オーストラリアで収入をつくろうー後編(不動産投資)

前編の続きです。

オーストラリアでいかにして収入をつくるか?いくつかの方法がありますが、まずは「不動産」から語ってみましょう。オーストラリアに住まなくても、オーストラリアの不動産を買う資金があれば、賃貸収入を得て、資産を増やすことも十分視野に入ってきます。

 

オーストラリアは、とてもフォーカスしやすい不動産市場だと思います。まず、人工衛星からの夜間撮影画像をみれば一目で分かるように

・海岸沿いに点在する五大都市以外に、ほとんど人が住んでいない。

シドニー、メルボルン、ブリスベン(含ゴールドコースト)、パース、アデレード…五大都市に総人口の6割以上が集中。オーストラリアは先進国中、最も都市集中が進んだ国です。アメリカ本土の画像と比べれば一目瞭然ですね。

 

・五大都市はお互いに遠く離れ、その間の人口が少なすぎて、経済的に一体化できない。

五大都市はそれぞれ別の州に属し、かつ、地理的に遠く離れています。強いていえばシドニー~メルボルン間が最短距離ですが、それでも850km以上離れています。私はこの区間を何度かドライブしましたが、休憩時間入れて10時間はゆうにかかります。沿道は、シドニー近郊とメルボルン近郊を除いて、無人に近い地域が延々と続きます。正確に言うと約100km毎にGoulburnやYass、Alburyなどの小都市が点在しますが、いずれも日本でいう「村」か「町」のサイズ。移動距離と人口から考えて、五大都市は経済圏として一体になれません。

日本の「太平洋ベルト地帯」や西ヨーロッパの「ブルーバナナ」のような、地理的に連続した巨大都市圏は、オーストラリアでは出現しようがないのです。

 

・五大都市は、それぞれの州内で、州都として圧倒的な人口を持つ。

シドニーのあるニューサウスウェールズ州は、日本の倍以上の面積を持ちますが、州の総人口は770万人。うち68%にあたる525万人が州都・シドニー圏に住んでいます。

メルボルンのあるビクトリア州の人口は603万人。うち77%にあたる467万人が州都・メルボルン圏に住んでいます。

クインズランド州は日本の4倍もの広大な面積がありますが、人口482万人。うち61%にあたる295万人が州都・ブリスベン&ゴールドコースト都市圏に住んでいます。

パース(ウェスタンオーストラリア州)に至っては、州人口の82%が集中しています。

ここまで圧倒的な人口・産業が州都に集中していれば、皆、州都に住みますし、人口増加や産業発展の多くは州都周辺で起こります。特にオーストラリアは移民国で、人口増加の半分以上が移民純流入によってもたらされています。移民は当然、職場と同国人コミュニティのある「大都市」(特にシドニーとメルボルン)に集中します。

 

非常に分かりやすい構図ですね。「5大都市(州都)に人口集中」、「それ以外は無人に近い」…オーストラリアで不動産投資して利益を得るには、「都市圏内を狙う」のが定石なのです。

5大都市圏はどこも人口が増えており、土地利用が高度化しています。土地の広い一戸建てが、どんどん細分化されてタウンハウスになり、都心近くではユニット(マンション)が一般化しています。そうなると、

・都市圏内の便利な場所で、土地つきの物件を持っているだけで、土地利用高度化の恩恵を得て物件価値が上がる。

しかも、

・慢性的に住宅不足の国で、かつ人口が増え続けるので、空室率が非常に低い(1~4%)。まともな物件を選べば賃貸収入は確実に入る上、需給バランスから、物件価値も上がりやすい。

 

その基本を踏まえた上で、「いくらあれば、オーストラリア不動産市場に参入できるのか?」を考えてみましょう。

・オーストラリア各都市間で、不動産価格に大きな違いがある。

シドニー圏の平均不動産価格 852,000ドル(≒7500万円)

メルボルン圏の平均不動産価格 641,200ドル(≒5650万円)

ブリスベン圏の平均不動産価格 486,000ドル(≒4280万円)

 

土地付戸建、マンション、全てひっくるめて、平均でこれだけの価格になります。高いですね~。特にシドニー在住の皆さんは、これだけの価格を頭金貯めてローン組んで買うので、若い世代は本当に大変です。

なお、一般に初回購入者(First Home Buyers)が買う物件は、平均よりやや安くなります。そして、国から2万ドル程度の補助も出ます。それでも購入は決してラクではなく、シドニー、メルボルンでは若い世代のマイホーム取得が社会問題になっています。

 

「初回購入者の不動産取得価格」

シドニー圏 50~60万ドル

メルボルン圏 40~50万ドル

ブリスベン圏 30~40万ドル

そういうマーケットなので、オーストラリアの都市圏では、「値上がり可能性のあるまともな不動産は、40万ドル(約3500万円)がスタートライン」と考えてください。

 

40万ドルの予算で、何が買えるかというと、

・シドニーでは難しい(参入するには60万ドル欲しい…)

・メルボルンでは、都心近郊のマンションか、かなり遠い郊外の戸建・タウンハウスが買える。

・ブリスベン&ゴールドコーストでは、都心のマンションか、都心近郊のタウンハウスが視野に入ってくる。

 

予算が40万ドルなら、シドニーは諦めて、メルボルンかブリスベンを狙うのが現実的ですが、それぞれの都市規模・価格差を考えると、次の視点で選ぶのがおすすめです。

・ブリスベン&ゴールドコーストなら、近郊で鉄道と高速道路の便の良いエリアで、土地付きを優先すべし。

・メルボルンでは、土地付きを求めるとかなり立地が悪くなるので、都心近くの相対的に出遅れたエリアでマンションの方が良い。

 

上記の観点からみて、私が「価値上がりそう」と思った物件を、いくつか紹介します。

 

1)ブリスベン西郊Redbank Plains。土地251㎡、住宅2戸タイプ(3ベッドルーム+1ベッドルーム)

約48万ドル、想定家賃580ドル/週、グロス利回り6.3%

 
人口増加が著しく、特に悪い評判のない新興住宅地。すでに交通、買い物、学校の便が良いほか、新駅設置計画もあり、将来的なキャピタルゲインが期待できる。

 

2)ブリスベン~ゴールドコースト幹線上の新興住宅地Pimpama、土地220㎡、3ベッドルームタウンハウス

約44万ドル、想定家賃440ドル/週、グロス利回り5.2%

ブリスベンとゴールドコースト両都心へ、鉄道でも高速道路でも非常に出やすく、教育・買い物環境も整ったエリア。内装もデザインも極めて良質で、地域も物件も評価が上がりそう。

 

上記2物件は、いずれも「電車と道路のダブルアクセスで交通便が良い」、かつ「土地付き」という共通点があります。地元で働くファミリーに、賃貸も購入もニーズが高い立地と間取りなので、安定した賃貸経営と、将来の売却益の期待大だと思います。

 

3)メルボルン都心から6㎞、Moonee Pondsの新築マンション

1ベッドルーム48㎡が約40~41万ドル、想定家賃370ドル、グロス利回り4.7%

メルボルンは、40万ドルの予算だと土地付きを買うのが厳しいので、便利な都心近くで、まだ周辺地域と比べて出遅れ感のある地区で良質なマンションを買うのが良いでしょう。

都心から北へわずか6㎞、Moonee Pondsもそういう地区の一つ。利便性も治安も環境も良いにも関わらず、都心からほぼ同距離のRichmondやSouth Yarraなどに比べて、知名度の関係で同じ間取りのマンションが10万ドル以上も安い。今後、評価が上がっていくだろうと期待できます。

 

なお、外国人の立場でオーストラリア物件を買う場合、いくつかの制約条件があります。

1)オーストラリアの永住権がない方は、原則・新築しか買えません。

2)FIRB審査料5千ドルに、印紙税(物件価格の7~10%、州により違う)がかかります。

3)オーストラリアで融資づけは非常に難しくなりました。

 

1)新築しか買えないことは、不動産投資で特にハンディにはなりません。オーストラリアでは中古の方が良い値がつくことの方が多いので、新築時に適正な価格で良い物件を買っていれば、売却で苦労することはまずないでしょう。

むしろ、大変なのは2)と3)ですね。印紙税負担に加え、オーストラリアでの融資付けが難しいため、4000万円前後を現金で出さねばならない人が多く、「オーストラリア良いのは分かるけど、敷居が高い」と購入を諦めてしまう方が多いのが実情です。

(※日本での融資付けは可能性あります。政策金融公庫やノンバンクなど、日本で担保余力のある物件を保有しておくと有利です。あと、金利高くなりますが、オーストラリアのノンバンクも一応使えます。)

 

4000万円を現金で用意できる方、または日本で融資をひける方で、オーストラリアに興味ある方は、是非、今のタイミングで参入をおすすめします。

「日本より給料も物価も高いオーストラリアで安定した資産と収入をつくるチャンス」だからです。それは一生の宝物になります。老後の生活保障や、オーストラリアを視野に入れた二か国居住に道を開くでしょう。

 

最後に、一番大事なこと…40万ドルで物件買った後、どのように運営すればよいのか?

・まず、購入後7~10年間、家賃を得ながら、査定額が60万ドルになるのを待ちましょう。

・60万ドルになったら、次の収益物件を、40万ドルくらいで買いましょう。2物件を担保にした融資を、オーストラリア金融機関でひける可能性があります。

・1号物件、2号物件が揃えば、家賃収入の合計が週1000ドル近くになってるはずです。週1000ドルは、オーストラリア人サラリーマンの平均的な給料に近い水準ですので、銀行も評価します。それを担保に融資をひいて、3号物件の取得が視野に入ってきます。

・最終的には、自分の住む物件と、収益物件2つを、ローン完済した状態で持つことを目指します。

・自宅を持ち、かつ週1000ドルの固定収入が不動産から入ってくれば、円換算で月額37万円に相当します。大好きなオーストラリアで夫婦二人で、老後、結構なゆとりを持って過ごせるでしょう。日本の年金を心配する必要もありません。

 

上記は、全て実現するのにおそらく20年ほどかかるかと思いますが、40歳でチャレンジすれば60歳。いま30歳なら50歳で実現できる可能性があります。かくいう私も、シドニーの1号物件に加え、ブリスベンの2号物件が来月稼働しますので、まだローンは残っていますが、額面の家賃収入は週1120ドルあるので、複数の金融機関から「次の物件で融資引きませんか?」とアプローチを受けています。うまくやればあと6~7年で、オーストラリア・ファイナンシャルフリーを実現できるでしょう。

(もし、上記物件の購入に興味がある、委細相談したい、という方は、こちらからご相談ください)。

 

以上が「不動産を使ったオーストラリア収入創出法」になります。日本の融資含めて、数千万円の元手が用意できる人向けの方法論ですね。

現時点で、その元手が準備できない人は、どうすれば良いでしょう?お金がなくても「若さ」と「向上心」があって、「オーストラリアに渡航して頑張ってみせる」という人には、私は誠心誠意応援いたします。私自身も31歳で渡航して、オーストラリアで頑張って働いて生活をつくりあげてきたのですから…それは、稿を改めて書こうと思います。

オーストラリアで収入をつくろう―完結編」に続く

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オーストラリアで収入をつくろうー前編

こんにちはManachanです。いまオーストラリア・ケアンズにある妻の実家で家族とのんびり過ごしています。8月22日まで、あと17日間ここにいる予定で、「大人の夏休み」みたいなもんですね。我が家の二人の子供たちは、日本の学校の夏休み中、約1か月をケアンズで過ごします。

ここは実家なので住居費もかからず、小さい街なのでお金のかかるイベントもあまりなく、時々ショッピングセンターでお昼するか、子供をたまに習い事に連れていく位のシンプルな生活ですが、それでもここは物価高で知られるオーストラリア、家族4人が普通に暮らすと、それなりにお金がかかります。いまの為替レート(1豪ドル=88円)で計算すると、

 

・ミートパイを買うと、1個4.5ドル(400円)
・カフェラテを買うと、1杯4.2ドル(370円)
・ゲームセンターでUFOキャッチャーやると、1回2ドル(180円)

 

ミートパイを買うごとに、娘ソフィアは言います。「これ、日本のおにぎりみたいなもんだよね。日本では100円ちょっとで買えるのに…」。

日本では毎週、ソフィア(小6)にお小遣い400円、ポニー(小3)に250円渡してましたが、同じ金額をオーストラリアで渡しても全然、使いでがありません。

そんな物価で暮らすわけなので、シンプルな生活をしていても、東京で暮らすのと比べてざっと1.3~1.5倍くらいの生活費がかかります(我が家は毎年ケアンズで過ごしてるので、この数字、かなり正確ですよん…)。

 

思い起こせば、私がオーストラリア(シドニー)に移住した2000年頃は、ここまで物価高くありませんでした。むしろ日本と比べて安いと感じたものです。

あの当時、為替が1豪ドル=63円で、近所の中華街のフードコートでチャーハン食べたら5.5ドル(350円)、職場まで片道28キロを電車移動すると片道2.9ドル(185円)、郊外のCronullaビーチから対岸のBundeenaまでの渡し船が片道2.5ドル(170円)、全てが「安い!」と思いました。

 

物価が安い分、給料も日本に比べて安く感じました。私は当時、ITエンジニアとして現地企業で月給もらってました。年俸が6万5千ドル。でも税金ひかれて手取りが4万4千ドル、邦貨換算280万円、安いぞ!

移住直前、私は日本の外資系で同じような仕事をして、年俸477万円、残業代入れて602万円、税金と社会保険料引かれても、手取りが約480万円ありました。しかも、自宅から職場への定期代も会社負担でしたが、オーストラリアに来た途端、交通費は実費負担になるので、安月給感はさらに募りました。この給料でオーストラリアで暮らすなら良いけど、日本に里帰りしたらコストが心配…そんな時代でした。

それでも、「移住して良かった」と思いましたよ…オーストラリアでサラリーマンやるって、日本でやるよりずっとラクですもん。普通は定時で帰れるし、残業あっても30分~1時間くらいだし、早退もかなり自由だし、疲れたら簡単に病欠とれるし。

日本ではかなり残業して、家に帰る時間も9時や10時が当たり前だったから、オーストラリアで働くようになって、まだ明るい6時半とかに帰宅できる身分になると、時間を持て余してしまうくらいでした。散歩したり、ラグビーの試合見に行ったり、海に泳ぎに行ったりしてましたね。とにかく、自由時間は有り余るほどで、そのライフスタイルが楽しかったです。

 

ところで、2000年から今日にかけて、オーストラリアと日本の価格差や給与水準は逆転しました。いま、日本からオーストラリアに来た場合、ほとんどの人が、「給料高い、物価も高い」と思うはずです。

この逆転劇は、一日にして起こったのではありません。日本の物価が上がらないまま10数年の歳月を過ごした間、オーストラリアの物価は、少しづつ、じりじりと上がり続けてきたのです。

 

シドニー・チャイナタウンの炒飯、私が来た2000年は5.5ドルでしたが、翌01年は6ドル、02年は6.5ドル…みたいに値上がりが続き、今では11ドル位します。今の為替で1000円するので、日本で食べた方が確実に安いですね。

家賃だって、2000年当時と比較して、倍近くになりました。当時、週340ドルで査定が出ていたシドニー郊外の貸家が、今や週590ドル。現地通貨ベースで75%も上がっています。円換算すると、週21,420円⇒51,920円。なんと2.5倍ですね。同じ期間中、日本の家賃は全然上がっていません。

給料だって当然逆転してます。私が当時やっていたITエンジニア(Lotus Notes Developer)の仕事、当時の年俸は6万5千ドルでしたが、今この職種で採用されれば年収10万ドルはいくでしょう。邦貨換算、年収880万円以上になり、日本の多くのITエンジニアと比べて高収入ですね。マネジャークラスになれば年収15万ドル(1320万円)。今オーストラリアのITの現場では、こんな給料が当たり前になりました。

 

日本の現場でばりばり働いてるITエンジニアも、英語覚えて、どんどんオーストラリアやニュージーランドに働きに来ればいいのに、と思いますよ。給料良くなるし、仕事たぶんラクだし、英語圏で経験積めば日本に帰国した時に差別化できるし…

興味ある方は、最近、IT技術者としてニュージーランドに移住したHassyさんのブログがとても参考になります。時代と国は少し違いますが、私も彼と同じような努力をして、オーストラリアのITエンジニアになり、この国で収入をつくる術を得たのです。

 

ここ十数年の、日本とオーストラリアの物価・給料の推移を見てきて、思うこと、

・日本の収入や貯金で、海外でリタイアするという考え。相当の資産家ならともかく、一般ピープルがやるのは、長期的にみれば現実味に欠ける。

・もし、一般ピープルが海外で生活の拠点を設けたいのなら、その国でも収入を得られるようにする方がずっと安全で持続可能だと思う。

 

以前書いたブログ記事で、「PC=Profit Center(お金を稼ぐ場所)」と「CC=Cost Center(お金を使う場所)」について論考を書きましたが、日本経済が停滞・衰退することを前提に海外移住を考える場合、「PC=日本、CC=海外」という設定にはどうしても無理がある。オーストラリアの例をみるまでもなく、年々、交易条件が自分にとって悪化することを覚悟しなければならないし、オーストラリアが物価高で暮らせなくなれば、まだ安いマレーシアやタイに流れる、その国々も結局物価上がって生活水準下がる…という悪循環から抜け出せません。

お金がないから、物価の安い国に流れるって、たぶん本意ではないはずです。オーストラリアが好き、オーストラリアに行く意味がある‥そんな人が移住を希望するはず。大好きなオーストラリアに暮らし続けるためには、必要最低限のおカネの知識がなければならないし、知識ある人が普通に考えれば、「PC=日本、CC=オーストラリア」は持続可能でないことがすぐ分かるはず。

 

物価と給料の高いオーストラリアをPC(稼ぐ場所)にできれば、景色は一変します。オーストラリアで暮らしてお金を使うことになっても、その物価相応の給料・家賃収入を前提に運営されている社会なので、この国で収入があれば割高感は感じないで済むはず。

あと、日本に住むことになれば、現地物価がオーストラリアより安いので、オーストラリアの収入があればかなりお値打ちに暮らせるはずです。

 

オーストラリアで収入を得る方法は、いくつかありますし、どの年齢でもチャレンジ可能です。

・いま、日本でばりばり働き、20代~40代前半で、学習意欲のある方には、技術移住をおすすめします。

・それなりの資産を築いた方には、不動産の賃貸経営をおすすめします。

 

後編で、その道筋を具体的に書いていきたいと思います。

・オーストラリアで不動産投資する場合、どの位の元手を使えば参入できるのか?いかなる方法論に基づいて、資産価値やキャッシュフローを増やしていけるのか?最終的にいくら位あれば、オーストラリアでリタイアできるのか?

・もし、その元手がない場合、どうすれば良いのか?

 

後編まで、ちょっと、コーヒーブレイク!

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インドネシア、巨大ガラパゴス不動産市場の魅力-2)バリ編

前編の続きです。

インドネシアの二枚看板といえば、東南アジア最大のメガロポリス「ジャカルタ都市圏」と、東南アジアを代表するリゾート地「バリ島」になるかと思います。

バリ島の状況は、ジャカルタ圏を含むジャワ島とは大きく異なります。同じ国に属すとはいえ、宗教、人文、産業構造、不動産市場…どれをとっても、バリ島の独自性が際立ちます。日本における沖縄、アメリカにおけるハワイのさらに上を行くほど、インドネシアにおけるバリ島は圧倒的にキャラ立ちしています。

最も根本的な違いは「宗教と世界観」でしょう。インドネシアの圧倒的大多数はイスラム教を信仰しますが、バリ島だけは「バリ•ヒンドゥー」という、土着信仰とヒンドゥー教が融合した宗教が、島民の8割以上に信仰されています。

イスラム教が厳密な一神教であるのに対して、「バリ•ヒンドゥー」は多神教で、「やおよろず(八百万)の神」が信仰のなかに息づいています。ある意味、日本人の宗教観に似ていますね。数多くの神が信じられている分、他宗教の流入には寛容な土地柄で、同じヒンドゥー教はもちろん、イスラム教もキリスト教も仏教も神道も含め、どの宗教を信仰する者が入ってきてもバリは自然に受け入れる…その寛容さが「世界的観光ブランド=バリ島」の素地になっています。

バリ島内を回ると、日本の風景にとても似ていて、親近感が湧きます。片側一車線の狭い道の両側に商店や家並が続き、街々に小さな祠(ほこら)があって、沖縄のシーサーみたいな獅子が門を守り、ガジュマルのような木があって…一瞬、沖縄の離島にでも来たような錯覚を覚えます。そういえば、バリ島には「ナシ•チャンプルー」(Nasi Campur)という、ご飯におかず数品をお皿に盛り、混ぜて食べる郷土料理があり、沖縄との共通性が際立ちます。バリ島は昔から、海を通じて沖縄や日本本土と交流していたのかもしれません。

あとバリ島は言語も文字もジャワ島方面とは異なります。もちろん標準インドネシア語は通じますが、バリ人同士は地元のバリ語で話します。インドネシア語の表記はローマ字ですが、バリ語はインド起源と思われる独自の文字を持ちます(一見、ラオス文字に酷似)。古来、バリ人はこの文字を通じてインド伝来のヒンドゥー教や仏教を受け入れたのでしょう。

バリ島の独自性を踏まえて、そろそろ不動産の話題に移りましょう。

バリ島には、おそらくインドネシアのどの地域よりも大きい、外国人コミュニティがあり
ます。特に目立つのは、オーストラリア人やヨーロッパ人など、欧米系白人定住者のコミュニティです。彼らは戸建タイプのVillaに好んで住み、長年住んでいるのでVillaの売買も盛んに行われています。

欧米人のみならず、日本人を含む東アジア系や、インド人、アラブ人などの定住者も少なくありません。今のバリ島は東南アジアで稀にみるコスモポリタンなコミュニティになっています。

定住者に特に人気の高いのが、海側のスミニャック(Seminyak)地区と、山側のウブド(Ubud)地区で、この一帯では街中の条件の良いVillaの多くが欧米人居住または所有になっています。また、伝統的な観光中心地であるクタ(Kuta)や、より静かな海辺の街サヌール(Sanur)等にも外国人が多く暮らし、その居住地は年々、広がっています。

不動産投資の観点で、バリ島が面白いのは、

1)外国人による借地Villaの売買マーケットが確立している。

2)賃貸利回りが高い。旅行者に短期貸しするとネット8〜15%は得られる計算になる。米ドル、日本円建ての家賃収納も可能。

まず1)に関して、前編で説明したインドネシアの不動産権利関係をおさらいしてみましょう。

– 外国人の個人名では借地物件(Leasehold)しか売買できない。
– 外国人が所有権物件(Freehold)を売買するにはインドネシア法人(PMAなど)を立ち上げる必要があり、設立にはコストと時間がかかる。
– Freeholdはキャピタルゲインが期待できるが、法人設立コストを考えると最低1億円以上の投資額は欲しい。一方、Leaseholdは安く買えるが、いずれ地主に土地建物の賃借権を返す前提なのでキャピタルゲインは限られる。

参入障壁が高く、外国人投資家には頭の痛い環境ですが、バリ島に限っては「借地Villaを個人名義で買い、旅行者向け貸出で回し、借地期限をある程度残した状態で外国人に売る」モデルの投資が可能な環境だと思います。その背景にはバリ島の特殊事情がもたらす、1)外国人借地Villa売買マーケット、2)高い賃貸利回りがあります。

分かりやすく、首都ジャカルタと比較してみましょう。ジャカルタ都心部には、Kempinski やFXなど、いくつかの借地コンドミニアムが外国人同士で流通しています。一等地ゆえインドネシア人富裕層が実需で買うパターンの出口も取れるため、投資として十分アリだと私は思ってますが、その代わり賃貸利回りは6%程度。借地期限は20年程度ありますが、期限が来たら売買価格の1/4程度の借地料をオーナーに払わねばなりません。ジャカルタの場合、土地オーナーがインドネシア政府なので交渉も難しい。

一方でバリ島の借地Villaの場合、より高い賃貸利回り(8〜15%)で回す目算が立ち、10年回せば投下資本を回収できる可能性があるのと、土地所有者の多くが個人(バリ人地主)なので、彼らがお金に困ったタイミングで借地料交渉の可能性もあるため、ジャカルタに比べて借地Villa投資に向いた環境だと思います。何よりも、バリ島は素晴らしく心地よい場所ですから、別荘として自己使用する楽しみがありますよね。収益型別荘として運用するなら借地で十分かと。

もちろん、インドネシア法人を設立してFreehold(所有権)買ってキャピタルゲイン狙いもできますが、その主戦場はバリ島のような小さな場所ではなく、ジャカルタを含むジャワ本島だろうと思います。ジャワ島だけで1億3000万の大人口がいて、経済発展中の都市が数多くありますから…

そう考えると、「ジャカルタ&ジャワ島で法人立てて所有権買ってキャピタルゲイン狙い」+「バリ島の特殊事情を活かして借地の収益型別荘を運用」が、インドネシアで私が追求したいハイブリッド投資モデルです。

インドネシア不動産、実に面白いですね。この一国だけで、タイ+ベトナム+フィリピンを合わせた人口と経済規模がある超大型マーケット、かつバリ島という極上の収益別荘適地もある…参入障壁高いけど、無視するには余りに魅力的すぎる国です。

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インドネシア、巨大ガラパゴス不動産市場の魅力-1)ジャカルタ編


こんにちはManachanです。7月21日に日本を出国して今日で8日目を迎えました。すでにミャンマー、インドネシア訪問を終え、次の目的地オーストラリアに向かっています。

インドネシアは、今回初めて行きました。ジャカルタに3泊、バリ島2泊。この国、不動産市場としては極めて魅力的ですね。私のなかではすでに、「東南アジアで不動産がダントツ一番面白い国」になってます。

インドネシアは人口2億6千万人、日本の2倍、ASEAN全体の4割近くを占める地域大国。日本企業の進出も多く、首都ジャカルタを中心にそれなりに経済発展もして、所得水準もASEAN中位(フィリピン、ベトナムの上、タイの下)。平均年齢が28歳と若く、「次の巨大市場」として世界の注目を集める国です。

2億6千万人しかも増え続ける人口が、住まいを欲するという意味でインドネシア不動産マーケットは発展可能性に満ち溢れていますが、日本で個人投資家向けにインドネシア不動産セミナーが行われることは稀です。いや日本人のみならず、中国やアラブ、欧米の個人投資家がインドネシア不動産を買い進む話もあまり聞きません。大人口を擁することもあり、インドネシアは首都を含め極めて内需中心の不動産マーケットなのです(注:唯一の例外が「バリ島」で、ここは国際観光地という特殊事情ゆえ、外国個人投資家の参入に向く環境です)。

インドネシアは経済成長中で不動産の値上がりが期待できる国にもかかわらず、なぜ海外投資家の参入が少ないかというと、ずばり、「外国人の個人名では不動産登記ができない」からです。

より詳しくいうと、こうなります。

1)外国人はインドネシアで土地の持分を所有できない。

2)インドネシアの集合住宅(コンドミニアム等)は、土地の共有持分所有権を伴うFreehold物件と、借地の上に立つLeasehold物件の2種類がある。マーケットの大部分を占めるFreeholdはインドネシア人しか買えず、外国人が個人名義で買えるのはLeaseholdに限られ、これが僅かしか供給されないから、外国人の投資対象になる物件がそもそも少ない。

3)インドネシアで不動産投資する意味はキャピタルゲイン(値上がり)期待にあり、Freehold物件は実際キャピタルゲインが出やすいが、インドネシア人しか買えない。外国人が個人で買えるLeasehold物件は、インドネシア人に人気がない上に、20〜25年ごとに地主に借地料を払わなけばならないので、キャピタルゲインが出にくい(その代わり安く買えるので、都心部のLeaseholdを買って賃貸に出せば、インカムゲインは期待できる。)

4)外国籍でもインドネシア法人を設立して買えば、Freehold物件の売買が可能。しかも、外国人が資本を100%所有するPMAという会社でそれができる。もっとも設立に数ヶ月かかり、コストも100万円近くするので、プロか、数億円規模を投資する大口投資家向け。

上記の法的枠組&市場環境ゆえ、インドネシアは外国の個人投資家が、数千万円程度の収益不動産を買うには向かない環境なのです。その予算規模なら、タイ、マレーシア、カンボジア、ベトナム等でいくらでも投資できます。そんななかで、あえてインドネシアで不動産投資をする意味があるとすれば、

1)数千万円規模でLeaseholdを買い、賃貸に出して高いインカムゲインを得るか、収益別荘として運用する。数年〜十数年保有して、借地権の更新期限に配慮しながら売り抜ける(←バリ島で一般的な投資手法です)。

2)PMA(Penanaman Modal Asing 外国人独資のインドネシア法人)を設立し、数億円以上を投じて、値上がり期待の出るFreeholdを買って保有する(←ジャカルタ都市圏で大口投資家に適した投資手法です)。

外国人投資家にとって参入障壁が高いインドネシアは、「巨大なガラパゴス市場」。逆にいえば、そのガラパゴスぶりが、インドネシアをして外国人投資家に荒らされず、ある意味健全な内需中心の状態に保っているともいえます。

近隣諸国をみれば、たとえばカンボジアのプノンペンや、マレーシアのジョホールバル等、地元民にはとても手が出ない高額帯のコンドミニアムが大量に建ち、完成しても借り手がつかず、過剰供給ゆえ売るにも売れない…みたいな残念な状況がありますが、インドネシアにはそれがほぼありません。

-ジャカルタ市内の高額物件は、外国人ではなくインドネシア人の金持ちや中間層が実需または投資で買います。

-ジャカルタ郊外の低額な物件は、インドネシア人の庶民が実需で買います。

-過剰供給が一時的に起こっても、いずれインドネシア人の実需に吸収されるし、投資ブームで不動産価格が一時的に上がりすぎても、いずれインドネシア人の購買力に応じて価格調整されます。

その意味で、インドネシア不動産市場には、近隣のASEAN新興国にない安定感を感じますし、ある意味、「良いガラパゴス」が実現しているともいえます。この国の不動産市場を研究し、キャピタルゲインの理屈が分かれば、法人(PMA)を設立して本格的な不動産投資をしたいですね。

大きな国なので、ジャカルタ圏で利益確定できれば、スラバヤ、バンドン、スマラン、メダン、パレンバンなど、二線級都市(それでも人口数百万)に横展開していけるという、「中国の夢よもう一度!」的な不動産投資ができるかもしれない。実に魅力ありますね。

そろそろ、「ジャカルタ」の話題に移ります。今回初めてのジャカルタ訪問でしたが、とにかく、「桁外れの都市のデカさ」に驚きました。ASEAN市場空前のメガロポリス!

-コタ周辺から、タムリン、スディルマンを経て、クニンガンに至るまで、約10kmにわたり高層ビルの街並みがドカーン、ドカーンと出現する景色は圧巻。まるで東京の「丸の内〜虎ノ門〜赤坂•六本木〜渋谷ライン」のよう。

-巨大ショッピングセンターが、鬼のようにたくさんある。都心も郊外も大型商業施設で満ち溢れる。

-人口が凄い。ジャカルタ市だけで1000万人、近隣県市のボゴール、デポック、タンゲラン、ブカシ…どこも平気で200万人超えで、横浜市がいくつもあるような感じ。首都圏全体の人口が約3000万人、日々増加中。

まさに、「インドネシアのなかでジャカルタだけが東京」なわけですが、反面、都市機能の整備が不完全で暮らしにくい面も多分に持っています。

-現時点ではロクな公共交通がない。街も歩けるような構造になっていない。大通りの横断は極めて困難。

-だから皆、車を使って移動せざるを得ない。交通渋滞は世界最悪レベルで、膨大な時間のロスが発生、大気汚染も深刻。

-外国人からみてジャカルタの都市景観や環境は「電車のあるバンコク」や「近代的に整備された街区のあるマニラ」に見劣りする。観光資源も極めて乏しい。

これら、「巨大都市ジャカルタのイケてない面」は、裏を返せば「ポテンシャルの高さ」でもあります。再来年には都心部を縦貫する地下鉄が開通し、人々の移動方法は大きく変わるでしょう。慢性交通渋滞の街だから、都心〜郊外にかけて、駅近の価値が高まるのは間違いないし、都心からの絶対距離が近くて出遅れたエリアも今後面白いかもしれません。

東南アジアで一番面白い国の首都、ジャカルタ各地を研究していきたいと思います。

 

 

2) バリ島編に続く…

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「外貨収入&日本でリタイア」という選択肢-後編

前編の続きです。

後編のキーワードは、「プロフィットセンター」(Profit Center=お金を稼ぐ場所、以下PCと略)と「コストセンター」(Cost Center=お金を使う場所、以下CCと略)。

多くの人にとって、お金を稼ぐ場所と使う場所は一致します。例えば東京在住のサラリーマンにとっては「PC=東京、CC=東京」。彼らは東京の給料を稼いで、東京の物価で暮らしています。

不動産投資は、生活する場所の制約を超えて、別の場所で収入を得る手段の一つです。例えば、東京在住の現役サラリーマンが札幌の不動産を買って家賃を得る場合、「PC=東京と札幌、CC=東京」になります。

海外不動産投資は、自分が暮らす通貨圏以外で収入を得る手段になりえます。最近は日本在住のサラリーマンや事業主がアメリカの不動産から賃料収入を得るケースが増えていますが、その場合は「PC=日本と米国、 CC=日本」になります。収入通貨は日本円と米ドル、支出通貨は日本円になります。円生活者が海外不動産投資をすれば、資産や収入源を複数通貨に分散できるうえ、今後、仮に米ドルの為替レートが日本円に対して上がった場合、それを日本円に換金すれば為替利得も得られるので人気が高まっています。

さらに、不動産の賃料収入は、賃貸管理をアウトソースすることで、自分の時間をほぼ使わずに収入(不労所得)を得ることができます。それで十分な収入を得られればサラリーマンを辞めてリタイアできたり、お金を稼ぐ場所と使う場所を完全に分離することもできます。

物価の高い場所で賃料収入を得て、物価の安い場所で暮らせば資金効率が良いといえます。例えば東京都内で賃料収入を得て、地方都市の安い物価で暮らす人もいますし、海外志向派であれば日本の不動産から得られる賃料収入で、生活物価の安いマレーシアやタイで暮らす人もいます。その場合、「PC=日本、CC=東南アジア」になり、ようやく、前編でお話しした内容と結びつきます。少しおさらいしてみましょう。

1)CC=東南アジアと一言でいっても、実際にかかる生活費は人によって様々。衛生、安全、文化面の要求水準が高い人の場合、日本国内と大差ない生活費がかかるケースもある。

2)日本並みの生活費がかかる人ほど、日本経済のデフレや円安、現地物価インフレのダブルパンチで生活水準が下がるリスクに晒される。生活水準を落とさないためには、資産運用の効率を高めたり、収入通貨を多様化するなど、資本主義リテラシーが求められる。

その問題意識を踏まえた上で、私がどうしているかというと、現時点では、

PC=日本、豪州、米国、ドイツなど
CC=日本(東京)

という選択をしており、このライフスタイルはコスパ良いと感じています。なぜなら、

1)日本より所得物価水準が高くてインフレのある国をPCに組み込んでいる。

豪州、米国、ドイツは、現時点では日本より所得水準が高く、家賃収入も日本と比べれば高いケースが多いうえ、マイルドにインフレしており家賃も徐々に上昇中。

2)物価が上がりにくく、生活環境の良い日本をCCとして選んでいる。

日本はここ20年以上、物価水準が上がっていないし、今後当面も上がる可能性が少ない。分かりやすくいうと、今の3万円は5年前の3万円と同程度の価値があり、5年後の3万円もおそらく同じくらいの価値がありそう。これは、「CCとして考えれば他の国で得がたい高パフォーマンス」といえます。

世界中を見渡すと、生活物価は普通、年に数%は上がるものです。現状で生活費が安いといわれるタイやマレーシアだって普通にインフレしてます。5年前、40バーツで食えたメシが、今だと50〜60バーツするはずです。現地物価があがれば現金の使いでは年々下がります。先進国のアメリカやオーストラリアだって、同じメシが5年前と同じ値段ということはまずありません。久々に行くと「たけー!」と驚くこともしばしば。

しかし、日本にはその現象がありません。東陽町駅前「魚家」の海鮮丼ランチは799円で超うまいですが、値段は5年前から変わっていません。木場駅に向かってしばらく歩くと「やまや」の明太子食い放題日替わりランチがありますが、ここもすげー旨い評判店なのに5年前から900円で値段変わりません。

物価の上がらない日本を、CCとして選ぶことは、経済合理に叶っています。PCとして選ぶと割に合いませんが、CCとしては素晴らしい。物価が20年も上がらず、20年前と同じ値段で同じように旨くてクオリティの高いメシが食えて、20年前と同じ位の家賃に住める国なんて他にたぶん無いでしょう?

私や家族が、日本に住む意味は、経済合理だけではありません。

-日本には、何でもある。例えば、オーストラリアより収入や物価が低いにもかからわらず、同国には来ない世界中のトップアーティスト、ファッションやスポーツのイベントが日本にはどんどん来る。オーストラリアにないディズニーランドとユニバーサルスタジオが日本には両方揃っている。

-日本では、世界最高水準の治安と、健康で長生きが当たり前に得られる。一人あたりの所得水準は世界で20何位なのに、平均寿命は世界一、健康寿命はダントツNo.1、殺人や交通事故で命を落とすリスクも世界一低い部類に入る。

-東京は、仕事と教育、生活のバランスが良い。大都市としての機能が揃い、就業や起業の機会、教育機会が十分あって、その割に水も空気もきれいで生活環境も良い。「上海北京の賑やかさと欧米先進国の生活環境が両方ある」アジアでは稀有な都市。

等々…他にもたくさんあります。日本は良いところたくさんありすぎて、それを箇条書きしたら一生かかってもたぶん無理でしょう。

あというと、日本は捉え方によっては、PCとしての魅力もまだ持っています。例えばの話、日本は英語や中国語をビジネスレベルでできる人が少ないので、それらの言語を操って仕事できれば就職に困らないし、ライバル少ないので毎年収入を上げることも十分可能。

例えば、私は日本で育ち、英語圏で5年、中国語圏で3年暮らして、英語中国語ビジネスレベルになってから日本に帰国しましたが、それ以後、就職で困ったことは一度もないし、給料上がらなかった年もありません。今後、東京を離れて、例えば北海道や沖縄に暮らすことになっても、この言語スキルがあればどこでも食っていけると思います。私にとって、日本で暮らす閉塞感なんて正直ゼロです。

いまの日本、他の皆と同じようなことしてたら先行き見通せなくて辛いかもしれないけど、皆と違うスキルセットを持っていたり、皆と違う切り口でビジネスをできる人には日本は優しい国、特に東京はチャンスに溢れた都市だと思います。

そういう面もあるので、私にとって東京は今後も、CCのみならずPCとしてもメインの存在であり続けるでしょう。とはいえ日本にはインフレがないので、PCとしてアメリカ等、他の先進国を組み込めれば磐石だと考えます。

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「外貨収入&日本でリタイア」という選択肢-前編

こんばんはManachanです。いつもご愛読ありがとうございます。今回は「海外移住・リタイア」のテーマで一つ書いてみますね。

最近、「日本の円安・デフレで海外移住がつらくなった」という趣旨の記事を、立て続けに読みました。

海外に移住すればアーリーリタイアしやすい時代は終わった

身ぐるみ剥がれた日本人は「海外リタイア生活」の最期に何を見たのか?

非常に興味深い。「日本人の海外リタイア移住」がうまくいかず、行き詰まる様子がよく描かれていますね。以下抜粋、引用。

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「物価の安い国にでも移住して海外でアーリーリタイア生活を楽しもうと人生設計をしている人も居るが、残念なことに10年前と現在では全く状況が異なっている」

「人気のオーストラリアは世界の中でも屈指の物価の高さ、生活費は東京以上に高騰、この選択肢は既に潰れてしまった」

「そこで多くの日本人がアーリーリタイアしやすい国々として思い浮かべるのはタイやマレーシア、フィリピン…こういった国の物価が今現在本当に安いのかと言うと、そうでもない」

「新興国は安定的にインフレが続いているので、毎年物価が上がっていく。 さらに言うと、為替が円安になったことで円換算をした場合に割高感を感じる」

「バンコクで標準的な日本人あるいはタイ人以外の外国人としての暮らしをするなら、一人暮らしでも月に15万円〜20万円弱ぐらいは必要になる。ある程度節約しても10万円以上必要。 それ以下になると治安の面で不安を覚えたり、日本人の感覚すると、貧乏暮らしをしなくてはいけなくなる」

「現地の人たちと同じ生活ができるのは、文化的な面や衛生面から考えても恐らく日本人の1%か2%ぐらい」

「アーリーリタイア組に共通するのは貯金を取り崩して生きることに対する底なしの不安感や焦燥感である」

「異国の地で少し働くと言っても現地の言葉もしゃべれず、文字も読めないのでは大した仕事があるわけではない。アーリーリタイア組は人脈もないので尚さらだ」

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私は思った、こんなアーリーリタイア、行き詰まるのは当たり前だろうと。資本主義社会の理解(リテラシー)が足りないのと、移住目的に鑑みた合理的な行動にフォーカスできていないこと、失敗の理由はこの二つに集約されます。

もし、日本でつくった貯金や年金収入を使って、物価の安い東南アジアで末長く暮らすのが目的であるなら、現地の生活費で暮らす術を身につければ良いのに…

たとえばバンコクで暮らすなら、タイ文字読めるようになって、道端の借家広告を見て家主に電話して、タイ人OLや学生と一緒に、月5000バーツ位の安アパート借りて住んで、屋台か安食堂で30バーツ位の飯を食っていれば実現は十分可能。田舎まで行かずとも、地下鉄スティサン駅とか、BTSタラートプルー駅とか、ラムカムヘン大学近くとか、結構便利な場所で5000バーツ位のアパートたくさんあるはずです。

そんな生活してれば月10万円なんてかからない、5万円で十分暮らせるはずです。タイ人一般ピープル、皆それでやりくりしてるんですから…私、バンコクで一人なら月5万円(15000バーツ)以下で暮らす自信ありますよ。タイ文字読めるし世間話できるし、タイめし旨いから毎日食ってもいいし、日本人と会わなくてもいいし(ところでこれって、まじでタイ在住日本人の1〜2%しかできない芸当なんですかねえ?)

何が言いたいのか?タイのように生活物価の安い国でリタイアする場合、毎年インフレ傾向とはいえ「ローカルにどっぷり浸かって暮らす根性があれば、日本との物価差はまだあるから、とりあえず長年暮らせるよね」…それもひとつの行き方だと思います。

もし、「そんな生活じゃ嫌だ、セキュリティのしっかりした快適なコンドミニアムに住みたい、タイ語できないからスクンビット界隈で日本人とつるんで、日本食レストランに時々行きたい」と考えるなら、上の文章の通り、一人暮らしでも月15万円はかかるでしょうね。

そうなった途端、必須スキルとして「資本主義リテラシー」が必要になるのです。なぜでしょう?

タイのバンコクにおいて、月15万円(約5万バーツ)の生活費を使える人は、総人口の1割もいないでしょう。5万バーツ以上の月給を取れるタイ人の多くは、高学歴で、英語はじめ外国語に通じ、経理財務IT法律など、専門分野を持つホワイトカラーであるはず。資本主義リテラシーも相当高い人たちでしょう。

そんな彼らが月5万バーツ以上の給料をとって、約5万バーツを生活に費やす時、その高い資本主義リテラシーを使って資産形成したり、消費生活をより洗練させているはず。アーリーリタイアした日本人も、額面上では彼らと同レベルの消費生活をしています。でも、彼らはタイにおいて、たぶん何の付加価値も生み出していません。

そうやって過ごして、1年後、2年後…どうなるのか?ほんの数年前、5万バーツで買えたものは6万バーツになり、当時5万バーツの月給を得ていたタイ人の月収は7万バーツになり、不動産でも買ってさらに資産を増やす。一方でアーリーリタイアした日本人は5万バーツの生活費が実質どんどん目減りしていくのを、指をくわえてみてるしかない・・彼我の差は広がるばかり。高いリテラシーを発揮した者が得をする、それが資本主義の掟。

日本円の為替レートがタイバーツに対して上がり続けるのなら良いですが、残念ながらそうではありません。海外在住の日本人に聞くと、経験上ほぼ全員が、日本円のレートは長期的に下がると予想しているようです。そう考えるなら、なぜ、日本円の収入貯蓄を頼りに海外で生活するの?かじるスネがどんどん細くなるだけじゃん?生活水準がどんどん下がるのが目に見えているじゃん?

それが分かってて、何の行動も起こさないのなら、私に言わせれば、資本主義リテラシーが低いと断じざるを得ません。タイに住み続けて、かつローカルエリート相当の生活水準を維持したいのならせめて、タイバーツで収入を得る道を探すとか、もし資産があるなら、思い切ってアメリカに投資して米ドルで定期収入を得るなど、複数通貨で収入を得られるような行動を起こす…せめてその位のリテラシーを発揮しないと暮らしの先行きは暗いでしょう。

一方で私は、逆張り(?)。国内外の複数通貨で収入を得ながら、東京で暮らしています。日本経済のデフレが続き物価が上がらないなか、このポジショニングは、かなり美味しいと感じます。

東京の生活物価は、タイやマレーシアと比べると高いですが、多くの欧米先進国よりは安く感じます。何より、東京で得られるモノのクオリティと、サービスのクオリティが素晴らしい。諸外国都市と比べて治安は極めて良く、小ぎれいに整備された快適な生活環境、超便利な消費生活、公共交通の充実度は世界有数でクルマ要らず、メシは最高に美味しく、医療サービスも充実、世界のどの国よりも健康に長生きできる国でもあります。生活環境、教育機会、ビジネス機会のバランスも良くとれています。

私の妻はオーストラリア育ちですが、住みやすい東京(東陽町)に永住したい、骨をうずめたいと言っています。私は先月から、「夫婦の終の棲家」を探し始めています。

日本円以外の収入がある前提で、「日本でのアーリーリタイア」がなぜ良いと思うのか?「資本主義リテラシー」と関連させて、後編で書いてみます。

後編につづく…

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石垣島不動産レポート後編「ライバル増えない離島パラダイス」

前編の続きです。今回も、「久々にボルテージの上がる日本不動産の話」を目指して書きます。

前回は、「観光や国防という特殊事情で石垣島の賃貸需要が増えている」ことを書きましたが、いくら入居者が増えても、それ以上に賃貸住宅の供給が増えてしまえば、我々大家にとって面白い話にはなりません。

・需要>供給なら、全ての賃貸物件の賃料が上がる
・需要<供給になると、競争力の落ちる物件の賃料が一気に下がる

それが、賃貸経営の宿命ですよね…

賃貸住宅の過剰供給が、いま日本中で問題になっています。たとえば、私の実家は千葉県の柏駅から4kmほど離れた、まだ農村風景の残る新興住宅地にありますが、その周辺は地主が建てた安普請アパートの数がとにかく凄い!田畑ばかりの不便な場所にアパート建てて一体誰が住むんでしょう?「いい部屋ネット」の入居者募集ノボリがそこら中にはためく風景が、ちょっとシュール。

私は4年前に不動産業者になり、それこそ、地主系アパート乱立で有名な横浜市郊外や埼玉県北部、愛知~岐阜方面、栃木~福島方面、九州や北海道まで足を伸ばしてますが、全国どこでも、賃貸木造アパートがすでに不必要なくらい建ち、しかもどんどん増えてて驚きます。

日本国内で、大手の木造賃貸アパート業者が進出してガンガン建ててる最南端は、今のところ沖縄本島であるようです。それ以上南の離島になると、人口最大の石垣島でさえ5万人程度でマーケットが非常に小さく、かつ、建材の輸送コストもかかるので、さすがの彼らも組織的な進出はしていません…かくして離島部は、見渡す限り地元建築業者が支配する世界です。

【石垣島の賃貸住宅…見渡す限り空室がない!】

沖縄の離島は観光地として優れているので、リゾートやホテルを建築する目的で本土の業者が多数入ってきています。でも彼らのなかで、事業計画通りに建設できた事例は稀。「沖縄は鬼門、金食い虫」という嘆き節も方々から聞こえてきます。それには、いくつかの理由があります。

・農振(農業振興地域)指定を外すのが至難の業。
・本土資本主導の大規模開発に対しては反対運動も強い。
・いざ建築許可がでても、今は建築費高騰に加え、島外からワーカーを導入するコスト(交通費、宿舎費)も別途かかる。

そもそも本土から遠く、文化も気候も商習慣も全然違う「離島」です。当然排他的な面もありますし、役場の人間、政治家、建設業者…島の人たちをうまく巻き込まないと物事が回りません。日本の法律が通じるとはいっても、実際の運用はある意味東南アジア的。本州や九州とは事情が大きく異なります。

もっとも、私たち個人投資家レベルでは大型リゾート開発ではなく、せいぜい単体のアパマンや簡易宿所を建てるレベルの話でしょうから、上記の苦労はしなくて良いのかもしれません。むしろ問題になるのは、「利回りが出るかどうか?」…現時点で頭の痛いのが「建設費高騰」の問題です。

・台風が強烈な沖縄の住まいは、RC造が一般的。今は職人不足と需要増で全国的にRC建設コストが高騰中。
・石垣島ではコンクリートカルテルがあり、資材の仕入れコストが本土に輪をかけて高騰している。
・木造住宅も徐々に増えては来たが、木材を沖縄本島から船で400km運ぶことになるので、建築の坪単価が本土の3割増し位になる。

いまの石垣島、需要面は申し分ありません。住む家が足りないので家賃は高止まり、地元の方々も安い月給ですが共稼ぎして一生懸命家賃払います。お金持ちな本土の移住者も相当数来ていて、東京横浜並みの家賃払って借ります。国防関係の方々も空いた家が出ればすぐ借ります…賃貸住宅の供給不足が続く限り、家賃水準は落ちないでしょう。

しかし、「東京横浜並みの現状家賃」を前提にして事業計画を建てても、建築費を相当抑えてうまくプランニングしない限り、新築しても利回りグロス6%台とか、面白くない数字になってしまいがちなのです。

そんななか頭をしぼって、「8%以上の利回りが得られて、ちゃんと遠隔運用できて、本土の人間でも融資ひける収益物件」をつくるのが、私の使命だと思っています。8%回る物件をつくれれば、離島という「最強の参入障壁」のおかげでライバル物件が増えそうもないし、需要は落ちそうにないし、少なくとも10年くらいは安定して回る気がします。安定稼働している間に売ればキャピタル取れるかもしれない!すげーやりたい。自分がオーナーになるのが一番おいしいじゃん!

ご愛読ありがとうございます。石垣の海より愛をこめて…

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石垣島不動産レポート前編「新空港+外国客+国防で住宅需要爆発」

こんにちはManachanです。日本の最南端、台湾すぐ隣、亜熱帯の海に抱かれた沖縄県石垣島へ2泊3日の出張から東京に帰ってきました。

行ってみた感想、「まじですげー!むちゃ盛り上がってるじゃん!」。不動産大家としてテンション上がりまくりでしたね。

石垣島そのものよりも、この島が経験している「いまの時代」が凄い。日本の他地域ではまずあり得ないパターンの活況なのです。一言でいうと、

「観光需要爆発」+「離島ゆえの住宅供給不足」=「あと10年は空室心配なさそう」という実感ですね。

まず「観光需要爆発」ですが、定住人口5万人弱の島にとって大きすぎる出来事が3つ、相次いで起こっています。

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1)2013年「新空港の開港」

1979年に計画され、34年の歳月と紆余曲折を経て開港した「南ぬ島(ぱいぬしま)石垣空港」によって、建設、観光を主産業とする島の経済は激変しつつあります。

石垣島を含む八重山諸島への入域観光客数は、開港の前と後とで大きく変化しました。予想を上回る伸びだったと、島の人々は口を揃えて言います。

2012年 71.3万人
2013年 94.2万人 (開港の年)
2014年 112.1万人
2015年 111.5万人
2016年 124.8万人

この空港の立地条件は、いろんな意味でユニークです。

「八重山諸島で唯一、東京大阪へ直行できるジェット機が発着可能な空港」(2013年以前は、那覇で乗り継ぎが必要だった。新空港ができて東京大阪からの所要時間が劇的に短縮)

「石垣島だけでなく竹富島、西表島、小浜島への窓口」(上記の島々は人気の高い観光地だが空港がないため、必然的に石垣空港利用になる)

「那覇以南の日本領内で唯一、国際便が発着できる空港」→これは、後述「インバウンド観光」に直結します

2)中華圏旅行客の急増

日本の他の観光地と同様、石垣島にもここ数年、アジア近隣諸国からの旅客が押し寄せ、すでに無視できない数になっています。直近(2017年4月)のデータでは、八重山に入域した観光客118,650人のうち、日本人が94,994人、外国人が23,656人と、すでに「旅行客全体の2割」を外国人が占めています。

国籍別の内訳は中華圏が大多数を占め、「台湾」「中国」「香港」の順。外国人旅行客の半数近くを占める「台湾」の基隆港から石垣島は250kmの至近距離にあるため、

「台湾人は週3便の大型クルーズ船でやって来る」

台湾人の行動パターンは、まず朝、石垣港から上陸。ドラックストアで買い物した後、観光バスかタクシーで島内一の観光地「川平(かびら)湾」のエメラルドグリーンの海で水遊び。その後市街地に戻り、夜8時には沖縄本島に向けて出航します。クルーズなら船中泊が基本ですが、最近は石垣島内の民泊に泊まる台湾人も増えているようです。

「香港人、中国人は香港エクスプレスで飛んでくる」

香港~石垣間を直航する香港エクスプレス便は、最近、週2便から週5便に大幅増便になり、なお稼働率良好だという。台湾と比べ、船の移動だとやや遠い香港や大陸中国の旅行客に選ばれています(それでも石垣島からみて香港は東京より近い)。

3)海上保安庁の尖閣特需(?)

石垣島は国境の島。いま日本と中国台湾との間で領土問題を抱えている「尖閣諸島」(釣魚台)は、日本地図上では石垣市に属します。石垣島からの距離は約180km。

尖閣海域へスクランブル発進できるよう、海上保安庁は「なぐら」をはじめとする巡視艇を石垣港に数隻配備。それに伴い保安庁の職員200名、家族を含めれば約500名の賃貸需要が生じ、官舎を建てても全員の収容はできず、石垣港~登野城にかけての民間賃貸住宅を借りて住まわれる方々が増えているようです。

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以上まとめると、今の石垣島では、「新空港開港」+「外国人客増加」+「国防関係者増加」という3つの出来事が同時に起こっており、いずれも住宅(宿泊+定住)需要を爆発される直接の要因になっているのです。

さらに特筆すべきは、深刻なホテル不足。石垣島は観光需要に比べて宿泊施設が圧倒的に足りておらず、そのため「顕在化しない住宅需要」が少なからずあることです。

上述「クルーズ船でやってくる台湾人客」に関していうと、彼らが石垣島内で宿泊せずに即日出航するのは、「宿泊できるホテルが島内に足りない」からでもあります。

石垣を出て沖縄本島まで行けば宿泊施設のキャパは十分あるので、台湾人客も陸に上がってホテルでゆっくりするはず。言い換えると、石垣島に新しいホテルができれば、台湾人もそこに泊まって島にお金を落とすはずです。

あと、飛行機代と旅客需要の相関も無視できません。例えば東京から石垣島に飛ぶ場合、新空港開港後しばらくはバニラエアやピーチの成田発格安直航便があったと記憶していますが、今は那覇経由になり料金も高い。その心は、「飛行機代安くして観光客たくさん来てくれても島には泊まる場所がない」という切実な台所事情に他なりません。

でも、いま建設中、計画中のホテルやリゾートが全部オープンすれば、石垣島内に1400室を超える収容能力が新たに生まれるので、その需要を見込んでバニラやピーチも成田や関空発の安いチケットを出し、関東関西からさらに旅客が増える可能性が十分あります。

今後、島に宿泊施設が増えれば、そこで働くスタッフも増え、そこから派生する飲食店、土産物屋、バス、タクシーの需要も増えます。石垣島で働く人々が増えれば当然、彼らが住まう住宅が必要になるわけですが、その需要に比べて供給が全く追いついていません。

「住宅需要が堅いなら、建て売りすればいいじゃん」と思われるかもしれません。実際、日本は住宅余りの国、空室増えてもなお建てまくる程、供給能力は有り余るほどあります。しかし、同じ日本でも石垣島は離島ゆえ、本土と全く状況が違い、需給ギャップがすぐ解消するとはとても思えません。

次回は供給サイドの話、「石垣島でなぜ住宅が建たないのか?」について書きます。お楽しみに…

後編に続く

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アメリカ不動産、個人と法人どちらで買うべきか?

こんにちはManachanです。いまアメリカ出張から帰国する機内でブログ書いてます。

アメリカは、海外不動産投資の本命中の本命といえます。不動産マーケット規模は世界一、不動産取引の仕組みも先進的で安心度高い。地域のバラエティも豊かで、世界最先端の都市もあれば、人口増加中の発展途上地域も多く、様々な価格帯の収益物件があります。外国人だからといって土地建物の所有権に制限もない上に、しかも通貨は世界一使い勝手の良い米ドル。

私は海外のいろんな国で不動産を「つまみ食い買い」してますが、もし一国だけ選べと言われれば、間違いなくアメリカを選びますね。

アメリカでは、不動産投資で財をなした人、リッチリタイアできた人が、おそらく世界一の数います。彼らの成功パターンを見ていると共通点があって、

1)不動産の値上がり益を得る。
2)買い換え特例(1031エクスチェンジ)を使い、キャピタルゲイン税を払わずに資産を組み替える。
3)米国遺産税の基礎控除(545万ドル→約6億円)を使って無税で相続。子孫も資産リッチに♩

具体的には、このようにします。リーマンショック後、2011年頃から、まずカリフォルニア州の大都市部がいち早く値上がりました。同州内、特にロサンゼルスやサンフランシスコは、全米でも「誰もが良いと思う」優良な場所。アメリカの洗練された投資家は、当然、投資物件を持っており、値上がり益を享受します。

2016年頃に、カリフォルニア州の多くの場所で、不動産価格はリーマンショック前のピークを上回り、「上げ止まり感」が出てきます。他州に目を転じると、テキサス州やフロリダ州など、カリフォルニアよりずっと安く家が買えて、上昇率も高い地域が存在します。

そんな時、洗練された投資家は、「カリフォルニアの物件を一つ売り」、「そのお金でテキサスの物件を二つ買う」のです。当然、キャピタルゲイン税などは払いません。上述「1031エクスチェンジ」買い換え特例は、「物件を売って45日以内に、それを上回る価格の物件に買い換える手続きに入る」のが免税の条件なので、賢い投資家はカリフォルニアで50万ドルの物件を売った後に、テキサスの27万ドルの物件を2戸まとめ買い、みたいなことをやるわけです。

テキサスはいま全米でも屈指の値上がり率ですが、数年もすれば価格も上がりきってくるでしょう。その時、広いアメリカをくまなく捜せば「いま旬な値上がり地域」が出てくるでしょうし、或いはカリフォルニアみたいな良い場所のマーケットがクラッシュして安く買えるかもしれません。そしたら、「1031エクスチェンジ」を使って無税で買い換えすれば良いのです…「わらしべ長者」を地でいく、なかなか素晴らしい蓄財法ですね。

日本に住む投資家が、アメリカの投資家みたいに「わらしべ長者」蓄財ができるのかというと、いくつか課題があります。

1)1031エクスチェンジを使えば米国側ではキャピタルゲイン税を免税にできても、個人名で買う場合は、日本側で譲渡所得税がかかる。

2)アメリカ市民でないと遺産税の相続控除が非常に低くなり(6万ドル→約700万円)、税率18〜40%の遺産税が米国でかかってくる。

最近、日本で販売されるアメリカ不動産は、「減価償却目当ての築古木造物件」が多く、私はそれに対して批判的なコラムをいくつか書いています。理由は、「課税所得が相当高い層でないと節税メリットが出ない」、「競争力の劣るアメリカ物件に業者利益をたっぷり乗せて節税と絡めて売り、客に損させる業者が少なからずいる」からですが(【海外不動産】米国の築古木造物件、人気だけれど危うい理由〜「節税ありき」は避けるべき)

さらに根本的なことを言うと、個人所得税を償却節税する前提でアメリカ物件買っちゃうと、上記1)2)の課題がクリアできず、アメリカ「わらしべ長者蓄財」の道が閉ざされてしまいます。

1)日本で償却節税するために、確定申告でアメリカ不動産を個別に申告することになるので、アメリカで物件買い換えるたびに日本で譲渡所得税を必ず払うことになる。

2)日本で償却節税するために、個人名でアメリカ不動産を買うことになるので、保有中に所有者が亡くなった場合、アメリカの遺産税がかかってくる。

つまり、償却目的でアメリカ物件買ったところで、目先の所得税を軽くするだけで、結局、日本でキャピタルゲイン税を払うことになる上に、アメリカで相続リスクにも晒される…「結局、物件売るための方便ではあっても、お客様のためのトータルな資産形成ソリューションになってないじゃん!」というのが、私の見方です。

では、どうすればアメリカの投資家みたいに、わらしべ長者蓄財ができるのか?日本の居住者ステータスを捨てずに、相続にも配慮しながらアメリカ不動産で資産形成をする最良の方法は、私の知る限りでいうと、

1)アメリカでLLC(合同会社)をつくり、そこに不動産を保有させる。

2)LLCは2名以上のメンバーでつくる(夫婦か、自分と子供、投資仲間etc.)

3)相続を視野に入れるなら、ハーグ条約に基づく国際個人信託(international trust)をアメリカでつくり、上記LLCと組みあわせる。

このようにすると、どんなメリットがあるのでしょう?

1)アメリカLLCで不動産を保有しても、上述「1031エクスチェンジ」を使って買い換えればキャピタルゲインかかりませんし、また、日本の個人確定申告にはアメリカ不動産の情報を書かないので、譲渡所得税がかからない(注: アメリカLLCで利益が出ると、その分は配当所得として日本で納税しなければなりません)。

2)LLCを2名以上の利害関係者でつくると、アメリカ物件を売却した時の連邦源泉税(FIRPTA)を回避できるし、メンバー間で持分調整や移転も容易にできる。

3)国際個人信託をつくって相続財産の受益権者を明確にしておけば、アメリカの法廷を経ずにスムーズに遺産相続手続きができ、かつアメリカで遺産税もかからない(注:日本の相続税はかかる可能性があります)。

私の関心事は、「アメリカで値上がる可能性の高い物件を仕込み」、「戦略的に借り換えを繰り返しながら」、「資産形成の途中で税負担をミニマムにしつつ」、「効率よく資産を増やしていく」ことで、その見地から最も効率的と思われる「米国LLC&1031エクスチェンジ」を使う戦略を採用しています。

租税回避が目的ではありません。国に権利を守ってもらう不動産を使って自分の資産が増えるんなら、増えた分の何割かは税金払ってもいいじゃん、という考え方です。ただ、資産形成期に税金があれこれかかるとキツいし加速もできないので、その辺は賢いソリューションを選び取っていきたいものですね。

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海外不動産、税理士に丸投げされても…

こんばんは、Manachanです。今回は、海外不動産投資に欠かせないパートナー「税理士」にフォーカスして書きますね。

「日本と海外、両方の税務申告実務に通じ、個人投資家に対して最適な税務アドバイスを行うことのできる国際税理士」は、日本人のグローバル資産形成に重要な役割を果たすはずです。が、現時点ではニーズの大きさに比べて人材が育っておらず、まだまだ未開拓な分野といえます。

日本と海外、両方の税務が分かる人が世の中に少なく、よしんば居ても法人向けで料金も高額だったりします。我々日本居住の個人投資家にとっては、「海外での申告、誰に聞けば正しい情報を得られるのか分からない」という悩みがあります。逆にいえば、これから発展余地が大きい分野ともいえましょう。優秀な税理士がいま参入すれば、間違いなく、「ライバルの少ないブルーオーシャン」だと思います。

 

ところで、日本の居住者が海外の不動産を買う場合、物件所在国と日本と、両方の国で納税する義務が生じます。

税制や税率はそれぞれの国で違いますが、世界中の多くの国では、日本で不動産持つのと同様の税金があります。購入時には印紙税や不動産取得税、保有時には固定資産税や所得税、売却時にはキャピタルゲイン税(譲渡益税)が、その代表的なものです。

海外で上記の税金を納めた後、さらに日本の確定申告で納税しなくてはなりません。但し、日本人が不動産買うような国は、たいてい、日本との間で租税条約を結んでいるので、原則として、二重課税にはなりません。具体的には、日本の確定申告の時、海外で納めた税金を「外国税額控除」を使って、差額分を納付、あるいは還付してもらいます。トータルで考えれば、結局、日本の税率で納税することになるわけです。

 

海外不動産セミナーやると、「税金の申告はどうやればいいのか?」は、よく聞かれる質問です。これ、真面目に考えると、回答するのがとても難しい質問です。

私は税理士資格を持っていない一般投資家なので、税務実務を代行したり、アドバイスすることは法律上できません。だから、「自分の場合は、こういう考えに基づいて、こういう申告を行っています」という程度の回答しかできず、それ以上詳しい内容については、「プロの税理士に聞いてください」と言う以外にないのですが、

「じゃ、具体的には誰に聞けばいいの?」というと、困ってしまいます…なぜなら、

 

・海外不動産セミナーに来る方の多くは、日本国内ですでにアパマン何棟か持っている投資家で、すでにお抱え税理士が居るケースが多い。ただ、彼らは当然、日本の税務のことしか分からないので、申告対象に海外の不動産が入ってきても、「それを、日本の税務申告上、どう処理するか?」位しかできない。

・海外(例.アメリカ)での不動産申告は、その国の税理士にお願いすることになるが、彼らとて、知っているのはアメリカの税務だけで、日本の税金に対する知識はほぼない。

・日本の税務は日本で最適化でき、アメリカの税務はアメリカで最適化することはできても、両方をトータルに最適化する税務アドバイスのできる専門家は、私の知る限り非常に少ない。

 

でも往々にして、投資家が税理士に期待する具体的な内容は、「日本とアメリカ、両方を最適化する税務サービス・アドバイス」だったりします。でも、これは極めて専門的かつニッチな仕事で、誰にもできるわけではありません。たとえば、

 

・日本国籍者がアメリカの不動産を購入する際の名義は、「個人名」、「日本の法人名」、「アメリカの法人名(LLC)」と、3つの選択肢がある。

・上記3つのうち、どれを選ぶかによって、日本とアメリカでかかってくる税金の負担が違う。たとえば、

1)日本側では…個人名で買うと、所得税(総合課税)、譲渡所得税(分離課税)、住民税などがかかってくる。法人名で買うと、それらの負担がない代わりに、法人税や事業税がかかる
⇒これは、日本の税理士が考えてくれます。

2)アメリカ側では…日本の名前(個人名or日本の法人)で買うと、アメリカ側の所得税(連邦税+州税)や源泉税、キャピタルゲイン税(=譲渡所得税)がかかるが、アメリカ法人(LLC)で買う場合、源泉税やキャピタルゲイン税を回避する方法がある
⇒これは、アメリカの税理士が考えてくれます。

3)でも、日本の税とアメリカの税をトータルで考えて、3つのうちどれを選べば一番トクかと問われると、たぶん、どちらの専門家も答えられない。

 

あと、日本とアメリカで税理士を使ったとして、両国の税理士の言うことが違っていた時の調整も大変ですが、これもオーナーが総合的に判断しなければなりません。

私は以前、こんな体験をしました。アメリカの税理士が、アメリカでかかる税金をゼロにするために、いろいろなアイデアをくれるのですが、その中に、

 

・BVI(英国領バージン諸島)法人を使って完全免税にするスキーム

 

が含まれていました。具体的には、「資産規模が一定以上になると、アメリカ国内のLLCだけでは完全免税にできないので、タックスヘブンとして有名なBVIに法人をつくり、その傘下にいくつかのアメリカLLCを持たせることにより、親会社も免税、LLCも免税で、とてもハッピーでしょ♪」と自信満々のご説だったのですが、

でも、彼がそれを言う時、私が日本の居住者で、日本の税金を払わなきゃいけない立場であることが、すっぽり欠落しています。自分が代表をつとめるBVI法人なんかつくった日には、「タックスヘブン税制」が適用されて、結局、日本の税率を払わなければなりません(=BVI法人で上がる受動的所得が日本で雑所得として課税されてしまう)。

…そういうこともあるので、日本とアメリカ、両方の税制を深く理解した上でアドバイスをしてくれて、かつ申告実務をリーズナブルな価格でやってくれる、知恵袋的な専門家が欲しいと、いつも願っていますが、現実はなかなか難しいですね。今後長期にわたり、懸案事項になるでしょう。

 

繰り返しになりますが、海外不動産セミナーで、購入後の税務申告について質問を受けた際、「専門の税理士に聞いてください」という答えでは、本当の意味で質問に答えたことになりません。税理士だって、問題丸投げされても困ってしまいますよね。

とても難しいこととは思いますが、もし可能であれば、「日米双方の申告実務に通じた、○○税理士を紹介できます。費用は○○かかります」位のレベルの答えは欲しいところですね。

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