火力発電党つくっては?

おはようございます。Manachanです。

昨晩から、柏の実家に来ています。都内から電車で30分北上して、柏駅に着くと、冷たい北風に震え上がり、朝起きたら、車という車とのフロントガラスに、分厚い氷が張りついていました。

今年一番の冷え込みになった柏市では、最低気温がマイナス2.1℃、昼間も最高気温6.4℃しか上がりません。すでに真冬の天気ですね。明日は初雪が降るという話も・・・今年の冬は寒い。

余談ですが、両親が明日、南房総の御宿(おんじゅく)海岸へ小旅行に行きます。同じ千葉県でも、御宿の気温は、柏より5℃も高く、「いっそ、暖かい御宿に移住したらどうか?」みたいな話になりました。

日本全国が寒い冬になると、気になるのが電力需給の問題。昨年3月の、大震災、原発事故以降、日本のエネルギー構成は劇的に変貌しました。

原子力の構成比 34% ⇒  5%
火力の構成比  55% ⇒ 90% 

震災直前の電源構成
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震災後(2012年前半)の電源構成
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ここで、水力の構成比が11%から5%に減っているのに注目。原発がやせ細ると、原発電力に依存していた「揚水発電」も減るので、極端な「火力一辺倒」になるわけですね。世の中、みんなが期待していいる「太陽光」「風力」などは、全体の1%にも満たない(その他:0%)ですから、揚水発電の不足分さえ、補えません。

2011年の各月別に詳しく見ていくと、震災以降、原子力の構成比が劇的に減った不足分を、LNG(液化天然ガス)、石炭、石油の輸入による火力発電増強でしのいできたことが、一目で分かりますね。


2011年4月と、12月の構成比比較
原子力 28.2% ⇒ 7.4%
火力  63.0% ⇒ 86.1%
(燃料別内訳)
LNG   38% ⇒ 46%
石炭  20% ⇒ 23%
石油    5% ⇒ 16%

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いま、衆院選の直前で、ミニ政党が乱立し、各党とも「脱原発」を主要政治課題にして、舌戦を繰り広げているわけですが(みんな、票が欲しいんだよね・・・)、

実態をみれば、日本の「脱原発」はすでに、劇的なスピードで実現しつつあると思います。

日本で今後、原発の新規立地は、当面無理でしょう(米国でも、スリーマイル事故の後、新規原発の建設は30年間止まりました)。定期点検などで停止中の原発再稼働も、電力会社の一存では決められず、間違いなく政治課題になるので、難易度は高い。

また、原発というテクノロジーの特徴から、仮に商業運転を停止しても、その後、廃炉、放射性物質の貯蔵・処置に、今後、何世代の長きにわたる管理が必要で、それは純粋技術的な領域になるので、政治課題に馴染みにくい。

私が分からないのは、

政治家が今のタイミングで、「脱原発」を言う意味って一体何なの?具体的に何を目指すの?

衆院選を目指す政党、いま15くらい乱立してますが、どの政党も、「原発を積極的に増やそう」なんて主張してない。せいぜい言って、脱原発を急進的にすすめるか、漸進的にやるのか・・・ニュアンスの違い位しか感じられない。

脱原発(卒原発?フェードアウト?)、という長期的な方向性で、日本中の政党がおおむね一致しているのなら、今さら、政治的な争点になるのだろうか?「脱原発なんとか・・・」みたいな政党をつくる理由ってあるんだろうか?

それに、

大部分の政党が、「脱原発」とセットで「自然、再生可能エネルギーの普及」みたいな、耳障りの良いことしか言わないのも不満。なぜ、日本の発電比率90%を占める火力発電のことをロクに言及しないのでしょう?

火力発電なしには、私たちの近代生活は、一日とも、成り立ちません。火力があったからこそ、昨年の暑い夏、寒い冬も、日本は停電なしで乗り切ったのです。もちろん、私たちの節電努力もあったし、発電の現場にいる方々の努力も忘れてはなりません。


しかし、9割にまで高まった火力への依存度を、日本は今後、どうしていくのでしょうか?

今後、長期にわたり、オーストラリア、インドネシア、マレーシア、ロシアなどから、LNGや石炭を輸入しながら、CO2を出し続けるのですか?

物事の本質を考えれば、脱原発より、「火力発電を中心とする、日本のエネルギー・発電をどうするか?」の方が、主要な議題ではないですか?

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少なくとも、分かっていることは、

私が生きている間、発電構成比で、火力が、50%を下回ることはありえない。

「2030年、原発ゼロ」のシナリオでいく場合、政策を総動員して、自然エネルギーを大幅拡充しても、火力依存度は65%を下回らない。

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それに、電力は産業を支える屋台骨ですので、経済的な視点も忘れてはなりません。LNG火力、石炭火力とも、他の方法に比べて明らかに安価ですので、依存度を下げることは難しいでしょう。
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太陽熱、太陽光、風力、バイオマス・ゴミ発電・・・といった自然・再生可能エネルギーの普及はもちろん大事だし、

マネジメントの視点でいえば、東電、関電といった、独占企業による大量生産・供給体制だけでなく、多様な会社が、それぞれの地域にあったエネルギーの生産・供給を担うということも必要でしょう。

そして、忘れてはならないのは、

日本においては、自然・再生可能エネルギーの普及よりも、火力発電のイノベーションの方が、数値的な効果が高い

私は大学時代、火力発電の基礎技術の一つである、「流動層工学」の研究室にいたことがあります。

一言でいうと・・・石炭という、固形物を効率的かつ完全燃焼させる技術として、高温に熱した粒子に風を送り込んで、流動層をつくり、そこで固形燃料を送り込んで燃やす技術。

(“細かい粉末を、たくさん、炉の底に入れて、1000℃くらいに熱して、風を送り込んでボコボコいってる中に石炭を放り込んで燃やす”・・・といえば、当たらずとも遠からずかと)

この技術は、石炭火力だけでなく、ゴミ発電、バイオマス発電などにも応用できるので、エコテクノロジーの一つとして、1990年代には注目されていました。

当時、石炭火力の世界では、流動層を使って、発電端効率を「40%から、42%に」上げるにはどうしたらいいか・・・これが世界中の学者・技術者の関心事でした。

テクノロジーの進歩は凄いものです。今や、流動層よりも、「石炭ガス化燃焼」、「コンバインドサイクル発電」の時代になり、発電端効率も、すでに「59%」という、当時からすれば夢のような数字を、日本(川崎火力)はたたき出しています。

日本全国の発電端効率も、すでに45%を超えてきており、改めて、「凄いテクノロジーの国」だと思います(近年は効率改善が伸び悩んでますが・・・)

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今から、発電端効率を5%上げるのは、技術的にも経済的にも難度が高い話ですが、それができた場合、単純計算で、10%の化石燃料を節約できることになります。

化石燃料 100 ⇒ 発電 45  (発電端効率 45%の場合)
化石燃料  90 ⇒ 発電 45  (発電端効率 50%の場合)

すでに、火力依存率9割の日本において、これだけの化石燃料の節約効果と同等の発電能力を出すために、今後、自然・再生エネルギーを、どれだけ増やす必要があるのか?単純計算で、日本全体の9%(=90%x10%)を担わなければなりません。現在1%にも満たない構成比を、9%に上げる話なわけです。

もちろん、日本はそのチャレンジを続けていく必要があります。ただ、「脱原発」を果たす手段として、「自然エネルギーの普及推進」と、少なくとも同等以上には、「火力発電の高効率化、イノベーション」を考えていかねばならない。

そして日本は、化石燃料のほとんどを輸入に頼っているわけだし、今後当面も、それが続くわけですから、外交・エネルギー安全保障という視点も、忘れてはならないと思います。

ですので・・・技術屋的な視点でいえば、

「脱原発を実現する党」をつくるより、「火力発電を劇的に改善する党」をつくってみては?

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コメント

  1. 不動産投資で海外移住by三歩目 より:

    1. 重電企業は
    火力発電機の開発シフトしてるのではないでしょうか。
    猪瀬副知事、鈴木宗男党首などは火力にかなり言及してますよね。
    脱原発系の新党は票が取れるかどうかは別として、
    現実的な提言をするようにならなければ、今後存続しないでしょう。
    最低でも、
    鉄工所や大工場は自衛+売電ができるように解放して欲しいところです。
    円安でホントにいいのかとても気になります。
    採掘の研究にお金使うべきですね。
    CO2については、当面そこまで余裕無いですね。
    http://ameblo.jp/3rd-step/

  2. manachan より:

    2. Re:重電企業は
    >不動産投資で海外移住by三歩目さん

    >猪瀬副知事、鈴木宗男党首などは火力にかなり言及してますよね。

    私、エネルギー政策だけでいえば、ムネオさんの言うことに、一番共感できます。

    >脱原発系の新党は票が取れるかどうかは別として、現実的な提言をするようにならなければ、今後存続しないでしょう。

    その通りですね。
    http://ameblo.jp/manachan2150/

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