%(900戸中400位、偏差値51~52)になる。

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前置きが長くなりましたが、この理論を、実際の東南アジア物件に当てはめてみましょう。

バンコク都心部に「トンロー」(Thonglor)という、人気の高い駅があります。このエリアはタイ人の憧れの住地で、日本人もたくさん住んでいます。この駅利用圏内の売買単価は、

㎡単価 93,571バーツなら⇒偏差値50 (トップ50%)
㎡単価 139,234バーツなら⇒偏差値60 (トップ16%)
㎡単価 184,897バーツなら⇒偏差値70 (トップ2.3%)

 

このトンローの駅歩3分のところに、Urbitiaという物件がプレビルドで売り出されました。㎡単価は16万5千バーツ。その価格は地域相場からみて割高なのか割安なのか?

単価16万5千バーツは、トンローにおける偏差値60と70の中間くらい、順位でいえばトップ7%程度です。ですのでUrbitiaが地域トップ7%に相応しい物件であればOK、そうでなければ割高という判定になります。

単純に駅距離だけで考えましょう。実際、トンロー駅は駅15分くらいまでびっしり住宅地化されてますから、

駅3分(240m)圏内⇒面積0.18km2
駅15分(1200m)圏内⇒面積4.52km2

仮に駅距離に応じて資産価値が決まるのなら、駅ちょうど3分だと、「452番中18位」(トップ4%)に入りますので、「地域トップ7%以内」という上記の条件は満たしています。よって割高ではなく、適正価格(かえって割安)という判定になります。

(実際には駅距離だけでなく、築年数とか建物構造・グレード、賃貸相場などを見ていかなくてはなりませんが、タイの不動産をそのレベルで分析できるようになるには、もう少し時間がかかるでしょう。)

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タイ以外の不動産でも計算してみましょう。たとえば、ベトナム・ホーチミン市。9区とトゥードゥック区の境、あと数年後に完成する鉄道駅から徒歩3分の場所で建設中のコンドミニアムLavita Gardenの場合はどうか?

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㎡単価 658~687USドルなら⇒偏差値50 (トップ50%)
㎡単価 786~800USドルなら⇒偏差値60 (トップ16%)
㎡単価 890~943USドルなら⇒偏差値70 (トップ2.3%)

 

そのLavita Garden、平均の売出価格は786.44ドル/㎡でした。つまり偏差値60、地域トップ16%に入っていれば判定OKになります。

この物件は現時点はともかく、2020年前後には「駅歩3分の優良立地物件」になりますので、間違いなく地域トップ16%には入るはず。だから割安の今のうち買っておくのは良い、という判断になります。

 

今回紹介した「地域の㎡単価を偏差値づけ」という方法の他にも、「DCF法」とか、「グロス論」とか、いろんな手法で不動産の割安・割高を判定することができます。地域特性や入手可能なデータを考え、最適なものを選んでいけば良いでしょう。

今後は、海外不動産の世界にも「客観的数値に基づいた物件分析」がもっと一般的になり、人々が収益性の良い物件を選びやすい環境が整うようになることを願ってやみません。

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海外都市の治安と日本人バイアス

こんにちは、Manachanです。

普段、不動産という、人々の住まいに関わる仕事をしていると、当然、「治安」に関する人々の疑問や懸念に、答えていかねばなりません。たとえば、

 

「東京都○○区の治安はどうですか?」

「神奈川県の○○駅近くに引っ越すことになりましたが、関東は初めてなので、治安や住環境が心配です」

 

等々の質問について、自分はどう考えるか、また人々はどう考えているのか、答えていく必要があります。

 

また、私は海外不動産投資に関する活動も5〜6年やってきており、海外都市の治安に関する質問も日常的に受けています。

聞かれれば当然、私なりの視点でお答えはいたしますが、でも本心を言うと、「俺の言うことなんかアテにしないで、自分で答え探してね…

 

かくいう私も、これから訪れる土地の治安について、人の言うことをあまり参考にしません。治安に関心がないわけじゃないけど、でも「治安に関して、他人の感じ方と俺の感じ方と、当然違うわけだから、聞いたところで自分にとって意味のある情報にならない」と思うからです。つまり、自分で現地を歩いて、体感したことだけが、意味を持つと考えているのです。

 

そういえば、過去にこんなブログを書きました。

「治安」を聞いて何になる?

 

ところで、海外都市に関する治安情報は、日本人に聞く場合は、日本国内以上に割り引いて考えなければならないと思います。なぜなら、

 

– 海外都市に居住する日本人が、その都市全体の土地柄を俯瞰できるとは限らない。むしろ、日本人が多く居住するエリアに偏った発想をすることが多い。

 

以前住んでいた、オーストラリアのシドニーでも、こんなことがありました。

シドニーは、都心の東側が海、北側と南側が国立公園に囲まれた地形をしており、住宅地は西の方に、延々と広がっています。ざっくり言うと、シドニーセントラル駅から西側の広大な地域に、シドニー全体の4分の3位の人口が集まっています。私も地元民に混じって西の方に住んでいました。

一方で、シドニー在住の日本人は、都心から北側や東側に集まって住んでおり、西の方に住む日本人は相対的に少なかった。

そんな状況で、シドニーの日本人に治安を聞いたら、当然、「日本人バイアス」のかかった情報が多くなります。例えば、

 

– シドニーに住むなら、北か東がいいよ。日本人も多くて治安も良い、

-西の方は治安悪いからやめた方が良い…

 

シドニー在住の日本人の中には、日本人相手の商売(飲食や不動産)をする方々も少なくないし、これから移住してくる日本人を、自らの居住区に誘導した方が商売上も望ましいので、さらにバイアスがかかる。

 

でも、当時の私が疑問に思ったことは、「北や東が安全」、「西は危険」と言ってる日本人の多くが、西部にほとんど足を踏み入れたことがないんです。

西のこと、ロクに知らないのに適当なこと言ってミスリードするんじゃないよ」と、憤っていたものです。

 

西部でも、広大な地域に危ないエリアがぽつぽつ点在するだけで、大部分は暮らす上で問題ないし、シドニーで保険会社の掛け金が最も安い(盗難犯罪リスクが最も低い)地域も西部に多いのですから…

また、日本人向けのシドニー情報で、「治安が悪い」と名指しされた地域ほど、私の目から見てエキサイティングで素晴らしい場所が多いのです。

 

とはいえ不動産価値を考える上で「地域イメージ」は大事です。大した客観的根拠もないのに人々の「なんとなくのイメージ」が、1戸あたり何百万〜何千万円の差になることもあり、それは決して馬鹿にはできませんが、

 

自分や家族が転勤する、移住する、不動産を買う…といった大事な決断をする上では、人々の言うことを鵜呑みにせず、自分の頭で考え、自分の足で歩き、体感することが大事だと思います。

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どこに住みたい?どこで死にたい?

こんにちは、Manachanです。4泊5日ハワイ出張から無事帰国しました。

 

ハワイ訪問は、約15年ぶり。滞在中ずっと良い天気に恵まれました。素晴らしく快適で、本当にいいところですね。ハワイに毎年必ず行く人、ハワイに移住する人、たくさんいますが、確かに納得できますね。

 

ハワイは天国の気候。常夏で陽射しは強いですが、東の海から吹いてくる貿易風がひんやり涼しくて、東南アジアや東京の夏みたいにベトベト汗ばむような蒸し暑さにならない。それでいて風が適度な湿度を含んでいて身体にやさしい。ハワイの、あの「天国の風」に吹かれているだけで、ほんわか幸せな気分に包まれます。

 

ハワイは、海あり山あり、森あり滝あり、島あり、バラエティ豊かな大自然に抱かれているのはもちろん、ワイキキやアラモアナでは洗練された都会と消費文化が味わえる。食べ物も日本食を含めいろいろあって困らない。都会と自然のバランスがとても良いと思うし、同じアジア人が多く住む土地で日本語も適度に通じる、なおかつ英語圏だし、日本からの距離感も適度、地震や津波、台風ともほぼ無縁、米ドル圏なので投資もしやすい…多少物価が高いのが難点ですが、ここまでの好条件が揃った場所、他にないですよね。

 

言い換えれば、日本人にとって、海外旅行、ロングステイ、留学、移住、投資、ビジネス…選ばれる条件を全て兼ね備えた、オールマイティな土地がハワイだと思います。

 
「Manachanは、ハワイに移住したいですか?」

「日本脱出とか、考えないんですか。」

 

そんなことを、友人からよく聞かれます。
私は、それに対する明確な回答を持っておりません。

 
「ハワイはいいところだけど、移住とかは、特に考えてないなあ。それ以前に、私は常に全世界を動き回ってる人なので、どこかの土地へ定住するという発想自体がないんです。」

 

LCCとジャパンレールパスで日本中、世界中飛び回る、渡り鳥みたいなものですね。

 

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定住しない人だから、自分の居場所は、どこでも良いです。適応力や語学習得力に自信あるし、不衛生な環境でも気にならないし、何食べてもお腹こわさないし、治安の悪さにもかなり免疫があるので、世界中どこだって住めます。今月行ったハワイや台湾で楽しめるのはもちろん、先月行ったバングラデシュ、4月に行った北京やベトナム、マレーシア…どの土地でも十分楽しめます。

 

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世界中いろんな土地に行って住んでみると、いま住んでる日本は相当イケてる国だと思うので、日本脱出は今のところ考えてません。世界中回るのに日本パスポート便利だしね。

 
「好みとかはないの?」

 
どうなんでしょう?強いていえば、便利な都会が好きで、田舎は余り好きじゃない。メシのうまい土地が好きで、物価が安い方がいい…それ位かなあ。

 
私は基本、どこに居ても満足ですから、逆に私の居場所を、皆さんに決めてもらっても良いかもしれません。たとえば、

 
「これから、インドネシアの不動産マーケットが盛り上がりそうだから、Manachanに行って、現地調査してもらいたい」というのが読者の皆さんの総意ならば、私は喜んでインドネシア行って、インドネシア語を覚えて、いろんな街や島をめぐり歩いて不動産調査で良い仕事しますよ。

 

「これから、アフリカのセネガルが発展しそうで面白そうだから、Manachanに潜入レポートしてもらいたい」と皆さんが言うなら、私はセネガルに渡航して、フランス語覚えて、不動産物件の一つや二つ買って大家さんやってみて、Facebookやブログ、YouTube で現地からアフリカ大家レポートしますよ。日本に帰国したら「セネガル、ブルキナファソ、コートジボワール3カ国不動産徹底比較セミナー」やっても面白いかも。

 

 

シリアやソマリランドに行って欲しいと言われれば、さすがに考えてしまうけど…人々がまともに住めるところなら、まじで、どこでもいいっすよ。世の中、自分の都合や好みで移住先を決める人はたくさんいるけど、「マーケットのニーズで自分の移住先を決めちゃう」人は余りいないと思うから、そういう切り口で皆さんのお役に立つ仕事をして、糊口をしのいでいきたい。

 
あと一つ、考えるべきは、「どこで死ぬか?」ですね。私も人生の折り返し点過ぎましたし、終活、そろそろ真面目に考えなきゃと思いますけど。

 
「日本の地で死にたい」とか、「畳の上で死にたい」とか、私は別に思わないんですよね。

 
死というものは自分でコントロールできないわけで、坂本龍馬だって土佐の国じゃなくて京都の寺田屋で亡くなったわけで…そんな格好いい話じゃないけど、私は旅先、たとえばカンボジアの8ドルくらいの安宿で死んでも良いと思ってます。

 

 

不動産投資家にとって最高の死に方は、たぶん「ガン宣告されて、余命○ヶ月」と告げられることでしょうね。その数ヶ月の間に、保有不動産の処分や、遺産の分配についてじっくり考えて、アクション取れるわけなので…

 

 

その場合、私が死ぬ場所は家族にとって便利なところになるでしょうね。それが日本でなくても、どの国でも良いです。

 

でもまあ、死はまだまだ遠いと思うし、身体も自由に動くので、「いまを楽しく生きる」ことに専念したいと思います。

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台湾の物価と給料の不思議

 

おはようございます、Manachanです。台湾への日帰り講演出張から帰ってきました。

私にとって、とても思い出深い出張になりました。今回、私が演壇に立った場所は、台北の世界貿易センター(世貿)でしたが、この場所は、今から25年前、台湾への語学留学中に、私がアルバイトに通った場所だったのです。当時、玩具の会社を経営する台湾人の友人がここでブースを出してまして、私は会場設営やサンプル補充などのお手伝いしてアルバイト代をもらっていました。

25年前の台北は、今でいう、ベトナムのホーチミン市みたいなもんで、人々の移動手段はバイクと市内バスしかありませんでした。日々、ものすごい数のバイクが街に繰り出し、空気も悪く、私は排ガスにまみれながら278番のバスに乗って世貿のアルバイトに通ったものです。

今の台北は、地下鉄網が四通八達して、「台北101」みたいなランドマークもできて、大きく様変わりしましたね。

 

講演では、大勢の方に来ていただきました。とても楽しかったです。台湾のみなさんありがとう。

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ところで、ここ20~25年ほど、台湾に足を運び続けて、思うこと・・

台湾の物価は、不思議だ・・

 

なぜなら、

20年前には考えられなかった高級レストランやバーの類がものすごく増えた一方で、庶民の屋台フードの値段は20年前とほとんど変わらない。

 

いまの台北は、一食何千元もするようなオサレなレストランが星の数ほどあって、高度消費文化が花開いています。

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一方で、下の写真のような、屋台フードも健在で、こういう場所では、一食30元とか50元とかで食べられます。この類のメシの値段は、20年前とほとんど変わりません。

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散髪屋も、100元くらいの安いものが多く、これも、20年前とほぼ変わらない感覚です。

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台湾のモノの値段で、20年前と比べて、一番劇的に変わったのは、不動産価格でしょう。留学当時、私が住んでいた台湾師範大学近辺でマンションを買うと㎡あたり9万元と言われてましたが、今では100万元を軽く超えています。20年余りで10倍以上に膨れ上がったのです。

 

逆に、全然上がらないのは、人々の給料。私の留学当時、台湾でサラリーマンやって月給3万元もらえばまあ暮らせると言われていましたが、20年以上経った今でも、3万元以下の月給で働いている人が、たくさんいます。

昨日、台北市内の「カルフール」に食料買い出しに行った時、求人広告が出てましたが、提示されている給料のあまりの安さにびっくりしました。確か、月給2万2000元(71000円)、時給110元(370円)みたいな数字で、「20年前より、逆に下がってるんじゃないの?」と思いました。

で、ウェブサイトを調べたら、台湾カルフールのレジ打ちの給料は、16年前と比べて明らかに下がっているようです。

1999年 25,800元
2015年 21,000元

http://www.cmoney.tw/notes/note-detail.aspx?nid=42309

 

経済統計をみてみましょう。台湾の一人当たりGDPは、ここ20年で2~3倍になっています。私の留学当時は7500USドル位でしたが、今では22000USドルで先進国レベル。

【台湾の一人あたりGDP推移(1987~2016年、USドル換算)】

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台湾の消費者物価も、近年は上昇率がマイルドになっていましたが、それでも、ここ20年で1.5倍くらいにはなっています。

【台湾の消費者物価の推移(2011年=100)】

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これらを総合すると、次の仮説が導き出せるかと思います。

・ここ20年間、台湾の給料や物価が、極端に二極化してきている。

・経済成長の恩恵にあずかった人々は必ずいたはず。不動産オーナー、ビジネスオーナー、サラリーマンでも、ITとか外国語などのスキルを必要とする専門職の給料は上がってきたはず。

・一方で、経済成長の恩恵に全くあずかれなかった層も確かに存在する。単純労働者、社会人経験のない若年労働者などの給料は全く上がらず、かえって下がる傾向もみられる。

 

そう考えると、いま台北で「1食何千元もするオサレなレストラン」と「1食30~50元程度の屋台フード」が共存する理由も納得がいきます。

・何千元の食事代を払える層が確かに存在し、おそらく年々拡大している。

・一方で、50元以下の食事しかできない層も存在し、こちらも多分、年々拡大している。

 

私が講演した不動産博覧会に来て、海外に資産を置こうという人たちは間違いなく前者で、台湾や中国大陸の経済成長の波に乗って資産を増やした人たちですよね。一方で、そういう生活とは全く無縁な、安給料と生活苦にあえぐ台湾人もたくさんいる、ということだと思います。

 

最後に、台湾はすでに、日本と同じく「低成長、デフレ」の時代に入っています。20年前の台湾は、今のフィリピンやベトナムよろしく、年6%以上の成長を続けてきましたが、今では1~2%成長がせいぜいで、3%いけばいい方。中国経済減速の影響もありますが、直近の3四半期は「マイナス成長」かつ「消費者物価上昇率もマイナス」という、明らかなデフレ状態。

【台湾の経済成長率推移(1987~2016年)】

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すでに先進国レベルの所得水準に達し、のびしろが少なくなっているのと、日本以上のスピードで少子高齢化が進んでいること、電子部品以外に高収益を叩き出す産業が乏しく、中国大陸メーカー等との価格競争に巻き込まれやすいこと…これらが、台湾経済の重石となっているようです。彼らの悩みの多くは、日本とも共通しています。

台湾は日本と比べて国内市場が小さく、人口2300万人しかいない上に、月収7万円程度の低賃金労働者が相当数いる状況では、国内消費も盛り上がりにくい。今後は中国大陸やASEANとの貿易や投資で成長を追求していくのか?あるいは衰退を受け入れて、「経済成長しなくても人々がそれなりに豊かに暮らせる」社会を目指すのか?…日本と同じチャレンジに直面するのだと思います。

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トルコリラFX始めました

こんばんは、Manachanです。

 

早速ですが、私、FX会社の「サンワード貿易」さん主催のセミナーで講演することになりました。

 

7月6日(水) 14:00~ 東京金融取引所 (千代田区丸の内1-8-2 鉄鋼ビル8F)

セミナー説明、申し込みはこちら(画像をクリック)
      ↓

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サンワード貿易さんから、「セミナー講師お願いします」という依頼を受けたのは、5月後半のこと。私は、不動産界隈からの講演リクエストは多いですが、FXの会社さんからは初めてだったので、「これは、面白いかもしれない」と思い、すぐ返事しました。

同社のセミナー講師陣をみると、不動産界隈で名の知られた人も何人かいますね。間もなく、私がその末席をけがすことになるわけで…

 

セミナー講師の機会を与えていただいたのをきっかけに、サンワード貿易さんのFXもはじめてみました。私、FXをやるのは初めてで、まだトルコリラ1枚(約37万円相当)買っただけの初心者ですが、

 

・不動産賃貸経営者の視点からみて、トルコリラFXはやる価値あると思います。

 

なぜなら、

 

・トルコリラFXでスワップポイントを稼ぐことは、日本国内で区分マンション買って家賃収入を得るのと、感覚的にそう変わらないから

 

しかも、

 

・区分マンションで家賃収入稼ぐより、トルコリラFXでスワップポイント稼ぐ方が手間も少なそうだし、コストもかからない。

 

但し、

 

・トルコリラが暴落して、ロスカットになったら預け金が溶けてしまうリスクがあるので、そうならないように「最低限のリスク管理」が必要。

・私は、そのリスク管理をやる自信があり、納得づくでトルコリラFXを始めました。

 

やや専門用語が並んで分かりにくかったかもしれないので、不動産投資家向けに説明しますね。

 

FXとは、何でしょう?日本語でいうと「外国為替証拠金取引」というものです。FXを取り扱う会社の口座に「証拠金」というお金を預け、それを「担保」にして、より大きな額の外貨を取引できるのがFXです。

不動産の言葉でいえば、銀行に「自己資金」を預けて、それを「担保」にして、より大きな金額の「物件」を買う…それと同じようなものです。

 

 

私たち不動産投資家は、「自己資金10%で、90%融資引いて都内一棟アパート買ったぜ!」みたいな話を好みますが、これを言い換えると「融資を使って自己資金の10倍の物件を買った」わけです。その「10倍」という比率は「レバレッジ」(Leverage)と呼ばれますが、FXの世界でも「レバレッジ」をかけて取引するのが通常の姿。

現時点では、レバレッジは25倍までかけられます(自己資金比率4%・・ほぼ「フルローン」だよね)。FXトレーダーのなかには、高いレバレッジかけて、外貨の「売り」や「買い」の取引で上手利ざやを抜く方々がいますが、

私はそういうの好みじゃないし、不動産みたいに、「じっくり構えて、ゆっくり着実にお金が溜まっていく」スタイルを好むので、「売り」、「買い」のトレードをやる気は余りありません。

 

じゃ、そんな私が、なぜFXをやるのかというと・・・要は、スワップポイントを稼ぎたいからです。

スワップポイントは、不動産でいう「家賃収入」みたいなもので、FX口座で外貨を買っていれば、一日、一日と、確実に溜まっていきます。

でもって、トルコリラをやる理由は、今のところ、「少ない現金手出しで、効率よくスワップポイントが稼げる」からです。

 

なぜスワップポイントが溜まるのかというと、説明は難しいですが、あえて端折って言うと、「日本円のような低金利通貨で資金調達して、トルコリラのような高金利通貨に変えて運用して、得られた利益(金利差)がスワップポイントになる」と言ったら当たらずとも遠からずでしょうか。

言い換えると、「高金利のトルコで運用した収益を、日本円の金利に変えて受け取れる仕組み」といえるかな(分かりにくかったらごめんなさい)。

 

私は、複数の国で資産づくりをしています。通貨も日本円のほか、米ドル、豪ドル、フィリピンペソ、タイバーツ、英ポンド、人民元…いろいろあります。

ただ、使い勝手や安定性、国際的評価の高さという意味で、「日本円」に勝る通貨は、世界中に余り多くありません。強いていうなら、日本円を積極的に換えて持ちたい通貨は「米ドル」くらいでしょうか。

私は、日本円の良さや威力を知ってるので、せっかくの円を、トルコリラとかフィリピンペソ、タイバーツみたいな、新興国通貨に換える積極的な意味を見出せません(それやるのは、不動産買う時位かな・・・)

トルコリラの公定金利は7.5%だそうですが、円をリラに換えて運用する気は、余りありません。一旦リラにしてしまうと、ユーロや米ドル、円に戻すのもそう簡単ではないからです。

 

その点、FXの良さは、「円をリラに換えることなく、リラの高金利を(スワップポイントというかたちで)享受できる」ことです。サンワード貿易さんのFX口座は、外貨取引をしても最終的には「円」で引き出さなくてはならず、最初の頃はそれを不便だと感じていましたが、よく考えると、「円でしか受け取れないからこその良さがある」のです。

外貨を取り扱う取引ではあっても、結局、円で閉じた世界での話なので、本質的な意味合いは、「円での資産運用」になります。FXでスワップポイントを稼げば、銀行に預けるよりはるかに有利で、下手したら、都内の新築ワンルームを持って賃貸に出すより有利な運用ができるのかもしれません。ざっくり言うと、

 

レバレッジ25倍 → 年利回り(?)約15%

レバレッジ10倍 → 年利回り(?)約6%

レバレッジ5倍 → 年利回り(?)約3%

レバレッジ2.5倍 → 年利回り(?)約1.5%

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みたいな数字になります。ただ、レバレッジをかけすぎるとロスカットのリスクも増します。特に昨今は為替が乱高下しやすい環境なので、円・リラの適正な(私がマネージできそうな)レバレッジは、今のところ、3~5倍という気がしています。

まだやり始めたばかりなので様子見モードですが、慣れてきたらレバレッジ5倍で運用し、トレードもするかもしれませんが、スワップポイントだけで年3%の利益がコンスタントに出るようにしてみたいです。

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山で遭難した話

こんにちは、Manachanです。

北海道の駒ケ岳山中で行方不明になった7歳の男児が、6日ぶりに無事保護されたという、嬉しいニュースがありましたね。

男児失踪のニュースは日本中、そして海外でも大きく取り上げられ、大勢の視聴者が数日にわたりTV画面でハラハラドキドキしましたが、無事生還できて本当に良かった。親の「しつけ」と称する行動や、6日間にわたった捜索活動等に関して、いろんな意見がありますが、私は所詮傍観者なのでノーコメント。この親子が一日も早く静かな日常に戻れるよう、これ以上の報道は慎んで欲しいと願うばかりです。

とはいえ、「遭難」が我が身、あるいは家族の身に起こったなら、当然、傍観者ではいられませんし、一生忘れられない出来事となります。かくいう私も、1997年に山梨県の奥秩父山系で遭難し、一歩間違えたらあわや、というところまで追い込まれた経験があります。

 

忘れもしない、1997年4月下旬、ゴールデンウィーク前半の連休中。私は山歩き仲間と2名で、奥多摩・奥秩父の2泊3日山行に出かけました。登頂対象は雲取山(2017m、東京都最高峰)と、その西方にある飛竜山(2077m)。コースは次の通りでした。

1日目:三峯神社~霧藻が峰~雲取山荘(泊)

2日目:雲取山荘~雲取山~飛竜山~丹波(泊)

3日目:丹波~奥多摩~帰宅

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天候に恵まれ、1日目の登山は順調でした。2日目の朝も、まず幸先よく雲取山の山頂を踏破し、その足でさらに西方、4時間ほどかかる飛竜山に向けて、稜線を歩きました。

雲取山は首都圏でも人気の山で常に登山者が多いですが、ここから飛竜山に向かう道は人影もまばらで、道中、出会った登山者は10名にも満たない数でした。

4月後半とはいえ、ここは標高2000m近い稜線、日陰には雪が残り、アイゼンつけて慎重に歩き、思ったよりずっと時間がかかりました。飛竜山(2077m)に着いたのは午後1時をゆうに回り、そこで遅い昼食を摂りました。

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飛竜山からは、目的地・丹波(たば)の集落に向けて、10㎞を超える下山路があります。日没前に到着すべく、先を急ぎました。でも、その時に生じた「心の焦り」が、いま考えれば間違いのもとでした

 

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長い下山路、まず最初のピーク前飛竜(1954m)を超え、次の熊倉山(1624m)に向かう途中のどこかで、本来のルートとは違う、獣道に入ってしまったようです。

獣道は、見た目は立派な道で、そこが間違いだとすぐには気が付きませんでした。急斜面をぐんぐん下ると、だんだん道が細く、悪くなる。「おかしいな~道間違えたかな?」と思ったところで、時間はもう午後4時を回っています。もし本来の下山路でないとすれば、日没前に丹波の集落に着くのは不可能です。

周囲は、見渡す限り山、山、山…この世には山しかないのかと思う位。遠く下方に沢音が聞こえますが、そこに至る道はなく、急斜面すぎて下りる術はなさそう・・・そもそも平らな場所がなく、樹林も水場もない禿山の斜面。しかも間もなく日が暮れる。今日中に何もできないと思った我々2人は、寝袋に入って斜面に身を横たえました。

幸い、水と食料は数日分ありました。おそらく標高1500m前後の高地ですが幸いその日は暖かく、生命の危険は感じませんでした。でも、「俺たち、遭難しちゃったんだなあ・・・」、「ちょっとまずいかも・・・」という事実を、徐々に実感してきました。夜も更け、気温がプラス1桁台のなか、寝袋のなかで泥のように眠りました。

 

この夜、冷たい雨が降っていたらさすがにつらかったと思いますが、幸い、天気は晴れのままで、次の朝を迎えました。天は、我々2人に生還のチャンスを与えたのです。

日が開けると、昨日下りた急斜面を、必死に、よじ登りました。とにかく、稜線に出れば何とかなるの一念で、石や草につかまりながら登る。2時間ほど奮闘したでしょうか、ついに、熊倉山近くの稜線に到着!助かった!

その日は、結構な数の登山者、下山者がいました。人と会えたことが、とにかく嬉しくて、誰彼かまわず、息せき切ったように話しかけました。

稜線を下って、サオラ峠(1420m)の道標をみると、「無事、生きて、還ってきたんだ!」という実感がわいてきました。昼前には丹波の集落に到着。川魚バーベキューをして生還を祝いました。

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最後に・・・自らが山で遭難した心細さを知っているからこそ、今回の男児保護のニュースは、本当に心から嬉しい。「無事、還れてよかったね」…それ以外の感慨はありません。

私自身、あのアクシデントで、もしかしたら生還できなかったかもしれないと思う時・・・いま生きている有難さを噛み締めます。そして一日、一日を悔いなく生きていきたいと思うのです。

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お金大好き、お金儲け嫌い

こんにちは、Manachanです。

私は長年にわたり、不動産投資という、「お金」にかかわる活動をしてきました。ですので当然、「お金の話」は大好き。

 

「お金ほしいですか?」という質問に、Noと答える人は世の中ほとんどいないと思います。でも、「毎日、四六時中、お金の話をしたいですか?」と聞かれて、Yesと答える人はあまりいないでしょう。

私の場合は、「不動産とお金」の話なら、三度の飯より好き。それこそ、寝食忘れて取り組む人間なので、その点は世間一般からみれば変わっているのかもしれません。

 

ところで、人々の関心毎「お金」。それを稼ぐ方法は、いろいろあります。雇われて給料をもらう、事業で売上をたてる、不動産で家賃収入を得る、金融商品や事業投資で配当や利息を得る…等々。

そして、得られたお金の使い道もいろいろあります。好きなモノを買う、銀行に預金する、親や子供に仕送りする、海外旅行する、留学や研修などスキルアップに使う、事業を始めたり、不動産を買う元手にする等々…

 

私自身、どちらかといえば、「お金を稼ぐ・殖やす」方が、「お金を使う」より楽しいと感じる人間です。

もちろん、お金使うのも好きですけど、私ひとりの消費生活なら、そんなに多額は要りません。大阪から東京まで1800円の激安夜行バスに乗ったり、カンボジア出張で1泊8ドルの安宿に泊まったり、タイ出張でチュラ大の20バーツの学食たべて満足する人間です。舛添さんみたいな趣味はないので、つつましい消費で十分。

一方で、「お金の稼ぎ方」には、こだわります。私が楽しい、もしくは正しいと思う稼ぎ方しか、興味ありませんし、それ以外はやりません。

 

私が楽しいと思う稼ぎ方

・大好きな「不動産投資」に関わる仕事で稼ぐ。

・私の得意分野(不動産知識、多言語能力、調査分析能力など)を駆使する仕事で稼ぐ。

・好きな人、気が合う人とパートナーシップを組んで稼ぐ。

・海外不動産をキーワードとするコミュニティと共に仕事する。

・誰も取り組んだことのない、ニッチでパイオニアな分野で稼ぐ。

 

私が正しいと思う稼ぎ方

・私の仕事を通じて、お客様がお金を殖やしてハッピーになる。

・私の仕事が、不動産、資産運用にかかわる業界を、より賢くスマートにすることにつながる。

 

私はすでに人生折り返し点を過ぎ、残り時間が潤沢にあるわけではないので、お金のために、嫌なことを我慢することは、一切しません。また、嫌な奴、気が合わない奴と一緒に仕事することもありません。仕事や相棒を選ぶ自由くらいは、すでに手に入れておりますので…

負債な人間関係を切る (2016/5/26)

 

最後に、「お金」は好きでも、「金儲け」という言葉は好きではありません。

「不動産」と「儲かる」が相性悪い理由(2015/5/1)

 

私が地味なカルチャーの不動産投資家であることも影響しているのでしょうが、短期的な視点で「儲ける」という考えがそもそも嫌い。たとえ大して儲からなくても、不動産や資産形成に関わる仕事を長く続ける方が大事だと考えています。

私が2000名を超える投資家会員が参加するコミュニティの代表であることから、「お金のにおい」を敏感に感じるのでしょうか。日々、いろんな方から「一緒にビジネスやろうぜ」と誘われています。

ただ、そういうお誘いのなかで、「一緒に儲けましょうよ」という言葉を聞いた途端、私はひいてしまいます。一気に、やる気が失せてしまいます。

 

「儲かる」、「儲ける」という言葉を盛んに発していた人のビジネスほど、概して短命に終わっている。

逆に、欲をかかない人の方が、結果的に長続きしている。

…そんなケースを、もう嫌というほど、見聞してきましたのでねえ。

 

今この瞬間にも、私はいろんな業界・業種の方からアプローチを受け、面談アポも多数入ってます。話を聞くのはやぶさかではないですが、私の前で話す時、「儲かる」という言葉は禁句ですよ~。それより、「面白い仕事」、「世の中のためになる仕事」、「時代を前に進める仕事」みたいな話にした方がずっと効果的ですよ。

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負債な人間関係を切る

こんばんは、Manachanです。久しぶりのブログ更新になります。

私、3年半前の解雇を機に、自営業主になりましたが、この境遇になってよかったと思うことの一つは、「人間関係で我慢しなくてよくなったこと」ですね。

 

とにかく今の私は、人間関係は、好き放題。気の合う人間とだけ一緒に仕事しています。価値観や波長が合わなかったり、「うるさいな~」、「うざいな~」と感じる相手との関係は、容赦なく切っています。だから、経済的なプレッシャーは多少あっても、人間関係のストレスはほぼなく、毎日、自分らしくリラックスして、日々を送っています。

サラリーマン時代も、平均的な勤め人に比べると、結構、好き放題やってた部類に入ると思いますが、宮仕えの宿命として、「上司、同僚、部下は選べない」。

誰と一緒に仕事するかは、基本的に自己決定権はなく、勤め先の会社が決めます。波長の合う上司同僚だったらラッキーだけど、私の場合、そんなことは滅多になく、基本、嫌な奴とも表面上はうまくやりつつ、仕事でのパフォーマンスを上げなくてはなりません。

そして、サラリーマンは、客も選べません。私の場合、ITエンジニアで客先勤務が多かったですが、横暴な客、嫌味な客、低能な客、まじで大勢いました。ま、サラリーマンなので当たり前ですが、人間関係が一番の悩みの種という人はとても多いでしょう。

 

でもって、自営業主になってみると、

・客は、相変わらず選べない。でも、決済が終わったらバイバイできるからラク。

・仕事上のパートナー(≒上司同僚部下)は、自分の好きに選べる。

 

こんな気楽でストレスフリーな境遇を手にした私はもう、

・自分にとって財産な人間関係にだけフォーカスする

自分にとって負債な人間関係は、すぐ切る

 

これを徹底しています。要は、好きなことだけやり、好きな人とだけ付き合う。

 

もちろん、人間関係を切るにはエネルギーが要りますし、いろいろ批判も受けます。特に、自分に落ち度がある状態で関係を切る時、相手に申し訳ない気持ちになることもあります。

それでも、自分にとってメリットの乏しい、ストレスのネタになる人間関係をダラダラ続けるのは時間の無駄だし機会損失にもなるので、それをする位なら、相手に悪く言われた方がマシだと思います。

 

でもよく考えてみると、私がいまの好き勝手な境遇を手にしているのは、サラリーマン時代、「嫌な奴と仕方なく付き合う」経験をたくさんしてきたからかもしれません。世の中、嫌な奴、付き合ってても無益な奴がたくさんいて、そんな連中と時間を過ごす虚しさを散々味わったからこそ、「負債な人間関係は、すぐ切る」人生哲学が確立したのだと思います。

人生には、我慢が必要。我慢しすぎて身体や精神を病んでしまっては元も子もないけど、健全な程度の我慢であれば、特に若いうちは進んで経験しておくべきものなのだと思います。

 

子育ての場面でも、子供に我慢を教えることは必要ですね。先日、こんなやりとりがありました。

息子「パパは、PTAの仕事やることになったら、どうする?」

パパ「興味ないし、面倒くさいから、できるだけやらない」

 

…普段の「好きなことだけやる」態度が、本音として思わず、子供の前で出てしまいましたが、でもよく考えたら7歳くらいの子供に「面倒だからやらない」というのは、教育上良くないですね。「ボク宿題やりたくないからやらない!」と言い出しそうだし…

「嫌なことでも、やるべきことはやる」訓練を、子供も大人も、ある程度は積まなければなりません。それが一通りできるようになったら、いまの私みたいに起業して、経済的なリスクをとるかわりに、「好きなことだけにフォーカスして、好きな人とだけ組む」のも手かもしれません。

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