Manachanです、どうも。 休暇で1週間ほど、オーストラリアに行ってきました。シドニーでは、昔の同僚たちとパーティーをやって、とても楽しい時間を過ごしました。 彼らと一緒に居ると、いろいろ思うことがあります。皆、相変わらず頑張っているなあ、すごいなあと感じたり、 また私も、思い切ってオーストラリアを飛び出した分、成長したなあと感じる面も、多少はあります。 今回のテーマは、私が彼らと一緒に年月を過ごした、英米系グローバルIT企業の「働き方」について、 日本でよく言われる「通説」と比較しながら、自分の実体験に基づいて書いていきますね。 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ 通説その1 「英米系グローバル企業では、自分の仕事だけやっていれば良い?」 答え 「違います。正しいプロセスや手続きを踏みつつ、自分の職務範囲を超えて、良い仕事をする人間が、プロフェッショナルとして高く評価されます。」 英米系企業では、日系企業に比べて、個人の職務内容や範囲を明確に定義する傾向があります。 なぜなら、そのようにしないと、組織がうまく機能しないからです。 日本人であれば、他人の動きを見ながら自分の動き方を決めたり、チームの仲間同士で足りないところを補ったり、みたいな動きができますし、 物事をいちいち明文化しなくても、当事者間の「暗黙の了解」で、仕事がちゃんと回っていく面があります。 ですが英米文化で育った人間は、それが苦手。いや、ほぼ不可能です。 だからこそ、各人の職務内容・範囲はもちろん、プロセスや手続き、成果物まできっちり定義し、明文化する必要があるのです。 グローバル組織になれば、なおさらです。チームの仲間が、それぞれ別の国籍、文化背景を持ち、「暗黙の了解」など、まるで期待できない環境ですから、 なおさら、明確な定義、明文化、透明化が、切実に必要になってくるのです。 ですが、だからといって、「決められた仕事だけやっていれば良い」わけではありません。 単純労働者なら、そのようなスタンスで仕事しても許される面はあるでしょうが、プロフェッショナルがそれをやったら、途端に淘汰されます。 組織や上司に期待される仕事をこなしつつ、それ以上の成果を常に上げていかないと、価値ある人材と見なされません。 むしろ、「仕事のやり方を改善」したり、「価値に結びつく仕事を新たに発掘」するような動きを、自発的に行っていく人間こそが、「有為な人材」と見なされます。 とはいえ、他人を蹴落としたり、頭越しに他人の仕事を奪い取ったり、みたいな動きは歓迎されません。 定義された職務範囲を超えて、何かやろうとする際の「プロセス」や「手続き」も、大抵決まっているはずですので、それに則って行動することを求められます。 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ 通説その2 「英米系グローバル企業では、勤務時間が終わったら、すぐ帰って良い?」 答え 「そうです。成果さえ挙げていれば、たとえ勤務時間前でも帰って構いません。」 グローバル組織の多くは、地理的な制約を超えて、「バーチャル化」されているのが通例です。 例えば、自分の勤務地は中国で、上司がシンガポールにいて、顧客は米国にいる・・・みたいな世界が当たり前です。 ですので、仕事する上で、時間配分や勤務場所は個々の裁量にゆだねられています。極端な場合、「所定の勤務時間」という概念さえ、ありません。 私自身も、一応、午後6時までという勤務時間が決まっていても、時には4時や3時に帰宅することもありました。 仕事さえ済んでいれば、誰にも気兼ねせず、堂々と帰れます。 だって、上司も顧客も外国にいるのなら、オフィスで仕事したって、家で仕事したって、同じじゃないですか? ですが逆にいえば、仕事が溜まってテンパっていれば、オフィスでも家でも、四六時中、ずっと仕事に追われることにもなります。 上司や顧客が遠い大陸にいる場合、時差の関係で、深夜とか早朝とかに、電話会議への参加を要求されることもあります。 そういう、流動的な状況に合わせつつ、自分で勤務時間をコントロールする、高度な管理能力が要求されるのです。 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ 通説その3 「英米系グローバル企業では、徹底した成果主義で、数字に追われるの?」 答え 「そういう面もありますが、日本的なノルマ達成主義とは、かなりニュアンスが違います」 英米圏ホワイトカラーの給与体系は、年俸制が多く、その内訳は、「基本給」と「能力給」からなるケースが多いです。 「能力給」部分の、年俸全体に占める割合は、会社・業種によっても違いますが、IT企業の専門職の場合、平均値は10~25%と思われます。 この「能力給」は、「設定した目標に対する達成度」で決まるケースが多く、それは昇進にも致命的な影響を及ぼしますので、 その意味では、「徹底した成果主義」が貫かれているといって、差し支えないでしょう。 ですが、それは必ずしも、日本的な意味で「ノルマ達成を強要される」、「数字に追われる」みたいなことを、意味しません。 なぜなら、英米系グローバル企業では、目標の設定にも、また達成度の評価にも、自分自身が全面的に関わるのが通例だからです。 言葉を換えれば、「自分が納得する目標を設定」し、「達成度に関しても、自分と上司が納得するまで議論する」というプロセスを踏むので、 誰かに決められた目標を押し付けられる、みたいな感覚はほとんどありません。 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ 次回は、「中国系・インド系のグローバル企業と、英米系との比較」について、書いてみますね メールマガジン「目指せ!グローバルIT技術者」 ☆発行責任者:manachan ☆公式サイト:http://plaza.rakuten.co.jp/manachan2150 ☆問い合わせ:mana33chan@aol.com ☆登録・解除:http://www.mag2.com/m/0001003000.html