相談してね!新築ワンルーム購入の前に…

おはようございます。Manachanです。

アベノミクス以降、都市部の不動産取引が活発で、融資はそれに輪をかけて活況。「銀行や信用金庫の不動産業向け新規融資額が バブル期も超えて過去最高」という凄いニュースもありましたね。

 

我々不動産投資家は、「安く仕入れて、高く売る」のが基本スタンス。私は、いま日本の都市部での収益物件仕入れは「とりあえず一休み」してます。もっと値段下がれば勝負しますけど、今のタイミングで別に無理して東京買わなくたって、世界中に目を向ければ、不動産仕込みタイミングな都市がたくさんありますし…

そんな東京でも、値付け間違いとかで相場より超割安な物件が偶然出たらパクっと食いつきますけど、マーケット全体をみれば、いまの日本「価格は天井で今が売り時」という判断になりますね。

 

周りの不動産投資仲間をみても、最近は一生懸命、物件売って利益確定している段階。だもんで、いま割高感のある日本の収益物件を一生懸命買ってるボリュームゾーンは、彼らのような洗練された投資家ではなく、不動産リテラシーの低い素人だという類推が成り立ちます。昔から定番なのは、

 

・サラリーマンが融資受けて買う都市部の新築ワンルームや、新築シェアハウス

・地主が融資受けて買う、田んぼのなかの土地活用アパート

 

でも、日本の収益不動産の歴史を見れば、「目利きできないで買った収益不動産で失敗して死屍累々」⇒「投資家が安く買い叩いて高利回りで運用」⇒「時が経ち、皆が忘れた頃に、アベノミクスみたいな融資じゃぶじゃぶの時代が来て、収益不動産を高買いする人続出」…その繰り返しですから、

「情報の非対称性をネタに荒稼ぎする業者に、サラリーマンや地主が食い物にされる」、その構図を理解しないまま、売買契約書にハンコ押すべきじゃないんですよね。

 

新築ワンルームに関して、いくつかエピソードを皆さんと共有します。

 

・私が2008年1月に、福岡市中央区で買った築15年ワンルームの価格は366万円。これは1992年に、2200万円で新築で売り出されたものでした(83.7%値下がり)。

・私が2010年7月に、愛知県一宮市で買った築22年ワンルームの価格は191万円。これは1988年に、1230万円で新築で売り出されたものでした(84.5%値下がり)。

 

新築から、わずか15年とか20年で8割以上も値下がり!それを安く買った私はウハウハですが、新築時点で高く買っちゃったオーナーはたまらないだろうな。融資を受けて買ったらなおさら…

ワンルームマンションって、実需の人は買いませんから、中古で売却する時は投資家に売るしかありません。その投資家は利回りで購入判断をします。築が多少経っても、東京都心近くなら6%でも買おうとか、足立葛飾江戸川だと10%必須、愛知の一宮みたいな地方だと12%ないと買わないとか…

でも、ワンルームが新築で売り出される時は、いま都内だと4%を切るような値段で分譲されたりするでしょ?こないだ、品川区で3000万円前後で20㎡程度の新築ワンルームが、サラリーマンに飛ぶように売れたというニュースを見ましたけど、月額家賃が9万として、グロス利回り9万x12÷3000万=3.6%か…こんなの買っちゃって、10年後とかに売ると半値程度になるの当たり前だと私は思うんですけど…

 

こういうの書くと、我ながら気が滅入るので、少し良い話も、シェアします。

数年前、私がサラリーマンだった頃、仲の良い同僚が職場で、「今度、収益物件買うんだけど、見てくれない?」と相談してきたので、一緒にランチしながら資料を見ました。これが、「いかにも新築ワンルーム」なシロモノで、

 

・都内世田谷区の駅徒歩5分

・20㎡いかない新築ワンルーム

・売価2350万円

・想定家賃は月9万円

・信販系の年利2.9%位、35年のフルローン組んで、「自己資金ゼロ」で購入可能

 

添付の収支シミュレーションをみて、私は噴いてしまった…

 

・購入後35年間、全く空室ゼロ、運営経費ゼロ、家賃下落ゼロの想定で、

・年間キャッシュフローが、3~8万円という計算

 

私は申し上げました。「あのねえ、こんなのは資産形成でもなんでもないんだよ。買っちゃうと、お金が出ていくだけ、売りたくたって良い値段で売れないよ。世の中、サラリーマン食い物にして焼け太る業者いっぱいいるけど、君はそんな奴らの養分になりたいの?

私のその一言を聞いて、同僚は購入をやめました。めでたしめでたし。

 

いま思うに、買う前に、「私に相談」という行動をとった同僚の判断が優れていたのだと思います。私と知り合いだったということも含めて、これはある種の才能ですね。

世の中、そういう才能を持たない方が大部分なのでしょう。業者トークに乗せられて、高買いしてしまう人が多いからこそ、資産性のないワンルームが3000万円みたいな価格で流通してしまう。

 

私は、投資家の正義感に燃えるあまり、業者を名指しで非難する…みたいなことはしません。情報収集や判断を含めて、投資は、あくまで自己責任。相場より高い物件を掴まされるのも、自業自得。

私は割高な新築ワンルームなんて買わないけど、日本のどこかに買う人が相当数いるからこそ、経済が回っている部分もある。誰かが損して、誰かが得するゲームのなかで、自分はリテラシーとスキルを高めて利益取りたいよね、同じ考えの投資家とは一緒にやりたいよね、というスタンス。

 

最後に一言。あなたの大事な人が、とっても高い新築ワンルーム買っちゃいそうになったら、私のブログ記事でも読ませてあげてください。有名な、この歌を贈ります。

 

平松愛理「部屋とYシャツと私」

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♪~ロマンスグレーになって 冒険の人生
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不動産投資で、「冒険の人生」は選びたくないよね。

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