【英国不動産便り】3)スコットランドvsイングランド、EU離脱の空気感

こんにちはManachanです。英国からお届けする不動産便り、第三回は、皆様も関心のある「EU離脱」(Brexit)の影響について、現地の空気感をお伝えします。ここで出てくる主人公は、

イングランド(England)
スコットランド(Scotland)

 

という、グレートブリテン島に存在する二つの「王国」と人々です。

 

英国の正式名称は、UK (United Kingdom,連合王国)ですよね。なぜ、アメリカのような合衆国(United States)じゃなくて連合王国なのでしょうか?それは、

「イングランド」、「ウェールズ」、「スコットランド」、「アイルランド」という、それぞれ長い歴史をもつ王国が対等合併してできた国だからです。つまり、王家同士の合併です。

特に決定的なのは、1707年の「イングランドとスコットランドの合併」で、それによって今日のUK(英国)の原型ができたと言って良いでしょう。この二つの国は、もともと民族も言語も違う上に、1000年以上も、戦争に次ぐ戦争を続けてきました。

 

彼らが合併してから、まだ300年しか経っていません。英国の歴史から言うと長いとはいえません。今日でもスコットランドはイングランドと別の議会と法体系を持ち、「国民」の多くは、パスポート上は「英国人」だけれど、自分たちのアイデンティティは「スコットランド人」だと考えているようです。

スポーツだって、オリンピックを除けば、サッカーやラグビーの国際試合は「イングランド」「スコットランド」代表が出てくるわけですもんね…
人口や経済規模でみると、ロンドン、マンチェスター、バーミンガムなど大都市を擁するイングランド(5300万人)が、エジンバラを都とするスコットランド(550万人)の約10倍と圧倒しています。特に首都ロンドンの影響は巨大ですが、

エジンバラの空港には今でも、ScotsmanとかScottish Daily Mailなどスコットランドの新聞ばかりが置いてあります。それは「英国の地方紙」の域を超えて、「英国を構成するスコットランド王国の新聞」の趣きがあります。

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イングランドから、陸路でスコットランドに入ると、私のような異邦人にも、違いが一目で分かります。鉄道会社がNationalRailからScotsRailに変わり、駅名表示も英語の他、ゲール語が併記されてくる。

イングランドは、平地と丘の世界。起伏が乏しく、大部分は農地になっており、森が少ない。大小の都市が満遍なく存在し、基本、どこでも人家がある。 日本でいえば「千葉、茨城」の感覚に近い。

一方、スコットランドは山岳と森林、湖水の世界。平地が少なく、松や杉の緑が濃い。斜面で牛や羊が草を食み、「ロッホ」(Loch)と呼ばれる美しい湖と、古城が織りなす風土が広がります。グラスゴー、エジンバラ、アバディーン以外は人口希薄。日本でいえば「北海道」のイメージですね。実際、スコットランドの面積と人口は北海道とほぼ同じです。

言葉について…ロンドンから、マンチェスター、リーズと、北上するにつれて独特のアクセントが出て(ロンドン基準にすれば訛って)きますが、スコットランドの田舎まで行くと訛りが強烈になり、同じ英語ではありますがイングランドの人も聞き取りに苦労するようです。

 

イングランドとスコットランドの土地柄についてここまで書いたところで、いま話題の「EU離脱」について、私の感じた現地の空気感を率直に書きます。

私の見方はどうしても不動産という視点に偏ってしまうので、その辺を割り引いて考えていただきたいのですが、イングランド、スコットランドとも、人々の将来に対する見方は概して楽観的で、大陸ヨーロッパに依存しなくても、英国だけで十分やっていける自信があると、多くの人が考えているようでした。

むしろ、大陸ヨーロッパという「重荷」が取れる方向になってホッと一息、という空気を感じました。

 

無論、地域による温度差があって、経済規模の大きいイングランドの方が、離脱派が多く、スコットランドやウェールズは、EU残留派が多いわけですが、

それは、スコットランド人が、大陸欧州に依存しないと生きていけないみたいな悲愴な考え方というよりは、むしろ、EUとのつながりを活かして、スコットランドとして飛躍したい、そして、イングランドの鼻をあかしてやりたい、といった気持ちを強く感じました。

 

ヨーロッパのなかでは、しっかりした産業と経済基盤、法律システム、ビジネス共通語としての英語の地位、そして、大英帝国から引き継いだ、世界を引っ張ってきた自負…この辺が、英国でEU離脱派が勝った理由でしょうか。

この選択は、英国にとって、長い目でみてプラスになりそうな気がしました。

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