おはようございます。グローバル不動産投資家Manachanです。
皆さん、毎度のご愛読、ありがとうございます。
赤味を帯びた、分厚いスモッグに覆われた中国の大都市から、一昨日の夜、日本に帰ってきました。
中国から来ると、日本は本当に空気が良いですね。大都会・東京の都心でさえ、澄んだ青空が広がって気持ち良い。直線距離で100km以上離れた富士山でさえ、クッキリ見える。これが中国だと、スモッグの日には1km先が霞んでしまうこともあるのに・・・成田空港に着いた時、思わず、深呼吸してしまいましたよ。日本の、この良い環境のなかで、日々暮らせることに感謝です♪
とはいえ、いくら空気が良くて綺麗な国でも、日本全国の、多くの大家さんは、穏やかならぬ日々を送っているかもしれません。
一向に改善しない経済状態、家賃下落、空室、滞納、更新料不払い、厄介な入居者、そして大家に全然優しくない民主党政権・・・海外に目を向けると、ギリシャ危機などを契機に、「国が破産してしまうリスク」(ソブリンリスク)に対する意識が高まっています。巨額の債務を抱え、有効な経済建て直しを実行できない日本政府に対するソブリンリスクを、多くの国民が意識するのは、当然のことでしょう。
将来、日本国債がデフォルト(債務不履行)した場合、何が起こるのか?それは、世の中のいろんなサイトに書かれているので、ここでは詳しく解説しませんが、思いつく限りでいうと、
・日本円暴落
・ハイパーインフレ
・預金封鎖
・外貨資産を強制的に日本円にされてしまう
等々・・・ (これらは、デフォルトしたアルゼンチンなどで、実際に起こったことです)
そして、デフォルトの前に、「長期金利の上昇」が、おそらく起こるでしょう。長期金利が急上昇して、政府の債務支払いが困難になる→増税、年金カット、補助金カット、でも間に合わない→万策尽きてデフォルト宣言、というのが一番ありうるパターンかと。
ほとんどのアパートローンは、長期金利と連動した変動金利になっているはずですから、長期金利が、たとえば2%あがった場合、ス○ガ銀行などで、4%台の融資をフルローンで受けている大家さんは、いきなり6%台の金利を支払う羽目になる。この経済情勢では、家賃も上げられない・・・国がデフォルトする前に、たぶん、日本全国の夥しい数の大家さんがデフォルトするのではないでしょうか。
日本の大家さんの場合、不動産も、預金も金融資産も、すべて日本国内に、日本円だけで置いている人が圧倒的大多数を占めます。かつ、償還期間20年を超えるようなアパートローン、事業ローンを組んでいる人が多い。そのような長期間に、日本経済がどうなるのか、全く予測がつかない。
このまま、日本でだけ資産を増やし続けていて大丈夫なのか?という疑問から、海外資産、海外預金に興味が向くのは、至極当然のことと思います。
リーマンショック・世界大不況から2年。2010年は、新興国を除いて世界経済がまだ立ち直らず、ギリシャ危機も起こった年。日本のソブリンリスクも意識された今年は、「国債デフォルト対策元年」と言えるのではないでしょうか。
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「ついに、俺の時代が来たぜ!」・・・と、私は思いました。
7年に及ぶ海外暮らしを経て、2007年、母国・日本に戻ってきたわけですが、この選択は私にとって大正解でした。私が海外で長年積んできた、不動産投資や資産運用の経験・ノウハウを、日本社会はいま、まさに必要としている。ものすごい需要がある。コラム、メルマガ、電子ブック・・・日々、いろんな文章を書きつつ、国内外の、いろんな方の資産運用の相談に乗っている。他の国では、ここまで活躍できなかったことでしょう。当面、日本を離れられませんね♪
保有資産を、複数国、複数通貨に分けて持ち、リスク分散するのは、私が昔からやってきたことです。
特に、私の妻は華僑(台湾生まれ、オーストラリア育ち)。彼らにとって、この種のリスク分散は、お家芸。年季が入っています。
華僑が、世界各国で永住権を取り、自分名義の不動産を買い、預金通帳をつくるのは、よく知られています。母国を頼れない彼らは、昔からそうやって、財産で身を守ってきたのです。財産だけではありません。彼らは「人」も各国に散らして、リスク分散します。
たとえば妻の家族は4人きょうだいですが、4人が4人とも、別々の国・地域に暮らしています。一番上のお姉さんは香港、二番目のお姉さんは台湾、妻が日本、そして弟がオーストラリア。その全員が、それぞれの国・地域で働き、収入を得て、財産をつくっていますから、うち1つの国がコケても、残りの3カ国が大丈夫なら、一族の財産は守られます。
私も妻の影響を受けて、年を経るごとに、「華僑化」してきました。私は日本で生まれ育ちましたが、柏という、商業都市で育ったこともあり、「国を頼らない」、「独立独歩」、「財産で身を守る」華僑の生き方は、私の心にも響くものでした。今では、妻と同じくらい、「華僑化」したと自負しています。
本題に戻りますね。いまの時代、複数国、複数通貨に資産を分けて持っておくのは、基本だと思います。私の場合は、保有資産(不動産がほとんど)の、日本と海外の比率は、半々くらいです。その内訳は、
【国内資産】
日本(日本円):不動産6戸(全て区分マンション)、銀行預金
【海外資産】
オーストラリア(豪ドル):不動産2戸(区分マンション、一戸建)、銀行預金、投資信託(Managed fund)
フィリピン(ペソ):不動産1戸(区分マンション)
香港(香港ドル);銀行預金
中国(人民元);銀行預金
【まとめ】
・不動産は3カ国に分散(日、豪、フィリピン)
・銀行預金は4カ国・地域に分散(日、豪、香港、中国)
あと、結果的に負債(借入等)も各国に分散しています。主に、日本と豪州にあります。うち豪州では、変動金利以外の選択肢が実質上、ありませんが、日本であれば、フラット35、政策金融など、固定金利を選ぶことが、ある程度可能です。
日本が今後、経済立て直しに失敗して、デフォルトの足音が聞こえる頃になれば、長期金利が間違いなく上がっているでしょうから、償還期間の長いローンの金利を固定化しておくのも、良いリスクヘッジになると思います。私の場合、残り償還期間10年以下のローンは変動金利、それ以上は固定金利にするよう、調整しています。
とはいえ、上記の対策が十分できて、複数国・複数通貨での資産運用が実現したら、ポートフォリオの一環として、日本の不動産を買い進めるのも、ありだと思います。私は最近、日本で一棟アパートを買い足しましたが、これは豪州不動産からあがる豪ドルキャッシュと、新会社の売り上げからあがる人民元キャッシュが見込めるからこその決断です。
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言うまでもなく、地球上のどの国にも、リスクがあります。日本の将来が危ないからといって、他の国の資産を少々持って、それだけで安心してはいけません。
不動産投資に限っていえば、私は世界のいろいろな国のマーケットをみてきた結果、日本のカントリーリスクはそれほど高くないと感じています。だからこそ、国内物件を積極的に買い進めているわけで・・・
たとえばいま成長著しい、アジア新興国で不動産投資する際のリスクとして挙げられるのは。
・利上げリスク (例.インフレを抑えこむために、政府が緊縮政策を取ると、金利が瞬く間に上がり、返済負担が重くなる)
・通貨暴落リスク (例.新興国通貨ほど、グローバルな経済変動の影響を受けやすい。マーケットが悲観に転じた時は、一気に売り込まれて暴落することも)
・両替リスク (例.ベトナムとかカンボジアなどの通貨は、自国以外でほとんど流通しておらず、米ドル、円などのハードカレンシーに換えるのが難しい場合がある)
・建設中止リスク (例.未完成物件を買う場合、デベロッパーの財務体力が続かず、最悪、建設中止になった場合、売れない)
・詐欺リスク (例.中国などで顕著ですが、建築許可が出ていない物件を平気で売り出して、手付金を騙し取るなどのケースが多発しているようです)
・不法占拠リスク (例.インドなどで宅地を買う場合、不法占拠者が家を建ててしまうような事例があるようです)
では新興国じゃなくて、欧米のような先進国で投資物件を買うのはどうか?リスクのネタは、大分少なくなりますが、それでも「利上げリスク」と「通貨暴落リスク」から、無縁にはなれません。それ以前に、先進国物件は取得コストが概して高いですよね。場所にもよりますが、日本より高いこともしばしば。
ですので、何事にも、バランスが大事だと思います。一国、一通貨に集中しすぎないよう、適度に分散することが肝要。そして、日本の国債リスクがあるからといって、パニックにならない方がいいです。他の国の経済やマーケットを観察・研究して、その国のリスクを冷静に見つめることも大事です。
最終的には、他のいくつかの国のリスクと、日本のリスクを比較考量して、ベストな投資判断ができるようになれば、言うことなしだと思います。
今日も、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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