安易な海外不動産ブームに苦言

昨日、4月28日(土)の午後、三歩目さんの東京セミナーに行ってきました。

三歩目こと山崎初一さんは、元SE(私の同業者♪)で、日本での不動産投資から得る家賃収入で、東南アジア各国を漫遊しながら、暮らしているブロガー。

健美家の大家列伝インタビューに載ったほどの方なので、ご存じの方も多いかと思いますが、

「東南アジアなら、月5万円もあれば十分暮らせる」と豪語する彼は、ベトナムやタイ、フィリピン、ラオス、カンボジアなどの安宿に泊まり、LCC(格安航空会社)と、カフェの無料WiFi、Skypeを駆使して、時間と空間を自由に行き来する暮らしを満喫しています。

日本にも、時々来ているそうですよ。もちろん、暖かい時期に・・・


私は、1年以上から、彼のブログのファンです。日本でのセミナーが実現するのを、おそらく誰よりも、心待ちにしていた一人です。

東京セミナーは3時間にわたる、独壇場でした。東南アジア各国事情のほか、彼の投資哲学を、余すことなく語った、濃密な3時間。

とても魅力的なセミナーでしたよ。とにかく一貫して、「自分」を主語にして、語っているのがイイですね。

自分はこういう状態を実現したい、そのために、今これをやる・・・という判断軸が明確。

まず物件ありき、収益・利回り・融資ありきではない、まず自分の投資戦略ありき・・・業者主催の不動産セミナーにない、正直な語り口が魅力ですね。

私は今後、5月22日の賃貸住宅フェア福岡講演と、7月には東京講演を控えていますが、三歩目さんセミナーを参考に、レジュメの構成を見直そうと思いました。その意味でも、行ってよかった♪


東京セミナーの詳しい内容については、参加者による秀逸レビューがありますので、そちらに説明を譲るとして、

昨年から、日本でちょっとしたブームになっている「海外不動産投資」に関しても、彼独自の経験や見方から、ありがたい苦言を呈してくれています。

私は、次のように理解しました。

1)金融リテラシーのない不動産投資はありえない

不動産投資をするには、まず何より、最低限の金融リテラシーは必要。日本国内でもそうなのだから、海外ならなおさら・・・

「為替」という、日本国内にない要素がからんでくるわけですね。為替を理解するには、「インフレ」や「金利」に関する基本的な理解が必要、加えて、各国における主要な産業や、グローバル経済との連関を、ある程度理解しないと、話にならない。

それを説明するため、東京セミナーでは、こんな、たとえ話が出てきました。秀逸ですね。

友人「ベトナムの銀行で、年利14%の定期預金があるらしいよ、それやったら?」
三歩目「でも、○○○もっとすごいじゃん?○○出るし。それやるくらいなら、○○○やるよ。○○○だし・・・」

正解しなくてもいいですが、「○○○」に入る言葉を聞いて、「なるほど・・・」と思うくらいのセンスをつけてから、海外不動産投資をした方が賢明でしょうね。

(※もっとも、グローバルな金融リテラシーをつける手段として、自分のリスク負える範囲で、海外で比較的安価な物件を試しに買って、運用してみるのは、大いにアリだとは思いますが・・・)

三歩目さんもそうでしょうが、私が疑問に思うのは、海外不動産を販売する業者のセミナーで、こんな説明がなされること。

「急成長中のアジア新興国の物件を買うと、絶対に値上がりする。しかも、これから日本円が弱くなるので、値上がり益と為替差益の両方が期待できる」

ま、現地通貨ベースで値上がりするのは、(今後1年、2~3年のスパンで考えれば)、普通考えて、堅いと思いますが、

円に対する為替差益に関しては、????・・・。いまアジア新興国は、どこもインフレ基調。インフレは、「モノに対するオカネの価値が下がる」ことだから、構造的に、先進国通貨に比べて為替が安くなりやすい。

しかも、東南アジアで比較的強い通貨である、タイ・バーツやマレーシア・リンギットでさえも、世界中どこでも通用する、米ドルや日本円みたいな流通性はない。流通量が少ない分、世界経済変動の影響を受けて、為替が乱高下しやすい。

もちろん、タイミングとか、いろんな要因が重なれば、「日本円に対する為替差益」も考えられなくはないけど、多くの場合、「円に比べて安くなる」要因の方が大きいのではないか・・・と思います。

私は海外物件買っても、現地通貨で利益確定するつもりだけど、日本円での利益確定を考えている人は、なおさら、為替の勉強は不可欠でしょうね。

2)マネー資産の各国分散よりも、「マネー資産」と「評価資産」を分散すべき

三歩目さんは、東南アジア各国に暮らした体験から、「日本がやばいから、海外に資産を移そう」という、昨今の風潮に、疑問を呈しておられます。

「日本がやばいといって、海外資産を持ったところで、それが本当の意味で分散なのか?」

「世界経済が密接に連関している以上、日本がこけたら、外国も影響ないといえるのか?日本の投資が大量に入ってる東南アジアは特に・・・」

という論点、よく分かりますね。

三歩目さんの場合、さらに面白いのは、「評価経済」という視座が入ってくることです。

「これから、日本が世界に先駆けて、マネー経済から、評価経済に移行するはず。つまり、マネーの効きが悪くなってくる」

「であるなら、マネー資産と、評価資産という軸で、分散した方が良くないか?」

「評価経済」、「評価資産」・・・なかなか、聞きなれない言葉だと思いますが、要はこういうことです。

今の日本、都市部では、自家用車を持たなくても、カーシェアリングで安くクルマ使えるし、専用のオフィススペースを持たなくても、「コ・ワーキング」という、共用スペースでビジネスもできる。また、ビジネスの必需品ともいえる、ネットの使用料や、そこに流れているコンテンツの値段はタダ同然。

つまり、モノの価値とか、財産を所有することによる「オ
カネのパワー」は、時間とともに、低減する傾向にある。

その代わり、いまの時代に大きな意味を持つのは、「評価」という無形の資産。たとえば、ブログやメルマガのファンを何人持っているか、どれ位、人々に好かれているか等々・・・

たとえばの話、ネット上でファンが何千、何万人・・・という評価資産を持っていれば、それを「換金」するのは、とても簡単。有料情報商材の販売、著書の出版、セミナーやコンサートの開催、物件紹介手数料等々・・・。

また、評価資産が十分あれば、「オカネで買えない」ものを手にしたり、他の人より安くモノを手に入れたりすることも簡単にできます。

私自身も、ここ1~2年で、「海外不動産投資のオピニオンリーダー」という路線で、評価資産を育ててきたおかげで、ものすごく安く海外不動産を買えたり、海外ビジネス投資のプロジェクトに声をかけていただいたりして・・・評価資産の威力を、日々、実感しています。

(ま、よく考えたら、「信用」という言葉は、昔からありますね。それを、現代ネット社会ふうに焼き直した概念が、「評価資産」なのかもしれません。古くて新しい言葉です。)

三歩目さんが言うように、「国や地域を分散して、不動産というマネー資産を持つ」のもアリだと思うけど、「マネー資産と評価資産を分散して持つ」方が、より「分散」の本旨にかなうのではないか?

という問題提起は、魅力的だし、私もその通りだと思います。

国内外を問わず、投資というものは、たぶん、ただ一つの正解がない世界なのでしょうね。

正解か否かを決めるのは、結局、「個人の都合」次第ではないのかと・・・。

たとえば、いまバブっているバンコクで不動産を買う。たとえ、どんなに利回りが低くても、値下がりリスクが大きいとしても、

バンコクで自分の不動産を持つことに、意義を見出しているのなら、その人にとって、バンコクの不動産は買い!だと思う。

タイやバンコクへの「愛」があれば、不動産をめぐる多少の損や面倒は、十分、受け入れられるはず。

「愛」がない海外不動産投資はつまらない・・・。

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安易な海外不動産ブームに苦言

昨日、4月28日(土)の午後、三歩目さんの東京セミナーに行ってきました。

三歩目こと山崎初一さんは、元SE(私の同業者♪)で、日本での不動産投資から得る家賃収入で、東南アジア各国を漫遊しながら、暮らしているブロガー。

健美家の大家列伝インタビューに載ったほどの方なので、ご存じの方も多いかと思いますが、

「東南アジアなら、月5万円もあれば十分暮らせる」と豪語する彼は、ベトナムやタイ、フィリピン、ラオス、カンボジアなどの安宿に泊まり、LCC(格安航空会社)と、カフェの無料WiFi、Skypeを駆使して、時間と空間を自由に行き来する暮らしを満喫しています。

日本にも、時々来ているそうですよ。もちろん、暖かい時期に・・・


私は、1年以上から、彼のブログのファンです。日本でのセミナーが実現するのを、おそらく誰よりも、心待ちにしていた一人です。

東京セミナーは3時間にわたる、独壇場でした。東南アジア各国事情のほか、彼の投資哲学を、余すことなく語った、濃密な3時間。

とても魅力的なセミナーでしたよ。とにかく一貫して、「自分」を主語にして、語っているのがイイですね。

自分はこういう状態を実現したい、そのために、今これをやる・・・という判断軸が明確。

まず物件ありき、収益・利回り・融資ありきではない、まず自分の投資戦略ありき・・・業者主催の不動産セミナーにない、正直な語り口が魅力ですね。

私は今後、5月22日の賃貸住宅フェア福岡講演と、7月には東京講演を控えていますが、三歩目さんセミナーを参考に、レジュメの構成を見直そうと思いました。その意味でも、行ってよかった♪


東京セミナーの詳しい内容については、参加者による秀逸レビューがありますので、そちらに説明を譲るとして、

昨年から、日本でちょっとしたブームになっている「海外不動産投資」に関しても、彼独自の経験や見方から、ありがたい苦言を呈してくれています。

私は、次のように理解しました。

1)金融リテラシーのない不動産投資はありえない

不動産投資をするには、まず何より、最低限の金融リテラシーは必要。日本国内でもそうなのだから、海外ならなおさら・・・

「為替」という、日本国内にない要素がからんでくるわけですね。為替を理解するには、「インフレ」や「金利」に関する基本的な理解が必要、加えて、各国における主要な産業や、グローバル経済との連関を、ある程度理解しないと、話にならない。

それを説明するため、東京セミナーでは、こんな、たとえ話が出てきました。秀逸ですね。

友人「ベトナムの銀行で、年利14%の定期預金があるらしいよ、それやったら?」
三歩目「でも、○○○もっとすごいじゃん?○○出るし。それやるくらいなら、○○○やるよ。○○○だし・・・」

正解しなくてもいいですが、「○○○」に入る言葉を聞いて、「なるほど・・・」と思うくらいのセンスをつけてから、海外不動産投資をした方が賢明でしょうね。

(※もっとも、グローバルな金融リテラシーをつける手段として、自分のリスク負える範囲で、海外で比較的安価な物件を試しに買って、運用してみるのは、大いにアリだとは思いますが・・・)

三歩目さんもそうでしょうが、私が疑問に思うのは、海外不動産を販売する業者のセミナーで、こんな説明がなされること。

「急成長中のアジア新興国の物件を買うと、絶対に値上がりする。しかも、これから日本円が弱くなるので、値上がり益と為替差益の両方が期待できる」

ま、現地通貨ベースで値上がりするのは、(今後1年、2~3年のスパンで考えれば)、普通考えて、堅いと思いますが、

円に対する為替差益に関しては、????・・・。いまアジア新興国は、どこもインフレ基調。インフレは、「モノに対するオカネの価値が下がる」ことだから、構造的に、先進国通貨に比べて為替が安くなりやすい。

しかも、東南アジアで比較的強い通貨である、タイ・バーツやマレーシア・リンギットでさえも、世界中どこでも通用する、米ドルや日本円みたいな流通性はない。流通量が少ない分、世界経済変動の影響を受けて、為替が乱高下しやすい。

もちろん、タイミングとか、いろんな要因が重なれば、「日本円に対する為替差益」も考えられなくはないけど、多くの場合、「円に比べて安くなる」要因の方が大きいのではないか・・・と思います。

私は海外物件買っても、現地通貨で利益確定するつもりだけど、日本円での利益確定を考えている人は、なおさら、為替の勉強は不可欠でしょうね。

2)マネー資産の各国分散よりも、「マネー資産」と「評価資産」を分散すべき

三歩目さんは、東南アジア各国に暮らした体験から、「日本がやばいから、海外に資産を移そう」という、昨今の風潮に、疑問を呈しておられます。

「日本がやばいといって、海外資産を持ったところで、それが本当の意味で分散なのか?」

「世界経済が密接に連関している以上、日本がこけたら、外国も影響ないといえるのか?日本の投資が大量に入ってる東南アジアは特に・・・」

という論点、よく分かりますね。

三歩目さんの場合、さらに面白いのは、「評価経済」という視座が入ってくることです。

「これから、日本が世界に先駆けて、マネー経済から、評価経済に移行するはず。つまり、マネーの効きが悪くなってくる」

「であるなら、マネー資産と、評価資産という軸で、分散した方が良くないか?」

「評価経済」、「評価資産」・・・なかなか、聞きなれない言葉だと思いますが、要はこういうことです。

今の日本、都市部では、自家用車を持たなくても、カーシェアリングで安くクルマ使えるし、専用のオフィススペースを持たなくても、「コ・ワーキング」という、共用スペースでビジネスもできる。また、ビジネスの必需品ともいえる、ネットの使用料や、そこに流れているコンテンツの値段はタダ同然。

つまり、モノの価値とか、財産を所有することによる「オ
カネのパワー」は、時間とともに、低減する傾向にある。

その代わり、いまの時代に大きな意味を持つのは、「評価」という無形の資産。たとえば、ブログやメルマガのファンを何人持っているか、どれ位、人々に好かれているか等々・・・

たとえばの話、ネット上でファンが何千、何万人・・・という評価資産を持っていれば、それを「換金」するのは、とても簡単。有料情報商材の販売、著書の出版、セミナーやコンサートの開催、物件紹介手数料等々・・・。

また、評価資産が十分あれば、「オカネで買えない」ものを手にしたり、他の人より安くモノを手に入れたりすることも簡単にできます。

私自身も、ここ1~2年で、「海外不動産投資のオピニオンリーダー」という路線で、評価資産を育ててきたおかげで、ものすごく安く海外不動産を買えたり、海外ビジネス投資のプロジェクトに声をかけていただいたりして・・・評価資産の威力を、日々、実感しています。

(ま、よく考えたら、「信用」という言葉は、昔からありますね。それを、現代ネット社会ふうに焼き直した概念が、「評価資産」なのかもしれません。古くて新しい言葉です。)

三歩目さんが言うように、「国や地域を分散して、不動産というマネー資産を持つ」のもアリだと思うけど、「マネー資産と評価資産を分散して持つ」方が、より「分散」の本旨にかなうのではないか?

という問題提起は、魅力的だし、私もその通りだと思います。

国内外を問わず、投資というものは、たぶん、ただ一つの正解がない世界なのでしょうね。

正解か否かを決めるのは、結局、「個人の都合」次第ではないのかと・・・。

たとえば、いまバブっているバンコクで不動産を買う。たとえ、どんなに利回りが低くても、値下がりリスクが大きいとしても、

バンコクで自分の不動産を持つことに、意義を見出しているのなら、その人にとって、バンコクの不動産は買い!だと思う。

タイやバンコクへの「愛」があれば、不動産をめぐる多少の損や面倒は、十分、受け入れられるはず。

「愛」がない海外不動産投資はつまらない・・・。

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