各国不動産事情

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海外不動産、仕事人の日常

こんにちはManachanです。久しぶりのブログ更新になります。

先週の日曜日、東京・大手町で行われた「世界の資産運用フェア」で、私はカナダRedev社のブースを任され、一日中、顧客対応をしておりました。

 

海外不動産関連のフェア、最近ずいぶん増えましたね。特に東京では内藤忍さんの資産運用フェアと、オウチーノ社の海外不動産フェアが、どちらも年に複数回開かれますし、あと海外に特化してるわけではないけど、全賃さんやHome’sさんのイベントでも必ず海外不動産ブースが出るし、まさに百花繚乱。

私、この種のフェアには必ず駆り出されて、いろんな仕事を任されます。特に昨年8月の資産運用フェアでは、時間刻みで台湾ブースとカナダブースをお手伝いして、他に講演・パネルディスカッションとかもやって、とにかく忙しかったな。

 

私、海外不動産に関しては投資家やマーケッターの立場に徹し、自らが業者にならないと決めています。「アジア太平洋大家の会」という、不動産オーナーの会を主宰している以上、自分の商売に利益誘導したくないし、中立で自由な立場でいたい、という判断からですが、

その代わり、日本で海外不動産を販売する業者の仕事の一部を、お手伝いすることはあります。それが日本人投資家の経済的利益に結びつくと判断した上での話ですが、

・日本国内に販売拠点や銀行口座を持たない業者の集金代行、契約代行
・日本の不動産税制に詳しくない海外業者に対する研修、キャッシュフロー表作成代行

等々・・こういう仕事、むちゃくちゃやりたいわけじゃないですが、私がそれをやらないと物事が動かなかったり、結果として投資家サイドが困ってしまうのでやることが多いです。

 

なかでも特に多いのが、「海外不動産保有に関わる、日本の税金」関連の仕事。海外物件売ってる業者で、日本で不動産確定申告の経験ある者は少なく、税金面に関する、日本人投資家の質問に上手に対応できる業者は限られる。また日本と海外の両方の税制に明るい税理士も、まだ少ない。

「おたくの物件買いたいけど、でも日本の確定申告はどうやればいいの?家賃収入にかかる所得税は?消費税は?土地建物比率は?減価償却は?譲渡益課税は?相続贈与はどうするの?」…次から次へと出てくる質問。その都度、私に業者からヘルプ要請が来る・・・セミナー企画して投資家を集客してる立場上、サポートせざるを得ないのです。

 

もっとも、確定申告の作業自体は、むちゃくちゃ簡単だったりします。上に挙げた、カナダRedev社の投資案件が良い例ですが、

これは、「カナダ商業店舗の一部を持分で所有して、テナントからあがる賃料収入から諸経費を差し引いた額を、持分に応じて年2回、分配を受ける」、「店舗の売却時に、売却益から諸経費を差し引いた額を、持分に応じて償還を受ける」というもので、

毎年2回の利益分配時には、カナダ側での税務処理を全て終えた額が入金されて来るので、領収書の仕訳も必要ないし、確定申告に記載すべき内容は極めてシンプルなはず。

 

「不動産所得の内訳」は1行で済むはずだし・・・

shinkoku01

「減価償却費の内訳」も1行で済むはず・・・

shinkoku02

(注・・私は税理士資格を持つ者ではないので、申告内容の詳細については担当税理士にお問合せいただいた方が賢明かと思います)

 

その、「申告書に書くべきことは、2行で良い」ことを、投資家や担当税理士に説明し、理解してもらう過程が実は大変だったりするのです。その間、たくさんの質問対応が発生しますし、やりとりの過程で「こいつ分かってないな」と相手に不安を抱かせてしまうと、質問がさらに増えたり、「エビデンスは?保障は?」みたいな、無用な仕事を抱えこんでしまうのです。

やりとりのなかで、どれだけ、投資家や税理士を安心させ、お互いハッピーなかたちで、Q&Aを最小限で済ませるかが、腕の見せどころですし、それが上手にできれば海外不動産の「仕事人」、「コンサルタント」として、付加価値の高い仕事ができていることになります。

 

私は、皆さんの見えないところで、そういう仕事をたくさんやってますし、各国の投資案件に関して、それなりに経験値も積んできました。

投資家や業者に必要とされるならば、

海外不動産購入後、最初の確定申告までのサポートを、私の会社で有料で請け負わせていただきます。

 

なお、サポートに含まれる業務は、

・海外不動産を確定申告する上で必要な事項の説明(海外不動産の評価、減価償却、家賃収入、海外で徴収される源泉所得税等々・・・)

・確定申告の書き方に関する助言(注.申告作業の代行はしません)

 

なお、確定申告の作業は、「一度やっちゃえば覚える」ものなので、二年目からは継続不要かと思います。海外不動産買って、不安でいっぱいの一年目を乗り切るために、私の経験知識を活用いただければと思います。

 

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ベトナム不動産学習ノート

こんばんは、Manachanです。今回のテーマは、「ベトナム不動産」になります。

私自身や、仲間たちが、三度のメシより好きな「不動産」…世界中で、いろんな言い方があります。英語圏ではReal Estateですよね。

 

日本の近く、漢字文化圏では、どこも「不動産」(ふどうさん)に近い言い方をします。

韓国語では、부동산(プドンサン)

中国語では、不动产(プドンチャン)

ベトナム語では、Bất động sản(バッドンサン)

 

そこから西へ行くと、インド文化圏に入りますので、言い方も全く違います。

カンボジア語では、អចលនទ្រព្យ (アチャロノトロップ)

タイ語では、อสังหาริมทรัพย์ (アサンハーリーマサップ)

 

そこから南のマレーシア、インドネシア、あるいは東のフィリピンに行くと、英語から借用したReal Estateを使います。

…というわけで、日本や中国と同様、「不動産」に近い言い方をする南限はベトナムの「Bất động sản」ということになりますね。

 

いま、ベトナムの不動産マーケットについて、Webでいろいろ調べていますが、私の見たところ、一番使えるのは、

batdongsan.com.vn  (バッドンサン・ドットコム)

だと思います。なぜなら、

 

「掲載物件数が数万点あるポータルサイト」であり、

なおかつ、

「英語ページがある」からです。

 

ベトナム人相手の物件ポータルサイトは、いくつかありますが、果てしなく「ベトナム語オンリー」の世界。現時点では、「英語がある」だけで超すごいことなのです。

それでも、困ったことがあります。

 

英語版ページに載ってるデータと、ベトナム語版ページに載ってるデータが、全然違うのです。

たとえば、英語版ページで、「ホーチミン1区」、「売りアパートメント」という条件で検索してみましょう。

batdongsan03

 

7件しかヒットしません。

batdongsan04

 

では、ベトナム語ページで、同じ条件(thành phố Hồ Chí Minh、Quận 1、bán căn hộ chung cư)で検索してみましょう。

batdongsan01

 

なんと、218件もヒットします。

batdongsan02

 

英語版のデータ7件、ベトナム語版のデータ218件・・・つまり、「英語だけ読んでても、何も分からない」という、残酷な事実が判明したわけです。

それから、ベトナム語との格闘(?)がはじまりました。Google Translator、そしてベトナム語のプライベートレッスンを駆使して、とりあえず、メニュー項目の英語・ベトナム語対訳をつくりました。

batdongsanword

 

そうなると、少しは、ベトナム語で書かれた物件広告の内容が分かるようになってきます。で、読み進めると、

 

ベトナム語の物件広告は、「価格」が「要交渉」(Giá: Thỏa thuận )ばっかりじゃん…

ベトナム人同士の不動産取引って、どのくらい値引きするんだろう?

batdongsan05

時々、価格が明記されているデータもありますが、

 

値引き45%って、何だよこれ!!(Giảm 45%)

表示されている価格が値引き前なのか値引き後なのか分かりませんが…10%や20%ならともかく、45%の値引き幅のある数字が信用できるとは思えないよなあ。

batdongsan06

 

ま、そういう、あやふやな数字を、一覧表にしてみました。まだホーチミン1区しかやってませんが、現時点で分かったこと、

 

同じ物件・面積で比較すると、外国人向け価格より、ベトナム人向け価格の方が少し高い傾向がみられる。
(ベトナム人の方が、外国人より派手に値切るから、高目に値段を設定してるのかもなあ…)

batdongsandata

 

ホーチミン1区といえば、東京の都心三区みたいな「超・都心部」なので、もう少し近郊の、2区、3区、7区、ビンタン区あたりのデータを整理してみて、大体の傾向をつかんでみようと思います。

 

ところで、Batdongsan.comには、権利書や謄本をそのまま表示しているものがありますが、びっくりするほど、日本のものに似てるんですよね。

「土地の表示」と「建物の表示」がちゃんと分かれてるし、「求積表」、「字図」にそっくりな書類があるし…日本の法務局のフォーマットをそのまま真似したのかもしれませんね。

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日本と全然違うような、ちょっとだけ似ているような、ベトナムの不動産Bất động sản…そのファンキーな世界を紐解いて、投資家向けにまとめた情報を、オウチーノ社主催の有料セミナー「ベトナム不動産アカデミー」で発表いたします。4月25日(月)開講。全3回の講義に出れば、ベトナムで不動産投資する上での基礎知識と、投資家的な選球眼を身につけられます。興味のある方、是非、来てくださいね。

vietnamacademy

参加申込リンク
https://www.o-uccino.jp/global/seminar/5925/

 

また、3月12日(土)、東京・蒲田で、「ベトナム・高賃料で貸せる物件選びセミナー」を開催しますので、こちらもよろしくお願いいたします。

vietnamseminar

セミナー詳細・申込リンク http://goo.gl/eI2THU

Facebookページ https://www.facebook.com/events/1675781392671774/

 

 

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オーストラリア・ベトナムの、中古不動産マーケットを知ろう!

こんにちは、Manachanです。ブログ更新、しばらくお休みしてしまいました。今日は久々の「オーストラリア不動産投資」ねたでいきますね(ベトナムも少々…)。

 

ケアンズ在住の友人から報告…今年2月27日付の地元の新聞・ケアンズポストは、調査機関CoreLogicの2015年11月の調査で、ケアンズにあるサバーブ(地区)がユニット賃貸リターン率の高さオーストラリアトップであることを伝えています。

このサバーブは市内中心から車で南に約10分のWoree(ウォーリー)、それから市内までも徒歩圏内のBungalow(バンガロー)で、購入額に対する賃貸収入から計算する収益率は共に8.5%。次はManunda(マナンダ)8.4%、Westcourt(ウエストコート)8%、Edge hill(エッジヒル)7.9%、Manoora (マヌーラ)7.8%と全国上位10位のうちケアンズのサバーブが6つランクインしています(この値には管理組合費は含まれない・・要はグロス利回り。)

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オーストラリアの賃貸利回りは、国平均でせいぜい4~5%。シドニー等大都市では価格高騰ゆえ、さらに低くて当たり前。その国にあって、8.5%というのは結構な数字です。面白いことに、トップ10のうち6つがケアンズにあります。

実は、トップになったWoreeというのは、うちの娘ソフィアが通っていた小学校のある場所ですよ

【5~7歳まで、Woree State Primary Schoolの生徒でした…】

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ケアンズは、日本人には人気のリゾート地ですが、都市圏人口15万。日本でいう、「県庁所在地のなかで一番小さい都市」位のサイズしかありません。

でも、山口市や佐賀市にも、住宅地としていろんな地区があるように、ケアンズにも、いろいろあります。Woreeというのはケアンズのなかで、「ごくフツーの住宅地」。市内から車で10分ほどで不便はありませんが、皆が憧れて住みたがる地域ではありません。そういう地味な地区は、日本でも、賃貸利回り高くなりがちですよね。

とはいえ、ケアンズのなかで比較的高級感のあるエリアEdge Hillも、全豪で賃貸利回り5位(7.9%)にランクインしているので、ケアンズ全体の利回りが高いのは間違いないと思いますし、私もその意味で注目しています。オーストラリアは住宅不足の国、空室率は全国的に非常に低く、ケアンズでも空室リスクはほとんどありません。でも残念ながら…

 

・一般の日本人投資家が、ケアンズで、7~8%で投資できるわけではありません。

・豪州永住権のない者は、オーストラリアでは原則として新築しか買えません。

・7~8%というのは、中古の区分アパートを安く買えた時に実現する数字。昨今は建築コストが上がっている関係で、新築で買うと、ケアンズでも通常5%程度になります。

 

私は豪州永住権を持っており、ケアンズで高利回り投資ができる立場にありますが、それを日本のセミナーでお伝えすることはできないのです(だって、中古買えないんだもんね…)。

 

といいつつも、私は思うのです。

・日本人はオーストラリアで新築しか買えないからといって、この国の中古住宅市場を知らないで良いわけはない。

なぜなら、

・新築物件を買っても、数年後(数十年後?)に売却する時は、「中古物件」として売却するわけだから…

 

ケアンズで新築を5%で買っても、売却時に7~8%でしか売れないマーケットであるならキャピタルゲインは望み薄、という見方をする方もいるでしょう。ただ、ケアンズに20数回行ってる者の視点からいうと、ケアンズでも立地・企画次第でキャピタルゲインは期待できると思います。

また、国際的に知名度の高い観光地ゆえ、Airbnbを活用した「収益型別荘」として運用する可能性もあると思います。

・・・といった感じで、ローカルの中古不動産マーケットの知識があれば、数年後~数十年後の出口まで想定した不動産投資が視野に入ってくるわけですね。

 

あと、「新築しか買えない国でも、中古市場を知る必要がある」という意味では、いま人気上昇中の国「ベトナム」も同じだと思います。

この国では、昨年7月に外国人の不動産所有が事実上解禁(正確にいえば、大幅に自由化)されたわけですが、その時点で、外国人への分譲を含めて販売されている物件なら買えるけど、それ以前に販売されてベトナム人がオーナーとなっている物件を我々が買うことは不可能に近い。

オーストラリアとはニュアンスが多少違いますが、「日本人投資家にとって、事実上、新築しか買えないマーケット」という意味では似たようなものでしょう。

ベトナムの場合、現時点では現地人と外国人の所得水準も隔絶している上、言葉の壁もある(ベトナム人ローカル向けの不動産情報は、果てしなくベトナム語オンリーの世界)ため、外国人投資家も「外国人向け物件の情報」しか知らないケースが多いですが、

そんなベトナムでも、不動産を一定期間以上保有する想定があるなら、「ベトナム人ローカルの不動産市場」を知っておく必要性は高いと思います。

 

そんな情報が、いま、日本にあるのか・・・というと、「正直、ありません」。

だから、いま私がいろいろ調べて、データ整理しているところです。ベトナム人ローカルの不動産マーケット調査には、ベトナム語知識ゼロだとできないから、私はいま、お金と時間かけて、ベトナム語を習ってますし、実地調査も何度かしています(3月末にも、現地入りします)。

 

【ベトナム不動産ポータルサイトのメニュー…英語との対照表も作成中】

betonam

 

調査の成果は、4月下旬から、オウチーノ社の有料セミナー等の場を使って、順次発表できると思います。お楽しみに。

 

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憧れのベトナム・ダナンへ…

おはようございます。Manachanです。

今年の春休み、家族でマレーシア・クアラルンプール(KL)に10日ほど滞在することになりました。この時期、私はベトナムとマレーシアで不動産調査の仕事があって、どちらかといえばベトナムがメインなのですが、ファミリーで滞在する環境としてはマレーシアの方が整っていると考え、いわゆる「民泊」でKL市内のコンドミニアムに泊まります。

KL周辺には、ブキビンタン周辺の商業施設、District21、Sunway Lagoonなど、ファミリーで遊べる施設が充実しており、妻と子供たちは大喜び。香港在住の義姉夫婦も同行します。家族がマレーシアで遊んでいる間、私はひとり、仕事のため、ベトナムに渡航して、ハードな行程をこなすわけです。

 

ベトナム滞在は4泊5日。首都ハノイと最大都市ホーチミンを中心に予定を組んでおりましたが、折しも、私の不動産仲間が、ベトナム中部の都市「ダナン」にはまっていて、休みのたびに「ダナン、ダナン~」と、出かけていくような有様。

いろいろ話を聞いていると、ダナン、都市とビーチが両方楽しめて、海鮮はじめメシも超うまくて、近くに古都「ホイアン」の魅力的な街並みもあり、すごくいい街みたいですね。特に、この記事を読むと、ダナンに行ってみたくなり、居ても立ってもいられなくなりました。

都市とリゾートを楽しめるベトナムのダナンを紹介!【オススメ海外旅行先】

(シリーズ記事も何本かあって、どれも、おすすめです)

danangbeah

hoian

danangseafood

 

ダナンは、ハノイ、ホーチミンに比べると目立ちませんが、実は、成田からも直行便が飛ぶような街。私たちの滞在先、マレーシアKLからも、ダナンへのエアアジア直行便が毎日運航していて、フライトも安い(179マレーシアリンギット⇒5000円くらい)。

ベトナム第三の都市で人口100万いるとはいえ、まだまだローカル都市で、外国から投資できる不動産物件も限られるようですが、ASEAN統合の時代、各国と国際空港で直結されるような都市の経済は伸びるはず。しかも、海がきれいで、歴史旧跡の観光地もある・・・人を呼び寄せる要素も揃っている。フィリピンのセブみたいに大ブレイクするかな。こりゃ、ダナン一目見ておかないと。

 

速攻でダナンへの航空券予約したのは言うまでもありません。まずダナンの街と海と食を満喫して、不動産も見てから、ハノイ、ホーチミンに向かうことに決めました。天気に恵まれるといいな。3月末は暑いでしょうけど…

danang

 

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旅行雑誌がカンボジアで炎上

おはようございます、Manachanです。早速ですが、昨日、私のFacebookが突然「炎上」(?)してざわつきました。

 

 

 

騒ぎの発端となったのが、この写真。

rurubu

 

創刊30年以上、日本を代表する旅行雑誌「るるぶ」(JTB社)ですね。今春、家族を連れてベトナム滞在する可能性があるので、近所の図書館で借りてきました。発行時期はやや古く、第1版が2013年10月に出ています。

この本の「表紙がおかしい」ことに気づいたのは、もうすぐ7歳になる息子ポニーでした。私は最近2年でカンボジアに4回渡航してまして、旅先の話を子供たちにもしてますので、「アンコールワットがカンボジアにある」ことを、この子は覚えていたのです。

 

「パパ、これベトナムの本なのに、なんでアンコールワットって書いてあるの?」

「アンコールワットは、カンボジアにあるんじゃないの?」

 

そう言われてみれば、そうだなあ…上に大きな字で「ベトナム」、その直下に、やや小さい字で「アンコールワット」って書いてある。東南アジア知識が乏しい人が読めば、「アンコールワットがベトナムにある」と思ってしまうかも。

それにしても、まだ小学1年生なのにアンコールワットの所在国を知ってるボクちゃん偉いぞと思い、親バカ気分もあって、Facebookに写真とともに投稿しました。そしたら、

・この投稿が、カンボジア人を中心とするFBユーザー18名以上にシェアされ、

・「出版社の連絡先を教えて欲しい」、「抗議する」などのコメントが殺到…

 

「るるぶ」は、日本人が日本人旅行者向けに出している旅行ガイド。出版社や編集者に、「アンコールワットをベトナムのものと思わせたい」みたいな政治的意図はなかったと思います。「ベトナムと同時に、アンコールワットも売り込みたい」みたいな商業的意図があったのか、あるいは単に、カンボジアの国情、民衆感情や隣国との関係に無知だったのかと。

アンコールワットは東南アジア屈指の人気観光地。でも、日本国内からカンボジアへの直行便はまだないので、日本人向けツアーはたいてい、「ハノイとアンコールワット」、「ホーチミンとアンコールワット」みたいに、日本と直通便のあるベトナム主要都市と組み合わせることが多い。ツアー企画者の立場に立てば、ベトナムの延長線上にアンコールワットが出てくるのは自然な発想。

ただ、ああいう表紙にするのは、ちょっと想像力が足りなかったのではないか?なぜなら、

 

たとえばアメリカで、こんな旅行ガイドが出されたら、日本人としていえば嫌だもん。

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もし、「中国と沖縄をセットにしたツアー」がアメリカ人に人気になったら、こういうガイドが出る可能性は、ゼロではないかもしれない。アメリカ人で、国内から出たことない人、せいぜいカナダ、メキシコ位しか行ったことがない人はとても多く、「中国と日本なんて、同じようなもんだろう・・・」と思ってる人も、多いかもしれない。

ただ、アメリカでこういうガイドが出たら、「尖閣諸島を足掛かりに沖縄領有まで狙っている中国ロビーの仕業ではないか?」と騒ぐ人も出るでしょうし、政治問題に発展する可能性あるでしょう。

 

「るるぶ」の話に戻りますが、そういうことに、少しでも思いを馳せられる人が編集していたならば、「大きな字のベトナム」の下に、「小さな字でアンコールワット」と書いて出版するようなことはしていなかったと思います。

もっとも、最近出た「るるぶ」のガイドでは、「ベトナム」の下に、「カンボジア・アンコールワット」と書かれています。おそらくカンボジア人から抗議を受けて、対応したのかもしれませんね。国際センスは、決して誉められたものではありませんが、それでも、最低限の対応した点は、素直に評価したいと思います。

 

rurubu_2015

 

カンボジアも、ベトナムも、タイも、大陸上にある国です。歴史上、数限りない戦乱を体験し、国境が何度も書き変わりました。国家存亡を繰り返す状況のなか、「アンコールワットがカンボジアにある」ことは、カンボジア人にとって何よりも大事なことだし、守るべきことだし、他国もそれを尊重して付き合わなければならない・・・そういうリアリティは、島国に住む日本人にとって、なかなか肌で理解するのは難しいことです。

一般論として、日本人にこういう国際センスや配慮が欠けているのは、昔から指摘されていたことで、今でも大勢はそう変わってないと思います(以前よりマシになった面もあるけど・・)。

そんななか、微力ではありますが、私にできることは、「ベトナムの大きな文字の下にアンコールワットと書かれているのを見て、これはおかしいと気づける日本人を、一人でも多く育てること」なのかなと思います。うちの子供たちも含めて…

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東南アジア都市進化論

こんばんは、Manachanです。1月14日に、アジア太平洋大家の会、今年最初の企画「5万ドルからのベトナム不動産投資セミナー」を開催しますが、先ほど、私のプレゼン資料を仕上げたところです。

資料作成の調べものをしていた時に、ベトナム・ホーチミン市で建設予定の都市鉄道マスタープランをみました。6路線、全長107km・・・今のところ、市民の移動手段としてはほぼバイクしかないところに、近代的な交通システムができ、「下手したらバイクで1時間以上かかった移動が15分で済む」ようになり、この街も大きく様変わりすることでしょう。

【ホーチミン地下鉄将来図】(2025年頃?)

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ホーチミン市の都市鉄道、6路線が整備されるのはいつ頃でしょうか?先行するメトロ1号線や2号線が2020年頃の開通、他の路線も順次完成と聞いていますから、出揃うのはたぶん2025年頃でしょうか。この路線図をみて、思ったこと、

「ホーチミンは、あと10年かけて、今のバンコクとほぼ同レベルになる気なんだな・・・」

 

現時点で、バンコクの都市鉄道は4路線(BTSスクンビット線、シーロム線、MRT地下鉄線、エアポートリンク線)、総延長も100㎞強ですから、ホーチミン未来予想図(6路線107㎞)と似たようなものですね。もっとも、バンコクではパープルライン、オレンジラインはじめ、新鉄道建設や延伸が急ピッチで進んでますから、2025年にはホーチミンのずっと先を行ってるでしょう。

 

【現在のバンコク鉄道路線図】

tounanajia05

 

そのホーチミンも、隣国カンボジアのプノンペン、ラオスのビエンチャンなどに比べればずっと都市機能豊かで成熟してますから、東南アジア、特にインドシナ半島部では、「バンコクこそ皆の目標」であり、「都会度のベンチマーク」といって過言ではないと思います。

同じ東南アジアで、先発と後発、いろんな発展段階の都市があるなかで、私は、次のような整理をしています。

 

tounanajia01

 

【都市化以前の段階】

東南アジアは、熱帯の湿潤地帯で、農業と人口扶養力が豊かな地域なので、とにかく「人間はたくさんいる」。近代インフラがろくになくても、農村人口が集まっただけで、都市部はすぐ過密(1万人/㎢以上)になる。また人々の住まい方も温暖湿潤ゆえ、寒冷地や砂漠地帯と違って集住する必要がなく、基本は「土地付き一戸建て」が中心。さらに、東南アジアはどこでも、道路インフラが鉄道インフラに先行して整備されるので「クルマ社会」が基本・・・そういう共通の条件があるなかで、経済発展とともに、首都に人口が集まっていきます。

 

【都市化、第一段階】(低所得国の首都型)

今でいう、カンボジアのプノンペン、ミャンマーのヤンゴン、ラオスのビエンチャンなどが典型的ですが、まず、ある程度の道路・電力・上下水道インフラや、商取引の制度などが整った上で、欧米日中タイなどの「外資」が入ることにより、経済発展が本格化し、中間層が育ち始めます。各国の首都や最大都市に雇用機会と人間が集まり、過密化。クルマも増え、道路の貧弱さとあいまって交通渋滞が深刻化します。政府は、道路の拡幅整備に注力するとともに、クルマを持たない庶民層への交通手段として、路線バス等を整備します。

この段階での人々の住まい方は、「土地付き戸建」を強く志向しますが、地価がどんどん上がり、中間層が土地付きを買おうとすれば遠い郊外に出ざるを得なくなるため、都心近郊でアパート、コンドミニアムといった「集合住宅」がつくられ、ライフスタイルの都市化がはじまります。そうして、都市住民がどんどん増えると、もはや、道路交通だけでは都市機能が維持できないので、都市鉄道(地下鉄、モノレール、LRTなど)の建設が必然的になります。最初の鉄道が開通し、市民の電車通勤が実現することになると、第一段階を卒業して、次のフェーズに進みます。

 

【都市化、第二段階】(中所得国の首都型)

タイのバンコク、マレーシアのクアラルンプール、フィリピンのマニラなどがこの類型かと思いますが、都市鉄道が2路線、3路線と整備されてくる頃には、都市構造も複雑化、都心CBD(業務中心地区)を二つ以上持つようになり、これらが鉄道で結ばれるようになります。例えば、バンコクにはすでに「シーロム」、「サイアム」、「アソーク」という3大CBD、クアラルンプールにも「KLCC&ブキビンタン」、「セントラル」という2大CBDが形成され、すでに鉄道で直通可能。マニラはこれからですが、「マカティ」、「BGC(ボニファシオ・グローバル・シティ)」の2大CBDを結ぶ鉄道をつくらざるを得ないでしょう。

この頃には、都心~近郊の鉄道・道路網がネットワーク状に整備され、このエリアでは「集合住宅」が主流の住まい方になります。住宅費の高騰ゆえ住居面積は狭くなり、子供の教育費や要求水準も上がるため「子育てコスト」が意識されるようになり、都市部では少子化が進むのもこの段階に顕著な傾向です。この時期を卒業すると、いよいよ先進国入りに向けた「都市化・第三段階」がはじまります。バンコクとクアラルンプールはすでに、卒業間近な印象があります。

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この整理のなかで、ベトナム最大の都市・ホーチミンはどこに位置づけられるのかというと、私の意見では、「第一段階を間もなく卒業」だと思います。この街に、これまで鉄道がなかったのが不思議な位、都市機能は成熟し、都市的な住居スタイルも普及しているし・・・その意味では、すでに都市鉄道を持ち、第二段階入りした「マニラ」に近い都市レベルにも見えます。全体的にみると、僅差で、マニラの方が上かな。でも中間層の分厚さではホーチミンが勝るようにも見えます。その代わり、マニラにはまだ所得で及ばないし、マカティ、BGCみたいなワールドクラスなCBDはまだないけど。

いずれにせよ、そう大差ないレベルにある、マニラやホーチミンが、あと10年で、今のバンコクのレベルに追いつく。そのバンコクは、第二段階をもうすぐ卒業・・・みたいなイメージでとらえています。逆に、後発のプノンペンやビエンチャンは、あと10年間発展を続けて中間層を育てて、今のホーチミンのレベルまで追いつくかどうか、ですね(プノンペンは、できるかもしれないが、人材面など課題も多いですね…)。

tounanajia03

 

では、「みんなの目標」バンコクの10年後は、どうなるのか?2025年頃には、総延長400㎞を超える、都市鉄道網がネットワーク状に整備される予定で、それをみると、「バンコクは、本気で先進国都市レベルを目指しているんだな」と思います。全部完成すれば、鉄道網は、現時点でのソウルや台北のようなレベルになる。

bangkok2025

 

同時に、今後10年で、バンコクを中心とするタイは少子高齢化に悩まされ、産業の周辺国移転による産業空洞化も進むでしょう。労働力人口も頭打ちになり、慢性的な低成長になるかもしれません。日韓のようなアジア型の先進国を目指せば、先進国の悩みも同時に抱え込むことになるわけですね…

ま、それもそれで、ほぼ歴史の必然といえるのでしょう・・・結局、東~東南アジアには、時差しかないと思います。先発、後発の違いはあっても、ほとんどの国が、似たような発展過程をたどる。一極集中型の首都、豊富な労働力を使った工業・サービス業の発展、都市型ライフスタイルの普及、そして少子化、高齢化、低成長という成熟段階に至る・・・

同じような肌の色と、顔つき、米を中心とする食文化が似ているだけでなく、経済発展すれば、ライフスタイルまでも似通ってしまう・・・時差というファクターを取り払えば、アジアの国々や都市は結局、どこもほぼ同じに見えます。だからこそ、アジア圏で一番早く経済発展を経験した日本で生まれた幸運を活かしたいですね。ある意味、日本で育つことによって、同じアジアの国々の未来が見えているわけだから…

 

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魅惑のラマ9ライフ

こんばんはManachanです。5日間の楽しいバンコク滞在を終え、台湾まで戻ってきました。

バンコクで、私たち家族が滞在したのは、地下鉄「ラマ9」(Phra Ram 9)駅近くに保有するコンドミニアム。とはいえ、大人の足で8~10分かかるので、バンコクの基準からいうと駅近とは言えません。バンコクは年中暑いし、タイ人は短い距離でも歩かない人たちなので、こんな距離でも平気でバイクタクシーに乗る。

投資家目線でいうと、この「ラマ9」という場所に関しては、もう絶賛の一言しかありません。いまバンコクのCBD(都心の業務地区)といえば「シーロム」、「サイアム」、「アソーク」の3か所でしょうが、「ラマ9」エリアは確実に、バンコク第四のCBDになることが確実視されています。すでに「セントラルプラザ」をはじめとする商業施設が林立、「タイ証券取引所」や「中国大使館」がある他、西暦2020年にはこの地に、ASEAN最高の615メートル、125階建の「スーパータワー」が建ち、各種ビジネスのASEAN統括本部が置かれることでしょう。東京の「新宿副都心」のように、ラマ9自体が巨大な雇用機会を提供する「都心」になるのです。

都心化する「ラマ9」駅から徒歩圏内の物件なら、将来的に値上がりは確実だと考えますが、現時点での問題は「駅から微妙に遠くて、微妙に不便」なこと。バンコクの人々に、この距離が「徒歩圏内」とみなされなければ、せっかく「ラマ9」にある立地の意味が半減してしまう。

ただ、実際ここで暮らしてみると、ラマ9駅まで楽勝で歩けますし、むちゃくちゃ便利ですね。

 

【ラマ9駅につづく道…】

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【地下鉄ラマ9駅は、いつも通勤客で満員】

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徒歩10分圏内に、大型商業施設が3つ
「セントラルプラザ」
「フォーチュンタウン」
「テスコロータス」

隣のタイ文化センター駅方面に歩けば、さらに
「エスプラネード」
「ビッグC」

が加わります。この5つの施設内に、無数のテナントが入り、専門店も多く、金融、医療、教育などサービスも豊富で、人生に必要なありとあらゆるモノが揃います。ここに住めば、ショッピング目的で他のエリア(サイアムやスクンビット)に行く必要を全く見いだせません。

 

【ラマ9~タイ文化センター間、商業施設が目白押し!】

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【ラマ9のセントラルプラザは、バンコクを代表する商業施設のひとつ】

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さらに、上にあげた5つの商業施設は、全て、分かりやすい特色があります。

「セントラルプラザ」は、ラマ9ショッピングの代名詞。日本でいえば「幕張イーオンタウン」に近い感じの総合商業施設。ここに行けば何でも揃う。6Fのフードコートが極めて使える。
「フォーチュンタウン」は、やや雑居ビル然とした「アキバっぽい」雰囲気。IT系の専門店が多く、男子には嬉しい。地下~1Fには巨大な食堂街が併設
「テスコロータス」は、日本の「西友」に近い雰囲気。リーズナブルで、食材や日用品を安く揃えるのに最適。
「エスプラネード」は、高級専門店に特化したショッピングセンターで、「丸井」に近い感じ。「ココイチのカレー」などが食える。
「ビッグC」は、「テスコロータス」よりやや高級に寄った日用品・食材スーパー。オーガニック野菜などを仕入れるのに良い。

 

【電脳男子には嬉しい、フォーチュンタウンのIT専門店群】

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しかも「ラマ9」お魅力は、巨大なハコモノだけじゃありません。フォーチュンタウンの裏手、ディンデン・ロードの北側には、極めてローカル色の強い、下町然とした雰囲気のストリートがいくつもあり、安食堂や屋台が並びます。タイ語表記しかありませんが、とにかく安く食べられます。

さらにディンデン・ロードの両側には、コンビニ、理髪店、ピザ屋、雑貨屋、銀行の支店など、生活に必要なあらゆるお店が並びます。さらに、横浜家系ラーメン屋や日本語学校まである!

 

【裏ラマ9、下町のたたずまい】

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徒歩圏内に、巨大なハコモノも、個店も充実、どこも人が多くて元気いっぱい。日本でいえば、そうですねえ、東京郊外の中核都市「町田」や「柏」の駅近に住むのに匹敵する利便性でしょうか。

日本食レストランやスーパー、日本の公文、学習塾みたいなものは少ないけど、そういう面にこだわりがなければ、「ラマ9」、むちゃくちゃ便利で住みやすいですよ。サイアムやスクンビットに住むより物価も安いし、いろんな意味でおすすめです。

 

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バンコク地下鉄で住みたい駅、投資したい駅

こんばんは、Manachanです。家族で楽しいバンコク滞在も、いよいよ明日で終わり。ここ2日、シラチャーとバンコクの不動産調査で、両足に血豆ができるほど歩き回ったので、今日は自宅(バンコク別荘)でゆっくり休んでます。

 

私、バンコクという街が大好き。世界一好きです。あわよくば、家族を連れてこの地に移り住みたいと思っています。もっとも、一家の収入を担う責任上、バンコクで暮らすには稼がねばなりませんので、昨年から収入をつくるべく、いろんな準備をしています。タイ語学習も昨年3月から始めてますし…

同時に、家族にはバンコクを好きになってもらい、この街で生活者として暮らすイメージをしてもらわねばなりません。そのため、昨年9月に、バンコクのラマ9世エリアで2部屋のコンドミニアムを買い、別荘として使うなかで、バンコク暮らしに慣れてもらう…という取り組みも始めています。

もちろん、相手のあることなので、一朝一夕にはいきません。子供の教育という、大事なテーマもあります。今後しばらくは、東京に住み、時には私ひとりで、時には家族でバンコクに何度も渡航しながら、この地で稼ぎ、暮らすモデルを、いろいろ試すことになるのだと思います。それが未来につながりますから、一日一日を、大事に生きなければなりませんね。

 

もし、バンコク移住が叶うとすれば、当然、不動産関連の商売で生計を立てます。事務所の場所もすでに決めてます。「アソーク」(Asoke)です。

「アソーク」は、BTSスクンビット線と、地下鉄MRTの連絡駅で、極めて利便性が高い。ここを拠点に商売するなら、職場に電車一本で行けるところに住むつもりです。通勤の選択肢は「BTS沿線」と「MRT沿線」の二つあるわけですが、バンコク在住の日本人は普通、アソークからBTSで東方面に進んだプロンポン、トンロー、エカマイ、プラカノン、オンヌットの5駅のうちいずれかに住むのが通例。日系不動産屋が紹介する物件も、この5駅(特にプロンポン、トンローの2駅)に集中しています。

ですが私は、自分の住まいはMRT沿線を中心に考えています。「人の行く裏に道あり花の山」ではないけれど、日本人にとって住みやすい環境が、必ずしも私にとってベストとは限らない。むしろ、タイ人ローカルの暮らしにがっつり染まりたいタイプの人間ですので、外国人目線ではマイナーでもタイ人の通勤通学の足として定着したMRTの方が、住まいの適地が見つかりやすそうな気がします。

昨年7月から、MRT沿線各駅をくまなく歩いた私の目線で、住むなら、あるいは投資するなら、どの駅を選びたいか、考えてみました。

 

1)私1人で住むなら、スティサン(Sutthisan)駅のローカルアパート

スティサンは、アソーク(スクンビット)からMRTで北に5駅目、乗車時間は約10分。BTSでオンヌット駅からアソークに行くのと似たような時間距離ですね。

所謂ラチャダー地区(Rachada)の一角を担う街ですが、同地区のMRT駅のなかでとびきりローカル色の濃いエリア。要は下町ですが、このディープな雰囲気が何ともいえず好きです。私ひとりなら、タイ人ばっかり住んでる月7000バーツ位の古アパートでも借りて、タイ文字しかない賑やかな市場で安いメシ食ってゆる~く暮らします。

 

スティサン駅の交差点・横断歩道

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南の都心方面をのぞむと、見事に都市ですが、

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東方面をのぞむと、なんだこりゃ?

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電線の感じが、なんとも、東南アジアですねえ (電気盗んでる店も多そう・・・)

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駅の南東側は、活気あふれる市場。食べ物たくさん、安い!

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完全に下町かと思いきや、ちゃんと、大企業のオフィスもあるんです

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2) 家族で住むなら、チャトゥチャックパーク(Chatuchak Park)駅あたりのコンドミニアム

私一人と違って、家族4人で住む場合は、さすがにローカル安アパートとはいかず、環境面、衛生面なども考えなくてはなりません。

家族で住むなら、やっぱり、公園やマーケットの近くが良いわけで、候補としてはMRT沿線なら「チャトゥチャックパーク」駅あたりのコンドミニアムが最有力でしょう。ウィークエンドマーケットの最寄駅かつ、BTS「モーチット駅」と連絡している極めて便利な駅です。アソークからは、MRTとBTSのダブルアクセス可能、所要時間はいずれも約20分で、BTS使えばサイアムにも直行できる。東京でいえば、渋谷と新宿にダブルアクセスできる「吉祥寺」に住むような感じですね。

ファミリー視点からみた、この地域の魅力は、何といっても、広大な「チャトゥチャック公園」、「クイーンシリキット公園」が使えること。無料で入場できる「子ども博物館」はじめ、手漕ぎボート、レンタサイクル等、いろんな楽しみ方ができます。また、小ぎれいな「オー・トー・コー・マーケット」で食材調達できるし、近代的なショッピングは最寄りの「セントラルプラザ・ラップラオ」があれば十分。都心に出る必要なし。

バンコクに定住するなら、この一帯で家族で住めるコンドミニアムを買ってもいいし、また借りてもいいと思っています(便利な割にタイ人相場だから安く借りられるしね…)。

 

緑豊かなクイーンシリキット公園

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食材の天国「オー・トー・コー・マーケット」

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ヤングファミリーに大人気「セントラルプラザ・ラップラオ」

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北バスターミナルの西側~バンス―国鉄駅にかけては、巨大な新都市開発が行われます。

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3)投資するなら、サムヤーン(Samyan)駅

地下鉄沿線で投資目線で面白いと思うエリアはいくつかありますが、サムヤーン駅の界隈もその一つ。

ここは、グローバル企業のオフィス、各国大使館、ホテルが林立する都心「シーロム」駅から西へわずか1駅。もう一つの都心「サイアム」からも1㎞圏内。バンコクの一等地にある割にまだ知られておらず、「これからの街」感を残しています。アソーク駅までも地下鉄で直通5駅10分。

サムヤーンは、タイの最高学府と言ってよい「チュラロンコン大学」の最寄り駅でもあります。バンコク都心ど真ん中にある有名大学はここしかないので、サムヤーンは都心型の学術都市、キャンパスタウンとして、タイ人にも外国人にも、これから人気出てくることでしょう。

 

サムヤーン駅の入り口、雰囲気が良い。

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チュラロンコン大学のお膝元

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中華系タイ人の住民が多く、下町の雰囲気も残しているが、他の下町より裕福そう。

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なお、私がいま、AirBnBを使って「収益を生む別荘」として運用している物件は、地下鉄「ラマ9世」駅近くにあります。ここ、投資目線ではバンコクでピカイチのエリアだし、住み心地も気に入っていますが、今のところ収益が上っているので自己使用するのは勿体ないですね。バンコクの住まいは、たぶん、こことは別に探すのだと思います。

 

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シラチャ商業戦争(?)‐ロビンソンvsイオンモール

こんばんは、Manachan@バンコク滞在中です。今回は、昨日不動産視察した「シラチャ」の話題でいきますね。

シラチャ(Sri Racha)は、タイ東部、チョンブリ県に属する中堅都市。重工業が盛んで、推計人口は26万人。バンコクからの距離は約120km・・・この町の名前が日本のメディアを賑わすようになったのは、ここ数年。タイの工業団地に駐在する日本人とその家族のベッドタウンとして、急速に発展してからです。

さほど大きくないシラチャの街に暮らす日本人の数は、約1万人といわれています。タイのなかではバンコクに次ぎ、二番目に日本人が集中している都市となり、2009年には日本人学校シラチャ校が開校しました。世界有数の日本人街と言ってもよいでしょう。

 

日本人生活者が増えれば、当然、日本人相手の商売も成り立ちます。まず飲食店やスナック、日本食材店から始まり、今では教育、不動産、医療サービスなど、ジャンルも多岐にわたっています。ここ数年は大手企業の進出が目立ち、不動産でいえば東急グループが現地企業と組んで日本人家族向けのサービスアパートを建設・運営したり、アパマンショップが店舗をオープンする等の動きがあります。東南アジアへの日系進出が目立つ昨今ですが、首都でも大都市でもないシラチャに、大手クラスが進出するのは珍しい。

極めつけが、昨年10月に市内中心部にオープンした「イオンシラチャ・ショッピングセンターでしょう。「マックスバリュ」を核店舗に、飲食中心の60店舗で構成されています。その他、学習塾等の教育施設、マッサージ、銀行、クレジットカードなどの金融サービスも日系を揃え、「日本の品質や雰囲気」にとことんこだわる、これまでシラチャにはなかった商業施設といえます。

 

【イオンはJAPAN感満載の商業施設】

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これまでシラチャの商業施設といえば、「ロビンソン」という、タイ地方都市によくある大衆型ショッピングセンターしかありませんでした。そのロビンソンから徒歩数分のところに、イオンタウンがオープンしたことで、「ロビンソンvsイオン」の一騎打ちの様相になりそうです。

 

【ロビンソンは、タイらしいローカルな雰囲気…】

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(余談になりますが、市内中心から東方6㎞の郊外に、「Jパーク」という、日本をテーマにしたショッピングモールも2014年にオープンしています。が、こちらは日本人向けというより、「郊外の戸建エリアに住むマイカー利用のタイ人向け商業施設」で、ロビンソン&イオンと商圏が違うので割愛いたします。)

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「イオン」の出現によって、シラチャの商業勢力図がどう書き換わるのか?場合によっては、シラチャの中心部がイオン方向に移動するのか…興味はつきませんが、現時点でいえば、「ロビンソン圧倒的に優位」な構図は変わらないように見えます。。だって、多勢に無勢ですもん。

 

シラチャの住民構成(推定)

タイ人  25万人 (約95%)
日本人   1万人 (約4~5%)
その他外国人 ごく少数

 

いくら日本人が多い街だとはいっても、シラチャ住民の約95%を占めるタイ人に支持されるロビンソンは、やはり強い。いつも客で一杯だし、ロビンソンの回りにバイクタクシーやトゥクトゥクが常時、何十台も停まっている。バンコクやパタヤなど、他都市へ行く乗り合いタクシー(ロットゥ―)も、全てロビンソンを発着。シラチャのメインストリート(スクンビット通り)に面していて目立つのも大きい。

対するイオンタウンは、メインストリートから東へ小道を入っていく、目立たない場所にあるためか、客の入りが寂しいように感じます。イオン前にはトゥクトゥクが2台ほど止まっているだけで、ロビンソンの活気・喧噪とは比べるべくもない。飲食店も、人気の店はそれなりに賑わうけど、それ以外の店は閑古鳥。

 

素人目に思うんですが、日本人向けに店を最適化したところで、シラチャ人口のたかだか4~5%に過ぎない人々に支持されたところで、商売としてはキツイのではないか?それより、圧倒的多数を占めるタイ人に支持される、少なくとも認知されるようでないと、先行き厳しいのではないか?

早い話が、メインストリート(スクンビット通り)に、シラチャーの20km前位からイオンタウンの広告をいくつも、デカデカとタイ語で出すようでないと、シラチャー周辺都市(チョンブリやパタヤ)に住むタイ人に認知してもらえないと思うし、イオンに入居しているテナント飲食店も、ロビンソンでごった返しているタイ人客向けにチラシを配ったりして、彼らの客足をイオンに向けさせるような努力をしないと、結局「ロビンソンの天下」は変わらない。

タイ人にもいろんな人がいます。彼らの平均的な収入水準は日本人より低いでしょうが、なかには、日本人が逆立ちしても敵わない超お金持ちのタイ人も相当数いるはずですから、彼らがイオンタウンでお金を使うようになることを目指した情宣活動は絶対に必要でしょう。

シラチャについて書いてる日本人のなかには、「イオンタウン周辺が、新しいシラチャの中心になる」と言ってる人もいますが、イオンタウンが相当数のタイ人に支持されて、ロビンソンと匹敵するような賑わいをつくらない限り、それは起こらないと思います。

 

最後に、シラチャ不動産投資について、少しは書かなきゃなりませんね。この街でこれから不動産投資するのは、一般論としてかなり難しいと思います。つまり、「ピンポイントで絞らないと、勝てない」…詳しくは、私が講師を務める「バンコク・アカデミー」の次回講義(1月18日)でお話ししますが、シラチャには短期的に解決困難な二つの問題があることを、まずは理解しましょう。

 

・過剰供給 (歩いて回れるサイズの小さな街に、日本人賃貸客目当てのコンドミニアム・サービスアパートが大量供給され、すでに飽和)

・賃貸向きエリアの狭さ (公共交通機関がゼロに等しく、日本人が賃貸で住めるエリアが、ピンポイントで絞られてしまう)

 

過剰供給ゆえ、「他の物件より条件が良くないと、選んでもらえない」ところにもってきて、日本人が住めるエリアが限定されるわけです。ロビンソン徒歩圏とか、イオンタウン目の前みたいな好立地なら、需給ダブつき気味とはいえ賃貸需要はそれなりにあるでしょう。

しかし、市内から1~2km以上離れたところで、大して特色もない物件だと即アウトです。電車もバスもない、タクシーも極めて少ないシラチャのこと。日本人がわざわざ遠い場所に住む意味がありません。中心部の賃貸物件より明らかに安くても厳しいでしょう。なぜならそこは、タイ語が読めない話せない人が住むには非常に不便だからです。

 

【英語表記が普及したバンコクと違い、地方都市シラチャはタイ語オンリー表記が多い】

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一般論をいえば厳しいシラチャ不動産ですが、マーケットを詳しくみれば、たとえば日本人駐在員が家族連れで住める100㎡超、2~3ベッドルーム以上の良質の賃貸物件が極端に不足しており、Jパーク近くの郊外でこのクラスの物件をサービス付で建設・運営している東急は成功しています(ここは賃貸物件だけなので投資は無理ですが…)。

但し、シラチャのサービスアパートならどれでも成功できるわけではありません。東急が成功したなら、その要因は何なのか?きちんと考え抜いて企画したものでないと、結局ハズレます。シラチャ不動産投資がピンポイントでしか成功できない、という基本は変わりません。

 

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バンコクで微妙な立地を楽しむ

おはようございます。Manachanです。

バンコク中心部で、AirBnB運営ができる物件として、一部投資家の間で有名な「マークコンド」(The Mark Condo, Rachada-Airport Link)。私も1室買っており、いま家族で滞在中です。このブログ読者で、ここ買ってる方も数名おられるはずです。

 

この物件、バンコク市内の好眺望と設備内容が魅力ですが、

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立地が、やや難点といえます。確かにバンコク都心部にあるんですが、場所がいまいち分かりにくいのです。

この物件、家族で暮らしてみてから、今日で3日目になりました。最寄りの地下鉄駅「ラマ9」(Phra Ram 9)から500~600m。私の足で8分程度なので、近いとはいえないけどめちゃ不便とは感じません。しかも「ラマ9」駅周辺は、「セントラルプラザ」、「フォーチュンタウン」、「テスコロータス」など商業施設が集結する、極めて便利なエリア。

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ですが、荷物を持って、タクシーで移動すると一方通行の関係で微妙に不便なのです。たとえばラマ9駅からタクシーに乗る場合、

・ ディンデン・ロード(DinDaeng Road)を、西へ1.5㎞移動

・ プラチャソンクロ・ロード(Pracha Songkhro Road)で左折、南へ0.5㎞移動

・ 道なりにジャトゥラティット・ロード(Jatrathid Road)を東へ1㎞移動、向かって左側に「マークコンド」がみえる。

 

しかも、タイのタクシー運転手は英語が話せないケースが多く、上記の内容を伝えるのもなかなか大変。人によってはアルファベットも読めず、道の名前を英語で書いていても「???」という者もいる。

そこで、管理会社と協力して、タイ文字入りの地図つくってみました。

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我が家は、私以外タイ語が分かりませんが、妻にこの地図を渡して、「とにかく、タクシー運転手にこれを渡せば大丈夫だよ」と伝えています。実際、これで何度かタクシー乗ってきてるので、一応使えるレベルにはなっているのでしょう。

 

投資家視点でいうと、便利な「ラマ9」駅の近くではなく、「ちょっと外した、微妙に不便」な立地だからこそ、ここを買ったといえます。駅近くのコンドミニアムと比べて、3~5割引きで買えますから…また、微妙に不便だからこそ、自作の地図など「情報」をつくることによって、少しでも改善していける。そういう「運営の楽しみ」があるのがイイですね。

 

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