外房の勝ち組都市・一宮(千葉県)

こんばんは。Manachanです。今回の日記は、千葉県の太平洋岸の町、最近不動産の取引で縁のあった「長生郡一宮町」からお届けします。

首都圏の一角を占める「千葉県」。ディズニーランドや幕張ベイタウンもあり、なんとなく都会なイメージもありますが、それは「千葉市から東京寄り」の話。千葉市から南、あるいは東に行くと、全くの別世界が広がります。

南の海に大きく突き出した房総半島。その西岸の東京湾に面した地域を「内房」(うちぼう)、東岸の太平洋に面した地域を「外房」(そとぼう)と呼びますが、いずれも、関東でも指折りの田舎・過疎地であり、厳しい人口減と産業衰退に直面しています。半島状のどん詰まりの地形ゆえ、工業や物流拠点として成立するのも難しい場所です。

さらに房総半島は、JR東日本から酷く冷遇されるエリアとして知られています。今年3月、北陸新幹線や上野東京ラインが開業した際に、大幅なダイヤ変更が行われましたが、特に千葉県区間の廃止・減便が目立ちます(リンク)。たとえば、

「特急あやめ」(東京~佐原)廃止
「特急さざなみ」(東京~館山)君津以南廃止、6往復⇒3~5往復
「特急しおさい」(東京~銚子)8.5往復⇒7往復に減便
「特急わかしお」(東京~安房鴨川)13往復⇒12往復に減便

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半島状の交通不便地を多く抱える千葉県は、県下54市町村のうち26市町村が「消滅可能性都市」(20~39歳の女性人口が、2010~40年の間に半分以下になる)認定されています。この26という数は、一都三県どころか関東で最多。うち、圧倒的大多数(24市町村)が、ざっくり「千葉市以南・以東」に位置する「東総」、「外房」、「内房」に集中しています。この地域は、全体の75%(32分の24)が「消滅可能性都市」という凄まじい状態。

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衰退一直線の地域のなかで、健闘が目立つ町があります。それが「長生郡一宮町」・・・東京から約80㎞離れた、九十九里海岸沿いの町。

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人口規模は1万2千人と小さく、めぼしい産業もありませんが、不思議なことに1970年以降、一貫して人口を伸ばしてきているのです。

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一宮町の南に隣接する「いすみ市」が、1995年頃をピークに人口を減らしており、すでに4万人を割り込んでいるのとは対照的ですね。

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なお、「いすみ市」は20~39歳女性人口が2010~40年の間に「55.3%減る」と予想される「消滅可能性都市」ですが、同時期の一宮町は「26.4%しか減らない」・・・これは、東京ベッドタウンである、八千代市、鎌ヶ谷市、成田市、柏市に次ぐ、千葉県内では極めて優秀な数字。2040年になっても、対2010年比で一宮町の人口は微減にとどまると予想されます。

なぜ、ここまで力強いのか?一つの要因として、町の中心駅「上総一ノ宮駅」の利便性の高さがあると思います。東京駅から直通する快速電車、多くは上総一ノ宮が終着です。というのも、外房線の複線区間がこの駅で終わり、次の「東浪見」(とらみ)駅以南は、一部を除いて単線になるからです。

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この上総一ノ宮駅の日平均乗客数は、1965年以来、ずっと3000人前後を維持しています。外房線内では、かなりの数です。同駅以南では、一宮町より規模の大きい都市の中心駅・・・大原、勝浦、安房鴨川等がありますが、どの駅の乗客数も上総一ノ宮に遠く及ばないばかりか、明らかに減少傾向となっています。

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また、一宮町が上手に発信する「サーフィン文化の魅力」も大きい。たとえば、サーファー上がりの宅建業者「波乗不動産」では、一宮町周辺の海沿いでサーファー向けのキューブハウス、トレーラーハウス、洋風輸入住宅など、ユニークな物件を数多く取り扱っています。

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また、外房の他の町に比べて、海岸沿いにおしゃれなカフェ、レストランの類が建ち並んでいるのも一宮の特色。「湘南・鎌倉のレベル」まで洗練されてはいませんが、「サマになる飲食店」は、ビーチライフには不可欠。電車交通の便利さとあいまって、一宮に都会のサーファーを呼び込む魅力の一つになっています。

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一宮町は、東京通勤圏から外れた田舎町にもかかわらず、なぜか転入が転出を上回る、「社会増」都市であり続けています。外房で社会増の自治体は珍しく、一宮町の他には、長生村、鴨川市くらいしかありません。しかも、転入元の第一位は、なんと「東京23区」なのです。そして5位は「横浜市」・・・一宮町は、都会から移住者を呼べる町なのです。

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先ほど言ったように、一宮町にはめぼしい産業、大きな雇用者はありません。町民勤労者の15%くらいは、近くの茂原市に通勤しています。また、アウトレットモールなど、大きな商業施設があるわけでもありませんし、大規模な開発計画などもありません。東京や千葉市のベッドタウンというにも遠すぎます。

人口わずか1万2千の田舎町。でも、いまの都会の価値観からいえば、「なかなかイケてる田舎町」なのだと思います。

・東京からアクセスが便利。特急料金の要らない、快速電車が10~20分おきに出ており、80分で着ける。

・駅、街、国道が、コンパクトにまとまっており、そこから海が近い。

・ビーチカルチャーを積極的に発信している。

・東京はじめ、他所から移住者を受け入れて、開放的なコミュニティになっている。

こういう条件が揃っているので、衰退傾向の外房エリアのなかで、一宮町が都会人に選ばれているのだと思います。なお、ここは戸建賃貸でそれなりに良い賃料が取れるし、海が近くて鉄道便利ならAirBnBやる余地もあるので、不動産投資の面でも面白いと思いますよ。

 

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コメント

  1. 外房線 快速 より:

    他の房総各線は利用者減少ばかりですけど、外房線は本千葉・蘇我・鎌取・土気・大網の利用者が増加して利用者数が逆に昔に比べ増加してて
    特に鎌取が800人から2万人ほどに激増してますね。

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