首都圏郊外、土地値築古アパートの選び方

こんにちは、Manachanです。今日は日本国内の収益物件ねたでいきますね。

週刊ダイヤモンドの「マンション上げ?下げ?大調査」、読まれた方多いと思いますが、面白かったですね。数年前に新築マンションを買って、値上がるエリア、値上がらないエリアの二極分化が進んでおり、かつ「有明vs東雲」みたいなミクロなレベルでも大きな差が出ていることが、とても興味深かったです。

 

私は千葉県柏市出身ですが、マンションのリセールバリューみたいな話題になると、一般論として千葉県はつらいですね。東京、神奈川はもちろん、宿命のライバル・埼玉にも水をあけられてしまいます。県内で元気良いのは本八幡(市川市)くらいで、松戸~柏の常磐沿線は全滅状態。

でも、地元民としてひとこと言わせてください。松戸市や柏市みたいな郊外で、「新築マンション買って、中古でリセール価格維持」みたいな考え方が、そもそも地域の実情や暮らし方に合わないです。最近、松戸や柏に越してきた方ならともかく、以前から暮らしてきた我々にとっては、「この辺住むなら、基本は土地付き戸建でしょ!」、「そもそも宅地がうなるほどあるのに、なぜマンションに住むの?」というのが正直な感覚。「マンションのリセールバリュー」という考え自体が、都会(東京)の感覚であり、郊外には合わないと思います。

逆にいうと、我々郊外民にとって、住宅の資産価値を保つには「土地付き」が基本。「所有権の土地」さえあれば、何とかなる。松戸市や柏市なら、バス便エリアでも戸建用地として十分な需要がありますし、更地の価格は将来も下がりませんから…どうしてもマンション住みたくて、かつ資産価値も気になる方が、新築買って良いのは「松戸駅、柏駅の徒歩10分圏内」のみ。あるいは、値が十分さがった中古マンションを買って住むしかないですね。築15年で1000万円みたいな激安ファミリーマンション腐るほどありますし、もともと安く買ってれば、値下がっても大した損失にならないですから。

 

最近、そんな「ザ・郊外」エリアで、土地値トントン、あるいは土地値以下の値段の築古アパートが、マーケットに時々出回るようになりました。特に多いのは、千葉県内の「松戸市、船橋市の新京成沿線」とか「京成本線の津田沼よりちょっと先」みたいな、首都圏の通勤利便性でいえば「中の下」くらいのエリア。他県でも、例えばさいたま市見沼区とか上尾市とか、神奈川の相鉄線の奥とか湘南の山の方などの郊外部で、そんな物件が多く出ています。

こういう物件、単純に「土地を買った」と思えばよくて、そこに「収益を生むアパートがついてくる」から儲けものだという考えがあります。大まかな考え方としてはそれで合ってますが、ひとつ注意しなくてはならないのは、

 

土地値(=実勢価格)で買っても、将来、いつでも同程度の価格で売れるとは限らない。

 

実勢価格とは、「エンド客が買う価格」とほぼ同義で、路線価から割り出す方法がよく用いられます。首都圏郊外では、だいたいこの位かな。

路線価÷0.8=公示価格

公示価格x1.2=実勢価格

 

例えば、松戸市あたりで路線価11万円/㎡の土地を買う場合、実勢価格は11万÷0.8x1.2=16.5万/㎡。つまり、坪55万円くらいの目安になります。

一般ピープル(エンド客)は、坪55万円の土地を40坪くらい買って(55万x40=2200万円)、そこに上物を建てて外構(カーポート、ブロック塀など)を整えた新築戸建を買います。上物・外構代の合計が1780万円とすれば、本体価格は2200万+1700万=3980万円。これで、松戸~柏エリアの平均的戸建住宅の出来上がりです。

いま不動産投資家が、松戸や柏で土地値のアパートを買うということは、最終的には、上のような「戸建ユーザー」を出口とするわけです。その土地が、地域の平均的な戸建サイズで、造成の必要もなく、すぐ上物建てられる状態であるならば、実勢価格近辺ですぐ売れるでしょうが、実際は、そうでないことがほとんどです。例えば、

 

・土地100坪付き(分割可能)、築古の1Kx10戸アパートが土地値トントン5500万円で売りに出る

・土地75坪(接道の関係で分割不可能)な土地で、築古2DKx4戸アパートが、土地値より15%安い3500万円で売りに出る

 

みたいなケースが多いですが、上記のような物件、私なら買いません。なぜか?

 

一つは、「グロス論」という考え方。松戸や柏あたりで、100坪の土地に新築住宅建てる人は、かなり少ないです。なぜなら、総額(グロス)がかかりすぎて、地域の一般ピープルに手が出ないからです。坪55万の土地で100坪だと、土地代だけで5500万。そこに上物建てたら、少なく見積もって7500~8000万円。それを、一般的な松戸市民や柏市民が買えるか?という問題。

松戸駅や柏駅、流山おおたかの森駅の徒歩圏なら、7000万円超の新築戸建もアリでしょうが、一般的な市内住宅地だと、高値の限界が6000万円程度になるので、彼らに100坪の土地は重すぎる。そこで、「50坪に2分割して戸建分譲する」ことになります。土地50坪なら、松戸~柏エリアの戸建としてはぴったりなサイズで、それができて初めて出口が見えてきます。

じゃ、50坪に2分割できるからといって、業者が実勢価格で買ってくれるかというと、また別の問題です。業者の立場からすれば、その土地を買った上に、「上物の解体処分費」、「分筆登記に必要な確定測量費用や登記費用」、「戸建2戸の設計・広告費用」をかけて初めて売り物になります。そこに利益も当然乗ってくるので、実際には実勢価格から2~3割も値引いた値段で買い値を言ってくることが多いでしょう。

 

もう一つは、「銀行の評価」。銀行は土地の価値を独自の評価で評価して、そこに掛け目を入れて融資額を算出しますが、郊外の土地は都心部と比べて、どうしても掛け目が厳しくなります。実勢価格に近い5500万円の評価が出ても、そこから7掛けした3850万円しか貸さない…みたいなことになります。最低1650万円は自己資金で出してください…となると、買える人が少なくなるので、その面からいっても、実勢価格で売るのは難しいのです。

とはいえ、土地を2分割できるのは不幸中の幸いです。上記の例「土地75坪で分割不可能な土地」というのは、さらに不利。戸建分譲するには中途半端に大きすぎるし、アパマン建てるには小さすぎる…地域の最適需要に合わないサイズゆえ、実勢価格で平米55万くらい出るエリアでも、結局、39万みたいな安い単価で叩き売られるのです。

 

そういう事情もあるので、「郊外で築古アパート買うなら、原則、土地値以下で買わなければならない」と私は思います。駅近立地とか、戸建実需にぴったりなサイズだったら、土地値トントンでも構わないと思いますが、そうでなければ、

 

・分割できる土地付きの物件を、土地値の1~2割引きで買うべし。

それ以下の価格で買えれば、投資として成功したも同然。

 

松戸~柏エリアで成功する、洗練された「松柏(しょうはく)インベスターズ」は、築古アパートを土地値以下で仕込んで、戸建で出口をとるのが基本。そこに、副産物としてアパートの家賃がついてくる、みたいなイメージですね。郊外で土地がある分アパート運営にはライバルどんどん増えて厳しいエリアですが、戸建用地としての需要は、将来もずっとあるので、土地としての売却価格から逆算して、安く仕入れるのが必勝パターンと思います。

逆に、区分マンション買ってリセールにはなじまないよね。それが成り立つほど都会じゃないんだし・・。

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講師にタダで集客させる会社って…

こんにちは、Manachanです。常夏のバンコクから真冬の東京に帰ったばかり、高温に慣れきった身体を気温差20〜30℃に順応させるべく苦闘中。しかも家族はインフルエンザ、でも仕事の関係で風邪もひけない。

休めない理由は、今週2本、セミナー講演の予定が入ってるから…仕事の多くは他人に任せられますが、講師だけはさすがに代わりがききませんので(以前、カンボジア不動産セミナーで頼んだ講師が、直前でインフルエンザで倒れ、大急ぎで講演資料切り貼りしてピンチヒッター登壇したことを思い出します…)。

 

講演といえば…主催会社から講師を頼まれるものと、アジア太平洋大家の会で独自企画するものと両方ありますが、ごく稀に、主催会社と私が大喧嘩して決裂することもあります。つい最近もこんな事件がありました。

その主催会社(A社)は金融投資商品を扱っており、隣接領域である不動産投資界にも顧客層を広げようとしています。そこで彼らが考えたのが、「不動産の世界で人気の講師を呼んでセミナーを開催し、そこに来る参加者を新規顧客にしていく」方式。当然、私にも声がかかり、昨年から何度か講演協力しました。

 

「セミナーで新規顧客開拓」モデル自体に問題はありませんが、これをやるには、二つの課題をクリアしなければなりません。

1)講師を見つけて、講演をお願いすること

2)集客できる人に、お客を呼んでもらうこと

 

「講演」と「集客」は、その性質からして全く別物ですので、主催会社が集客を担当し、講師には講演だけを依頼するのが通常の姿。主催会社に集客ノウハウがない場合は、新聞雑誌メディアに掲載するとか、ネット集客会社やアフィリエーター、ブロガーに広告を頼むなど、それなりの費用を払って集客することになります。

しかしA社は、「上記の集客費用を払わず、講師の知名度だけでセミナー集客してしまおう」と考えました。つまり、講師に「講演と集客」の両方をやってもらうわけです。例えば最近、

 

「セミナー集客数に応じた講師料」体系を打ち出したらしい・・

集客数0~4名 ⇒ 講演料 2万円

集客数5~9名 ⇒ 講演料 3万円

集客数10~29名 ⇒ 講演料 5万円

集客数30~39名 ⇒ 講演料 6万円

集客数40名以上 ⇒ 講演料 7万円

 

この手法は、私の知る限り、かなり異例です。一見合理的に見えて、個人的には、賢いやり方とは思いません。なぜなら、

・講演の内容はどうでも良くて、とにかく「人がたくさん呼べれば良い」という方向になりがち

・集客ノルマがある分、主催会社から講師に、やれブログで紹介しろFBのトップに載せろだの、矢のような催促になりがち。

・良質な講師ほど、それに嫌気がさして逃げてしまう。

・結果的に、このやり方に馴染むのは、「所謂セミナー屋」と「名前を売りたい無名講師」だけになってしまい、当然、セミナーのクオリティが落ちる。

 

「客呼べれば講師など誰でも良い」考えの主催会社と、講師の私が、ガチでぶつかったのは、つい2日前のこと。発端はこのメールでした。

 

A社「今回、弊社で在日中国人向けの不動産投資セミナーを開催したいんですが、鈴木さんのお知り合いで、不動産投資に積極的に取り組んでいらっしゃる中国人の講師の方をご存じでしたら、ご紹介いただけないでしょうか?」

私、これ読んで、私以外の人間がこの役をやるのは難しいと思いました。なぜなら、

1)日本に住んでいて、
2)中国人で
3)日本の不動産投資に積極的に取り組んでいて、
4)人前に出て、中国語で講師ができる人

という、4つの条件を満たす人は、私の交友関係でも滅多に居ないからです。逆に、2)の条件を外せば、私がその役を果たすことができます。そこで、こう返事しました

私「私が中国人向けに中国語でセミナー講演できますけど。台湾、香港、上海、北京、シドニー…何度もやってます」

そしたら、こんな返事が返ってきた。

A社「それは存じあげております。ただ中国人向けの集客ツールが弊社で持っていないものですから、中国人の講師の方のほうが中国人向けに告知いただけるかな、と思っておりまして・・もしいらっしゃったら教えていただければ幸いです。」

私、これ読んで、カチン!ときました。私が中国語で講師できるって言ってるのに、まだ、私以外の人間に頼もうとするからです。ぶっきらぼうな口調で、こう返しました。

私「私、中国人向けの集客もできますけど…」

そしたら、こんな返事が!

某社「では〇月△日のセミナーにも中国人を呼びいただけませんでしょうか?」

私、ここでブチ切れました。勢いで、こんなメールを書いた。

私「結局、御社が何がしたいのか、私がどうお手伝いすれば良いのかが、分かりません。私は中国人向けの講演ができる。中国人向けの集客ノウハウもある。この仕事を、もう何年もやっている。中国人のファンもたくさんいる…それが分かっているのなら、中国人向けのセミナーやるので、鈴木さんのお知恵を借りたい、っていうなら分かるし、喜んで協力しますが、でも最初から、私以外の中国人講師を紹介して欲しい、中国人向け集客ツールがないから私以外が良いと決め打ちで言われるのは正直、不快です。はっきり言って失礼です」

 

その後もやりとりしましたが、結局、決裂しました。「1.担当者の失礼な発言」、「2.講師を集客手段として利用する姿勢に賛同できない」、「3.私のビジネスや顧客満足につながらない」、3つの理由から、私は御社とはこれ以上仕事できないと宣言しました。

 

私の怒りが頂点に達したのは、このメール。

A社「ご無理を言うつもりはなかったのですが、我々が企画するセミナーでは鈴木様のご講演料よりも低い金額でご登壇いただいているかたがほとんどで、皆様、集客のご協力を熱心にしていただいていたものですから鈴木様にも同じようにお願いさせていただきまして、大変申し訳ございませんでした。」

私「そういう問題じゃないよ!専門家の講演を、集客のコスト&パフォーマンスで考えること自体が、そもそも間違い。だったら、ネット集客業者にでも頼めばいいじゃん。俺は集客マシンじゃないぞ‼︎あなたとはもう金輪際、やり取りしたくありません。別の担当者を立てて下さい。

 

講師として、「人寄せパンダ」の役を期待されるのは、本意ではありません。不動産投資のセミナー講演は、自分の投資体験や人生かけて編み出した手法を人様にさらけ出すことで、余人に真似ができません。良質な講師ほど、その内容に誇りを持っているものです。そこに、「集客数に応じた講演料」という考えはなじまない。要は「客呼べれば、講師は誰でもいい」、つまり、「自分が講演する理由が特にない」ということだから。

私、自分がやる理由のない仕事は、お引き受けしません。いくらお金積まれても、気持ちよくないし、時間の無駄ですから…

 

あと、セミナーのクオリティを上げたいのであれば、「講師には、講演だけを依頼する」、「集客は講師以外のチャンネルを使う」のが大原則だと思います。

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パタヤで「リゾート民泊」運用スタート

こんにちはManachanです。タイ出張もいよいよ最終日、日本へ帰国する同行者を横目に、私ひとり、重要なミッションのためバンコクを離れ、バスに乗ってパタヤに向かいました。そこで、

  •  私の買ったコンドミニアムの引き渡し
  • 「リゾート民泊」運用に向けて業者との打ち合わせ

を全て終え、充実感で心を満たしてバンコクに戻ったところです。

 

リゾート運営会社代表(インド出身A氏)とツーショット

 

コンドミニアムCity Center Resiences全景

 

部屋の引き渡し。北朝鮮出身ロシア人M嬢が笑顔でサポート

 

私の買ったCity Center Residenceという物件は、地元パタヤの中堅デベロッパーMatrix社が建てたものです。同社はパタヤに特化して15棟ほど建ててますが、そのほとんどを郊外のジョムティエン海岸やプラタムナック地区で建てており、

セントラルパタヤと呼ばれる市の中心地に建てたのは同社にとって初めてのこと、喜び余ってCity Centerという名をつけたようです。

 

だけど良く考えたら、「一応セントラルパタヤだけど、少し奥まった住宅地っぽい場所」で建てており、Base Condoみたいな本物の中心地に建つコンドミニアムと比べると立地が落ちるのは否めず、大通り(3rd Road)からの入り口も分かりにくいため、建つ前には、「こんな場所で、果たして賃貸運用や転売できるんだろうか?」と、正直不安でした。

パタヤに先だち、私はバンコクで所有するコンドミニアムを、日系の不動産業者に民泊運用してもらっていました(今では民泊できなくなり普通賃貸に切り替え)。しかしパタヤという場所では日系業者のプレゼンスがないため、完成数ヶ月前は、「パタヤで欧米人経営の民泊管理業者を早く探さないと、引き渡し受けても塩漬けになってしまう」と焦ったものです。

 

でも、救いの神は意外な国から現れました。その名は、「インド」。

きっかけは、2015年。インド人の富豪S氏が、City Centerを40戸まとめ買いして(すげー‼︎)、その運用方法を、バンコクで営業するインド系のホテル業者と旅行会社に打診したことに発します。

6ヶ月間のプランニングの末、ホテル業者が撤退し、旅行会社が残りました。同社代表A氏の提案は、「コンドミニアム総戸数3棟668戸のうち、半分以上の部屋を借り上げて、スケールメリットを生かした旅行者向け短期貸し」と 、「コンドミニアム付設のプールバー、レストランの運営」、「パタヤで各種ツアーの運営」…それにいたく感動した富豪S氏は、さらに40戸買い増して、全80戸のオーナーになりました(何という財力‼︎)。

 

私もA氏と何度か意見交換しましたが、彼の事業構想は、単なる「部屋をAirBnBに出して短期貸し」とは根本的に違う、旅行会社のノウハウを生かした統合リゾート運営であり、収益性も桁違いに良い。さらに、タイの法律上、違法にならない工夫も当然している。

あと試算を見ましたが、どんなに保守的にみても私の部屋の場合ネット15%は回りそうです。パタヤという立地と、旅行会社によるリゾート運営はCity Center Residencesの資産価値向上につながると期待でき、私は大いに賛同しています。

 

いま、City Center Residenceの引き渡しが続々と進み、A氏は日々、物件オーナーから借り上げ契約を取るため、パタヤにほぼ常駐している状態。かつ、リゾート運営に必要な物資の大量仕入れはバンコクで行うので、両地を行ったり来たりで大忙し。

彼が急ぐ理由は、リゾート民泊稼働を4月の「ソンクラーン休暇」に間に合わせ、利益を最大化する為です。それは当然、我々オーナーの金銭的利益にも直結します。

A氏に散々ケツを叩かれ、建築現場もこれまでのノンビリペースとはうって変わって、急ピッチで作業を進めています。タイ人は一見怠け者に見えても、やる気になればちゃんと帳尻合わせられる人たちなんだと実感。

これから民泊稼働すれば、いろいろなことが起こるでしょう。備品の破損紛失や近隣トラブル、最悪、法律が変わって、リゾート民泊運営ができなくなる事態も想定されますが、それもまあ、よかよか。タイ不動産オーナーを楽しんできます。

 

パタヤでリゾート民泊のオーナーになってみたい方、興味ある方は、私にご連絡下さい。

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バンコクでお値打ち物件を買う方法

おはようございます。Manachanです。タイ・バンコク出張、最終日の静かな朝を迎えました。

東南アジア新興国のなかで、タイは日本人のビジネス進出、駐在、旅行、ロングステイ・移住において、根強い人気を誇る国。首都バンコクは、東南アジアで(先進国シンガポールを含めて)、日本人の在住者が最も多い都市でもあります。

私は国際不動産ビジネスに関わっています。他の東南アジアの国では、不動産人気の浮き沈みが激しく、不動産投資先として人気の国はここ数年、マレーシア→フィリピン・カンボジア→ベトナムと、常に移り変わってきましたが、ひとりタイだけは分厚いファン層がいるため、他国ほど大きな浮き沈みはないという印象です。

 

東南アジアのなかで、日本から一番近いわけでもなく、英語圏でもないタイという国に、多くの日本人が魅力を覚えるのはなぜなのか?

タイに魅力を覚えるのは欧米人も一緒。白い肌をした人たちが、大勢、タイ各地に暮らしています。英語が通じやすい国とはいえないのに、なぜか?その理由として、彼らがよく言うのは、「暖かい気候、安い物価、生活利便性や医療水準の高さ、食の魅力」等々。要は「物価が安い割に、便利な近代生活ができて、メシもうまい」のが良いのだと…

日本人にとっては、これに加えて、「タイ人の国民性や、宗教観」も大きな魅力であり、文化的な親近感を感じさせる要素なのだと思います。

 

私もタイ(特にバンコク)が大好きで、この3年間で10回ほど来てます。仕事柄、いろんな国・都市に行きますが、行き先はやはりバンコクが一番多いかな。

不動産投資の面でも、いま基本的なスタンスは「新興国の物件は手じまいして、先進国の物件にシフト」ですが、新興国のなかでタイだけは、物件を増やしています。今日も午後から、パタヤで買ったコンドミニアム引き渡し、エアビー業者との詳細打ち合わせを予定しています。

タイは東南アジアのなかで、賃貸利回りがそう高いわけではないし、値上がり幅もベストではない、法制度面でも問題はまだ多く、近隣諸国と同様、住宅過剰供給の問題を抱え、人口も停滞し高齢化しつつある国ですが、それでも物件増やしているのは、単純に、タイが好きだからです。

フィリピンやマレーシアと同様、タイで不動産持っていると、日本ではありえないレベルのいろんな問題は起こります。でも、他の国で起こったら腹が立つのに、タイで起こると不思議と腹が立たないのです。その意味で、「海外の実物不動産投資は好きな国を選ぶのが大事」なんだなあと実感します。

また、「すでに都会でありながら、まだ開発・発展の余地が多いバンコク」に、不動産投資家として魅力を感じる面も大きいです。

 

タイ国内、特にバンコクで収益不動産買いたい日本人の方は、常に一定数以上います。でも海外なので、日本国内と比べて「情報の非対称性」が非常に大きいです。バンコクで暮らし不動産に興味ある方にとっての「常識」が、日本にはなかなか伝わらない、ないしは「大変歪んだ形で伝わってしまっている」ことが多い。

日本国内における、バンコク不動産に対する一番大きな誤解は、「バンコクの不動産はすでに高すぎる」…

 

いま日本のセミナーで販売されているのは、バンコク都心部、㎡単価15万バーツ以上の物件が多い。例えば、日本で誰もが知ってる財閥系不動産大手が、タイの不動産大手と組んで手がける物件の多くがその価格帯です。いま為替が1バーツ=約3.3円ですから、㎡単価15万バーツは、円換算して50万円/㎡。坪単価にすると170万円ですね。

最近販売開始された、バンコク一等地(トンロー、プロンポン、アソーク等)の高級コンドミニアムは㎡単価30万バーツ超えも珍しくありませんので、そうなると坪単価340万円超。東京都内の便利な場所とそう変わらない値段。

「バンコクで物件買うと、日本人駐在員を入居ターゲットにできますよ~」、これをセールストークにする物件も多い。駐在員が賃貸する物件は、どんなに狭くとも最低20坪は必要ですので、

「㎡単価15万バーツ→坪単価170万円x20坪=3400万円」…これがバンコク不動産の実質的な最低ラインだと思い込んでる日本人が多い。でも、それは大きな誤解です。

 

バンコクは、東京とよく似て、同じエリアにごちゃごちゃと雑多な要素が入り乱れる都市です。貧富の差は大きいけれど、お金持ちと庶民の居住エリアがそう明確に分かれているわけではありません。例えば、東京の麻布・三田界隈に何億円もする高級マンションがあって、そのすぐ隣に老朽化した木造家屋や賃貸アパートもあって混在している…それと同じことが、バンコク都心近くの各地区でも起こっています。

それに加えて、バンコクは「暑い国で人々が歩かない文化」、「都心近くでもクルマ社会、渋滞もひどい」、「住民の収入格差が非常に大きい」、「都心部は東京以上に国際社会」、「日本以上に、人々がブランド好き」など、いろんな要因が重なるため、同じエリア、同じ最寄り駅でも住宅の売買・賃貸価格に大きな価格差があります。例えば、

 

・BTSの鉄道駅近くで、平米単価30万バーツで売り出し中の大手デベロッパーのコンドミニアムのすぐそばに、築2年の比較的キレイな中古住宅が、平米10万バーツで取引されている。

・鉄道駅からの距離が同じ徒歩5分でも、北側では平米20万バーツ以上の高額物件が即日完売するのに、南側では10万バーツ以下でも全然売れない。

・同じコンドミニアム、同じ棟でも、30平米のワンルームなら坪単価15万バーツで売れるのに、55平米の2ベッドルームは坪12万バーツ以下でも売れない。

・都心近くで大きな瑕疵もないのに、平米単価5万バーツを割るような激安物件も、市場に出回っている。

 

個別の物件や間取りによって、なぜそこまで大きな格差が出るのか?駅距離、クルマの利便、デベロッパーのブランド価値、ターゲット住民の収入属性、共用施設、グロスの価格帯、ローカルな需給状況…様々な理由があります。投資家として押さえておくべきポイントは、

・バンコクでは、3000万円以上の物件もあれば、300万円以下の物件もたくさんありますよ~。

・1000万円以下の物件は、手数料取れないから、日本人の業者はまず紹介しませんよ~。

・でも、1000万円以下でも、都心近くで良質な投資物件も探せばたくさんありますよ~。

・タイにも不動産相場があって、それより割安だと思えばタイの皆さんがすぐ買ってしまいますよ~。

 

バンコクは、都心部を中心に不動産価格が上がり、賃貸相場の伸びはそれなりなので、結果、利回りがどんどん下がっています(都心近くでグロス3~6%)。特に、平米30万バーツ超みたいな高額な物件を買う場合、それ以上の価格の伸びが期待できるかどうかは一般論として疑問です。「いま買えばどこ買っても値上がる」段階ではなく、勝つエリア、負けるエリアの二極化も進んでいるため、物件選びで間違えないためには、見極め能力が大事になってきています。

そんなバンコクで、良い投資物件を買うには、どうすればよいか?私の意見は、「需給バランスと商品特性と購入ターゲット」を考えつつ、「エリアを絞って定点観測」すること。「いろんな物件、売買事例を見た上で、相場より割安だと思えば素早く飛びつくこと」だと思います。要は、洗練された不動産投資家が、日本国内の収益物件探しの際にやると同じ行動を、バンコクでやればよいのです。

 

どのエリアに絞って定点観測すればよいか…それは、予算で決めればよいと思います。

・3000万円以上出せるなら、都心一等地(アソーク~エカマイ、シーロム~サトーン等)

・予算が1000万円台なら、都心近くで次の勝ち組になれそうな場所(オンヌット~ウドムスック、ラマ9等)

・予算が数百万円台なら、タイ人ローカルに需要のある地味な場所(ラムカムヘン、シーナカリン、ノンタブリー等)

 

加えて、大事なポイントは、

・相場より割安な物件は、収益物件として優れているけど、タイ人がすぐ買ってしまう。

・それを外国人が買うには、ハンディがある。逆にいえば、外国人が買いにくい物件ほど、良い物件である可能性が高い。

 

近い将来、「アジア太平洋大家の会」で、こんなセミナーを企画できればいいなと思っています。

バンコク「買えない」良質物件セミナー 

 

その心は、

相場より割安ゆえタイ人がすぐ買ってしまい、日本人に今すぐは販売はできないけど、近い将来、転売が出た時に買えるかもしれないお値打ちな収益物件を集めて、紹介するセミナー。幸運にもお値打ち物件のオーナーになれた方には、日本語で管理もばっちりできますよ~。

 

そういうセミナー、興味ありますか?「すごく興味ある、是非企画して欲しい!」という方は、その旨、私までお知らせくださいね。

最後に、ポッドキャストで、タイ・バンコクの不動産事情について音声で解説しましたので、興味ある方は是非、聞いてください(無料です)。

 

タイの不動産事情についてーその1

goo.gl/cDw8UQ
タイの不動産事情についてーその2(私も登場します)

goo.gl/Z1nMZs

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台湾訛りですが、何か?

 

おはようございます、Manachanです。いまマレーシアのクアラルンプールで乗り継ぎ中。今回は久々の語学ネタです。

昨日、1月28日は旧正月。中国でいう「春節」でしたね。私、縁あって「春節晩会」というパーティーに招待されました。ここに集まったのは、中国語教育で有名な相原茂先生を中心とする、教育界、出版界つながりの方々が多く、普段、不動産や投資ビジネスな方々とつるんでいる私にとっては、軽いカルチャーショックというか、良い意味で異業種交流ができた気分です。

NHK中国語講座などで人気の段文凝さんもいらしてました。近くでみると、女優さんみたいにきれいな方ですね。皆、彼女とツーショットの写真撮ってました。

基本的に、中国語学習とか研究というキーワードで集まった方々でした。こういう集団のなかで中国語というテーマを語る時、私は軽い違和感を覚えます。

それは、私の話す中国語に強い台湾訛りがあって、それがどう解釈されるかが、学術教育界の方々とビジネスマンとで大きく違うからです。

私は大学時代、台湾に留学して中国語を覚えました。留学中に台湾出身の彼女ができて、そのまま結婚してしまいました。今は二児の父となり、家庭では日々、妻とは台湾風の中国語で話しています。

こんな環境に居るから、私が中国語を話すとバリバリ筋金入りの台湾発音になります。関西人同士で結婚して家庭内会話がモロ関西弁の方々が関東に住んでもなかなか東京弁にならないのと同様、私と妻は中国大陸(大連)に数年住みましたが台湾アクセントは抜けません。たぶん一生直らんでしょうし、直す気もありません。

台湾訛りを意識していても、中国語での意思疎通やビジネスで別に不自由しないから、直す必要性を感じないんですね。あと文化的な劣等感も皆無。そもそも中国大陸で、台湾独特の発音や語彙は「かっこいい」と思われることが多いですから。

(あと、俺ら台湾の訛りは、少なくとも香港の連中が話す広東語訛りよりは断然、北京標準語に近くて通じやすいと思うし。)

台湾人が中国大陸各地で事業を展開し、鴻海や奇美電子、BenQ、統一食品といった台湾企業が大雇用主になってる今日、中華圏のビジネスシーンで台湾発音の中国語が揶揄されたり問題視されることは、私の知る限り、ありません。

しかし、教育学術という分野になると、また別の力学が働きます。日本人というノンネイティヴに中国語を教えるわけですから、広い中国のなかから「標準語」を選ばなきゃなりません。そして教育の必要から、標準語の発音や言い回しにこだわる必要が出てきます。

日本で中国語ラジオ講座とかに出てくるネイティヴの先生って、たいてい北京とか東北地方の出身者が多くて、台湾とか香港出身の人を余り見かけないのも、「北京標準発音」を打ち出す必要性から来ていると思います。

これまで会った中国語の先生のなかには、私の台湾訛りを問題視して、矯正しようとする方もいました。「你的发音要改一改」(君の発音直した方がいいよ)と言われたこともありますが、さすがに違和感がありますね。

私はビジネスマンだから、実用で通じりゃそれでいいじゃん、わざわざ直す必要ないじゃん、という感覚です。

そういえば英語だって、私の場合オーストラリアで覚えたから、英国や米国からみればやはり訛ってるし、当然自覚もしてます。でも英米人と問題なく意思疎通できるわけだし、英語なんて特に、ノンネイティヴ同士の意思疎通に使われる世界共通語なんだから、中国語以上に「通じれば、それでいい。発音なんて二の次」だと思います。

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海外不動産レスキューのお仕事

こんばんは、Manachanです。いつもご愛読ありがとうございます。

いま羽田空港から、マレーシアに向けて飛ぶところ。最初の目的地は同国南端の都市ジョホールバル(Johor Bahru, 略してJB)。渡航の目的は、「JBで不動産を買い、いま入居付けや転売に苦労している会員のための、救済策の模索」です。

シンガポールに隣接、極めて戦略的な位置にあるJBでは、2010年以降、夥しい数の住居物件が供給され、日本人を含め外国人が何千戸、何万戸と買ってきました。でも悲しいかな、新興国の常として、購買・賃貸需要の見極めが十分ないまま、1プロジェクトあたり10000戸みたいなアホみたいに過剰な供給を各社が繰り返した結果、「住民いない、店舗も入らない、夜は真っ暗」廃墟コンドミニアムが各地に出現、今や「東南アジア不動産のやばい部分」を凝縮したような都市となっています。

マレーシア第2の都市・ジョホールバルが「廃墟化」するこれだけの理由…

でも、JBという街自体は、昔から個人的に好きなんです。大学時代以来、旅行で仕事で、6~7回訪れてます。きれいに整備され無菌状態みたいなシンガポールからJBに来ると、旅人としてはホッとしますね。国境の街特有の猥雑さが何ともいえず、良い感じ。食事や宿泊費はシンガポールの3分の1。ローカルな安メシがとにかく旨い。カレーラクサとか福建麺とか肉骨茶とか、シンガポールと同じメシ食っても、味はどう考えてもJBに軍配があがる。勤め人時代、シンガポールには、10回近く出張に来てますが、自由時間あれば国境超えのバス乗ってJBに行ってましたね。それ位好きな街です。

不動産投資の面ではいろんな問題がありますが、街自体は年々、発展してきているのは間違いないところですし、将来が楽しみなアジアの都市ですね。

JBでは、日本人オーナー向けの賃貸管理を頑張ってる会社の管理物件をいくつか見てきます。マレーシアリンギットの為替も安く、JBの不動産価格も下がってきている昨今、物件をちゃんと見極めて、しっかりした管理会社を見つければ何とかなるかもしれない…何とか、日本人オーナーが成功できる道を見出したいです。私の好きな街だから、日本人オーナーと幸せな関係をつくっていきたい。

ところで、私は「海外不動産にフォーカスした大家・投資家コミュニティ」というコンセプトで、「アジア太平洋大家の会」を、6年前に立ち上げました。

この6年間、日本各地で、海外不動産物件の紹介・販売セミナーをやってきましたが、今では活動内容の多様化・深化に伴い、「場を提供してセミナーやるだけでは不十分」だと感じています。なぜか?

創設当初と、今とでは、何が変わったのか?…一番重要な変化は、会員のなかで海外不動産オーナーが増えたことです。

すでに海外不動産を持ち、運営している人に対しては、販売サポートとは別次元のサポートが必要で、それが、切実に求められています。典型的なものは、

1)海外で購入した不動産の権利面に関するサポート(権利面チェック、登記手続き)

2)海外で購入した不動産の管理に関するサポート(入居付けできる管理会社、エージェントの紹介)

3)海外で購入した不動産の売却に関するサポート

海外物件買ったはいいが、業者から十分なサポートを得られず、言葉の壁もあって困っている会員がたくさんいます。そんな彼らのために、自ら海外出張してレスキュー・オペレーションをやることがあります。

昨年10月には、マレーシアの首都クアラルンプール(KL)で、会員所有物件の登記手続きと入居付けを、わずか2日の出張で全て成功させたことがあります。私に相談くる前、どんな状況だったのかというと

・会員がKL都心部に所有するコンドミニアムは、もともとホテル運営を行っており、定額の保証賃料が毎月振り込まれる状況だった。その収入で、ローンの返済をまかなっていた。

・しかし、そのホテル運営が急遽中止になり、空室になり、定期収入を失ってしまった。

・同時に、登記手続きも、実はまだ完了していないことが発覚。マレーシアの弁護士事務所や管理会社から、いろんなメールが来るも、十分理解できずに苦しんでいた。

困り果てていた会員から事情を聞いた私は、こう言いました。

一緒にマレーシア行けますか?2日くらいあれば、何とかなると思います。

この場合、会員がマレーシアに行かず、私に全て任せしても全く意味はありません。物件オーナーとして、当事者として、自らマレーシアに飛ぶ、そこに私も同行して現地の方々とのコミュニケーションをサポートする…そのモデルなら、一気にいろんなことが解決できます。

依頼を受けて、私が渡航前に何をやったかというと、

– 弁護士事務所、管理会社とのアポとり
– 入居づけできそうな現地不動産エージェントとのアポとり

渡航後は、現地で我々が動ける日を2日つくりました。その間に、空室になった部屋の内見、弁護士事務所でのペーパーワーク、エージェントとの管理契約締結、銀行口座の凍結解除など、すべてやって、帰国しました。

結果的には大成功でした。

渡航2週間後に入居づけに成功。家賃入金も確認。

登記も無事完了。

今後も、リクエストに応じて、会員の皆さんの海外物件レスキューでお役に立ちたいで

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仕事をラクにするために

こんにちはManachanです。8日間の欧州出張からようやく帰国しました。実際の日数よりもずいぶん長く行ってた気がするなあ。

特にドイツへは、ここ3か月で3回も往復してます。今回は、ドイツに加えてポルトガル、スペインも回りました。私は「アジア太平洋大家の会」を名乗ってますが、欧州はもはや「アジア」でも「太平洋」でもない。そのうち、「アジア大西洋大家の会」に改名したりして。

欧州行きの仕事は(北米もそうだけど)、片道10時間を超える長距離移動の上に、時差もあるからきついんですよね。例えば、スペインのバルセロナあたりで搭乗手続をしていると、日本まで「乗継含めてあと17時間もかかるのか」と思うと気が重くなるし、「俺たち、身体張って仕事してるよな~」とつくづく思う。

欧州ビジネスは幸い、軌道に乗りつつあります。盟友・市川隆久氏と組んで仕掛けた「ドイツ収益不動産の日本向け直売サービス」は久々のヒット企画になり、今後も息の長いお付き合いになりそう。ポルトガルのリスボンでも良い投資案件を仕入れることができ、これからますます忙しくなりそうです。

これは喜ばしいことであり、同時に「悲鳴」の種でもあります。ドイツもポルトガルもスペインも、今のところは私の属人的能力(多言語能力や不動産知識)を使って推進してますが、我が身はたった一つだし、家庭もあるし、日本~欧州間の暴虐的な距離・時差を考えると、いつまでもこんなこと続けてられない。移動だけで身体がキツイ欧州の仕事は、近場の中国・東南アジアの仕事とは全く違う。

欧州ビジネスを伸ばしながら、私がラクになるには、どうしたら良いか?世界中を舞台とする仕事と、円満な家庭生活を両立するにはどうしたら良いか?…いろいろ考えるわけですが、結局は、この一言に尽きると思う。

欧州に、私の代わりになるスキルを確保する

 

具体的にいうと、

・欧州内に在住・在勤で、
・日本投資家相手のツアーアテンド、Q&A対応ができて、
・現地パートナー企業とのやりとりや、法務・税務などの調査ができる

業務の内容・レベルを考えると、まぎれもなくプロフェッショナル・レベルの仕事になります。

・ビジネスレベルの日本語、英語は必須(あと、大陸欧州の言語も一つできた方が良い)
・不動産や投資、関連税務・法務の知識も必須
・日本のビジネスマナーや、顧客サービスのマインドセットも必要

そういう優秀な人材に、いかにして出会えるのか?どうやって採用するのか?日本から遠隔でどうマネージするのか?…簡単ではないですが、人材の問題を解決しないとビジネスは伸びないし、やるなら早く取り組んだ方が良い。おそらく、短期的には、

「現地で日本語の通訳アルバイト + 私or市川さんが出張ベースで対応」というかたちになるでしょうし、

長期的には、

「日本で優秀な人材を正社員として採用し、欧州に常駐させる」
「現地採用の社員と組み合わせて、ビジネスオペレーションを確立する」

ということになるんでしょうね。あと何年かかるのかな?いずれにせよ、事業の発展に合わせて、経営者としてやるべきことはやります。

昨晩、妻と「仕事と家庭の両立」について本音で話しました。娘の不登校問題もくすぶるなか、父親として、日本を長く留守にするわけにもいかない。でも、欧州ビジネスは伸ばしたいし、お客様の期待も大きい。だから、

・私が居なくても回るような現地オペレーションの構築をはじめている
・でも時間とお金の制約があるなかで徐々にすすめているので、軌道に乗るまでには多分1年くらい時間がかかる

それを話して、おおむね納得してもらいました。仕事でも家庭生活でもうまくやりたいですもんね。

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ドイツ、ポルトガル、スペインの考察と活用法

こんにちは、Manachanです。ドイツ3泊、ポルトガル3泊、スペイン1泊、合計1週間余りのヨーロッパ出張のメニューを全部終え、スペイン・バルセロナから、長い帰国の途につきます。

ドイツでの不動産ツアーアテンドに加え、ポルトガル・スペイン市場の新規開拓ミッションを、ギリギリの日程で詰め込み、休む間もなく動き回ったので、正直、疲れがたまってますが、その苦労を上回る、素晴らしい出会いとビジネス上の収穫がありました。

ヨーロッパで仕入れた膨大な情報を、私なりに消化して、今後数か月かけて、日本の皆様にお伝えしていくわけですが、話を分かりやすくするために、今回訪問したドイツ(ライン・ルール地方)、ポルトガル(リスボン)、スペイン(バルセロナ)、各地域の特性を一言で解説し、それぞれ、不動産視点からみた活用法を考えてみます。

 

ドイツ(ライン・ルール地方)は、欧州製造業の中心地、日本でいう「愛知県&東海地方」のイメージ

大陸ヨーロッパの経済中心地として、誰もが認める存在が「ドイツ」。そのドイツのなかでも、産業が特に盛んな地域は首都ベルリンではなく、「ライン川流域」。今も昔も、ずっとそうです。

ドイツの父なる川・ラインの両岸には、支流も含めると、シュツットガルト、ハイデルベルク、フランクフルト、ヴィ―スバーデン、ボン(元首都)、ケルン、デュッセルドルフ、デュイスブルクなど、様々な領域で世界的競争力を誇る産業都市が並び、日本の「東海道ベルト地帯」を彷彿させます。

そのなかで、金融都市フランクフルト、ベンツやポルシェの本社があるシュツットガルトの知名度が高いですが、我々が不動産買付ツアーを行うライン・ルール地方(デュッセルドルフ~デュイスブルク)も、19世紀の昔から炭鉱や工業で栄え、仕事を求めて欧州中から労働者が住みついた場所。その関係で、ドイツのなかでは飛び抜けて外国人に寛容な、コスモポリタンな地域です。人口規模も密度もドイツで最大。

逆にいうと、ドイツは「働く場所」であって、「観光する場所ではない」…それが、ヨーロッパ中の共通認識でしょう。天気は陰鬱で寒い、食事のバリエーションは乏しい、観光資源も隣国に比べて見劣りする。フランス人やイタリア人がドイツにバカンスに行くことはまずないし、当のドイツ人からして、ドイツ国内で遊ぶ発想があまりない。休暇とれば陽光あふれるイタリアやスペインに行きたくて仕方ない人々なのです。

EU統合してから、ドイツの経済中心地としての地位は上がりました。欧州の他国に行くと、ドイツ銀行の支店がどこにでもあり、ドイツ車と、ドイツ製の機械や消費財であふれています。経済的な意味で「ドイツ帝国」イメージが増す一方で、雇用に乏しい南欧や東欧の人たちが働きに行く場所としての価値も高まっています。北海道や九州、四国の人が、地元を離れて愛知県の企業や工場に働きに行くイメージに近いかな。

力強い経済の国、ドイツですが、不動産投資は盛んではありません。賃借人保護の国策で、家賃があまり上がらないようにしており、その結果、不動産価格が上がりにくいのが主な原因でしょう。お国柄、リゾート物件の類も成り立ちません。ドイツの大きな書店に行っても、不動産ガイドや投資の本はほぼ見かけません(ガーデニングやインテリアの本はたくさんありますが)。その代わり、

 

・国民の過半数が一生賃貸住宅暮らし

・開発規制が厳しく新築が建ちにくい

・賃貸用住宅の供給が少ないおかげで、空室が非常に少ない  

・単価も安いので、投資家にも買いやすい。

 

したがって、家賃を稼ぐタイプの賃貸経営には向きます。我々の買付ツアーはネット7~10%回る、賃借人のいる物件を主に視察しています。私も、ドイツでファミリー区分をひとつ買ってみました。安いです。3部屋で79㎡あるのに500万円しません。利回りネット8.5%、グロスだと11〜12%いきますね。

 

 

ポルトガル(リスボン)は、欧州のはずれ、海に面した情緒あふれる坂の街、日本でいう「長崎」のイメー

ヨーロッパ大陸の南西端、人口1000万の小さな国、ポルトガル。

同国の首都リスボンは、コンパクトな街。サイズは日本の札幌市や福岡市位か、もっと小さいでしょうか。平地がほとんどなく坂道だらけの地形で、傾斜をうまく使って建物を上手に建てています。石畳の坂道にはレトロな市電がゆったり走り、その向こうに見える青く輝く海…その情景は、まさに日本でいう「長崎」のイメージですね。

同じ南欧のイタリアやギリシャ、スペイン東海岸は地中海に面していますが、ポルトガルの海岸線はほぼ全て大西洋に面しています。これが、大きな違いを生み出します。ポルトガルの誇る「魚食文化」です。

地中海と違って、大西洋側は漁場の宝庫。その環境で食文化を育んできたポルトガル人は、日本人と同じく、魚、貝、イカ、カニ、牡蛎、ホヤ…海からとれるものは何でも食べる。首都のオフィス街で地元の安い焼魚定食を毎日食べられる国は、欧州ではポルトガルだけかもしれません。

魚食の他にも、日本人を懐かしい気持ちにさせる要素が、ポルトガルには溢れています。巨漢の多い欧州にあって、この国の人々は小柄で、日本人に似た背格好。性格も実直で(サッカーの試合以外は)もの静か、やや物憂げな哀愁がみられる人たちで、情緒的にも日本人に通じるものがあります。ポルトガルの誇る民謡Fadoは、アコースティックギターとボーカルの肉声だけで聴かせる音楽。津軽三味線と謡曲の組み合わせに近く、異国情緒というよりは懐かしさを感じさせます。

 

あと、「大陸の端っこ」という地理的条件も日本と似てますね。ドイツやフランスと違い、ポルトガルは逆立ちしても欧州の中心地になり得ない。リスボンやポルトの観光価値は高いですが、端っこにある上、規模感やインパクト、世界遺産の数では隣国スペインに負けるので、どうしてもスルーされがち。

とても良い国だけど、遠くて無名なポルトガル。情報も少ないこの国を、皆さんに好きになってもらいたい、情報提供を通じて、ポルトガルの認知度を高め、ファンを増やす活動をしていきたいです。

不動産投資とマーケティングの方向性…ポルトガルは欧州で最高の気候に恵まれ、リスボン周辺では観光シーズンが3〜11月と長いこと、LCCの普及により欧州各地から片道数十ユーロでリスボンに飛べるようになったこと、大好きな国なので自分もたまに行って使いたい…等々を考えると、

私はリスボン周辺の良質なリゾート物件を狙っていきたいと思います。AirBnB運用か、あるいはホテル運用付き自分も年間何泊かできるものが良いかな。今回の視察では、

 

・リスボン近郊、素晴らしいオーシャンビューと海鮮グルメが楽しめ、ライバル物件がまず建たないオンリーワン立地で

・世界的に知名度の高いホテルブランドが運営し、

・11万ユーロ(1350万円)から投資できて、ネット利回り7〜10%が5年間確定する上に買取保証もついて、かつオーナーが年間14泊でき、

・新築プレビルドではなく、既存ホテルの改築ゆえ、今年中に確実に完成してキャッシュフローが見込める物件

 

欧州の首都近郊なのに11万ユーロ〜という安さは特筆もの。東南アジア各地で似たような価格帯、利回りのリゾート物件が日本向けに紹介されていますが、

「物件の過剰供給が起こりにくい欧州のガバナンス」、「新築プレビルドと違って完成時期が遅れるリスクがほぼ無い」、「国際通貨ユーロの資産」という意味でより価値が高いと、一投資家としては思います。

 

スペイン(バルセロナ)は、欧州の中心に近い、ブランド価値の高い観光都市。日本でいう「神戸」のイメージ

ポルトガルの隣国スペイン、リスボンからマドリードやバルセロナに飛んでも飛行機で1時間台の至近距離ですが、スペイン領内に入った瞬間、「欧州の中央に近いメジャーな国に来た」感覚になります。

首都マドリードは、欧州を代表する大都市の一つだし、第二の都市バルセロナはオリンピック開催経験もあり、ガウディの建築ありピカソの博物館あり地中海リゾートありバルサあり、世界的知名度の大観光都市。欧州では誰もが認めるメジャーリーグ的存在です。ここから車で2〜3時間も北に走ればフランス、高速鉄道でパリまで行ける、国際空港はリスボンの数倍でかい…南欧屈指の交通の要衝でもあります。

 

バルセロナの街並みは美しく端正で、完成度が極めて高い。海と山に挟まれ、緩やかに傾斜する斜面に都市が広がる。山の上に行けば行くほど高級住宅街になる。海岸沿いにはマリーナ、コンベンション施設、ホテルに加えて貨物港もみられ、工業都市的な面影もある。全体的なイメージは、日本でいえば「神戸」ですかね。リスボンからバルセロナに来ると、長崎から神戸に来るのと同様、ぐっと中央に近づくイメージですね。

スペイン、バルセロナ…知名度やブランド価値が高いので、リスボンと違って、私が一生懸命説明しなくても、国名、都市名を聞いただけでイメージわく人が日本にも多い。

その意味で、バルセロナはパリやロンドン、ミラノやローマ、アムステルダム、マドリードと同列の、欧州メジャーリーグ都市のひとつとして、リスボンとは違うマーケティングをしていきたいと思います。

私思うに、バルセロナで持つ価値のある物件とは、

 

・成功した大人の所有欲を満たす物件

 

かな。たとえば、「自宅の窓からガウディの建築が見える」、「散歩すればサグラダファミリアの工事現場からレンガやブロックを拾ってこれる」贅沢この上ないオンリーワン立地のアパートなら価値が高いし、売りたくなったら世界中の金持ちがすぐ買うでしょう。観光地ゆえエアビーも当然できますがやるべきじゃないっすね。別荘として使ったり、家族や友人に自慢したり、新進気鋭の画家やデザイナーに安く貸して創作活動してもらうのが最適な利用法でしょう。

ロンドンやニューヨーク、ワイキキと比べればバルセロナの住宅は断然安いです。サグラダファミリア至近のアパートだって3部屋120平米で68万ユーロ(約8000万円)。1部屋50平米弱だと30万ユーロ(約3600万円)を切るものもあります。

あと、将来欧州に移住したり、欧州を拠点にビジネス展開したい方は、スペインで不動産を買って永住権を取るのが日本人にはおすすめです。

 

・スペインで50万ユーロ以上の不動産を現金で購入することで、2年間の滞在ビザを申請できる。

・購入後、スペインに一度も来なくてもビザ更新できる。次の更新は5年間有効、更新手数料も安い(将来的に、スペイン入国が義務化される可能性あります)。

・2年+5年の滞在中、不動産を維持し続ければスペイン永住権を申請できる。

・スペインはEUの国なので、EU圏内どの国での居住、就労OK。

 

バルセロナ一等地で50万ユーロ以上の不動産買って、ついでに7年後、スペイン&EUの永住権をゲット。その時期に売ればキャピタルゲイン出る可能性も高い…なかなか良いプランだと思います。

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日出処の天子、ポルトガルを発見

こんにちはManachanです。いま、ポルトガルの首都リスボンにいます。

人生初ポルトガル、はや3日目。とにかく、この国に関しては絶賛と感動の言葉しか思い浮かびません。「地球上にこんな素晴らしい場所があることに対する純粋な感謝」と、「これまで48年の人生でポルトガルを知らなかったことに対する軽い後悔」が、私の脳裏に渦巻いています。

 

ポルトガルは、まぎれもなくヨーロッパです

『スタイリッシュな街並み』

 

『街並みに似合うイケメン』

(こういうの見ちゃうと、同じ男として、敗北感ありますなあ…)

 

ヨーロッパらしく、ホテルには、ちゃんと「ビデ」があります。

 

ポルトガル人はヨーロッパ随一の「魚食民族」です

新鮮な魚と貝、イカ・タコ、ホヤまで、どこでも買えます。しかも値段がとても安い!

ポルトガル人は魚も米もよく食べるので、日本人にとって馴染みやすい食文化ですね。

 

魚食文化に、ワイン、オリーブ、スイーツが、西洋の華を添えます

『ポルトガル産のワイン、オリーブ油は、世界最高級品の呼び声が高いのです』

 

『スイーツだって、甘さ控えめ、味わい深いものが多く、長い歴史を感じます』

 

ポルトガル人は、アジア人に似ているから、アウェイ感があまりない。

ポルトガル人は、他のヨーロッパ人と比べて背恰好が低く、髪も黒い人が多く、我々東アジア人からみて違和感があまりありません。

 

とにかく素晴らしすぎる国、ポルトガル。ここで、是非訪れたい場所がひとつありました。

ヨーロッパ最西端のロカ岬(Cabo do Roca)です。

 

というのも、私は千葉県出身で、同県銚子市にある「犬吠埼、ロカ岬友好記念碑」を、子供の頃から見てきているからです。この記念碑は、日本・ポルトガル交流450年を記念して建てられたもので、

ユーラシア大陸最東端(?)の犬吠埼

ユーラシア大陸最西端のロカ岬

つまり、大陸の東西の端にある日葡両国の友好を深めるという意味がこめられています。

 

昨日、ついに「ロカ岬」の地を踏むことができました。アジア東端の千葉県人として、是非来てみたかった場所の一つです。

 

地図でみると、とんでもなく遠い場所ですね(東京まで直線距離11,143km)

 

ロカ岬には、大型バスで乗り付けて中国・韓国の団体観光客の姿が目立ちました。これも銚子・犬吠埼と同じ現象ですね。

 

ロカ岬から西方には、大西洋。アメリカ大陸まで続きます。

 

最西端のコーヒーショップで一服してきました。

 

ヨーロッパ最西端のロカ岬、最東端の日本人なら一度は行ってみましょう。おすすめです。

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ドイツと日本の労働時間・生産性の話

こんにちはManachanです。ドイツ・デュッセルドルフ近郊での2日間の不動産買付ツアーアテンドの仕事が終わりました。

この仕事、特にツアー2日目は朝から晩まで、物件説明に加えて公証役場での委任状作成、銀行の口座サポート、会議通訳…昼メシ食う暇もない位忙しい。でも素晴らしい仕事ですね。ドイツで苦楽(?)を共にしたツアー参加者は皆仲良くなって、この機会に「一生の友」ができたりします。「大人の修学旅行みたい」で、純粋に楽しいです。

次回ドイツ不動産ツアーは4月上旬に企画します。数日後にアナウンスしますので、楽しみにしていてくださいね。

 

ここ3か月余りで3回もドイツに来てしまった私。いつも思うのは、

・意外に物価が安く、売ってるものの品質も良い。

・鉄道網が充実し、たいてい時間通りに来るし、無料の高速道路(アウトバーン)が網の目のように張り巡らされていて、移動コストが安くあがる。

 

ドイツ人の給与水準はヨーロッパのなかで中上位にあり、平均すると日本より少し高い位。それだけまともな収入がある国民が、この安い物価と利便性のなかで暮らせるドイツは、かなり生活水準が高いのではないかと。

その目安として、「一人当たりの購買力平価GDP」(物価水準を考慮した所得水準)がありますが、ドイツは約47,000USドルで世界20位前後、オーストラリアやスウェーデンと近い水準。同ランキング30位前後の日本(約38,000USドル)より常に高い水準を維持し、近年その差は開く傾向。

 

欧州三大国と呼ばれる、ドイツ、フランス、イギリスと比べてみても、ほぼ同じ傾向がみられます。常にドイツが一歩抜きん出て、差も広がっています。

 

しかも特筆すべきは、ドイツはこの高い生活水準を、世界最短の労働時間で実現していることです。ドイツ人の労働時間は年間1300時間台で、OECD30数か国のなかで、オランダと並んで一番短い部類に入ります。一方、日本の数字はOECD平均に近い1700時間台になります。

 

確かに、ドイツで不動産視察してても、クルマの通勤ラッシュが朝8~9時頃だし、帰宅ラッシュが夕方4~5時頃なので、残業しない人が大部分なんだろうなと思います。南欧方面に長期間バカンスに出かける方も多いし…

なぜ、ドイツは高い労働生産性を実現できて、日本にできないのか?その事実を指摘するだけでなく、自分の体験を踏まえて考察してみます。私思うに、

 

・ドイツでは、人々が長時間働かず定時に帰ることが、社会的、制度的に合意されている。

・そのことにより生じる不便や不都合も、社会が容認している。

 

今のドイツを見ていると、私が移住した西暦2000年頃のオーストラリア・シドニーを思い出します。当時のシドニーは、

・ショッピングセンターは通常、18時に閉店。

・しかも、職員が17時45分頃に帰り支度を始める。

・17時50分過ぎに買い物しようとしたら、レジのお姉さんに睨まれる!

 

買い物客の利便よりも、職員が定時に帰れることが優先されてたんですね。そうした方が誰もが得する制度になっていたのです。

・会社は、職員を残業させたら、制度上、割高な残業代を払わなきゃならない。

・会社はその出費を避けるため、残業代を払うよりも職員に午後出社を認めるか代休を与えることを選択する。

・職員の立場からすると、どっちみち残業代もらえないので、夜遅くまで残って残業代を稼ごうとする者は皆無。

 

当時私は、シドニーでサラリーマンしてましたが、毎日定時に帰れるのでラクでしたよ。残業しても最大1時間位だったかな。一方、顧客・生活者の立場でいうと、暮らしていて不便でした。お店が空いてる時間にダッシュで買い物しなくちゃならない、皆同じこと考えるから、渋滞にはまって結局間に合わなかったりする…

サービスも悪かったですね。システムがダウンするとモノ買えない、サービス受けられない、担当者が長期休暇だったりすると物事が進まない…それが日常茶飯事。

首都圏の便利な街(柏駅前)で生まれ育った私。自宅から500m以内にデパートあり商店街あり、スーパーありコンビニ沢山、何百何千のバラエティ豊かな個店あり。人生に必要なものは何でも、24時間いつでも買える。盆暮れ正月関係ない。サービスは素晴らしく良く、客のわがままに誠実に答えてくれる。

だから私、シドニーに移住したての頃は、「こんなクソ不便な、クソ田舎に住めるか!」と、悪態をついていたものです。でも1年も住めば、「だいたい、こんなもんさ~」と慣れてきて、逆に誰の気兼ねもなく、自由時間がたっぷりとれるオーストラリア暮らしの良さが分かってきました。

 

あれから15年。シドニーは大きく変わりました。一言でいうと、「日本みたいに便利な、眠らない街」にグッと近づいた。今では24時間営業のショッピングセンターさえあるし、深夜営業の飲食店やコンビニも増えました。昼夜構わず働くアジア系住民が増えたからでしょうね。利便性を求める社会になれば当然、ワークカルチャーも変わりつつあります。

一方、今のドイツ・デュッセルドルフは、15年前の静かだったシドニーによく似ています。日曜日はお店ほとんど閉まり、交通量もほとんどない。平日の夜、20時以降に買い物できる場所はスーパー、ディスカウントストア位に限られる。コンビニほとんどない。早朝も深夜も頑張って営業するのはトルコ・アラブ系のケバブ店くらいかな。

生活する上で必要なものは揃い、ドイツなりの文脈で利便性もまあ高い。環境も街並みも良い。自由時間がたっぷりあって、散策とか日曜大工、ガーデニングなど思う存分楽しめそう。でも、アメ横みたいに賑やかで猥雑でエキサイティングな場所が好きな私には、少し物足りないな~と感じる。ま、個人の好みの問題ですけどね…

 

ま、そんなことも含めて考えると、ドイツの労働生産性が高いのは当たり前ですね。仕事は定時で終わる前提の社会、多少不便でサービス悪くても、お客からはしっかりお金をとる、それがGDP統計に反映される。

日本の労働生産性が低くでるのも、当然でしょう。こちらは顧客の都合や利便性を優先する前提の社会。労働者が「サービス」提供に使う時間が長く、そのコストをお客に転嫁できないことによる「ただ働き」も多い。日本企業社会の競争環境も多いに影響しているのでしょう。逆にいうと、日本人はGDP統計に表れない利便性やクオリティ高いサービスを享受しているとも言えます。

 

企業経済活動や働き方に関して、日本が改善すべき点、ドイツに学ぶべき点は多いと思います。が、これらは「社会」の下部概念であり、社会のニーズや価値観と表裏一体であることを、まず知らねばなりません。

日本がドイツみたいに定時で終われるような社会をつくれるかどうかは、日本の人々が今後何を目指すかによります。極めてサービスを重視する今の価値観が少し変わり、多少の不便や自助努力を日本社会が容認するのであれば、ドイツに近づくのかもしれません。

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