米国不動産

Share on Facebook

3000万円以上の海外本命物件を買おう!

こんにちは、Manachanです。いつもご愛読ありがとうございます。

前回は、「予算1000万円で海外不動産買うなら何が良いか?」について私見を書きました(記事リンク)。結論を一言でいえば、「この予算帯なら先進国(ドイツ、アメリカ等)地方都市の、ネット8%くらい回る戸建や区分が一番おススメ」です。

海外の先進国で1000万円の実物不動産というのは、「外国人投資家が宇都宮や高崎で物件探しする」位、かなりニッチな話ではありますが、その地域内でちゃんと賃貸需要と実需購入需要があり、可処分所得からみて無理しない賃料で8%回る、資産価値もたぶん毀損せず出口も取れる…という意味で、金融商品チックな投資案件や、賃貸・実需マーケットが未成熟な新興国の物件を買うよりはずっと手堅くて安心度高いだろう、というのが私の考えです。

それを名づけて、「ニッチな地方都市利回り物件」と呼びますね。地方都市ゆえ経済発展のスピードは緩やかで、値上がりもあまりしないだろうけど、その代わり安い価格で買えて、賃料収入を得る意味でのフローの資金効率は良いのです。

 

しかしながら、「予算3000万円以上」あれば、話は別です。それだけあれば、先進国の大都市(人口100万人以上)のちゃんとした立地で、賃料と値上がり益を両方狙える「本命物件」取得が視野に入ってきます。

本命物件とは何か?それは、私たちの資産形成の主役になりうる高い戦闘力を持った、資産価値のしっかりした物件です。

不動産の場合、立地が一番モノを言います。「大都市で、それなりに良い立地にある物件」なら、買って住みたい人、借りて住みたい人は相当数いますし、都市の発展や利便性の向上に伴って今後価値を上げることも、十分考えられるのです。

 

日本国内(関東)に例えれば、こんなイメージです。

「ニッチな地方都市利回り物件」…北関東の地方中核都市とか、あるいは千葉県の新京成線や東武野田線沿線のように、東京都心に行くのに乗換が必要な片道1時間圏郊外にある物件をイメージしてください。

「大都市本命物件」…東京23区の大田区とか江東区とか練馬区のように、都心まで至近距離にあり、購入も賃貸も需要旺盛な地域にある物件をイメージしてください。近郊でも、たとえば三鷹とか新百合ヶ丘、青葉台みたいな人気の高い駅の徒歩7分圏内みたいな場所をイメージしてください。

 

東京の大田区内や、新百合の駅近みたいな場所で、実需層もターゲットにできるファミリータイプのマンションを買おうとすれば、中古でも3000万円は軽く超えてきますよね。海外でも事情は同じで、先進国都市部で良い立地の物件というのは、どんな安くとも3000万円(30万USドル)スタートというイメージです。

なお、3~4000万円くらいの予算では、都心狙いはまず無理です。また、ロンドンやニューヨークみたいな世界トップレベル都市も狙えませんし、シドニーやバンクーバーのような、世界都市としては二線級でも不動産価格が高騰してしまった都市もターゲットから外れます。

そうなると必然的に、「まだ、物件価格が上がりきっていない、先進国の大都市(首都ではない、第二、第三の都市)」を狙うことになります。たとえば、

 

アメリカなら、テキサス州のダラスやヒューストン等

オーストラリアなら、ブリスベン・ゴールドコーストやメルボルン等

カナダなら、モントリオールやオタワ、カルガリー等

イギリスなら、マンチェスターやバーミンガム等

ドイツなら、デュッセルドルフやケルン等

 

これらの都市なら、現時点で3~4000万円で不動産マーケットに参入でき、かつ、賃貸経営上も出口の面でもリスクの少ない好立地の物件を買えるチャンスが残されています。

なお、3~4000万円を不動産で手堅く運用しようとすれば、上記の海外都市の方が、いま日本の首都圏で買うよりは良いと思います。なぜなら、「都市が拡大中で人口増加があり、住宅需給バランスも良く、賃料や不動産価値が上がる見込みがある」からです。

 

たとえば、アメリカのダラス・フォートワース都市圏は700万人超の人口が、年間15万人以上のペースで増えています。オーストラリアのメルボルン都市圏は450万人超の人口規模で、年間10万人の増加。いずれも年率2%超です。

一方、日本の人口を吸い寄せる首都圏一都三県は、3500万人超の人口規模で年間15万人増ですから、年率0.4%と、かなり見劣りします。しかも、日本・アジア地域に特有の弊害「過剰供給リスク」を抱えています。一方でダラスとかメルボルン、ブリスベン等では、住宅供給以上のペースで人口が増えていますので、一部の特殊地域を除いて過剰供給はありませんし、賃料も不動産価値も年々伸び続けています。

 

海外(先進国)の本命物件購入を検討される方に一言、申し上げたいことがあります。

・利回り星人になってはいけません。

・たとえ見た目の利回りが低くみえても、本命物件としての戦闘力があれば、値上がり含めて、最終的にはより多くのお金が残る可能性が高いです。

 

たとえば、上述の「3~4000万円で買える先進国大都市」で、好立地にある住宅物件の賃貸利回りは、ざっくり言うと「表面5%、実質4%」いけば良いほうです(アメリカだと、固定資産税が高い分、表面7%、実質4%みたいな数字になることが多い)。

日本の投資家によくあるのは「利回り8%以上ないと買わない」みたいな反応ですが、「8%」みたいな表面的な数字にこだわる余り、立地含めた物件の収益力を評価できず、結果的に高リスクな金融商品的な海外案件購入に流れてしまう方が多いです(記事リンク:不動産の顔をした事業投資をお勧めできない理由)。

 

私の経験上、「大都市好立地で5%回る物件」の方が、「地方都市や郊外の8%回る物件」より、投資期間全体でみれば、より多くのお金が残ります。それは「賃料上昇や不動産価値上昇」が期待できるからです。

先進国第二位、第三位くらいの大都市の好立地物件を、不動産価格の上昇局面で「グロス利回り5%」で買えれば、私の感覚では「割安」ですね。購入後、さらに値上がりして、5~6年後くらいにグロス利回り4%くらいで売り抜けられることが、経験上かなりあるのです。

 

たとえば、カナダのトロント、オーストラリアのメルボルン位のレベルの都市で、「グロス5%」物件を購入し、その後の家賃上昇が年平均2%、6年後にグロス4%で売り抜けられたとすると、

初年度 価格4000万円 年間家賃200万円 (グロス5%) 
2年目 年間家賃204万円
3年目 年間家賃208万円
4年目 年間家賃212万円
5年目 年間家賃216万円
6年目 年間家賃220万円 グロス4%で売却 ⇒ 5500万円で売れる。

つまり、税前の値上がり益1500万円、期間通算の家賃が1260万円で、合計2760万円。投資額4000万円に対して69%のお金が増えることになるのです。

4000万円の物件が6年間で5500万円になるということは、年平均6%近くのペースで不動産価格が上がり続けることを意味しますが、日本を除く各先進国の不動産価格推移をみる限り、それは全く不自然な数字ではありません。普通に経済成長している国なら不動産価格も普通に上がるんですから、大都市や成長都市の好立地を狙って、値上がりを取りにいくのが投資のセオリーです。

 

一方で、地方都市の安い物件を1000万円、グロス8%で買ったとします。その後の家賃上昇プラスマイナスゼロ、6年後の売却も購入時と同じ1000万円で売れるというのが現実的な想定ですので、その場合は、値上がり益ゼロ、期間通算の家賃480万円。投資額1000万円に対して増えるお金48%という計算になり、「大都市本命物件」の69%と比べて見劣りしてしまいます。

 

以上はざっくりシミュレーションの数字ではありますが、海外の不動産を低リスクで運用しながら価値を増やしたい方には、「先進国大都市の好立地でグロス5%位の数字が出れば買い!」だという投資判断センスを養っていただきたいと思います。

Share on Facebook

1000万円の予算で海外不動産買うなら何が良いか?

こんにちはManachanです。今アメリカ北部、インディアナ州サウスベンド(South Bend, Indiana)という地方都市に滞在しています。本当に小さな街で、中心街を歩いても商業施設は3ブロック位で終わってしまい、その先は住宅地だったり森だったり…

私は北海道の千歳市にも物件持ってるんですが、街のサイズ的には同じくらいですね(人口:サウスベンド107,000人、千歳市97,000人)。気候も似たようなもので、今の季節はとにかく寒いし、積雪で歩きにくいので、ホテルの部屋でブログ書いてます。

あ、そうそう。どちらの街も国際空港があるんですね。新千歳ほどの大空港ではないけれど、サウスベンドにも国際空港があります。あとは教育環境も似てますね。サウスベンドは名門ノートルダム大学や、インディアナ大学サウスベンド校を擁する教育都市。一方、千歳市には科学技術大とかリハビリテーション大学とかありますよね。

 

ところで、私がなぜ、遠い異国の酷寒の地くんだりまで来てるかというと、実は不動産物件を仕入れに来ています。

私はいろんなテーマを持って、海外各国で物件を探しています。時には10億円単位の大金を投じたい企業様のために投資案件を探すこともあれば、1億円を2都市に分散して手堅く投資したい方の物件探しもやります。

今回、雪に埋もれながらサウスベンドの物件を見に来た理由は、「1000万円程度の低予算で海外不動産投資をスタートしたい方のための提案ねたづくり」です。

 

誤解を恐れずに言いますね。不動産投資は本質的に、「お金や信用力ある人のための資産形成手段」だと思います。株式など金融商品と比べて、不動産はどうしても金額が張ります。高額ゆえ参入できるのは現金のある方か、銀行融資を引っ張ってこれる方になります。

金額が張る分、不動産は多くの人にとって「分散投資」に馴染みません。例えば3000万円を金融商品に投資する場合、300万円x10口の分散投資すれば良いでしょうが、不動産の場合は、300万円の物件を10戸買うのはナンセンスです。それどころか、1000万円を3戸に分散するのもよろしくない。むしろ、都市部の好立地で3000万円の本命物件を1つ買うことに集中すべきです。

海外不動産投資でも結局は同じこと。3000万円ある方には、ニューヨークやロンドン、ロサンゼルスやシドニーは無理でも、ダラスとかブリスベンとかマンチェスターとかデュッセルドルフみたいな、まだ比較的安く買える先進国都市で、3000万円をまるまる投じて「普通に貸せて、いつでも売れる、損しない」物件を選ぶことになります。

 

あと、考えなければならないのは、「1000万円しか予算がないけど、海外の不動産欲しい方に対する提案」です。世の中、3000万円持ってる人より、1000万円持ってる人の方がずっと多いわけですから…

1000万円というと、不動産の世界ではかなりの低予算になります。日本国内の物件なら属性次第で90%融資とか引いて1億円程度の物件取得も視野に入ってくるでしょうが、海外の場合、融資が難しいので、どうしても大都市やメジャー立地を外した「ニッチな投資適地」を狙うことになります。

海外で「ニッチ」探すって、結構難しいんですよ。アメリカでいうと、NYやLAみたいな、誰でも知ってる有名大都市じゃなくて、無名な地方都市をリサーチして探さなきゃならない。そういう土地には、日本人も滅多に居ないし日本語なんて通じないから、現地の人間と対等にやり合うだけの英語力が必要。そして、地元しか知らない田舎者のアメリカ人とつきあう根性(ストレス耐性?)も求められる。

 

こういう仕事がちゃんとできる日本人って少ないから、結局、日本で紹介されてる海外不動産商品のうち、「1000万円クラス」が最も、投資観点からいうと微妙な商品のオンパレードになっています。例えば、

「介護施設」「学生寮」「業者借り上げ民泊」「不動産担保つきレンディング」等、「何年間、利回り何%保証」をうたう金融商品チックな投資案件

 

まともな運営業者も居るので、確定利回り商品の全てを否定はしませんが、私の知る限り、多くは「不動産賃貸業としては微妙な立地に、高い建築費で建ててる」非効率な投資案件。もとい、業者利益がたくさん乗ってるので、オーナー視点では非効率になってしまう「かぼちゃの馬車」的な案件です。

その非効率(利益乗せすぎ?)を挽回するため、運営リスクを伴う事業を行って利回りを上げるという話にしてますが、そのプロセスを業者に丸投げするため、オーナーは非効率な所有部分だけを担い、おいしい運営部分だけを他人に明け渡すことになります。

運営中はもとより、一番困るのは出口でしょう。土地・建物本来の価値より大幅に割高な価格で買ってしまえば、売却時に損切りしなければなりません。収益構造を見る限り、最初から不動産投資として失敗が確定してるようなものです。

 

「1000万円しか出せない人」が海外不動産を買って、それなりにハッピーな結末を迎えるにはどんな物件を紹介すればいいのか?私はそれを常に考え、世界中を飛び回っています。そのほとんどは徒労に終わりますが、これまで知りえたなかでの私の結論は、

 

1000万円の予算なら、「ドイツ地方都市の区分マンション」か「アメリカ地方都市の戸建」を、私の目で厳選した上でおすすめしています。

 

なぜかというと、「賃貸経営が成り立つ上に、資産価値的に安定感あるから」です。

・ドイツ、アメリカ等先進国はカントリーリスクが少なく、法制度も整備されている。

・家賃水準に無理がなく、その家賃を前提にネット8%程度の数字が出るので、投資として成り立つ。

・日本と違って賃貸住宅つくり過ぎず、需給バランスがとれており、今後しばらく崩れそうにない。

・中古住宅が当たり前に市場流通し、その値段で売買するので、売る時にも大きな損はしそうにない。

 

なお、地方都市の経済成長は大都市ほどの爆発力はないので、値上がり益はそれほど期待できないでしょう。その代わり、普段は家賃収入を得られて、売却時に元本価値を毀損するリスクが少ないので、大きな失敗をしにくい投資といえましょう。

いま日本ではASEAN新興国の物件紹介セミナーが多いですが、先進国で1000万円以下でちゃんとした収益物件が買えるのなら、賃貸市場も二次売買市場も未成熟な新興国の物件を、投資目的で買う必然性はないと個人的には思います。いま新興国の首都中心部の物件をすごく安く買えて、将来大化けする可能性があるなら話は別ですけど、そういう話って日本のセミナーには出てこないよね。

 

開催決定!3/14(水) 米国インディアナ激安収益戸建セミナー@東京

不動産価格上昇が続くアメリカ。治安が悪くない場所としては、全米最安値水準6~8万ドル台で購入でき、かつネット利回り8%以上出る収益戸建を紹介します。シカゴの東に隣接し、全米屈指の名門ノートルダム大学と国際空港を抱える北インディアナ地方、日本でまだ誰も知らない不動産投資機会を学ぼう(リンク)。

Share on Facebook

不動産投資やるなら先進国だと思う理由

こんにちは、Manachanです。

東京ビッグサイトで行われた資産運用Expo(1月25~27日)に出展し、怒涛のように忙しい3日間が終わりました。私たちは「ドイツ不動産投資」ブースを出しましたが、来場者からの反応は大変好意的なものでした。日本でほとんど知られていないドイツ不動産、皆さん「初めて聞く話」ながら、きちんと説明すれば、皆さん目を輝かせて「こんな話を待っていた!」という…

「先進国の都市部なのに安く買える」、「長期間にわたって8%のネット利回りが取れる」、「値下がりリスクも少ない」「国際通貨ユーロで資産形成できる」…私と市川が2016年にドイツ現地に渡航して発掘してきた収益物件が、いま日本人の投資ニーズにぴったり合うのだと実感しました。

 

ところで、日本で紹介される海外不動産といえば、現時点で「東南アジア新興国の不動産物件」がメインでセミナーも多数行われていますが、私の知る限り、世界の趨勢は日本とは逆です。

 

普通は、どの国でも、海外の収益不動産といえば、先進国の物件が中心になります。

 

たとえば、質量ともに日本よりはるかに海外各国不動産の情報が集まる「中国」のイベントに行くと、どこもアメリカ、カナダ、オーストラリアや欧州各国の先進国物件の占める割合が多いです(日本の人気も高い)。もちろん、地理的に近いタイやマレーシア、ベトナム等の物件も紹介されていますが、先進国物件と比べると「脇役」の扱い。

中国と並んで、海外不動産イベントのメッカといわれる「ロシア」と「ドバイ」でも同様に、欧米先進国物件の占める割合が多いです。

その意味で、世界の趨勢とは違う日本の海外不動産事情。今でこそ海外不動産といえば「東南アジア新興国」のシェアが大きいですが、数年後には形成逆転して、「先進国中心」のマーケットになると私は予想しています。なぜなら、

 

・日本人は海外移住ニーズが少ないため、海外不動産は「投資」「資産形成」「資産保全」目的の購入になる。

・投資、資産形成・保全の手段として不動産をみた場合、他のアセットと比べて「一気に値上がりはしないけど、その代わりゼロにもならない」堅い資産として選ばれるため、「収益性」とともに「リスクの低さ」も大事ファクターになる。

・「収益性」「リスクの低さ」を数値化してフェアに比べると、遠い将来はともかく、現時点ではどうしても、先進国有利といわざるを得ない。

 

上記を数値化するため、私は独自に「あんぜん+もうかる」指標を考案しました。


リスクの低さを診断する「6つのあんぜん指標」

・権利を保障する法制度・運用 (不動産権利が政治変動に影響されない)
・市場データの充実(客観的に判断できる)
・建物の品質保証・診断システム (購入段階で、問題の多い建物をつかまない)
・管理サービスの成熟、プロの存在 (保有段階で、収入を確実に手にする)
・自然災害・地政学リスク (保有段階で、不動産価値を棄損しない。)
・中古流通市場、金融システム (売却段階で、値上り益を確実に手にする)

 

収益性を診断する「5つのもうかる指標」

・経済成長と人口増加
・物件の将来性 (資産価値=キャピタルゲイン期待)
・物件の収益性(賃貸ニーズ=インカムゲイン期待)
・参入タイミング、仕入れルート (今のタイミングで、物件本来の価値に比べて割安に買えるか?) ・購入、保有、売却時コストの安さ(購入時印紙税、固定資産税、管理費修繕費、仲介手数料など)

 

上記指標で、私の渡航・視察経験のある「先進国7か国、新興国6か国」をスコア付けしてみたとこっろ、

「あんぜん指標」に関しては、明らかに、先進国優位の数字が出ました。

(先進国平均=45点、新興国平均=21点)

 

次に、私の渡航・視察経験のある「先進国17都市、新興国11都市」に関して、収益性を評価してみると

「もうかる指標」に関しては、先進国と新興国とで、有意な差が出ませんでした。
(先進国平均=28点、新興国平均=29点)

 

最後に、上記スコアを合計してみると、

「あんぜん+もうかる指標」では、先進国が明らかに優位という結果になりました。

(先進国平均=73点、新興国平均=50点)

 

上記は、よく考えてみれば当たり前のことですね。不動産の投資・賃貸経営は、それを支える経済と社会・法律システムを前提に成り立つものです。

日本を含めて先進国では、「不動産所有や賃貸の権利が法律によって守られ」かつ「政権が変わってもそれが維持されるという連想が成り立つ」上に、「人々がネットや不動産屋を通じて物件を売買、賃貸して」、「自分の収入のなかから家賃や税金を払って」、「地元の管理会社が家賃を収納し修繕手配して」、「滞納トラブル等の際に裁判や異議申し立ての仕組みを利用して解決する」…そうした社会システムが一通り整備され、かつそれぞれの分野に専門家がいるわけですが、新興国ではそれら全てが形成・整備途上にあり、専門家も十分に育っていません。

そう考えると、先進国の収益物件では「想定利回りの数字が、だいたいそのまま実現する」ことが多いのに対し、新興国では社会システム未整備や専門家の不足により「現実が数字の通りにならない」ことが多くなるのも、理屈で考えて納得できますね。

 

私自身は、「手堅い先進国物件」に投資しつつも、「やんちゃな新興国物件」も値上がり目当てで複数国で持ってますが、全体としては投資ポートフォリオを「先進国にシフト」しています。また、日本人投資家のニーズを考えても、フェアにみて先進国物件の方が相性が良く、数年後には「海外不動産といえば欧米先進国」が当たり前の世の中になると思います。

Share on Facebook

北緯35度の風、進化するノースカロライナ

こんにちはManachanです。アメリカ東海岸の真ん中らへんにある「ノースカロライナ州ローリー」(Raleigh, North Carolina)に来ています。

この地には、今から12年前に、3ヶ月ほど住んでいました。久々に来訪の機会を得て嬉しかったです。

ノースカロライナは日本では無名ですが、本当に、良いところです。

気候が、日本(関東)に似ていて暮らしやすい。緯度は東京と同じ北緯35度。四季があって適度な湿度もあり、服装も日本と同じで良いので馴染みやすいです。

気候が近いので、植物の感じも日本によく似ています。特に千葉県に似ていて、当地のハイウェイを走っていると、東関道の大栄IC近辺と見紛うような「千葉〜な景色」が広がり、外国に居るという事実を忘れてしまいます。

 

私は千葉県出身で、いま世界中を飛び回っていますが、こんな奴は珍しいです。普通は、千葉で生まれ育つと、他の土地に行きたがりません。気候は温暖、大雪も水不足もない、東京に近くて生活便利、土地も広く、海があって魚も美味しい、農業工業商業すべてがバランス良く揃い仕事に困らない、国際空港とディズニーがあり他県の奴らに自慢できる…千葉に居れば何一つ不自由なく、満ち足りてしまうのです。

それは、ノースカロライナでも同じです。気候に恵まれ、生活コストの安い同州には、寒さの厳しいアメリカ北部から、人と産業がどんどん移ってきています。人口1000万人を突破し、増加率はテキサス、フロリダ、アリゾナと並んで全米屈指。人口もGDPも全米50州中9位の堂々たる実力。しかも10年後は全米7位にランクアップしそうな勢い。

千葉県は日本47都道府県のなかで、人口もGDPも6位ですから、ノースカロライナはまさに、アメリカにおける千葉県のような存在なのです。

千葉県民と同じく、ノースカロライナで生まれた人も、他州に出たがりません。だって出る理由ないですもん。気候良い、仕事に困らない、良い学校たくさん、安い値段で土地の広い家に住める…住宅価格が3倍もする大都市に住みたい奴はかなり少ないし、逆にニューヨークやシカゴから、暖かい気候と安い生活費を求めてどんどん人がやって来ます。

ノースカロライナの人種構成は、白人60%、黒人40%、アジア人ごく少数…人種間の貧富格差は確かにあって、プロフェッショナルな職場はほぼ白人で占められ、都市内の高級住宅街も白人の世界。黒人はたいてい郊外の小さな街で暮らし、マクドナルドやスーパーで働く人が多い。

CaryやChapel Hillに住む白人は年収が米ドル6桁(100,000USD以上)の高級取りの方々が多く、恵まれた暮らしをしています。黒人の多くは収入はそれなりでも、物価安く暮らせるので「地元密着マイルドヤンキー」になります。千葉と一緒ですね。

アメリカ名物「カントリーソング」は、お隣りテネシー州ナッシュビルが本場ですが、実はカロライナ、ミシシッピー、アラバマ…いろんな地方のカントリーソングがあって、マイルドヤンキー達の愛郷心を穏やかに歌いあげています。

ヤッピーも大学教授もロボットエンジニアもいて、マイルドヤンキーも多い、千葉県っぽいノースカロライナ州は、前回訪問から12年を経過し、大きく進化してました。

 

– ローリーの中心街のビルが増えて、少しは都会っぽくなった。
– ローリー•ダーラム国際空港の第2ターミナルができて立派になった。
– Route540(第2環状線)が開通して、ローリー都市圏の東西移動がしやすくなった。
– 市内路線バスが整備され、以前は低所得者ばかりだったけど、今は普通に乗りやすくなった。
– 森しかなかったCrabtreeに立派なショッピングモールと高級住宅地ができた。
– 数ヶ月後には、地元念願のIKEAが来る予定。

 

あと、いつの間に日本企業の進出が進み、ローリー周辺の邦人数は3000名いるようです。日本食レストランや食材店が増え、日本人向け不動産、通訳、弁護士サービスも現れ、日本語補習校には200名を超える生徒が通い、「夏祭り」も行われるようになったとか。私が居た頃とは隔世の感がありますね。

有名な大都市ではないけれど、人が集まり、力強い経済成長とインフラ整備が続くノースカロライナ。不動産投資はどうなのか?

私と一緒に現地視察した市川隆久氏のメモを引用して、締めくくりとさせていただきます。

——————————

アメリカ人の通常都市での住宅家賃の負担率は年収の40%らしく、年収500万円だとすれば毎月の家賃は16.6万円(1500ドル)になりますね。

日本での家賃負担率はせいぜい年収の25%程度ですが、日本と違って近くの居酒屋で飲んで帰る人も少なく基本的に家族と家で暮らす生活であり、家賃の負担率を優先することと、治安や学区の悪くないエリアに住むことが必須なアメリカ人はそのくらいの家賃を支払うことを良しとしているのではないか、と思われます。

今回は現地での大手管理会社支店と日本人エージェントの案内での視察でしたが、アメリカ軍人などのターゲットに家賃1500ドル以上2500ドル以内の戸建を視察しましたが、販売価格は30万ドル前後で築年数25年くらいの物件でした。

建物の程度も良く利回りは表面8%ネット6%程度です(物による差はあります)が、不動産の持つ価値には安心感を感じましたね。

日本だと緑豊かな環境では戸建を所有する感覚になりますが、アメリカはそもそも頭金を貯めない国民でもあり戸建を借りて生活する人も多いので、信頼出来る管理会社と日本人サポートがあれば、手堅い賃貸経営が出来る、と実感出来ました。

日本人には馴染みの薄いノースカロライナですが、日本人もこのエリアで3000人暮らしているらしく、マーケットが基本的に実需マーケットなので安心感あるな、と感じました。単に知らないだけだなと。

また新築のタウンハウスも増えています。工事中の現場に寄りましたが、20万ドルくらいから35万ドルくらいまでの価格ですが、すでに売れている様子です。

海外不動産開発事業もありかな、と。

 

Share on Facebook

海外中古物件の管理、やって初めて一人前

こんばんはManachanです。今回は、海外物件買った後の、「管理、アフターサポート」の難しさについて書いてみます。

私は、2011年に投資家コミュニティ「アジア太平洋大家の会」を立ち上げて以来、200以上の海外不動産セミナーをこなしてきました。もともとは、「業者と投資家をセミナーで結びつける」という「場の提供」をやっていましたが、活動の内容が進化するうちに、場の提供だけでは会員・オーナーに対して無責任だと痛感するようになりました。なぜなら、

我々が企画したセミナーで海外物件を買った多くの日本人投資家が、業者に適切な管理をやってもらえず(=放置プレイ)、入居付けも売却もできずに泣き寝入りしているケース

を、目の当たりにしたからです。特に東南アジアで深刻な問題が起こっており、今の私はマレーシア・タイを中心に、会員の要請に応じて「入居付け出張レスキューオペレーション」を毎年やっています。また、会を一緒に立ち上げた相棒の坂口は、フィリピンに移住し現地で管理会社を立ち上げています。結局、会員・オーナーに本当の意味で責任を取るためには、どこかのタイミングで「業者成り」して、長年真面目にやり続けなければならない…それが不動産の宿命なのだと思います。

 

ところで、東南アジアなど発展途上の新興国で、立地やクオリティに劣る物件の入居付け、修繕手配、クレーム処理、管理費光熱費の支払や税金関係のお世話を含めて、日本の管理会社が通常やるレベルのサービスを自社でやることは、並大抵の努力ではつとまりません。マンパワーかかる割に儲からない、それに何より、新興国では日本では考えられないレベルの問題が頻発するので、不謹慎ながら、放置プレイしたくなる業者の気持ちもよ~く分かります。

現時点では特に、人の問題が大きいですね。新興国では、不動産管理のプロフェッショナルがまだ育っていないのです。マレーシアを例にとると、優秀な人間は物件管理の仕事など、まずやりません。ベストではない人間(=日本人の基準からすると相当、出来の悪い人間)が、少し仕事やってはすぐ辞めていき、さらに経験のない新人が担当になる、そいつに一から説明してもすぐ辞めていく…給料安い上に、多くの物件で「毎日、罵声が飛んでくるストレスフルな仕事」のため、長続きしないのです。物件の施工レベルがいまいちで、ドアや窓の建て付け、漏水、コンクリ剥離…築浅なのに様々な問題が起こるため作業量がなかなか減りません。

 

私はいま、次のような立ち位置で海外不動産の活動をしています。

1)自分が買って保有するような、「自信のある海外本命物件」に関しては、業者として、管理まで責任持ってサポートする(注.先進国物件に限る)。

2)上記以外に関しては、業者から開催料金をいただいてセミナー企画(=場の提供)するが、成約報酬は一切いただかない。

1)に関しては、主にドイツ、アメリカ、オーストラリアのいくつかの地域で実施しています。その対象を先進国に限っているのは、「新興国の物件管理を頼まれても、現時点では業者としてリスクを負う自信がない」からです。新興国で私にやれることは、上述「レスキューサポート」か、マレーシアやタイ、フィリピンなどで比較的信頼できる日系管理会社につなぐこと位ですね。東南アジアの管理会社セミナーも時々企画しています(例.「ジョホールバル物件管理・入居付け相談会」2017/11/21東京)。

先進国であれば、法制度がしっかりしてるし、不動産管理のプロも豊富に居るので、地元の信頼おける管理会社に日常的なオペレーションしてもらった上で、ある程度のマンパワーをかければ、日本人オーナーに説明責任取れるレベルで管理サポートが可能だと考えています。

 

ですが、それでもいろんな問題は起こりますし、事態の解明・解決に結構なパワーが必要となります。時には先方とドンパチ、派手に喧嘩する場面も出てきます。例えば、我々が手掛けるドイツやアメリカの中古物件でよく起こる問題は、

家賃や諸経費の支払の過程で、意味不明な入出金が起こる

・入退去があっても管理会社からの報告がない

・予告なしにリフォーム工事の工期が大幅に遅れる。

・予告なしに残金支払の期日が前倒しになってしまう。

等々…

 

これらは、現地管理スタッフの経験・能力が足りないとか不真面目というよりは、むしろ「仕事の丁寧さや報告・情報共有の仕方が日本と大きく違う」がゆえに起こる問題だと思います。暗黙の了解や、日本式の「ほうれんそう(報告・連絡・相談)」が全く通じない世界。担当者が長期休暇を取れば、結果的にいろんな物事がストップしてしまいます。定期的にSkype会議をして、何度も何度も、繰り返し注意して、こちらの期待値を伝えれば、なんとか意図通りに動いてくれますが、そうなるまでに、かなりの時間とエネルギーを使います。

世界中見渡しても、おそらく日本人ほど、客の要求に対して主体的かつ真摯に対応し、こまめに連絡・報告してくれる国民は、他に居ないと思います(中にはもちろん、そうじゃない方もいますが、全体的な印象として、日本人は圧倒的に素晴らしく真面目ですね)。決められたことしかやらない。いや、それさえやらないで言い訳だけは天才的な国民が多いなか、多様な問題が起こる中古不動産の管理において、日本人オーナーが何とか満足できるレベルで任せられる外国の管理会社は、私の経験上、皆無に近い。

日本人オーナーが所有する海外物件の管理を彼らに丸投げすると、文化慣習や法律の違い、コミュニケーションに関する感覚の違いゆえ、たくさんのトラブルが起こる。オーナーを怒らせたり、不安にさせる前に介入した方が得策だが、結局、相当な手間暇をかけなければならない。相手が真面目で信頼できる人なら、将来時点で、何とか自動的に回るようにできるかもしれないが、それには、こちら側も様々なトラブルを経験し、対応力を高めておく必要がある。

 

日々是、問題発生、バトル(?)の日々ですが、それもまた、楽しいです。不動産が好きだから、賃貸経営を長年やってるから、「まじかよ!勘弁してくれよ~!」と呆れるレベルの問題が起こっても理解はできるし、こちらに問題解決のパワーがあって、相手が真面目でありさえすれば、解決できない問題はないと思っています。海外中古物件に関わるリアルな問題・トラブルの対応は、不動産投資家として、業者として、私を成長させてくれる最高の題材だと思います。

逆にいえば、そうした物件周りのリアルな問題に直面せず、プレビルド(予約販売物件)ばっかり売ってる業者は、不動産としての仕事してないも同だと思います。リアルな実物不動産を業務で扱った経験がないんだから、実際いくらで貸せるか、どんな問題が起こると想定され、どんな対策が取りうるのか…分かるわけがないよね。

人間の住まいやオフィス・商店として活用されるリアルな不動産、特に中古物件の管理は何かと大変で、国をまたぐと難易度も増しますが、それをやらないと結局、業者として一人前になれないのだと思います。

Share on Facebook

アメリカ不動産、個人と法人どちらで買うべきか?

こんにちはManachanです。いまアメリカ出張から帰国する機内でブログ書いてます。

アメリカは、海外不動産投資の本命中の本命といえます。不動産マーケット規模は世界一、不動産取引の仕組みも先進的で安心度高い。地域のバラエティも豊かで、世界最先端の都市もあれば、人口増加中の発展途上地域も多く、様々な価格帯の収益物件があります。外国人だからといって土地建物の所有権に制限もない上に、しかも通貨は世界一使い勝手の良い米ドル。

私は海外のいろんな国で不動産を「つまみ食い買い」してますが、もし一国だけ選べと言われれば、間違いなくアメリカを選びますね。

アメリカでは、不動産投資で財をなした人、リッチリタイアできた人が、おそらく世界一の数います。彼らの成功パターンを見ていると共通点があって、

1)不動産の値上がり益を得る。
2)買い換え特例(1031エクスチェンジ)を使い、キャピタルゲイン税を払わずに資産を組み替える。
3)米国遺産税の基礎控除(545万ドル→約6億円)を使って無税で相続。子孫も資産リッチに♩

具体的には、このようにします。リーマンショック後、2011年頃から、まずカリフォルニア州の大都市部がいち早く値上がりました。同州内、特にロサンゼルスやサンフランシスコは、全米でも「誰もが良いと思う」優良な場所。アメリカの洗練された投資家は、当然、投資物件を持っており、値上がり益を享受します。

2016年頃に、カリフォルニア州の多くの場所で、不動産価格はリーマンショック前のピークを上回り、「上げ止まり感」が出てきます。他州に目を転じると、テキサス州やフロリダ州など、カリフォルニアよりずっと安く家が買えて、上昇率も高い地域が存在します。

そんな時、洗練された投資家は、「カリフォルニアの物件を一つ売り」、「そのお金でテキサスの物件を二つ買う」のです。当然、キャピタルゲイン税などは払いません。上述「1031エクスチェンジ」買い換え特例は、「物件を売って45日以内に、それを上回る価格の物件に買い換える手続きに入る」のが免税の条件なので、賢い投資家はカリフォルニアで50万ドルの物件を売った後に、テキサスの27万ドルの物件を2戸まとめ買い、みたいなことをやるわけです。

テキサスはいま全米でも屈指の値上がり率ですが、数年もすれば価格も上がりきってくるでしょう。その時、広いアメリカをくまなく捜せば「いま旬な値上がり地域」が出てくるでしょうし、或いはカリフォルニアみたいな良い場所のマーケットがクラッシュして安く買えるかもしれません。そしたら、「1031エクスチェンジ」を使って無税で買い換えすれば良いのです…「わらしべ長者」を地でいく、なかなか素晴らしい蓄財法ですね。

日本に住む投資家が、アメリカの投資家みたいに「わらしべ長者」蓄財ができるのかというと、いくつか課題があります。

1)1031エクスチェンジを使えば米国側ではキャピタルゲイン税を免税にできても、個人名で買う場合は、日本側で譲渡所得税がかかる。

2)アメリカ市民でないと遺産税の相続控除が非常に低くなり(6万ドル→約700万円)、税率18〜40%の遺産税が米国でかかってくる。

最近、日本で販売されるアメリカ不動産は、「減価償却目当ての築古木造物件」が多く、私はそれに対して批判的なコラムをいくつか書いています。理由は、「課税所得が相当高い層でないと節税メリットが出ない」、「競争力の劣るアメリカ物件に業者利益をたっぷり乗せて節税と絡めて売り、客に損させる業者が少なからずいる」からですが(【海外不動産】米国の築古木造物件、人気だけれど危うい理由〜「節税ありき」は避けるべき)

さらに根本的なことを言うと、個人所得税を償却節税する前提でアメリカ物件買っちゃうと、上記1)2)の課題がクリアできず、アメリカ「わらしべ長者蓄財」の道が閉ざされてしまいます。

1)日本で償却節税するために、確定申告でアメリカ不動産を個別に申告することになるので、アメリカで物件買い換えるたびに日本で譲渡所得税を必ず払うことになる。

2)日本で償却節税するために、個人名でアメリカ不動産を買うことになるので、保有中に所有者が亡くなった場合、アメリカの遺産税がかかってくる。

つまり、償却目的でアメリカ物件買ったところで、目先の所得税を軽くするだけで、結局、日本でキャピタルゲイン税を払うことになる上に、アメリカで相続リスクにも晒される…「結局、物件売るための方便ではあっても、お客様のためのトータルな資産形成ソリューションになってないじゃん!」というのが、私の見方です。

では、どうすればアメリカの投資家みたいに、わらしべ長者蓄財ができるのか?日本の居住者ステータスを捨てずに、相続にも配慮しながらアメリカ不動産で資産形成をする最良の方法は、私の知る限りでいうと、

1)アメリカでLLC(合同会社)をつくり、そこに不動産を保有させる。

2)LLCは2名以上のメンバーでつくる(夫婦か、自分と子供、投資仲間etc.)

3)相続を視野に入れるなら、ハーグ条約に基づく国際個人信託(international trust)をアメリカでつくり、上記LLCと組みあわせる。

このようにすると、どんなメリットがあるのでしょう?

1)アメリカLLCで不動産を保有しても、上述「1031エクスチェンジ」を使って買い換えればキャピタルゲインかかりませんし、また、日本の個人確定申告にはアメリカ不動産の情報を書かないので、譲渡所得税がかからない(注: アメリカLLCで利益が出ると、その分は配当所得として日本で納税しなければなりません)。

2)LLCを2名以上の利害関係者でつくると、アメリカ物件を売却した時の連邦源泉税(FIRPTA)を回避できるし、メンバー間で持分調整や移転も容易にできる。

3)国際個人信託をつくって相続財産の受益権者を明確にしておけば、アメリカの法廷を経ずにスムーズに遺産相続手続きができ、かつアメリカで遺産税もかからない(注:日本の相続税はかかる可能性があります)。

私の関心事は、「アメリカで値上がる可能性の高い物件を仕込み」、「戦略的に借り換えを繰り返しながら」、「資産形成の途中で税負担をミニマムにしつつ」、「効率よく資産を増やしていく」ことで、その見地から最も効率的と思われる「米国LLC&1031エクスチェンジ」を使う戦略を採用しています。

租税回避が目的ではありません。国に権利を守ってもらう不動産を使って自分の資産が増えるんなら、増えた分の何割かは税金払ってもいいじゃん、という考え方です。ただ、資産形成期に税金があれこれかかるとキツいし加速もできないので、その辺は賢いソリューションを選び取っていきたいものですね。

Share on Facebook

海外不動産、税理士に丸投げされても…

こんばんは、Manachanです。今回は、海外不動産投資に欠かせないパートナー「税理士」にフォーカスして書きますね。

「日本と海外、両方の税務申告実務に通じ、個人投資家に対して最適な税務アドバイスを行うことのできる国際税理士」は、日本人のグローバル資産形成に重要な役割を果たすはずです。が、現時点ではニーズの大きさに比べて人材が育っておらず、まだまだ未開拓な分野といえます。

日本と海外、両方の税務が分かる人が世の中に少なく、よしんば居ても法人向けで料金も高額だったりします。我々日本居住の個人投資家にとっては、「海外での申告、誰に聞けば正しい情報を得られるのか分からない」という悩みがあります。逆にいえば、これから発展余地が大きい分野ともいえましょう。優秀な税理士がいま参入すれば、間違いなく、「ライバルの少ないブルーオーシャン」だと思います。

 

ところで、日本の居住者が海外の不動産を買う場合、物件所在国と日本と、両方の国で納税する義務が生じます。

税制や税率はそれぞれの国で違いますが、世界中の多くの国では、日本で不動産持つのと同様の税金があります。購入時には印紙税や不動産取得税、保有時には固定資産税や所得税、売却時にはキャピタルゲイン税(譲渡益税)が、その代表的なものです。

海外で上記の税金を納めた後、さらに日本の確定申告で納税しなくてはなりません。但し、日本人が不動産買うような国は、たいてい、日本との間で租税条約を結んでいるので、原則として、二重課税にはなりません。具体的には、日本の確定申告の時、海外で納めた税金を「外国税額控除」を使って、差額分を納付、あるいは還付してもらいます。トータルで考えれば、結局、日本の税率で納税することになるわけです。

 

海外不動産セミナーやると、「税金の申告はどうやればいいのか?」は、よく聞かれる質問です。これ、真面目に考えると、回答するのがとても難しい質問です。

私は税理士資格を持っていない一般投資家なので、税務実務を代行したり、アドバイスすることは法律上できません。だから、「自分の場合は、こういう考えに基づいて、こういう申告を行っています」という程度の回答しかできず、それ以上詳しい内容については、「プロの税理士に聞いてください」と言う以外にないのですが、

「じゃ、具体的には誰に聞けばいいの?」というと、困ってしまいます…なぜなら、

 

・海外不動産セミナーに来る方の多くは、日本国内ですでにアパマン何棟か持っている投資家で、すでにお抱え税理士が居るケースが多い。ただ、彼らは当然、日本の税務のことしか分からないので、申告対象に海外の不動産が入ってきても、「それを、日本の税務申告上、どう処理するか?」位しかできない。

・海外(例.アメリカ)での不動産申告は、その国の税理士にお願いすることになるが、彼らとて、知っているのはアメリカの税務だけで、日本の税金に対する知識はほぼない。

・日本の税務は日本で最適化でき、アメリカの税務はアメリカで最適化することはできても、両方をトータルに最適化する税務アドバイスのできる専門家は、私の知る限り非常に少ない。

 

でも往々にして、投資家が税理士に期待する具体的な内容は、「日本とアメリカ、両方を最適化する税務サービス・アドバイス」だったりします。でも、これは極めて専門的かつニッチな仕事で、誰にもできるわけではありません。たとえば、

 

・日本国籍者がアメリカの不動産を購入する際の名義は、「個人名」、「日本の法人名」、「アメリカの法人名(LLC)」と、3つの選択肢がある。

・上記3つのうち、どれを選ぶかによって、日本とアメリカでかかってくる税金の負担が違う。たとえば、

1)日本側では…個人名で買うと、所得税(総合課税)、譲渡所得税(分離課税)、住民税などがかかってくる。法人名で買うと、それらの負担がない代わりに、法人税や事業税がかかる
⇒これは、日本の税理士が考えてくれます。

2)アメリカ側では…日本の名前(個人名or日本の法人)で買うと、アメリカ側の所得税(連邦税+州税)や源泉税、キャピタルゲイン税(=譲渡所得税)がかかるが、アメリカ法人(LLC)で買う場合、源泉税やキャピタルゲイン税を回避する方法がある
⇒これは、アメリカの税理士が考えてくれます。

3)でも、日本の税とアメリカの税をトータルで考えて、3つのうちどれを選べば一番トクかと問われると、たぶん、どちらの専門家も答えられない。

 

あと、日本とアメリカで税理士を使ったとして、両国の税理士の言うことが違っていた時の調整も大変ですが、これもオーナーが総合的に判断しなければなりません。

私は以前、こんな体験をしました。アメリカの税理士が、アメリカでかかる税金をゼロにするために、いろいろなアイデアをくれるのですが、その中に、

 

・BVI(英国領バージン諸島)法人を使って完全免税にするスキーム

 

が含まれていました。具体的には、「資産規模が一定以上になると、アメリカ国内のLLCだけでは完全免税にできないので、タックスヘブンとして有名なBVIに法人をつくり、その傘下にいくつかのアメリカLLCを持たせることにより、親会社も免税、LLCも免税で、とてもハッピーでしょ♪」と自信満々のご説だったのですが、

でも、彼がそれを言う時、私が日本の居住者で、日本の税金を払わなきゃいけない立場であることが、すっぽり欠落しています。自分が代表をつとめるBVI法人なんかつくった日には、「タックスヘブン税制」が適用されて、結局、日本の税率を払わなければなりません(=BVI法人で上がる受動的所得が日本で雑所得として課税されてしまう)。

…そういうこともあるので、日本とアメリカ、両方の税制を深く理解した上でアドバイスをしてくれて、かつ申告実務をリーズナブルな価格でやってくれる、知恵袋的な専門家が欲しいと、いつも願っていますが、現実はなかなか難しいですね。今後長期にわたり、懸案事項になるでしょう。

 

繰り返しになりますが、海外不動産セミナーで、購入後の税務申告について質問を受けた際、「専門の税理士に聞いてください」という答えでは、本当の意味で質問に答えたことになりません。税理士だって、問題丸投げされても困ってしまいますよね。

とても難しいこととは思いますが、もし可能であれば、「日米双方の申告実務に通じた、○○税理士を紹介できます。費用は○○かかります」位のレベルの答えは欲しいところですね。

Share on Facebook

海外節税物件とモルヒネ依存症

こんばんは、Manachanです。今回も、「海外不動産と節税」という、旬なテーマで書きますね。

最近、日本の海外不動産販売のトレンドは、「減価償却&節税」。どちらかというと国内不動産専門の感のある「健美屋」さんのコラムにも、ついに、この話題が出てきました。

米国投資は節税策としても注目、中古住宅を最短4年で減価償却

 

「米国の不動産を買って、日本で節税できる」…販売側にとっては、まさに魔法のキーワードでしょう。日本在住の人に、わざわざ、海の向こうの、遠い土地の不動産を買ってもらうには、強い動機づけが必要。「目の前の税金を安くできる」のは、動機づけとしては最強の部類に入るでしょう。

ですが、一投資家、不動産愛好家の視点でいうと、「節税ありきの海外不動産販売」には、あまり賛同する気になれません。理由は二つあります、

1)ちょっと節税するために、ベストとは言い難い物件を買うよりも、ちゃんと収益のあがる物件を選んで買った方が、確実に資産が増えると思うから。

2)商品設計が、「最初の4年間、減価償却で節税できても、5年目以降、重税がのしかかってくる」想定ゆえ、買った人が節税依存症になってしまうリスクが大きいから。

 

1)については、すでに、6月9日のブログで詳しく書いたので、今回は割愛します(サラリーマンが海外の築古不動産で節税すべきか?-後編

今回強調したいのは、2)です。私の視点でいうと、「節税ありきの海外不動産投資商品」は、よほど注意して使わないと、購入者を不幸にしてしまうリスクが大きいと考えます。私はこれを、「モルヒネ投資」、「節税依存症投資」と呼んでいます。なぜそう思うのか?

 

健美家コラムの例にならって、「課税所得1000万円のサラリーマンが、アメリカで5000万円(うち建物価格4000万円)の不動産を買い、最初の4年間は1000万円づつ節税(その期間は所得税、住民税ともゼロ)」、「彼が購入後5年間、課税所得1000万円のサラリーをもらい続け」、「購入6年目に5000万円(プラスマイナスゼロ)で売却する」前提で書きますね。

ところで、「課税所得1000万円のサラリーマン」と、「年収1000万円のサラリーマン」とは少しレベルが違います。前者は、会社から受け取る給与収入から、基礎控除、社会保険料控除などを引いた残りが1000万あるわけで、少なく見積もっても1300~1400万円以上のサラリーを得ています。

 

課税所得1000万円以上ある給与所得者は、2014年時点で日本全体の4.1%を占めるに過ぎませんが、彼らは所得税全体の49.1%を納めており、まさに日本の国庫を支えている人たちです。逆にいえば、負担感も並大抵ではないのでしょう。

 

日頃、重税感に苛まれる所得層の人にとって、海外不動産を買って節税しようというセールストークは、確かに魅力的に聞こえるでしょう。課税所得1000万円あれば、年間の所得税が176.4万円、住民税が100.7万円、併せて277.1万円を国庫に納めているわけですが、もし米国の5000万円(建物比率80%)の不動産を買って、自分で確定申告すれば、最初の4年間に限っては、所得税・住民税とも、タダになる計算になりますから、それだけ聞くとむちゃくちゃ魅力的ですよね。

 

 

もっとも、この物件を売却したら、6年目以降であれば、譲渡所得税を払わなければなりませんが、確かに、健美家コラムの言う通り、それでも税金上はトクする計算になります。

購入後4年間の節税効果 11,084,000円 (=2,771,000 x 4年)

売却後の譲渡所得税 8,126,000円 (=40,000,000 x 20.315%)

差し引き 2,958,000円のトク

 

しかし、この物件を買った人に何が起こるかを冷静に考えてみると、私は、お勧めする気になりません。

・購入後1~4年目までの、いずれかの時点で、最低一度は税務調査に入られ、調査官にいじめられるでしょう(私も経験しました・・・涙)

・購入後5年目が辛い!これまで4年間かからなかった277万円の税金が突然かかり、家計を圧迫するでしょう。

・6年目で売却する場合、キャピタルゲイン出なくても、計算上812万円の譲渡税がかかります。どうやって捻出するのでしょう?

 

売却時点で、アメリカの物件が大幅に値上がるか、或いは米ドルに対して大幅な円安になっていれば良いですが、そうならなかった場合、わざわざ800万円の税金払うことが分かってて売るでしょうか?いやそれ以前に、5年目に突然かかってくる税の痛みを回避するために、多くの人は、5年目に新たな減価償却物件を買うでしょう。また業者も当然、「5年目買い増し需要」を期待するでしょう。

これって、「痛み止め(税負担アップ回避)のために、モルヒネを打ち続ける(海外築古物件を買い続ける)」のと、本質的には同じことだと思います。

なお、日本の譲渡税を回避するために、償却後の簿価(1000万円)で、自分の設立したアメリカの会社に売っちゃえばいいじゃんという考えもあるでしょうが、売買履歴データが皆にガラス張りのアメリカで、5000万円で買った物件を1000万円で売るような不自然な取引が許されると考えない方が良いです。下手したら、アメリカで過酷な追徴課税が待っているでしょう。

(※あと言うと、今から5年も経てば、国税が海外不動産を使った償却スキームに対して課税強化してくると思うので、買い増ししても節税メリットなくなるかもしれませんね。)

 

節税のための海外不動産って、結局、何なのでしょう?世にあまたある「節税スキーム」と同様、本来払うべき税金の繰り延べ、つまり問題先送りにしかなりません。

投資家のカルチャーは「先憂後楽」…私たちは、いま買いたいものを少し我慢して、将来、財産を大きくすることを楽しみにする人種なのですから、海外節税物件みたいな、「今をラクにするために、後にツケを回す」ような投資(?)は、生理的に楽しめませんし、お客様にもすすめたいとは思いません。

 

あと、シミュレーション上の節税効果が、物件価格に比べて大したことないことにも注目すべきです。仮に、売り側の業者が、6%以上、利益を余分に上乗せして売っていたなら、節税利益をすべて食われていることになるのです。

仮に20%余分に利益が乗った物件を買ってしまったら、それこそ、「300万円節税するために1000万円を業者に貢い」という、笑えない結果になります。

現に、日本に紹介されている、節税を全面に押し出す物件は、普通に市場流通している物件というよりは、むしろ日本で節税できるスペックを備えるために作為的につくった物件であることが多く、アメリカ人に売りにくかったり、あるいは、「どう考えてもガッツリ利益乗せてるじゃん!」と思うものも、少なからずあります。

市場価格に比べて割高な物件を買ってしまったら、出口で損切りのリスクが高まるのは言うまでもありません。

 

もっとも、節税云々以前に、アメリカで買った物件が大きく値上がりして富をもたらしてくれたら、上記の懸念は全ては解決するはずです。だからこそ、収益性に優れ、リスクの少ない物件を選ぶ選球眼をつけるのが先決だと思うのです。

減価償却・節税は、あくまで投資の結果に過ぎません。むしろ、投資収益がちゃんと上がって、それに加えて節税メリットもあればラッキー、くらいに考えるべきだと思います。

 

最後に一つだけ、簡単なTipsをシェアしたいと思います。もし、販売業者の物件資料に

「NET利回り 4.0%」
「NET利回り(減価償却加味) 7.5%」

などと書いてあったなら、減価償却を含む数字は、即、ガン無視しましょう。そして、この地域でNET利回り4.0%が妥当であるのか、もっと良い投資機会がないかどうか、米国不動産投資の経験者をつかまえて調べてみましょう…それが、海外投資リテラシーを上げる第一歩になります。

Share on Facebook

サラリーマンが海外の築古不動産で節税すべきか?-後編

前編の続きです。

アメリカ・テキサス州某所にある、「快速減価償却で節税できる中古物件」と「新築優良物件」の二つの紹介を受けたサラリーマンAさん、販売業者の説明を受けた当初は、「安く買えて節税もできる中古物件で決まりだぜ♪」だと思っていましたが、アメリカ不動産歴10数年、投資で成功したMさんのセカンドオピニオンを得たところ、「新築を選ぶべき」だという・・・その判断軸は何か?

 

「この2物件を比べると、競争力が全然違うのですよ。」

「競争力の高い物件は、毎年、家賃も伸びるし、さらに、5~6年後に売却された時の価格の伸びが全然違います。日本の減価償却で得られる節税効果よりも、ずっと大きなお金を、アメリカで稼いでくれるはずです。」

 

Mさんは続けます。

・この新築物件が建つ所は、市内でも指折りに治安が良く、優良な学校が多数あります。しかも大企業の本社進出が相次ぎ、全米、全世界から来たエグゼクティブやマネジャークラスの方々が選んで住まう場所になります。高属性な方々を入居ターゲットにできるので、良い家賃が取れますし、いま新築でコンディションが良ければ、数年後売却する時に、彼らに高値で売ることも十分視野に入ってきます。

・一方で、築古物件が建つ場所は、市内で最悪とはいいませんが、場所柄や治安はそれなりで、これといった特徴のない住宅地です。入居ターゲットは白人の労働者階級か、ヒスパニック系の子沢山ファミリーが中心で、3ベッドルームと庭とガレージがあれば家賃はそれなりにとれますが、伸びしろがありません。また、数年後売却する時に、ターゲットが労働者ファミリー中心になるので、キャピタルゲインもあまり取れません

 

その説明を聞いて、Aさんは考えました…

 

・新築の方が競争力の高い、良い物件だということは良く分かった。

・でも、築古を買わないと快速償却を使った節税はできない。

・新築を買って得られる期待収益と、築古を買って得られる節税メリットは、どちらが大きいんだろう?

 

そもそも、減価償却による節税とは具体的には何なのでしょう?Aさんのケースに即して考えてみましょう。数字や税務用語がガッツリ出てきますがお付き合いください(簡単のために、1ドル=100円で換算します)。

 

・新築を買う場合、木造の建物なので日本の税法による法定償却年数は22年。建物価値は1540万円。つまり年間70万円(=1540万円/22年)ずつ償却できる。

・一方、築古を買う場合、築22年以上経年した木造の建物なので、日本の税法上、4年で償却できる。建物価値は1200万円。つまり年間300万円(=1200万円/4年)も償却できる。

・その4年間、Aさんが年収1000万円超のサラリーマンであり続けた場合、所得税23%に地方税10%、計33%の税金が天引きされる。つまり、年収が100万円上がるごとに33万円づつ税金で持っていかれる計算になる。しかし上記の築古物件を購入した場合、今後4年にわたり、300万円×33%=99万円づつ、税金還付が受けられる。4年間通算だと396万円も節税できる。

・もっとも、その築古を売却した場合は、譲渡所得税が分離課税される。購入後5年を超えれば税率は20%(厳密にいえば20.315%)、売却価格が購入時と変わらないと仮定して、これまで償却した1200万円がそのまま簿価上の売却益になるので、(購入時・売却時諸費用を除いて計算すると)それに20%をかけた、1200×20%=240万円を納税することになる。ただし、これまで通算396万円節税できているので、売却時に240万円納税しても、税金面では156万円トクしたことになる。

・一方で、新築を買った場合、毎年の節税効果は70万円×33%=23.1万円。5年間通算の節税効果は115.5万円。その後に売却した場合の譲渡所得税は、上記に準じて計算した場合、償却済額350万円×20%=70万円。つまり税金面では45万円しかトクしない。

 

めんどくさい計算の、ぶっちゃけ結論を言うと、

・築古を買うと、今後5年間で、156万円も節税できる。

・新築を買うと、今後5年間で、45万円しか節税できない。

 

AさんはMさんに問います。「築古を買った方が、税金面では111万円もトクする計算になります。新築を買えば、それを上回るだけの収益が出るんですか?」

Mさん「そんなの楽勝ですよ…私に言わせれば、そんな小さな税金面のメリットを得るために、わざわざ競争力の劣る物件を買う意味が分かりません。

 

なぜ、物件の収益力にそこまで差が出るのか?それは、「業者の説明になかった部分」に秘密があります。

アメリカは、不動産投資関連のデータベースが発達しています。それを調べると、新築物件の建つエリアの不動産価値の伸び率は、直近で年率8~10%、市の平均が4%、築古物件のエリアでは2~3%という数字が出ていました。

 

両者の差を控え目にみて、今後5年間通算で、

 

・新築物件は、「年率5%づつ物件価値が上昇」、「年率3%づつ賃料が上昇する」と仮定

・中古物件は、「年率2%づつ物件価値が上昇」、「賃料上昇は年率0%」と仮定

 

購入5年後(6年目)に売却する前提でシミュレーションすると、歴然とした差が出ました。簡単のために購入時・保有時・売却時の費用を除いて考えると、

 

・新築物件は、「通算の家賃収入956万円」+「値上がり益608万円」=1564万円を産む。

・築古物件は、「通算の家賃収入720万円」+「値上がり益167万円」=887万円を産む。

・両者の差は、677万円。

 

Mさんは言います。「今の局面で築古物件を選ぶということは、シミュレーション上の話ではありますが、ざっくり言うと、111万円トクするために、677万円を余分に産む投資機会をみすみす逃すということなんですよ。」

Aさんは、ここでようやく理解できました。目先の節税よりも、本当に利益を生む優良不動産に投資すべきだというセオリーを・・・

数年後、Aさんはアメリカ・テキサスの地を訪れ、優良な地域で新築を買った選択が正しかったことを実感しました。街がどんどんきれいになり、魅力的な商業施設が次々とできる、家賃は毎年上がり、足元の値上がり幅は年5%どころかそれ以上のパフォーマンスを上げ続けていました。「銘菓東京バナナ」をもってMさんの邸宅を訪れ、何百万円を増やしてくれた彼のアドバイスに改めて感謝したのは言うまでもありません。

 

補足)上の収支計算は厳密にいうと正しくありません。新築物件は大きく値上がるので、その分、日本で納税する譲渡所得税も増えますし、また購入価格が違いますので(新築2200万に対し築古1600万)、それを基準に投資効率を比較しなければなりません。その他、購入時経費4%、売却時経費6%、保有時経費が初年度月額4万円、経費上昇率2%/年と、現実的な想定を置いてNETベーでス計算し、IRR(内部収益率)で公平に比較したところ、結果は

 

アメリカの収益のみで計算した場合

⇒新築のIRR  11.02%/年
⇒築古のIRR 6.97%/年

 

日本の節税効果も入れて計算した場合

⇒新築のIRR  10.33%/年
⇒築古のIRR 8.50%/年

 

結局、年収1000万円前後の、資産形成期のサラリーマンの場合、「快速償却で節税する位なら、優良物件を買うことにフォーカスした方が吉」ということが、数字的にも裏付けられたと思います。

Share on Facebook

サラリーマンが海外の築古不動産で節税すべきか?-前編

こんにちはManachanです。アメリカ、パナマ、カナダと、北中米3ヶ国を回る7泊8日の出張から日本に帰るところです。

今回のメルマガで、いま業界で話題になっている、「海外の築古不動産を買って減価償却で節税する」不動産投資のあり方について、私の思うところを書きますね。

日本でも世界中どこでも、人が住み経済を営む場所である限り不動産の基本は変わりません。「不動産=移動できない土地建物」ゆえ極めてローカルな存在であり、地元の人間が貸し借り、売買を繰り返すなかで「相場」が形成されていきます。

都市中心地や名門学校に近いとか、富裕層が好む地域の物件は競争力が強く、地域の平均より高値で取引されます。そうでないフツーの物件はそれなりの評価になり、競争力の弱い物件は需給バランスによっては値下がりもします、でも需要がある限り価値ゼロになることはありません。

ところで、不動産は極めて「ローカル」なモノなのに、日本に住んで海外不動産投資という「超遠隔操作」をしようとする…そこに根本的な難しさがあると思います。

海外で購入する不動産が「地元民に選ばれる物件」であれば安心感あるし、投資の成功確率も高まりますが、土地勘もなく法制度も住まい方も違う海外で、それをどうやって見極めるか?早い話が、東京に住んで札幌市の不動産に遠隔投資するのと、米国テネシー州ナッシュビル市の不動産に遠隔投資するのとで、個別物件力の見極めの難易度が高いのはどちらか?答えは自明ですよね。

業者に良いと勧められて買った海外の物件が、実は地域のなかで競争力の弱い物件だった、入居者属性が悪くて問題続出の物件だった、或いは地域の相場より明らかに割高な価格で買ったので損切りしないと売れない…みたいなことが起こらないよう、一投資家として海外不動産リテラシーと物件見極め力を常に磨きたいと思います。ちなみに私の投資スタンスは二つ。

– 地元において競争力の高い「安心物件」を、「適正な価格」で買う。

あるいは、

– 地元において競争力が高いとはいえない「それなりの物件」を、「相場より安く」買う。

そろそろ本題に移りましょう。いま日本では、「快速償却で節税できる海外の木造築古物件」がたくさん売られています。その主戦場はアメリカ…「木造築古物件が豊富」「物件価格に占める建物対価が高い」「築が古くても値下がらない物件が多い」三拍子揃った米国は、節税用物件をつくりやすいのです。

海外不動産で節税できる仕組みは日経の記事に詳しい説明があります。もっとも、この節税方式は国税から厳しい目で見られており、近い将来何らかのメスが入る可能性があります(参考記事:健美家コラム)。

節税用海外不動産の販売を、私は否定しません。毎年、所得税や住民税を死ぬほど払って、少しでも節約したい富裕層やスーパー高給サラリーマンとってはメリットある話だと思います。感覚的にいうと、額面年収3000万円以上、所得税住民税合わせた限界税率が50%や55%いくような人にとっては利用価値が大きいでしょう(今後、税制や運用が変わって節税できなくなるリスクはありますけど…)。

もっとも、額面年収1000万円前後のアッパーミドルなサラリーマン投資家にオススメできるようなものではないと思います。そういう方は一般論として(私自身も含めて)、償却は取れるけれど競争力に疑問符のつく中古物件を買うより、素直に良い立地で競争力の高い物件を買う方がメリット大きいと思います。なぜなら、

– (今後数年間、海外不動産償却節税スキームを使い続けられると仮定して)日本における節税効果よりも、海外の優良物件が低リスクで運用でき、自然に値上がり、賃料も伸びるメリットの方が大きいと思うからです。

「年収1000万サラリーマンの海外不動産投資は、築古の償却物件よりも好立地で競争力ある新築や築浅の方が良い」という仮説を、現実的な想定を置いてシミュレーション·実証してみました。

【Case Study】
東京都内の外資系企業に勤めるサラリーマンAさん(42歳)は額面年収が1050万円、基礎控除や扶養控除を除いた後の所得は700万円、所得税の税率が23%、地方税が10%で、「1万円所得が増えたら3300円を税金で持っていかれる」状況を何とかしたいと思っていたところに、「海外の中古不動産で節税できる」話をネットで見つけ、善は急げと、早速セミナーに行きました。そこで紹介されたのが「米国テキサス州某市」の物件。Aさんはその場所には土地勘ありませんが海外駐在経験があり英語も堪能、外国アレルギーもないので早速検討をはじめました。

ちなみに、紹介されたのは同じ都市内にある「エリアはそれなりだけど償却で節税できる木造築古戸建」と、「エリアが良い新築戸建」でした。

[築古戸建-業者から説明を受けた情報]
———————————————-
木造 1950年築、内装リフォーム済
販売価格 16万ドル
– うち土地 4万ドル(25%)
– うち建物 12万ドル (75%)
想定家賃 1200ドル/月
諸経費、諸税 400ドル/月
NET家賃収入 800ドル/月
グロス利回り 9.0%
NET利回り 6.0%
5年間保有した時の節税効果 1200万 x 33% = 396万円
6年目に売却した時の長期譲渡税 1200万 X 20% =240万円
節税効果 396万-240万=156万円
———————————————-

[新築戸建-業者から説明を受けた情報]
———————————————-
木造 2017年築、10年間性能保証付き
販売価格 22万ドル
– うち土地 6.6万ドル(30%)
– うち建物 15.4万ドル (70%)
想定家賃 1500ドル/月
諸経費、諸税 400ドル/月
NET家賃収入 1100ドル/月
グロス利回り 8.2%
NET利回り 6.0%
5年間保有した時の節税効果 350万 x 33% = 115万円
6年目に売却した時の長期譲渡税 350万 X 20% =70万円
節税効果 115万-70万=45万円
—————————————————–

この説明を聞いて、Aさんは次のように考えました。

– どちらもネット利回りは同じ(6%)
– 築古戸建の方が安く買える(16万ドルvs22万ドル)
– 築古戸建の方が税金でトクをする(156万円vs45万円)

「こりゃ、どうみても築古戸建で決まりじゃん!」と思った彼は、セミナー後に配られたアンケート用紙に「築古戸建の購入を前提に個別面談希望」と書いて、意気揚々と家に帰りました。

翌日、少し冷静になったAさん、「2000万円もする高額なものを買うんだから、業者以外に投資経験者の意見も聞いた方が良い」と考えました。得意のネット検索でアメリカ不動産投資で成功している投資家Mさんを探しあて、彼のセカンドオピニオンを得るべく、メールしました。

数日後、Mさんは、一通り調査したあと、このように答えました。

「Aさん、私の見立てでは、新築を選ぶべきです」

「築古を買ったら、日本の税金は多少得するかもしれませんが、新築はそれ以上のお金を、アメリカで稼いでくれるでしょう。しかも築古より明らかにリスク低いです」

「なぜ差が出るのか?その理由は、業者のさんが説明しないところにあります」

後編につづく…

Share on Facebook