前回の日記の続きです。
ラオス…東南アジアで一番地味で目立たない国。人口600万人台しかおらず、山がちの内陸国で、大きな貿易港もつくれない国土、主要産業は農業と繊維くらいで、ASEAN最貧国のひとつに数えられる。
そんなラオスに、私が注目する理由は何か?鍵を握るファクターは、3つあります。
1)ASEAN屈指の製造業大国になった「タイ」の存在
2)昨今の「タイ・プラスワン」の動き
3)2015年末に予定されている「ASEAN経済統合」
時代の流れが、経済的に出遅れた小国ラオスを、一挙にフロントランナーに押し上げるかもしれない!その可能性を、ASEAN製造業の中心地「タイ」の視点から見ていきましょう。
【ラオス人はタイ人の言葉が分かる!】
ラオスは、東南アジアで唯一、タイと同一言語・文化圏、同一経済圏に属する国・・・その意味は、ものすごく大きいかもしれません。
タイの政治経済の中心は、首都バンコクを含む「中央部」ですが、面積的には「イサーン」と呼ばれる東北部が一番大きい。イサーンから、さらに北に行けばメコン河があって、その対岸が「ラオス」。
タイとラオスは、別々の国ですが、昔から人々の行き来があって、同じ言葉を話す。つまり、ラオス語はタイ語の東北方言みたいなもの。
日本でいうならば…東京から北上すると、東北地方になり、津軽海峡を渡ると、対岸は別の国「北海道」だが、東北の人間と北海道の人間は言葉が通じる・・・そんな感じですかね。
【タイプラスワンとは?】
いま、タイは工業の発展著しく、経済的には我が世の春を謳歌しています。一方で、足元では少子化が進み、労働人口がまもなく減少局面に突入。人手不足ゆえ賃金も上がる一方。加えて、政治不安に洪水等、タイに製造拠点を一極集中しておくリスク・デメリットが、顕在化してきた近年、
「タイプラスワン」という言葉が生まれた…タイにメイン工場を維持しつつも、労働集約的な工程は、タイの周辺にある労賃の安いCLM諸国(カンボジア、ラオス、ミャンマー)に外出ししよう、というコンセプトです。
この三ヶ国のなかで、一番注目されているのは、タイよりも労働人口が豊富なミャンマーで、人口小国であるカンボジアとラオスは、タイの代わりにはならないとされていますが、完全な代替にはならなくとも、タイが担ってきた一部工程の受け皿になれば良い、ということであれば、CLM諸国で唯一、タイ人と言葉がそのまま通じる「ラオス」の存在が光ってきます。
せっかく、お金と時間をかけて教育したタイ人の工場長やエンジニアを、そのまま通訳なしで、ラオスの新工場に送り込める意味は大きいはず。ミャンマーやカンボジアでは、できない芸当ですから。
【2015年ASEAN統合のインパクトは?】
ASEAN統合は、タイからラオスへの工場移転を後押しするはずです。なぜなら、
・道路・物流インフラは、国を超えて、整備される。
・通貨は、統合しない。
・ASEAN域内の関税がゼロになる。
ラオスからは、タイとベトナムに抜ける、東西回廊(国際高速道路?)が建設されるので、大消費地バンコクや、ベトナムの貿易港への時間距離が大幅に短縮されます。
そして、通貨統合されないので、統合後も自国の弱い通貨「ラオス・キップ」がそのまま使える。タイとの労賃格差は当面、温存されるでしょう。
その上で、関税がゼロになれば、メイド・イン・ラオスの製品が、そのまま、東南アジア全域に輸出できる。
ラオスにとって、経済飛躍に向けて、願ってもないチャンス到来!ですが、それを上手に活かせるかどかは、ラオス次第ですね。3月下旬の視察が、とても楽しみです。
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1. こんばんは!
ブログ読みました^ ^これを機にいろいろ交流持てればと思います!応援しています^^
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2. どうもはじめましてです*
おじゃまします☆彡環境事業から飲食店までいろんな仕事をしている、川口と申します。ぜひ、僕のブログにも遊びにいらしてください☆彡
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