いま、「外国人入居セミナー」と「懇親会」から、帰ってきました。
日本の賃貸不動産の世界では、目新しい、ニッチなトピックのセミナー・・・まだまだ、人気があるとは言い難いテーマのため、当初は参加者が集まらず、苦しみましたが、
蓋を開けてみれば、セミナー会場は満室近くまで埋まり、懇親会も盛り上がって、とても楽しかったです。
このセミナー企画に、最初から関わることができて、本当に良かったです。
今回のセミナー、本当に、「上原さんに始まり、上原さんに終わった」と言っても、過言ではないでしょう。
セミナー講師である上原さんの、外国人専門不動産業にかける情熱、留学生を家族のように可愛がる温かい人柄・・・その姿に、心を打たれた方も、多かったことでしょう。
そして、在日外国人マーケットに対する深い知識、どのような媒体で宣伝すれば外国人が入居するのか、どのような間取りや内装が彼らに好まれるのか、賃貸借契約のポイントは・・・等々、大変勉強になりました。
あと、質疑応答が予想以上に盛り上がったのも、良かったです。
以下、私がとったメモ。
【質問】
首都圏で、外国人需要のあるエリアを、教えてください。高田馬場など、都心近くでは需要が大きいのはわかりますが、城東下町とか、千葉、神奈川方面では、どうなのでしょう?
【上原さん回答】
沿線によります。人気沿線といえば、何といっても、中央・総武沿線。中野、高円寺、阿佐ヶ谷などは特に人気が高いです。そのエリアだと家賃的に住めない層が、西武新宿沿線に流れる傾向もあります。
城東・千葉方面でも、たとえば、常磐沿線の南千住とか、柏などでは、留学生需要は結構あります。柏の近郊にある江戸川大学や、武蔵野線で行ける明海大学など、中国人留学生の多い大学があるからです。
同じ城東エリアでも、東武伊勢崎沿線になると、留学生より、就労者のニーズが大きくなります。就労者の場合、留学生よりは言葉が通じない問題はあります。一方、ファミリーなどは比較的安心。
あと、神奈川では、小田急沿線などが面白い。沿線の駅近エリアに、外国人入居OKのシェアハウスがほとんど存在せず、その割に需要は大きいからです。実際、相模大野にある、外国人OK、女性専用シェアハウスは、大成功しています。
【質問】
首都圏以外の、たとえば、仙台とか札幌など、別の都市圏では、外国人の客付けは現実的なのでしょうか?
【上原さん回答】
地域性にもよって違いますが、どの都市圏でも、それなりに外国人需要はあるとは思います。
東日本大震災以後は、関東地区の留学生が、親の意向で、西日本に動く傾向が、多少、目立ってきました。
【質問】
留学生をターゲットにした、Web情報には、どんなものがあるのでしょう?
【上原さん回答】
国によって違いますが、韓国人なら「ドンユウモ」(同友網)という韓国語サイトを見ている人が多く、中国大陸人は「QQ」という、中国独自のソフトウェアを使い、台湾人は日本人のようにFacebookを使う人が多いです。
留学生なので、日本語ができると言っても、結局は、母国語が一番読みやすいので、中国語や韓国語での情報発信が有効です。
Facebookなら、Facebookページをつくって物件情報を宣伝する、QQなら、投資家フォーラム的なものがありますので、それに書き込んで、交流していくのが良い方法です。
【質問】
外国人好みの、間取り、設備といえば、どんなものがありますか?
【上原さん回答】
中国系の入居者に関していえば、少なくとも次のことは言えます。
・ガスキッチンが必須 (電気はNG)
・開けた瞬間、部屋が丸見えは良くない。
・部屋は白じゃない方がいい。ヨーロッパ調の、黄色かブルーがいい。
・写真必須 (間取り図だけでは、誰も見ない)
・照明はつけた方がいい
・カーテンはオプションにする
・壁紙や塗装・・・柄はやめた方がいい、黒はNG
・床は、フローリングがいい (畳はNG、CFはやめた方がいい、そのほかはOK)
・水回り・・・バス・トイレ別になっていれば良いが、こだわらない人も大勢いる。
・風呂は不要。シャワーだけでいい。
・外壁はキレイにしておくのが基本(友達を呼ぶ時、見栄を張りたいため・・・)
【質問】
ロフトは、あった方がいいですか?
【上原さん回答】
ロフトは明らかにプラス評価。特に韓国人はロフト大好きです。
また、ロフト付きのワンルームに、2人入居するのも珍しくないので、「2人入居可」にすれば、すぐ埋まるはずです。
【質問】
1部屋を2人でシェアするようなケースでは、2人連名で契約させた方が良いのですか?
【上原さん回答】
その通り、連名での契約が基本です。ただリスクとしては、「仲違いにより、一人が退去してしまう」こと。
すると、もう一人が残るわけですが、その場合、家賃負担が高いので、遅延・滞納がちになります。
一挙に出ていただき、次の2人組を見つけるのも手かと・・・