英国不動産

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「不動産の顔をした事業投資」をお勧めできない理由

こんばんは、Manachanです。いつもご愛読ありがとうございます。

不動産投資界隈は、「かぼちゃの馬車&スルガ銀ショック」かまびすしい世の中ですね。大家業界で情報発信している方々には、不動産投資に失敗して困ってるオーナーからレスキュー依頼が続々と来ていることかと思います。私のところにも、しっかり相談来てますよ~。

「かぼちゃの馬車」では、「シェアハウスの賃料収入」のほか、「派遣ビジネス収入」もあるから破綻しないというセールストークだったそうですが、蓋を開けてみれば、どちらも大した収益上がってなかったようですね。かぼちゃに限らず、「サ高住」や「アプリ収益付き民泊」など、通常の賃貸収入以外の事業収入をアテにして、たっぷり利益乗せた高値で融資つけて売るスキームが、ここのところ一気に行き詰っている印象を受けます。

私は昔から、不動産が好きでたまらない「不動産愛好家」だからこそ、疑問に思います。「サ高住」とか「派遣付きかぼちゃスキーム」って、果たして不動産投資と言えるんだろうかと?

むしろ、不動産権利をつけた「事業投資」と呼んだ方が良いのではないかと思います。日本に限らず海外でも、似たような話が沢山ありますね。英国によくある「学生寮」や「介護施設」とか、アジア新興国によくある「ホテル・コンドミ二アム」や「不動産を担保に取った貸金業(レンディング)」等々。

事業運営を入れて不動産利回りをつくるのは、ある意味、世界の潮流なのかもしれません。今は日本に限らず、世界的に金余りの世。マネーが不動産に向かい、売買価格が高騰。でも賃料はそんなに上がらないから、利回りは下がる。そんななか、投資物件らしい利回りをつくるためには、不動産を使って収益事業をして、通常賃貸を上回る数字を出したい…至極自然な考えだと思います。

私だって、国内外の観光地で物件を買って、「民泊」とか「バケーションレンタル」とか、やってますもんね。ハワイでもパタヤでも、バリ島でもやってるし、これから金沢市でもやろうとしています。自分が民泊オーナーとしていろんな経験しているから、この分野に関しては、企画、オペレーション含めて、それなりに「目利き」できる自信があります。

問題は、自分が目利きできない「事業」付き不動産物件を、投資仲間やお客様に勧められるかどうか…です。たとえば、サ高住とか介護施設の運営に関して、私は完全な門外漢です。事業計画を見せられても、その妥当性をジャッジする自信は全くありません。

そういう、「自分がよく分からない商売」が収益の源泉になっている不動産案件を、私は一般的におススメしていません。もちろん、土地・建物の価値については目利きできるので、その価値に見合った額で買えて、かつ事業収益が「オマケ」としてついてくるなら良いと思いますが、そういう案件に限って、土地・建物の積算価値の数倍みたいな高い値段で売られていることが多い。結局、「1.5億くらいの価値しかない物件を、3億で売ってるかぼちゃシェアハウス」と同じことなのですね。

そういうものを買って、もし事業が失敗した場合、不動産としての出口がありません。本来の価値より高く買っちゃってるんですから、相当な損切りしないと売れませんよね。私は、そんな物件を売って恨まれたくないし、それ以前に不動産のプロとして、「不動産を一生懸命目利きして失敗するなら納得する」けど、「不動産とは全く関係ないところで失敗する案件」に対しては、私ごときが説明責任を負えません。

そもそも、世にあまたある投資のなかで、なぜ不動産に投資する意味があるのでしょう?不動産には、金融商品のような流動性がありませんし、昨年の仮想通貨のような爆発力もありません。試しに買ってみたコインが2年で100倍以上になって「億り人」が続出してますが、不動産の場合、価値が2年で2倍になるものは極めて稀です。

その代わり、不動産には「リスクの低さ」という、他のアセットにはない良さがあります。ペーパーと違って現物だから価値がゼロにならないし、都市部でちゃんと需要がある場所なら、たとえバブルがはじけても半分以下に値下がることも滅多にない。

それに不動産って、個人の経営能力にそう依存しなくてもいい。誰かがそこに住んでくれたり、商売してくれるだけで収益を生むのです。そこまでリスク低くて再現性があるからこそ、銀行もお金貸すわけだし、レバレッジを活かした投資ができるわけですね。

そうした「リスクの低さ」が不動産を選ぶ積極的な理由だとすれば、「事業で収益上げないと利回りが出ない」物件って一体何なの?という気がします。そこには本質的に、「低リスク」という不動産本来の良さがありません。むしろ「リアルな事業」という、プロでも勝てるとは限らない高リスクな投資になってしまうこともあります。

本質的に「高リスクな事業投資」を、あたかも「低リスクな不動産投資」に見せかけて売ってる業者を、私は信頼しません。ハッキリ言うと、私の愛する「不動産」に対する冒涜という感じもしますね。

世にあまたある「不動産の顔をした事業投資」のなかで唯一、私が目利き・投資判断できるのは、自分が実際に事業をやってる領域、つまり「民泊」だけです。それ以外に関しては、アドバイスを求められても「事業投資」だから「正直分からない」
と言います。事業投資であることを承知で投資するなら良いと思います。

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不動産投資やるなら先進国だと思う理由

こんにちは、Manachanです。

東京ビッグサイトで行われた資産運用Expo(1月25~27日)に出展し、怒涛のように忙しい3日間が終わりました。私たちは「ドイツ不動産投資」ブースを出しましたが、来場者からの反応は大変好意的なものでした。日本でほとんど知られていないドイツ不動産、皆さん「初めて聞く話」ながら、きちんと説明すれば、皆さん目を輝かせて「こんな話を待っていた!」という…

「先進国の都市部なのに安く買える」、「長期間にわたって8%のネット利回りが取れる」、「値下がりリスクも少ない」「国際通貨ユーロで資産形成できる」…私と市川が2016年にドイツ現地に渡航して発掘してきた収益物件が、いま日本人の投資ニーズにぴったり合うのだと実感しました。

 

ところで、日本で紹介される海外不動産といえば、現時点で「東南アジア新興国の不動産物件」がメインでセミナーも多数行われていますが、私の知る限り、世界の趨勢は日本とは逆です。

 

普通は、どの国でも、海外の収益不動産といえば、先進国の物件が中心になります。

 

たとえば、質量ともに日本よりはるかに海外各国不動産の情報が集まる「中国」のイベントに行くと、どこもアメリカ、カナダ、オーストラリアや欧州各国の先進国物件の占める割合が多いです(日本の人気も高い)。もちろん、地理的に近いタイやマレーシア、ベトナム等の物件も紹介されていますが、先進国物件と比べると「脇役」の扱い。

中国と並んで、海外不動産イベントのメッカといわれる「ロシア」と「ドバイ」でも同様に、欧米先進国物件の占める割合が多いです。

その意味で、世界の趨勢とは違う日本の海外不動産事情。今でこそ海外不動産といえば「東南アジア新興国」のシェアが大きいですが、数年後には形成逆転して、「先進国中心」のマーケットになると私は予想しています。なぜなら、

 

・日本人は海外移住ニーズが少ないため、海外不動産は「投資」「資産形成」「資産保全」目的の購入になる。

・投資、資産形成・保全の手段として不動産をみた場合、他のアセットと比べて「一気に値上がりはしないけど、その代わりゼロにもならない」堅い資産として選ばれるため、「収益性」とともに「リスクの低さ」も大事ファクターになる。

・「収益性」「リスクの低さ」を数値化してフェアに比べると、遠い将来はともかく、現時点ではどうしても、先進国有利といわざるを得ない。

 

上記を数値化するため、私は独自に「あんぜん+もうかる」指標を考案しました。


リスクの低さを診断する「6つのあんぜん指標」

・権利を保障する法制度・運用 (不動産権利が政治変動に影響されない)
・市場データの充実(客観的に判断できる)
・建物の品質保証・診断システム (購入段階で、問題の多い建物をつかまない)
・管理サービスの成熟、プロの存在 (保有段階で、収入を確実に手にする)
・自然災害・地政学リスク (保有段階で、不動産価値を棄損しない。)
・中古流通市場、金融システム (売却段階で、値上り益を確実に手にする)

 

収益性を診断する「5つのもうかる指標」

・経済成長と人口増加
・物件の将来性 (資産価値=キャピタルゲイン期待)
・物件の収益性(賃貸ニーズ=インカムゲイン期待)
・参入タイミング、仕入れルート (今のタイミングで、物件本来の価値に比べて割安に買えるか?) ・購入、保有、売却時コストの安さ(購入時印紙税、固定資産税、管理費修繕費、仲介手数料など)

 

上記指標で、私の渡航・視察経験のある「先進国7か国、新興国6か国」をスコア付けしてみたとこっろ、

「あんぜん指標」に関しては、明らかに、先進国優位の数字が出ました。

(先進国平均=45点、新興国平均=21点)

 

次に、私の渡航・視察経験のある「先進国17都市、新興国11都市」に関して、収益性を評価してみると

「もうかる指標」に関しては、先進国と新興国とで、有意な差が出ませんでした。
(先進国平均=28点、新興国平均=29点)

 

最後に、上記スコアを合計してみると、

「あんぜん+もうかる指標」では、先進国が明らかに優位という結果になりました。

(先進国平均=73点、新興国平均=50点)

 

上記は、よく考えてみれば当たり前のことですね。不動産の投資・賃貸経営は、それを支える経済と社会・法律システムを前提に成り立つものです。

日本を含めて先進国では、「不動産所有や賃貸の権利が法律によって守られ」かつ「政権が変わってもそれが維持されるという連想が成り立つ」上に、「人々がネットや不動産屋を通じて物件を売買、賃貸して」、「自分の収入のなかから家賃や税金を払って」、「地元の管理会社が家賃を収納し修繕手配して」、「滞納トラブル等の際に裁判や異議申し立ての仕組みを利用して解決する」…そうした社会システムが一通り整備され、かつそれぞれの分野に専門家がいるわけですが、新興国ではそれら全てが形成・整備途上にあり、専門家も十分に育っていません。

そう考えると、先進国の収益物件では「想定利回りの数字が、だいたいそのまま実現する」ことが多いのに対し、新興国では社会システム未整備や専門家の不足により「現実が数字の通りにならない」ことが多くなるのも、理屈で考えて納得できますね。

 

私自身は、「手堅い先進国物件」に投資しつつも、「やんちゃな新興国物件」も値上がり目当てで複数国で持ってますが、全体としては投資ポートフォリオを「先進国にシフト」しています。また、日本人投資家のニーズを考えても、フェアにみて先進国物件の方が相性が良く、数年後には「海外不動産といえば欧米先進国」が当たり前の世の中になると思います。

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海外の家賃保証物件って実際どうなの?―後編

こんばんはManachanです。いつもご愛読ありがとうございます。

先ほど、Lifull Homesさんの海外不動産セミナーで講演してきました。今回、出展していた販売業者さんの大多数が、「家賃保障」か「買取保障」つきの物件を売っていたことが非常に印象的でした。現時点では、「家賃保障・買取保障つきの新築物件」か、「減価償却狙いの築古物件」が、売れる海外物件の条件であるようですね。

いま旬な、この販売スタイルを、私の視点でバッサリ斬る!… もとい、整理して解説しますね。

 

前回(前編)では、海外不動産「家賃保障」の裏側のからくりについて解説しましたが、今回は主に、「買取保障」に関連した内容をお伝えします。最重要キーワードは、

二次市場(中古流通市場、Secondary Market)

 

二次市場とは何か?まず解説しますね。

不動産として市場流通する「建物」は、まず、「建設会社やデベロッパー」が供給して、初回購入者に販売されます。販売価格は、まず供給者が決めて、売れ行きに応じて値引きしたりして、市場メカニズムで価格形成されます。これが「一次市場」もしくは「新築流通市場」と呼ばれるものです。

ところで不動産は息の長い商品で、通常、数十年~数百年の寿命を持ちます。その過程で、何度も所有者が変わるのが普通です。「現オーナー」から「別のオーナー」に、中古物件として販売される時、立地、築年、建物コンディション、間取り、土地面積、融資環境などの要因を考慮し、市場メカニズムで価格形成されます。これが「二次市場」または「中古流通市場」と呼ばれます。

 

日本では、不動産の新築(一次)市場と中古(二次)市場は明確に分かれています。「新築市場」の流通価格は高く、「中古市場」になると、築年に応じてどんどん安くなるのが特徴です。

2011年、東京都区部マンションの統計をみると、一目瞭然ですね。

【一次市場】
新築価格 5339万円

【二次市場】
築1~5年 4742万円(新築時の88.8%)
築6~10年 4241万円(新築時の79.4%)
築11~15年 3810万円(新築時の71.4%)
築16~20年 2771万円(新築時の51.9%)

 

日本の場合、中古物件になると値段は下がりますが、逆にいえば、「値段さえ下げれば買い手は必ず見つかる」ので、「二次市場」はしっかり存在するといえます。6年前(2011年)時点では「築20年の中古は新築の約半額」というデータでしたが、今では安い価格を求めて中古を買い求める人が増えたので、築20年で状態の良い物件なら「新築時の6~7割の価格」でも十分買い手がつく印象です。

二次市場が存在し、かつ売買データが十分な数あれば、「○年後の想定販売価格が○○○○万円」といった予測が可能になります。保有期間中の家賃収入と合算すれば「全期間利回り」や「IRR(内部収益率)」の算出も可能。たとえばリーウェイズ社のGateというサービスは、人工知能によるビッグデータ解析を使って、日本全国の収益物件を同じ指標で評価できるようになっています。

 

一方、欧米諸国に目を転じると、日本と比べてさらに中古住宅の流通が盛んで、二次市場はしっかり形成されています。日本と違うのは、物件が中古になっても新築時の価格とさほど変わらず、かつ築年の影響を受けにくいことです。築年数が経ってくれば当然メンテナンス費用がかかりますが、必要な費用をかけて建物の状態を良好に保てば、新築時以上の価格で売却することも十分可能です。

 

下記はアメリカ、フロリダ州Naplesという街での住宅価格の推移(10年間)を示したものですが、日本と違ってアメリカでは住宅価格が築年数の影響をほぼ受けないことが、よく分かりますね。

 

二次市場での流通を考えた時、問題が大きいのは新興国の物件。たとえば、東南アジアの多くの国では、昔の日本と同様、新築販売市場はあっても中古流通市場が未確立。中古物件の売買に携わる不動産事業者やプロフェッショナルがまだ少ない状態です。

だから、「中古になったら、いくらで売れるのか?」、「それ以前に買う人がいるのか?」、「誰に頼めば売ってくれるのか?」、現時点ではあやふやで、出口価格が予測不能。日本と違って、妥当性をもった全期間利回り算出などできません。

ただ、長期間保有していれば、東南アジアの不動産業界も今よりは進歩しているでしょうし、経済発展に伴い地元民の購買力も上がるでしょうから、値上がりというかたちで利益確定できる可能性はあるのでしょう。その時期を早めるためには、できるだけ安く買うのが基本でしょうね。

 

そろそろ本題に移ります。いま日本で、賃料保障&買取保障つきで売られている海外物件の多くは、「学生寮」や「介護施設」など、これまでにないタイプ、「新しいアセットクラス」に属するものです。

英国が典型的ですが、「学生寮」も「介護施設」も、ここ数年で出現し、運営によって高収益を上げるビジネスモデルで、投資家の資金を直接調達して供給されています。ある意味、日本の「民泊物件」にも似ていますね。

私、英国各地で、「学生寮」や「介護施設」を視察したことがあります。学生寮はライバルが少ないエリアに建ち、ワンルームで10万円くらいの月額家賃を取る。介護施設は老人から月額40万円くらいの介護料を取って、かつ東欧出身の安い看護師を使って運営される…現時点でみれば、投資家に利回り返すだけの事業利益は確かに出そうな気がします。

 

でも、投資家として気になるのは、

1)数年後、同じカテゴリーの物件が大量供給されて、賃料水準が崩れるリスクはないか?

2)数年後、売りたくなった時、学生寮ないし介護施設として、いくらで売れるのか?

3)もし、学生寮や介護施設の運営会社が倒産・廃業した場合、どのような出口が取れるのか?

 

2)と3)は、「二次市場が未確立」という問題に直結します。英国という先進国にあっても、「新しいアセットクラス」ゆえ、中古物件として流通した歴史がない。だから出口価格が予測できないのです。特に「介護施設」は、都市部を離れた田園地帯にあるケースが多く、将来、もし介護施設として運用できなくなったら、果たしてこの場所に誰が住むのか、いくらの家賃が取れて、いくらで売れるのか、想像するのさえ難しい。

 

そろそろまとめます。

学生寮、介護施設のような、新アセットクラス物件は、「出口に不安」が残る。まともな投資家ほど、その点が気になる。だから、「買取保障」をつけて売るのです

 

「買取保障」が契約書に明確にうたわれている場合、投資家のリスクは、「運営会社の倒産リスク」と、「契約書上の義務不履行リスク」にしぼられます。だから、こういう物件を買う際は、ぶっちゃけ物件の立地や施設内容は関係なくて、むしろ運営会社の経営体制や財務状態、契約書上の買取保障に関する条項に注意する必要があります。特に下記については完璧に理解しておく必要があるでしょうね。

・買い手が、どのような条件のもとで、購入をキャンセルできるか?ペナルティはあるか?
・運営会社が、どのような条件のもとで、買取の約束を拒否できるのか?ペナルティはあるか?
・運営会社との間に疑義が生じた場合、物件所在国に消費者保護センターなど、低コストで調停してくれる機関が存在するか?誰のサポートを得て異議申し立てをするか?

 

一見不動産に見えますが、限りなく、金融商品に似てますね。しかも、市場流通する金融商品と違い、アセットマネジャーも居ない、出資者への年次報告義務もない…極めて不透明でガバナンスがきかない「ユルユルな」金融商品といえます。もっとも、ユルユルでリスクが高い分、年7~9%とかのNET利回りが得られ、かつ不動産権利がつけばそれで良いという考え方もあると思います。

一方で、通常の住居物件。都市部の、中古住宅の需要が十分ある場所に存在する物件なら、そもそも、買取保障をつける理由がないでしょう。また、賃貸市場がまともなら、賃料保障をつける必要もない。不動産としての価値が十分ある物件なら、小細工しなくても売れるし、ちゃんと運営していれば収益あがるはずなのです。

売る側が、なぜ、「賃料保障」や「買取保障」するのか、その裏の理由をよく考えて、本質を見極めて判断した方が良いと思います。

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海外の家賃保証物件って実際どうなの?―前編

こんばんは、Manachanです。今回のブログは、最近の海外不動産販売で一種の基本形となっている「家賃保障物件」について、私の思うところを書きます。

最近、先進国、新興国を問わず、海外不動産セミナーでよく出てくる宣伝文句が、

「家賃保証付き」(例.購入後5年間、実質利回り6%保障)

「買取保障付き」(例.デベロッパーが購入価格で買い取り保障)

 

確かに、勝手知らぬ、海の向こうにある物件のこと、「ちゃんと家賃が入るのか?」、「将来、売って現金化できるのか?」と不安に思う購入者は多いわけで、そこに「家賃保障」や「買取保障」がついてくれば、確かに大きな安心材料になります。

但し、一見安心に見えることが、オーナーの投資利益を最大化するのかというと、それは全く別の問題です。今回(前編)では「家賃保障」、次回(後編)では「買取保障」を中心に、詳しく解説します。

なお私は、「家賃保障」そのものが悪いとは思いません。物件所在地のマーケットのなかで、収益物件としてちゃんと成立する物件なら投資対象としてアリだし、その前提の上で、外国人購入者を安心させる一環として「家賃保障」や「買取保障」をつけるなら尚良しでしょう。

 

しかし、私たちが気をつけるべきは、「家賃保障」をうたっている物件は、玉石混交。つまり、良いものと良くないものが混在していることです。平たくいうと、

・良い家賃保障物件とは、「売値に余分な利益を乗せず」、「通常のサブリースとして運用する」物件です。

・悪い家賃保障物件とは、「売値に余分な利益を乗せて」、「それを保障家賃の原資としている」物件です。

 

言葉だけでは分かりにくいので、図に表してみました。私が知る限り、最も悪質なのは、「保障賃料の全てを、売値に上乗せした利益から支払う」パターン。たとえば、

・「5年間、ネット6%の保障家賃」を売り文句として、
・「その30%を、デベロッパーがまるまる売値に乗せて、現地の事情に疎い外国人に売る」

 

こんなもの買っちゃったら、投資として即アウト、とまでは言いませんが、利益確定まで長年、不本意な塩漬けを強いられるでしょう。要は「100の値段で売買されているものを、130の値段で買う」わけですから、かなりの確率で損するのは間違いない。たとえば、市場価格が毎年3%づつ上がったとしても、

・購入後、5年以内に売却する場合、買った値段より15~30%、損切りしないと売れない。

・保有し続けても、家賃保障期間が切れる6年目以降、賃貸の裏付けがなければ利回りゼロになる。そもそも、利益を3割も余分に乗せて売るような強欲&焼畑農業デベロッパーが、6年目以降、客のために骨折るとは思えないから、かなりの確率で放置プレイ実施される。

 

次に、私が世界中で見聞したなかで、かなり多いと思われるパターンが、「保障家賃の一部を、売値に乗せた利益から充当する」ものです。たとえば、

・「5年間、ネット6%の保障家賃」を売り文句として、
・「デベロッパーが15%を余分に売値に乗せて外国人に売り」
・「保障家賃の半分(3%×5年間
)を、売値に乗せた利益から充当する」

 

こういう物件を買ったら、どうなるか?上述「悪質パターン」ほど酷くはありませんが、それでも「100の値段で売買されているものを115の値段で買う」わけなので、期待した収益が上がらず、面白くない結果になるでしょう。

・購入後、5年以内に売却する場合、買った値段より0~15%、損切りしないと売れない。

・保有し続けても、家賃保障期間が切れる6年目以降、賃貸利回りが3%に半減する。

 

最後に、「投資家にとって良い家賃保障」物件も存在します。それは、「デベロッパーが余分な上乗せをせず、フェアな市場価格で売り」、「入居者から得られる賃料のなかから、管理会社の利益を引いた分を、投資家に返す」パターン。要は「通常のサブリース」です。

・「5年間、ネット6%の保障家賃」を売り文句として、
・「利回り8%で賃貸に出し、2%の管理会社利益をひいて、6%をオーナーに返す」

 

こういう物件を買えたなら、失敗するリスクはかなり少なくなります。賃貸経営が順調で、かつ売買価格も順調に伸びるような状況が続くのなら、

・「賃貸収益が安定的にとれる」上に、

・「いつの時点で売っても売買益が出る」状況です。

 

ところで、私がなぜ、この記事を書いて皆様に注意喚起しているかというと、「海外物件販売の舞台裏を結構知っちゃってる」からです。私は海外物件を購入する投資家であるだけではなく、海外デベロッパーから直接、日本でのマーケティングを依頼されることもあるし、彼らデベロッパーの収益構造や、土地、建物、内装、デザインなどの原価構造も、いろんなルートから情報入るので、その辺の販売業者よりはずっと深く理解している自負があります。

でもって、実際問題として、「外国人にたくさん売るために、家賃保障をつける」、「その分、売値に上乗せすればいいやあ」と安易に考えてるデベロッパーが、国を問わず、かなり多いです。彼らはオーナー利益を第一に考えてない、いやそれ以前に、金利負担が高い環境下で、銀行や株主のプレッシャーを受けながら建て売りするわけですから、一日も早く、売り切りたい。売るためには家賃保障でも何でもやるわけです。

 

そのデベロッパー的思考のなかに、上述した「悪質なタイプの家賃保障」が当然含まれますから、投資家・オーナーとしては、その地雷を踏まないよう、注意する必要があるのです。海外の物件で相場より高いか低いかの判定は難しいですが、私の場合は愚直に、次の方法で仮説を立てながら判断しています。

・ポータルサイトを調べる、現地の友人にヒアリングする等の方法で、周辺の売買事例と価格比較する。
・土地、建物、内装・デザインなど、単位コストを積み上げてデベロッパー利益をざっくり試算する

(もし、海外で相場より高く買っちゃったかもしれないと思った方は、私に相談してくださいね。)

 

そもそも、なぜ家賃保障する必要があるのでしょう。たとえば、「東京の恵比寿駅近」で、「今風のデザイン築浅1LDK」を、「坪400~500万円くらいの市場価格」で売るなら、わざわざ家賃保障つけなくたって、飛ぶように売れますよね?海外だって事情は同じで、「利便性の高い都市中心部」や「雇用機会にすぐアクセスできる場所」、「名門学校の学区内」みたいな好立地で、「市場価格と大差ない価格」で売るなら、「○年間△%保障」なんてつける必要なく、普通に売れるはずです。

そこをあえて、「○年間△%保障」をつけて売るわけです…投資家なら、「売れない理由がどこかにあるはず」と、まず疑ってかかるべきでしょう。大抵は、「立地がいまいち」とか、「地元民の払える金額より値付けが高い」とか、あるいは「学生寮や介護施設のような、従来にない新しいアセットクラス」とか、大方そんな理由になります。

もちろん、中には良質なものも混じっているので、「家賃保障だから」といって敬遠する必要まではありませんけどね。要は、収益物件としての実力を、個別に、ちゃんと見極められれば良いのです。

 

最後に…海外の家賃保障物件に関しては、上述「売値に上乗せリスク」のほか、「出口リスク」を抱えているケースが多く、一般論として、私は慎重です。詳しくは後編でお話しします(後編に続く)。

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恵まれた中国人投資家

こんばんは、Manachanです。

先ほど、東京・半蔵門で、アジア太平洋大家の会主催「カナダ不動産と融資環境セミナー」をやってきました。また、Home’s不動産投資コラムでは、「海外不動産融資シリーズ」をはじめました(第一回:「外国人でも融資がひける国、ひけない国」)。今回は「海外の不動産融資」というテーマで、グローバルな視野でひとつ書いてみます。

 

今週前半、私は中国・上海に出張しまして、そこで、「中国人エージェント向け、海外物件紹介トレーニング」に飛び入り参加する機会を得ました。

上海の都心部、某投資会社のセミナールームでは、海外不動産販売を生業とするエージェント(代理店)を対象に、欧米各国の不動産物件やプロジェクトを紹介するB to Bのトレーニングが、結構な頻度で行われます。本国からデベロッパーの担当者を呼んで、英語のプレゼンを中国語に通訳するかたちで実施されます。毎回、30~40名のエージェントが受講するそうです。

※)本国からデベロッパーの担当者を呼んで…と書きましたが、必ずしもそうする必要はありません。上海や北京は、欧米不動産の販売では世界屈指のマーケットであるため、欧米デベロッパーの販売事務所がすでに設置されているケースが多いのです。

 

この会社では、普段はオーストラリア物件の紹介が多いようですが、私が行った時は、たまたま英国物件の紹介をやっていました。参加者(エージェント)は30名程度で、英語圏に留学経験のある者も少なからずいました。

講演後の質疑応答の時間で、融資の話になった時、私はたまげました。

・英国内の中国銀行で物件価格の70%まで融資OK
・HSBCで70%まで融資OK
・Standard Chartered銀行で70%まで融資OK
・Barclays銀行で70%まで融資OK
 等々…

 

銀行名が、出てくる出てくる…「えっ、まじで!中国の投資家が英国物件買うのに、そんなにたくさん融資オプションがあるの?

日本人が同じ英国物件買う時、こんなにたくさんの選択肢があるでしょうか?早い話が、中国人は中国銀行のロンドン支店で融資相談できるけど、日本人が邦銀メガバンクのロンドン支店に相談に行ったら融資つくでしょうか?

 

中国人投資家が、かなり以前から欧米の物件をたくさん買ってて、融資実績も豊富だから、要は大勢の人が踏み慣らした道だから、すでに、中国人が利用できる融資商品が豊富にあるんですね。

一方、日本人の海外不動産購入は、まだ歴史が浅いし、融資実績も中国人と比べるとまだ全然少ない。この私も、日本人として、いろんな国の不動産融資にチャレンジしてますが、現時点では「道なき道」を切り開いてる感が強いし…

また、海外物件の情報入手にしても、中国人の方が数段恵まれていますね。欧米デベロッパーの上海事務所は多いけど東京事務所はまだ少ないし、また、海外不動産の販売エージェントを育成するトレーニングも、今回、上海で体験したようなレベルのものが、日本で実現している例を私は知らない。

私も顧問として加わっている新組織「IPC東京」(International Property Consultants)で、この種のB to Bトレーニングを、早くやれるようになりたいです。

 

海外不動産を目指す日本人投資家が、いまの中国人のような「買いやすさ」を手にするには、もう少し時間がかかるのでしょうね。

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11月英国不動産セミナー全国ツアー

おはようございます。Manachanです。今回は、11月に全国各地で行われる、英国不動産セミナーのご案内になります。

一連の英国不動産セミナーは、私が理事を務めるIPC (International Property Consultants)という団体が主催するもので、東京のほか、名古屋、三河(西尾市)、福岡と、全国ツアーをやります。紹介する物件は、マンチェスター都心部に登場する新築レジデンスや、買いやすい価格帯(700万円台~)の学生寮などです。

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【IPC東京セミナー告知】(2016年11月)

11月14日(月) 名古屋・名駅・18時~21時・参加費3000円

11月15日(火)三河・西尾駅・13:30~16:30・参加費3000円

11月16日(水)東京・半蔵門駅・18時~21時・参加費無料

11月17日(木)東京・麹町駅・18時~21時・参加費3000円 ⇔ 詳しくはこちら

11月19日(土)福岡・博多駅・14時~16時・参加費2000円

詳細・参加方法⇒http://ipc.tokyo/ipc/wp-content/uploads/2016/10/IPC東京11月のセミナー告知-1.pdf

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話は変わりますが、私が2011年に立ち上げた「アジア太平洋大家の会」。来月のセミナー予定が決まりましたが、ドイツ、イギリス、カナダ…見事に欧米ばかりになりましたね。もはや「アジア」でも「太平洋」でもないじゃん、と言われそう。

asiataiheiyo

 

11月はたまたま、こういうかたちになってしまいましたが、ニーズの高い東南アジアの物件も当然セミナーで扱っています(10月はラオスとカンボジアやったし)…

ただ、数年前に比べて、東南アジアセミナー開催の頻度やウェイトが減ってきているのは事実です。当時は我々位しか海外セミナーやる団体なかったけど、今は様変わりして、

オウチーノさんとか、

ARICさんとか、

資産デザイン研究所さんとか、

 

複数の団体が海外不動産セミナー開催するようになって、かつ、どこも東南アジア案件を主に扱ってますから、我々が必ずしも東南アジアに力を入れる必要のない時代になったのかな、という気がしています。

これからはアジアとか太平洋とか、エリアにこだわりなく、「不動産」「投資」として面白い海外案件を扱っていけば良いと思っています。他に真似されそうにないマニアックな場所も含めて…

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海外不動産業界をまともにする!IPC東京始動(10/20)

こんばんは、Manachanです。

2011年2月に、海外不動産コミュニティ「アジア太平洋大家の会」を旗揚げしてから、5年半以上の歳月が経ちました。「海外の不動産に特化する投資家・大家の会」という極めてユニークな立ち位置で、これまで世界15か国・地域、200以上の不動産セミナーを日本各地で企画・開催してきました。

旗揚げのタイミング良く、社会的ニーズに乗れた面があったのでしょうね。今では2200名以上の会員と、東京、名古屋、大阪、福岡の4拠点を設けて定期的に活動するまでになりました。

 

でも5年半やってきて、不動産投資の世界ではそれなりに認知される存在になっても、海外不動産投資の世界は限りなく奥深い。日本の社会で、人々が海の向こうの不動産を買って資産形成する歴史もまだ浅く、それを支える業界も未成熟。世界で広く知られていても日本では紹介されていない優良投資案件も未だに多数ある。

海外不動産の情報普及と、投資手法の開発を提唱し続けてきた私たちの活動は、「まだまだこれから」だと思っています。

 

私思うに、海外不動産投資に関わる仕事は、本来、極めて高度な専門知識を必要とするプロフェッショナルであるべきです。だって不動産や投資が分かって、税務や法務、ファイナンスも分かって、かつ外国語能力も必要なんですから…優秀な人間が高給を目指して参入すべき仕事だと思いませんか?

また、優秀な業界人が切磋琢磨して、良いサービスや情報を日本の投資家に与えられるようになった方が、結果的に、皆様がより大きな投資利益を手にすることにつながると思います。

 

私は先週ずっと、中国・北京の不動産展に行ってました。そこで改めて、当地の海外不動産情報の豊富さ、人材の層の厚さを実感しました。もちろん、中国なりにいろんな問題はあります。でも、潤沢な中国人マネーを目指して、世界五大陸から不動産デベロッパーと販売会社が北京に参集する情景は圧巻でした。日本では、東京でさえ、ここまで豊富な情報が一同に集まる場は皆無でしょう。たとえばの話、

・スロヴェニアの不動産投資案件

・キプロスの不動産投資案件

・カリブ海のドミニカ、セントルシア、グレナダの不動産投資案件

…みたいな情報が、いま日本のどこでで入手できますか?

 

もっとメジャーな国、たとえばドイツ、イタリア、スペインあたりの西欧諸国にしたって、日本でやってる販売業者はまだ少ないですが、中国にはたくさんあるし、業者間の競争もあって選択肢が豊富。たとえば、

・スペイン・バルセロナの「ガウディ」1㎞圏内に特化した業者

・ドイツのノルトラインヴェストファーレン州の利回り10%以上の収益物件に特化した業者

・オーストリア・ウィーン圏に特化した業者

・ポルトガル・リスボン圏に特化した業者

…そんな業者が、日本にいくつありますか?

 

特に、あの「ガウディ」が見える物件だったら欲しい人、日本でも大勢いるはずだから、そういうニーズを開拓する業者が日本にもっと居てもいいと思うし、今なら参入のチャンスだと思いますが、まだ少ない…日本人にとって海外移住も、不動産投資も、中国人に比べたらまだまだ歴史が浅いんですよね。

情報の「質」の面でいっても、中国で得られる情報量がとにかく多い分、世界中の良質な投資案件情報が日本よりずっと豊富にあると感じました。

 

まだまだ未成熟で、逆にいえば伸びしろの大きい日本の海外不動産投資。私はこれから、どういう方向で、貢献していきたいのか?

 

1)投資家が、海外不動産を検討する上で欠かせない「情報」をきちんと整備したい。

2)海外不動産業界を支える、プロフェッショナルをもっと多く「育成」たい。

3)彼らがプロフェッショナルにふさわしい収入を得るために、世界中の良質な投資案件を「仕入れ」たい。

 
「情報」、「人材育成」、「物件仕入れ」の課題、これを組織的に解決していきたい。その一念で、私も発起人の一人として「IPC東京」という組織を立ち上げました。
 
IPC  = International Property Consultants
 

IPC東京は、次の3つの機能を果たす、B to Bのサポート組織です。創立者3名が、それぞれの機能で責任者になります。

「人材育成」営業指導部門:市川隆久氏

「仕入れ」対外交渉部門:小川和彦氏

「調査」部門:私

ipcfounders 

 

我々が、組織として機能することにより、日本の海外不動産投資に関わる人材が、

 

「世界中の優良投資案件を仕入れて」、

「しっかりしたリサーチ、レポートの裏付けをもって」

「顧客との適切なコミュニケーションを通じて、投資を成功に導く」

 

それによって、業界が健全に育ち、担い手もプロフェッショナルとして十分な報酬機会を得ることができる。私はせこのフォーマットを、近い将来、日本の業界標準にしたいと思っています。

 

まず手始めに、IPC東京の初セミナーを、東京・半蔵門で開催することになりました。第一期メンバー募集と、英国マンチェスターの優良投資案件の説明会を兼ねて行います。

法人の方、個人の方、参加大歓迎です。

 

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「IPC発足記念、英国投資案件説明会」

日時:2016年10月20日(木) 18~21時

場所:東京・半蔵門 (申込後にアナウンスします)

参加費:3000円/1名

申込方法:info@ipc.tokyo までメール願います。

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最後になりますが、日本の海外不動産業界を、「もっと賢く、正しく、豊かに」していくため、これからも尽力していきたいと思います。

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金融商品みたいな海外不動産物件が流行る理由

おはようございます、Manachanです。今回も定番の海外不動産ネタで。

 

私、2011年以来、海外不動産セミナーを200回以上開催してきましたが、最近の傾向としては、

・東南アジア等、新興国の物件は、余程の特徴がないと売れにくい。

・先進国物件のセミナーの方が、来場者の真剣度が高い。

・ただ、先進国では住宅物件の価格が高いため、売れるのに時間がかかる。快速償却取れる木造戸建か、少額で投資できる金融商品チックなものがよく売れる。

 

金融商品系プロダクト(?)の場合、最近の売れ筋は、すごくはっきりしています。

・1000万円くらいで区分所有できる、英国学生寮、ケアホーム

・100~500万円くらいで持分所有できる、北米のランドバンキング

 

上記のタイプの物件に、よくある特徴としては、

・最初の〇年間、△%利回り保証

・事業会社による買取保証付き

 

なお、先進国でありませんが、昨年、私が関わったなかで一番売れたものは、「モンゴル、ゲル地区再開発マンション」。こちらも、「米ドルで1年後に十数%増える」という、金融商品チックな話でしたね。

なぜ、海外だとそういうものが売れるのか?について、考察を加えたいと思います。

 

その前に、そもそも「金融商品チックな不動産」って、何なのでしょう?よく考えれば不動産だって、金融商品の一種ではないですか?

確かに、不動産は「投資」や「収益」が成り立つものなので、広い意味で金融商品ですよね。よく聞く話ですが、金融商品カテゴリを横軸に並べて「預貯金=低リスク、低リターン」、「不動産=中リスク、中リターン」、「株式=高リスク、高リターン」だと…見方によっては、そういう整理もアリでしょう。

 

ただ、私のような「なんとかの一つ覚えみたいに不動産ばっかりやってる」者からみると、不動産(特に住居系)は他の金融商品と著しく違う特徴があると思います。特に重要なポイントは、

「保有中の運営」によって、収益が大きく左右される。つまり、どの場所にどんな建物が建つかと同時に、誰がどういう運営するかによって、収益は段違いに変わりうる。

 

たとえばの話、東京23区内の駅近だって、腐った建物たくさんありますよね?オーナーが長年放置プレーして、メンテもろくにせず、誰も住まず、相続税におびえるだけの「負」動産が…でも、それを再生して、エアビーとか使って短期貸しして、利回り20%出してる賢いオーナーだってたくさんいるわけです。つまり、同じ場所・建物でも、誰がオーナーやるか、どんな管理手法をとるかによって、ぶっちゃけ、収益が0~20%の幅で変動する。

…そんな「典型的不動産」の世界で暮らしている、私のような者からみると、「利回り保証、買取保証」つきの不動産投資商品は、たとえ土地建物の権利があっても、不動産らしくみえない。なぜなら、「誰がオーナーになっても、収益は一緒だから…」。

 

いま、ちょうどカレーが食いたいので、カレーでたとえてみますね。

金融商品チックな不動産を選ぶことって、例えば「ココイチ」に行って、メニュー見て、「牛メンチかつカレー」にしようかな~、「鶏つくねと根菜の和風カレー」しようかな~と、思案するようなもの。

「牛メンチかつカレー」を頼めば、愛知でも東京でも、全国どの店舗でも、基本的に同じレシピの食べ物が出てきます。それを美味しいと思うか、いまいちと思うかは各人次第ですが、商品自体は同じです。

 

一方で、通常の住宅不動産を選ぶことは、ジャガイモ、ニンジン、玉ねぎ、豚小間切れ肉、カレールーといった材料を渡されて、自分で調理するようなものだと思います。

カレーの作り方は、大雑把なレベルでは、食材を柔らかく煮てカレールーを混ぜてじっくり煮る…という基本は同じでも、材料の切り方、火加減、調理時間によって、味が全く違ってしまう。つまり、誰が物件選ぶか、誰が保有・運用するかで、全く結果が違ってしまう。

 

どちらが良いかは、個人のセンス・価値観次第です。手間かけずに定額をチャリンチャリンが良いなら、金融商品系プロダクトが良いでしょう。一方で、私みたいな不動産ラバーは、「誰が保有しても同じ収益、みたいな物件は面白くない」と感じます。

あと、不動産ラバーであるほど、「出口の時期を自分で決められないことにストレスを感じるものです。だから我々は通常、買取保証とかよりも、二次マーケット(=いつでも売れる旺盛な売買需要)の分厚さを考えて投資判断をします。

 

そろそろ本題に戻りますが、なぜ、海外不動産は金融商品チックなものが売れるのか?

それは、「海外において、いわゆる不動産運営の敷居が高い」と思っている方が多いからだと思います。海外不動産のオーナーとなるのは(お金があれば)簡単だけど、言葉も違う商習慣も違う、土地勘もない、管理会社だって心もとない…そんな環境下で、どうやって物件を運用して、収益をあげるのか?

海外に物件持ってみたいけど、不安に苛まれたくないし、損もしたくない。であれば金融商品的な方が話が分かりやすいし、大手の実績ある会社が買い取ってくれる方が、自分が運営するより収益も高そうだし安心だ…ということなのでしょう。

 

つまり、情報とスキルの問題なのでしょうね。金融商品チックなものと通常の住居物件、どちらも良し悪しがありますし、どちらを選んでも良いでしょう。ただ、日本で「不動産ラバー」として楽しく収益を上げておられる方は、海外でも「不動産ラバーの遊び心」をガッツリ満足させる、通常の住居物件を選んだ方が、たぶんハッピーになれると思いますが、現時点ではそういう情報が質量ともに足りていないのです。

海の向こうで、本当に物件運用できるのか?できます!私はこれまで11年、世界各国で収益不動産運用をやってきて成果もあげてきました。これからも続けますし、情報もシェアし続けます。不動産ラバー仲間の海外展開のために、道をつくっていきたいですから…

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【英国不動産便り】4)老人ホームが投資物件として成り立つ理由

おはようございます、世界を旅する不動産ブロガーManachanです。先ほど、英国エジンバラからロンドン経由、東京羽田まで、15 時間近い空の旅をこなしてきました。で、休む間もなく、これから成田に移動し、10時間かけて、オーストラリアはメルボルンまで移動します。まだ先は長い。

英国不動産シリーズ4回目は、「10年間利回り10%保証」など魅力的なパッケージで、日本人も含め世界中の投資家が買っている「英国のケアホーム(Care Home)」に焦点をあてて書きます。

 
ケアホームとは、要は「老人ホーム」です。東京周辺には、暮らし向きに余裕のある老人が、月額30万とか40万とか払って入居する、医療介護機能つき老人ホームが多数ありますけど、それの英国版だと思っていただければ良い。

今回私が見学したのは、英国中部、人口16万人の地方都市ハダーズフィールド(Huddersfield)に完成したばかりの施設と、その近郊シセット(Scissett)にある建設予定地です。

 
ところで、このハダーズフィールド、素晴らしい場所でしたよ。平坦なイングランドにあっては珍しく、ハダーズフィールド一帯は起伏の多い丘陵地帯。絵画のように鮮やかなパッチワークの緑の丘、点在するポプラの樹…北海道の富良野や美瑛を思わせる美しい景色の連続で、車窓からも歓声が止まない程でした。

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こじんまりとしたハダーズフィールドの街を車で回りましたが、どこみても端正に整っていて、小汚い場所、治安の悪そうな場所が全く見当たらない。民家も大きく立派で、暮らし向きが良さそうでした。

当然ながら、英国地方都市の全てが、ハダーズフィールドのようではありません。雑駁な工業都市やガラ悪い街、寂れて活気のない街も少なからずありますので、ここは例外的に恵まれた「幸福な街」なのでしょうね。

 
ハダーズフィールド一帯の豊かな生活を支えるのが、強力な産業基盤。ここな古くから毛織物産地として名高く(英国屋スーツの故郷)、大学など教育産業も発達。しかも25km東方には、英国第2位の金融都市リーズ(Leeds)があり、45km西方には英国屈指の産業都市マンチェスター(Manchester)がある。両都市への鉄道、高速アクセスも完璧で通勤も可能姉妹。

日本にたとえれば、「名古屋近郊に匹敵する裕福さと、富良野美瑛の景色」を併せもったのが、このハダーズフィールドなんですね。そういう場所にいま、老人憩いの介護施設ケアホームが続々と建てられています。

 
私たち日本の視察団9名は、完成済ケアホームを、現地マネジャーの英国人女性の案内を受けながら見学しました。彼女はケアホーム運営キャリア6年。いくつかの現場を掛けもつなかで、ハダーズフィールドは最初から企画に関われるのでやる気満々のようでした。

彼女曰く、施設には比較的元気な老人も、介護を必要とする老人も、認知症の方々も含めて、色んな方が来るので、誰もが寛げて、home(自分の家)を感じられる施設づくりを心がけているとのこと。全館、段差のないバリアフリーで、全てカーペット敷き。談話室、シアタールーム、ダイニング、家族の待合室などの共用施設も充実。庭には植栽を施し、どの窓からも豊かな緑が見えます。

個室は見た目25平米ほどでゆったりつくってあり、全室バストイレつき。認知症老人の部屋は、トイレやクロゼットを混同しないようにはっきりと色分けするなど、細部にわたって配慮が行き届いていました。

 

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なかなかいいじゃん。とはいえ、日本の同様の施設と比べて特別にすごいことをしているようにも思いませんでした。日本各地にある「ちょっと高級っぽい老人ホーム」という印象かな。

 
現地でヒアリングできた数字関係は、下記の通り、

– 入所者の平均家賃負担額は、週700ポンド(98000円)
– 介護職員の時給は、時間7.5ポンド(1060円)。東欧などから来た移民看護士も多いよう

 

だったら結構、儲かりますね。なぜなら、

 

– 月40万円くらい払える裕福な老人に入居してもらって
– 介護職員には時給1000円ちょっとで働かせてるんですから…

 
ざっくり計算すると、「運営側が4分の3とって、投資家に4分の1返しても、満室近い稼働なら利回り10%くらい出る」話…なるほど、これなら投資案件として、ちゃんと成立しますね。

地域に、月40万円払える老人が相当数いることが前提になりますが、ハダーズフィールド一帯が「名古屋レベルの裕福度」であるなら問題なさそう。実際、暖かい5〜9月頃に募集開始すれば、入所希望者の確保には苦労しないそうです。

あと、月40万円をまるまる個人負担にしないよう、地方政府から補助金もいろいろ出るそうです。

 

英国のケアホーム…なかなか良くできた不動産投資商品ですね。日本でも似たようなもの、つくれるかな?たぶん、以下の理由で難しいと思います。
-金利環境…日本は安い金利で資金調達できるので、投資家に8%とか10%のリターンを返すことに、事業者のインセンティブが働かない。

-経営環境…日本の老人ホーム、介護施設で、リターンを返せるだけ儲かるところは少数。健保の点数制とか、都市部の土地取得コストとか、耐震基準をクリアした建物を作らなきゃならない等、いろいろな要因がある。

 
その点、英国は地震ないし、土地が安い割に住民が裕福な地域が結構あるし、それに何より、金利が高い(ケアホーム建てる際の資金調達金利が6〜7%だそうで…)。消費税率も20%とかあるので、地方政府も補助出せたりする。そういう社会経済の土壌があって、英国でケアホームという不動産投資商品が成り立つんでしょうね。

 
ケアホームのリスクって、何だろう?将来、ケアホーム過剰供給になって老人取り合いになったら困るけど、それには相当な時間がかかると思うし…あと、ローカルな老人サービス需給の問題なので、EU脱退みたいなマクロ経済の話とも余り関係ないし、

思うに、「事業運営会社の倒産」と、「法規制の変更と、それによる追加投資で利益が圧迫される」ことが、当面想定される最大のリスクのような気がします。でも将来はどうあれ、いま「10年間10%保証」みたいな商品を買ってしまえば、その10年間のリスクは会社倒産位に限定されるので、相対的にみて低リスクの商品だと思います。

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【英国不動産便り】1)古城の街ギルフォードにて

こんにちは、Manachanです。

昨日、ロンドン・ヒースロー空港に着いて、市内に向かわずに、一気にギルフォード(Guildford)の街にやってきました。

 

ギルフォードは、大ロンドンに隣接するサリー州(Surrey)州にある、人口7万5千人の小さな街。ロンドン都心から43km離れており、一応、ギリギリ通勤圏とされます。

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ギルフォードは、富裕層の街。この街に暮らす住民は、ロンドンで活躍する銀行家やスポーツ選手などを含め、経済的に余裕のある方々が多いようです。

古城と、石畳の落ち着いた町並みが、英国のリッチな方々に人気です。日本でいえば「鎌倉」に似た、ブランド力のある住宅地ともいえるでしょう。街を歩いているのは、9割以上が白人で、アジア人、アフリカ人は珍しい。

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ギルフォードの街には、安く買える家、安く借りられる家はありません。不動産屋は、ものすごくたくさんありますが、私のみた中で、

一番安い売買物件が、23万ポンド (3220万円)
一番安い賃貸物件が、月900ポンド(12万6千円)

いずれも、1ベッドルームの小さな区分マンションです・・つまり、ここの不動産、「億超え」が当たり前の世界です。

すてきな邸宅も売りに出ています・・・軒並み3~5億円。。

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ギルフォードは古くから栄えた街で、一般住宅でも築200~300年が当たり前。古いレンガの家を、皆、大事にメンテしながら暮らしています。

賃貸物件の広告結構多いけど、月1000ポンド(14万円)以下のものは滅多にありません。

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街をくまなく歩いてみましたが、住宅の新規供給はほぼゼロですね。新築デベロッパーにとっては地獄の環境でしょう。その代わり、古くてボロに見える物件が、かなりの値段で売買・賃貸されています。

このギルフォードが英国の平均値とは思えませんが、これからどんどん、いろんな街を見ていこうと思います。

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