こんにちは、Manachan@家族で台湾滞在中です。今回は、海外投資を成功させるのに大事な、「世界をフラットな目でみる視点」というテーマで書いてみます。
私がこの話をする上で、示唆に富んだ題材として、「岡田斗司夫メルマガ」をとりあげます。私、数年前からこのメルマガを愛読しており、岡田斗司夫氏の視点や人生哲学に大きな影響を受けています。昨年は女性スキャンダルがあり身辺も大変だったようですが、それを境に吹っ切れたのか、彼のメルマガ相談のクオリティがさらに洗練されてきた感があります。
今朝のメルマガから引用します。
【質問】「男の自撮りがキモいのはなぜですか?」”女の子の自撮りは可愛いのに、男の自撮りがキモいのはなぜでしょうか?”
【岡田斗司夫の回答】女の子の自撮りもキモいよ。女の子の自撮りを可愛いと思うのは、僕らが心の中に女子を飼ってないから。自分の心を女子に切り替えるとちゃんと気持ち悪い自撮りはナンボでもあるよ(中略)世の中には可愛くない女子の自撮りも無限に存在するし、笑える男の自撮りも無限に存在するからね。全体をフラットにみればそうでもないと思う。
なるほど。「心の中に女子を飼う」…実にうまい表現ですね。
「男子が、自分の心のなかに女子を飼う」のが簡単ではないように、
「日本の外で暮らした経験のない日本人が、自分の心のなかに外国人を飼う」のは、結構難しいことかもしれません。
自らの心のなかに、「日本人」と「外国人」を同時に飼うことができれば、すなわち「日本と外国を同じ基準でフラットにみることができる」ということ。これは海外投資で成功する上で、大事なリテラシーの一つだと思います。
外国、どの国でもいい、そこに生活者として暮らしてみれば、日本とは違う当地の物価・収入水準、住まい方、消費生活スタイル等を体験できるはず、同時に日本との共通点も見いだせるはずです。そういう経験を通じて、「○○国の生活者」という視座ができて、「日本の生活者」の視座と共存していく。
私の場合、日本育ちで、大人になってからオーストラリアに5年、中国に2年、台湾に1年、インドとアメリカに半年づつ、生活者そして給与稼得者(サラリーマン)として暮らしてきました。自分が現地でお金を稼ぎ、その範囲内で暮らし、マイホームや投資物件も買ってきた…その経験を通じて、「現地在住者の生活実感」を養ってきました。
たとえば台湾では、こんな場所に住んで、台湾人と一緒に働き、同じメシを食って日々暮らすことで、「生活実感」が養われるわけです。
卑近な例からいうと、「台北に暮らすフツーの台湾人にとって、150元(約550円)の昼メシは高いのか安いのか?」、「台北市内のファミリータイプ家賃として月額3万元(約11万円)は高いのか安いのか?」、「台湾の日用品、電化製品は、どのようなクオリティのものが売られていて、日本製の評価はどの程度なのか?」等からはじまり…
もう少し高度になると、「台湾の住宅ローンの利率は大体どの位で、年収の何倍くらいの家を、どこで買っているのか?」、「台湾人にとって、資産を殖やす方法として、どんなものがあるのか?」、「不動産投資でいえば、台湾の人々は、どの位の値上がり率や賃貸利回りを求めるのか?」等々のテーマがあります。
そこまで、台湾人目線で把握できて、日本と比較してみれば、「いま、年間延べ300万人以上もの台湾人が、日本に旅行に来るのはなぜなのか?」、「日本で不動産購入を希望する台湾人が多いのはなぜなのか?」などの問いに、自ずから答えが見出せるはずです。「日本と台湾を、同じ基準でフラットにみる」のは、そういうことだと思います。
台湾人が書いた資産形成の本・・・こういう本は、台湾の人々の投資スタイルを知る上で、とても勉強になります。
逆に、「フラットでない視点」の例として、どんなものがあるのか?
たとえば、2011年の東日本大震災のあと、日本の富裕層のあいだで、東南アジア新興国の不動産投資がちょっとしたブームになりましたが、その時によく使われたキャッチコピーは、
「日本が将来に不安だから、資産保全のため、マレーシアやタイに資産を移そう」
それ聞いた私は、「東南アジアで資産保全?何それ?冗談だろ!」と思いました。
日本の将来に不安があるのは、確かにそうです。資産を日本一国に集中させず、世界中に分散させる意味も分かる。でも、フラットな目でみた場合、世界中どの国にも、不安要素はあるはずです。それぞれの国に、具体的にどんなリスクがあるのか、大事な資産を守るという目的にふさわしい国なのか?それらもろもろを考えた時に、マレーシアやタイは、現時点では少なくとも、「経済成長で将来大きく育つかもしれないリスクマネーを置く国」ではあっても、「資産を安全に守る国」ではないはずです。
日本円の価値が今後どうなるか分からないとはいえ、せっかく、世界的な信用度の高い日本円の資産を持ち、かつそれを「守りたい」のに、業者に乗せられて、せっせと、マレーシアリンギットやタイバーツのリスク資産に換える日本の富裕層を横目にみながら、
「結局、業者も客も、日本しかみえてないんだろうねえ」
「東南アジアと日本を同じ基準でフラットにみた場合、そういう行動は普通取らないよねえ」
と思ったものです。
(※東南アジアがダメだと言ってるわけじゃありません。最悪なくなってもいい、でも、うまくいけば何倍になるかもしれない余裕資金の置き場としてば、十分アリな投資先です。)
2016年は、「アジア太平洋大家の会」の活動に関連して、「世界をフラットにみる」というテーマで、どんどん情報発信していきたいと思います。これからもご愛読のほど、よろしくお願いいたします。