2014年 8月 の投稿一覧

底知れぬカンボジア

こんばんは、Manachanです。今回の日記は、つい数日前に訪問した「カンボジア」について書きます。

この国を訪れるのは、これで3回目。首都プノンペンと、その近郊くらいしか訪れていませんが、行くたびに、カンボジアの国土と人々が秘める、底知れぬ「何か」を感じます。

うまく言えないけれど…カンボジア人って、「ただ者ではない」のです。

中世には、東南アジアで覇を唱えた「クメール王国」の末裔であり、

エジプトのピラミッドと並び称される、人類の至宝「アンコールワット遺跡」をつくりあげた民族でもあり、

近代においては、全人口の3分の1を虐殺した、恐るべき「ポルポト政権」を生み出した国民でもある

小国ながら、スケールのでかい、スゴイ歴史をくぐり抜けてきた人々なのです。そして今日のカンボジアは、他の東南アジアの国と同様、猛烈な経済成長を遂げています。しかし、他の国と「何かが違う」のです。

近隣の大国、タイやベトナムの経済力をもってしても、真似できないのが、カンボジアの街の美しさ、カッコよさ。

プノンペン全景…アジアの街とは思えない整然とした美しさ!

街の借景と、屋上プールの、素晴らしいハーモニー

プノンペン・リバーサイドの街角、どこを切り取ってもオシャレ

カンボジア人は、街の美観やデザイン性を、どうやって維持しているのだろう?この国は東南アジアでは最貧国レベル、国内産業が未発達ゆえ、タイやベトナム、中国から、ビジネスも原材料も輸入しまくっているはずなのに、商業看板もチェーン店もほぼ見られず、街は整然とした美しさを保っている。

どう見ても、街の景観を守るために厳しい規制をしいているとは思えないし、その財源があるとも思えない。でも屋根の色は赤に統一され、トゥクトゥク(幌つきバイクタクシー)の色も上品な赤に揃い、飾り付けもおしゃれで、溜息が出るほど、センスが良い。

発展しているのは、たぶん首都プノンペンだけだろう。郊外に出たらどうか?・・・と思って、トゥクトゥク飛ばして行ってみましたが、

道路がロクに舗装されてない郊外でさえも、街並みや商店は、とにかく、整然として秩序感あふれているのです。昔の日本もこんな感じだったのでしょうか?

タイやベトナム、マレーシア、ミャンマー、フィリピンの郊外や農村は、もっとカオスです。スキありまくりで、無秩序。なぜ、カンボジアだけ、こんなにキチンとしているのだろう?

近代都市を離れても、どことなく、端正なカンボジア

デコボコの田舎道の向こうに、「キリング・フィールド」と呼ばれる、ポルポト政権下の大量虐殺センターがありました。ここは観光地になっています。が、とにかく、重い。余りの凄まじさに、言葉を失う。

私、文章では表現できません。詳しくは、こちらをお読みください。【大量虐殺地、キリングフィールドへ】- カンボジア

余りのショックに、ほぼ無言のまま、プノンペンの街に戻ると、マーケットには端正なカンボジアの姿がありました。

服の並べ方も、東南アジアの他国に比べて、キチンとしてるような…
※アバクロ、ラルフローレン…ブランドものの服が、むちゃ安く売ってますよ!

今日のカンボジア人は、フランスから独立して以来の、度重なる内戦、ポルポト時代の「知識人・都会人皆殺し」大量虐殺、ベトナム軍の駐留、国連監視下の選挙…筆舌に尽くしがたい苦難を乗り越えてきたのですね。

いま、カンボジアの政情が、近隣諸国と比べて安定しているように見えるのも、プノンペンの商売人が自信にあふれているように見えるのも、幾多の困難を克服してきた、その経験から来るのかもしれません。

私は、カンボジアに詳しいわけではありません。私の見えていない、いろんなリスクがこの国には多分あるのでしょうし、ポルポト時代に家族親類の誰かを殺されている人たちばかりなので、彼らの心のなかに底知れぬ闇や虚無があるのかもしれません。

しかし、お店や集落、都会を、あれだけ整然と、キチンとできる、美的センスあふれる国民は、東南アジアで他にいないと思う。その不思議な能力と、夥しい血をもって勝ち取った政情の安定を、上手に経済成長に結び付けて欲しい。カンボジアを担う次の世代に、より多くの可能性を与えて欲しいと、願うばかりです。

この文章、共感できた、勉強になった・・と思った方は、応援のぽちを、よろしくね→

こちらの文章も、併せて読んでね。

アジア一美しい街にて

Share on Facebook

国境の街ジョホール今昔物語~Johor Bahru, Malaysia

こんばんは、Manachanです。9泊10日の東南アジア出張を終え、無事、日本に帰ってきました。ここ数日は、ミャンマーやマレーシアで、カレー・シチュー系のメシばっかり食ってました。日本に帰って居酒屋とか行くと、やっぱり美味しいですね♪

今回の日記は、「ジョホールバル」という、アジアの中でも強烈な個性を持つ都市について書きますね。

ジョホールバル(Johor Bahru)、サッカーファンなら一度は名前を聞いたことがある都市名ではないでしょうか・マレーシアの南端にあり、狭い海峡を挟んで隣国シンガポールと接する「国境の街」です。その特異な位置関係から、

・中国の深圳、珠海 (香港、マカオと接する街)
・メキシコのティファナ (米国と接する街)

等と並び称されることもある街ですね。

【シンガポールと目と鼻の先!】

島国・日本の人には、イメージつきにくいかもしれませんが、陸路の国境を超えると、実際、いろいろなものが、変わります。言語、民族、通貨、物価…等々。特に、経済レベルに差がある二か国の国境を越えて、「豊かな国」から「貧しい国」の側へ行くと、相当な違和感を感じるものです。たいてい、

「豊かな国」の人が、「貧しい国」に行く時は、ほぼフリーパス
「貧しい国」の人が、「豊かな国」に行く時は、厳しいビザ要件が課せられ、長蛇の列

1992年に、私は北米・中米を一人旅しましたが、アメリカ(サンディエゴ)からメキシコ(ティファナ)へ国境越えする際に見た情景は、まさにそれでした。鉄格子に囲まれたイミグレで、アメリカへ渡りたいメキシコ人(+中南米人)の長蛇の列が、1㎞くらい続いていました。一方、アメリカ人はクルマに乗ったまま、マクドのドライブスルーみたいに、悠然とメキシコ側に渡っていました。

さらに、メキシコからグアテマラの国境を超える時の「落差」もすごかった。メキシコでは近代的なグレイハウンドのバスが走ってましたが、グアテマラ側ではご臨終寸前のポンコツバスが待っていて、屋根に何十羽のニワトリを満載していました。国境の少年たちは、メキシコからやって来る客の荷物持ちなどをして、米ドルやメキシコペソの日銭を稼いでいました。

とはいえ、国境で異なる経済レベルの国が接するからこそ、お互いに刺激を与え合う面があるとも思います。特に、「貧しい国」側の政府やビジネス文化がまともなら、たいてい、「豊かな国」以上のスピードで経済発展しますね。

その良い例が、中国の深圳でしょうね。1988年、私がはじめて深圳に行ったときは、本当に何もなかった。駅前に何千人単位で、無為にたむろっている、夥しい数の中国人民労働者の姿だけが印象的でした。また、当時の深圳で脂っこい中国料理以外は食べられず、香港側に抜けてステーキを食った時、「これぞ文明の味だ!」と感動したものです。要は、国境(?)の両側でそこまで大きな落差があったわけですが…・ここ20~30年間、深圳の遂げた発展は、驚嘆すべきものです。

シンガポールとマレーシア(ジョホールバル)

の国境にも、似たようなドラマがありますね。今でこそ、両国の行き来は非常に簡単になりましたが、20年前は、米墨国境同様、「シンガポールに渡りたいマレーシア人の長蛇の列」が見られました。

シンガポールは、当時から裕福な大都会でしたが、ジョホールバル側に渡ると、そこには鉄道駅の周りに、埃っぽい、小さな街があるだけで、そこ以外は、ジャングルとパーム椰子の林しかありませんでした。

【昔から国境の独特な雰囲気がある街です】

あれから20年。確かに、ジョホールバルは大きく進化しました。隣国シンガポールの発展に支えられた面もありますが、今ではジョホール側は「イスカンダル・マレーシア」と呼ばれ、市街地には立派な駅ビル複合施設(JB Sentral)とショッピングセンターができ、高速道路網が整備され、かつてジャングルだった広大な「ヌサジャヤ地区」にコンドミニアムと商業施設が林立し、レゴランドが来て、英米のインターナショナルスクールが大挙進出するようになった…

昨日、久しぶりに、ジョホールバルを訪れ、その発展ぶりに驚嘆するとともに、「こりゃ、どう考えても、建物つくりすぎじゃないかな」とも思いました。

特に、絶賛開発中、ダンガベイ(Danga Bay)地区の、コンドミニアム9000戸の建設現場をみた時、「こんなに部屋つくって、誰が住むんだろう?」と思いました。そのうち、少なくとも数百戸は、日本人が買っていると聞きます。

【本当に大都市になるのか?ゴーストタウンになるのか?】

ジョホールバルは、深圳のように大人口を抱えた街ではありません。中国のように、安価な労働力が豊富にあるわけでもないし、雇用を大量に必要とする製造業で勝負する場所ではありません。

シンガポールの隣とはいえ、もともと人が住んでなかったエリアに、大量の近代施設をつくって、産業と人口を呼び込む、建設資金は中国や日本、アラビア湾岸地区からの投資で賄う…マレーシア政府の戦略は理解できますが、普通考えて、向こう数年間に一気に完成する何万戸、何十万戸の住居や商業施設に順調に入居がつくでしょうか?必ず、「勝ち組物件」と「負け組物件」に二極化するはずです。

この街のバラ色の将来に賭けて、プレビルド(=数年後に完成する予約販売物件)を買った日本人投資家や、販売業者のなかに、不動産の目利きがちゃんとで
きている人が、どれだけいるのでしょう?

私、ジョホールバルの街としての発展は底堅いと思います。5年後、10年後は、間違いなく、今よりは都市レベルはアップしているはず。この地の開発をプロデュースする、マレーシアとシンガポールの政府は、東南アジアで1、2位を争う賢い政府でもあります。

ただ、都市が発展することと、個別の不動産が儲かることは、全く別の問題です。立地や賃貸・売買需要をちゃんと見極めた上で、今後、どのタイミングでも賃貸に出せて、かつ利益を乗せて転売できるような物件を選んでいるのか?信頼と実績ある現地の管理会社を手配できるのか?その辺をちゃんと説明できる業者から買っているのか?

プレビルド売って、仲介手数料もらって、はいさよなら!みたいな業者は、時代遅れ。そんな売り方していたら、完成時に会社が存続していないリスクだって大きいでしょう。

不動産としての目利きができて、出口まで見据えたシナリオを描ける業者から買うことが、ジョホールバル成長の果実を手にする早道だと私は思います。

日本人と海外不動産の関係が、もっと良くなりますように…そんなことを考えさせられたジョホールバル訪問でした。

この文章、共感できた、勉強になった・・と思った方は、応援のぽちを、よろしくね→

こちらの文章も、併せて読んでね。

2016年ジョホール不動産ショック

アジア新興国と不動産の良心

Share on Facebook

アジア新興国と不動産の良心

こんばんは、Manachanです。フィリピンを皮切りに、ベトナム、カンボジア、タイ、ミャンマーと回ってきた東南アジア出張も、いよいよ大詰め、今は最後の訪問国、マレーシアのジョホールバルにいます。

東南アジアは、どこへ行っても、経済成長中。人口が都市に集中し、所得が上がり、クルマの所有が増え、どの国の首都も交通渋滞が激化の一途。そして不動産の観点でいえば、都市の中心部や郊外に、プールやスポーツジム、セキュリティシステムを標準装備した近代的な集合住宅「コンドミニアム」に住まうニーズが増え、その一部は、日本人を含む外国人が、投資目的で買っています。

私の主宰する海外不動産投資コミュニティ「アジア太平洋大家の会」でも、ここ3年余り、東南アジアのコンドミニアム紹介セミナーを、日本の各都市で、数多く開催してきました。その圧倒的大多数は、「プレビルド」(Pre-build)という、完成数年前の時点で予約販売される住宅商品です。

しかし、やれマレーシアだタイだ、フィリピンだカンボジアだと、プレビルドのセミナーを数多く開催するなかで、問題点もいろいろ見えてきました。

「東南アジアのプレビルドを、果たして、”不動産”と呼んでよいものなのだろうか?」

問題の本質は、

・プレビルドなるものが「不動産のかたちをした金融商品」であること

プレビルドを買う、ということは、数年後、コンドミニアムが完成する方に賭けるオプション取引」のようなものです。

購入時点に得られるものは「土地建物」ではなく、「数年後、不動産を手にできるかもしれない権利」だけです。完成すれば、晴れて「不動産」になりますので、銀行融資、入居者募集、賃貸管理、リフォーム、売却…我々、不動産投資家の土俵に乗るわけですが、完成前は、そういった営みが、全くできません。

しかも、東南アジアの多くの国で、プレビルド物件の完成前転売が認められています。まだ不動産になってないものを「転売」する…それはまさに、本質的には「金融商品の売買」に他なりません。

プレビルドを扱う業者の多くが、不動産業ではなく金融業の出身であるのも、むべなるかな。当然ながら彼らは、「金融業者のセンス」で、プレビルドを売るわけです。

・第一棟目と比べて、第二棟目の売り出し価格が、10%も値上がりました。あなたも、10%儲かりましたね!

そんなことを言ったりします。確かに、金融業者のセンスからすれば、「簿価が10%増えた」ように見えるのかもしれません。

しかし、不動産投資家の視点でみれば、デベロッパーが勝手に値付けした売出価格に興味ありません。我々の関心事は、「いま、この物件を売って、実際に10%増しで買い手がつくのか?」だけです。

でもって、物件完成前にデベロッパーの売出価格通りに転売することは、経験上、ほとんど不可能です。なぜなら、

・デベロッパーは、新規顧客に、プレビルドの部屋を全部売らなきゃならない。売れば、販売ノルマも達成できるし、(たっぷり利益乗せて売ってるから)会社も儲かる。

・一方、すでに購入した顧客の物件を転売しても、デベロッパーはほとんど儲からないから、優先順位はうんと落ちる。

・また、買い手の心理として、誰かがすでに買った「お下がり」よりも、ぴかぴか新品の部屋をデベロッパーから直接買いたがる。

そんな状況で、当然、10%増しで売れるわけがないでしょう?完成前だと多くの場合、「買った値段より10%くらい値引きして手放す」しかないのです。

晴れて完成しても、その時点で、デベロッパーが後続の建物をガンガン建てて、プレビルドとして売りまくっていたら、自分の部屋、売りたくてもなかなか売れませんね。「需給のバランス」が崩れて、値がつかないのです。デベロッパーが在庫を売り切って、需給が落ち着いた時点ではじめて、「値上がりして売り抜ける」ことが、視野に入ってくるのです。

需給のバランス、購入・売却のタイミング、ライバル物件との差別化…そうした世界は、不動産の賃貸経営で揉まれていれば、身体で理解できるものですが、金融業上がりの業者は、その辺の事情に疎いことがほとんど。

・あなたの購入されたマカティ地区の平均空室率が4%を切ってるから、入居づけは簡単にできますよ。

そんな、マクロなアプローチしかできなかったりする。そこまで言うんなら、あんたが俺の物件に入居つけてよ!と頼んでも、金融上がりの業者の多くは、賃貸経営の経験もスキルもない。

ここ数年、マレーシア、タイ、フィリピンを中心に、各業者が何千戸単位のプレビルドを日本人に売りまくった。それなのに、完成後の入居づけや、転売戦略を真面目に考えていない業者がほとんど。

このままでは、私が危惧する、「2016年ジョホール不動産ショック」(マレーシアのジョホールバルを発火点として、夥しい数の日本人オーナーが完成した物件の入居づけも転売もできずに取り残され、社会問題になる)が起こりかねない。

私思うのです。東南アジア不動産も、そろそろ、金融屋ではなく、不動産屋の出番ではないかと。

プレビルドが次々と完成時期を迎えて、「金融商品」から「不動産」に変わるいま、不動産屋のセンスやスキル、そして「良心」が、切に必要になってくると思います。

不動産屋の良心とは、物件を個別にとらえ、それぞれに最適な入居戦略や売却戦略を考えていくことです。

最後に、

私たちは、曲がりなりにも”大家の会”を名乗っている以上、少なくとも賃貸経営の面でお勧めできる不動産だけを扱いたいと思っています。

そして、海外主要都市における不動産の売却・賃貸実績をデータ化し、情報を整備していきたいと思っています。

この文章、共感できた、勉強になった・・と思った方は、応援のぽちを、よろしくね→

Share on Facebook