こんにちは、Manachanです。今回は、「日本人が愛する海外不動産」というテーマを、ライトなタッチで書いてみます。
私は、海外不動産の情報を仕入れに、定期的に「中国」を訪れています。つい先週も北京と上海に行ってました。「投信1」のコラムにも書きましたが、この巨大な隣国には、
・世界で一番、海外の不動産を買ってる「お客」がいる、「巨大市場」がある。
・その強烈な購買力を求めて、世界中から、不動産情報が集まる。
中国に比べれば、日本の海外不動産マーケットなんて微々たるものだし、情報も質・量ともに乏しい。でも、日本からわずか3時間、飛行機に乗っていけば、そこには溢れんばかりの「情報」がある、渡航コストも安い…行かない理由はない。
北京市内某所で、英国ロンドンの物件だけを扱うショールームに行きましたが、そのサイズ、来客数の多さに唖然としました。とにかく、目の前でガンガン売れるわ売れるわ!彼らはロンドンだけ買ってるんじゃなくて、アメリカにもカナダにも、オーストラリアにもニュージーにも、タイにもマレーシアにも日本にも、スペインやポルトガル、ギリシャやドバイ、英国地方都市でもたくさん買ってるから、ざっとみて、中国の海外不動産マーケット規模、「日本の20倍」はありますかね。
あれを見ちゃうと、「俺たち、なんてマーケットの薄いところで商売してるんだろう」と、一瞬悲しくなりますが、でもよく考えたら、「20倍のマーケットを、40倍のライバルが食い合って、熾烈な生存競争してるんだろうな」と思うと、少し気が楽になります。要は、「ライバルの少ない日本で海外不動産の第一人者」を目指せばいいんですよね。
ところで、いま中国人が地上で一番、不動産を買ってるために、「中国人客向けに最適化された不動産物件」が、世界中に溢れています。たとえば、
・ポルトガルのリスボンで、53万ユーロで買えるタウンハウス (注.ポルトガルの永住ビザは、50万ユーロ以上の不動産購入が条件)
・ギリシャのアテネで、28万ユーロで買えるアパート (注.ギリシャの永住ビザは、25万ユーロ以上の不動産購入が条件)
・アメリカのラスベガスで、51万米ドルで買えるホテルコンドミニアム (注.アメリカのEB-5ビザは、50万米ドル以上の不動産購入と、プラス諸条件あり)
・カリブ海のドミニカ共和国で、23万米ドルで買えるリゾートコンドミニアム(注.ドミニカでは、20万米ドル以上の不動産購入でパスポートが取れるみたい)
こうした、「買えば永住権ついてくるよ」的な商品を、大陸在住の中国人は好むようです。あるいは、永住権と直接関係なくても、中国市場にだけ紹介され、オーナーもほぼ中国人ばかりというプロジェクトも、世界中にあります。オーストラリアのメルボルン某所とか、マレーシア・ジョホールバル沖合の人工島とか…
最近は中国の外貨送金規制が厳しくなり、業者の思惑ほどは売れないプロジェクトが多いらしく、「同じアジアの日本で売りたい」という要望も出るようになりました。私も彼らから結構な数の相談受けてるんですが、正直、成功しそうなものは少ないです。なぜなら、
・同じアジアでも、中国人と日本人の嗜好は天と地ほども違う。
・特に、中国人向けに最適化した物件は、たぶん、日本人が一番嫌うパターンになる。
中国人向けの物件、世界中で見てますけど、「おらおら~、物件つくったぜ!永住ビザもつけたる数戸まとめてどや!」みたいな、ガサツで大雑把な企画が多い。これ、日本人客が一番敬遠するパターンだと思います。ゴテゴテに飾った内装も多いし、カルチャー的に売り込みもしつこいから、そのまま日本に持ってきても成功しないだろうな。
では、日本人が好むタイプの物件とは何か?
・小ぎれいであること(必須!)
・内装はシンプルで質素
・センスの良いソファや籐家具、小物など、気が利いた演出をしているもの
こうした、日本人好みの「small and immaculate」な物件は、大陸ヨーロッパのアパートメント(中国人向けじゃなくて、地元民向け)では結構多くみますね。あとカナダやオーストラリア。アジアだとタイあたりに多い印象。
タイといえば、大手デべのサンシリが日本で売り込み攻勢かけるようになりましたが、同社は日本人が好むテイストの物件をたくさんつくってるから、結構成功するような気がします。
あと、日本人が海外不動産にいくらの金を払って買うかに関しては、物件所在都市のブランド価値と大きな相関関係があるような気がします。
・ネームバリューの余りない海外都市では、「安い物件」か「投資価値のある物件」が売れる。
・ブランド価値の高い海外都市では、「憧れ」ファクターがある分、「値段の高い物件」が売れる可能性が十分ある。
ブランド価値の高い都市や地域・・・アメリカだと、ハワイ、ニューヨーク、西海岸、フロリダかな。ヨーロッパだと、月並みだけどロンドン、パリ、あとイタリア、スペイン、ドイツといった国名もポイント高い。ガウディのある「スペイン・バルセロナ」とか、物件価格がお手頃な割に人気抜群なので、早く商売にしていきたいです。あとスイスとかウィーン、ギリシャとかもやってみたい。
カナダやオーストラリアは、いつも根強いファンがいますね。シドニー、メルボルンとか、地味にブランド価値高い。アジアだとタイやバリ島、固定ファンが多くて人気落ちません。
セミナーで詳しく説明しなくても、「都市名・国名」だけで、憧れとか、ポジティブなイメージを物語ってくれる場所っていいですね。また商売的にも大きな発展チャンスがあるのだと思います。