東南アジア=親日の落とし穴

こんばんはManachanです。日本へ一時帰国、今日で3日目。柏の実家に来てます。明日は夜の便で真冬のオーストラリアに発ちます。

今日は全国各地で今年一番の猛暑日でした。実家の室内も暑いですが、ベランダに出ると自然の風が涼しくとても気持ちいい。蚊もいないので、このままベランダで寝ようかと思っています。

3日前まで、私はタイのバンコクにいました。タイ、マレーシア、インドネシア、ベトナム、フィリピンなど、東南アジア諸国は概して対日感情が良く、ビジネスしやすいということで参入してくる日本の企業や個人も増えてますね。

私は、東南アジアの不動産だけでなく、リアルビジネス関係のコミュニティや交流会などに参加する機会も多いのですが、そういう場で異口同音に聞く言葉がこれ(特に、基調講演とかでよく聞く)

「東南アジアは、中国と違って親日だからビジネスしやすい」

私は、国単位で親日とか反日とかってナンセンスだと思ってるし(リンク「反日、親日のナンセンス」)、日本人側の勝手な思い込みで隣国をレッテル貼りするのも賢明じゃないと思うから(リンク「反日国って意味あるの?」)、そういう言葉で同意を求められても、苦笑して軽い相槌打つだけにとどめてますが、

自らリスクを取って、東南アジアに打って出ていこうとする若いビジネスマンは、「日本にとって必要かつ大事な人材」だと思うので、なおさら、国家の色眼鏡で見ない、フラットな世界観を身につけてもらいたいと、我がブログで訴え続けています。

最初に戻りますが、東南アジア諸国が全般的に対日感情が良いのは事実だと思います。それは歴代指導者や先人たちの努力の賜物でもありますが、日本と東南アジアが地理的に隣接していないから、という事情も大きい。

一方、東南アジアの多くの国が、超大国・中国と隣接しています。国境紛争、不法在留や犯罪の問題など、中国との間に厄介な問題を抱えている国が多い。

ですが、だからといって東南アジアが概して「反中」だと思うのは早計です。

それどころか、東南アジアの多くの国の近代化は、かなりの部分を中国からの移民やその子孫によって担われたという歴史的経緯もあります。現在も、中国系財閥が経済の多くを牛耳っている国は多い。

人口の70%以上が華人であるシンガポール、約25%が華人であるマレーシアはもちろん、華人社会の色彩が比較的薄いタイやフィリピンでも、華人系の経済パワーは昔も今も絶大です。

たとえばタイ…同国20大財閥のうち、17の財閥が華人系で占められています。タイのデパート王「セントラルグループ」とか、世界的なアグリビジネス大手「CP(チャロン・ポカパン)グループ」、象のマークのビール「チャンビア」で知られるTCCグループ、カシコン銀行やドゥシタニ・ホテルなど、タイの有名な企業グループはほぼ全て中華系です。

タイの華人(or中国系タイ人)は、潮州系(広東省沿岸部の潮州出身者グループ)と客家系(主に広東省内陸部をルーツとする客家族グループ)が二大勢力で、タクシン前首相やインラット前首相は客家系です。ついでに、シンガポール建国の父リークアンユー氏も、フィリピンのコラソン・アキノさんも現大統領も客家がルーツ(あと、うちの奥さんも客家系…)

フィリピンついでに言うと、同国を代表する財閥も、昔はスペイン系が強かったですが今は中国系の勢いが良い。今やフィリピン最大の航空会社になったLCCのセブパシフィック航空を擁するのは中国系フィリピン人のゴコンウェイ家だし、フィリピンのデパート王、海外送金王「SMシューマート」グループの総帥も中国系のヘンリー・シー氏。

彼ら華人系財閥は、何百年も前から、東南アジアに出てリスクをとって事業を続け、それぞれの国を代表する大財閥を築き上げてきました。彼らの存在・事業活動なしに、東南アジア経済は機能しないし、ポッと出の日本企業が出ていったところですぐには歯がたたない…まず、そのリアリティを認識することから始めなくてはなりません。

日本人が東南アジアにビジネス進出するにあたって、彼らが「親日であり反中」という無邪気な思い込みは危険です。国民感情はどうあれ、どの国もほぼ、経済は華人系が牛耳っているのだから、東南アジアのビジネスで華人を敵に回すのは得策ではありません

むしろ、現地の華人系企業とウィン・ウィンの関係を築いていかなければ、日本人のビジネスは伸びていかないでしょう。

そういう事情があるので、東南アジアでは英語のほか、中国語の重要性が大きいです。タイでもベトナムでも、日本語学ぶ人はまあまあ多いけど、それよりはるかに多い人数の中国語学習者がいます。

東南アジアの人は、現地人系、華人系を問わず、日本に対するイメージは概して良好です。あと華人系とはいえ現代中国語を流暢に話せるとは限りません(特にタイの華人は、中国語概してヘタ)。彼ら、日本人が中国語話すとははなから期待していないから、我々が中国語で話せば好感度がずっとアップしますし、尊敬もされますよ。

東南アジアに出て反日、親日うんぬんするより、さっさと中国語と英語を学んで人脈を広げよう…というのが、私の意見です。

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