ヘイトスピーチやめられない国で…

おはようございます。Manachanです。オーストラリア滞在、最終日。いよいよ帰国です。

いま日本で話題のトピックのひとつが、「ヘイトスピーチ法規制化」のようですね。

日本に限った話ではありませんが、他者(他国、他民族、特定地域・グループ等)への憎悪をあおる言説=「ヘイトスピーチ」は、社会の調和や平穏を乱す問題として深刻に捉えられます。ヘイトスピーチ自体が法律で規制されている国も少なくありません。

日本社会の文脈では、近隣国(韓国、中国)や、その国籍をもって日本に居住するいわゆる「在日」の人々に対する「ヘイトスピーチ」が表面化。今年7月には国連人権委からも勧告を受けています。

各国の人権状況を審査する国連人権規約委員会は7月24日、日本政府に対し、在日韓国人らに対する「ヘイトスピーチ」(憎悪表現)と呼ばれる人種差別的な街宣活動に懸念を示し、差別をあおる全ての宣伝活動の禁止を勧告した。

8月7日には、舛添都知事が安倍首相に、ヘイトスピーチの法制化を要請、

東京都の舛添要一知事が7日、首相官邸で安倍晋三首相と面会し、ヘイトスピーチ(差別的憎悪表現)に対し、「人権に対する挑戦。2020年五輪を控えた東京でまかり通るのは恥ずかしい」として法規制をするよう求めた。安倍首相は自民党内で対策を検討させる考えを示した。

これに対し、8月10日、保守派を自認する元航空幕僚長の田母神俊雄氏が ツイッターで懸念を表明。これに同調するように、いわゆる「ネトウヨ」界隈から、舛添知事や安倍首相に抗議のメールが殺到しているとか…

8月7日、東京都の舛添知事が安倍首相と会談し、ヘイトスピーチを法規制するよう要請しました。安倍首相は「自民党内で検討する」 と約束しました。これは保守派にとって、とんでもなく危険な話です。ヘイトスピーチの法規制は、保守派を黙らせ、左翼リベラルや外国人を利するだけのものです。

【国際結婚して日本に住んでいる身なので…私も同じ気持ちです】

冷静に考えて、今の日本でヘイトスピーチの法規制化は難しいと思います。

1)ヘイトスピーチと政治言論は紙一重で、境界線を引くのが難しい。誰が法制度を設計しても、特定の思想のバイアスがかかるし、規制の対象として何を想定するかによって、すぐ思想闘争のネタになってしまう。

2)通常、この手の法制化はリベラルと呼ばれる人々が熱心。しかし日本でリベラルは政治的に無力で、リベラル色の強い法規制の実現の目はたぶんない。

3)日本の政治・言論で力を持つ保守派は、概して、法規制化に消極的、懐疑的。

4)日本のヘイトスピーチの対象がしばしば近隣国(民)であり、かつ近隣国でも日本(国民)に対するヘイトスピーチの問題があるため、国際政治闘争の格好の道具にもなりやすい。

報道によれば、ヘイトスピーチ対策を自民党内で検討しているようですが、どういう表現を規制するのか?罰則規定を設けるのか?…そうした「各論」が出てきた時点で間違いなく反対続出。

結局、多くの人が納得できる線として、言論のなかに明らかな脅迫の内容が含まれているものだけ取り締まる。あるいは、ヘイトスピーチと暴力が結びついた、いわゆる「ヘイトクライム」だけ取り締まる、みたいな穏当な内容にならざるを得ない。罰則を設けるのも難しいでしょうし…

そうなると、「ヘイトスピーチ規制」をわざわざ法律にする必要あるの?という議論になるだろうな。現行法だって、名誉棄損や脅迫罪、侮辱罪もあれば、集団訴訟だってできるわけですから…

ただ、法規制化の目が薄いとしても、日本国をリードする政治家は、思想信条の如何にかかわらず、少なくとも、日本国憲法12条、13条が謳う、個人の自由・権利と公共の福祉が調和する言論環境をつくることに尽力して欲しいと思います。

憲法12条:この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。

憲法13条;すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする

日本国民の自由と権利は最大限、尊重されるべき。しかしそれは、公共の福祉に反しない限り、という制限を受けます。

公共の福祉を阻害する自由の行使(=濫用)、たとえばヘイトスピーチは、許してはならない。ヘイトスピーチを繰り返す人間を、言論の場から排除するような仕組みをつくることに、尽力しなければなりません。オリンピック招致するような国ならなおさら…

ヘイトスピーチ法制化が難しくても、現行法体系の運用強化は十分可能でしょうし、また、ヘイトスピーチにつながる言葉や表現を自主規制する目的で、国際機関や欧米の公共機関・私企業で広く採用されているスピーチコード(Speech code)の日本での導入・普及にも前向きに取り組んでいただきたいと思います。

あと、タモ(田母神)さん、左翼リベラル主導のヘイトスピーチに、懸念を表明する気持ちは分かりますが…「左翼リベラル=ヘイトスピーチ反対」、「保守派=ヘイトスピーチ容認」みたいな印象を与えてしまうのは、たぶん、悪手だと思いますよ。

日本のヘイトスピーチは、在特会みたいな国粋派の専売特許じゃないでしょう?左翼だって、思い切りヘイトスピーチするじゃないですか?

震災以降、「放射能は微量でも危険」というテーゼに基づいた、反原発運動を展開。「福島は放射能危険、住めない、すぐ避難すべき、福島の農産物は忌避すべし」みたいな、特定地域や人々に対するヘイトスピーチを野放しにした責任は、「左翼」の方が重いでしょう。

ヘイトスピーチ対策の文脈で、「保守派」を守りたいのであれば、わざわざ自分たちだけを悪者にしなくてもいいのに…と思う。別に、私は保守派・ネトウヨにも、左翼にも、シンパシーを感じませんけど、傍からみて、どっ
ちもどっちだと思う。

右でも左でも、関係ない。日本は未だに、「ヘイトスピーチを許さない」という強い意志が感じられない社会だからこそ、この種の問題が、次から次へと、表面化するのだと思います。

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