未熟な業者、悪気のない煽りトーク

こんばんはManachanです。5日間にわたる香港、タイ、カンボジア出張を終え、日本への帰途につくところ。いまマレーシア、クアラルンプールで乗り継ぎ中。
 
私はアジア、欧州、北米、大洋州…世界中の不動産物件を視察、研究して回る泥臭い仕事をしてますが、どの国、どの都市であっても、不動産の基本はそう変わるものではありません。
 
不動産とは土地、住居、或いは店舗、オフィス、倉庫といった、人間の暮らしや経済活動の舞台となる「モノ」ですので、それが誰かに使われる限り、経済的価値を持ちます。
 
不動産には、それを保有、運営することで現金を得たり、富を殖やす効果があります。不動産を得るには当然対価が必要で、私たち投資家は経験的に、「不動産投資の成功失敗は8割以上、入り口で決まる」ことを良く知っています。つまり、
 
-不動産が本来持つ価値より安く買えれば、まず失敗はしない。
-割高な価格で買ってしまうと、挽回するのが難しい。
 
分かりやすい話でいうと、日本国内の「新築ワンルーム投資」でお金持ちになった人を私は知りません。特に信販ローン組んで業者の言い値で買っちゃった人の場合、多くは保有時のキャッシュフローもトントンかマイナス、売りに出した時の価格は大きなマイナス。資産形成どころか富を毀損する結果にしかなりません。
 
それは、新築ワンルームの販売価格に業者利益がたっぷり乗って、物件が本来持つ価値よりずっと割高なものを買ってしまったからです。資産形成だと思って投じたお金が「ワンルーム業者や金融機関の養分」になるだけで、決して自分のお金にはならないのです。
 
これまで日本で売られてきた海外不動産物件にも、少なからず、それと似た構図があります。特に東南アジア新興国のプレビルド(予約販売)物件に典型的ですが、
 
-完成したらすぐ、いくらで貸せますよ
-値上がりしてすぐ売れますよ
-年間いくら上がりますよ
 
そんな業者トークを信じて物件買って、数年後、「こんなはずじゃなかった」と後悔する人は多い。手放したくても損切りしないと売れない。その時初めて、現地相場より割高な価格で買ってしまったことを悟るのです。
 
なぜ、セールスマンは売る時に現実のマーケットとかけ離れた煽りトークをしてしまうのか?
 
たぶん、悪気はないです。「物件所在国のマーケット未成熟」に、「不動産業者としての知識スキル不足」が重なると、どうしても煽りトークになっちゃうのです。典型的な例は、
 
– 東南アジア、特に後発の新興国では、不動産の相場そのものがあやふやな形でしか存在せず、売値も賃料も「言い値」で決まる面がある。

– そういう国では、建築原価の3〜4倍もの業者利益を上乗せして販売するデベロッパーが少なからずいる(その価格で買っちゃうと最初から投資物件として成り立たない)。

– また、現地デベロッパーの担当者は、想定賃料を聞かれるとものすごく強気な数字を言う傾向にある(そもそも、彼らに賃貸管理の経験がないので、数字に根拠も妥当性もない)。

– 上記のような物件を日本向けに売る業者も、自らの不動産経験が浅いと、「本来の価値より割高なので投資物件として成り立たない」構図を見抜けない。
 
そういう状況が重なってしまうと、誰にも悪気がないのに、「客に対して結果的に嘘をついてしまう」ことになってしまいがち。だから海外物件を買うにあたって、業者トークを鵜呑みにするのは危険。むしろ、上記の構図に気づいた上で情報収集、判断する必要があると思います。
 
ちょうどタイムリーなインタビュー記事があったので、引用します。
 
(Interviewer)海外不動産で、信頼できるエージェントの見極め方は何かありますか?
 
(Manachan)不動産の十分な知識があるかどうかを含めて、やりとりしながら見極めていくしかないですね。海外不動産を扱う日本人エージェントは、不動産歴がないか、参入して間もない方が多いように思います。

やっぱり「餅は餅屋」。私は15年ぐらい不動産買ったり売ったりしてきたので、まだ業歴1~2年ぐらいの方に知識がないのは、やり取りしてすぐ分かります。

「キャリアがない」ことの何が問題かというと、要は不動産が値上がったり値下がったり、家賃が取れたり取れなかったり、いろんな問題があったり、そういう諸々が判明するのは買ってから長い時間がかかりますよね。

日本の不動産マーケットでいえば2004〜07年にミニバブルがあり、2008〜09年リーマン・ショック余波でドーンと下がって、2012年以降アベノミクスで上がってます。そういう1つのサイクルを経験するのに10年ぐらいはかかる。私はそういう浮き沈みを一通り体験したけど、業界キャリアや投資歴の少ない人って、その経験がないんですよ。

たとえばベトナムの物件売っているエージェントの中には、ベトナムがいま値上がってる事しか知らない者がいます。「これから値が崩れたらどうなる?その時どうすればいい?」みたいな事を想像したことがないのです。

その意味で、エージェントが信頼できるかどうかは、結局パーソナリティとスキルの問題に帰着しますね。その2つの判断軸で見ていくのが良いでしょう。
 
(Interviewer)スキルの部分でいうと、10年以上の不動産業界歴が目安でしょうか。
 
(Manachan)必須ではないけど、業歴10年あれば望ましいですね。実際、日本の不動産業界でプロとして仕事やってきた方ほど、いろんな意味で「分かってる」って思うんですよ。たとえばお客様に説明する時に、彼らは「これ値上がりますよ」とか「絶対大丈夫ですよ」って“言えない”んです。いろいろ見ちゃってるから。

むしろ、「この物件にはこういう良い面と、こういう悪い面があって、その悪い面はどこがリスクで、何が起こったらそのリスクに対処する必要があります。あとはお客様のご判断です」みたいな言い方になるんです。投資家として、そういう業者さんとお付き合いしたいですね。
 
最後に、まとめます。
 
– 煽りトークは、業者として未熟な証。
– 業者の誠実度は、人格とスキルの両方でみていくべき。

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人の時間と情報はタダじゃないけど…

こんばんは、Manachanです。明日の夜からまた海外出張ですが、今晩は東京の自宅で家族とTVの前でまったりしてます。

今日は土曜日、娘をアプリ開発教室に連れていく途中、こんなこと言われました。「パパはたぶん、日本一、楽してる大人だよね」と…ま、誉め言葉として受け取っておきましょう。

 

独立自営の事業主になって、4年余。日々、時間の使い方は自由です。自宅でも事務所でも旅先でも、好きなところで仕事できます。満員電車とも社内政治とも無縁。その意味では、確かに楽してるかも…そんな自由度の高い働き方が、私自身とても気に入っています。

でもよく考えると、私は自由な時間を「お金」に換えていかねばなりません。一家4人を食わせて学校に通わせる他、社員と自分の給料、事務所家賃、旅費滞在費、広告費、税務申告費等々を捻出し、創業・運転資金の元本利息を返済し、さらに利益も上げなければなりません。

事業主の境遇になると、サラリーマン時代よりは確かに、「時は金なり」だとリアルに感じます。ま、サラリーマンも会社組織を通じて、間接的には労働時間を給料に換えているわけですが、事業主の場合、毎月決まった給料が振り込まれるわけじゃない。自分で動いて売上あげなきゃならないし、そのために使うリソースはとりあえず自分の時間しかないわけだから…

 

とはいえ、私自身、「カネにならない仕事は一切しない」、「カネ払わない客とは一切付き合わない」とドライに割り切ってるわけではありません。むしろ逆で、当面カネになりそうもないことに、贅沢に時間を使っています。それは、

・将来の新市場開拓につながる(かもしれない)海外出張だったり…
・将来ビジネスパートナーになる(かもしれない)方々との面談や飲みだったり…
・旧知の友人に会いに行ったり…
・海に行ってのんびりしたり、知らない街を歩いたり…
・震災被災地でいろいろお手伝いをしたり、地元の方と飲んだり…

 

ま、もろもろありますが、カネになる云々はともかく、私が「有意義な時間の使い方」だと思うことをやってるんですね。何をもって有意義だと感じるか?その多くは、「相手」あってのことです。

・一緒に時間を過ごして楽しいと思う相手
・情報交換して有益だと思う相手
・自分をさらけ出して、本音でつきあってくれる相手

 

そろそろ本題に戻ります。本質的にいうと、私の時間、あなたの時間はタダではありません。相手に時間を使ってもらうには、それなりの「対価」を支払い、それを相手に認めてもらう必要があります。

その「対価」は、どんなかたちでも構いません。当然、お金でも良いし、情報でもネットワークでも良い。あるいは「人格」でも良い。上述「一緒に時間を過ごして楽しいと思う」ような相手なら、私は彼または彼女がすでに対価を払っていると見なし、その人のためにいつでも無条件で自分の時間を使う用意があります。そうじゃないフツーの相手の場合、私は自分の時間を使い情報を提供する対価として、お金をいただくことがあります。

 

私の大好きな「旅」の世界でいうと、たとえば、ネットを使った宿泊形態として、たとえば「AirBnBや途家などを通じて宿代を払う有償型の民泊」もあれば、「カウチサーフィン」という、無償で泊まる形態もありますよね。

「カウチサーフィン」が成り立つのはなぜか?泊める人(ホスト)と泊まる人(ゲスト)が、お互いに旅の情報交換をする、お互いの家に無料で泊めあうなど、「お金には換算できないけど、それに代わる何か」を対価として与え合っている。その前提があってはじめて成り立っています。

もう一つ、私の大好きな「外国語学習」では、「ランゲッジ・エクスチェンジ」(Language Exchange)といって、お互いの言葉を無料で教えあうことが広く行われています。私も日本語や中国語を教える見返りに、タイ語やベトナム語、マレー語を教わったことがあります。言い換えると、相手にタイ語を教わる対価を、日本語を教えることで払っているわけです。

最近の私は忙しいので、以前よりも対価を「お金」で払う頻度が増えています。カウチサーフィンとか好きだけど、朝から晩まで忙しく動き回るのでビジネスホテルにお金を払って泊まった方が気楽だと感じますし、ランゲッジエクスチェンジ好きだけど時間がないから、お金を払ってタイ語やインドネシア語のプライベートレッスン行ったりしてます。

 

以上まとめると、

・相手の時間は、タダではない。
・時間を使ってもらうには、相手にとって有益な何らかの対価を払う必要がある。
・その対価は、お金でなくても良い。人格、情報、ネットワーク等でも良い。

 

それが人間社会の掟だと思いますし、大部分の大人は理解しておられますが、世の中には、「相手の時間がタダ」で、「対価を支払わずにいくら使っても良い」と誤解している方も、少数ながら存在します。

特に、「自分のやってることが正義だと思い込んでいる人」にそれが目立ちますね。正しいことをしてるんだから、その目的のために相手のリソース(時間や情報)をどう使っても許される、という思考回路であるよう。

 

しかし世の中、往々にして、「あなたの正義が、私にとっても正義であるとは限らない」。価値観や感性を共有しない相手の時間を使わせていただくには、相応の対価を支払う必要があり、それをやらないと嫌われます。

モンスターペアレントとか、横暴な客とか、独善的な社会運動家とか、いろんなタイプがありますよね。お金を払うとか、相手に有益な情報を提供するとか、それ以前に「性格が良くて面白い奴」なら何だかんだいって許されるのですが、そのどれも提供できないと、結局、誰にも相手にしてもらえなくなります。

 

人生は時間でできています。繰り返しになりますが、私の時間もあなたの時間も、本質的にはタダじゃないので、相手の時間を使わせていただくには、それなりの対価を提供するのが世の掟。言い換えれば、人間は「金銭的または非金銭的な対価のやり取り」をしながら、お互いの時間や情報をシェアし合っているのだと思います。

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移民で人口増のドイツで賃貸経営

こんばんは、Manachanです。前回のブログでは、日本の人口減を緩和するため、政府が実質的な移民受け入れをした結果、東京周辺がコスモポリタン化して人口増加している事実を書きましたが、今回は日本とよく似た西欧の国、少子高齢化と人口減少に悩む「ドイツ」について書きます。

 

とはいえ、ドイツが人口減少に悩んだのは、過去の話になりました。今では、ヨーロッパ全域や中近東から押し寄せる移民・難民の処遇がメインの社会問題になっています。ドイツの総人口は、外国人流入のおかげで増加が続いています。直近(2016年)のデータでは、

ドイツでの出生 約74万人
― ドイツ国内で死亡 約93万人
+ 海外からの純流入 約82万人
―――――――――――――――――――
合計  63万人増 (8217万人⇒8280万人)

 

もし海外からの移民流入がなければ、ドイツの人口は年間19万人減っていたはずなのですが、それを大きく上回る82万人の移民純流入があったため、総人口が60万人以上増えたのです。

前年の2015年は移民流入の勢いがもっと凄くて、110万人余りの純流入があり、その結果、総人口が97.8万人も増えました。今のドイツは、一般的なイメージはよりもずっと、移民受け入れ大国なのですね。

 

ドイツに来る移民が多い理由の一つとして、「シェンゲン協定によりEU圏内の入出国が自由である」ことが挙げられます。そのため、EUの最貧国ルーマニアやブルガリア等から、職と給与を求めて人々がフリーパスで入国しますし、失業率の高い南欧のギリシャ、イタリア、スペイン等からドイツを目指す人も多いのです。

また、非EU圏であるトルコからは数十年の移民受け入れの歴史があるため、ドイツ・トルコ間の人の往来は非常に盛んですし、2011年以降はシリア内戦による難民も多く来ています。今のドイツは人口減少に悩むどころか、「ドイツ語をしゃべらない外国人の流入」の方が悩ましい問題です。

 

さて、年間100万人近くも来る移民が、ドイツのどこに行くのか?結論からいうと、各方面に散ります。来独した外国人は連邦内の16の州(ブンデスラント)に予算とともに割り当てられるので、首都ベルリンにも、裕福な都市ミュンヘンやシュツットガルトにも、金融の街フランクフルトにも、港町ハンブルクにも、ルール工業地帯にも旧東独の各州にも、もれなく移民が住みつきます。日本や英仏と違ってドイツには突出した大都市がないため、どこか一つの地域に集中する傾向はあまり見られません。

 

そろそろ不動産の話をしましょう。私がドイツで不動産を紹介(イチオシ)している地域は、ノルトライン・ヴェストファーレン(NRW)州という、国内で人口・GDPとも最大規模の州です。ドイツの西部、オランダやベルギーとの国境に近い場所にあり、州都は「デュッセルドルフ」、最大都市は大聖堂のある「ケルン」。あと、社会科の授業で習った「ルール工業地帯」に所在する「エッセン」、「ドルトムント」、「デュイスブルク」。旧西独の首都だった「ボン」など、数多くの都市を擁する欧州屈指の人口密集地帯です。

 

不動産投資視点からみた、NRW州の良い点は、

・ものすごく安い値段で、それなりに良質な物件が買える(区分マンションで300万円~)
・家賃水準はそれなりだが、価格が安いので利回りが高い(ネット利回り8%台、グロス11~12%)
・賃貸物件の需給がタイトで、空室率が低い(場所にもよるが2~3%台が多い)

 

なぜ価格が安いのか?ひとつの理由は、NRW州、特に「ルール工業地帯」エリアが、1980年以降、地域基幹産業(石炭鉄鋼業)の衰退により、長い構造不況を経験したことです。同州の人口はピーク時よりも減り、失業率も改善したとはいえ、ドイツ平均よりはまだ高い状態が続いています。

逆に、そういう問題を抱えたエリアだからこそ、物件が激安価格で買えるのですね。景気が良く裕福なミュンヘンやフランクフルトで、ネット8%なんて利回りは到底期待できません。それどころか、NRW州都デュッセルドルフも国際ビジネスや金持ちが集まる場所になったため仕入れ値が高く、頑張ってもネット5%出ない状態。

したがって、高利回り物件が良く出る「狙い目エリア」は、デュッセルドルフ以北。ルール工業地帯に属する大都市「デュイスブルク」や「エッセン」、その近隣にある「ゲルゼンキルヘン」や「ボーフム」等の中堅都市、あるいはデュッセルドルフを挟んで東西にある「ウッパータール」、「メンヒェングラートバッハ」等が中心になります。

(上記の数字は各都市の人口です)

 

NRW州の人口は、移民流入の影響を受け、ここ5年ほど増加基調が続いています。1970年代の人口ピーク時には及ばないとはいえ、どの都市も人口が増えるか、最悪でも下げ止まっています。

 

デュッセルドルフの人口推移

エッセンの人口推移

 

デュイスブルクの人口推移

 

私は昨年10月から今年1日にかけて、NRW州内で3回、物件視察をしました。一回の視察で東へ西へ、北へ南へ、200㎞近く移動するのですが、凄いと思ったのは、「見渡す限り、新築建てている現場がない」こと…アウトバーンも一般道も、いろんな道を走って、一度たりとも新築現場を見かけないのです。

ということは…移民含めて、増えた人口が、もれなく中古物件の賃貸客なるということです。私、30戸以上は物件見てますが、どの街に行っても、部屋の空きがほとんどないですね。

 

あと、ドイツは概して街の雰囲気が良いし、部屋をきれいに使って住んでいる人が多い印象でした。建物も築年が1950年代以降になると設備内容が良くなり、堅牢なつくりで安心感のある物件が多い。ドイツなら長期的に安定した賃貸経営できそうだと思い、私はメンヒェングラートバッハという街で3ベッドの区分をひとつ、オーナーチェンジで買って、いまユーロで家賃いただいてます。

 

昨年後半から、物件の立地や価格や利回りをずっとウォッチし続けてきて、思ったこと…NRW州内でも、仕入れ価格が徐々に上がってきているようで、「区分でネット8%台以上」の利回りを求める場合、今年初めまではエッセン、デュイスブルクなどの大都市でもたくさんありましたが、最近ではゲルゼンキルヘン、ヘルネ等の中堅都市が中心になってきました。仕入れ部隊も安い物件が乏しくなって苦労しているんだと思います。

どの地域の、どの価格帯の物件でも、不動産はできれば早いタイミングで買った方が、良い立地の物件が安く手に入っておいしいのだと思います。

 

人口増と需給バランスの良さを兼ね備えた「ドイツ激安収益不動産」。興味ある方は、5月9日に東京でセミナーやりますので、是非来てみてくださいね。

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セミナー「ドイツ不動産~収益性と投資のポイント徹底解説」

■日程  2017年5月9日(火) 19:00~21:00

■会場 パズル一番町 セミナールーム2
千代田区一番町10-8一番町ウエストビル5階(東京メトロ「半蔵門」、「麹町」より徒歩3分)

■参加料金:2000円  (※APHOC有料会員は無料招待いたします。)

■紹介ページと申込リンク:goo.gl/zI50AX

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外国人受け入れと首都圏再集中の構図

こんにちはManachanです。ゴールデンウィーク、気持ちの良い晴天が続きますね。私は忙しい仕事が一段落し、空き時間を使ってブログ更新に励んでおります。今回は、東京を中心に最近目に見えて増えている「外国人住民」が、日本の人口動態さえ変えつつある面に着目し、統計数字をいろいろ調べて書いてみました。
 

かくいう私自身も、国際結婚してまして、妻は「東京に住む外国系住民」のひとりです。住まいは江東区の東陽町で、近所を歩けば中国語が聞こえてくる、都心勤務のインド人ITエンジニアとご家族も多数お住まいで、ネパール人が経営するインド料理店が毎年増えています。うちの子の通う小学校では外国姓か国際結婚ファミリーの子供がクラスに3~4人はいます。そういえばお隣さんもフィリピン人。
 

それが大都市の当たり前の姿なのだと思います。ニューヨーク、ロンドン、パリ、シドニー、トロント、シンガポール…海外の大都市はもっとコスモポリタンですよね。東京もゆっくりと、その道を歩みはじめたのだと思います。江東区は外国籍住民の人口比率が5~6%で、年々増えています。でも私が以前住んでいたシドニーは外国出身者が総人口の39%を占める社会でした。真のコスモポリタン都市での暮らしを経験した者の視点から、「ゆっくり国際化しつつある東京・首都圏のいま」を描いてみたいと思います。
 

ここ数年、東京を中心に「外国人住民が増えている」のは、明らかに、政策によるものです。2012年12月に自民党が政権を奪回し、第二次安倍政権が始まって以来、在留外国人数は右肩上がりに増え、わずか4年間で203万人から238万人に、35万人も増えています。もっとも、この数字は日本国に合法的に滞在できる25種類の在留資格をすべて含んでおり、所謂「移民」に相当するものは「永住者」ビザかと思いますが、このビザの発給数も安倍政権下の4年間で62.4万人から72.7万人へ急増しています。実質的にいえば、10万人余りが新たに日本へ移住したと言って良いでしょう(うちの奥さんもその一人)。


 

安倍政権が外国人の受け入れを増やしている背景には、日本の人口がすでに厳しい減少局面にある事情があります。安倍政権発足直後の2013年にはすでに、日本国内の出生数104万人に対し、死亡数は127万人。黙っていても年間23万人の日本人が減る状況でした。たとえていえば、神奈川県厚木市や大阪府寝屋川市クラスの中堅都市が、毎年一つづつ、消滅しているような状況です。しかも、出生数と死亡数のギャップは年々拡大する一方で、東京オリンピックが終わる頃には年間50万人の日本人が減ることがほぼ確実視されています。
 

アベノミクスで日本経済再生を打ち出した自民党・安倍政権。しかし経済を復活させたくても、デフレが20年も続き、かつ人口が年間何十万人も減り続けてマインドが委縮する衰退国家に、一体どんな経済再生の芽があるのか?
 

為政者が、「できるだけ、日本の人口を減らしたくない」と考えるのは自然なことです。高齢者がお亡くなりになるのはやむを得ない。出生数を増やそうにもすぐに増えるものではない。であれば、政策的にコントロールできるのは「海外からの流入」しかありません。
 

人口が増えたり減ったりする方程式は、簡単です。

「人口増減」=「自然増減」(「出生数」―「死亡数」)
+「社会増減」(「海外からの流入」―「海外への流出」)

 

安倍政権が登場した初年度、2013年に、日本の総人口は約20万人、減りました。

出生=104万人、死亡=127万人
海外からの流入=4万人、海外への流出=1万人
⇒人口増減=104万―127万+4万―1万=マイナス20万


 

それから3年経った、2016年。出生数はさらに減り、死亡数はさらに増え、自然増減はさらに厳しくなりました。しかし、この年の人口減は、16万人にとどまっています。なぜなら、海外からの流入が大幅に増えたからです。

出生=100万人、死亡=130万人
海外からの流入=16万人、海外への流出=2万人
⇒人口増減=100万―130万+16万―2万=マイナス16万


 

これは仮説ですが、安倍政権は日本人が自然に減る分の全部は無理としても、その半分は外国人受け入れで賄いたかったのではないかと思います。もしそうだとすれば、治世4年間で、その目標は達成されたといえます。2016年には、日本人の自然減30万5593名の52.5%にあたる、16万309名の外国人登録者(特別永住者は除く)を増やしています。


 

今度はもう少しミクロにみてみましょう。外国人を受け入れた後、彼らは日本のどの地域に定着するのか?2013~16年の間は一貫して、彼らの半数以上が「関東」、特に「首都圏」(東京、神奈川、埼玉、千葉の一都三県)に集中しました。2013年は外国人増加数の68%、2016年は少し全国に散りましたがそれでも52%が、関東の新住民になっています。一都三県の割合はそれぞれ63%(2013)、46%(2016)。


 

この4年間、「外国人の受け入れ」と「首都圏への一極集中」が進んだ結果、一都三県における外国人登録者数は、77万9千人から97万8千人と、実に20万人も増えています。


 

外国人が4年間に20万人(年間5万)増える…首都圏一極集中が進むなかでも、これは決して小さな数字ではありません。日本全国から一都三県に移動する転入者が年間15万人程度ですので、外国人の増加分は実に3割を占める計算になります。
 

安倍政権による外国人受け入れが、ようやく数字に表れてきたのが、2013年後半からです。そこで、2013年6月末から現在(2017年3月末)までの4年弱で、各自治体における人口増加分のうち、外国人がどれだけ寄与しているかを、整理してみました。

東京都平均:日本人増加73.8%(284,348名)、外国人増加26.2%(101,159名)
新宿区:日本人増加53.3%(8,770名)、外国人増加46.7%(7,674名)
豊島区:日本人増加45.8%(6,603名)、外国人増加54.2%(7,814名)
江東区:日本人増加76.2%(18,286名)、外国人増加23.8%(5,700名)
江戸川区:日本人増加51.1%(8,335名)、外国人増加48.9%(7,972名)
世田谷区:日本人増加87.6%(26,265名)、外国人増加12.4%(3,729名)
杉並区:日本人増加76.8%(14,497名)、外国人増加23.2%(4,378名)


 

東京都だけではなく、周辺県のベッドタウンでも、外国人増加が人口増の相当部分を占める状況は同様です。千葉県、埼玉県、神奈川県の代表的な都市の数字を整理してみました。特に、日本最大の基礎自治体、人口370万を超える横浜市で、外国人の増加数が日本人より多かったのは驚きですね。

市川市:日本人増加74.8%(9,936名)、外国人増加25.2%(3,344名)
船橋市:日本人増加65.5%(8,559名)、外国人増加34.5%(4,511名)
千葉市:日本人増加55.6%(3,620名)、外国人増加44.4%(2,889)
川口市:日本人増加38.9%(5,566名)、外国人増加61.1%(8,754名)
さいたま市:日本人増加86.9%(30,123名)、外国人増加13.1%(4,542名)
川崎市:日本人増加85.0%(41,850名)、外国人増加15.0%(7,389名)
横浜市:日本人増加47.0%(11,414名)、外国人増加53.0%(12,857名)


 

私は、首都圏で賃貸経営を営むオーナーとして、都内や近郊都市の人口動態を時々調べますが、ここ数年の人口流入が想定以上に力強いのに気がつきました。たとえば、千葉県市川市。ここは2012年以前は人口減少自治体として県内でも有名でしたが、なぜか、この2~3年は人口が増えまくっています。オリンピックを控えて、比較的景気の良い首都圏への人口流入が起こるのは分かるけど、日本の他地域の人口が減るなかで首都圏だけが人口吸引するにしては、流入の勢いが強すぎる。これは、外国人が影響しているに違いないと思い、詳しく数字を調べて整理してみると、案の定、というか予想以上でしたね。
 

単なる首都圏再集中ではない。たぶん日本の歴史始まって以来の、「東京コスモポリタン化」による人口増加が、首都圏全域で起こっています
 

いまの時代、日本人だけの人口動態だけを追っていては、精度の高い人口予測はできません。特に象徴的なのは、2014年5月に発表された日本創成会議の試算。「豊島区が都内で唯一の消滅可能性都市」に名指しされて、話題を呼びましたね。これは2010年前後、民主党政権下で日本人と外国人の人口が減っていた頃の枠組に基づいて試算したもので、2013年以降、安倍政権の外国人受け入れによる豊島区人口の爆増を全く織り込んでいませんでした。実際、あのレポートが発表されてから3年弱で、豊島区の人口は1万人も増えているのですから、全く妥当性ありませんでしたね(なお、外国人の増加が全体6割を占めています)。
 

首都圏で不動産投資する者にとって、外国人住民の流入による賃貸需要、売買需要の増加は、もはや無視できないファクターになったといえます。この波を確実につかんで、ビジネスにつなげていきたいですね。

出典)
・法務省「在留外国人統計」(平成24~28年)
・外務省「海外在留邦人人数調査統計」(平成24~28年)
・各自治体の「住民基本台帳」(平成24年7月~29年4月)

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海外不動産、ゆっくり売ろうよ

こんばんはManachanです。いま日本はゴールデンウィーク。天気も良く、暑すぎず寒すぎず、新緑まぶしい気持ち良い季節ですね。折角の連休ですが我が家は遠出せず、子供を近所のアスレチック等に連れていってのんびり過ごします。

今回は、「海外不動産販売」ねたで書いてみます。

海外(国際)不動産の世界で、私は様々な役割の仕事をします。日本人が海外不動産を買う「アウトバウンド」の領域だけでも、1)「投資家」でありかつ、2)「マーケッター」でもあり、3)「アドバイザー」でもあり、最近は4)「海外物件の仕入れ業者」でもあります。

3)に関しては、日本人投資家向けのアドバイスが多いですが、最近は「海外の不動産デベロッパーや仲介業者」からアドバイスを求められる機会が増えています。たとえば、

〇〇国の物件を、日本で200戸売りたいが、どうすればいいか、Manachanのアドバイスが欲しい

私、こういう仕事やりたいわけじゃないんだけど、とにかく多方面からリクエストが来るのです。世界には、国境を越えた不動産セールス案件がたくさんあります。例えば、「マレーシアで供給する1万戸のコンドミニアムを世界中で売りたい。中国で2000戸売れたから、日本でも200戸くらいは売れるだろう」みたいに考える業者が少なからずいるのです。

でもって、日本人に200戸売るにあたって、誰に頼めば売ってくれるか?その受け皿となってくれる有力な販売会社が日本にはまだありません。結局、話が巡り巡って、私みたいな奴にも相談がくるのです。

私、この種の話は、基本的にはお断りしています。私は「アジア太平洋大家の会」という海外不動産の投資同好会を束ねているだけで、販売会社ではありません。セミナー企画や集客はできますが、ワンルーム業者の営業ノルマみたいに、物件たくさん売る話は生理的に嫌いです。なぜなら、

・日本の海外不動産マーケットは、まだまだ未成熟。業界も投資家も成長途上。

・日本の投資家が海外物件から着実に利益をとって、どんどん豊かになれば、このマーケットは確実に伸びるが、現時点では、まだそこまでいっていない。

・そんな状態で、日本人に海外の物件をたくさん売っても、必ず無理や歪みが出るので、マーケット・業界の健全な発展につながらない。

言い換えれば、「日本人と海外不動産との幸せな関係」がまだ確立されていない以上、業者主導で数を売りまくるのは反対、という立場なのです。それやると絶対に、おかしなことになるから…

思い起こせば、これまで10年近く、東南アジア某国や、北米の某地方都市の物件を、何百戸何千戸と売りまくった業者が、いろんな問題を起こしました。ああいう物件買った人が、ハッピーになることは稀で、逆に入居付け、転売、管理会社探し、登記などに困って私に「レスキュー依頼」してくるケースがはるかに多い。損している彼らが、二戸目、三戸目…を買うことはありませんので、日本の海外不動産マーケットは健全に伸びていきません。

「Manachanがそういうセミナーを企画した張本人じゃないか!」という方もおられるかもしれません。確かに2011~13年頃は、日本中探しても、見渡す限り東南アジアのプレビルドや北米某都市の築古物件を売る業者しか見当たらず、当時の私は、苦悩に満ちたセミナー運営をしていました。なぜなら、「たいていの業者が最初のころは理想に燃えて、海外の良い物件を紹介しようとしていたのに、途中からたくさんの数を売ろうとして、変な方向に走ってしまう」からです。

業者として、たくさん戸数を売りたいのは理解できます。でも顧客サービスが伴わなければ、管理が雑になれば、結果的に大勢の日本人投資家を不幸にしてしまいます。結局私はいろんな業者と衝突し、決裂し、やむなく会員に向けて「注意喚起のメルマガ」を出す、トラブルが起こりそうな都市に海外人脈を駆使してセーフティネットをつくる…そんな日々が続きました。

最近、アジア太平洋大家の会のセミナーは、全体的な傾向として、先進国の大都市や成長エリアの物件にシフトしています。賃貸市場も二次売買市場も整備され、管理会社のしっかりした案件を中心に扱った結果、海外物件から確実な利益を得る会員も徐々に増えてきました。あと数年もすれば、味をしめた会員が2戸目、3戸目、4戸目をどんどん買って、海外不動産マーケット全体が伸びていくと思います。

そういう時代になれば、日本でたくさんの戸数を売りたい海外業者のアドバイスにも乗れるのかもしれませんが、現在はまだ時期尚早。海外物件で利益を取れる日本の投資家層を、フォローしながら大事に育てていく段階、リピーター予備軍をつくる段階だと思います。

2017年日本の標語。「一気に売るな、海外不動産」、「少なく売って、まず投資家に、儲けさせよう」。

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子供は、どんなバイリンガルに育つのか?

おはようございます、Manachanです。北京出張から帰ったあと、怒涛のようなセミナーラッシュに、法人確定申告…多忙な時期がようやく一段落し、ブログを書く時間的余裕がようやくできました。
 
世の中はゴールデンウィークの休みに入ります。気候の良い行楽シーズンではありますが、我が家は遠出せず東京の自宅近辺でのんびり過ごすつもりです。久々のブログは、「子供の多言語教育」ねたで書きますね。
 
私と妻とは国際結婚していて、小学生の子供が2人います。我が家はナチュラルに多言語が飛び交う環境です。
 
-私と子供たちとの会話は、日本語
-妻と子供たちとの会話は、英語
-夫婦間の会話は、中国語
-子供同士の会話は、日本語か英語
 
子供の教育環境ですが、平日は近所の区立小学校(当然日本語)に通い、土曜日だけ英語の補習校に通わせています。補習校に来ている子供たちの大多数は、日本人と英語圏出身者の国際結婚家庭のお子様で、我が家と似たような言語環境で暮らしています。
 
補習校は週一ペースなので、ネイティヴの先生が英語の読み書きやレポート、プロジェクトを一通りやるとはいえ、あくまで「英語力を維持するための補完的役割」しかできません。英米系のインターみたいに、月曜から金曜まで、英語だけで授業をやるような密度は当然期待できないし、補習校に通ったからといって人気のインターに即入学できるだけの英語力が身につくとも限りません。
 
そこで多くの親たちは(私も含めて)小学5年生頃までに、大きな選択を迫られます。
 
子供の教育言語(Academic Language)を英語にするか日本語にするか?
 
「英語」を選んだ親は、子供を英米系インターに行かせるか、または英語圏にUターン移住して現地校に入れる人も相当数います。一方、「日本語」を選んだ親は、一般の日本人家庭と同様、私立か公立の中学校、高校に行かせます。
 
親が「せっかく学んだのだから、英語も日本語もモノにしたい」と思い、かつ、子供も勉強好きな場合は、広尾学園や三田学園などのバイリンガル中学校の受験にチャレンジすることになります。
 
でも、そういう学校に行かせたところで、よくよく見れば、教育言語は「英語をメイン、日本語をサブ」か「日本語をメイン、英語をサブ」のどちらかにするに過ぎない。その意味で、他のバイリンガル家庭と同じく、結局は英語か日本語のいずれかを選んでいることになります。
 
その経験から、我々が学んだことは、
 
子供は、話し言葉の面では多国語話せるようになるけれど、教育言語は一つしか持てない。
 
私たちは、日本語が圧倒的優位な環境で暮らし、かつ家庭で英語も使っています。話し言葉の面では、どの家庭の子も、見事な日英バイリンガルになります。うちの二人の子たちもそうです。
 
だた、彼らバイリンガルキッズに、数学、物理、化学、生物、歴史、地理、保健体育といった教科を教える上で使う言語は、英語か日本語か、どちらかに絞った方が明らかに効果的なのです。普通考えて、数学を英語で教えて、また同じ内容を日本語で教えて、というのは明らかに非効率だし、歴史・地理・公民など社会科になれば英語圏の教科書と日本の教科書で内容が全く違うわけだし・・
 
もっとも、英語&フランス語、英語&オランダ語みたいに、お互いに語彙や構造の似た言語同士であれば、教育言語を複数持つことも可能かもしれません。カナダや西欧とかで多くの実例があるでしょうから、皆さんどうやってるか知りたいです。でも、少なくとも日本では非常に難しいです。英語と日本語は天と地ほどかけ離れていますから…
 
我が家では、娘ソフィア(小6)の教育言語を日本語にすることに決めました。息子ポニー(小3)にはまだ英語教育の目も残っていますが、たぶん日本語になるでしょう。私自身、どちらを好むかといわれれば、断然日本語ですね。なぜなら、
 
・世界的にみれば、英語できる人より、日本語できる人の方がずっと稀少。
・英語話者のコミュニティは世界中にあり、新興国途上国にもたくさんあって、彼らの収入給与水準は年収10万~。一方、日本語話者のコミュニティは基本的に日本に限られ、給与水準は年収200万~。つまり個人レベルでみて、日本語できた方が経済価値が高い。
・日本語で教育を受ければ、2000以上の漢字を認識できるようになり、それが中国語学習への近道になる。
・我が家はこれから当面、東京に住み続けるので、通常の学校、専門技術学校含め、日本語の方が断然、教育の選択肢が豊富。
・英語の方が「後付け」しやすい。つまり、日本語で教育を受けた後、大学等で英語で専門教育を受けるのは、世界各国でできるし選択肢も豊富だが、逆に日本語の場合は日本に限られる。

 
それぞれの家庭で、居住地も言語環境も親の言語スキルも違うので、バイリンガル教育を志すにも各自の状況に応じて最適なものを選び取っていけば良いと思います。私は「日本語をベースとした日英バイリンガル」の方が「英語ベース」よりもたぶん価値が高いと思うし、今せっかく東京に住んでいるので日本語での教育に力を入れます。
 
まず日本語をベースとして育ち、後付けで英語、フランス語、スペイン語、中国語、アラビア語などを習得するのは、やる気になればいくらでもできます。現実に私がそれをやっているわけで…

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中国で長生きできると思う理由

おはようございます。Manachanです。昨日の午後北京に着いて、ホテルで10時間ぐっすり快眠、寝不足解消できました。

昨日は思わぬ長旅になりました。北京空港混雑のため、飛行機は1時間半遅れ、入国審査や通関でも行列に並び、相変わらず人、人、人…で快適度の欠けた状態はいつもの中国だなと。

 

ただ、インフラの近代化はすごいペースで進んでますね。近未来鉄道のような地下鉄空港線と、今や市内のどの路線もホームドア当たり前の状態に。

飲料の空き缶、空き瓶の回収機なども出てきてるし…ここで回収してバーコード読み取るとポイントが付与されるシステム。相変わらず日進月歩の中国です。

 

そして、ついにこの場所に帰ってきました。

北京展覧館 (北京動物園の隣り)

 

我が日本のブースも、超一等地に東証1部上場が2社並び、壮観になりました。他国に負けてないぞ!

 

一年前の4月に来た時には、日本からの出店は「東京の新築ワンルーム業者」と「千葉県の仲介転売業者」の二社だけ。人通りの少ない場所でひっそり出店して客もあまり来ませんでした。我々はあれから1年かけて、いろいろ試行錯誤を重ねた結果、人通りの一番多い場所に一部上場ブースを二社持ってきて、日本のプレゼンスを高めることに成功。実に感慨深いです。

 

ところで、超近代的な施設の中に入っても、中身はいつもの「中国」でした。ブースに入るや否や、訳わからんいきなり「売り込み」攻勢が…

 

・商談テーブル屋のおばさん
・客引きサービス手配士のガラ悪いお兄さん

 

売り込み方も強引なんだよなあ。そして、すぐ金の話が出てくる。

 

「このブース、なんでテーブル一つしか置かないの?ひとつ持ってきてあげるからお金払いなさい!」
 
「あんたのとこ、客引きはどうしてんの?俺らに頼めば30元でいくらでも客連れてくるよ!」

 

彼らは、違法業者。我々日本ブースは、不動産フェア実行委員会に正規の料金を払ってテーブル等手配してるし、客引き行為はそもそもルール違反だし(でも皆やってるけど‥)

 

彼らと丁々発止してると、かつて、中国で暮らしていた時の感覚がよみがえってきます。誰もが自分の都合だけ考え、言いたいことを言う社会。当然、衝突も多くて、日々是バトル・喧嘩の連続。でも、思い切り声を出して自分の言い分を主張する時、「俺はいま、生きている!」という実感がわいてくるのです。

 

中国で、ストレスなんて、溜まりません。だって、言いたいことを我慢しませんもの。思う存分、大声出せますもの
 
あと中国人の良いところは、ねちねち陰湿でないところ、商談にならなければ悪い後味もなく話が自然消滅するだけだし。

 
中国の、ガサツでサバサバしたところが、大好きなんだよなあ。
 
どうして、中国と相性がいいんだろう。私の血液型がB型だからなのか?

 

私、中国でなら、元気で長生きできると思う。

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日本人の宗教をどう説明するか?

こんにちは、Manachanです。今朝、羽田を発ち、中国は北京首都空港に飛んできました。これから5泊6日、北京で多忙な日々が待っています。でもメシは楽しみ。

私は仕事柄、ヨーロッパやアメリカにも行くしASEAN圏にもオーストラリアにも行く。月の半分は日本の外に居るので、中国は一応海外とはいえ近いし気が楽ですね。

世界中いろんな地域に行けば当然、それぞれの土地の文化、言葉、慣習、食生活に触れる機会があるし、私の母国•日本についてもいろいろと聞かれます。日本と異なる様々な社会、文化で育った人達と信頼関係を築き、新たな価値を創造していくのが国際ビジネスですし、私もその最前線の現場に立って日々暮らしている自負があります。

ところで、地球上の人類の大部分は、何らかの「神」「宗教」を信じているそうです。行き先の地域によっては私も、「あなたの宗教は何ですか?」と真顔で質問されることが結構な頻度であります。

日本の日常生活やビジネスの場で宗教の話題になることは稀だし、ここ中国でも似たようなもの。日本や中国で、日常的に宗教的実践をしている人の割合はたぶん少ないし、自分が特定の宗教を信仰していると意識する機会も一般的には多くないでしょうが、

東アジアを離れて違う文化圏に行くと宗教が当たり前の話題になることがあり、そこで不用意な答えをするとこちらが望まない誤解をされることがあります。

たとえば信心深い人の多いカソリックの国に行って、宗教を聞かれて「どの宗教も信じてない」と答えると、彼らの文化では「無政府主義者か虚無主義者」みたいに解釈されることがあります。つまり、彼らからみれば極端な(ある意味危険な)思想の持ち主だと…

そんな誤解をされることは私の本意ではありません。私は、「お正月は神社で初詣、墓参りや法事は近所のお寺で、クリスマスはケーキでお祝い」みたいな、日本や中国でよくある「マルチな宗教観」を持ってる一般人に過ぎないわけで、

少なくとも「一般ピープルが当たり前に何らかの宗教を信じる社会で、それを敢えて否定していかなる神も信じないと決めてる」タイプの人間ではないのです。

相手が信心深い国の人の場合、彼らの文化コンテクストの基本を理解しつつ、自分に嘘をつくことなく言うなら、たとえば、

Well..I am a kind of Buddhist and Shintoist (not very practicing though)
「ま、仏教と神道かな(あまり真面目じゃないけどね)」

みたいに答えた方が無難かと。少なくとも「信教がない」と答えるよりは要らぬ誤解をされない分、便利な気がします。

私、最近はASEAN圏、特に上座部仏教圏のタイ、ミャンマー、カンボジア、ラオスに仕事で行く機会が増えています。これらの国々は日本企業の進出拠点としてもポピュラーな上に、特にタイ人は大勢が旅行客として来日するので身近ですね(注.同じ東南アジアの「ベトナム」は上座部仏教圏でないので上記カテゴリから外れます)。

上座部仏教圏では、日本あたりと比べて宗教的実践をする人が多い印象です。男性が成人すれば当たり前に出家したり、街の人が毎日托鉢僧に食べ物を与えたり、住む家のない人が寺院に保護してもらったりと、「仏教」が日常生活のなかに深く根づいているように見えるし、彼らをみていると、「私たちの住む日本は果たして仏教国なんだろうか?」と自問自答したりします。

タイ人からは、日本は同じアジアの仏教国で、仲間みたいに思われてるようです。アニメ「一休さん」が昔からタイで大人気ですし、日本に旅行行くなら(一休さんのいた)「安国寺」に行ってみたいというタイ人の女の子もいたなあ…

確かに日本には全国に仏教寺院がたくさんあるし、神社と共にお寺は日本人の暮らしに無くてはならないもの。その意味では日本は仏教国といえるでしょうし、そんな文化に包まれて育ち、真宗のお寺に墓参りや法事に行ってる私も、(特に意識はしてませんが)はたからみれば立派に宗教的実践をしているのかもしれません。

あと、東京に遊びに来た外国人を、真っ先に連れていく先も浅草寺とか成田山新勝寺あたりになりますね。特に宗教を意識しなくても仏教寺院を日本の文化、誇りだと思ってるからそうするわけです。

ただ、タイなど上座部仏教圏の出身者が日本で暮らすと、日本人の宗教的実践の薄さや、仏教が日常生活に余り身近ではないことにすぐ気づきます。あと、日本の僧侶が肉食妻帯することもかなりエキゾチックに感じるようです。つまり、日本は同じ仏教国だと思っていたのに、実情はかなり違うと…

巨視的にみると、インド文明をベースにした、宗教的気分や実践、戒律を重んじる東南アジアの上座部仏教圏と、中国文明のフィルターを通して仏教を受容した日本(+朝鮮、ベトナム)では、仏教の仕組みや社会文化的な位置付けが大きく違うのだと思います。

紀元前6世紀インド東部で生まれた仏教が、北に伝わりアフガニスタンを経て、漢土に伝わったのが紀元前後。その過程で、少なくとも宗教実践面は大きく変質したと思われます。例えば東南アジアで当たり前になってる午前中の托鉢は、気候の厳しいインド北辺に伝わる頃には形骸化したようです。

仏教が漢土に伝わると、当然、「中国化」します。「衆上(一般ピープル)の救済」を重視する大乗系仏教が、「超越的存在としての神よりも人間や歴史に関心が強い」中国の風土で受け入れられた結果、少数の僧侶が寺院で厳しい戒律に耐えるインド的な宗教テイストが薄まり、世俗化や大衆化が進んだのだと思います。分かりやすく言うと、仏教はもちろん存在するんだけど、社会慣習と一体化して、あまり宗教として意識されないタイプの仏教に変質していった…

古代の日本はインドから仏教を直接移入したのではなく、中華風味になった仏教を、漢字とともに移入した。それが日本古来の神(国津神など)と矛盾なく融合して、数々の宗派が生まれ、いろんな経緯を経て今に至るわけです。

中国、朝鮮、ベトナム、そして日本…東アジア圏は、広義の仏教国とは多分言えるんでしょうけど、国民レベルで宗教的意識や実践がどちらかと言えば希薄な「信仰心が余り篤くない仏教の国」…それが私の雑駁な理解ですね。それは同地域の人々が、中国文明の影響を長期間に渡って受け続けてきた歴史と無縁ではないのでしょう。

話が長くなりましたが、私は多くの日本人、東アジア人と同様、ある意味節操のないマルチな宗教観を持って暮らしています。それを英語で表現すると、やはり、こう言うしかないですね。
I am a kind of Buddhist and Shintoist

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北京語一極集中の時代に

こんばんはManachanです。東南アジア4か国、10泊11日の出張から無事帰国しました。最初の6日間は、タイ、ラオス、ベトナムを、夜行バス含めて忙しく飛び回り、最後の4日間はマレーシアで家族と一緒にのんびり過ごしました。

 

マレーシア・クアラルンプール(KL)は、春休みに家族で過ごす場所としては、すでに定番です。羽田から直通で行ける、都会の利便性がある、ホテル代激安、現地物価安い、親子で楽しめる施設が多い、英語が通じる…そういった面で、マレーシア以上に条件の揃った場所はなかなかありません。

私がマレーシアを最初に訪れたのは、1992年。それから25年間で、KLの街は劇的に変わりました。

あの頃のKLは、首都とはいえ日本の地方県庁所在地程度の田舎町でした。KLCC(都心CBD)もペトロナス・ツインタワーもまだ無かったし、セントラル駅の西側は一面の森と公園だったし、ブキビンタン(KL随一の繁華街)でさえ百貨店が伊勢丹くらいしかなかった。

 

それが25年経つと、何もなかったKLCCは摩天楼の街に一変、ブキビンタンも百貨店が屏風のように連なり新宿みたいな風景に。セントラル駅周辺にも高層ビル林立…ずいぶん変わったものです。

 

KLタワー周辺の眺望

 

そして25年の歳月は、人々の話し言葉まで変えてしまいます。今回のブログは、語学ネタで書きますね。

 

日本で大学生が選択する第二外国語、今はおおむね「中国語」が一番人気で、二番手が「ドイツ語かフランス語」のようですね。

 

私が大学生だった1990年頃は、「フランス語」か「ドイツ語」が人気トップで、「中国語」は三番手か四番手(スペイン語と良い勝負、ロシア語、韓国語より少し上)みたいな位置だったと記憶しています。私のいた大学では、確か

 

フランス語 9クラス
ドイツ語  8クラス
中国語   4クラス
ロシア語  1クラス
(※スペイン語や韓国語は履修できませんでした・・・)

 

当時と比べると、20数年経って、中国語の地位が躍進したことがよく分かります。中国が世界の経済大国になり、日本との関係も深い。ビジネスで使える、就職に役立つという意味で、ドイツ語やフランス語、スペイン語あたりと比べても一歩抜け出した感がありますね。

 

あと、外国に行かなくても、日本での日常生活のなかで中国語を聞く機会も結構あります。東京は特にそうですね。私が住んでる東陽町とか木場あたりだと、街を歩いてて中国語が耳に入ってこない日はありません。フランス語やドイツ語だと、さすがにここまで身近ではない。

 

「英語の他に、学ぶとすれば中国語」という時代は、もうしばらく続きそうです。

 

中国語の国際的地位が上がると同時に、国内外で、広東語、福建語、上海語など、いろんな方言の使用頻度が減って、「北京標準語」に集約される動きが目立ちます。

 

例えばマレーシアでは、中国系住民の話す言葉が、もともと広東語や福建語だったのに、今は北京標準語一色に変わった印象。この動きはマレーシアに限らず、シンガポールでも、欧米各地の華人社会内部でも、同時進行で起こっています。

 

1992年、私が初めてマレーシアに来た時は、広東系マレーシア人の友人に水先案内してもらいました。当時の私は北京語を話せましたが、「マレーシアの華人社会で北京語はあまり通じない」と言われ、わざわざ「広東語の基本フレーズ」を覚えていったものです。

 

今、マレーシアに行く場合は、華人社会とのコミュニケーションは北京語できればそれで充分。逆に若い世代に広東語や福建語が十分継承されていない印象を受けます。
 

マレーシア華人の昼食風景

 

急速に進む北京語化のなか、広東語の牙城といえば「香港」。ここの生活言語は広東語で、旧英領植民地ゆえ英語もよく通じます。20年以上前は大陸中国がまだ貧しく素養も低かったため、香港では北京語自体が馬鹿にされていました。私が台湾で覚えた北京語も、香港で話すと「大陸の田舎者」だと見下されるので、英語で話した方が良いと諭す友人もいたほどです。

 

しかし今日の香港は、びっくりする程、どこへ行っても北京語が通じます。都心や観光地だけでなく、香港ローカルしかいない住宅街の小さな商店に行っても、北京語だけで事足ります。北京語が馬鹿にされる時代はとうの昔に去り、今や香港人が商売するために一生懸命北京語を覚える時代になりました。

 

3年前に、香港で不動産セミナー講演した時のこと。私は広東語できないので、英語と北京語どちらで話せば良いかと現地協力会社の人に聞いたら、北京語の方が分かりやすいのでお願いしたいと言われました。話し終わった後、会場からの質問を受け付けると、7割方は流暢な北京語で話してきました。今や香港でさえ、北京語だけでほぼ全て事足りる世界になったわけです。英語も結構通じますけど、今や北京語の方がよく通じますね。

 

言葉とは、人間が世界を認知するツールであると同時に、コミュニケーションの手段でもあります。より多くの人に話が通じ、キャリアアップや商売の発展につながる言葉に、需要が集中する。その結果、マイナーな方言が廃れて標準語に集約される…それも言語のひとつの生態なのでしょう。
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アジア最後の桃源郷「ラオス」の変化と不動産

こんばんは、Manachanです。2日間のラオス滞在を終え、先ほどベトナムに飛んできたところです。

東南アジア、ASEAN圏内には、タイ、ベトナム、フィリピン、マレーシア、シンガポールなど、それぞれ個性と知名度を持つ国が多数ありますが、そのなかで比較的無名なのが「ラオス」。内陸国、人口700万人余りしかいない、日本との直行便がない…等々、比較的馴染みの薄い国かと思います。

 

私が今回、ラオスを訪れたのは3回目ですが、他のASEANの国と比べると、

 

むちゃくちゃ、田舎な国です。

まじで、笑っちゃうくらい、何もありません。

 

私はラオス~タイ間の陸路国境越えを2回やってます(ビエンチャン~ウドンタニ間と、パクセ~ウボンラチャタニ間)。これをやると、隣国タイとの経済格差が実感できます。

タイ、といってもラオスに接するタイ領は、バンコク首都圏から600km以上離れた「辺境のど田舎」に他なりませんが、それでもラオスから来ると、タイの都会ぶり、物質文明の充実に驚きます。

 

– タイには、何でもある。どんな小さな町にもTesco LotusやMakro(スーパー)がある。コンビニたくさん。

– タイ側の、少し大きな街にいくと、セントラルプラザ(ショッピングセンター)や、環状道路やバイパスがあったりして、ぶったまげる

– 道路の整備状況も、交通量も雲泥の差。タイ側は建物も立派。

 

ラオス人はタイ人と同系統の民族で、人種も宗教も一緒、言葉も近くてお互いに意思疎通が可能。当然、食べ物や生活文化も似通っているわけですが、

屋台ひとつとっても、ラオス側はタイ側ほどのバラエティがありません。店の数が少なく品揃えが貧弱…というのも、ラオス人はつい最近まで、物々交換の暮らしをしていて、食べ物を売って現金化する歴史がまだ浅いのです。

スーパーや喫茶店にしたって、タイやベトナム資本が入ってきたのはごく最近のこと、商業広告も少なく、資本主義の浸透はまだこれから。都市部でさえリヤカーに野菜満載した行商や練炭売りが未だ健在で、日本の昭和30年代頃の懐かしい風景が広がります。

 

 

ラオスの「何もない田舎なところ」が良いという人がいます。その気持ち、私よく分かります。

 

ラオスって、本当に、いい国なんですよ。人が純朴でスレてない。自然も、文化も素晴らしい。このまま永久保存したい位。

ラオスこそ、アジアに残された最後の桃源郷かもしれません。おおよそ桃源郷という言葉から連想されるもの、たとえば、

 

花と緑あふれる美しい山河

幸せそうな人々の穏やかな笑顔

優雅に、ゆったり流れる時間

 

その全てが、ラオスにはあります。言い換えれば、ラオスにはそれしかない、のかもしれません。

「三丁目の夕陽」の世界か。いやそこまでいかない「二丁目の夕陽」が黄金の仏塔を照らし、母なるメコン河に落ちゆく、秘境のような国ラオス。

そこには、「十丁目」に達した日本や、「七丁目」まで発展したタイ•バンコクがとうの昔に失ったものが、2017年の今もまだ残っています。

 

ラオスが、これからもずっと、桃源郷であって欲しいと願う旅人は多い。

しかし、現実はそうなりません。現代はメディアやスマホを通して情報だけは容赦なく入って来ます。ラオス人はタイ語が理解できるので、大都会バンコクのスタジオできれいに着飾った芸能人や、南タイの綺麗な海の風景を写すカーナビ広告を、タイのTVを通して皆が見ています。若い人ほど、自国のどうしようもない田舎っぷりを嘆き、タイやベトナムのように発展して欲しいと願うでしょう。

私はその気持ちを否定することはできません。昔ながらの桃源郷ラオスのままでは、多くの人が近代的な教育や医療を受けられない、田舎から街に出てもメイドやマッサージ位しか働き口がない、といった現実を変えることはできないのです。

 

ラオスはASEANの構成国で、外に開かれた国。海外からビジネスも資金も当然入ってきます。首都ビエンチャンを中心に、これから資本主義的な発展、変貌を遂げていくことでしょう。

とはいえ、ラオスがタイのようになれるのかカンボジアやミャンマーのようなスピードで外資導入して経済発展の軌道に乗るかというと、たぶん違うと思います。

 

ラオスは、近隣諸国と比べるとゆっくりと、静かに、変わって行くのだと思います。プノンペンやヤンゴンに高層ビルが建ち並んでも、土地が豊富で人口の少ないビエンチャンで同じ現象が起こるのはたぶん数年先でしょう。

プノンペンにはボンケンコン、ヤンゴンにはヤンキンという、富裕層や外国人の好むおしゃれエリア、東京でいうところの南青山チックな場所ができてますが、ビエンチャンの南青山が登場するのは、少なくとも5年以上先でしょう。

ラオスよりずっと人口が多くて国力のある、他の国の首都と比べるとビエンチャンはゆっくりペースですが、それでも、飛行機に乗ったことのない、エスカレーターを見たこともない多くのラオス国民にとって、ビエンチャンの今の発展速度は、驚くほどのハイペースなんです。

 

ラオスの首都ビエンチャンは、もはや秘境ではありません。車の交通量も増え、渋滞も発生する、まぎれもない「都市」です。高層ビルも増え、都市住民がマンションに住む時代が、すぐそこまで来ています。

パクセ、サワンナケートといった二線級の都市はまだ高層の建物が皆無に近く、ある意味秘境らしさを残していますが、そこも徐々に近代的に開発されていくでしょう。すでにラオス随一の観光地となったルアンパバーンは言うに及ばず。

ウドムサイ、ポンサリーといった、現状では秘境っぽい山岳地帯の街は、これからどうなっていくんだろう?中国の開発が入って変わっていくのかな?

 

ラオスは、小さくて静かな国。外の世界から見ればゆっくりと、しかし着実に変わっていくのでしょう。これは、不動産投資・賃貸経営の面からすると、そう悪いことではありません。

マレーシアのクアラルンプール、タイのバンコク、フィリピンのマニラ、そしてカンボジアのプノンペンが経験した「コンドミニアム過剰供給」と、それによる「貸せない!売れない!オーナーの苦しみ」。これが、ラオスのビエンチャンに現出するのは、まだ当面先のことだからです。

700万人しかいない小さな国、首都でさえ人口80万で岡山市や熊本市のレベル。地元民の所得水準も低い、外国人の居住人口も少ない、土地の相場も不透明…となれば、海外のデベロッパーが大規模な住宅建設事業に参入するのは難しい。将来はともかく、現時点では地元のプレイヤーしかおらず、ノウハウが乏しいので進み方も遅い。

したがって、物件が完成する時期は予定より当然遅れますが、逆にいうと過剰供給にもならないわけです。たとえばの話、2020年までにビエンチャンで完成予定のコンドミニアムは、それが全部工期通りに完成したとしても、供給数はわずか2000戸程度。3万戸超が一気に供給されるプノンペンとは、状況がまったく違います。

 

ASEANでも後発の国ゆえ、安定資産とはほど遠いですが、それでも、ラオスという国があって、国民が首都ビエンチャンを目指す、人口増加をあてこんで各国のビジネスが参入する限り、住宅の需要は続くし、居住地にいろんな選択肢があるなかで都心の価値は高まるはず。

ラオスという国が好きで、長い目でのんびりと、発展に付き合っていける人であれば、ビエンチャン都心でまともなコンドミニアムを持つのは十分ありだと思います。過剰供給になりにくいのも好材料ですね。

 

ビエンチャンで泊まったホテルの入口横にあった仏様の祠…ラオスより愛をこめて。

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