EU漫遊記〜不動産マニアの視点

こんにちはManachanです。約1週間にわたる欧州出張を終え、無事帰国しました。
欧州での不動産ビジネスは、今後長い取り組みになりそうです。

2016年7月…イギリス出張
2016年10月…ドイツ、トルコ出張 (済)
2016年11月…ドイツ、スペイン出張 (済)
2017年1月…ドイツ、ポルトガル、スペイン出張 (予定)

最近はドイツを起点に、ほぼ毎月、出張に行く生活が続いています。日本からの飛行機移動がつらいけど、それだけ、欧州不動産ビジネスに可能性と手応え、社会的意義を感じているわけです。

欧州といえば、英国のEU離脱、移民やテロの問題等、ニュースを賑わす頻度が高まっていますが、欧州各国を実際に歩いた私の体感値は、ニュース報道とは大きな隔たりがあります。

報道が「例外事象」をセンセーショナルに伝える傾向があるのに対し、私たち不動産投資家は「普段着の姿」に着目するので、認識のギャップが大きいのも無理からぬことです。

また、巷の経済評論家が「Brexit(英国EU離脱)の影響」等を論じる内容にも違和感を感じます。彼らが往々にして、グローバルなカネの流れや為替等「マクロ」を論じるのに対し、我々不動産愛好家は「ミクロ」な地域経済や賃貸市場に目が行く生き物なので、違和感もそこから来るのだと思います。

今回のブログは、不動産マニアな私が欧州各国を歩いて感じたことを独自の視点で書いてみます。分かりやすく、話をBrexitに絡めてみましょう。

 
1. いま英国で起こっていること

大陸欧州の人々と話すと、「Brexitは英国にとって失敗だった。ほら見ろ、英ポンドはあれだけ下がってしまったじゃないか。将来を不安視する英国人が、大陸(EU)側にどんどん資産を移しているぞ」みたいな声をよく聞きます。

首都ロンドンだけみれば、確かに彼らの言う通りかもしれません。今年7月に出張した時も、ロンドンに関してはどんよりした不安感を感じました。

不動産の世界でいえば、これまでロンドンを買ってた外国人は中近東、ロシア、中国の富裕層が多く、動機はもちろんキャピタルゲインでした。彼らはBrexit後に「値下がり」「英ポンド下落」のダブルパンチで大損した人も多い。それと、ロンドン(シティ)の金融センター機能がBrexitをきっかけに大陸欧州側(フランクフルト等)に移るのではないかという憶測もありました。

つまり、英国=ロンドンという枠組かつ、短期的視野で考える人たちが、Brexit後の英国の先行きについて悲観説を助長させていた気がします。

でも、不動産投資家のセンスでいえば、ロンドンの不動産市場は、Brexitがあってもなくても、いずれ調整局面を迎えていたと思います。要は英国のなかで、ロンドンだけ突出して高騰しすぎていた…

同じ英国の他都市と比べて、ロンドンの不動産価格は5倍以上、国際的にみても、ニューヨーク、東京はじめ、どの大都市よりも高い状況だったのです。

視点を英国第二、第三の都市に移せば、全く違った世界が見えてきます。

それらの都市、特にマンチェスターやバーミンガムは、Brexitのおかげで成長が期待できるでしょう。不動産価格はロンドンの5分の1、国際ビジネスが展開できる都市機能と人材が揃い、英ポンド下落のおかげでオフィス賃料や生活コストは大陸欧州のたいていの大都市より安い。言葉も英語、高速鉄道ができればロンドンと一時間以内で結ばれる…

Brexit後のマンチェスターを歩くと、ロンドンと違って雰囲気明るいですよ。同市を含むイングランド北部の多くの人が、離脱に賛成票を投じたのは、確かに理屈が通っています。

EUとの関係は今後どうなるか分かりませんが、英国はEUとだけ商売してるわけじゃありません。英語というインフラで旧英連邦諸国とビジネスできるのが彼らの強み。本命は、大陸欧州より成長余力が高い「米国」と、間もなく世界最大の人口を持つ国となる「インド」でしょう。

2016年のBrexitは、英国人が大陸欧州よりも米国インドと共に歩むことを選択したと、後世の歴史家は評価するかもしれません。

 
2. いま大陸欧州で起こっていること

いま大陸欧州の経済は、明らかにドイツが引っ張っています。

EUやシェンゲン協定の枠組で、大陸欧州の多くの国が共通通貨ユーロを採用し、人々の行き来を自由にしました。すると、どうなるか?

日本の国内で、人々が就業機会を求めて、首都圏や愛知、関西、福岡といった都市部に移動するのと同じように、大陸欧州(特に東欧、南欧)の人たちは、仕事のあるドイツに移動します。

ドイツはEUのおかげで、「大陸欧州の首都圏」となり、失業率も他国より低く、物価も安定、繁栄を手にしています。

ドイツにはロンドンのような巨大都市がないので単純比較が難しいですが、同じ位のサイズの都市(例.独デュッセルドルフと英マンチェスター)を比べると、街の発展度、先進性はドイツの方が若干勝る印象です。

ドイツの繁栄を、同じEU圏内の国々に還元できれば良いのですが、これはなかなかうまくいかない。もともと言葉や文化の違う国々の集合体なので難しいのでしょう。

大陸欧州が共に発展できるかの試金石が、南欧諸国にあると思います。ギリシャはじめ、スペイン、ポルトガル、イタリアといった国々は、リーマンショック後の6〜7年間、酷い不況に苦しめられました。どの国もドイツやフランスに比べると産業基盤が弱い上に、不動産バブルが派手に弾けて信用収縮が起こった、ユーロを採用したせいで通貨の切り下げも不可能…夥しい失業者が出て、それがいつまでも解決できませんでした。

ただスペインに関しては、ようやく経済復興の道を歩み始めたようです。2015年、16年の経済成長率が3%前後でEU圏内でトップ。失業率も徐々に改善してきました。 スペインは観光が強いだけでなく製造業の基盤もそれなりにあり、EU内では比較的安い労働コスト(月給約1000ユーロ)を活かして工場誘致が進んだようです。

イタリア、ポルトガル、ギリシャがスペインの後に続いて発展軌道に乗れるなら、ドイツ主導のEU経済圏もなんとかワークしそうだという判断になるでしょうが、

その辺は、これから南欧諸国を歩くなかで、じっくり見てきたいと思います。お楽しみに。

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