帝都・池袋を出た電車が、一路、北へ北へと進む。
上板橋、下赤塚を通ぎ、車窓がどんどん、郊外っぽくなる。
つり革広告を見る、「つきのわ土地付きマイホーム」、「朝霞台駅前の賃貸」・・・住宅広告のオンパレード。
埼玉都民をつくる電車、東武東上線。
♪~ダンダンダンダ ダンダンダンダーン ダンダダ埼玉~♪
埼玉に入る直前に、「はなわ」の歌を聴くと、雰囲気が盛り上がりますね♪
数分後、埼玉に入れば、昔懐かしい「さいたまんぞう」の歌もイイ。
♪~なぜか埼玉 ここは埼玉~♪
一見、東京の板橋区や北区と区別がつかない、埼玉県のベッドタウン。
700万を超える県民の、暮らしの舞台になっています。
「埼玉らしさ」って、何だろう?
「埼玉らしい特色ある地域」って、どこだろう?
「埼玉に近い千葉」で育った私に言わせれば、
埼玉らしさとは、
1)東京へアクセスの良さ
2)強烈な池袋テイスト
3)「地元の街、どーでもいい」感覚
これらは、同じ東京郊外にある、千葉県エリアと比べて、際立つ「埼玉の特色」だと思います。
埼玉県は、東京と接する面積が広く、東京直結の鉄道も数多くあり、とにかくアクセスが良い。
しかも、その多くが、「池袋」をターミナル駅としているため、埼玉県内の街の多くに、「池袋の個性」が見てとれます。
池袋の個性・・・一言でいえば、「普段着の感覚」、「フラット感」かな。
とにかく、池袋の街は、気合い入れて、おめかしして行くところじゃない。カジュアルな格好で繰り出して、ELTみたいなユルイJ-POP聴きながら、友達とラーメン食いに行く街。
「ジャージ着て、うんこ座り」しても、違和感ない。お金かけずに楽しめる街、それが池袋。
銀座みたいな「ハレの街」じゃなくて、池袋は「ケの街」・・・日常生活の延長上なんですね。
最も、「埼玉らしい沿線」といえば・・・私は、東武東上線だと思う。
埼玉と都内を直結する鉄道は、数あれど、
西武沿線(所沢や狭山)には、「北多摩テイスト」が入っている
東武伊勢崎沿線(草加や越谷)には、「足立区テイスト」が入っている
という意味で、「池袋らしさ」が希薄だし、
名実ともに埼玉の中心である、「JR京浜東北沿線」の「さいたま市エリア」にしても、JRで池袋・新宿にも上野・東京・品川にも直通できるため、東京のいろんな街の個性が混じり合っています。
その点、東武東上線の沿線は、モロ「池袋の延長」という感じがするので、私が最も「埼玉らしさ」を感じるエリアです。
この沿線、特に川越以南は、「池袋に出ればいいやあ」という感覚があるからでしょうか、
地元の駅前に、ベッドタウンとして必要最小限の機能だけが揃い、多彩な都市機能を、すべて池袋に外出ししている感があります。
千葉県内の都市だと、いまいち東京に出にくい分、地元の街が充実している・・・という特徴があります。
船橋や柏が、その典型かと思いますが、地元のデパートで何でも揃う、強力な商店街がある、個店も豊富・・・都内に出なくても、「地元ひきこもり消費」が、ある程度可能です。
その点、東武東上線の埼玉エリア(川越以南)だと、駅前に、スーパー、量販店、パチンコ、ファミレス、飲み屋、不動産屋、ネットカフェ・・・日常生活で必要なモノさえ揃えばよくて、
服を買う、靴を買う、アクセサリーを買う、友達と街歩きする・・・迷わず池袋へGO!ということになるんでしょうな。
とはいえ、同じ東武東上沿線でも、川越を境に、様相が一変しますね。
川越以北(坂戸や東松山)になると、池袋に出るのもちょっと遠い。北に行けば行くほど、東京郊外の雰囲気が薄まり、北関東の街っぽくなってきます。
駅前は、たいてい寂れており、買い物は、クルマ乗って近所のショッピングセンター、あるいは川越で済ませてしまうんでしょう。
大宮以北のJR東北線、高崎線エリアと、何となく雰囲気似てますね。
そんな埼玉・・・イメージ的には地味だけど、きっと住みやすいんでしょう。
関東の真ん中にあって、交通網も発達し、どこ行くにも、便利ですからね。