地盤と震災リスク

こんにちは、Manachanです。

「何を見ても東京の足元にも及ばないが、温泉だけは立派なものだ」…これは、夏目漱石の小説「坊ちゃん」に出てきた一節。舞台は、四国松山の道後温泉ですね。

今回、坊ちゃんの千葉県民バージョンができました。「何を見ても東京の足元にも及ばないが、地盤だけは立派なものだ」。舞台は、千葉県鎌ケ谷市。

東京から至近距離。代表駅の新鎌ヶ谷は、 成田スカイアクセス線、東武野田線、新京成線が交わる交通の要衝。日本ハムファイターズのスタジアムと、赤ちゃんサイズの「鎌ヶ谷大仏」もある、すげーやるじゃん!…とはいえ、周辺の船橋、松戸、柏といった大きな都市の影に隠れていまいち目立たない鎌ヶ谷市は、秘密兵器「大地震になっても揺れにくい!」地盤の強さを、ウリにしてきました。

近隣にある流山市のキャッチコピー「母になるなら、流山市」は、数年前から知られていますが、今年に入ってから鎌ヶ谷市の「ゆれにくいまち、鎌ヶ谷」ポスターも、東京の地下鉄で時々見かけるようになりましたね。

鎌ヶ谷市企業誘致なびサイトでも、「ゆれにくい安全なまち」が、第一のアピールポイントになっています。

(地盤が良いのはいいけど、それ以前に、防災をウリにするなら「行き止まりだらけの狭い道路なんとかしろよ」と、突っ込みたくなりますが…)

プリント

 

いまの時代、便利なもので、このサイトを使えば、全国どこでも、「何丁目」レベルまで、地面の揺れやすさ(表層地盤増幅率)が数値で把握できます。大まかに分類すると、こうなります。

2.0以上(特に揺れやすい)
2.0未満~1.6以上(揺れやすい)
1.6未満~1.4以上(場所によっては揺れやすい)
1.4未満(揺れにくい)

jiban

 

先ほど紹介した、「ゆれにくいまち鎌ヶ谷」も、この指標からいうと、大して良い数値ではないことが分かります。首都圏の平均的なレベルでしょうか…

鎌ヶ谷市役所(新鎌ヶ谷2丁目) ゆれやすさ 1.69 (揺れやすい、但し液状化しにくい)
鎌ヶ谷駅(道野辺中央2丁目) ゆれやすさ 1.57 (場所によっては揺れやすい、液状化しにくい)

 

いま、世間を騒がしている、横浜市都筑区の「傾斜マンション」問題ですが、このマンションが建っている地域の地盤は、数字からみるとかなり良い部類に入ります。

横浜市都筑区池辺  ゆれやすさ 1.05 (揺れにくい)

 

横浜市では数年前にも、西区三ッ沢で傾斜マンション問題が起こりましたが、こちらの地盤も実は悪くない。

横浜市西区宮ヶ谷  ゆれやすさ 1.30 (揺れにくい)

 

但し、地盤の比較的良い地域であっても、大型マンションを建てるにあたっては杭が支持層(地下数m~数十mにある強固な地盤)に届く必要があり、そこまで届いていなかった施工ミスにより、上記の問題が起こったわけですね。

yokohamamansion

 

軟弱地盤といえば、私の住んでる江東区東陽町なんてモロ最悪の部類に入ります。支持層なんて、長さ40~60mの杭を打ち込まないと届かない世界。

私の自宅―塩浜2丁目   ゆれやすさ  2.26 (非常に揺れやすい)
江東区役所―東陽4丁目  ゆれやすさ 2.29 (非常に揺れやすい)

  

江東区に限らず、城東・城北の下町~ベイエリアにかけての地盤は弱くて揺れやすい。ゆれやすさ2.0を超えるのは、23区中の過半を占める、「中央区、港区、台東区、墨田区、江東区、品川区、大田区、北区、足立区、葛飾区、江戸川区の12区の大部分」。東京を代表するビジネス街である大手町・丸の内の地盤も弱い。

 

では、揺れやすい地盤だと、どれくらいリスクが増すのか・・・同じ地域内で極端に揺れやすさが違う「千代田区飯田橋」を例にとってみましょう。

飯田橋1丁目  ゆれやすさ 1.42 (揺れにくいが、場所によっては揺れやすい)  ローム台地
飯田橋3丁目  ゆれやすさ 2.10 (非常に揺れやすい)  谷底低地

 

飯田橋1丁目と3丁目は数百メートルしか離れていないので、同一震源の地震波はほぼ均等に届くはずですが、地盤の強さが違うので表層での揺れ方が違います。3丁目は1丁目に比べて、今後30年間で震度6弱の出現確率が1.8倍、震度6強の出現確率が3.7倍になっています。同じ地震で、震度が0.5~1くらい違うのではないでしょうか。

飯田橋1丁目 飯田橋3丁目
揺れやすさ 1.42 2.10
震度5弱 99% 99%
震度5強 90% 98%
震度6弱 42% 75%
震度6強 6% 22%

 

いま日本で、「特にゆれやすい」2.0以上の軟弱地盤に上に生活している人が、2200万人いるそうです。私もその一人ですね。生まれた場所は、揺れやすさ1.48(柏市あけぼの4丁目)のまあまあ良い場所なのに、今は軟弱地盤2.26の江東区に住んでいる。

いや、それ以前に、いま事務所を構えてる品川区西五反田2丁目が「揺れやすさ2.37」じゃん!西五反田の一帯は「後背湿地」、説明を読むと「平野にある湿潤な低地で、粘性土、泥炭、腐植質土からなる地盤で、液状化しやすい」とのこと。私って、無意識のうちに、揺れやすい場所を選んでるのかな?

 

ま、それでもいいんです。人生、所詮は運なんです。いくら地盤が良くても揺れにくくても、施工不良とかでマンション建て替えが起こるんです。それに、東南アジアとかよく行ってるから、「2㎝くらいの傾きで大騒ぎになる」日本はかえって安全という感覚です。地震起こらない国だって、マンション施工が悪くて傾いたり、倒壊することだってあるんですから…

「マンションは一生もの」と思い込んで、横浜あたりで4000万くらいの新築マンション買って、地盤がどうだ、盛土か切土か、施工デベロッパーはどこかと一生懸命気に病んでも、問題起こる時は起こる。しかも、自分のコントロールの及ばないところで…

そんな不確実な世の中なんですから、4000万円のお金があったら、私なら資産を2つに分散しますね。都筑区あたりなら2000万円の中古ファミリーマンションいくらでもあるから、「東京の便利な場所に2000万円位、約40㎡の1LDK中古マンション」と、「横浜市都筑区内で3LDK、約70㎡、2000万の中古マンション」を分けて買う。万一、どちらか一方が問題起こしても別の住まいにすればいい。それに、東京勤めの帰り、都筑区まで帰るのが億劫なら都内の別宅に泊まればいい・・二地域居住みたいでかっこいいじゃん!

以上、東京でもとびきり地盤の悪い場所に住んで働いている奴の独り言でした。

 

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