福島不動産の黄金時代(2014夏・福島紀行その弐)

おはようございます。Manachanです。いま福島駅前のビジネスホテルにいます。

昨日は、いわき市を出発、広大な阿武隈高原を越えて、長駆、福島市までドライブしてきました。昨晩は、福島現地の友人と楽しい&美味しいオフ会でした♪

いわき~福島への移動中、福島第一原発から5㎞ほどの地点まで接近しました(それ以上は許可がないと入域できません)。いわき市は普通に栄えて人口も増えていますが、そこから北上して、第一原発に近づくほど無人地帯になっていきます。

・広野町までは、まだいい。商店やお店の5~6割くらいが戻っている感じ。駅前の銀行も営業中。

・そこから北上して、楢葉町に入ると、ほぼ無人の世界。避難指示が解除されたばかりで、住民の多くは戻っていません。商店も開いてるのはコンビニ、ガソリンスタンド数軒のみ。

・さらに北上して、富岡町に入っても、無人地帯が続く。ここは、震災の爪痕が生々しく残ります。町内の道路は陥没、亀裂だらけ、沿岸部の津波被害は目を覆うばかり、北部は放射線量が高く、北隣の大熊町との境界付近から帰還困難区域になって入域できない。

絵柄として、一番ショッキングだったのが、やはり、富岡の駅前でしたね。ここは、2011年3月11日から、時計の針が止まったままでした。

駅舎は流出、商店街は壊滅、クルマは逆さに倒れたまま放置…富岡駅など、原発至近のエリアは、最近まで出入りできなかったので(今でも、許可なしで行けるのは日中のみ、宿泊は原則禁止)、他県の津波被害を受けたエリアに比べて、復興は大きく遅れています。

「富岡は負けん!」という標語の後ろに、ホームだけ残った富岡駅、その後方には青い海がみえました。

富岡から北へ、次の駅「夜ノ森」は、内陸寄りなので津波被害こそありませんが、放射線量が高く駅自体が帰還困難区域に指定されていて、入れません。(駅西側の道路を日中ドライブするのはOK)。

夜ノ森駅北側の道路には、TVでしか見たことのない、帰還困難地域のバリケードが眼前に広がります。この一帯は新興住宅街で、一見何の被害もないのに人が住めないという光景はなんともシュール。

夜ノ森から西へ進路を変え、川内村、田村市、二本松市、川俣町などの山間部を通って、福島市に入る。道路上はどの地域でも、「除染作業中」の看板が見えました。

・川内村:人間の生活の匂いが感じられる。住民やお店の5~6割くらいが戻っている感じ。村の中心部は放射線量が低く、目立った震災被害もほぼなし。

・田村市(都路地区、船引地区):特に変わったところはなし。商店も開いており、バスも運行中。

・葛尾村:かなり人が減っている感じ。荒れた空き店舗が目立つ。

・二本松市(旧岩代町、東和町):平常通り。震災の影響はほぼ見られない。

・川俣町:平常通り。震災の影響はほぼ見られない。

・飯舘村:ほぼ無人地帯と化している。但し交通量多く、商店はいくつか営業中。

・伊達市(旧月館町、霊山町):やや人が減っている感じ。荒れた空き店舗がいくつか。

・福島市東部(渡利、大波):放射線量は近隣と比べて低くはないが、福島市街地近くでは新興住宅の建設が進み、人口が増えている感じ。

福島駅前に着くと、ホッとしました。やっぱり、街っていいなあ…

私、ここまで走ってみて、なぜ震災後の福島県において、三大都市(福島市、郡山市、いわき市)に人口が集まっているのか、理由がよく分かりました。

震災と原発事故で、無人(に近い)地帯と化した広大なエリアから、三大都市に人々が押し出されて、市民として定着したからですね。加えて、全国から集まった除染作業員も住宅・宿舎を借り、その多くは三大都市に集中する。

人口再集中の結果、三大都市では、次のような現象が起こっています。

・空室率の著しい低下
・家賃水準の上昇
・不動産価値の上昇
・新築の戸建住宅や賃貸用アパートの相次ぐ建設

すでに、三大都市に引っ張られるかたちで、福島県の住宅地公示地価も上昇しています。東北地方では宮城県に次いで二県目。

そして、平均1.2%上昇という控えめな数字からは想像もできないようなバブリーな話が、地元の友人から聞かれます。

・福島市で賃貸住宅の空きは、もはや、ない。週刊誌に空き物件情報出しても、瞬く間に予約が入る。

・福島大学(福島市金谷川)の近隣で賃貸住宅借りられないので、電車で40分離れた郡山市に部屋を借りて通う学生もいる。

・福島市から北に12㎞離れた桑折(こおり)町の賃貸アパートが、全室、除染作業の会社に借り上げてもらった。福島市内で借りられる部屋がないから、市外まで探さざるを得なかったのだという。

・いわき市の賃貸住宅の賃料も高騰が続き、家賃負担に耐えられなくなった人から地元(広野町など)に帰っている。お金のある人はいわきに家を買う。

もともと、福島、郡山、いわきに賃貸住宅を持っていた人は、満室、家賃上昇、不動産価値上昇でウハウハな人が多いでしょうね。震災後の仙台とほぼ同じ現象。ただ、今から買ってもすでに高騰しているから遅いみたいです。

震災に原発事故という特殊な要因が絡んで起こった、福島県の不思議な復興不動産景気。今後、いつまで続くのでしょう?

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コメント

  1. タム より:

    1. あと三年後がらピーク
    そのあとは、しぼんで来ると思います。
    http://ameblo.jp/tamuya17/

  2. manachan より:

    2. Re:あと三年後がらピーク
    タムさん

    >あと三年後がらピーク
    そのあとは、しぼんで来ると思います。

    福島・郡山に関しては、私もそう思います。
    いわきだと、ピーク5年後くらいかな?
    http://ameblo.jp/manachan2150/

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