動くオージー、動かない日本人(?)

おはようございます、Manachanです。いまシドニー郊外の友人宅に滞在中。

昨日、シドニーでの「世界の不動産セミナー」は、とても良かったです。メディア広告なし、わずか一週間前からのメルマガ、FBでの告知だけだったにもかかわらず、9名の方にお集まりいただきました。セミナーの後、The Rocksの日本料理屋でオフ会やりましたが、主催者含めて7名、楽しく盛り上がりました。

セミナーご来場の方、オーガナイズしていただいた鶴さん、講師として熱いトークで盛り上げてくれた市川さん、ありがとうございました。

 

ところで、昨日のセミナーに来ていただいた方は全員日本人でシドニー在住、オーストラリア永住権を取り、英語と専門知識を駆使して、それぞれの職業分野で頑張っておられます。頼もしいですね。でもって、来場者の半分近くが、

 

クイーンズランド州(ブリスベン、ゴールドコースト)での投資・移住に興味がある。

 

と、答えていたのがとても印象的でした。

オーストラリア人や、この国の永住者は、「シドニーの住宅価格が高くなったから、まだ安いブリスベンに家族で移住する」といった行動を、比較的躊躇なく行います。それも、人口統計にはっきり現れる位、大量の人間が移動するため、産業や不動産市場にも大きな影響を及ぼします。

たとえば、「シドニーで土地付き4ベッドルームの家を買うのはもう無理だけど、ブリスベンなら可能、だから引っ越す」という行動を、個人も企業も平気で取るし、いまブリスベン・ゴールドコーストの人口が増えているのは、シドニー圏からの移住が寄与している面もあります。

Interstate Migrationをみると、シドニーのあるNSW州は一貫して転出超過、ブリスベン・ゴールドコーストを擁するQLD州は一貫して転入超過になっていますね。

 

で、これと同じ現象が、日本でも起こるのだろうか…と考えてみる。たとえば、

 

東京に住む人間が、住居費や生活コストの比較的安い名古屋、福岡、札幌といった都市に大量に移動するのか?

 

というと、なかなか難しいような気がします。上にあげた3都市のなかでは、福岡市が比較的、外来者にオープンなイメージがあり、首都圏からの移住者も多少はいるのでしょうが、人口統計をみる限り、「福岡⇒首都圏」への移動の方が明らかに多い(その代わり、九州各地から福岡市に移住する人間がもっと多いので、それで同市の人口が増えてるわけですが…)。

日本では、「地方の農村・中小都市⇒地方中核都市」、「地方中核都市⇒首都圏」といった、都市に向けての人口移動が主流で、その逆の動きは、一般論として起こりにくい。それは何故なんだろう?

 

1)日本人は土着性が強く、家族や地域のしがらみがあるからなのか?

2)日本では不動産の価値が下がるから、他地域に引っ越して当面生活する費用を捻出するのが難しいからなのか?

3)圧倒的に、首都圏に雇用機会が集中しているからなのか?

 

等々…様々な理由があるのでしょうが、現時点の日本では「東京から地方への人口移動」による不動産価格や産業の移動が、オーストラリア等と比べて起こりにくい状況だとは思います。

(もっとも、一棟アパートやワンルーム等、投資不動産マーケットでは、東京の人が地方都市に積極的に投資するし、融資もガンガン出るから、東京の値上がりは地方に波及しますけどね…実需マーケットだと人口が移動しないと変化は起こらないでしょう。)

近い将来、団塊世代が大量にリタイア、老齢になって、「介護・医療難民」として地方に流出するなら状況も変わってくるのでしょうが、果たしてどうなるのでしょうね?

 

では、同じ首都圏内の人口移動は、これからどうなっていくのか?…と考えてみる。

東京23区でも都下でも、神奈川、埼玉、千葉の東京寄りでも、同じ「東京の雇用機会」にアクセスできる状況下で、今後、人々はどこからどこへ、移動していくのか?たとえばの話、

 

・東京都心に生まれ育った人が、より広い土地と安い住宅価格を求めて郊外に出るのか?

・郊外で生まれ育った人が、より便利でトレンディな暮らしを求めて都心を目指すのか?

 

もし、上記のシナリオで人々が動くなら、将来の東京・首都圏の人口・社会構造、産業、不動産市場にも大きな影響を及ぼすでしょう。極めて興味深い。

まず、人々の動きに影響を与える要因を考えなければなりません。交通体系、雇用機会、教育・医療サービスへのアクセス、結婚・就業などライフスタイルの変化、不動産価格、人々の価値観…等々。

将来、どうなるか分かりませんが、現時点で考えると、

 

・東京都心近くで生まれ育った人は、たぶん、郊外に出たがらないだろうな。結婚して家庭を持っても、都心からできるだけ近くて、かつ家が買えるエリア(例.江東区、墨田区、台東区など)を目指すだろうな。

・郊外で生まれ育った人で、都心に住みたい人は結構多いけど、それができる経済背景の人は多くないし、結局、多くは地元で所帯を持つか、あるいは同じ沿線でちょっと都心寄りの街を目指すだろうな(例.埼玉県の大宮以遠の人が大宮か浦和に住むとか)。

 

私は東京郊外30㎞圏、千葉県柏市の出身で、今は都内江東区に住んでいます。生まれ育った柏は大好きだけど、でも土着性が全くない人なので、地方都市や、遠く海外まで、平気で引っ越しする。今住んでる場所も、結局は「仮住まい」感覚。でも、柏出身者のなかで、私みたいな人はたぶん多くない。

柏エリアで育った、私の同世代の知り合いが、いまどうしているか、感覚的にいうと、

・7割以上は、柏エリアに住み続けている。
・約1割は、都内に住んでいる。
・約1割は、首都圏の他地域(千葉市とか神奈川県)に住んでいる。
・首都圏を離れた人は、1割もいない。

 

横浜とか、さいたま市とか、都下の立川・八王子などの出身者でも、たぶん状況は柏と似たようなものかと思います。地元から東京に通えて家が買えるのなら、やはり、多くの人が実家から遠からぬ場所に住むのでしょう。

逆に都心近くに育った人は、たぶん郊外に出ない。であれば、都心近くて住居コストが比較的安い城東下町方面が、これからホットであり続けるのだろうなと愚考します。

 

そう考えると、東京を取り巻く産業・雇用などの諸条件が変わらない限り、首都圏の不動産市場は、鉄道駅や都心への時間距離を中心に決まるんだろうなと思います。でもこれは極めて興味深いテーマで、一生追求し続けたいです。

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