ポルトガル不動産

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ドイツ、ポルトガル、スペインの考察と活用法

こんにちは、Manachanです。ドイツ3泊、ポルトガル3泊、スペイン1泊、合計1週間余りのヨーロッパ出張のメニューを全部終え、スペイン・バルセロナから、長い帰国の途につきます。

ドイツでの不動産ツアーアテンドに加え、ポルトガル・スペイン市場の新規開拓ミッションを、ギリギリの日程で詰め込み、休む間もなく動き回ったので、正直、疲れがたまってますが、その苦労を上回る、素晴らしい出会いとビジネス上の収穫がありました。

ヨーロッパで仕入れた膨大な情報を、私なりに消化して、今後数か月かけて、日本の皆様にお伝えしていくわけですが、話を分かりやすくするために、今回訪問したドイツ(ライン・ルール地方)、ポルトガル(リスボン)、スペイン(バルセロナ)、各地域の特性を一言で解説し、それぞれ、不動産視点からみた活用法を考えてみます。

 

ドイツ(ライン・ルール地方)は、欧州製造業の中心地、日本でいう「愛知県&東海地方」のイメージ

大陸ヨーロッパの経済中心地として、誰もが認める存在が「ドイツ」。そのドイツのなかでも、産業が特に盛んな地域は首都ベルリンではなく、「ライン川流域」。今も昔も、ずっとそうです。

ドイツの父なる川・ラインの両岸には、支流も含めると、シュツットガルト、ハイデルベルク、フランクフルト、ヴィ―スバーデン、ボン(元首都)、ケルン、デュッセルドルフ、デュイスブルクなど、様々な領域で世界的競争力を誇る産業都市が並び、日本の「東海道ベルト地帯」を彷彿させます。

そのなかで、金融都市フランクフルト、ベンツやポルシェの本社があるシュツットガルトの知名度が高いですが、我々が不動産買付ツアーを行うライン・ルール地方(デュッセルドルフ~デュイスブルク)も、19世紀の昔から炭鉱や工業で栄え、仕事を求めて欧州中から労働者が住みついた場所。その関係で、ドイツのなかでは飛び抜けて外国人に寛容な、コスモポリタンな地域です。人口規模も密度もドイツで最大。

逆にいうと、ドイツは「働く場所」であって、「観光する場所ではない」…それが、ヨーロッパ中の共通認識でしょう。天気は陰鬱で寒い、食事のバリエーションは乏しい、観光資源も隣国に比べて見劣りする。フランス人やイタリア人がドイツにバカンスに行くことはまずないし、当のドイツ人からして、ドイツ国内で遊ぶ発想があまりない。休暇とれば陽光あふれるイタリアやスペインに行きたくて仕方ない人々なのです。

EU統合してから、ドイツの経済中心地としての地位は上がりました。欧州の他国に行くと、ドイツ銀行の支店がどこにでもあり、ドイツ車と、ドイツ製の機械や消費財であふれています。経済的な意味で「ドイツ帝国」イメージが増す一方で、雇用に乏しい南欧や東欧の人たちが働きに行く場所としての価値も高まっています。北海道や九州、四国の人が、地元を離れて愛知県の企業や工場に働きに行くイメージに近いかな。

力強い経済の国、ドイツですが、不動産投資は盛んではありません。賃借人保護の国策で、家賃があまり上がらないようにしており、その結果、不動産価格が上がりにくいのが主な原因でしょう。お国柄、リゾート物件の類も成り立ちません。ドイツの大きな書店に行っても、不動産ガイドや投資の本はほぼ見かけません(ガーデニングやインテリアの本はたくさんありますが)。その代わり、

 

・国民の過半数が一生賃貸住宅暮らし

・開発規制が厳しく新築が建ちにくい

・賃貸用住宅の供給が少ないおかげで、空室が非常に少ない  

・単価も安いので、投資家にも買いやすい。

 

したがって、家賃を稼ぐタイプの賃貸経営には向きます。我々の買付ツアーはネット7~10%回る、賃借人のいる物件を主に視察しています。私も、ドイツでファミリー区分をひとつ買ってみました。安いです。3部屋で79㎡あるのに500万円しません。利回りネット8.5%、グロスだと11〜12%いきますね。

 

 

ポルトガル(リスボン)は、欧州のはずれ、海に面した情緒あふれる坂の街、日本でいう「長崎」のイメー

ヨーロッパ大陸の南西端、人口1000万の小さな国、ポルトガル。

同国の首都リスボンは、コンパクトな街。サイズは日本の札幌市や福岡市位か、もっと小さいでしょうか。平地がほとんどなく坂道だらけの地形で、傾斜をうまく使って建物を上手に建てています。石畳の坂道にはレトロな市電がゆったり走り、その向こうに見える青く輝く海…その情景は、まさに日本でいう「長崎」のイメージですね。

同じ南欧のイタリアやギリシャ、スペイン東海岸は地中海に面していますが、ポルトガルの海岸線はほぼ全て大西洋に面しています。これが、大きな違いを生み出します。ポルトガルの誇る「魚食文化」です。

地中海と違って、大西洋側は漁場の宝庫。その環境で食文化を育んできたポルトガル人は、日本人と同じく、魚、貝、イカ、カニ、牡蛎、ホヤ…海からとれるものは何でも食べる。首都のオフィス街で地元の安い焼魚定食を毎日食べられる国は、欧州ではポルトガルだけかもしれません。

魚食の他にも、日本人を懐かしい気持ちにさせる要素が、ポルトガルには溢れています。巨漢の多い欧州にあって、この国の人々は小柄で、日本人に似た背格好。性格も実直で(サッカーの試合以外は)もの静か、やや物憂げな哀愁がみられる人たちで、情緒的にも日本人に通じるものがあります。ポルトガルの誇る民謡Fadoは、アコースティックギターとボーカルの肉声だけで聴かせる音楽。津軽三味線と謡曲の組み合わせに近く、異国情緒というよりは懐かしさを感じさせます。

 

あと、「大陸の端っこ」という地理的条件も日本と似てますね。ドイツやフランスと違い、ポルトガルは逆立ちしても欧州の中心地になり得ない。リスボンやポルトの観光価値は高いですが、端っこにある上、規模感やインパクト、世界遺産の数では隣国スペインに負けるので、どうしてもスルーされがち。

とても良い国だけど、遠くて無名なポルトガル。情報も少ないこの国を、皆さんに好きになってもらいたい、情報提供を通じて、ポルトガルの認知度を高め、ファンを増やす活動をしていきたいです。

不動産投資とマーケティングの方向性…ポルトガルは欧州で最高の気候に恵まれ、リスボン周辺では観光シーズンが3〜11月と長いこと、LCCの普及により欧州各地から片道数十ユーロでリスボンに飛べるようになったこと、大好きな国なので自分もたまに行って使いたい…等々を考えると、

私はリスボン周辺の良質なリゾート物件を狙っていきたいと思います。AirBnB運用か、あるいはホテル運用付き自分も年間何泊かできるものが良いかな。今回の視察では、

 

・リスボン近郊、素晴らしいオーシャンビューと海鮮グルメが楽しめ、ライバル物件がまず建たないオンリーワン立地で

・世界的に知名度の高いホテルブランドが運営し、

・11万ユーロ(1350万円)から投資できて、ネット利回り7〜10%が5年間確定する上に買取保証もついて、かつオーナーが年間14泊でき、

・新築プレビルドではなく、既存ホテルの改築ゆえ、今年中に確実に完成してキャッシュフローが見込める物件

 

欧州の首都近郊なのに11万ユーロ〜という安さは特筆もの。東南アジア各地で似たような価格帯、利回りのリゾート物件が日本向けに紹介されていますが、

「物件の過剰供給が起こりにくい欧州のガバナンス」、「新築プレビルドと違って完成時期が遅れるリスクがほぼ無い」、「国際通貨ユーロの資産」という意味でより価値が高いと、一投資家としては思います。

 

スペイン(バルセロナ)は、欧州の中心に近い、ブランド価値の高い観光都市。日本でいう「神戸」のイメージ

ポルトガルの隣国スペイン、リスボンからマドリードやバルセロナに飛んでも飛行機で1時間台の至近距離ですが、スペイン領内に入った瞬間、「欧州の中央に近いメジャーな国に来た」感覚になります。

首都マドリードは、欧州を代表する大都市の一つだし、第二の都市バルセロナはオリンピック開催経験もあり、ガウディの建築ありピカソの博物館あり地中海リゾートありバルサあり、世界的知名度の大観光都市。欧州では誰もが認めるメジャーリーグ的存在です。ここから車で2〜3時間も北に走ればフランス、高速鉄道でパリまで行ける、国際空港はリスボンの数倍でかい…南欧屈指の交通の要衝でもあります。

 

バルセロナの街並みは美しく端正で、完成度が極めて高い。海と山に挟まれ、緩やかに傾斜する斜面に都市が広がる。山の上に行けば行くほど高級住宅街になる。海岸沿いにはマリーナ、コンベンション施設、ホテルに加えて貨物港もみられ、工業都市的な面影もある。全体的なイメージは、日本でいえば「神戸」ですかね。リスボンからバルセロナに来ると、長崎から神戸に来るのと同様、ぐっと中央に近づくイメージですね。

スペイン、バルセロナ…知名度やブランド価値が高いので、リスボンと違って、私が一生懸命説明しなくても、国名、都市名を聞いただけでイメージわく人が日本にも多い。

その意味で、バルセロナはパリやロンドン、ミラノやローマ、アムステルダム、マドリードと同列の、欧州メジャーリーグ都市のひとつとして、リスボンとは違うマーケティングをしていきたいと思います。

私思うに、バルセロナで持つ価値のある物件とは、

 

・成功した大人の所有欲を満たす物件

 

かな。たとえば、「自宅の窓からガウディの建築が見える」、「散歩すればサグラダファミリアの工事現場からレンガやブロックを拾ってこれる」贅沢この上ないオンリーワン立地のアパートなら価値が高いし、売りたくなったら世界中の金持ちがすぐ買うでしょう。観光地ゆえエアビーも当然できますがやるべきじゃないっすね。別荘として使ったり、家族や友人に自慢したり、新進気鋭の画家やデザイナーに安く貸して創作活動してもらうのが最適な利用法でしょう。

ロンドンやニューヨーク、ワイキキと比べればバルセロナの住宅は断然安いです。サグラダファミリア至近のアパートだって3部屋120平米で68万ユーロ(約8000万円)。1部屋50平米弱だと30万ユーロ(約3600万円)を切るものもあります。

あと、将来欧州に移住したり、欧州を拠点にビジネス展開したい方は、スペインで不動産を買って永住権を取るのが日本人にはおすすめです。

 

・スペインで50万ユーロ以上の不動産を現金で購入することで、2年間の滞在ビザを申請できる。

・購入後、スペインに一度も来なくてもビザ更新できる。次の更新は5年間有効、更新手数料も安い(将来的に、スペイン入国が義務化される可能性あります)。

・2年+5年の滞在中、不動産を維持し続ければスペイン永住権を申請できる。

・スペインはEUの国なので、EU圏内どの国での居住、就労OK。

 

バルセロナ一等地で50万ユーロ以上の不動産買って、ついでに7年後、スペイン&EUの永住権をゲット。その時期に売ればキャピタルゲイン出る可能性も高い…なかなか良いプランだと思います。

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ポルトガルとアンゴラ・マネーの話

こんばんはManachanです。2016年の年越しは、柏の実家で家族とのんびり過ごしています。年越しブログ日記のテーマは、ヨーロッパの西の外れにある国「ポルトガル」。

 

年明け早々、私はヨーロッパ出張の予定があります。行先はドイツ、ポルトガル、スペイン…このうち、ポルトガルだけは行ったことないので、情報収集も兼ねて近所の「紀伊国屋書店」で関連書籍を探すも、旅行ガイド、紀行文、地誌…どのコーナーでも見つからない。

 

隣の「スペイン」の情報はたくさんありましたよ。バルセロナ、マドリード、アンダルシア地方、サンチャゴ・デ・コンポステーラ巡礼の旅…等々。その近くにポルトガルの情報もあるかと思ったら、全くないのです。紀伊国屋書店のレベルで書籍ゼロなのですから、ポルトガル情報は商用ベースにはほぼ乗らないということなのでしょう。

 

ポルトガルといえば、16世紀の日本に「鉄砲」を伝えた国。また、「ユーラシア大陸東端」千葉県銚子の犬吠埼には、「ユーラシア大陸西端」ポルトガルのロカ岬との友好記念碑があります。日本人にとってなじみのある国なので、もう少し盛り上げたいものですね。

 

でも、インターネット時代の恩恵で、スマホさえあれば、検索ワード「ポルトガル」だけで、いくらでも情報が仕入れられるのがいいですね。

 

また、インターネットの素晴らしさは、商用ベースに乗らなくても、低コストで情報発信できること。情報発信者の立場でいえば、いまポルトガル情報が商用ベースに乗らないのは、ライバルいないという意味でかえってチャンスで、ポルトガル情報のしっかりしたウェブメディアを運営できれれば、この領域でナンバーワンになれるかもしれない。

 

ウェブで調べると、ポルトガルという国に興味をそそられますね。クイズをひとつ。

 

ヨーロッパ外で、かつてポルトガルの植民地で、今日でもポルトガル語を公用語とし、かつ本国より人口、面積とも大きい国が、3つあります。それはどこでしょう?(ヒント:一つは南米、二つはアフリカにあります)

 

答えは、「ブラジル、アンゴラ、モザンビーク」でした。

 

ブラジルだけは知ってましたけど、アンゴラとモザンビークが元ポルトガル領とは初めて知りました。特に、アンゴラはすごく面白い国ですね。

 

アンゴラは、アフリカ南西部沿岸にある共和国。首都はルアンダ。1975年に独立した後、2002年まで内戦が続きましたが、それが終結した後、ここ10年余りは、石油はじめ豊富な地下資源開発で、世界でもトップレベルの急激な経済成長を遂げました。人口は2000万余りしかいませんが、すでにサハラ以南のアフリカで第三位の経済規模を持つ国に成長。

 

とにかく、スゴイ発展ぶりと、スゴイ給与水準なんだそうです。旧宗主国ポルトガルが、経済不振と高い失業率に悩むなか、高等教育を受けたポルトガル人エンジニアが、仕事と高給を求めて続々とアンゴラに移住してるんだそうです。アンゴラ在住のポルトガル人の数、2003年は2万1千人だったのが、2011年には10万人を超えたとか。その代わり、いろんな問題もあるようです。世界一高い物価、極端な貧富の差、治安問題等々・・

 

今では潤沢なアンゴラマネーが旧宗主国のポルトガルに流入する現象が起こっているようです。アンゴラ人が物価の安いポルトガルで豪遊したり高額不動産を買ったり、たいそう羽振りが良いそうで、外貨収入を切に必要とするポルトガルにとって、いま欠かせない存在になっているようです。

 

来週、ポルトガルの首都リスボンに3泊して、不動産をたくさん見てきます。ポルトガルの不動産を、いま、どの国の人が買っているのか?地元のポルトガル人、英独仏といった欧州の裕福な国だけでなく、アフリカの旧植民地の人も買っているかもしれない…そんな想像もしながら見てきます。

 

では、良いお年を。
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