米国不動産

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海外中古物件の管理、やって初めて一人前

こんばんはManachanです。今回は、海外物件買った後の、「管理、アフターサポート」の難しさについて書いてみます。

私は、2011年に投資家コミュニティ「アジア太平洋大家の会」を立ち上げて以来、200以上の海外不動産セミナーをこなしてきました。もともとは、「業者と投資家をセミナーで結びつける」という「場の提供」をやっていましたが、活動の内容が進化するうちに、場の提供だけでは会員・オーナーに対して無責任だと痛感するようになりました。なぜなら、

我々が企画したセミナーで海外物件を買った多くの日本人投資家が、業者に適切な管理をやってもらえず(=放置プレイ)、入居付けも売却もできずに泣き寝入りしているケース

を、目の当たりにしたからです。特に東南アジアで深刻な問題が起こっており、今の私はマレーシア・タイを中心に、会員の要請に応じて「入居付け出張レスキューオペレーション」を毎年やっています。また、会を一緒に立ち上げた相棒の坂口は、フィリピンに移住し現地で管理会社を立ち上げています。結局、会員・オーナーに本当の意味で責任を取るためには、どこかのタイミングで「業者成り」して、長年真面目にやり続けなければならない…それが不動産の宿命なのだと思います。

 

ところで、東南アジアなど発展途上の新興国で、立地やクオリティに劣る物件の入居付け、修繕手配、クレーム処理、管理費光熱費の支払や税金関係のお世話を含めて、日本の管理会社が通常やるレベルのサービスを自社でやることは、並大抵の努力ではつとまりません。マンパワーかかる割に儲からない、それに何より、新興国では日本では考えられないレベルの問題が頻発するので、不謹慎ながら、放置プレイしたくなる業者の気持ちもよ~く分かります。

現時点では特に、人の問題が大きいですね。新興国では、不動産管理のプロフェッショナルがまだ育っていないのです。マレーシアを例にとると、優秀な人間は物件管理の仕事など、まずやりません。ベストではない人間(=日本人の基準からすると相当、出来の悪い人間)が、少し仕事やってはすぐ辞めていき、さらに経験のない新人が担当になる、そいつに一から説明してもすぐ辞めていく…給料安い上に、多くの物件で「毎日、罵声が飛んでくるストレスフルな仕事」のため、長続きしないのです。物件の施工レベルがいまいちで、ドアや窓の建て付け、漏水、コンクリ剥離…築浅なのに様々な問題が起こるため作業量がなかなか減りません。

 

私はいま、次のような立ち位置で海外不動産の活動をしています。

1)自分が買って保有するような、「自信のある海外本命物件」に関しては、業者として、管理まで責任持ってサポートする(注.先進国物件に限る)。

2)上記以外に関しては、業者から開催料金をいただいてセミナー企画(=場の提供)するが、成約報酬は一切いただかない。

1)に関しては、主にドイツ、アメリカ、オーストラリアのいくつかの地域で実施しています。その対象を先進国に限っているのは、「新興国の物件管理を頼まれても、現時点では業者としてリスクを負う自信がない」からです。新興国で私にやれることは、上述「レスキューサポート」か、マレーシアやタイ、フィリピンなどで比較的信頼できる日系管理会社につなぐこと位ですね。東南アジアの管理会社セミナーも時々企画しています(例.「ジョホールバル物件管理・入居付け相談会」2017/11/21東京)。

先進国であれば、法制度がしっかりしてるし、不動産管理のプロも豊富に居るので、地元の信頼おける管理会社に日常的なオペレーションしてもらった上で、ある程度のマンパワーをかければ、日本人オーナーに説明責任取れるレベルで管理サポートが可能だと考えています。

 

ですが、それでもいろんな問題は起こりますし、事態の解明・解決に結構なパワーが必要となります。時には先方とドンパチ、派手に喧嘩する場面も出てきます。例えば、我々が手掛けるドイツやアメリカの中古物件でよく起こる問題は、

家賃や諸経費の支払の過程で、意味不明な入出金が起こる

・入退去があっても管理会社からの報告がない

・予告なしにリフォーム工事の工期が大幅に遅れる。

・予告なしに残金支払の期日が前倒しになってしまう。

等々…

 

これらは、現地管理スタッフの経験・能力が足りないとか不真面目というよりは、むしろ「仕事の丁寧さや報告・情報共有の仕方が日本と大きく違う」がゆえに起こる問題だと思います。暗黙の了解や、日本式の「ほうれんそう(報告・連絡・相談)」が全く通じない世界。担当者が長期休暇を取れば、結果的にいろんな物事がストップしてしまいます。定期的にSkype会議をして、何度も何度も、繰り返し注意して、こちらの期待値を伝えれば、なんとか意図通りに動いてくれますが、そうなるまでに、かなりの時間とエネルギーを使います。

世界中見渡しても、おそらく日本人ほど、客の要求に対して主体的かつ真摯に対応し、こまめに連絡・報告してくれる国民は、他に居ないと思います(中にはもちろん、そうじゃない方もいますが、全体的な印象として、日本人は圧倒的に素晴らしく真面目ですね)。決められたことしかやらない。いや、それさえやらないで言い訳だけは天才的な国民が多いなか、多様な問題が起こる中古不動産の管理において、日本人オーナーが何とか満足できるレベルで任せられる外国の管理会社は、私の経験上、皆無に近い。

日本人オーナーが所有する海外物件の管理を彼らに丸投げすると、文化慣習や法律の違い、コミュニケーションに関する感覚の違いゆえ、たくさんのトラブルが起こる。オーナーを怒らせたり、不安にさせる前に介入した方が得策だが、結局、相当な手間暇をかけなければならない。相手が真面目で信頼できる人なら、将来時点で、何とか自動的に回るようにできるかもしれないが、それには、こちら側も様々なトラブルを経験し、対応力を高めておく必要がある。

 

日々是、問題発生、バトル(?)の日々ですが、それもまた、楽しいです。不動産が好きだから、賃貸経営を長年やってるから、「まじかよ!勘弁してくれよ~!」と呆れるレベルの問題が起こっても理解はできるし、こちらに問題解決のパワーがあって、相手が真面目でありさえすれば、解決できない問題はないと思っています。海外中古物件に関わるリアルな問題・トラブルの対応は、不動産投資家として、業者として、私を成長させてくれる最高の題材だと思います。

逆にいえば、そうした物件周りのリアルな問題に直面せず、プレビルド(予約販売物件)ばっかり売ってる業者は、不動産としての仕事してないも同だと思います。リアルな実物不動産を業務で扱った経験がないんだから、実際いくらで貸せるか、どんな問題が起こると想定され、どんな対策が取りうるのか…分かるわけがないよね。

人間の住まいやオフィス・商店として活用されるリアルな不動産、特に中古物件の管理は何かと大変で、国をまたぐと難易度も増しますが、それをやらないと結局、業者として一人前になれないのだと思います。

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アメリカ不動産、個人と法人どちらで買うべきか?

こんにちはManachanです。いまアメリカ出張から帰国する機内でブログ書いてます。

アメリカは、海外不動産投資の本命中の本命といえます。不動産マーケット規模は世界一、不動産取引の仕組みも先進的で安心度高い。地域のバラエティも豊かで、世界最先端の都市もあれば、人口増加中の発展途上地域も多く、様々な価格帯の収益物件があります。外国人だからといって土地建物の所有権に制限もない上に、しかも通貨は世界一使い勝手の良い米ドル。

私は海外のいろんな国で不動産を「つまみ食い買い」してますが、もし一国だけ選べと言われれば、間違いなくアメリカを選びますね。

アメリカでは、不動産投資で財をなした人、リッチリタイアできた人が、おそらく世界一の数います。彼らの成功パターンを見ていると共通点があって、

1)不動産の値上がり益を得る。
2)買い換え特例(1031エクスチェンジ)を使い、キャピタルゲイン税を払わずに資産を組み替える。
3)米国遺産税の基礎控除(545万ドル→約6億円)を使って無税で相続。子孫も資産リッチに♩

具体的には、このようにします。リーマンショック後、2011年頃から、まずカリフォルニア州の大都市部がいち早く値上がりました。同州内、特にロサンゼルスやサンフランシスコは、全米でも「誰もが良いと思う」優良な場所。アメリカの洗練された投資家は、当然、投資物件を持っており、値上がり益を享受します。

2016年頃に、カリフォルニア州の多くの場所で、不動産価格はリーマンショック前のピークを上回り、「上げ止まり感」が出てきます。他州に目を転じると、テキサス州やフロリダ州など、カリフォルニアよりずっと安く家が買えて、上昇率も高い地域が存在します。

そんな時、洗練された投資家は、「カリフォルニアの物件を一つ売り」、「そのお金でテキサスの物件を二つ買う」のです。当然、キャピタルゲイン税などは払いません。上述「1031エクスチェンジ」買い換え特例は、「物件を売って45日以内に、それを上回る価格の物件に買い換える手続きに入る」のが免税の条件なので、賢い投資家はカリフォルニアで50万ドルの物件を売った後に、テキサスの27万ドルの物件を2戸まとめ買い、みたいなことをやるわけです。

テキサスはいま全米でも屈指の値上がり率ですが、数年もすれば価格も上がりきってくるでしょう。その時、広いアメリカをくまなく捜せば「いま旬な値上がり地域」が出てくるでしょうし、或いはカリフォルニアみたいな良い場所のマーケットがクラッシュして安く買えるかもしれません。そしたら、「1031エクスチェンジ」を使って無税で買い換えすれば良いのです…「わらしべ長者」を地でいく、なかなか素晴らしい蓄財法ですね。

日本に住む投資家が、アメリカの投資家みたいに「わらしべ長者」蓄財ができるのかというと、いくつか課題があります。

1)1031エクスチェンジを使えば米国側ではキャピタルゲイン税を免税にできても、個人名で買う場合は、日本側で譲渡所得税がかかる。

2)アメリカ市民でないと遺産税の相続控除が非常に低くなり(6万ドル→約700万円)、税率18〜40%の遺産税が米国でかかってくる。

最近、日本で販売されるアメリカ不動産は、「減価償却目当ての築古木造物件」が多く、私はそれに対して批判的なコラムをいくつか書いています。理由は、「課税所得が相当高い層でないと節税メリットが出ない」、「競争力の劣るアメリカ物件に業者利益をたっぷり乗せて節税と絡めて売り、客に損させる業者が少なからずいる」からですが(【海外不動産】米国の築古木造物件、人気だけれど危うい理由〜「節税ありき」は避けるべき)

さらに根本的なことを言うと、個人所得税を償却節税する前提でアメリカ物件買っちゃうと、上記1)2)の課題がクリアできず、アメリカ「わらしべ長者蓄財」の道が閉ざされてしまいます。

1)日本で償却節税するために、確定申告でアメリカ不動産を個別に申告することになるので、アメリカで物件買い換えるたびに日本で譲渡所得税を必ず払うことになる。

2)日本で償却節税するために、個人名でアメリカ不動産を買うことになるので、保有中に所有者が亡くなった場合、アメリカの遺産税がかかってくる。

つまり、償却目的でアメリカ物件買ったところで、目先の所得税を軽くするだけで、結局、日本でキャピタルゲイン税を払うことになる上に、アメリカで相続リスクにも晒される…「結局、物件売るための方便ではあっても、お客様のためのトータルな資産形成ソリューションになってないじゃん!」というのが、私の見方です。

では、どうすればアメリカの投資家みたいに、わらしべ長者蓄財ができるのか?日本の居住者ステータスを捨てずに、相続にも配慮しながらアメリカ不動産で資産形成をする最良の方法は、私の知る限りでいうと、

1)アメリカでLLC(合同会社)をつくり、そこに不動産を保有させる。

2)LLCは2名以上のメンバーでつくる(夫婦か、自分と子供、投資仲間etc.)

3)相続を視野に入れるなら、ハーグ条約に基づく国際個人信託(international trust)をアメリカでつくり、上記LLCと組みあわせる。

このようにすると、どんなメリットがあるのでしょう?

1)アメリカLLCで不動産を保有しても、上述「1031エクスチェンジ」を使って買い換えればキャピタルゲインかかりませんし、また、日本の個人確定申告にはアメリカ不動産の情報を書かないので、譲渡所得税がかからない(注: アメリカLLCで利益が出ると、その分は配当所得として日本で納税しなければなりません)。

2)LLCを2名以上の利害関係者でつくると、アメリカ物件を売却した時の連邦源泉税(FIRPTA)を回避できるし、メンバー間で持分調整や移転も容易にできる。

3)国際個人信託をつくって相続財産の受益権者を明確にしておけば、アメリカの法廷を経ずにスムーズに遺産相続手続きができ、かつアメリカで遺産税もかからない(注:日本の相続税はかかる可能性があります)。

私の関心事は、「アメリカで値上がる可能性の高い物件を仕込み」、「戦略的に借り換えを繰り返しながら」、「資産形成の途中で税負担をミニマムにしつつ」、「効率よく資産を増やしていく」ことで、その見地から最も効率的と思われる「米国LLC&1031エクスチェンジ」を使う戦略を採用しています。

租税回避が目的ではありません。国に権利を守ってもらう不動産を使って自分の資産が増えるんなら、増えた分の何割かは税金払ってもいいじゃん、という考え方です。ただ、資産形成期に税金があれこれかかるとキツいし加速もできないので、その辺は賢いソリューションを選び取っていきたいものですね。

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海外不動産、税理士に丸投げされても…

こんばんは、Manachanです。今回は、海外不動産投資に欠かせないパートナー「税理士」にフォーカスして書きますね。

「日本と海外、両方の税務申告実務に通じ、個人投資家に対して最適な税務アドバイスを行うことのできる国際税理士」は、日本人のグローバル資産形成に重要な役割を果たすはずです。が、現時点ではニーズの大きさに比べて人材が育っておらず、まだまだ未開拓な分野といえます。

日本と海外、両方の税務が分かる人が世の中に少なく、よしんば居ても法人向けで料金も高額だったりします。我々日本居住の個人投資家にとっては、「海外での申告、誰に聞けば正しい情報を得られるのか分からない」という悩みがあります。逆にいえば、これから発展余地が大きい分野ともいえましょう。優秀な税理士がいま参入すれば、間違いなく、「ライバルの少ないブルーオーシャン」だと思います。

 

ところで、日本の居住者が海外の不動産を買う場合、物件所在国と日本と、両方の国で納税する義務が生じます。

税制や税率はそれぞれの国で違いますが、世界中の多くの国では、日本で不動産持つのと同様の税金があります。購入時には印紙税や不動産取得税、保有時には固定資産税や所得税、売却時にはキャピタルゲイン税(譲渡益税)が、その代表的なものです。

海外で上記の税金を納めた後、さらに日本の確定申告で納税しなくてはなりません。但し、日本人が不動産買うような国は、たいてい、日本との間で租税条約を結んでいるので、原則として、二重課税にはなりません。具体的には、日本の確定申告の時、海外で納めた税金を「外国税額控除」を使って、差額分を納付、あるいは還付してもらいます。トータルで考えれば、結局、日本の税率で納税することになるわけです。

 

海外不動産セミナーやると、「税金の申告はどうやればいいのか?」は、よく聞かれる質問です。これ、真面目に考えると、回答するのがとても難しい質問です。

私は税理士資格を持っていない一般投資家なので、税務実務を代行したり、アドバイスすることは法律上できません。だから、「自分の場合は、こういう考えに基づいて、こういう申告を行っています」という程度の回答しかできず、それ以上詳しい内容については、「プロの税理士に聞いてください」と言う以外にないのですが、

「じゃ、具体的には誰に聞けばいいの?」というと、困ってしまいます…なぜなら、

 

・海外不動産セミナーに来る方の多くは、日本国内ですでにアパマン何棟か持っている投資家で、すでにお抱え税理士が居るケースが多い。ただ、彼らは当然、日本の税務のことしか分からないので、申告対象に海外の不動産が入ってきても、「それを、日本の税務申告上、どう処理するか?」位しかできない。

・海外(例.アメリカ)での不動産申告は、その国の税理士にお願いすることになるが、彼らとて、知っているのはアメリカの税務だけで、日本の税金に対する知識はほぼない。

・日本の税務は日本で最適化でき、アメリカの税務はアメリカで最適化することはできても、両方をトータルに最適化する税務アドバイスのできる専門家は、私の知る限り非常に少ない。

 

でも往々にして、投資家が税理士に期待する具体的な内容は、「日本とアメリカ、両方を最適化する税務サービス・アドバイス」だったりします。でも、これは極めて専門的かつニッチな仕事で、誰にもできるわけではありません。たとえば、

 

・日本国籍者がアメリカの不動産を購入する際の名義は、「個人名」、「日本の法人名」、「アメリカの法人名(LLC)」と、3つの選択肢がある。

・上記3つのうち、どれを選ぶかによって、日本とアメリカでかかってくる税金の負担が違う。たとえば、

1)日本側では…個人名で買うと、所得税(総合課税)、譲渡所得税(分離課税)、住民税などがかかってくる。法人名で買うと、それらの負担がない代わりに、法人税や事業税がかかる
⇒これは、日本の税理士が考えてくれます。

2)アメリカ側では…日本の名前(個人名or日本の法人)で買うと、アメリカ側の所得税(連邦税+州税)や源泉税、キャピタルゲイン税(=譲渡所得税)がかかるが、アメリカ法人(LLC)で買う場合、源泉税やキャピタルゲイン税を回避する方法がある
⇒これは、アメリカの税理士が考えてくれます。

3)でも、日本の税とアメリカの税をトータルで考えて、3つのうちどれを選べば一番トクかと問われると、たぶん、どちらの専門家も答えられない。

 

あと、日本とアメリカで税理士を使ったとして、両国の税理士の言うことが違っていた時の調整も大変ですが、これもオーナーが総合的に判断しなければなりません。

私は以前、こんな体験をしました。アメリカの税理士が、アメリカでかかる税金をゼロにするために、いろいろなアイデアをくれるのですが、その中に、

 

・BVI(英国領バージン諸島)法人を使って完全免税にするスキーム

 

が含まれていました。具体的には、「資産規模が一定以上になると、アメリカ国内のLLCだけでは完全免税にできないので、タックスヘブンとして有名なBVIに法人をつくり、その傘下にいくつかのアメリカLLCを持たせることにより、親会社も免税、LLCも免税で、とてもハッピーでしょ♪」と自信満々のご説だったのですが、

でも、彼がそれを言う時、私が日本の居住者で、日本の税金を払わなきゃいけない立場であることが、すっぽり欠落しています。自分が代表をつとめるBVI法人なんかつくった日には、「タックスヘブン税制」が適用されて、結局、日本の税率を払わなければなりません(=BVI法人で上がる受動的所得が日本で雑所得として課税されてしまう)。

…そういうこともあるので、日本とアメリカ、両方の税制を深く理解した上でアドバイスをしてくれて、かつ申告実務をリーズナブルな価格でやってくれる、知恵袋的な専門家が欲しいと、いつも願っていますが、現実はなかなか難しいですね。今後長期にわたり、懸案事項になるでしょう。

 

繰り返しになりますが、海外不動産セミナーで、購入後の税務申告について質問を受けた際、「専門の税理士に聞いてください」という答えでは、本当の意味で質問に答えたことになりません。税理士だって、問題丸投げされても困ってしまいますよね。

とても難しいこととは思いますが、もし可能であれば、「日米双方の申告実務に通じた、○○税理士を紹介できます。費用は○○かかります」位のレベルの答えは欲しいところですね。

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海外節税物件とモルヒネ依存症

こんばんは、Manachanです。今回も、「海外不動産と節税」という、旬なテーマで書きますね。

最近、日本の海外不動産販売のトレンドは、「減価償却&節税」。どちらかというと国内不動産専門の感のある「健美屋」さんのコラムにも、ついに、この話題が出てきました。

米国投資は節税策としても注目、中古住宅を最短4年で減価償却

 

「米国の不動産を買って、日本で節税できる」…販売側にとっては、まさに魔法のキーワードでしょう。日本在住の人に、わざわざ、海の向こうの、遠い土地の不動産を買ってもらうには、強い動機づけが必要。「目の前の税金を安くできる」のは、動機づけとしては最強の部類に入るでしょう。

ですが、一投資家、不動産愛好家の視点でいうと、「節税ありきの海外不動産販売」には、あまり賛同する気になれません。理由は二つあります、

1)ちょっと節税するために、ベストとは言い難い物件を買うよりも、ちゃんと収益のあがる物件を選んで買った方が、確実に資産が増えると思うから。

2)商品設計が、「最初の4年間、減価償却で節税できても、5年目以降、重税がのしかかってくる」想定ゆえ、買った人が節税依存症になってしまうリスクが大きいから。

 

1)については、すでに、6月9日のブログで詳しく書いたので、今回は割愛します(サラリーマンが海外の築古不動産で節税すべきか?-後編

今回強調したいのは、2)です。私の視点でいうと、「節税ありきの海外不動産投資商品」は、よほど注意して使わないと、購入者を不幸にしてしまうリスクが大きいと考えます。私はこれを、「モルヒネ投資」、「節税依存症投資」と呼んでいます。なぜそう思うのか?

 

健美家コラムの例にならって、「課税所得1000万円のサラリーマンが、アメリカで5000万円(うち建物価格4000万円)の不動産を買い、最初の4年間は1000万円づつ節税(その期間は所得税、住民税ともゼロ)」、「彼が購入後5年間、課税所得1000万円のサラリーをもらい続け」、「購入6年目に5000万円(プラスマイナスゼロ)で売却する」前提で書きますね。

ところで、「課税所得1000万円のサラリーマン」と、「年収1000万円のサラリーマン」とは少しレベルが違います。前者は、会社から受け取る給与収入から、基礎控除、社会保険料控除などを引いた残りが1000万あるわけで、少なく見積もっても1300~1400万円以上のサラリーを得ています。

 

課税所得1000万円以上ある給与所得者は、2014年時点で日本全体の4.1%を占めるに過ぎませんが、彼らは所得税全体の49.1%を納めており、まさに日本の国庫を支えている人たちです。逆にいえば、負担感も並大抵ではないのでしょう。

 

日頃、重税感に苛まれる所得層の人にとって、海外不動産を買って節税しようというセールストークは、確かに魅力的に聞こえるでしょう。課税所得1000万円あれば、年間の所得税が176.4万円、住民税が100.7万円、併せて277.1万円を国庫に納めているわけですが、もし米国の5000万円(建物比率80%)の不動産を買って、自分で確定申告すれば、最初の4年間に限っては、所得税・住民税とも、タダになる計算になりますから、それだけ聞くとむちゃくちゃ魅力的ですよね。

 

 

もっとも、この物件を売却したら、6年目以降であれば、譲渡所得税を払わなければなりませんが、確かに、健美家コラムの言う通り、それでも税金上はトクする計算になります。

購入後4年間の節税効果 11,084,000円 (=2,771,000 x 4年)

売却後の譲渡所得税 8,126,000円 (=40,000,000 x 20.315%)

差し引き 2,958,000円のトク

 

しかし、この物件を買った人に何が起こるかを冷静に考えてみると、私は、お勧めする気になりません。

・購入後1~4年目までの、いずれかの時点で、最低一度は税務調査に入られ、調査官にいじめられるでしょう(私も経験しました・・・涙)

・購入後5年目が辛い!これまで4年間かからなかった277万円の税金が突然かかり、家計を圧迫するでしょう。

・6年目で売却する場合、キャピタルゲイン出なくても、計算上812万円の譲渡税がかかります。どうやって捻出するのでしょう?

 

売却時点で、アメリカの物件が大幅に値上がるか、或いは米ドルに対して大幅な円安になっていれば良いですが、そうならなかった場合、わざわざ800万円の税金払うことが分かってて売るでしょうか?いやそれ以前に、5年目に突然かかってくる税の痛みを回避するために、多くの人は、5年目に新たな減価償却物件を買うでしょう。また業者も当然、「5年目買い増し需要」を期待するでしょう。

これって、「痛み止め(税負担アップ回避)のために、モルヒネを打ち続ける(海外築古物件を買い続ける)」のと、本質的には同じことだと思います。

なお、日本の譲渡税を回避するために、償却後の簿価(1000万円)で、自分の設立したアメリカの会社に売っちゃえばいいじゃんという考えもあるでしょうが、売買履歴データが皆にガラス張りのアメリカで、5000万円で買った物件を1000万円で売るような不自然な取引が許されると考えない方が良いです。下手したら、アメリカで過酷な追徴課税が待っているでしょう。

(※あと言うと、今から5年も経てば、国税が海外不動産を使った償却スキームに対して課税強化してくると思うので、買い増ししても節税メリットなくなるかもしれませんね。)

 

節税のための海外不動産って、結局、何なのでしょう?世にあまたある「節税スキーム」と同様、本来払うべき税金の繰り延べ、つまり問題先送りにしかなりません。

投資家のカルチャーは「先憂後楽」…私たちは、いま買いたいものを少し我慢して、将来、財産を大きくすることを楽しみにする人種なのですから、海外節税物件みたいな、「今をラクにするために、後にツケを回す」ような投資(?)は、生理的に楽しめませんし、お客様にもすすめたいとは思いません。

 

あと、シミュレーション上の節税効果が、物件価格に比べて大したことないことにも注目すべきです。仮に、売り側の業者が、6%以上、利益を余分に上乗せして売っていたなら、節税利益をすべて食われていることになるのです。

仮に20%余分に利益が乗った物件を買ってしまったら、それこそ、「300万円節税するために1000万円を業者に貢い」という、笑えない結果になります。

現に、日本に紹介されている、節税を全面に押し出す物件は、普通に市場流通している物件というよりは、むしろ日本で節税できるスペックを備えるために作為的につくった物件であることが多く、アメリカ人に売りにくかったり、あるいは、「どう考えてもガッツリ利益乗せてるじゃん!」と思うものも、少なからずあります。

市場価格に比べて割高な物件を買ってしまったら、出口で損切りのリスクが高まるのは言うまでもありません。

 

もっとも、節税云々以前に、アメリカで買った物件が大きく値上がりして富をもたらしてくれたら、上記の懸念は全ては解決するはずです。だからこそ、収益性に優れ、リスクの少ない物件を選ぶ選球眼をつけるのが先決だと思うのです。

減価償却・節税は、あくまで投資の結果に過ぎません。むしろ、投資収益がちゃんと上がって、それに加えて節税メリットもあればラッキー、くらいに考えるべきだと思います。

 

最後に一つだけ、簡単なTipsをシェアしたいと思います。もし、販売業者の物件資料に

「NET利回り 4.0%」
「NET利回り(減価償却加味) 7.5%」

などと書いてあったなら、減価償却を含む数字は、即、ガン無視しましょう。そして、この地域でNET利回り4.0%が妥当であるのか、もっと良い投資機会がないかどうか、米国不動産投資の経験者をつかまえて調べてみましょう…それが、海外投資リテラシーを上げる第一歩になります。

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サラリーマンが海外の築古不動産で節税すべきか?-後編

前編の続きです。

アメリカ・テキサス州某所にある、「快速減価償却で節税できる中古物件」と「新築優良物件」の二つの紹介を受けたサラリーマンAさん、販売業者の説明を受けた当初は、「安く買えて節税もできる中古物件で決まりだぜ♪」だと思っていましたが、アメリカ不動産歴10数年、投資で成功したMさんのセカンドオピニオンを得たところ、「新築を選ぶべき」だという・・・その判断軸は何か?

 

「この2物件を比べると、競争力が全然違うのですよ。」

「競争力の高い物件は、毎年、家賃も伸びるし、さらに、5~6年後に売却された時の価格の伸びが全然違います。日本の減価償却で得られる節税効果よりも、ずっと大きなお金を、アメリカで稼いでくれるはずです。」

 

Mさんは続けます。

・この新築物件が建つ所は、市内でも指折りに治安が良く、優良な学校が多数あります。しかも大企業の本社進出が相次ぎ、全米、全世界から来たエグゼクティブやマネジャークラスの方々が選んで住まう場所になります。高属性な方々を入居ターゲットにできるので、良い家賃が取れますし、いま新築でコンディションが良ければ、数年後売却する時に、彼らに高値で売ることも十分視野に入ってきます。

・一方で、築古物件が建つ場所は、市内で最悪とはいいませんが、場所柄や治安はそれなりで、これといった特徴のない住宅地です。入居ターゲットは白人の労働者階級か、ヒスパニック系の子沢山ファミリーが中心で、3ベッドルームと庭とガレージがあれば家賃はそれなりにとれますが、伸びしろがありません。また、数年後売却する時に、ターゲットが労働者ファミリー中心になるので、キャピタルゲインもあまり取れません

 

その説明を聞いて、Aさんは考えました…

 

・新築の方が競争力の高い、良い物件だということは良く分かった。

・でも、築古を買わないと快速償却を使った節税はできない。

・新築を買って得られる期待収益と、築古を買って得られる節税メリットは、どちらが大きいんだろう?

 

そもそも、減価償却による節税とは具体的には何なのでしょう?Aさんのケースに即して考えてみましょう。数字や税務用語がガッツリ出てきますがお付き合いください(簡単のために、1ドル=100円で換算します)。

 

・新築を買う場合、木造の建物なので日本の税法による法定償却年数は22年。建物価値は1540万円。つまり年間70万円(=1540万円/22年)ずつ償却できる。

・一方、築古を買う場合、築22年以上経年した木造の建物なので、日本の税法上、4年で償却できる。建物価値は1200万円。つまり年間300万円(=1200万円/4年)も償却できる。

・その4年間、Aさんが年収1000万円超のサラリーマンであり続けた場合、所得税23%に地方税10%、計33%の税金が天引きされる。つまり、年収が100万円上がるごとに33万円づつ税金で持っていかれる計算になる。しかし上記の築古物件を購入した場合、今後4年にわたり、300万円×33%=99万円づつ、税金還付が受けられる。4年間通算だと396万円も節税できる。

・もっとも、その築古を売却した場合は、譲渡所得税が分離課税される。購入後5年を超えれば税率は20%(厳密にいえば20.315%)、売却価格が購入時と変わらないと仮定して、これまで償却した1200万円がそのまま簿価上の売却益になるので、(購入時・売却時諸費用を除いて計算すると)それに20%をかけた、1200×20%=240万円を納税することになる。ただし、これまで通算396万円節税できているので、売却時に240万円納税しても、税金面では156万円トクしたことになる。

・一方で、新築を買った場合、毎年の節税効果は70万円×33%=23.1万円。5年間通算の節税効果は115.5万円。その後に売却した場合の譲渡所得税は、上記に準じて計算した場合、償却済額350万円×20%=70万円。つまり税金面では45万円しかトクしない。

 

めんどくさい計算の、ぶっちゃけ結論を言うと、

・築古を買うと、今後5年間で、156万円も節税できる。

・新築を買うと、今後5年間で、45万円しか節税できない。

 

AさんはMさんに問います。「築古を買った方が、税金面では111万円もトクする計算になります。新築を買えば、それを上回るだけの収益が出るんですか?」

Mさん「そんなの楽勝ですよ…私に言わせれば、そんな小さな税金面のメリットを得るために、わざわざ競争力の劣る物件を買う意味が分かりません。

 

なぜ、物件の収益力にそこまで差が出るのか?それは、「業者の説明になかった部分」に秘密があります。

アメリカは、不動産投資関連のデータベースが発達しています。それを調べると、新築物件の建つエリアの不動産価値の伸び率は、直近で年率8~10%、市の平均が4%、築古物件のエリアでは2~3%という数字が出ていました。

 

両者の差を控え目にみて、今後5年間通算で、

 

・新築物件は、「年率5%づつ物件価値が上昇」、「年率3%づつ賃料が上昇する」と仮定

・中古物件は、「年率2%づつ物件価値が上昇」、「賃料上昇は年率0%」と仮定

 

購入5年後(6年目)に売却する前提でシミュレーションすると、歴然とした差が出ました。簡単のために購入時・保有時・売却時の費用を除いて考えると、

 

・新築物件は、「通算の家賃収入956万円」+「値上がり益608万円」=1564万円を産む。

・築古物件は、「通算の家賃収入720万円」+「値上がり益167万円」=887万円を産む。

・両者の差は、677万円。

 

Mさんは言います。「今の局面で築古物件を選ぶということは、シミュレーション上の話ではありますが、ざっくり言うと、111万円トクするために、677万円を余分に産む投資機会をみすみす逃すということなんですよ。」

Aさんは、ここでようやく理解できました。目先の節税よりも、本当に利益を生む優良不動産に投資すべきだというセオリーを・・・

数年後、Aさんはアメリカ・テキサスの地を訪れ、優良な地域で新築を買った選択が正しかったことを実感しました。街がどんどんきれいになり、魅力的な商業施設が次々とできる、家賃は毎年上がり、足元の値上がり幅は年5%どころかそれ以上のパフォーマンスを上げ続けていました。「銘菓東京バナナ」をもってMさんの邸宅を訪れ、何百万円を増やしてくれた彼のアドバイスに改めて感謝したのは言うまでもありません。

 

補足)上の収支計算は厳密にいうと正しくありません。新築物件は大きく値上がるので、その分、日本で納税する譲渡所得税も増えますし、また購入価格が違いますので(新築2200万に対し築古1600万)、それを基準に投資効率を比較しなければなりません。その他、購入時経費4%、売却時経費6%、保有時経費が初年度月額4万円、経費上昇率2%/年と、現実的な想定を置いてNETベーでス計算し、IRR(内部収益率)で公平に比較したところ、結果は

 

アメリカの収益のみで計算した場合

⇒新築のIRR  11.02%/年
⇒築古のIRR 6.97%/年

 

日本の節税効果も入れて計算した場合

⇒新築のIRR  10.33%/年
⇒築古のIRR 8.50%/年

 

結局、年収1000万円前後の、資産形成期のサラリーマンの場合、「快速償却で節税する位なら、優良物件を買うことにフォーカスした方が吉」ということが、数字的にも裏付けられたと思います。

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サラリーマンが海外の築古不動産で節税すべきか?-前編

こんにちはManachanです。アメリカ、パナマ、カナダと、北中米3ヶ国を回る7泊8日の出張から日本に帰るところです。

今回のメルマガで、いま業界で話題になっている、「海外の築古不動産を買って減価償却で節税する」不動産投資のあり方について、私の思うところを書きますね。

日本でも世界中どこでも、人が住み経済を営む場所である限り不動産の基本は変わりません。「不動産=移動できない土地建物」ゆえ極めてローカルな存在であり、地元の人間が貸し借り、売買を繰り返すなかで「相場」が形成されていきます。

都市中心地や名門学校に近いとか、富裕層が好む地域の物件は競争力が強く、地域の平均より高値で取引されます。そうでないフツーの物件はそれなりの評価になり、競争力の弱い物件は需給バランスによっては値下がりもします、でも需要がある限り価値ゼロになることはありません。

ところで、不動産は極めて「ローカル」なモノなのに、日本に住んで海外不動産投資という「超遠隔操作」をしようとする…そこに根本的な難しさがあると思います。

海外で購入する不動産が「地元民に選ばれる物件」であれば安心感あるし、投資の成功確率も高まりますが、土地勘もなく法制度も住まい方も違う海外で、それをどうやって見極めるか?早い話が、東京に住んで札幌市の不動産に遠隔投資するのと、米国テネシー州ナッシュビル市の不動産に遠隔投資するのとで、個別物件力の見極めの難易度が高いのはどちらか?答えは自明ですよね。

業者に良いと勧められて買った海外の物件が、実は地域のなかで競争力の弱い物件だった、入居者属性が悪くて問題続出の物件だった、或いは地域の相場より明らかに割高な価格で買ったので損切りしないと売れない…みたいなことが起こらないよう、一投資家として海外不動産リテラシーと物件見極め力を常に磨きたいと思います。ちなみに私の投資スタンスは二つ。

– 地元において競争力の高い「安心物件」を、「適正な価格」で買う。

あるいは、

– 地元において競争力が高いとはいえない「それなりの物件」を、「相場より安く」買う。

そろそろ本題に移りましょう。いま日本では、「快速償却で節税できる海外の木造築古物件」がたくさん売られています。その主戦場はアメリカ…「木造築古物件が豊富」「物件価格に占める建物対価が高い」「築が古くても値下がらない物件が多い」三拍子揃った米国は、節税用物件をつくりやすいのです。

海外不動産で節税できる仕組みは日経の記事に詳しい説明があります。もっとも、この節税方式は国税から厳しい目で見られており、近い将来何らかのメスが入る可能性があります(参考記事:健美家コラム)。

節税用海外不動産の販売を、私は否定しません。毎年、所得税や住民税を死ぬほど払って、少しでも節約したい富裕層やスーパー高給サラリーマンとってはメリットある話だと思います。感覚的にいうと、額面年収3000万円以上、所得税住民税合わせた限界税率が50%や55%いくような人にとっては利用価値が大きいでしょう(今後、税制や運用が変わって節税できなくなるリスクはありますけど…)。

もっとも、額面年収1000万円前後のアッパーミドルなサラリーマン投資家にオススメできるようなものではないと思います。そういう方は一般論として(私自身も含めて)、償却は取れるけれど競争力に疑問符のつく中古物件を買うより、素直に良い立地で競争力の高い物件を買う方がメリット大きいと思います。なぜなら、

– (今後数年間、海外不動産償却節税スキームを使い続けられると仮定して)日本における節税効果よりも、海外の優良物件が低リスクで運用でき、自然に値上がり、賃料も伸びるメリットの方が大きいと思うからです。

「年収1000万サラリーマンの海外不動産投資は、築古の償却物件よりも好立地で競争力ある新築や築浅の方が良い」という仮説を、現実的な想定を置いてシミュレーション·実証してみました。

【Case Study】
東京都内の外資系企業に勤めるサラリーマンAさん(42歳)は額面年収が1050万円、基礎控除や扶養控除を除いた後の所得は700万円、所得税の税率が23%、地方税が10%で、「1万円所得が増えたら3300円を税金で持っていかれる」状況を何とかしたいと思っていたところに、「海外の中古不動産で節税できる」話をネットで見つけ、善は急げと、早速セミナーに行きました。そこで紹介されたのが「米国テキサス州某市」の物件。Aさんはその場所には土地勘ありませんが海外駐在経験があり英語も堪能、外国アレルギーもないので早速検討をはじめました。

ちなみに、紹介されたのは同じ都市内にある「エリアはそれなりだけど償却で節税できる木造築古戸建」と、「エリアが良い新築戸建」でした。

[築古戸建-業者から説明を受けた情報]
———————————————-
木造 1950年築、内装リフォーム済
販売価格 16万ドル
– うち土地 4万ドル(25%)
– うち建物 12万ドル (75%)
想定家賃 1200ドル/月
諸経費、諸税 400ドル/月
NET家賃収入 800ドル/月
グロス利回り 9.0%
NET利回り 6.0%
5年間保有した時の節税効果 1200万 x 33% = 396万円
6年目に売却した時の長期譲渡税 1200万 X 20% =240万円
節税効果 396万-240万=156万円
———————————————-

[新築戸建-業者から説明を受けた情報]
———————————————-
木造 2017年築、10年間性能保証付き
販売価格 22万ドル
– うち土地 6.6万ドル(30%)
– うち建物 15.4万ドル (70%)
想定家賃 1500ドル/月
諸経費、諸税 400ドル/月
NET家賃収入 1100ドル/月
グロス利回り 8.2%
NET利回り 6.0%
5年間保有した時の節税効果 350万 x 33% = 115万円
6年目に売却した時の長期譲渡税 350万 X 20% =70万円
節税効果 115万-70万=45万円
—————————————————–

この説明を聞いて、Aさんは次のように考えました。

– どちらもネット利回りは同じ(6%)
– 築古戸建の方が安く買える(16万ドルvs22万ドル)
– 築古戸建の方が税金でトクをする(156万円vs45万円)

「こりゃ、どうみても築古戸建で決まりじゃん!」と思った彼は、セミナー後に配られたアンケート用紙に「築古戸建の購入を前提に個別面談希望」と書いて、意気揚々と家に帰りました。

翌日、少し冷静になったAさん、「2000万円もする高額なものを買うんだから、業者以外に投資経験者の意見も聞いた方が良い」と考えました。得意のネット検索でアメリカ不動産投資で成功している投資家Mさんを探しあて、彼のセカンドオピニオンを得るべく、メールしました。

数日後、Mさんは、一通り調査したあと、このように答えました。

「Aさん、私の見立てでは、新築を選ぶべきです」

「築古を買ったら、日本の税金は多少得するかもしれませんが、新築はそれ以上のお金を、アメリカで稼いでくれるでしょう。しかも築古より明らかにリスク低いです」

「なぜ差が出るのか?その理由は、業者のさんが説明しないところにあります」

後編につづく…

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世界の治安と不動産考

こんにちは、Manachanです。今回は、世界各都市の「治安」をテーマにブログ書いてみます。

治安は、投資不動産に携わる者にとっては避けて通れないテーマ。どの国、どの都市でも、治安の良し悪しが不動産価値や住民属性を露骨に左右しますが、逆にいえば治安ほど、人々の主観に左右されるあやふやなものはないでしょう。

私も海外不動産セミナーで治安に関する質問をよく受けますが、「フロリダ州の治安ってどうですか?」みたいなこと聞かれると返答に困ってしまいます(フロリダ州みたいな大きなくくりで、治安なんて答えようがないよね…)。言葉の曖昧さ、質問者と回答者の地理知識やレベル感の違い等々の問題があり、Q&Aが最も成り立ちにくい分野の一つです。

 

治安という、誰もが興味があり、かつ統一的客観的な指標のないものを、ネットの投稿機能を使ってできるだけビッグデータ化、指標化したサイトの一つがNumbeo.com/crime。私もよく使いますが、なかなかスグレモノです。

・地域住民の目線に立って、

・分かりやすく統一的な指標(昼間や夜間に出歩いて安全と感じるか?財産や車を盗まれる危険を感じるか?暴力的に攻撃されるリスクを感じるか?)を使い、

・世界中の投稿者から大量の回答データを集めて、指数化している。

 

こうして集まったデータから、世界中の各都市の治安指数を、このように一覧化しています。一番治安の良い部類は「緑色」、次いで「薄緑」、「薄黄色」、「濃黄色」、「オレンジ」、一番治安が悪いのは「赤色」で表示されます。

 

世界中見渡したなかで、ぱっと見、一番治安の良い地域は「東アジア」ですね。いわゆる「CJK」と呼ばれる中国、日本、韓国の都市は、一部の例外を除いて軒並み「緑」と「薄緑」。

 

次いで「オセアニア」も、世界的には治安良い方でしょう。シドニー、メルボルン、オークランドなど、代表的な都市の多くは「薄緑」。

 

ヨーロッパは多数の都市がエントリーしています。多少の「赤」もありますが、全体的には「緑」と「薄緑」、「黄色」が多く、治安はまあまあという印象。

 

北米に行くと、「カナダ」はヨーロッパ並み、「アメリカ」だとそれより治安悪い都市が多くなりますね。「オレンジ」や「赤」が多くなります。

 

治安よろしくないのは「中南米」ですね。「赤」のオンパレード。

 

Numbeo.com/crimeで、20以上の回答データが集まった都市は、378。その治安指数をランキングして、悪い方から並べると、ワースト20都市中、約半分を「中南米」が占めます。あと「アフリカ」からのランキインも結構多い。

 

逆に、治安の良い方は、「東京」「シンガポール」「台北」など、東アジアの大都市が目立ちます。あと欧州や北米の小都市も結構ランクインしてますね。ちなみに東京のスコア(安全指数81.26、危険指数18.74)は378都市中ベスト16位。

 

Numbeo.com/crimeの治安指数は、普段、世界中を渡り歩いている私の皮膚感覚にもよく合います。私は結婚して以来、4か国11都市に住んできましたが、一番治安が良いと感じるのは「日本と台湾」ですね。いずれも、大都市でさえ女性の夜間一人歩き可能、暴力犯罪や空き巣、車上荒らしに遭った経験もなし、窃盗は多少あるんでしょうが、財布落としてもそのまま返ってくることが多いのが「日本&台湾」の良いところ。

あと、出張で欧州などに行く際、訪問都市を治安の良い順に「デュッセルドルフ、リスボン、バルセロナ」だろうと予想すると、たいてい当たります(安全指数デュッセルドルフ74.08、リスボン67.73、バルセロナ61.06)。

 

非常に興味深いことに、米国でトップクラスに治安の良いいくつかの都市は、「東京」とほぼ同レベルの指数なのです。

東京(安全指数81.26)

 

カリフォルニア州アーバイン(安全指数79.44)

 

テキサス州プレーノ(安全指数79.42)

 

この二都市は、2016年「アメリカの人口20万以上で最も安全な都市ベスト10」にいずれもランクインしています。特にアーバインは、二年連続1位に選ばれている他、日本でも千葉県流山市など、いくつかの都市の街づくりモデルになっています。

アーバイン、プレーノ、あとラスベガス近郊のヘンダーソンなど、全米屈指の治安の良い都市を、私も仕事で時折訪れますが、同国の多くの都市と違って「ゲートコミュニティをつくる必要を感じないほど、街全体の治安が良い」のが特徴で、ある意味、日本の治安状態がほぼ実現しているといえます。

また、治安の良い都市は、周辺地区に対して不動産価値が高く、値上がりやすいという特徴があります。例えばアーバインは、Newport Beachなど海岸沿いの金持ちエリアを除けば、周辺都市に比べて軒並み不動産価格が高いし、プレーノもその点、同様です。さらに、治安が良い都市ほど良質な入居者を得て安定的な賃貸経営しやすいという面もあります。

 

海外、特に米国で不動産投資するなら、治安が良く、かつまだ値段が上がりきってないエリアを狙うのが良いのかもしれません。テキサス州プレーノ近辺は、土地付きファミリー向け新築住宅がまだ20万ドル台で買えることもあるようで、投資視点でみると面白い場所ですね。

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海外不動産なぜ買うの?そこにフロリダがあるから…

こんばんはManachanです。今回は、前回の北米出張で出会った「フロリダ州ケープコーラル」(Cape Coral, FL)という素晴らしい街と、不動産事情について書きます。

フロリダ州は米国本土のなかで日本から一番遠いこともあり、ハワイやカリフォルニアと比べて知名度はありませんが、アメリカやカナダの、特に冬の寒い地方に住んでいる人々にとっては極上のトロピカル・リゾート。ロングステイや老後の移住先として大変人気の高い場所です。またヨーロッパからも実は近くて、大勢のドイツ人やイギリス人が暖かいフロリダにやって来ます。

一方、中南米諸国の人々にとって、フロリダは「アメリカ生活の第一歩」あるいは「米ドル資産形成の場」として人気があります。特にマイアミはスペイン語が広く通じ、ベネズエラ、メキシコ、アルゼンチン等、ラテンアメリカの富裕層が、母国より安定度の高い米国で資産を置く場所になっています。

このように、米国の大西洋側では北からも南からも人気の高いフロリダ州は、人口急増中。2014年にニューヨーク州を抜いて、全米51州のうち3番目に人口の多い州になり、今なお年間30万人のペースで増加中。

 

そのフロリダ州南西岸にある中堅都市ケープコーラル(Cape Coral)は、実に興味深い場所で、住宅地として異彩を放っています。Google Mapで検索してみると、メキシコ湾に突き出た半島状の土地に、運河が四方八方に張り巡らされているのが分かります。さらに拡大すると、運河に面した住宅地がことごとく、自家用船舶を係留できる「マリーナ」付きになっています。まるで豪州ゴールドコーストの、大橋巨泉さん宅みたい。

ケープコーラルの運河は、何と1950年代から造成されています。一方、ゴールドコーストのマリーナ付き住宅が建設されたのは1980年代…ゴールドコーストはケープコーラルの真似をしたのかもしれませんね。

 

ケープコーラルのなかでも人気の高いSouthWest地区の一角。広々とした運河にマリーナ住宅が並び、ちょっと西へ船を走らせれば大海に出れます。優雅ですね~。

 

今年2月末、ケープコーラル滞在中に、マリーナ付き住宅の売り物件を内見しました。プールに、人口砂浜付きのマリーナが目に優しい、暮らしやすそうな家でした。3ベッドルーム、3台用ガレージ付きで、お値段は44万ドル(約5000万円)。この値段でマリーナ付き住宅に住めるなら良いですね。

 

運河を少し離れれば、価格が安くて利回りの高い、収益物件もあります。土地1000平米、建坪200平米強、4ベッドルーム2バスルーム2台ガレージ、内装シンプルでメンテしやすい、ファミリー賃貸に最適化されたCALIという物件。価格22万ドル台、想定家賃1600~1700ドル/月、諸経費諸税ひいたネットの手取り約1250ドル/月。利回りはグロス9%、ネット6.6%くらい…すでに十分な建築・運営実績があり、地元アメリカの他、イスラエル、ドイツ、オーストラリアの投資家が買っています。

賃貸収益の他、値上がりの期待も大きいのが今のケープコーラル。直近では年率8~12%のペースで値上がりしています。現時点での賃貸利回りが高い上に、家賃水準も上昇基調にあるので、今後当面、物件価格は自然に上がっていくと思われます。

 

なぜ、ケープコーラルの住宅がいま安く買えて、利回りも良くて値上がり期待もあるのか…主な理由は3つ。

1)全米トップレベルの、急速な人口増加
2)賃貸住宅不足からくる、家賃上昇
3)2008年前後、リーマンショックで物件価格が大幅に下がり、今は復活途上のタイミング

 

ケープコーラル一帯の人口増加は凄いの一言!近隣のFort Myers, Lehigh Acres等を含めたLee Countyの人口は70万人弱。2010~14年における人口増加率は、全米の50~100万人規模の都市のなかでトップ(年率平均2.75%、出展>America’s Mid-Sized Metropolitan Areas )。

 

なぜ、人口がここまで増えるのか?米国には、テキサス州のダラスやヒューストンのように、大きな産業が移転してくることで都市が大きくなるパターンもありますが、ケープコーラルの場合は逆に、「住みやすいから人が引っ越してくる」、「人口増加を狙って各種産業が参入してくる」というパターンであるようです。

ケープコーラルは米国の大都市圏と違って、今なお「白人が9割を占める」コミュニティ。フロリダにありながら、「ヒスパニック系が約1割しかいない」という珍しい土地柄(出展:neighborhoodscout)。

英語を話す、働き盛りの白人ファミリーが、全米各地から子供を伴ってケープコーラルに越してくるようです。リタイアした老人が多いイメージのあるフロリダ州ですが、ケープコーラルの場合は、「35~54歳の大人」と「17歳以下の子供」が占める割合が高い。

 

ケープコーラルが選ばれる理由の一つは、「治安の良さ」。暴力的犯罪の発生率が、人口比でフロリダ州の4分の1、全米の3分の1という低さ(人口1000人あたりの発生数、ケープコーラル1.16件、フロリダ州4.62件、全米3.8件)…私もこの街を歩いていて、夜のひとり歩きでも危険な目にあいそうな気がしませんでした。

 

あと、ケープコーラルの不動産価格が、上昇中とはいえ大都市圏や同じ州のマイアミと比べればまだ断然安いのも大きな魅力でしょうね。約20万ドルで広い庭付きの家に住める、ちょっと頑張れば40万ドル台でマリーナ付き住宅も夢ではない、というのは大きな魅力でしょう。

 

さらに、今のケープコーラルでは家を買って住む人の他、賃借人も相当多い状況で、賃貸需要に対して住宅供給が足りないので家賃水準も上がり続けています。上に紹介した賃貸経営向き物件CALIの場合、2012年頃は約16万ドルで買えたけど月額家賃も950ドル程度、それが今では22万ドルに値上がったけど家賃も1600ドル以上とれるので、利回りはむしろ上がっている(グロス7%から9%へ)ようです。

 

ここまで書いたことは、良いことづくめのようですが、さすがに海外にある物件のこと、これからいろんな問題・チャレンジが出てくるのでしょう。それでも、今のタイミングでケープコーラル不動産を仕込める魅力には抗えず、私も一つ買ってみることにしました。

いま私のチャレンジは、「現地金融機関から物件価格の7割以上の融資をひくこと」です。具体的には「物件価格の70%、年利4.68%(金利据置5年)、30年融資、元利均等返済」を目指して、審査を受けています。最大で物件価格の80%融資を受けることもできますし、利子のみ返済も可能なようです。

私が融資付けが成功すれば、日本人投資家にとって、素晴らしい第一歩になると思います。なぜなら、現時点で多くの日本人が海外不動産に手を出せない理由は次の二つだから…

1)海外物件は、賃貸収益よりも値上がり益狙いが多く、後者の実現は市場環境次第だからリスクが大きい。
2)海外物件は、日本人が融資を引きにくく、相当額のキャッシュ手出しが必要になる。

 

でも、私を含めて日本人投資家が、「今のケープコーラル」で、「7~8割の融資を引いて」買うことができれば、上記1)2)のデメリットが一気に解消されることになります。

1)ケープコーラルには、日本国内のどこにも類例を見ない持続的人口拡大と、住宅の需給ギャップが存在するためインカムゲインは堅いし、数字的も新築住宅としては日本の都市部よりさらに良い。

2)現地金融機関から7~8割融資が出ることになれば、約2500万円の住宅を、自己資金2~3割で投資できることになるため、多くの日本人投資家にとって無理なく手を出せるレンジになる。

 

つまり、日本円の他に米ドル資産を持つというリスク分散のみならず、純粋投資的にみて今のフロリダ(ケープコーラル)が優れているから素直に買う…という有力な選択肢になります。

また、アメリカの金融機関から融資の道が開ければ、個信や空き担保に頼って日本の金融機関からフリーローンみたいな融資をひかなくても良いわけだし、物件価値が値上がれば、それはアメリカの金融機関からエクイティとして認められ、次のアメリカ物件取得もつながっていきます。

 

とにかく、ケープコーラルの不動産…私がこれまで見た海外収益物件のなかでも、最高に上質なものでした。収益構造も、街そのものも素晴らしいので、皆さまにも是非知っていただきたいです。そこで、セミナーと現地視察ツアーを企画しました。

 

ケープコーラル不動産セミナー@東京・半蔵門

4月26日(水)19:00~ (セミナー案内参加申込リンク

4月29日(土祝)14:00~ (セミナー案内参加申込リンク

 

ケープコーラル不動産視察ツアー

5月29日(月)~30日(火)

ツアー内容:物件視察、管理会社訪問、購入手続の説明、現地口座開設 等

※5月28日(日)までに、現地入りしていただきます。
(例. アメリカン航空で5/28成田10:40発⇒ダラス乗継⇒フォートマイヤーズ14:38着)

※5月30日の夕方解散して、その後は自由行動。ディズニーワールドまで車で3~4時間、ヘミングウェイで有名なKey Westまで船で3時間。

 

お知らせ…

ツアーに参加したい方、ご質問のある方は、私Manachanまでご連絡ください(メール)。

3月20日現在、収益戸建CALIモデルを、数か月前の販売価格で買えるチャンスがあります(3戸限定)。興味ある方は私Manachanまでご連絡ください。(メール

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日本の不動産投資で「時間差」が使えない理由

こんにちはManachanです。北米出張5日目、いまカナダ最大の都市トロントにいます。

冬が長くて厳しいカナダの人たちにとって、暖かい南国でのバカンスは無上の楽しみ。その行き先として人気が高いのが、アメリカ最南端のフロリダ州。

フロリダ州内のマイアミ、オーランド、ジャクソンビルなど主要都市はもちろん、南西部の地方都市ケープコーラル(Cape Coral)にも、カナダ各都市からの直行便が多数就航している他、欧州のドイツやスペインからの直行便さえ就航。冬でも暖かいフロリダに、太陽を求めて人々が押し寄せます。

そのケープコーラル、不動産投資の面では素晴らしい街でした。人口増加率は全米屈指、住宅供給不足で家賃上昇中、その割に物件価格が上がりきっておらず、グロス賃貸利回りも平気で7〜10%いく、価格上昇率も年率10%超…今こそ、まさに買い時のタイミングという感じでした。

ケープコーラルの街も実に良かったです。約30万人いる住民は裕福で教育水準の高そうな白人がほとんど。治安が良く、夜でも平気で出歩いて食事とかできる、住宅街には運河が縦横に張り巡られ、ボート係留権つきのマリーナ住宅が並ぶ。まるで大橋巨泉氏が住んでたゴールドコーストの高級住宅街のよう。

住民が自宅からボート乗って水上レストランに行く優雅なライフスタイル。屋外プールつき、3室あるうちの2室からプール&ボートへダブルアクセス…みたいな素敵な住宅。こりゃ絶対1億円するだろうと思ったら5000万円(44万米ドル)で買えるという。そのコスパの良さも「今のケープコーラル」ならでは。

投資家向けには、さらに賃貸経営に特化した「4ベッドルーム、2バスルーム、2台ガレージ」のファミリー向け新築戸建住宅というジャンルがあります。こちらは約22万ドル(2500万円)で買えて月額家賃が1600ドル程度、グロス利回り9%出て、現時点では空室もほとんどない状況。土地が1000平米もついてきます。

資産価値が確かなので、地元の金融機関から融資がつき、外国人でも最大8割借りられ、さらに利子のみ返済も可能なようです(利率は5.0%)。それ聞いて私は早速、融資審査申し込みましたよ。 確実にお金が増える投資だと思うので、善は急げ‼︎

ここまで有利な条件で不動産投資ができるのは、「今のタイミングで、場所がフロリダ州ケープコーラルだから」です。「アメリカだから良い」わけでは全然ないです。同国内の主要都市では、すでに不動産価格が高騰してしまいました。いまニューヨークやロサンゼルス都市圏で同等の住宅買ったら値段3倍以上するでしょう。利回りもグロス3〜4%がせいぜい。

逆にいえば、同じアメリカ国内でも、「ニューヨークやロサンゼルスが高くなったから、今はフロリダやテキサスを買う」みたいな、各都市の不動産市況の「時間差」を利用した投資ができるわけですね。同じ国内だから当然、「ニューヨーク物件の値上がりによる空き担保を自己資金算入して、テキサス物件の融資をひく」みたいなエクイティファイナンスが可能。

経済や人口規模がアメリカより小さいカナダやオーストラリアでも「時間差」投資は可能です。例えば、私が過去10数年、オーストラリアで実践してきたのは、

– まずシドニー(国内最大都市)で物件買い、12年経ったら価値が2倍になった。

– それからブリスベン(国内第三位の都市)の不動産を買った。当時のブリスベンは奇しくも、「価格帯、利回り、上昇率とも、12年前のシドニーに酷似」していた。つまり、投資先の都市をブリスベンに変えるだけで「12年前のシドニーにタイムマシンで戻って投資する」のと同じような効果が得られた。

これと同じことが、日本でできるのか?例えば、「東京と名古屋の、不動産市況における数年〜十数年の時間差を利用した、タイムマシン不動産投資」ができるのかと言うと、答えはNO! 難しい。

東京の市況と名古屋の市況、その時間差は感覚的にいうとせいぜい1年くらいでしょうか。例えばの話、アベノミクスで東京の不動産価格が上がり始めた後、名古屋もつられて上がるのが約1年後くらい。逆に、融資引き締めなどで東京の相場が崩れはじめると、名古屋を含めて地方都市の相場は瞬時に冷え込んでしまう。

そんな時間軸で動く日本の不動産マーケットで、我々個人投資家が都市間の時間差を利用した投資で値上がり益をあげるのは難しい。できることはせいぜい、東京都心の価格が上がりはじめたタイミングを素早く察知して、名古屋に波及する前に安く買う位か…でも、夥しい数の不動産転売屋や建売屋が真っ先にそれやって鞘抜いちゃうから、一般の投資家が利益を得にくい構造になっていると思います。

言い換えれば、日本の不動産は大手デベロッパーをはじめとする供給側が価格決定力を握り、かつ同じ会社が東京、大阪、名古屋、福岡など主要都市でどんどん物件を供給しちゃう。そういう業界構造なので日本全国が「時間差なしの単一市場」になりやすい。投資家視点でいうと、「東京の不動産が値上がって利回りが落ちたら、大阪や名古屋もつられて落ちちゃう。1年経てば熊本鹿児島でさえ利回り下がる」のです。

その点、アメリカ、カナダ、オーストラリア…広大な面積を持つ新大陸英語圏先進国が日本と違うのは、

– 全国規模で物件供給する大手デベロッパーがほぼ存在しない。

– 地場のデベロッパーが、地域の需要や経済状況にあわせて物件供給する。

– 国全体の人口が増えている上、人口移動も農村から都市への一辺倒ではなく、だいとしからより生活コストの安い地方へ移り住む流れもあり、国内各地域に人口拡大、不動産価格上昇のチャンスがある。

そういう国情ゆえ、都市間の不動産マーケットに数年〜十数年の時間差が生まれやすく、それを利用した投資戦略が現実的に可能なのです。

合い言葉は、これ!「首都や最大都市の物件価格が上がりすぎたら、第二、第三の都市か、成長する中堅都市を狙おう」…米国カナダ、オーストラリアなら、その投資戦略を正しく実践すれば、たいてい外しません。

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「なんちゃって日本語」業者にムカつく理由

こんばんは、Manachan@北京出張中です。

ここ北京では、エキサイティングな仕事と、素晴らしいグルメで充実の日々を送っておりますが、その話題は次回以降に回して、今回は「日本語コミュニケーション能力」のテーマで書きます。

海外不動産関連の仕事をしていると、普段使う言葉は英語か、物件所在地の現地語になることが多いですが、たまに、日本語が使えるケースがあります。不動産仲介業者、管理会社、弁護士…といった人々が海外在住の日本人だったり、あるいは日本語堪能な外国人であった場合がそれです。

「海外なのに相手が日本語使ってくれるなんてラクじゃん」と一瞬思うけど、甘い!彼らと日本語でメールのやりとりをしばらくすると、結構な違和感を感じます。端的にいうと「ムカつく」んです。

お互いの立場としては、彼らが「業者」で、私が「客」あるいは「客の代理人」としてやりとりすることが多いですが、彼らは日本の民間事業者なら「ありえない」レベルの、相手に嫌われるコミュニケーションをすることがあります。典型的なパターンは3つ。

1、「客の言い分を聞くより先に、自分の言い分を言う」
⇒(独白)そんなのお宅の事情で、客の知ったことじゃないだろ!と思う。

2.「自分が客に対してできることを言う前に、最初から”できません”を言う」
⇒(独白)いろんな制約があるのは分かるよ。でもそれ以前に、客のために何かできるのを考えるのがおたくらの仕事でしょ?と思う。

3.「相手に要求する時に、ストレートに言う」
⇒(独白)日本では「大変申し訳ありませんが、かくかくしかじかの事情で、~していただけたら幸いです」と前置きをするのが普通。内心で申し訳なく思ってなくても、相手に受け入れられるためのそれが最低限のマナー。

上の内容を、日本語じゃなくて、英語で言ってたら、多分そんなに問題はないのですよ。

私も英語圏で長年仕事してましたけど、業者が客に対して「自分の言い分から先に言う」、「要求をストレートに言う」のは普通だったし、最低限の礼儀ある言葉さえ使えば問題にはならない。

でも、業者が日本語を使って日本人客と話した瞬間、「磁場」が変わります。自動的に「日本の業者と客」の関係になり、TPOや相対的立場に応じたコミュニケーション能力が求められ、その観点から判定されて、好かれたり嫌われたりするのです。

業者側には日本社会で当然に求められる配慮や言葉遣いが、暗黙のうちに要求され、それができないと「使えねえ業者」、「失礼な業者」の烙印を押されるのです。

その点の機敏を、海外に長年住んだ方は、分からないことが多い。他の言語圏で暮らしている以上、仕方ないことではありますが、せっかく日本語を使ってサービスしても、日本語を適切なレベルで使いこなせないことのマイナスが目立ってしまうのです。

とはいえ私は、日本式のコミュニケーションが他の文化圏のそれより良いとか、優れているとかは、これっぽっちも思っていません。特に業者と客の関係になった時、日本のコミュニケーションはフェアじゃないと感じる面も多い。

日本語には、いろんなお作法があって、いろんな配慮をしなくちゃならず、面倒くさい。これが英語や中国語だったなら、どんなに楽だろうかと思うことも多々あります。

ですが、日本人を客としてビジネスをすると決めた以上、特にサービス業の場合、日本語コミュニケーションを高いレベルでこなす能力は、欠かせません。

サービス業は、人と人とのやりとりを通じて、価値が実現される産業です。言いかえると、相手を満足させて、良い気持ちにさせて、お金をもらう性質の仕事です。だから、貧弱なコミュニケーションで下手こいたら致命傷になる可能性がある。その点は極めてシビア。

〇「日本語で用件が伝えられるスキル」と、「日本語のやりとりを通じて相手を満足・安心させるスキル」とは、レベルが違う。

〇サービス業をやる場合は、暗黙のうちに、後者のレベルが求められる。前者のレベルしかないと、トラブル、クレームのもとになる

私は海外に長年住んだあと、日本に帰って客先常駐のプロジェクトマネージャーをやって、わがままで横暴な客とのやりとりに、かなり苦労しました。悔しい思いもたくさんしてきました。

その原体験があるから、声を大にして言いたいのです。コミュニケーションスキルが足りなければ、問題を直視して、克服しなければならないことを…
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