2015年 10月 の投稿一覧

中国人でよかったね

こんばんは、Manachanです。

私は、⒌年前から、日本移住を希望する中国人向けの、投資経営ビザサポートの仕事をしてきました。最初は彼らに不動産売るつもりだったんだけど、蓋を開けてみれば「日本に滞在できるビザ」の要望が非常に強く、その声に応えるかたちで、ビザ業務も始めたのです。

私が最初にビザサポートを成功させた中国人夫婦は、すでに日本滞在4年を経過し、商売も軌道に乗せています。彼らの来日当時、17歳の高校生だった娘さんも家族滞在ビザで日本に呼び寄せています。未成年なので当然、両親の扶養家族という身分で、日本滞在できたのです。

ですがその子も、すでに21歳になり、扶養家族として日本滞在を続けることが難しくなりました。今はまだ学生なので良いですが、卒業したら彼女自身の力で、日本の在留資格を取らなければなりません。

当然、彼女も日本での就職を目指していますが首尾よく就職できたからといって、在留資格が取れるとは限りません。外国人の日本での在留資格は23種類に限られ(リンク)、「日本人ではできない仕事」、「外国人ならではの仕事」、「その人ならではの仕事」など、外国人として日本で働く正当性が求められます。

現実的に考えて、新卒レベルで狙える在留資格は、「人文知識、国際業務」位しかありません。この資格は、外国語を使う通訳や翻訳、ツアーガイドなど、日本人にない言語能力を使う仕事に就くことが条件になります。一般的な事務作業や営業など、日本人が普通にできる仕事の場合、就職できても在留資格が得られない(=実質的に就職できない)ので、一般論として狭き門といえます。

では、多くの外国人は、日本に住み続けたくても、ビザの問題で結局諦めなくちゃならないのかというと、そんな話でもありません。正確にいうと、その人が持つ言語能力が日本社会にどれだけ必要とされるかによって、露骨に明暗が分かれます。その意味では、

 

今のタイミングで、中国語ネイティブとして日本の企業社会に入っていくのは、他の外国人に比べて明らかに有利

 

と思います。特に、私がいま身を置く不動産業界では、中華圏のバイヤーが殺到してますので、特に東京では「中国人社員が喉から手が出るほど欲しい」会社が多い。もし彼女から就職活動サポートを求められたら…私の知り合いだけでも、10社以上、紹介できますよ。

東京周辺の千葉県、埼玉県あたりの、地場の不動産屋でさえも、日本語の宣伝しかしてないのに中華系バイヤーが仲介件数の1割を超えるようなケースが増えて、対応したくても語学力がなくて苦労している会社は多い。

また、今は日本の国策で来日留学生を30万人まで増やす方針があります。留学生受け入れの重点大学として指定されている大学は日本各地にありますが、大学によっては留学生対応に慣れておらず、結局、民間賃貸住宅を求めて、アジア各国の留学生が街の不動産屋に殺到するケースも増えています。「せめて、中国語くらいはできないと、話にならない・・・」と考える会社も少なくない。

今そんな時代なので、中国語ネイティブの立場は強いのです。もちろん、日本語がビジネスレベルでできて、日本の企業社会に馴染めることが前提になりますが、それができる中国人には、東京&首都圏、京阪神、名古屋、福岡、札幌などの大都市、そして国際的な大学のある別府や甲府など・・・日本全国、いろんな都市で、活躍の場が用意されています。

そして不動産に限らず、旅行業、小売業、製造業、IT産業、役所・・・日本の津々浦々、いろんな業種で、中国語能力が必要とされています。

 

もう一度、繰り返して言うと・・・今のタイミングで、中国人だから、中国語ネイティブだから有利なのです。東南アジアの小さい国の出身者とは比べものにならない、強力なアドバンテージです

 

思いおこせば、私は西暦2000年から海外に出て、オーストラリア、中国、米国、インド・・・いろんな国で働き、転職も経験してきましたが、常に「日本語ネイティブ」である幸運に助けられてきました。中国語を別とすれば、日本語はアジアのどの言語よりも、ビジネスでのニーズが高く、求人も多い。しかも中国人と違って、職を争うライバルも少ない(海外で働く日本人の絶対数は、中国人と比べて圧倒的に少ないので・・・)。

「英語ができ、IT業界での職務経歴と技術力がある」人間は、世界中にゴマンといますが、これに加えて「日本語ネイティブ」・・・企業に採用される上で、実に強力なアドバンテージでした。本当に、日本に生まれてラッキー♪

 

いま日本で就職を目指す中国人も、当時の私と同じ意味で「ラッキー」、運がめぐってきたのではないでしょうか。是非、このアドバンテージを活かして、日本と中華圏の架け橋として、良い仕事をしていただきたいと思います。

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人口減っても家賃とれる町

こんにちは。今日のブログは、関東の最東端、潮風の町、千葉県銚子市ねたをお届けいたします。

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太平洋に突き出した銚子半島。この地に行ったことなくても、成田から乗る飛行機からその姿を見た方は多いことでしょう。この地域で、是非知っていただきたいのが、

夏は関東で一番涼しく、冬も暖かい、身体にやさしい気候

 

特に夏の涼しさは特筆ものです。東京都心や神奈川県で35度を超える猛暑日になる日でも、銚子ではせいぜい31~32度。観測をはじめてから、銚子気象台で35度を超える猛暑日になった3回しかないとか…

今年の夏、8日連続の猛暑日に悩まされた東京の人からみると、「同じ関東で、猛暑日とは無縁の場所があったのか…」と、驚くことでしょう。冬も暖かく、銚子で氷点下になったり降雪することは滅多にありません。シニアの保養地、リタイアメントの地として適性が高い場所だと思います(その代わり、湿度は高く、風が強いですけどね…)。

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銚子は、「天国の気候」に恵まれているだけでなく、観光資源も豊富。「銚子漁港の魚介グルメ」、「犬吠埼灯台」、「ぬれ煎餅で有名な銚子電鉄の旅」などを擁し、関東人の行楽の地として知られています。

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JR銚子駅を降りると、商店街になっており、美味しそうな海の幸が並びます…決して人通りが多いわけではありませんが、南欧の田舎町を思わせる、小ぎれいで明るい感じのする街です。

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銚子市を中心とする地域の地図を、拡大してみました。銚子の隣には、同じ千葉県の旭市、東庄(とうのしょう)町、利根川をはさんだ対岸には、茨城県の神栖(かみす)市があります。

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この「広域銚子地域」のなかで、銚子市の人口や経済的地位は落ちつつあります。理由はシンプルで、「仕事が少ない」。銚子は漁業、農業など一次産業が盛んでも、工業地帯のような大きな雇用主がないのです。

地元の方に、「銚子の若者はどこに出ていくのか?」と聞くと、「神栖に行っちゃう」と答える方が多い。隣の神栖市は鹿島工業地帯があって働き口が多いのです。しかも、潤沢な法人税・事業税で財政も裕福だから福祉も良い、街も新しくて便利・・・ということで、子育て世代の神栖への流出現象もみられます。

下の図が、2005~12年の人口推移。銚子市が減少する一方で、神栖市が人口を伸ばしていることがよく分かります。

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これだけ見ると、「人口を伸ばしている神栖はいいけど、人口減ってる銚子で不動産投資はやばい」と思うかもしれませんが、ミクロでみてみると、そういう単純な話でもありません。面白いことに、

・住宅地地価をみると、人口減ってるはずの銚子市が高止まりして、

・人口増えてるはずの神栖市で、地価が下がりまくっているのです。

銚子市の平均住宅地価  41,500円/㎡ (2004) ⇒ 39,400円/㎡ (2008) ⇒ 5.1%減

神栖市の平均住宅地価  35,100円/㎡ (2004) ⇒ 25,300円/㎡ (2008) ⇒ 27.9%減

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なぜ、そうなるのか?まだ詳しく調査したことはありませんが、仮説として考えられるのは…

・神栖市は延々と平坦地が続き、住宅建設の適地がたくさんある。これまで人口の多くなかった旧・波崎町あたりでも、住宅開発が広がり、価格の安い分譲地が増えているかもしれない。

・一方、銚子市は半島で平坦地が少なく、住宅を建てられる土地が限られる。売買用土地の流通が少ないから、地価も高止まりする。

 

地方都市での賃貸経営にとって、「入居者が安い戸建購入に走る」のは、かなり重大なリスクです。神栖市で安い土地や戸建が流通すればするほど、オーナーがとれる賃料の上限がどんどん下がる。たとえばの話、神栖市平均の地価(2.5万/㎡)で200㎡の宅地を買っても総額500万円。そこに、パワービルダーの安い戸建を1000万円建てれば、総額1500万円で新築戸建がつくれてしまう。

1500万円の90%(1350万円)を住宅ローン組んで買った場合、月々の返済額は、金利1.2%、35年返済でいくと39,379円、25年返済でも52,109円・・・そんなマーケットで、月額55,000円以上の家賃を取るのは難しい。

 

あと、山がちな銚子半島と違って、平坦地の多い神栖では、賃貸アパートも建ちやすく、すでに「供給過剰」になっているという話を、複数の業者から聞きました。

賃貸用住宅の空室率 (「Home’sみえる賃貸経営」)

神栖市 34.8%
銚子市 26.4%

 

人口増えてるのに地価下落と過剰供給のダブルパンチ・・・神栖市地場の業者のサイトをみると、同地域の2DK~3DKファミリー向けの賃料は、3~4万円くらいの安いものが目立つ(7万円とる高額物件もあるが…)

http://www.sumairu.co.jp/chintai/bukken/0-7f.html

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一方、銚子市側だと、同じような間取りで、普通に5万円以上とれているようです。神栖と違って、月額3~4万円という激安物件はほとんどない。

http://www.benefit.ne.jp/~choshi/rent/2k.html

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銚子市は確かに人口減っていますが、不動産賃貸の目でみれば需給がバランス取れているので、過剰供給気味の神栖市より家賃取れるといって良いと思います。

しかも、銚子駅に近い中心部には土地の空きがほとんどありませんので、ライバルが増えるリスクも少ないし、衰退都市のイメージがあるので、銚子での賃貸事業に参入する業者も少ない。

地場の良い管理会社と組めれば、銚子の不動産投資って、意外に良いかも。逆張りチックでありますが、関東に残された、数少ない賃貸経営の穴場かもしれませんね。

 

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名古屋ベッドタウンでおカネをつくる

おはようございます。Manachanです。今回の日記は、昨日仕事で行った、「愛知県西部の名古屋ベッドタウン地帯」のことをテーマに書きます。

名古屋市といえば、全国で3番目なのか4番目なのか知りませんが、とにかく、日本を代表する大都市のひとつですよね。面積326㎢、人口227万人(政令市のなかで第3位)、市内総生産額12兆3228億円(同3位、しかも人口1.5倍もある横浜市に肉薄)…どの指標をとっても堂々たる数字です。その上、勢いもある。特に名古屋駅前の「超高層ビル同時開発」の迫力は全国有数!

しかし意外なことに、日本の誇る大都会・名古屋市に隣接する市町村のうち、約3分の1は「町」か「村」なのです!

名古屋市に隣接する自治体(2015年)
11市…春日井市、瀬戸市、東海市、日進市、大府市、あま市、尾張旭市、北名古屋市、豊明市、清須市、長久手市
4町1村…愛知郡東郷町、西春日井郡豊山町、海部郡大治町、海部郡蟹江町海部郡飛島村

 

しかも、2005年「平成の大合併」以前は、「北名古屋市」、「あま市」、「清須市」などは存在しませんでした。これらは、名古屋に隣接するベッドタウンの「町」がいくつか合併してできた新市です。さらに言うと、「長久手市」も2012年以前は「町」でしたので、2005年時点では、名古屋市に隣接する自治体の、実に6割以上が「町」か「村」だったのです。

名古屋市に隣接する自治体(2005年時点)
7市…春日井市、瀬戸市、東海市、日進市、大府市、尾張旭市、豊明市
12町1村…愛知郡(東郷町、長久手町)、西春日井郡(豊山町、師勝町、西春町、西枇杷島町、清州町、新川町)、海部郡(甚目寺町、七宝町、大治町、蟹江町、飛島村)

 

東京や大阪の感覚では、にわかには信じがたい現象です。たとえば、東京23区や大阪市に隣接する自治体は、武蔵野市とか豊中市など、すべて「市」になっています。少なくとも、東京や大阪の中心から30㎞は離れないと、「町」や「村」にはなりません。

だから、大都会・名古屋市から目と鼻の先にある場所が「〇〇郡〇〇町」という現実が、感覚的に理解しがたいです。だって、人口5万を超えれば市制施行できるわけだから。人口227万もいる名古屋市の隣町が、5万人以下のど田舎というのは考えられない…

 

結論からいうと、名古屋市のすぐ隣に5万人以下の自治体は存在します。海部郡大治町(あまぐん おおはるちょう)が3万1千人、西春日井郡豊山町が1万5千人・・・でも、農村や田舎というわけではありません。すでに名古屋のベッドタウンとして都市化され、人口密度も高いのですが、面積がむちゃくちゃ小さいから人口が5万を切るのです。

たとえば、大治町。名古屋市の西方にあり、町役場は名古屋駅からわずか6㎞の近さ。バスも頻繁に出ており210円という市内並みの料金。人口は3万1千人と少ないですが、その理由は面積が6.59㎢しかなく、名古屋市のどの区よりも狭いからです。大治町の人口密度は4740人/㎢と、東海地方では名古屋市に次いで第二位。鉄道はありませんが、バスや自家用車で名古屋に通勤する人が暮らす住宅都市になっています。、

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名古屋駅から西に車を走らせ、庄内川を渡ると、すぐ「あま市」になります。この辺は5年前まで、「海部郡甚目寺町」(あまぐん じもくじちょう)だった場所。前出の「大治町」との市町境が入り組んでいます。

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旧・甚目寺町の領域も、大治町と同様、「ロードサイド店 アパート 戸建 時々田んぼ 工場」の世界。低平で起伏に乏しく、関東でいえば、埼玉の八潮、三郷、吉川あたりに近い感じかな。ここも名古屋に近いベッドタウンとして成立しており、合併して「あま市」になる前は人口4万人、面積わずか9.34㎢、人口密度4000人/㎢超の町でした。

大治も旧・甚目寺も、名古屋と同じ市外局番052だし、街の感じからしても、完全に「名古屋市中村区」みたいなもんですね。こういう、「実質、名古屋市なんだけど、名前は町だったりして知名度が低い」エリアで、面白い不動産賃貸経営ができないかなあと考えてみる。

 

ひとつ思いついたのが、「車庫付きの新築戸建賃貸」…たとえば、11m×30m四方、330㎡(100坪)の、前面接道の長方形の土地を、このエリアで仕入れられたとする。それを、4つに分割すると、接道幅7.5m×奥行11m、82.5㎡(25坪)の土地になります。そこを、こんな感じに開発する。

―前面道路側に、2台分の駐車スペースを設置
―奥側に、6.5㎡×6.3㎡×2階建て、建坪24坪の3~4LDK戸建を建てる。
―隣家との間をフェンスで囲う。
―駐車スペースと隣家との間を玄関に向かう通路(または駐輪場)として使用

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それぞれの住宅は、こんなスペックになります。

土地 82.50㎡
建築面積 81.90㎡ (一階40.95㎡、二階40.95㎡) 
建ぺい率 49.6%
容積率  99.3%

 

大治町、あま市近辺だと、おそらく建ぺい60%、容積200%の一種住居や準工業地域が多いと思いますが、上のプランなら建ぺい50%、容積100%の土地にも建てられるので、用地仕入れコストが安くできるかもしれません。

大治町、あま市平均の地価は坪20~30万円のようですが、相続などで売り急ぎの土地を、例えば坪15万近辺で仕入れられれば土地代は1500~2000万円。各戸建が800万円で建てられれば、総事業費は4700~5200万円で済む。そうやってできた4戸の戸建を、

・賃貸するなら、月9万円で貸す
・買うなら、分筆して1戸1700万円で売る
・当面、賃貸した後、⒌年以内で買うなら、1年経過する毎に36万円づつ安くした価格で売る(月額家賃9万円のうち、3万円ずつ購入用に積み立てているのと同じ)

 

いま、大治町やあま市で販売されている新築・築浅戸建の価格を調べると、40~50坪の土地に建物がついて2100~2900万円あたりがボリュームゾーンであるよう。だから1700万円の新築戸建ては価格競争力があると思います。

また、この地域の人が2500万円の戸建を90%(2250万円)、金利1.25%の融資を引いたとして、月々の返済額は35年ローンで66000円、30年ローンで75000円、25年ローンで87000円。だから、月額9万円で設定しておけば、入居者が別の戸建購入に走るリスクは少ないと思うし、もし購入を希望するならばそのまま買い取ってもらえば良い。

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これを、オーナー側からみると、
4戸全部貸せれば、グロス利回りは8.3%~9.2%
4戸全部売れれば、グロス収益は1600~2100万円 (粗利益率30%以上)

 

今どき、大都市近郊で、土地に新築の建物がついて利回り8~9%も出れば上出来だと思うし、戸建のエンド需要あるエリアなら出口も取りやすい。名古屋へ至近距離で人口も増加傾向にあり、その割には地価も安い大治町、あま市エリアに合った投資方法だと思います。

もっとも、これが実際にできるかどうかは、さらに詳細な調査が必要ですが…いろんな土地に行って、「どうやったら、このエリアでおカネをつくれるか?」を考えるのって、楽しいですね♪

 

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地方物件融資は「一ランク田舎の銀行」を狙え!

おはようございます。Manachanです。今回も日本国内不動産ネタでいきます。

小学4年生になる娘ソフィアは、いま、日本の都道府県地図がマイブーム。地図パズルをやったり、地理図鑑を買ってきたり、タブレットを使って「ピアノの生産量日本一は静岡県!」みたいなクイズをやったり…

数えてみると、ソフィアが行ったことのある日本の都道府県数は、15でした。あと32行けば、全国制覇ですな。

 

ところで、私が昨年2月から、東京・五反田オフィスではじめた宅建業。最近は弊社で売買仲介する物件が、全国規模に広がっています。東京の物件を中心に扱うと思いきや、意外にも、全国からリクエスト来るものでして…

これまで売買仲介を成立させた都道府県数は、8になりました(東京、千葉、埼玉、神奈川、静岡、愛知、福島、福岡)。プロジェクトベースでいうと、15くらいになるんですよね。

 

つまり、最近の私は、「売買の仕事で地方出張が多い」ということです。毎回、融資づけの話も当然するわけなので、それぞれの地域でどの銀行が不動産融資出すのか、それなりに見聞してきました。私が感じるのは、

 

「地方」には、「地方における中心県(都市)」と、「さらに周辺の県(都市)」がある。

「地方の中心県(都市)には、周辺の県から多数の金融機関が集まり、支店を出している」。

「そうした周辺県の金融機関は、地元に仕事が少ないから、地方中心県(都市)での融資にはとても熱心」

 

分かりやすい例でいうと、九州の中心「福岡市」、特に「博多駅近辺」には、九州7県と山口県の金融機関が集結しています。地元でよく言われるのが、

 

「福岡県で物件買うなら、”みやぎん”に話するのがいいよ」

 

九州で「みやぎん」とは、「宮崎銀行」のこと。同銀行は、福岡県内での不動産融資に大変熱心、というのがもっぱらの噂。近隣にある「かぎん」(鹿児島銀行)や、「くまぎん」(熊本銀行)と比べても、「みやぎん」の融資姿勢の熱心さは際立っているそうです。

ま、地元の宮崎で融資先探すよりも、福岡に出てきた方が仕事はたくさんあるでしょうし、ライバル県のライバル銀行との競争に勝って、福岡で営業成績上げたい事情があるのでしょうね。

 

最近は、福島県郡山市での仲介の仕事がありました。ここでも似たような話が、

 

「郡山で物件買うなら、”あきぎん”がいいよ」

 

東北地方で「あきぎん」とは、「秋田銀行」のこと。同行は秋田県のほか、東京、宮城県(仙台)、北海道(札幌)、福島県に店舗を展開しています。しかも、東北の中心都市・仙台で3店舗出店しているのに対し、都市規模が3分の1に過ぎない福島県郡山市にも同じく3店舗(郡山支店、郡山北支店、郡山南支店)出店している位なので、郡山での融資には力を入れていることが分かります。

私は、「秋田の人が外に出るとすれば仙台か東京だろう」と思っていましたが、郡山に行ってはじめて、「秋田⇒郡山」という人口移動もあることを知りました。郡山の地元の人に聞くと、「郡山に出てきて成功した経済人には秋田出身者が多い」そうです。

確かに郡山は、東北地方では珍しく、「明治以降の開拓によって発展した、北海道チックな都市」ですので、外部からの人の流入にはオープンな土地柄だと感じます。明治以降、いろんなタイミングで、秋田の人が入ってきて、郡山の発展に貢献したのでしょうね。

こういうことって、実際に現地に来てみないと分からないことですね。なかなか面白いです。まとめると、

地方物件の融資づけは、「物件所在地より、もう一ランク田舎の銀行」が狙い目

なのかもしれませんね。

 

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地盤と震災リスク

こんにちは、Manachanです。

「何を見ても東京の足元にも及ばないが、温泉だけは立派なものだ」…これは、夏目漱石の小説「坊ちゃん」に出てきた一節。舞台は、四国松山の道後温泉ですね。

今回、坊ちゃんの千葉県民バージョンができました。「何を見ても東京の足元にも及ばないが、地盤だけは立派なものだ」。舞台は、千葉県鎌ケ谷市。

東京から至近距離。代表駅の新鎌ヶ谷は、 成田スカイアクセス線、東武野田線、新京成線が交わる交通の要衝。日本ハムファイターズのスタジアムと、赤ちゃんサイズの「鎌ヶ谷大仏」もある、すげーやるじゃん!…とはいえ、周辺の船橋、松戸、柏といった大きな都市の影に隠れていまいち目立たない鎌ヶ谷市は、秘密兵器「大地震になっても揺れにくい!」地盤の強さを、ウリにしてきました。

近隣にある流山市のキャッチコピー「母になるなら、流山市」は、数年前から知られていますが、今年に入ってから鎌ヶ谷市の「ゆれにくいまち、鎌ヶ谷」ポスターも、東京の地下鉄で時々見かけるようになりましたね。

鎌ヶ谷市企業誘致なびサイトでも、「ゆれにくい安全なまち」が、第一のアピールポイントになっています。

(地盤が良いのはいいけど、それ以前に、防災をウリにするなら「行き止まりだらけの狭い道路なんとかしろよ」と、突っ込みたくなりますが…)

プリント

 

いまの時代、便利なもので、このサイトを使えば、全国どこでも、「何丁目」レベルまで、地面の揺れやすさ(表層地盤増幅率)が数値で把握できます。大まかに分類すると、こうなります。

2.0以上(特に揺れやすい)
2.0未満~1.6以上(揺れやすい)
1.6未満~1.4以上(場所によっては揺れやすい)
1.4未満(揺れにくい)

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先ほど紹介した、「ゆれにくいまち鎌ヶ谷」も、この指標からいうと、大して良い数値ではないことが分かります。首都圏の平均的なレベルでしょうか…

鎌ヶ谷市役所(新鎌ヶ谷2丁目) ゆれやすさ 1.69 (揺れやすい、但し液状化しにくい)
鎌ヶ谷駅(道野辺中央2丁目) ゆれやすさ 1.57 (場所によっては揺れやすい、液状化しにくい)

 

いま、世間を騒がしている、横浜市都筑区の「傾斜マンション」問題ですが、このマンションが建っている地域の地盤は、数字からみるとかなり良い部類に入ります。

横浜市都筑区池辺  ゆれやすさ 1.05 (揺れにくい)

 

横浜市では数年前にも、西区三ッ沢で傾斜マンション問題が起こりましたが、こちらの地盤も実は悪くない。

横浜市西区宮ヶ谷  ゆれやすさ 1.30 (揺れにくい)

 

但し、地盤の比較的良い地域であっても、大型マンションを建てるにあたっては杭が支持層(地下数m~数十mにある強固な地盤)に届く必要があり、そこまで届いていなかった施工ミスにより、上記の問題が起こったわけですね。

yokohamamansion

 

軟弱地盤といえば、私の住んでる江東区東陽町なんてモロ最悪の部類に入ります。支持層なんて、長さ40~60mの杭を打ち込まないと届かない世界。

私の自宅―塩浜2丁目   ゆれやすさ  2.26 (非常に揺れやすい)
江東区役所―東陽4丁目  ゆれやすさ 2.29 (非常に揺れやすい)

  

江東区に限らず、城東・城北の下町~ベイエリアにかけての地盤は弱くて揺れやすい。ゆれやすさ2.0を超えるのは、23区中の過半を占める、「中央区、港区、台東区、墨田区、江東区、品川区、大田区、北区、足立区、葛飾区、江戸川区の12区の大部分」。東京を代表するビジネス街である大手町・丸の内の地盤も弱い。

 

では、揺れやすい地盤だと、どれくらいリスクが増すのか・・・同じ地域内で極端に揺れやすさが違う「千代田区飯田橋」を例にとってみましょう。

飯田橋1丁目  ゆれやすさ 1.42 (揺れにくいが、場所によっては揺れやすい)  ローム台地
飯田橋3丁目  ゆれやすさ 2.10 (非常に揺れやすい)  谷底低地

 

飯田橋1丁目と3丁目は数百メートルしか離れていないので、同一震源の地震波はほぼ均等に届くはずですが、地盤の強さが違うので表層での揺れ方が違います。3丁目は1丁目に比べて、今後30年間で震度6弱の出現確率が1.8倍、震度6強の出現確率が3.7倍になっています。同じ地震で、震度が0.5~1くらい違うのではないでしょうか。

飯田橋1丁目 飯田橋3丁目
揺れやすさ 1.42 2.10
震度5弱 99% 99%
震度5強 90% 98%
震度6弱 42% 75%
震度6強 6% 22%

 

いま日本で、「特にゆれやすい」2.0以上の軟弱地盤に上に生活している人が、2200万人いるそうです。私もその一人ですね。生まれた場所は、揺れやすさ1.48(柏市あけぼの4丁目)のまあまあ良い場所なのに、今は軟弱地盤2.26の江東区に住んでいる。

いや、それ以前に、いま事務所を構えてる品川区西五反田2丁目が「揺れやすさ2.37」じゃん!西五反田の一帯は「後背湿地」、説明を読むと「平野にある湿潤な低地で、粘性土、泥炭、腐植質土からなる地盤で、液状化しやすい」とのこと。私って、無意識のうちに、揺れやすい場所を選んでるのかな?

 

ま、それでもいいんです。人生、所詮は運なんです。いくら地盤が良くても揺れにくくても、施工不良とかでマンション建て替えが起こるんです。それに、東南アジアとかよく行ってるから、「2㎝くらいの傾きで大騒ぎになる」日本はかえって安全という感覚です。地震起こらない国だって、マンション施工が悪くて傾いたり、倒壊することだってあるんですから…

「マンションは一生もの」と思い込んで、横浜あたりで4000万くらいの新築マンション買って、地盤がどうだ、盛土か切土か、施工デベロッパーはどこかと一生懸命気に病んでも、問題起こる時は起こる。しかも、自分のコントロールの及ばないところで…

そんな不確実な世の中なんですから、4000万円のお金があったら、私なら資産を2つに分散しますね。都筑区あたりなら2000万円の中古ファミリーマンションいくらでもあるから、「東京の便利な場所に2000万円位、約40㎡の1LDK中古マンション」と、「横浜市都筑区内で3LDK、約70㎡、2000万の中古マンション」を分けて買う。万一、どちらか一方が問題起こしても別の住まいにすればいい。それに、東京勤めの帰り、都筑区まで帰るのが億劫なら都内の別宅に泊まればいい・・二地域居住みたいでかっこいいじゃん!

以上、東京でもとびきり地盤の悪い場所に住んで働いている奴の独り言でした。

 

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路線価の本当の意味

おはようございます。Manachanです。今日は朝6時過ぎに家を出て、東京駅から新幹線で名古屋へ移動中。いま神奈川県内を走行してます。相模川を超えると急に田舎な風景になるのね…今日のテーマは、日本の不動産における「路線価」と「実勢価格」について書きます。

私、不動産の仕事をはじめてから、これまでの人生では考えられない位、日本国内のいろんな地方に出張で行く機会が増えました。ここ1か月の間に行った先は、愛知県一宮市、静岡県浜松市、福島県郡山市、千葉県君津市、栃木県小山市…東京から1000㎞離れた九州や北海道の仕事もあります。

いろんな地方に行くと、東京にいては分からない、それぞれの事情があることが分かります。言葉も食べ物もライフスタイルも、それぞれの地域で違う。日本は広いですね。

 

地方出張が続くと、「東京の常識」が通用しないことがよくあります。「土地の価格」は、その最たるものでしょう。役所が決めた「路線価」や「固定資産税評価額」と、売主・買主が決める「実勢価格」のバランスが、大都市圏とそれ以外の地域で、全く違うのです。

首都圏の住宅地では、「路線価は実勢価格の7掛け(70%)」と言われます。東京郊外のベッドタウン、たとえば八王子とかさいたま市あたりで、実勢価格で「坪50万」する宅地の路線価は、その7掛けの「坪35万」くらいになることが多い。

東京を代表する、銀座や渋谷などの商業地では、いま世界中の投資マネーが入って実勢価格がむちゃくちゃ高いので、「路線価は実勢の3掛け?」あるいは「そもそも路線価の意味がない」世界になっています。「路線価<実勢価格」の差を利用した、「タワーマンション減税」テクニックも、東京では流行っています。

 

<都内タワーマンション、実勢価格は評価額を大きく上回る>

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ところが、地方へ行くと、状況は一変します。

北海道・深川市:宅地100坪980円 1年半以内建築で

私、この記事読んでた時、小学4年の娘ソフィアと一緒にいました。ソフィアが、「本当に980円で土地買えるの?私のおこづかいで買えるね」と言ってました。

980円で分譲されるこの土地、1区画あたりの固定資産税評価額は「82~124万円」だそうです。20年以上買い手がつかなかったこの土地が980円で流通した場合、「評価額は実勢の820~1240倍」ということになります。

 

閉店から10年、今も固定資産税 減額求める訴訟も(北海道芦別市)

先ほどの「深川市」から遠くない「芦別市」で起こったケース。閉店から10年経ったパチンコ屋の買い手が未だにつかないという。約500平方メートルの土地を100万円で買う、という人はいたが、解体には1千万円かかるため、あきらめたよう。

市場価値がゼロに近い不動産物件だが、芦別市はこの土地に約150万円、建物に約4200万円の評価額をつけている…もし、実勢価格が100万円とすれば、「土地建物の評価額は実勢価格の43.5倍」ということになります。

<芦別市のパチンコ店。値段はつかないのに固定資産税は毎年かかる>

 

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上記2件は極端な例に聞こえるかもしれませんが、札幌以外の北海道の地方都市なんて、大抵どこもそんなもん。軒並み「路線価・評価額」>「実勢価格」の世界です。首都圏と真逆ですね。

最近は、東海地方の土地を査定する仕事が増えていますが、

・名古屋圏では東京と同じく、「実勢価格」>「路線価・評価額」

・岐阜市の郊外住宅地あたりでは、「実勢価格=路線価・評価額」

・岐阜県の郡部や小都市になると、「実勢価格<路線価・評価額」

 

私は、「岐阜市の住宅地で路線価が実勢とバランスする」という事実は、注目に値すると思っています。岐阜市は、日本の真ん中にある、人口40万人の中堅都市。都市規模も、大きくもなく小さくもない、日本の平均的なサイズ。

・岐阜市と比べて都会なら、路線価は実勢より安く抑えられている。

・岐阜市と比べて田舎では、路線価は実勢より高くなっている。

 

もう少し、掘り下げて考えると…

・日本の役所は、全国平均値に近い岐阜市あたりをベンチマークにして、ここの実勢価格が公定価格とバランスするように、路線価や評価額を設定しているのではないか?

・岐阜市より都会な、名古屋や東京みたいな土地で、実勢価格に対して課税してしまうとオーナーの負担が大きくなるから、評価額を控え目に設定している。

・岐阜市より田舎な地域で、実勢価格に対して課税してしまうと、全然、税金とれなくなって、地方自治体の財政が行き詰ってしまうから、評価額は高めに設定している。

 

あくまで仮説の域を出ませんが…このように考えると、日本の地価に関するいろんなことがロジカルに説明できてしまう。面白いですね。

最後に一言…最近、土地建物の査定依頼が増えていますが、岐阜市より田舎と思われる地域で、「路線価や評価額がこれくらいだから、俺の土地もこれくらいで売れるはず」なんて考えないでね。そもそも無理なんですから。

 

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マスコミの惰性と地域イメージの関係

おはようございます。Manachanです。今回は久々の「マスコミ」ねたで…

人間にとって、世の中の事象は、「少数の関心事」と「多数のどーでもいい事」から成り立っています。たとえばの話、約30ページの新聞朝刊誌面に載っているテーマは少なくとも数百あるはずですが、そのなかで、自分の関心あるテーマはどれだけあるでしょう?関心分野が半分を超える人は、たぶん稀だと思います。

特に私は、興味分野が偏っているので、大部分のテーマに、全く関心ありません。新聞、雑誌とも、興味ある分野だけ選んで、つまみ食い的に読んでます。じっくり読む時間もないしね。

 

新聞記者や編集スタッフになると、少なくとも私よりは幅広い関心分野を持っていると思いますが、それでも、関心の濃淡、得意・不得意はあるはずで、個人的・組織的に関心が薄い分野とか、取材体制が不十分な分野になると、記事に「どーでもいい」オーラが漂ってきます。

先日、福岡でのセミナー後の懇親会で、こんな話題になりました。フィリピンで事業をしておられる方との話、

 

「フィリピンは、ここ数年でものすごい勢いで経済発展して、都市の環境も整ってきたのに、日本のマスコミは、そういう面を全然報道しない。十年一日のごとく、スラムや貧困、犯罪の記事ばっかりだ」

「経済紙になると、さすがにちゃんと取材するけど、一般紙の方は相変わらずひどいね」

「新聞記者は、10年、20年前の、貧しかったフィリピンのイメージを未だに持ってて、惰性で記事書いてるんじゃないか?あるいは、現場の記者がまともな記事書いても、デスクが先入観だけで却下してるんじゃなかろうか?」

 

それを聞いて、私も思い当たることがありました。ちょうど数日前、東京で会議していた時、香港人の日本不動産買いの話題になった時に、司法書士の先生が言ったこと、

 

「香港人に関しては、日本の不動産を投資目的で買うことはあっても、日本のビザとって移住するニーズはないよ。だって放射能の問題があるもん。」

「香港のマスコミって、日本の放射能に関する報道はえげつないから、未だに震災当初のパニックなイメージをひきずっている人も多いんだ・・・」

「今でも、東京や横浜の物件は避けて、大阪や福岡の物件をリクエストする香港人も少なからずいるんだ」

 

私、香港にはほぼ毎年行ってるし、現地で「蕷果日報」みたいな大衆日刊紙をそのまま読むので、「報道のえげつなさ」についてはイメージできます。香港で高層マンションのベランダから子供が落ちて亡くなった、中国本土で連続殺人事件が起こった等々、事故記事の書き方すごいもん。使われてる写真も、「兇」とか「悪鬼」みたいなオール漢字のタイトルも…あのノリで、日本の原発事故も、極度に誇張して書くんでしょうね。

香港は2011年震災当時、「末日災禍」、「50死士」(『星島日報』)、「全日本核汚染」(『東方日報』)みたいな、扇情的な見出しが躍った場所。日本の「いま」をよく知らない、あるいは「そんなんどーでもいい」と考えている記者やデスクが、2015年になっても当時のパニックなイメージを引きずったまま、惰性で記事を出し続けている可能性は大いにあうるでしょう。もしそうなら、日本のマスコミのフィリピンに関する報道と同じ構図ですね。

私は震災後もずっと東京に住んでて、小さい子供も育ててるし、毎日、関東や東北の野菜を食べてるし、仕事や遊びで福島県にもよく行くし…そういう暮らしをしているので、現地の事情をよく知らない外国人がイメージだけで東京の物件を忌避する気持ちは分かるにせよ、特に本人が住むわけじゃなくて投資物件として保有するだけなのに忌避するのは、正直理解に苦しむのですが、

でも、世の中のほとんどの物事は、「どーでもいい」ことから成り立っているのかもしれません。信頼できる筋からデータを得て、ちゃんと分析して合理的に判断する…みたいなことを、誰もができるわけじゃない。逆に「なんとなく、危なそうだから・・・避けよう」みたいな、非合理的な感情やイメージの占める割合は大きい。

 

私、長年ブロガーやってて、無力感を感じるのも、ここなんです。日々、一生懸命、皆様に有益だと信じる情報を発信し続けていても、読んでくれるのは興味ある方だけ。世の中の大多数の人は、ブログManachans Worldよりも、マスコミの出す「どーでも良い、惰性な記事・報道」をはるかに多く目にしているのです。

もちろん、マスコミの世界でも有能で志ある方は多いし、良質な記事・報道も世の中にたくさんあります。ただ、そうでないものも多い。どの業界もそうですが、国を問わず、マスコミも、玉石混交。私の嫌いな下品で怠惰で扇動的な記事も多いし、なくならない。

どのマスコミも、想定する読者層のレベルやニーズに合わせて記事を出す。読者も人間であり、「興味のない分野、つまり世の中の大部分のことはどーでもいい」と考えているので、その「どーでもいい」部分に訴求する記事や、惰性で書く記事は、人間の世が続く限り、なくならないでしょう。

 

フィリピンの話に戻ると、日本人の大多数がフィリピンに対する貧困・危険イメージを変えるには、あと5~10年くらい、同国の経済成長が続いて、英語流暢なフィリピン人のエリートが、東京のビジネス街を颯爽と闊歩して、日本人の一般ピープルが、「フィリピンは経済成長すごいらしいよ」、「スラムだの犯罪だの、〇〇新聞は未だにこんな記事書いて、こいつらバッカじゃねえの!」と思うようになったら、変わるのでしょう。

ま、シンガポールやマレーシアについて、今どきそんな記事書くマスコミはほぼありませんから、フィリピンも、徐々に見直されていくのでしょう。惰性な記事書くマスコミ人が、一番遅れてるかもしれませんね。

ま、それもヨカヨカ。人間社会なんて、所詮そんなもん。私は商売人だから、「マスコミや一般人の認識」と「現実」とのギャップに注目して、それをおカネにしていけば良いんだから・・・

 

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尾張一宮モーニングの魅力

こんばんは、Manachanです。つい先程まで、福岡から羽田に向かうスカイマーク便の機上の人でした。座席前ポケットの雑誌を手に取ると、馴染みのある地名が出てきていました。

「愛知県一宮市、モーニング発祥の地」

 
一宮といえば、来週水曜日に決済の仕事で行く場所です。市の中心駅、JR東海道線「尾張一宮」(おわりいちのみや)駅は、名古屋駅から新快速でわずか10分。加えて名鉄線の駅もあり、近年は名古屋のベッドタウンとして発展中。駅周辺は中高層の分譲マンションが建ち並び、人口40万人弱。名古屋、豊田に次ぐ、愛知県第三の都市です。

一宮の市街地には、尾張国の一宮(=同国で一番社格の高い神社)である「真清田神社」(ますみだじんじゃ)があり、これが地名の由来になっています。昭和20年代の一宮は毛織物など繊維産業の中心地として繁栄を極めましたが、今では繊維業は下火になり、隣接する大都市・名古屋との関係を活かした発展を模索しています。

 
私は一宮と不思議な縁があります。2010年12月には尾張一宮駅近くのワンルームマンションを買い、4年ほど運用していました。空室知らずで賃料を稼ぎ続け、かつ値上がって売れた孝行息子です。物件保有期間中に、何度か一宮を訪れましたが、行くたびに、その「ユニークな食文化」に魅せられていきました。

一宮は「モーニング」発祥の地・・・・喫茶店でコーヒーを頼むと、小倉トーストや卵など「おまけ」がついてくるのが「モーニング」の基本形で、「名古屋の喫茶文化」として全国に知られていますが、元はといえば、一宮の繊維工業が華やかなりし時代、喫茶店が応接間代わりに商談の場として使われた時に、マスターがおもてなしの心で、コーヒーにピーナッツや卵をサービスしたのが始まりです。

いま、一宮の喫茶店でモーニングを頼むと、付いてくる「おまけ」は、ピーナッツ、トーストなんて、生易しいものではありません。

・茶碗蒸し
・赤だし(味噌汁)

は、基本です(たぶん…)。350円か400円くらいのコーヒー頼んだら、トースト、茶碗蒸し、赤だし、ヨーグルトドリンク等が「おまけ」でついてくるのです。もはや「おまけ」のレベルを超え、すっかり主役ですよね。

関東の食文化で育った私、最初は「コーヒーに茶碗蒸し+赤だし」という食べ合わせに違和感ありまくりでしたが、2回、3回と、一宮通いを続けるうちに、これ食わずにはいられない身体になってしまいました。

東京発、岐阜行きの深夜バスに乗ると、午前6時前に一宮駅前に着きますが、すでに喫茶店がいくつか営業しています。6時半頃になると近所のおばちゃんたちが連れだって来て、皆、モーニングを注文して、世間話に花が咲きます。とにかく居心地いいし、漫画や雑誌もたくさん置いてあるから、1時間、2時間でもくつろげてしまうのですね。

特筆すべきは、財布に優しいこと。コーヒーに3品、4品のおまけがついて400円前後。居座り放題、漫画読み放題ですから、凄まじいコスパの良さです。2軒、3軒と喫茶店はしごしたら、さすがに腹一杯になりますが、それでも合計1000円位しかしないのです。。

スカイマークの機内誌に紹介されている一宮モーニングは、こんな感じでした。

・ドリンクとサラダのセットに、器のパンごと食べられるリゾットがついた「スペシャルモーニングセット」600円

・10㎝×10㎝×10㎝の自家製パンが丸々乗った「さいころトースト」400円。トッピングにアイスクリーム(100円)の追加も可能

・「50種類のドリンク」450円~は、豪華な7種盛りのモーニングがついてくる。地元で有名な「うきうき村」尾張のゆで卵、5種類の具材が入った炊き込みご飯、生地からこだわるサンドイッチ等…

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れ見ても…うまそう。同じものを東京で食べたら、どんな値段するんだろう?しかも、慌ただしい大都会・東京。一宮の喫茶店みたいに何時間も粘るのは無理だろうな。

最後に一言。

一宮のモーニングは、全国に自慢できる、素晴らしい食文化だと思います。

 

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コスモポリタン江東区

おはようございます。Manachanです。

私は、東京の東側、江東区の東陽町に住んでいます。ここは東京駅から地下鉄で10分足らず、YMCAや英米系、インド系のインターナショナルスクールが近隣にいくつかあり、東京のなかでは比較的、外国人住民が多いエリアです。

東陽町の駅前にある、コンビニ、マクドナルド、居酒屋など、チェーン店系列の店は、どこに行っても、外国人店員・アルバイトが多い。日本人がかえって珍しい位。

駅から北へ5分ほど歩くと江東区役所があります。区の住民課には、常時、英語や中国語を話す職員がいて、住民登録をする外国人でいつも賑わっています。

駅から南へ8分ほど歩くと私の住むマンションがあります。平日の7時50分には小学生の児童が登校班で集まりますが、明らかに日本人の風貌でない、英語名を持つ子供が何人かいて、皆、普通に日本語話してランドセルを背負って小学生やっています。近所の中学校では、日本語を十分に話せない外国人生徒のための補修クラスがあります。

区の北側にある大島(おおじま)地区ではインド人IT技術者ファミリーが多く、長年日本に暮らすインド人が団地の自治会長をつとめる例もあります。

 

外国人が増えた…それは数字でも明らかに裏付けられています。在住外国人のなかでも、「東・東南アジア系」(日本人と見分けがつきにくい)と、「それ以外」(一見して外国人と分かる)を、出身国別に分けて集計したのですが、江東区は1994年から2014年にかけて、「東・東南アジア系」も「それ以外」も、いずれも一貫して増えています。このような動きをしている区は、江東区の他には、台東区しかありません。こちらも城東地区。

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江東区の外国人登録者数の推移

H26.1.1   21,234人 (総人口の4.36%)
H27.1.1   22,766人 (総人口の4.61%)
H27.10.1  23,805人 (総人口の4.75%)

直近3年でみると、毎年、約7000名づつ増え続ける江東区の人口、その2割強、1500人が外国人の増加によるものです。当然ながら、外国人の総人口に占める割合は増え続け、今は「日本人95%、外国人5%」の社会になっています。江東区の外国人数は東京23区中、第4位。

 

私は、オーストラリアやアメリカなど、移民国で暮らした時期があります。彼の地は、「小学校のクラスで、パパやママの出身国を書くだけで世界地図ができてしまう」ほど、コスモポリタンな環境でしたが、いま東京の江東区・東陽町に暮らしてみると、この街も着実に、コスモポリタン都市への道を歩んでいるように思います。

もっとも、東京はエリアによって外国人比率が違います。概して、都心区(新宿、池袋や港区)と、城東地区に外国人が多く、西側には少ない。「フィリピン人は足立区」、「インド人は江戸川区」など、特定エスニックグループの集まる地域も、23区の東側に多い。

英語補習校の友人(英国人男性)が、最近、練馬区から江東区に越してきましたが、「練馬区は外国人が少なく、区役所に行っても日本語しか通じない。その点、江東区は区役所で英語が通じるし、英語の教育機関もいくつかあるから外国人には住みやすい」と言っていました。

 

最後に、エピソードをひとつ。昨晩、香港から義姉夫婦が来日したので、東陽町の居酒屋でウェルカムディナーをやりました。この店、内装は純和風なのに、店員の大部分が外国人という、いまどきの江東区にありがちな居酒屋です。

最初は、フィリピン人らしい店員がオーダーを取りにきました、最初はもちろん日本語を使っていましたが、我々のグループが英語話者だと分かると、流暢な英語で話しはじめました。次に、食事を運びに来た、台湾人の店員も英語が流暢でしかも中国語も通じる…ということで、お客様も「コミュニケーションしやすい店」だと、大変満足されてました。日本人店員ばかりの店だと、こうはいかなかったことでしょう。

外国人住民が増え続ける東京・東陽町…この街の外国語対応力も、着実にアップしているようです。

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空気よめない男の憂鬱な誕生日

おはようございます。Manachanです。

明日は、妻の誕生日…私からのプレゼントは、iPod Nanoのはずだったのですが、結局、iPod Nanoが不要になり、私が自分でプレゼント選ぶことになりました。

妻の誕生日プレゼント選びなんて、普通の人にとっては、大した問題じゃないですが、私にとっては、極端に苦手なことです。

 

私の頭の中は、「自分が何したいか?」という言葉しか存在しない。

「人に何あげたら喜ばれるか?」、みたいな言葉は、私の脳内に存在しない。たとえ家族であっても…

 

私は昔から、こういうことに、全く無頓着。興味ゼロ。ほんの一秒でも、自分の頭を使いたくないし、頑張って頭使って考えても、これまで、ロクな結果になったことがないんです。

本音をいうと、妻の誕生日プレゼントなんか、商品カタログ一枚渡して、欲しいものを選んでもらい、それを私が買いにいく、という感じにしていただきたい。たとえば、妻が欲しいのは、iPod Nanoの、第何世代の、16GBの、どのカラー…まで指定していただければ、どれだけラクだろうか。

ちょうどそばに、小学校4年の娘がいたので、プレゼント選びを一任してしまった。

「ソフィアちゃん、パパは、空気よめないから、ママに何あげればいいのか分からない。だから、プレゼント選んでね」

「分かったよ。今日の午後4時に、文教堂書店に来てね。」

ソフィアも、決して空気読める方じゃないと思うけど、それでも、パパよりはマシだよね。

 

友人の結婚式とか、これまで何十回と出てますけど、ご祝儀いくら包むとか、何の紙に包むとか、いろいろ気を使うのが、面倒くさくて仕方ない。北海道の結婚式みたいに会費制にしていただければ、どれだけラクだろうか。できれば、クレジットカードで会費払って、何も考えずに参加したい。

一応、ご祝儀の額や、のし紙は、日本で生きるうえで「社会常識」だということは、頭で理解はしていますが、自分の頭脳を、その方面に使う能力は、残念ながら持ち合わせていないようです。

 

あと、よく考えたら、高校時代の国語のテストで、論説文の読解とかは得意でしたが、随筆や小説とかはむちゃ苦手でしたね。「○○…と言ってる時に、作者の気持ちに近いものを一つ選びなさい」みたいな問題で、私が一生懸命考えて、これが正解だろうと思って書いた回答が、ことごとく間違っていたし、なぜ、そうなるのか、先生に答えてもらっても、私の頭では理解できなかった。

人の立場に立って考えなさいとか、子供の頃から、いろいろ言われたけど、未だに、よく分からない。自分の問題にならないと理解できないんです。

 

5か国語できたり、ブログを15年続けられたり、利回り計算が暗算でできたりと、一見ちゃんと機能してるように見える脳内のどこかが、プツッと切れてる感じ。これ、たぶん、一生治らないんだろうなあ。

治らなくても、ま、社会生活できてるからいいんだけど…自分のペースでやれる仕事を職業にして、周りの人にサポートしてもらえば、一応は、何とかなるんだよね。

 

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