おはようございます。Manachanです。今日は、ケアンズ滞在最終日。
昨日、義父の葬儀というか、「偲ぶ会」(Memorial Service)が終わりました。といってもセレモニーではなく、皆で集まって飯食っただけですが、一応、その場にいたことで、入り婿の義務は果たせたかなと思っています。
日本にいると、信じられない話かもしれませんが、オーストラリアの華人社会では、葬式をあげる習慣がないそうです。
誰かが亡くなっても、別にセレモニーやるわけでもなく、周りの人も、「あっ、亡くなったの」の一言で済んでしまうのが常だそうで・・・
習慣がないだけに、葬式やるか、やらないかは、各個人の判断次第になります。
広大なオーストラリアとはいえ、都市部では日本と同様、火葬が一般的になっています(埋葬もありますけど・・)。義父の遺体も、火葬場で骨になり、壺に入れられて、自宅に戻ってきました。
オーストラリアにお墓もないので、当面の間は、自宅に眠ることになります。
義父は、1929年に、上海の長寿路というところで生まれました。生粋の上海人です。20歳頃、共産党が中国統一した時代に、国民党とともに台湾に逃れ、そこで紆余曲折の末、客家系台湾人である義母と知り合い、結婚します。夫婦は15歳も離れてますので、かなり遅い結婚だったようです。
仕事は、主に米軍付きの飛行機整備エンジニアで、アジア各地の、米軍基地がある場所を転々としました。まずは日本の横田基地で6年間働き、東京都立川市(JR青梅線東中神駅の近く)に住み、そこで、長女と次女が生まれます。
後に、三女が台湾で生まれ、それが後に、私の妻になります。最後の子供(長男)は、妻から遅れること5年、タイで生まれました。この夫婦は結局、3か国で、4人の子宝に恵まれたことになります。
1976年に、オーストラリアがアジア系移民に門戸を開いたのをきっかけに、一家そろって、移民することになり、数年後、ケアンズが後の棲家となりました。
一家はケアンズで事業に成功し、それなりに財をなしました。4人の子供も大人になり、華僑の一族らしく、4人とも、別の国・地域に暮らすことになりました(長女=香港、次女=台湾、三女=日本、長男=オーストラリア)
おそらく、義父は上海を離れて以来、一度も、里帰りしたことはないはずです(台湾なら、何度か行ってますけど・・・)。
1998年のこと、目覚ましい経済発展を遂げる上海に、夫婦揃って行く機会がありました(注.私は妻と、1997年に結婚しています)。
せっかくの機会ということで、義父の育った、長寿路界隈も歩いてみましたが、そこには、信じがたい風景が広がっていました。
路地が全部つぶされ、40-50階建ての高層ビルが建つところだった・・・
妻と私は、それを、義父に報告しました。「原型とどめてない」故郷に帰っても仕方ないと思ったのか、彼は二度と、中国に行きたいと言わなくなりました。その時に、もう70歳近かったわけですが・・・
いま、上海の長寿路は、地下鉄駅もでき、都心(静安寺)に近い住宅地として、それなりにオシャレにもなり、庶民にとっては憧れの地・・・みたいな世界ですが、
義父は結局、上海の土地を目にすることなく、オーストラリアの土に還っていったのです。
上海・長寿路に生まれ・・・
83年後、ケアンズの土に還る・・・
私は、日本に生まれて、今は、世界中を転々としています。
ただ、自分の生まれた日本に対して、義父のようにドライになれるかというと・・・たぶん無理。
ま、日本以外の土地で、自分が死んでもいいと思ってますし、遺骨も、わざわざ日本に戻さなくても、そこの土地に返ればいいと思っていますが・・・
とはいえ、生きてる間に、日本に一度も里帰りしない人生なんて、私には考えられません。
義父は、あっさりと中国の国籍を捨て、オーストラリア国民になりましたが、私は日本国籍を捨てる気はないですし(普通考えて、ここまで使えるパスポートを捨てるメリットはないし・・・)
「日本国籍」+「オーストラリア永住権」の組み合わせで、この2か国にはいつでも住める、というポジションを取り続けると思いますし、
仮に将来、オーストラリアに住むことになっても、日本への里帰りは、毎年欠かさず、やるつもりです。
1. 今日の読み物は
今日の読み物は面白かったです。
普段考えたこともなかったことです。
http://ameblo.jp/younaivy526/
2. Re:今日の読み物は
>美女と不動産と海外投資 天竜靖さん
コメントありがとうございます。確かに、華僑の人生観、国家観は、良くも悪くも、日本人と正反対ですね。彼らに学ぶべきところも多いと感じます。
http://ameblo.jp/manachan2150/
3. 無題
先日はご意見ありがとうございました。私もケアンズへの移住を目指していますが、最後は日本に戻って来るかもしれませんね。(妻は最後は東京に住みたいと行っております。)
http://ameblo.jp/paradisepalm/