私は「海外移住」や「海外就職」をテーマとするブログ記事やYoutube動画をいくつかあげてきました。社会人になってからのサラリーマン人生、約半分は海外で暮らして 現地採用、英語、中国語、日本語を使いこなして海の向こうと日常的にやりとり、毎年のように国際会議に参加…私のこれまでの職業人生は、まさにグローバリズムの 申し子といえるものでした。
私が海外で働いていた2000年代初頭は、グローバリズムが輝いてみえた時期でもありました。トーマス・フリードマン著「フラット化する世界」が世界的なベスト セラーになったのが2005年、私はその頃、オーストラリアの職場を辞めて、中国の職場に転職するところでした。先進国から新興国への仕事やお金の流れにあわせて、私自身が身体を新興国に移したほど、私自身がグローバリズムにガチで適応した労働力でもありました。
グローバリズムとセットになるのが、人種間の平等、ジェンダー平等、ポリティカルコレクトネスみたいな政治的言説や、それに適合した新しい職業倫理です。世界中に 資本主義が広がると、それに関わる労働力も地球規模で様々な人種、性別、言語や文化圏を巻き込むことになるので、そこでは伝統的な男社会とか、前の時代の職業倫理などが邪魔になるわけですが、当時の私にはそれが先進的でクールで、かっこよく聞こえたものです。
私は海外でも中間管理職をやっていたので、その辺のコンセプトは毎年の 研修で叩き込まれました。余談ですが、東京オリンピックをめぐって森喜朗さんの失言とか、渡辺直美さんを豚になぞらえる演出プランが批判されて辞任したクリエイ ティブディレクター佐々木宏さんの事案など、最近いろいろと騒がしいですけど、もし私が組織委員会のリーダーだったなら、ああいうセンスのないプランは出させない自信はあります。外国で散々もまれてきたので、少なくともその程度の、世界的トレンドやポリコレに関するリテラシーは持ち合わせています。
ただ、2000年代初頭は輝いてみえたグローバリズムが、最近、目にみえて色褪せてきたんですね。盛者必衰の理といいますか、どんな思想やトレンドにも旬な時期があって、 いずれ時代にあわなくなって衰退するわけです。共産主義思想にもかつては輝いた時期があって、今はダサくみえるわけですが、それと同じように、2020年を過ぎた今、 グローバリズムなんて、少なくとも私はこっぱずかしくて、とても推進する気になれないというのが正直なところです。なぜ、色褪せたと感じるのか、 結論から先に申し上げますね。
1)グローバリズムは本来、自由で公正な競争が前提となっていたのに、今は共産党中国みたいな専制独裁国家と結びついて拡大を目指すようになり「自由」の良さが消えた。
2)中国に影響された今のグローバリズムは、マスメディアやアカデミズムを支配下におき、ポリコレやコロナワクチンの強制などを通じて、自由な言論・思想を弾圧するようになった。
3)それにより、家族や宗教、地域社会など、伝統的保守的価値観とガチ対立するようになり、社会を分断させる主な原因をつくりだしてしまっている。
今となっては信じられないですが、私が中国で働いていた2005~07年頃はまだ、中国が経済的に豊かになれば民衆も成熟して、いずれ民主化するだろうという希望的観測が 広く世界中にありました。その後、2008年に北京オリンピック、2010年に上海万博が行われ、中国経済は日本を軽く追い抜いて、世界一位のアメリカに追いつけ追い越せみたいに一気に巨大化しましたが、
その政治は民主化どころか共産党独裁がますます強まり、マスメディアもネットメディアも軍隊もビッグデータ完全に共産党のものみたいな、欧米世界からみればガチで異形の大国が出現したことになり、2015年頃からアメリカは中国をあからさまに仮想敵国にするようになりました。これは、アメリカが世界のリーダーであり続けるための負けられないバトルなので、中国対立路線は大統領がトランプになろうがバイデンになろうが変わりません。
しかし、グローバリズムとアメリカ政治は一枚岩ではありません。いま世界の経済界を仕切っているグローバル金融資本、ダボス会議の常連みたいな人たちからみれば、 これからも中国経済で稼ぎたいわけで、対立路線は困る。特にトランプ政権になってから、アメリカファーストという、反グローバル的な思想を全面に出して、アメリカ人の 約3割を岩盤支持層として組織化するような動きになると、むちゃくちゃ困る。どうしてもトランプを引きずり降ろさなければならない。
そこで、世界のマスメディアを支配 して、トランプを悪人に仕立てあげて、2020年の大統領選挙でも民主党や司法システム使って色々ごちゃごちゃやって、挙句の果てはFacebook、Twitter、Googleなど、 ビッグテックも動かしてトランプ派の政治的言説を封じてしまいました。口封じした挙句に、今年1月6日のワシントン国会襲撃事件でトランプや支持者をテロリストに仕立て あげて、大統領職降りても弾劾やって…
あの醜さを見てしまったので…今のグローバリズムや、その先兵としてのアメリカ民主党や、アメリカ主流派マスメディアは、とても支持する気になれません。かなり失礼な言い方かもしれないが、中国共産党を支持できないのと同じ理屈で、彼らを支持しません。人権弾圧の独裁国家と結んで儲ける思想なんて、すでに色褪せて輝きを失っています。
今のグローバリズムは本質的に醜いのに、手を変え品を変え、新機軸を次々と打ち出してきます。コロナワクチンは、その典型ですけど、あの騒ぎの一部始終を体験した者としていえば、要はマッチポンプみたいなものでしょう。新型コロナウィルス・武漢肺炎に関して、いろいろな考えはありますけど、少なくとも私にとっては、自分の生命を脅かす重大なリスクとは感じてません。見方や考え方は人それぞれなのに、どこぞの誰かが世界中の政府とマスメディア使って、散々コロナ恐怖を煽って、恐怖しなくてはいけないような雰囲気にしたうえで、
事前に準備してたのか俺は知らんけど、超スピードでRNAのワクチン出してきて、それを世界中で義務化しようとしてるわけでしょう。私には、すげー下らない茶番に見えますけどね。もっともこれは、私自身が大して影響力のない人間だから気軽に言えるわけですが、トランプさんみたいにアメリカ大統領の立場で、コロナと共存しようみたいなこと言うと引きずり降ろされたり、アフリカのいくつかの国の大統領みたいに消されたりするわけですけどね。
今、アメリカを中心にポリコレ、人種平等、ジェンダー平等の政治言説が大手をふるって暴走して、強い同調圧力を作り出しているのも、私の価値観からみて面白くありません。その流れが日本にも影響してきて、オリンピックの森さんの発言に対する、クリエイティブディレクターを引きずり下ろすのに使われたヒステリックな言説は、 私をして、「ああ、こいつらと同じ空気を吸いたくねえ」と思わせるのに十分なものでした。
自分が正義だと思い込んでる連中ほど、相手に対して平気で残虐になれますし、 彼らが倒さなきゃならないと思ってる相手にも、きっと家族がいて愛する人がいるはずなんです。自分も、相手も人の子です。俺はそこまで残虐になれません。
最後に、今はSDGsとか、責任ある倫理的な企業行動とか、表面上は批判できないような美辞麗句が出回って、グローバリズムの醜い本性を隠しつつ、さらに大きなお金を つくろうという動きが盛んです。私は投資家ですし、リアリストですから、「お金を殖やす手段」として彼らにお付き合いすることはありますが、でも、無批判に 「SDGsの流れについていきましょう。電車に乗り遅れるな!」と公言するのはこっぱずかしくてできません。結局、その本質にあるのがバブルだし、世界のマネーを支配している胴元の連中が儲かるゲームだと気づいているからです。
SGDsらしきものとして、私は私財を通じて、日本中の地方都市で地域社会と調和を目指しながら古民家再生ゲストハウスをいくつか手掛けていますが、本質的に自分の持ち金の範囲で、地に足についた、人の顔の見える範囲でやれば良いと思ってて、グローバルビッグマネーを 使って、思い切りレバレッジかけたマネーゲームにする必要は必ずしもないと思っています。
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