先進国利回り5%物件をスルーすべきでない理由

こんにちは、Manachanです。出張先、福岡市のビジネスホテルでブログ書いてます。

私、福岡市で2008年1月から不動産投資をしています。参入して8年半になるわけですね。長年ずっと見ていると、昨今、福岡市周辺での収益物件の利回り低下は顕著ですね。

 

「木造マンションで築浅なら表面6%台でもマシな方」
「RCで良い立地だと、表面4~5%が当たり前」
「郊外ロードサイド店舗でさえ、表面8%台いけば”神”に近い」

 

等々…「ここは東京23区内か?」と思うような低い数字が並びます。いまの福岡は全国の都市のなかでも、かなり利回りの低い(=賃料に対して売買価格が相対的に高い)部類に入るではないでしょうか。

そんな感じで、今やや過熱感のある福岡市マーケットですが、都市の実力と、売買価格と賃料のバランスが取れていれば、低い利回りもそう悪いことではないと私は思います。実際に高い価格でも買ってる客がいるわけですから、それだけ都市や立地の評価が高いともいえるわけです。

 

九州各地から人口が集まり、成長を続ける福岡市。全国的知名度があり、たぶん日本で唯一、「首都圏から移住者を呼び込める百万都市」でもあります。街の評価が高いのは当然でしょう。

ある意味、福岡を数十倍大きくしたのが「東京」で、そこは日本全国からの移住者をひきつける首都…その中心にある銀座、新宿、渋谷、六本木等の収益物件は、今なら利回り3%以下でも買う客はいくらでもいます。吉祥寺を2.5%で買う人もいる位だし・・

利回りの低さは、街の評価の高さ」であることを踏まえた上で、投資家としては、現在・将来の賃貸・売買需要や金利環境や税制を予測しながら、「いま福岡中心部のRCを5%で買うべきか?」という判断をしていくわけです。

 

東京でいうと、不動産におけるトップ立地は「銀座」や「丸の内」。次いで「3A」(赤坂、青山、麻布)、「渋谷~表参道」、「六本木」「虎ノ門」あたりまでは「一等地のなかの一等地」であり、世界的にはニューヨークのセントラルパーク周辺とか、ロンドンのシティ、香港の尖沙咀あたりと並び称される立地。

こういう「世界一流都市の一等地」は、賃貸に出した時の利回りがグロスで2~3%とかが当たり前。東京都心の不動産価格、日本では誰もが高いと思ってますけど、それでも、ロンドンやニューヨークの同等立地に比べて東京はまだ割安感があり、富裕層やファンドがガンガン買ってるわけです。

 

東京でも、新宿とか、さらには池袋まで行くと不動産価格もこなれてくるし、期待利回りも一等地に比べれば多少高まります(例.中古区分マンションで表面4%を切ると、表参道ならすぐ売れるけど池袋では売れない)。さらに、城東城北地区、都下神奈川埼玉千葉と、郊外に出るほど、リスクや出口不安が大きくなり、人々の期待利回りは4%⇒6%⇒8%⇒10%と、上がっていきます。

日本人の投資家なら、同じ首都圏でも「東京都心の利回り5%」と「千葉市の利回り5%」が同じだとは誰も思いませんよね。前者は「割安」だと皆が思ってるけど、後者はどうみたって「割高」で誰も買わない。それは、投資家の購入行動が「実際の利回り」と「エリアの期待利回り」との相対的関係で決まるからです。

 

で、本題に移ります。

「東京の利回り5%と千葉の利回り5%が同じではない」という常識が、なぜか、海外不動産の話になると、通用しない。日本国内の不動産投資で財産を築いた立派な投資家でさえ、いざ海外になると、

「英国の学生寮、利回り9%だから、買おう!」

「オーストラリアのレジ、利回り5%しかないから、スルーしよう!」

みたいな購入行動を平気でとるのです。

 

でも、不動産投資の基本は、世界中どこだって同じ。それぞれの都市、エリア毎に期待利回りが違い、それとの相対的な比較で判断すべき話で、

海外の収益物件が、いま5%で売られているとしても、もしその場所が「東京都心」クラスだったら超割安だし、9%出る物件があるとしても、それが「千葉市」レベルの立地なら「それなり…」の数字ですよね。要は、表面的な利回りだけで購入を判断すべきではない。

 

海外、先進国の大都市内の優良立地でグロス利回り5%回る物件なら、私はかなり割安だと感じますし、お金が増えそうな物件だとも思います。

たとえば、オーストラリア第3の都市ブリスベンで、利回り5%ちょっと回る、邦貨換算3000〜4000万円の物件を、明後日のセミナーでいくつか紹介します。この物件には融資もつけることができ、その条件は今のところ「物件価格の65%、豪ドル、金利4.77%、融資期間25年」です。

物件価格の35%、自己資金を出して買う。すぐ賃貸つけて、その賃料をそのまま返済に回すと、キャッシュフローがトントンか、わずかなプラスになる感じの不動産投資。

 

「海外の銀行で融資組んで、それでキャッシュフローがほとんど出ないんじゃ、意味ないじゃん」と判断する方は、ハッキリ言うと海外不動産投資のリテラシー不足。

オーストラリア不動産投資の醍醐味は、キャッシュフローではありません。「かなり確度の高い値上がり益期待」と、それによる資産拡大効果(B/Sでいう「資産の部」の数字改善)が主要テーマです。

 

  • ブリスベンの人口は、年率2%以上で増えている。同市の人口増加は、少なくとも今後30年以上続く見込み。
  • ブリスベンの平均空室率は2.7%。今回紹介するエリアだと1.5〜1.9%。需要に対する住宅供給不足は、少なくとも今後20年以上続く見込み。
  • ブリスベンの賃貸契約は普通、1年間。契約更新ごとに賃料が数%上げるのが常識。
  • ブリスベンから南へ飛行機で1時間の距離にあるシドニー(同国最大都市)と比べて、ブリスベンの住宅価格は戸建で50%、集合住宅で60%程度。一方で賃料はシドニーの約80%とれる。
  • その結果、シドニー不動産の平均利回りは3.0〜3.9%に対し、ブリスベンは4.4〜5.2%回る。
  • オーストラリアの経済成長率はやや不調とはいえ、人口増加を背景に年率2%は軽くいく。
  • 不動産ローンの金利は、今は4.0%前後。オーストラリア史上、最低水準を更新し続けている。
  • 今回セミナーで紹介する40万〜50万ドルの価格帯は、オーストラリアにおける住宅初回取得者(First home buyers)のボリュームゾーンであり、今なら彼らに対して2万ドル前後の補助金が出る。

 

…これだけの客観条件が揃ってて、今後値上がりしないと想像すること自体が難しいです。

現実的な線でいうと、「いま利回り5%で買って、5〜10年後に利回り4%で売却」でしょうか。仮にいま40万ドルで買って利益確定は7年後としましょう。いくらで売れるでしょう?家賃上昇率、控えめに年率2%と考えて…

 

1) 購入時

売買価格 400,000ドル

年額家賃20,000ドル

表面利回り5.0%

 

2)7年後の売却時

家賃 22,974ドル

表面利回り4.0%

→予想売買価格 574,350ドル

 

40万ドルで買って、57万4350ドルで売れるのなら、値上がり幅17万4350ドルになるわけです。売却コストを無視して、単純に年率換算すると、

 

1)値上がり益の年率

174,350 ÷ 400,000 ÷ 7年 = 6.23%

 

2)保有期間中の家賃収入(購入時価格換算)

購入時  5.00%、売却時 5.74%

→ 保有期間平均  5.37%

1)+ 2) = 11.60%

 

…となる。つまりこれは、値上がりを考慮すると年率11.6%でお金が増える優良投資案件であり、「9%で回る別の海外投資物件よりもさらに効率が良い」可能性が十分あるわけです。

 

ま、実際には取引コストとか金利負担とか節税効果など、いろんな変数を入れてシミュレーションしなければ優劣の判断はできませんが、

私のざっくりした感覚、経験からいうと、「ブリスベンの良い場所で、いま5%で土地つきの戸建やタウンハウス買えるなら、9%回るけど値上がり期待の余りない別案件買うより、もっとお金になる」と思います。

 

余談ですが、今月中旬に、私が視察中に「サプライズ衝動買い」しちゃったメルボルンMoonee Pondsのアパートも、実は頭のなかで同じ計算をしてました。

  • メルボルンの集合住宅平均の利回りは4.0%。これはシドニーより高くブリスベンより低い、「オーストラリア第二の都市」の実力を反映した妥当な数字。
  • でもって、今回内見したMoonee Pondsの物件、「メルボルン都心から6km、電車で4駅10分、駅から徒歩3分の賑やかな商店街の中」という、都市平均より明らかに良い立地なのに、利回りが4.7%出る。これは明らかに割安な買い物。

….だと判断して即買いしました。

 

1ベッドルームを397,800ドルで予約して、再来年の完成予定。これ、4.7%で買って、5〜7年後に3.7%で売れるならば、

売却時予想価格(家賃上昇なし)    397,800 × 4.7% ÷ 3.7% = 505,313ドル

売却時予想価格(家賃上昇2%/年) 397,800 x 1.02の7乗 ÷ 3.7 = 580,446 ドル

想定売却益  107,513〜182,446ドル

 

…ですので私は、この物件が50万ドル以上になれば売るつもりです。メルボルン都心近くの好立地で、「4.7%が3.7%になるのは簡単」と思いますが、さらに欲をかいて「3.7%が2.7%になることを期待するのは、メルボルンの実力を考えると難しい」と考えるからです。いや、今のシドニーみたいにバブれば、メルボルンでも2.7%はありうるでしょうが、非合理的な価格形成がされるマーケットでの売り抜けは、私の得意とするところではないし、

それよりも、「ブリスベンやメルボルンの都心近くで5%近く回れば割安だから買う、4%切れば売って利益確定」みたいな、不動産投資家として常識的な感覚を持ち続けたいと思います。

 

業務連絡) 8/31 13:00現在

9/1 ブリスベン&ゴールドコースト不動産購入相談会@東京半蔵門、あと2席ご案内できます。申込リンクはこちら(先着2名で締め切りますが、間に合わない場合は後日個別相談に応じます)。

http://goo.gl/o9jfTB

 

私の買ってるメルボルンのマンション、1ベッドルームが一室だけ40万ドル以下で残っています。購入検討したい方は私にメールを下さい(こちらは先着1名で締め切ります、売り切れてたらゴメンなさい)。

mana33chan@gmail.com

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