こんばんは、Manachanです。いま九州出張中で、福岡市内に泊まっています。
今回は福岡がメインの目的地なのに、いつもの福岡空港ではなく、佐賀空港を利用、そこからバスで佐賀駅に出て、電車で博多へ…という、おそろしくファンキーな経路を通ってきました(だって、成田~佐賀の春秋航空激安なんだもん)。
佐賀市内では、不動産収益物件を見てきました。なかなか面白い場所と思いましたよ。
生まれて初めて訪れた佐賀市の印象は、ずばり、次の二言で言い尽くせます。
・若い人には退屈な場所
・でも、住みやすそう♪
佐賀、はっきり言って、田舎です。佐賀駅から1駅もいかない場所で、広い田んぼと、平屋の民家しかない風景が広がる…この場所が、都会か田舎かと聞かれれば、100名中95名以上が、「田舎」と答えるでしょう。
【佐賀駅から徒歩7分の場所、空が広い!】
【佐賀空港近く、360度の地平線が広がる世界】
佐賀は、確かに田舎ですが、ここの暮らしは、そう不便ではなさそうです。
・広い平野が広がり、道も良い。
・郊外型ショッピングセンターがなかなか凄い(九州内でも上位!)
・特急でわずか35分で都会(福岡市)に出られる!
【佐賀を代表するSC、ゆめタウン】
【田舎な地元に飽きたら、わずか35分で都会(博多)に出ればいい】
佐賀駅から天神バスセンターまで1時間、博多までJR特急で35~40分。福岡市の都市機能をすぐ使える立地がポイント高いですね(鳥栖や唐津だとさらに福岡に出やすいし…)。福岡市営地下鉄と都市高速を使いこなしてる佐賀県民は多いはず。
県内の自宅から福岡都市圏に通勤通学できる人も多く、人生や出会いの選択肢が広がるのは大きいと思います。私の地元は千葉県ですが東京に近いことで限りない恩恵を受けてるわけで、それと同じことですね。
県の面積が小さく総人口は少ないが人口密度は九州7県で2番目に高い。平坦な地形で交通インフラも良いので、極端に不便な場所も少なそうですね。比較的恵まれた田舎、意外に都市生活レベルの高い田舎…それが佐賀。
中心都市は佐賀市。人口23万人、こじんまりとして、徒歩で歩けるサイズ(だから市電がない。自家用車とバスで十分)。街の感じは全体的に「昭和」で「地味」。お店も人通りも少なく、県庁所在地にしては都市レベル低い。印象としては、徳島市より下、山口市よりやや上、山梨県の甲府市に似たレベルでしょうか。
とはいえ、佐賀駅と佐賀城、市役所を中心とする狭いエリアに、主要な利便施設が集中しており、この一帯に住めばとりあえず不便は感じなくて済みそうです。
腐っても県庁所在地だけあって、官公庁、銀行、保険会社、農協、各種企業の支社…駅周辺には、それなりに職場が揃っています。
田舎な地方都市ですが、佐賀駅周辺に限っていえば、不動産投資にはすごく面白いエリアだと思います。土地を買って賃貸アパートを建てる想定で言いますと、
・地価が、ものすごく安い(駅徒歩10分圏内で坪20万円ちょっと)
・賃料相場は、そんなに安くない(広め1K~1LDKで月額5万円弱、福岡市と大差ない)
・今のところ、ライバルが非常に少ない
佐賀駅周辺、徒歩10分圏内を歩くと、10~15階の中高層マンションが結構な数建っていますが、どれもファミリータイプの実需マンションのようです。同じ佐賀県内の田畑や土地付戸建を売って市街地に移住したシニア夫婦あたりが住むんでしょうか?
で、賃貸アパートらしきものを探しても、本当に、数えるほどしかありません。駅周辺なら、職場は結構な数あるので、単身者やカップルの賃貸需要はあるはずなんですが…皆さん、どこから通勤してくるのでしょう?
逆に、この地に「職場まで歩ける賃貸住宅」を建てたら、結構な需要があるのではないかと思います。コンビニも数えるほどしかないから、駅とコンビニの近くで建てると競争力あるかもしれない。
佐賀で特筆すべきは、県庁所在地とは思えない土地の安さ!坪22万円、60坪の土地を買って1320万円、そこに8戸、1LDKのアパート建てると、1戸あたり480万円(8坪x坪単価60万)、想定賃料が月額4.5万として、
物件価格 1320+(480x8)=5160万円
年間賃料(満室想定) 4.5x8x12= 432万円
満室想定利回り 432÷5160=8.37%
土地建物比率 土地26%:建物74%
土地の安さのおかげで、今どき、8%超の利回りが余裕で出てしまうのです。物件価格に占める土地の値段が26%しかないというのは、まるで外国(アメリカ?)みたいですね。
佐賀の「8%超」利回りを、いま首都圏の新築アパートで出すのは無理です。
2013年前半までは物件価格が安く、都内はさすがに無理ですが埼玉、千葉といった近県で8%台の新築を建てることはまだ可能でした。ところが、オリンピック景気、消費増税、アベノミクス円安&金融ズブズブ緩和…みるみるうちに物件価格が上がってしまい、いまや
・都内23区 5%台 (駅徒歩圏で6.0%いけば良い方)
・近県 6~7% (16号線内側の駅徒歩圏で7.5%いけば良い方)
いま都内に新築アパート建てても、「キャッシュ出せる人」じゃないと勝負になりません。せいぜい6.0%位しか利回り出ない以上、自己資金「20%」出さないと収支がプラスにならないから。
「フルローン組む~」なんて言ってる人は、最低7%以上の利回りが必要なので、都内を諦めて近県に行かないと無理・・そんな市況になってしまいました。
いま手元に現金が数百万円しかなくて、それでも一棟アパートオーナーになりたい方に対して、私は「さいたま市、柏市、千葉市あたりで、利回り7.5%出て、競争力があって、かつ立地をハズさないアパートを注意深くチョイス」しています(都内の事務所で千葉駅と本千葉駅、蘇我駅の駅力の差をレクチャーしたり…地味な仕事だよなあ)。
福岡市でも、今は価格高騰が著しく、都内と似たような低利回りになっています。7.5%の利回りを出したければ、筑紫野市とか福津市みたいな郊外に行くしかない。でもタダの郊外住宅地だと、埼玉や千葉同様、農転・土地活用アパートが近隣にたくさんできて、過剰供給になるリスクがあるのは否めない。だから駅近とか、特殊な賃貸需要のあるエリアを注意深くチョイスする以外にない。
でも、佐賀市までいくと、佐賀駅・県庁周辺といった「佐賀県におけるオンリーワン立地」で、「賃貸需要があって」、「ライバルが少ない」状況で8%以上出るのです。空室リスク、運営経費を差し引いても確実にお金をもたらしてくれます。
利回り8.0%だと⇒フルローンでも、手取り8万/月くらい
利回り8.5%だと⇒フルローンでも、手取り11万/月くらい
佐賀駅徒歩圏内で、単身社会人(カップル、子ども1人までOK)をピンポイントで狙う賃貸経営、というのがミソです(この立地を外しちゃうとキツイと思います。佐賀の市街地は小さく、外側はいきなり農村ですから)。
このスタイルの不動産投資、問題点もあります。佐賀収益アパートを数年~10年程度保有して、収益物件として売却する場合、
・出口リスク:佐賀は福岡に比べてマイナーな都市ゆえ、アパート融資をしてくれる銀行が限られ、思ったような価格で売れないかもしれない。
・簿価毀損リスク:佐賀は土地代が安く、建物の築年数が経って償却すればするほど、銀行からみると、簿価が低くなってしまう。
でもそこは、中途の売却とか簿価とか考えずに、
・20~30年以上、ちゃんとメンテして使い、朽ちるまで、長期持ち続け、家賃を稼ぎ続ける。
それができれば、特に問題ないのかなと思います。20~30年後の予測は難しいですが、おそらくその時点でも佐賀県、佐賀市は存在し続けるでしょうし、JR佐賀駅や県庁、市役所がコンパクトにまとまっている一帯が佐賀の中心地でありつづける…そんな想定が成り立つ限り、佐賀駅近くの便利で賃貸需要ある場所でアパート建てるのはアリなのかなと思います。いや面白いっす。今どき8%以上の利回りとキャッシュフローが得られるわけですから…
【SAGA佐賀~穴場だぜ!】