海外不動産「情弱ビジネス」を超えて

こんばんはManachanです。10日間にわたる東南アジア滞在から無事帰国しました。今回の日記は、私が「アジア太平洋大家の会」で5年以上取り組んできた「海外不動産セミナー」について書きます。

私たちが会を立ち上げた2011年当時と比べると、今は海外不動産を取り扱う業者数が格段に増え、特に東京では毎週のように、アジア、北米、欧州、オセアニア…世界各国の不動産案件を紹介するセミナーが行われています。もっとも、セミナーで得られる情報のクオリティは、今も昔も玉石混交。「イケてない業者による、ダメなセミナー」は多数あり、なかなか淘汰されていきません。

その典型例が、「情弱(情報弱者向け)セミナー」とよばれるもので、次の特徴があります。

・海外不動産投資で利益をあげるだけの知識や判断能力(リテラシー)を備えていない業者がプレゼンする。

・その講師よりも、さらにリテラシーの低い人たちが受講する。

 

今の東京ではいろんな国・地域の不動産を扱うセミナーがありますが、所謂「情弱セミナー」で使われるフォーマットは、それこそ判で押したように似てまして、、

・日本の人口減少と経済・財政不安、地震・放射能リスクなど、「日本の将来のヤバさ」を強調する。

・それと対置して、海外(不動産売りたい国)のバラ色の情報を与えて、「今がチャンス、すぐ買いましょう!」と煽る。

 

日本にいろんな問題があることは誰も否定しないし、将来不安があるのもその通り。ただ、同じ座標軸でフラットにみた時、「日本がヤバいのは分かるけど、でも、その海外の国は本当に問題ないの?」と正面から問われると講師がまともに答えられない。問題をきちんと整理して答えるだけのリテラシーがない。

特に昨今は、世界中の経済が変調してるから、海外に関する知識があって、まともな思考力のある人なら、「日本がだめで、海外は大丈夫」みたいな二元論に妥当性がないこと位、すぐ見破ってしまう。

業者側は、それが分かってるから、自分たちよりさらにリテラシーの低い人たちをセミナーに呼んで、お客さんにするわけです。その構図は、日本国内の不動産投資における「二大情弱セミナー」に酷似しています。その心は、

1)不動産投資を知らないサラリーマン向けの、「新築ワンルームマンションセミナー(恐怖の満室想定グロス4%)」

2)不動産投資を知らない地主向けの、「土地活用・建売マンションセミナー(なんちゃって30年家賃保証つき)」

 

いずれも、リテラシーの低い人たちの不安や射幸心を煽って、結果的に自分たちの売上利益が最大になるように誘導する特徴があります。不動産投資を少しでも知ってしまえば、「こんなもの買ってもカネにならない」ということが分かるし、「人様に損させるような、こんな商品売りたくない」みたいな良心がうずく人も出てくるでしょうが、そこはうまくできたもので、「営業マン使い捨て」システムにより、結局「リテラシー低い営業マンが、さらにリテラシー低い客に売る」構図が延々と続いていくことになります。

ことが海外不動産になると、国内不動産よりさらにウブな世界になります。海外の経済や不動産市場に関する知識が、国内に比べて圧倒的に乏しい上に、言葉の壁があって、多くの人はセミナーで得たあやふやな知識を、検証する術もないから…

 

こんな状況だから、私思うんです。「海外不動産で大金を手にするなら、たぶん、情弱ビジネスやるのが一番効率が良い」と…私は世界各国の不動産情報が集まってくる立場にいるから、やろうと思えば、まじで、できちゃうかも。

でも、やりません。私は、そんなつまらんことやりたくないし、不安煽って高額商品買わせるスキルもない。それに、人様に損させる商売なんて長続きしないでしょ?

それよりも、セミナー参加者(会員)とともにリテラシーをどんどん高めて、海外の不動産投資でどんどん成功して、皆で豊かになりたい。この世界で、末永く、活躍していきたい。その気持ちで、5年前にアジア太平洋大家の会を立ち上げましたし、その心は今も変わっていません。

 

海外不動産をネタとして扱いつつ、情弱ビジネスに堕さない工夫は、何か?これまで、いろいろ試行錯誤してきました。

 

1)自分が海外不動産では「業者」の立場に立たない。「投資家」に徹する。

海外不動産を「業」、というか、メシのネタにしてしまうと、時には利益をあげるために、コミッションの高いクズ物件も売らなきゃならなくなり、結果、大家仲間である「会員」と利益相反してしまう。だから業者にはならないと、設立当初から決めていますし、今でもそうです。

ただ、「業者にならない」原則を、何があっても墨守するかといえば、そこまで厳しく考えていません。現実には、業者のポジションをとった方が、より多くの情報・スキルを得られることもあるのです。いまの私は、海外不動産の取扱業者ではありませんが、彼らの一部業務の代行くらいはやっています(特に頭を使う高付加価値の業務)。

いまの到達点からみれば、自分が業者になるかならないかよりも、「生活に困ってない」ことが大事かもしれませんね。家族や社員を食わせるためにプレッシャーを感じると、意に染まないクズ物件を紹介する羽目になってしまうかもしれない。でも食うに困らなければ、自分の良いと思うことだけやれる。

「生活に困らない」ためには、「低コストでオペレーション」することが大事。いまの日本では、人を雇ったり、外注したりすると高くつくことが多い。だからアジア太平洋大家の会の運営に関しては、私と副会長の二人で、自分でメルマガ書いて、自分でシステム構築・運用して、自分でセミナー動画撮って編集・配信して、作業外注するにも単発アルバイト程度…それを5年間続けてきました。あと移動も激安LCCか激安高速バス、宿泊は激安ホテルが基本です。

あとは、「生活に困らない」だけの収入を得ることも必要ですね。いまの私は海外不動産を主なメシの種にしてない代わりに、国内不動産の売買仲介で生活しています。こちらは、外国人を相手にすることもありますが、ガッツリ、ビジネスしてお金いただいてます。

 

2)会員・セミナー受講者の海外不動産リテラシー向上を主目的に掲げる。

こちらも、会の設立以来、心がけています。私たちが目指すのは海外不動産の販売セミナーではなく、受講者が海外不動産の情報や知識、スキルを高めるためのセミナーです。

ただ、私たちの主催セミナーは、業者の販売セミナーと、一見、区別がつきにくいかもしれません。現時点では、業者が私にアプローチしてきて、「この物件売りたいから協力して欲しい」という依頼から、セミナーを組み立てることが多いからです。

ただ、内容に関しては、毎回、セミナー講演資料に目を通して、会員の知識・リテラシー向上に寄与するよう、所謂「情弱セミナー」フォーマットに堕すことがないよう、業者さんにガッツリ要求させていただいた上で、セミナーを開催しています。

また、上記のような物件販売セミナーの他、会の独自企画として「失敗体験の共有セミナー」とか、「海外物件の管理・入居づけセミナー」とか、「融資づけセミナー」、「海外不動産の税務・法務セミナー」などを開催しています。

 

3)業者からコミッションをもらわない?

これも会の運営上、大事なテーマです。私たちが業者から販売コミッションをもらう問題点は、主に二つあると考えます。一つは、「コミッションもらうと、会員に物件買わせる方に誘導してしまう」リスクがあること、もう一つは、「万が一、業者が違法行為をして訴えられた時に、コミッションをもらってると共同不法行為に問われる」リスクがあることです。

それは本意ではないので、私は、販売コミッションをもらうよりも、コミッションをゼロにして、代わりに、セミナー開催費を業者からいただく方向に、移行しようと試みてきました。でも実際は、業者側からコミッションシェアにして欲しいという要望も強いのです。理想と現実のはざまで、柔軟に、ケースバイケースで判断しています。

 

こんな感じで、皆様の知識、リテラシー向上に役立つ海外不動産セミナーをお届けしようと、5年間、頑張ってきました。まだまだ改善点は多いですし、引き続き、進化を続けていきたいと思います。

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