こんばんはManachanです。Wordpressブログに移行して2回目の日記。新しいツールに早く慣れるため、こまめに更新していこうと思います。でも記事のクオリティは落とさずに…
今回のテーマは、「社会起業」。ここ数年、書籍やライフスタイル系メディア等で、「新しい働き方」としてよく取り上げられてますよね。社会起業を志す若者が、私に相談しに来ることも時々あります。Wikipediaの定義によると、
社会起業家(しゃかいきぎょうか)は、社会変革(英: Social change)の担い手(チェンジメーカー)として、社会の課題を、事業により解決する人のことを言う。社会問題を認識し、社会変革を起こすために、ベンチャー企業を創造、組織化、経営するために、起業という手法を採るものを指す。
社会起業と聞いて、真っ先に思い浮かべるものは何でしょう?ケアセンターとか、私立学校・私塾とか、自然環境や地域文化の保護、町おこしをテーマにする組織団体とか…いろいろあります。国際派でいうと、バングラデシュでジュートを材料にしたカバン製造販売の会社「マザーハウス」創業社長・山口絵理子さんあたりが有名ですね。
私の交友関係でいえば、NPO法人東京キャットガーディアンを主宰する山本葉子さんが、イメージに一番ぴったりくる社会起業家かな。山本さんは、殺処分される予定の猫を保護する施設「シェルター」を首都圏各地につくり、里親を募集する事業を展開しています。そして猫共生マンションの企画など、不動産投資家とのコラボも精力的に手がけておられます。
私、「社会起業」という世界に、興味あります。自分を社会起業家だとは思っていませんが、はたからみて、彼らと似たようなことをやっているような感じはしてます。たとえば、
「アジア太平洋大家の会」という、海外不動産投資にフォーカスした大家コミュニティを立ち上げ、5年ほど運営している。
海外不動産投資は、猫ちゃんの里親募集と違い、最初から「大きなおカネが動く」世界です。すでに2000名以上の、資産家や企業経営者、高収入ビジネスマンを含む会員を集めてますので、やろうと思えばいくらでもビジネス化できますが、あえてビジネスにせず、「非営利のコミュニティ」に徹して運営しています。私たちのミッションは、日本の投資家に有益な情報を与え、海外不動産で利益をあげるお手伝いです。これって、社会起業なのでしょうか?
海外のお客様に日本の収益不動産購入や、ビザ取得のサービスを提供する会社「鈴木資産管理」を、5年ほど運営している。
私の会社は、日本への移住を希望し、何百~何千万円を用意してくる海外の方々向けに、投資経営ビザのサポートと、収益不動産購入を組み合わせたサービスを提供しています。本気で日本に住みたい良質な外国人だけを相手にしているので、来日後、良き市民として日本社会に溶け込む方ばかりです。日本の少子化、経済活性化に少しは貢献している自負はあります。思い切り営利事業の形態ですが、これって社会起業なのでしょうか?
私、上記のいずれも「社会起業」とは似て非なる「ニッチビジネス」だと思ってます。とはいえ、私のやってることと、社会起業家のやることに、明確な境界もないと思います。
日本を代表する社会起業家のひとり、NPO 法人 edge 代表理事田村太郎氏が、良い文章を書いています。「日本の社会的企業と社会起業家の現状 ―実践者の立場から」。引用しますと…
今までは役所が 対応する公共性が高いものと、企業が対応す る営利性の高いものの二つで世の中が回っ てきたと思います。ところが企業は儲かるこ としかやらない、行政も公平、平等の原則が ありますから、同じものを大量に配るのが得 意ですが、細かいものを丁寧に配るのは苦手です。するとこぼれて落ちてくるものがあ る。こぼれ落ちる領域がどんどん広がってい くところに、プロフィット・オーガナイゼー ションではない「NPO」あるいはガバメン タル・オーガナイゼーションではない「NGO」 がカバーする領域がどんどん広がってきた
「既存の民間企業がやらない」、「行政も上手にできない」分野をビジネス化するのがNPO/NGOであるならば、私も似たようなことをやってる自負があります。分かりやすい図で表すと、こういうことになるかと思います。
行政の場合
・根拠法があり、かつ役所で実施体制があれば、政府直営業務(住民管理、生活保護、年金などの業務・・になる)。
・根拠法があるが、役所で実施体制がない、あるいは公務員を人件費を使うべきでないとされた業務は、公共事業等として民間企業が請け負う。しかし、そこからこぼれ落ちがちな「きめ細かい仕事」が、社会起業orニッチ産業に落ちてくることもある。
・根拠法がないものは、行政も公共事業も実施できないが、社会的要請がある分野ならば、そこが「社会起業orニッチ産業」の出番になる。
民間企業の場合
・大企業は、新事業へ参入する場合、組織が大きくコンプライアンスも厳しい分、参入コストが高く、ある程度以上の規模感のあるビジネスでないと参入できない。
・中小企業は、大企業よりも小回りが利くし、規模感の小さいビジネスでも参入しやすいが、それでも営利企業である以上、ある程度以上の収益が見込めるものでないと取り組めない。
・中小企業も参入しないような収益の見込みにくい仕事、あるいは特殊技能を使って参入コストを極限まで安くして勝負する領域が、「社会起業orニッチ産業」のストライクゾーンになる。
ここまで整理してきて、社会起業とニッチビジネス、どこがどう違うのか?私はこのようなイメージで捉えています。
・顧客ターゲットを、貧困層や低学歴者、障害者や外国人など、「社会的資本の低い人」にフォーカスし、彼らに力を与える(Empowerment)モデルの事業が、「社会起業」。
・顧客ターゲットを、富裕層や高学歴者など、「社会的資本の高い人」も相手にして、既存の企業がやらない領域にフォーカスする事業が「ニッチビジネス」。
※)社会起業家と同じく、貧困層・低学歴者にフォーカスしていても、遵法性・道徳性が低い場合は「貧困ビジネス」になる。また高学歴や富裕層をターゲットにしても遵法性・道徳性が低いものは「ヤミ金融」に代表される「知識系アングラ産業」になる。
私の場合は、海外で不動産を買おうという、経済力と知力に恵まれた、日本のなかでトップ10%以内の社会的資本を持つ人たちを主な相手にする商売をやってるので、上の定義でいえば「社会的起業」には入らないと思います。「強い者を、より強く」ですもんね。
とはいえ、「弱い者を、より強く」する、社会起業に取り組まれている方々は、真面目に尊敬します。だって、おカネの回収がすごく大変な人々を相手にビジネスして、収益をあげようっていうんですもの。難易度ずっと高いし、そのモデルでちゃんとビジネス回してる人は凄腕だと思う。
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