2015年 2月 の投稿一覧

フィリピン不動産融資の変化

こんばんは、Manachanです。今回はフィリピンねた…一昨年から毎月連載しているHome’s不動産投資コラムで、辛口の文章を書きました。

フィリピン融資トラブル発生

私自身が体験したトラブルだけに、客観的にフェアに書こうと思いつつも、どうしても辛口になってしまう面はあります。この文章でお伝えしたかったことは、

新興国でプレビルドを買うにあたっては、「融資の仕組みがあやふやである」というリスクの存在を知ろう。

日本と違って「融資特約つけずに買う」わけだから、完成時に融資が下りない場合、現金を全額揃えて払うか、最悪、これまで払った頭金を捨てる事態も想定しよう。

ま、融資など受けずに全額キャッシュ払いしちゃえば問題ないんだけどね。

フィリピンは、同じ東南アジアのマレーシアやタイと比べて、外国人オーナーに対する銀行融資を出したがらない国、というイメージがあります。

マレーシアでは、2~3年前に、外国人にも物件価格の85%や90%まで融資出してた時期があり、実際、ものすごく売れたわけですが、その結果、地元の人が買えないレベルまで不動産価格が高騰したので、引き締めに入っています。今だと外国人は頑張っても50~60%しか融資ひけないでしょう。

フィリピンはマレーシアの経験に学んだのかどうか知りませんが…・ここ2~3年は外国人に対する融資オプションをほぼ与えず、不動産マーケットは地元のフィリピン人やキャッシュ買い客中心の状況だったように思います。

日本人が買う場合は、東京に支店があるPNB銀行位しか融資の選択肢がなかった。だからこそ数年前のマレーシア不動産のような爆発的な価格の伸びは見られず、その分安く買えていたともいえるでしょう。

ただ、同国でも外国人に対する融資が、だんだん、緩くなる方向に向かっているのは間違いないと思います。

・BDOなど、日本に拠点を持たないフィリピンの銀行が、日本人向けに貸すようになった。

・日本の金融機関による「フリーローン」の類もいくつか出てきた。

フィリピンの融資制度、現時点ではまだあやふやな面も多く、実際それがリスクでもあるわけですが、近い将来、仕組みが整備されて、各行から外国人も使えるローン商品がどんどん出るようになれば、同国の不動産市場も劇的に変わるのかもしれません。

いま、アジア大平洋大家の会では、セブ島の投資用ホテルセミナーを開催しています(2/27東京2/28福岡)。講師の佐藤大悟さんは、「現時点ではまだ、フィリピンの銀行融資があやふやなので、物件代金を自分でつくる方策を考えるべきです」とセミナーで言います。良心的だと思います。

数年前なんか、今よりもっとあやふやだったのに、「銀行融資つきます!」と言ってた業者が多かったもんなあ…そういう業者の多くは、もう、市場から姿を消してしまいました。商売というものは、時間かかっても誠実にやるべきなのでしょうね。

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どちらがショックでかい?~物件仲介悲話~

おはようございます。Manachanです。

私は自営業者として独立して2年目、食っていくために、そして自分の趣味も兼ねて、いろんなビジネスを手掛けています。日本国内の収益物件売買仲介もそのひとつ。

この仕事、まさに「一寸先は闇」。買付をとっても契約しても、決済して仲介手数料が振り込まれるまで、一瞬たりとも油断できません。

【決済まで至らない主な理由】
・売主都合による売り止め
・買主都合の「やーめた!」
・銀行融資否決または減額
・(売主・買主が法人の場合)社内稟議否決
・他の仲介業者による「横取り」 等々・・

そうなった場合、我々仲介業者の手取りは「ゼロ」です。話をまとめるのに、どれだけの時間と労力、費用を費やしても、決済まで持ちこめなければ一銭も入らないのです。

私は、自営業者という立場で売買仲介に関わりますが、相手方の担当者はサラリーマンであることがほとんど。お互いに、話が流れた場合はショックでかいですが、これまでの私は、「自営業者である私の方がダメージでかい」と考えていました。なぜなら、

仮に仲介が成立しなくても、サラリーマンなら毎月給料振り込まれるはず。でも我々社長は収入ゼロになってしまうから…

相手方がサラリーマンでも営業職の場合、話がまとまらなければ成績にならず、ノルマとかで経営陣上司にガミガミ言われることもあるでしょう。それでも給料入るだけマシじゃん、私はそのように思っていました。

でも最近は考えが変わり、「サラリーマンの方がダメージでかいかもしれない」と思うようになってきました。なぜなら、

仲介が成立しなかった場合、我々自営業者は誰にも説明する必要はなく、単にお金を諦めれば済むけど、サラリーマンの場合、ことの経緯、原因や改善策を、いろんな人に説明しなくてはならないから面倒臭い。

最近、こういうことがありました。とある収益物件の売買仲介で、相手方はサラリーマン(前職は銀行員) でした。話がまとまりそうな勢いで行ってた時は態度も紳士的でしたし、実際、前に進めるために社内調整にご尽力いただきましたが、結局、条件が折り合わずに話は流れました。私は終日ドライブ中で多忙だったこともあり、残念な結果に終わった旨、メールで簡単に報告しました。

翌日のことです。その彼から、ものすごい剣幕の電話が入りました。

「俺の顔をつぶしやがって!どう責任取ってくれるんだ!」
「お前、仲介だろ俺らの会社に謝りに来い!」

これまでの紳士的態度が一瞬にして豹変、すごい居丈高な口調に…

電話を切った後、強烈な違和感が襲ってきました。

・俺ら仲介業者って、不動産会社の一社員に怒鳴られるほど、社会的ステータス低いの?(一応、経営者の端くれなんだけどなぁ…)

・だいたい、同じ会社で働いてるわけじゃないのに、他社の社員の顔を潰した責任を俺が取らなきゃいけないの?

たぶん、こんなことが起こったんだろね…

その会社で経営者にがみがみ言われて、ムシャクシャして勢いで私にあんな電話したのか、あるいは経営者の前で威勢を見せるためにあんな口調になったのか、分かりませんが、私に言わせれば、ああいう虎の威を借る狐みたいな態度、カッコ悪い。

同じ男として、情けねぇ。ケツの穴の小さい野郎だぜ!という印象しか残りません。

ま、この件は私も穏便に、相手方の会社のしかるべき人間に電話して、今回、私の力量足りずにまとめられなかった件と、社員から失礼な電話が来て嫌な思いをした件を、事実として伝えました。

この件で、私思ったこと…

不動産会社のサラリーマンが、仲介の話をまとめられなかった場合、社内のいろんな人に説明したり、反省させられたり、理不尽なこと言われたり、嫌な思いを一杯するのかもしれない。

その点、俺なんか気楽な一人会社の社長だから、まだマシなのかもね…

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イクメンを超えて…

おはようございます。Manachanです。

巷にいう「イクメン」という言葉に、なんだか微妙な感じを覚えてしまう今日この頃。国際結婚、娘の不登校、自分と娘の発達障害など、いろんな要因が重なって、日々、「イクメン」のレベルを超えた家庭内の仕事をやらなければならない私。

それが好きだったら問題ないけど、いまいち好きになれないしなあ…

不登校パパ奮闘記(2015/1/8)…平日朝は、不登校の娘をあの手この手で学校に連れて行く

旦那はロボット(2014/12/8)…国際結婚ならではの手間と負担がかかるのです。

たかが家族されど家族(2015/2/20)…子供は可愛いけど、今の生活を心から楽しめていない私もいます。

そんな私からみて、なぜ「イクメン」が微妙だと感じるのか。それは、「フルタイムで働く夫の家事・育児の分担」ということ自体、夫と妻が家庭のために使っている時間と労力の総量に比べれば、些末な論点だと思うからです。

子供のいる家庭では、母親(妻)も父親(旦那)も、日々、並々ならぬコミットメントを果たし、一人何役もこなしているはずです。それを「見える化」したのが下図。都市部のサラリーマン家庭で妻が専業主婦、という想定で描きました。

この家庭では、夫が唯一の働き手です。今の日本で、正社員のステータスを維持するのは大変です。日々、日常業務をこなすだけでなく、自分の時間を使って資格取得、英会話などスキルアップをしなくてはならないし、仕事を円滑に進めるために、上司、同僚、得意先との「付き合い」も欠かせない。それを全部一定レベル以上にこなして、はじめて「お給料を家に持ち帰る」ことができます。

一方で、小さい子供のいる家庭では、妻は母親として、育児と家事という、困難なタスクを日々こなさねばなりません。子供はいつでもどこでも問題を起こす生き物、時には24時間休みない奮闘を強いられます。育児書やレシピを読んだりiPadで調べたり、といったスキルアップも欠かせないし、ママ友との付き合い、ネットワーキングも必要。

育児中なので、いくら外の仕事が忙しくても、夫が家事育児参加ゼロというわけにはいきません。そこで、「家事育児協力」というタスクが発生します。同時に、夫をコーチする妻の作業も発生します。

それが質量ともに充実すると「イクメン」と呼ばれるわけですが、それは妻や夫が、家庭を維持するために日々タスク全体に比べれば、大したウェイトを占めるわけではありません。イクメンは良いことだけど、それをもてはやすより、家庭生活の全体像をみることが大事だと思います

私がなぜ、上の図を思いついたのかというと、とある育児書で、下のような図をみたことがあるからです。

「旦那なんか、会社行ってお給料もらって来ればいいだけだからラクだわよね。私なんか家事と買い物と育児と旦那の世話と、一人何役もこなしているのよ!」と言わんばかりの絵…気持ちは分かりますけど、この見方は稼ぎ手の旦那に対して余りにもアンフェアではないでしょうか?

なぜなら、少なくとも妻が家事と買い物と育児をこなしているのと同じくらい、夫も組織社会のなかで一人何役を演じつつ、頭を使って複雑なタスクをこなしているからです。社員として、上司として部下としてチームメンバーとしての日常業務、加えてスキルアップにネットワーキング…それを全部やれてはじめて一人前なのですから、

いわゆる「旦那の仕事」は、少なくとも「家事」や「買い物」といった単一タスクアイテムのレベルではないはずだし、そんな程度で給料がもらえるほど会社は甘くありません。

また、逆の立場からいえば、下図のような見方をしている男性諸氏も、年配者を中心に、未だに少なくないのではないでしょうか?

「俺なんか会社で、神経すり減らして給料稼いでいるんだぞ。それに比べて、家でテレビみて子供と遊んでる女房はラクだよな」という感覚…これも、育児労働の過酷さを知らないがゆえの、偏った見方だと思います。

だいいち、旦那が会社で付き合うのは成人ばかりでしょう?でも子供は、「人間になりきっていない動物」だから四六時中目が離せない、しかも、そんな連中を「人間」として育てなければならないから「しつけ」も必要。でも、いくら注意しても言うこときかない、思い通りにならない、自分の睡眠さえ思うに任せない…会社しか知らない人には想像を絶するコミットメントが必要です。

旦那は外で働く、妻は家で育児家事、二人とも常に多忙…というライフスタイルでは、(我が家もそうですけど)お互いの無理解、行き違いによって、夫婦仲がぎくしゃくするリスクが常にあります。共稼ぎでもそういう問題は起こるわけで、子供が大きくなるまで家庭を維持するのって、本当に大変です。

お互いを理解するための一つの思考枠組として、「妻と夫、それぞれが果たしているタスクの全体像」を把握することは有益ではないでしょうか?

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たかが家族されど家族

こんにちは、Manachanです。

我が家の子育て、特に娘の不登校問題については、父親として、苦労が絶えません。今週火曜日には、娘が可愛がっていたハムスターが亡くなり、その後二日間は本当に大変でした。詳しいことはブログに書けませんけど…

二日経って、ようやく娘の気持ちが落ち着いた後、私は三日ぶりに、娘に連れ添って登校しました。毎朝、「学校行かない!」と言ってきかない娘を、あの手この手で連れ出して登校させるのは、彼女と比較的気が合う私の役目です。

ま、こういう状況があるので、私は平日午前中のビジネスアポイントを極力入れず、午後か夜に回しています(自営で融通きいてよかった…)。とはいえ、夜の帰宅が遅くなっても、それはそれでいろんな問題が起こるので、セミナー講演などを除いて、夜のアポイントもそう入れられない。

仕事柄、海外出張も多いですが、上述の家庭事情ゆえ、長期間、家を空けることはできないので、いつも駆け足の出張。同行者がびっくりする程、過密にスケジュールを入れまくって、パッと行ってパッと帰る…海外で遊ぶ暇、楽しむ暇なんてありません。

ビジネス立ち上げて間もなく、「さあ、これから!」という時に、家庭の制約で思い切り動けないのは極めて歯がゆい。それでも、妻が一生懸命切り盛りしているから、なんとか仕事できる面もあるし、それには感謝しているのだけど、

仕事仲間が、一か月以上家を空けて、長期出張しているのをみると、
「いいなあ…俺も家を空けて、思う存分ビジネスできるような境遇になりたいよ」

と思ってしまいます。もちろん家庭は、人生のなかで一番大事だし、子育て中だからなおさら、仕事より優先すべきものなのは分かっていますが、

内心を正直にいうと、家庭での父親としての役割を、心から楽しんでいない私がいることにも気がつきます。特にいまの私は自営業で好きなことを仕事にしているから、ビジネスしていた方が楽しいのです。

良くも悪くも、家庭を持ったから、子供ができたからこその体験ですよね。

「人の親になる」という体験、責任感、重みは、子供の居ない人間には、絶対に想像できない…心からそう思います。断言して良い。

「総理大臣になることがどういうことなのか、経験した人間にしか理解できない」と言った政治家がいたように、人生って、自分がある立場、役割に立たないと分からないこと、見えてこないことが多いですよね。

子供は、思い通りになんかならない。うちの子が親の言うことを素直に聞くことは、10回に1回もない。教えても教えても、覚えない。親として、どこまでやればいいのか、キリがない(適当に手を抜くしかないですね…)

私は、大人としていろいろやりたいことがあるし、自分の時間をもっと自由に使いたいのに、制約多くて万事思うに任せない。優先順位高いことを、いろいろ我慢しなくちゃならない(傍からみれば、私って相当好き勝手やってるように見えるかもしれませんが、本人としてはそうでもないんですよ…)

母親はもっとそうかもしれませんが、男の私だって、子供つくって果たして良かったのか、時々思ってしまいますよ、まじで。

でも、子育ての苦労とかあまり強調してしまうと、子供つくる人が少なくなって社会が成り立たなくなるのかもしれないな。

とはいえ、「子育ての喜び」を強調して、「じゃ、皆で子供たくさんつくりましょう」と奨励するほど、私は子育てを楽しんでいるわけでもないんです。

あと、育児をほとんど妻に任せてたような年配の男性が「子育て支援」なんか言いだすって、本末転倒だと思いますよ。説得力ゼロじゃん。

そんな私でも、一つ言えるのは、

家族を持った喜びって、特に、ビジネスがうまくいかないタイミングで強く感じるものですね。

私のやってる、不動産の売買仲介っていうのは、シビアな世界です。決済しておカネが入金されるまで、気が抜けない。売り止め、買い手の気変わり、銀行融資否決…いろんな理由で話が流れる。決済・入金まで持っていけなかったら、いくら時間かけて苦労しても、一銭も入らないのです。私も何度か経験しています。

そんなタイミングで、がっかりして家に帰ってくると、いつもの通り、家族がいる。子供たちがギャーギャー騒いで、任天堂DSとかで遊んでいる。それ見て何となく、ホッとするんですね

私がもし独身だったなら、売買流れてがっかりして帰宅する時、落胆がさらに大きくなるんだろうな。やけ食いとかしてたかもしれない。

たかが家族、されど家族…父親という立場で、日々、濃密な体験をしています。いつも苦しくて、面倒臭くて、制約多くて、時々楽しい。この世界は、親になってみないと絶対に分からないと思います。

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やりたい仕事、やるべき仕事

おはようございます。Manachanです。

私が、解雇という不本意なかたちで、サラリーマン生活に終止符を打ったのが2013年2月14日。あれから、もう2年が経ちました。現在は、気楽な一人会社の社長として、日々、楽しく仕事しています。

自営、という働き方のメリットは、何といっても「自由」なこと。特に、

「勤務時間の自由」:一日の時間を自分の自由に使える。
「勤務地の自由」:好きな場所で仕事や商談ができる。

あと、自営業主を選んだからには、下記の自由も行使したいと思っています。

「業務内容の自由」:自分のやる仕事、やらない仕事を自由に決められる。
「人選びの自由」:一緒に仕事するパートナーや社員を自由に決められる

フェアにいうと、自営業主は上述の「自由」を手にする代わりに、生活のプレッシャーも背負うことになります。実際、売上ゼロに近い月もありますし、「余暇」も失ってしまいます(私も土日昼夜問わず、四六時中働いている感じですしね…ま、好きなことやってるからいいんだけど)。

食っていくために、やむなく大きな会社の下請けになって、「業務内容」や「人選び」の自由を失う自営業主も少なくありません。

ただ、私はお金が続く限り、自由、独立独歩を貫きたいと考えています。特に「業務内容」は自分の自由にしたい。サラリーマン時代はやりたくない仕事多かったけど、今はやりたい仕事だけやりたいもんね。

私の場合、やりたい仕事は、「自分のやるべき仕事」とほぼ同義です。やるべき仕事とは、何か?

1)私が働いた結果、誰かを幸せにできる仕事
2)他の業者よりも、私がやった方がより上手に、効果的にできる仕事
3)他の誰もやっていないニッチな領域の場合、私の時間と資金を投入してやるだけの価値、社会的意義がある仕事

この3つの基準が、お互いに衝突することもあります。たとえば、「都内の新築ワンルームマンション(表面利回り4%台)を外国人に売る」という仕事があったとしましょう。

私は中国語と英語ができますし、不動産投資経験もあるので海外投資家と効果的に会話できます。その意味では、「2)他の業者よりも、私がやった方がより上手に、効果的にできる仕事」なのかもしれません。

しかし、「1)私が働いた結果、誰かを幸せにできる仕事」なのかというと、そうは思えない。ロクにキャッシュフロー出ない、土地の含みもない単なる区分物件、値上がりも期待できない…私、日本の友人にこういう不動産投資をお勧めできませんし、海外の客にもそれをやりたくありません。

ま、近隣アジア諸国の場合、不動産が高騰し過ぎて表面利回り1~2%という世界のようですから、日本円の家賃収入が入ってかつ4%台なら悪くないのかもしれませんが、お金を殖やすのが目的なら日本国内にもっと魅力的な不動産投資機会はたくさんあるし、東南アジアのコンドミニアム、北米の戸建…東京の新築ワンルームよりお勧めしたいものは、世界中にたくさんある。

だから、私のポリシーとして、「利回りの低い東京の新築ワンルーム販売」はやらないと決めています。仲介業者以外の誰もハッピーにしないと思うからです(※中古ワンルームで6~7%以上回って、おカネが残る見込みあるなら取り組むこともあります…)

そうした基準で「自分のやるべき仕事」を考えた時、インバウンド(外国人の日本不動産買い)ビジネスでは、次の分野に注力しようと決めました。

日本に住みたい外国人向け、ビザサポート付き不動産紹介

詳しくは、私の会社ホームページ「日本で不動産購入&移住」に書きましたが、一言でいえば、こういうことです。

なぜ、私がこういう仕事を選ぶかというと、何といっても「お客をハッピーにする喜び」…成功した時の感謝され方が全然違います。

日本は、大抵の日本人が思う以上に魅力的な国です。特に東アジア、東南アジア諸国では、「私財をはたいて日本に移住したい。環境の良い日本で子育てして、日本の教育を受けさせたい」と切望する人々が多い。

私、これまで中国・黒竜江省出身の3家族を、投資経営ビザで日本に来日させた経験があります。皆、日本に来れて大変喜んでいますし、真面目にビジネスをやって、納税義務を果たしています。

是非日本に来たい、住み続けたいと思う人ほど、在留資格を大事に扱いますし、ビジネスも真面目にやる傾向があると感じます。彼らの営みは結果的に、日本の国を強く、豊かにすることにつながっていきます。

そんな彼らをサポートする仕事と、「日本に住む気のない金持ち外国人の投資不動産購入サポート」を比べた時、どちらが満足度高いか、感謝されるか、自分のため日本のためになるか…それを考えた時、私は前者を選びたい。

せっかく、自由な働き方を手に入れたのですから、客と仕事は自由に選びたい。それを通じて、自分の人生を豊かに、楽しくしていきたい…だからこそ、この仕事、やる意味があると思いました。

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平塚(神奈川)は神!

おはようございます。Manachanです。

私、関東圏で投資アパート建売業者向けの土地仕入れの仕事もやってます。所有権の土地仕入れて、2階建ての木造デザイナーズアパートつくって利回りを出す想定なので、土地の仕入れ価格は抑えなければなりません。東京23区内は地価が高すぎるので、近県に目を向けることになります。

近県とはいえ、田舎すぎて賃貸需要が少ないところはNGだし、サラリーマン向けの金融機関が融資エリアとして認めないところも買えない。そうなると、「都心30㎞圏内、国道16号線沿いの埼玉県か千葉県で、駅徒歩圏」あたりがスイートスポットになりますが、実際にやってみると、結構難しい

・駐車場附置義務がある自治体はNG (無駄な土地代かかって採算取れない)
・一種低層地域だらけの自治体もNG (建蔽40%、容積80%とかだと戸数が取れない)
・起伏の激しすぎる地域もNG (擁壁やりかえとか、何かとコストがかかる)
・その他、条例で規制が厳しすぎる自治体もNG

この仕事を1年ほど経験するなかで、土地の仕入れやすいエリアが、大体分かってきました。

埼玉県なら、「さいたま市北部(北区、見沼区)」
千葉県なら、「柏市」

これらの地域は、賃貸需要旺盛、土地代安い、その割に賃料とれる、地勢も平坦、駐車場附置義務緩い、中高層地域多い、一応「東京圏」と認められるエリアだから銀行融資も出やすい…全てにおいてバランスが取れているので仕入れしやすいんですね。

今回のブログでは、「土地仕入れ好適地域」を一つ追加いたします。それは、

神奈川県なら、「平塚市」

神奈川県って、我々千葉県出身者からみると「土地代高い」イメージがありまして…実際、川崎市とかは東京23区みたいな地価の場所が多いし、横浜市も市街地は高い。相鉄や京急の奥の方だと安いけど、鬼のように起伏が多くて建てられないケース多し。

地価や地勢を考えると、「相模原市」をはじめとする「県央地域」に目が向くわけですが、そこでもなかなか条件にあう土地が見つからなくて、「神奈川って難しいなあ…」と思っていたころに、救世主が現れた!

それが「平塚」…実に面白い場所ですね。

・「湘南」地域にあって、東京から東海道線で約一時間、通勤時間帯の始発も多い。
・でも保養地観光地としての「いわゆる湘南」のイメージではなく、どちらかといえば商工業都市
・それゆえ、地価に「湘南プレミア」が乗っておらず、結構お手頃(さいたま市北部や柏市とほぼ同じ価格帯)。
・商工業都市ゆえ、地域に雇用も賃貸需要も豊富。駅近くでは結構な家賃がとれる。

サザンの歌に茅ヶ崎、江の島、横浜は良く出てきても、「平塚」が出てくることはない。同じ湘南でも文化が違う?

何より心洗われるのは、「地形が平坦」だということ…横浜あたりで安い土地探すと、たいてい傾斜地、がけ条例、擁壁みたいな面倒なファクターがありますが、平塚なら普通に探せば平坦地。

しかも、「人口26万の都市なのに鉄道駅が1つしかない」のは実にやりやすい。さいたま市北部で土地仕入れやる場合、「宮原駅」(JR高崎線)と「日進駅」(JR川越線)、「東大宮駅」(JR宇都宮線)と「大和田駅」(東武野田線)の距離・位置感覚を頭に入れないと仕事になりませんが、平塚は「平塚駅」オンリーだから極めてシンプル。

東京から結構な距離があり(約60㎞)、通勤圏としては限界かもしれませんが、それでも地方の中堅都市としては十分成立する。東海道線と海がある限り、衰退するリスクは少ないでしょう。

面白いことに、さいたま市北部は「大宮アルディージャ」、柏市は「柏レイソル」、平塚市は「湘南ベルマーレ」のホームタウン。賃貸アパートとJリーグは結構相性良い?

【平塚、さいたま、柏…地価水準は似たようなもん】

【平塚駅近くだけ狙えば十分ね…】

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浜松と豊橋のあいだ…

こんばんは、Manachanです。

所謂「アベノミクス」で、「東京だけが潤って、他の地方はさっぱり…」という人が多いのですが、私の見聞する限り、東京の他にもう一つ、好景気に沸く地域があります。それが「東海地方」

私、不動産セミナーで名古屋に行く機会が多いのですが、ここ数年感じること、

「行くたびに、名古屋駅の人通りが増えている!」


愛知県東部から静岡県西部にかけて、豊田市から岡崎、豊橋、浜松へとつながる工業都市群。この一帯はリーマンショックで大きな痛手を受けましたが、最近は円安の恩恵もあり活気を取り戻しつつあります。

この地域で賃貸経営する友人も、わずか5~6年前、派遣切りで入居者が一斉に消えた「あの出来事」が嘘のように、今では満室になっても、入居希望者がまだ列をつくって待っている状態だと言っていました。

雇用統計をみると、案の定、私の「実感」を裏付ける数字のオンパレード。

【日本を引っ張る、東京と愛知の雇用】

【リーマン以降の、雇用の回復ぶりがすごい!】

【愛知県のどの地域も上向いている】

愛知県を中心とする東海地方は、今も昔も「日本一の工場雇用集中地帯」。製造業の工場は大量の人手を必要としますから、好況時には東海近県のみならず日本全国や海外から労働者を呼び込みます。

こんなエピソードがあります。私、北海道の旭川へドライブ旅行に行った時に、地元の求人誌を立ち読みして驚きました。

・旭川近辺には、正社員の雇用がほぼ皆無。額面の給料20万円を超える職も数えるほどしかない。

・求人誌に「道外の職コーナー」があって、ほとんど愛知・静岡の求人広告で埋め尽くされている。月給は軒並み30万コースで、道内で働くのに比べて軽く1.5倍もらえる。

北海道のみならず、東北、九州、中四国…日本の多くの地域に比べて、東海地方の雇用は豊富で給与水準も高い。それを求める人々が「期間工」として、愛知や静岡の現場で働く。彼ら全員が寮に入れるわけではないので、多くは民間アパートに入居する。期間工を全国から送り込む人材派遣会社も多い。

地元民のほかに、「期間工需要」がある程度見込めるのが、愛知工業都市での賃貸経営の特徴といえましょう。

今回、不動産の仕事で偶然、「静岡県湖西市」という土地と縁ができました。ここは静岡県の最西端で、「浜松」と「豊橋」の間に位置する小都市。人口は約6万人。

地図でお分かりのように、浜松と豊橋の間には「浜名湖」が横たわり、湖西市はその西側にあるため、「浜松」と同じ静岡県に属するにもかかわらず、自然地理的には愛知県「豊橋」との一体感が感じられる場所です。

湖西市に関して、私はほとんど知識を持っていませんでしたが、今回、ご縁をいただいていろいろ調べるうちに、賃貸経営上、非常に面白い場所だということに気づきました。

【全国屈指の工業都市】

湖西市は人口6万の小都市ながら、製造品出荷額は1兆6千万円を超え、全国市町村ランキングで堂々の「23位」。人口10万以下の都市で比べるとダントツの全国トップ!トヨタやスズキの工場や関連企業が集結しています。

製造品出荷額等[百万円]ランキング

23位…錚々たる全国の工業都市を向うに回して、この位置は立派!

【財政が良い】

リーマン前、不交付団体だった頃より数字がやや悪化したとはいえ、今でも静岡市や浜松市を上回る、県内屈指の財政力指数を誇っています。

平成26年度 財政力指数(静岡県市町分)

あと、私が不動産投資家として魅力をそそられるのは、雇用・産業がしっかりしている割に「誰も注目しない穴場」だということ…豊橋に近く、「実質はほぼ愛知県なのに静岡県に所属」ということも、大いに影響しているでしょう。盲点になりやすいのです。

こういう場所で、地元民を主、期間工を従とするかたちで、地元の良い管理会社と組んで賃貸経営できるのなら、賃料設定と仕入れ値さえ間違えなければ、末永く安定経営できる可能性高いような気がします。

あと特に、東海地方の製造業は為替への連動性が高いようにも感じます。

円安なら、地域製造業・雇用にプラス
円高なら、地域製造業・雇用にマイナス

これから円安に向かうと考えている人も多いようですが、そういう人が国内不動産で賃貸経営やるなら、東海地方の工業都市(たとえば湖西市)は十分、注目に値すると思います。

円安にヤマ張るならば、(為替の関係で)割高な海外資産を買うのも良いが、円安メリットを受ける日本国内の地域の不動産を使って安定したキャッシュフローを得るのも、同じくらいアリな話でしょう。そう思うなら、

浜松~豊橋間に針路を取れ!

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冬季五輪の憂うつ

こんにちはManachanです。木曜日から、我が家の誰かが「ウィルス性胃腸炎」で次々と寝込む、という事態になり、ろくろく外出もできない週末を迎えています。例年、冬場はこんな経験することが多いですね。

私の住む江東区では、2020年東京夏期五輪で競技に使われる37施設中、17施設が区内に集中するという事情もあり、オリンピックが話題に上る機会も多いですが、「冬季五輪」となると、ほとんど話題になることはありません。

実際、盛り上がらないっすね~どうしても、冬季の方が地味だし、それに開催都市が余りに微妙すぎて…

2018年 韓国・平昌(ピョンチャン)五輪は、降雪不足の問題、交通インフラの問題、韓国の経済不況など問題山積みで、開催できるかどうか、危ぶまれているようです。

2022年冬季五輪は、ストックホルム(スウェーデン)、クラクフ(ポーランド)、リビウ(ウクライナ)、オスロ(ノルウェー)等、欧州都市が全て立候補を断念。北京とアルマトイ(カザフスタン)の一騎打ちのかたちで、今年7月末の選考会で開催都市が決まる予定。

2022年冬季五輪が北京、アルマトイ…どちらに決まるにせよ、2018年平昌、2020年東京に続き、3大会連続アジアでの開催になるわけで、これじゃ欧州も北米も白けるだろうなあ…特に北京開催になった場合、韓国(2018)、日本(2020)、中国(2022)…東亜細亜に固まりすぎだろ!

各大陸間のバランスを取るためにも、2022年は欧州都市で最後まで残った「オスロ」開催を誰もが期待したわけですが、ノルウェー政府が巨額の開催費などを理由に財政保証を承認しなかった上に、市民の支持率が極めて低く、招致断念に追い込まれたのです。

世界に冠たるウィンタースポーツのメッカ、市民のスポーツ参加も盛んで、メダル獲得も多く、過去2回も冬季五輪を開催した「ノルウェー」が脱落したことで、冬季五輪の存在意義自体が疑問視されてきました。つまり、

☆そもそも、カネがかかりすぎる。

☆オリンピック開催後の競技施設需要がなく、経費が重荷になる。

☆最近ではソチに代表されるように、「雪が少ない」地域で「無理な開催」も目立つ。

人気の高い夏期五輪ならスポンサーがガンガンつくし、TV放映権等、商業化できる余地も大きいですが、冬季五輪では人気種目がどうしても限られる。その割にアルペン、スーパー大回転、リュージュ、クロスカントリーなど、大掛かりな施設も多い。競技者のレベルも年々上がるから施設の規模あ安全性に対する要求も高まる一方。カネかかる割に儲からない、赤字が必定の世界。

そこにもってきて、昨年のソチ五輪の開催費が夏期・冬季五輪史上最高額の5百万ドル(6兆円)に上ったことで、各開催都市も経費に恐れをなしてしまっています。そりゃ、数兆円ものおカネがかかって、散々借金した挙句に、施設が結局金食い虫になるのであれば、国威発揚したい新興国はともかく、成熟した先進国はどこもやりたがらないだろうなあ。

でも冬季五輪の開催地は、北半球の先進国に集中してるんだよなあ…構造的な問題ですね。

冬季五輪の存続危機を迎え、さすがのIOCも改革に乗り出さざるを得なくなっています。昨年12月、モナコで臨時総会が開かれ、改革案「アジェンダ2020」が打ち出されました。そこでは、

・五輪費用削減
・複数都市開催

が打ち出されています。特に、規模の小さい都市で巨額の費用をかけて五輪開催した場合、施設が遊休化するのが目に見えているので、それを改善すべく「需要の多い大都市で氷上競技」+「山の多い小都市で雪上競技」といったモデルで、「二都市開催」に道を開いているわけです。

たとえば2022年の冬季五輪に立候補している「北京」の場合、降雪がほとんどないので、200㎞以上離れた「張家口」での雪上競技に、「北京」での氷上競技を組み合わせ、両都市を高速鉄道で結ぶプランニングをしています。

日本にたとえていえば、「東京」で氷上競技、「新潟」で雪上競技やるようなものですね。いずれにせよ、「費用を抑えて、賢く開催」が、今後のオリンピックトレンドになりそうです。

なお、日本では「札幌」が2026年冬季五輪に立候補していますね。その頃、冬季五輪が今のかたちで存続しているかどうか分かりませんし、直前にアジア開催が続けば札幌の勝率も減るでしょうが、それでも、

東アジアでは札幌こそ、冬季五輪の最適地

これは疑いないところでしょうね。降雪は豊富、都市近くでも競技施設は充実、交通インフラばっちり、観光都市ゆえ宿泊施設も充実、新千歳空港の余力も十分、市民のスポーツ文化もあるし、メシも美味いし温泉もある…加えて1972年の開催経験と運営ノウハウがある。

五輪招致の是非は別として、札幌という都市なら、欧州、北米、アジア、オセアニア…世界中の人に喜ばれるでしょうね。他のアジアの国で、無理やりインフラつくって人工雪使って、オリンピックやった後に巨大な廃墟つくる位なら、札幌で既存施設を上手に使ってやった方が「賢い」し「皆のためになる」と思います。

札幌・大倉山ジャンプ場…ここで、原田のジャンプ見にいったんだよなあ。

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事故死のリスク

こんばんは、Manachanです。

昨日は大阪でモンゴル不動産セミナー、なかなかの盛況でした。東京から出発して、行きはLCC(ジェットスター)、帰りは夜行高速バスと、激安交通機関で移動しました。帰りは新幹線使いたかったんですが時間が合わなくてねえ…

大阪からの帰路、やや窮屈なバスに揺られて、千里中央あたりの夜景をぼーっと眺めながら、ふと、こんな思いが去来しました。

俺が移動中に事故死する確率って、どの位あるんだろう

今の私、月に数回は、国内各地をセミナー行脚する、旅芸人みたいな暮らしを送っています。海外への不動産視察も、毎月のように実施してます。移動頻度は半端ないし、いろんな国でバス、電車、飛行機、フェリー、バイクタクシー…様々な交通機関を使いますので、多くの人より移動中の事故リスクにさらされているかと。

日本国内の、東京-大阪間にフォーカスして考えると、三つの移動手段があります。

・新幹線
・航空機(LCC)
・高速バス

それぞれの手段を選んだ場合、自分の使う乗り物で死者が出るような事故に遭遇するリスクって、どの位あるんだろう?

常識的に考えれば、一番リスク高いのは高速バスでしょうね。航空機や新幹線は1~2時間の移動だし、コントロールされた環境で運行するけど、高速バスは大小さまざまな車が行きかう環境を7時間とかドライブするわけだし…

夜行バスの運転とか、過酷な仕事ですよね。私、オーストラリアやアメリカに住んでいた時、夜間の長距離運転も結構やりましたけど、コーヒーでは足りず、セロリ&パセリ丸かじりして眠気を抑えていたほどだし…

そこで、事故の数字から、死亡事故確率をざっくり試算してみました。

1)新幹線

日本の新幹線は、1964年の運行開始以来、50年間、車両に由来する死亡事故ゼロという、世界でも稀にみる安全な交通システムとされます。唯一、ドアに指を挟まれた高校生が転落死する事故が1995年に起きていますが、これが新幹線史上唯一の旅客死亡事故です。

東京-新大阪間の、新幹線運行本数は1日片道なんと160本!これが365日欠かさず動き、95%が運行すると仮定。これまで50年間無事故ですが、60年に1回、死亡事故が起こると仮定すると、

160ⅹ365x0.95x60=3,328,800回 ⇒ 332万分の1の確率

2)航空機

旅客航空機事故は、今年に入って東南アジア方面(マレーシア、インドネシア、台湾)で5~6回起こってニュースになりました。日本においては、東京-大阪間の路線で1984年に御巣鷹山墜落事故が起こって520名の死者が出ていますが、一般の旅客を乗せた航空機事故の死亡例は、1996年の福岡空港ガルーダ航空オーバーラン事故が最後のようです。

東京-大阪(伊丹、関空)間の、旅客機運行本数は1日片道40本前後。これが365日欠かさず動き、95%が運行すると仮定。30年に一度、死亡事故が起こると仮定すると、

40ⅹ365x0.95x30=416,100回 ⇒ 41万6千分の1の確率

なお、アメリカの国家運輸安全委員会 (NTSB) の行った調査によると、航空機に乗って死亡事故に遭遇する確率は0.0009%であるという。アメリカ国内の航空会社だけを対象とした調査ではさらに低く0.000034%(29万分の1)となる。私がざっくり計算した東京-大阪間の事故確率と似た数字で、あながち的外れでもなさそうですね。

3)高速バス

高速ツアーバスの死亡事故は、ここ最近だけでも、結構な頻度でニュースになっています。関越道、北陸道、東北道などで、運転手や乗客が死亡する事故が起こっています。

国土交通省のやや古いデータになりますが、バスの事故件数、乗り合いでは176件、貸し切りでは30件…2日に1回は重傷者が出るような事故、2ヶ月に1回は死亡者の出る事故が発生しているようです。

「2か月に1回の死亡事故」が、全国の高速道で同じ確率で起こっている仮定すると、東京-大阪間の距離は高速道路全長の約14分の1ですから、単純計算で「約28か月(2年4ヶ月)に1回起こる」となる。東京-大阪間の、高速バス運行本数は、昼行、夜行含めて1日片道40本前後ですから、1年365日、運行率95%として

40ⅹ365x0.95x28/12=32,363回 ⇒ 3万2千分の1の確率

以上まとめると、交通手段別の死亡事故発生確率

・新幹線 332万分の1
・航空機 41万6千分の1
・高速バス 3万2千分の1

「高速バスの事故確率は新幹線の100倍」という解釈もできるし、「一番リスクが高い高速バスでも3万分の1しかない」と思う人もいる。

ちなみに私は後者で、「計算上3万分の1程度のリスクなら誤差の範囲」だと考えます。リスクというものは、単一のものだけ取り出しても意味がなく、私たちが生活のなかで直面する様々なリスクと比較考量すべきもの。

で、私の場合、「新興国・途上国で、出所の分からない食べ物を口にして食中毒になるリスク」、「新興国・途上国で、不十分な道路インフラなのにスピード超過のバスやタクシーに乗って事故に遭うリスク」を冒しているわけで、「東京大阪間を高速バスで移動して事故にあうリスク」などは、気になりません。

それに、私がクルマ運転して事故る確率の方がたぶん高いよね…

【今回も無事、東京に帰ってきました】

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ふなっしー千葉の梨

おはようございます。Manachanです。今日は大阪でセミナー。移動は成田からの激安LCCを使い、新幹線の半額以下で関西入りします。成田への道中、いま船橋近辺を通過中でして、今回は地元ねたで一本書ききます。

船橋といえば、子供たちの人気者「ふなっしー」

我が家でも、神棚(?)には「ふなっしー」が鎮座

その爆発的人気にあやかって、船橋近辺の商店も、続々と「ふなっしーグッズ」を扱うようになりました。たとえば「千葉ピーナツ船橋店」、昔から名産の落花生を扱う店として有名でしたが、最近では「ふなっしーグッズ店」に模様替えしたんじゃないかと思う…

「ふなっしー」の由来は、「船橋の梨」(子供なら誰でも知ってますね)。南は船橋市から、北は柏市あたりまで、西は市川市から東は印西市の千葉ニュータウン近辺までの下総台地上、15~20㎞四方の広大な地域が、実は日本一の梨の産地なんです。

栽培面積、収穫量、産出額ともに、千葉県は全国一。2位の茨城県を2倍近く引き離しての、ぶっちぎりトップ。

結果樹面積は1620ヘクタール。市町村別では白井市>市川市>鎌ヶ谷市>船橋市の順。

面白いことに、「日本一の梨の里」は東京のベッドタウンで、数百万の人口が集中するエリアでもあります。大消費地・東京から至近距離なので、まさに「関東内地産地消」。

住宅地と梨農園の混在ぶりは、たとえば「新鎌ヶ谷駅」(成田スカイアクセス線、東武野田線、新京成線の交差駅)に行くとよく分かります。駅周辺は商業施設(アクロスモールとイオンタウン)、その外側に戸建中心の住宅地が少々、さらに外側は広大な調整区域となっており、梨畑が広がります。この辺に住む人間は当然、地元で採れた梨を食っているわけです。

私も柏市出身なので、梨畑や直売場を身近に感じて育ちました。梨には歳時記というものがあって、千葉県の場合、

幸水(こうすい)  7月下旬~8月中旬
豊水(ほうすい)  8月下旬~9月中旬
新高(にいたか)  9月下旬~10月中旬

品種によって収穫時期がずれるので、千葉県民は約3か月間、地元の新鮮な梨が楽しめるというわけです。私の子供の頃は、「長十郎」という品種がまだポピュラーで、幸水と豊水の間がちょうど収穫時期だったのですが、今では食味の良い「豊水」に押されてしまっています。

なお、私たち千葉原住民からいわせると、梨の本場は「白井」か「大町」(市川市北部、成田スカイアクセスの駅がある)であり、船橋は大した産地じゃないだろうという気持ちもありますが、それでも、ふなっしーが千葉の梨を全国的に広めてくれるのであれば、それはそれとして嬉しいです。

東京近郊でありながら、梨や葉物野菜、こしひかりをはじめ、全国上位の農産物を豊富に持つ千葉県北西部。太陽と水と土に恵まれ、「郷土」を感じさせる地域でもありますね。

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