おはようございます、Manachanです。
長年ブログやってると分かるのですが、世の中、「炎上しやすいコンテンツ」って結構ありますよね。「移民」とか「国籍」は、その典型例のひとつ。
特に「日本への移民受け入れ」みたいなトピックになると、冷静な議論ができにくい。絶対反対!みたいな強烈な拒絶反応が出て、「外国人が来ると犯罪が増える」みたいな懸念が必ずついて回るが、客観的データに基づく懸念というよりは、「外国人と一緒に暮らすのは嫌だ」という情念が先で、その結論ありきで都合の良いデータを引っ張ってくるケースがほとんど。
移民絶対反対の人が必ず持ち出すのは、今も昔も、ヨーロッパの事例。「ドイツやフランスで、移民による犯罪・テロが頻発している」みたいな…マクロでみて、欧州各国が移民で苦労しているのは事実と思いますが、よく調べれば、うまくいってる部分と、そうでない部分があるはず。実際に何が問題で、彼らから学べる教訓は何か?彼らの経験を日本にうまく導入できるか?みたいな議論が、日本でまともなレベルで成立しているのを私は見たことがない。
厳しい人口減と経済縮小に直面するいまの日本ですが、「このまま、静かに衰退すれば良いんだ」と本気で思っている人も少ない。であれば「移民受け入れ」は、少なくとも「出生数の向上」、「女性・高齢者の労働参加」、「ロボットやAIの全面活用」と並んで、少なくとも一つの政策オプションとして議論されて良いと思うし、世界では英米圏諸国、大陸欧州、中南米をはじめ、実践事例も豊富にあるので議論のネタには事欠かないはずですが、
日本でそれを、政治的言論として言った途端、右からも左からも非難の集中砲火を浴びます。敵失で政権盤石にみえる自民党・安倍政権でさえ「移民政策」を表明できないのが、2016年時点の日本の実情です。
そもそも、「日本は移民を受け入れるか否か?」という設問自体が、神学論争ですよね。少なくともデータや実態、リアリティに基づく議論ではない。安保法案をめぐる攻防で野党が仕掛けた「日本を戦争できる国にするのか?」みたいな議論と同レベル。原発安全神話とも大差ない。
なぜ、無神論チックな日本で神学論争が流行るのか?私思うに、「世間が移民の議論を許さない」からでしょうね。言い換えれば、「建前レベルで議論が許されない」。
日本に限らず、どの社会でも、本音と建前があります。西洋の社会は、本音と建前を一致させようとする努力を、少なくともある程度は行っているように見えますが、日本を含め、アジアの多くの社会では、そういう努力が希薄で、本音と建前が別次元で共存しがち。
私は、移民をめぐる「神学論争」には興味ありません。なぜなら、
1)実践的不動産投資家として、「数字」と「リアリティ」を信じるから。
2)自身が、海外の国でマイノリティとして長年暮らし、移民側の気持ちがよくわかるから。
3)東京の江東区東陽町という、身近に海外出身者が少なからずいる環境で暮らしているから。
特に2)と3)の経験をしてしまうと、神学論争がまじで馬鹿馬鹿しく感じられるので、これからは「本音」レベルのトークをしたいと思います。「移民」を「日本国内に実質的な住居やビジネスを持ち、将来も日本に住み続ける意思のある海外出身者」と定義すると、
・日本社会に、「移民」は相当数存在し(推定数200万人以上)、増加傾向にあります。
・「移民」は、大都市や工業都市に比較的集中しており、東京都区部ではおそらく人口の3~4%を占めます。私の住む江東区では5%前後。新宿区や豊島区ではもっと多いはず。
・日本国には、「帰化」「永住権付与」というシステムがあり、かつ、20数項目の在留資格を通じて、これまでも「移民」を受け入れてきましたし、これから更に加速するでしょう。
・日本国に移住したいニーズは、近隣のアジア諸国を中心に存在します。中長期的に主な移民供給先となるのは、中国、フィリピン、インドネシアの3か国でしょう。
・「移民」に対する包括的な政策・法律体系は日本にはまだ存在しませんが、地方自治体や教育機関レベルで、彼らに「日本語を教えて」、「日本社会に統合する」試みは相当程度行われています。江東区でも、東・東南アジア出身児童を対象にした、JSL(Japanese as Second Language)教育が身近で行われています。
日本が建前上「移民国家」を名乗ることは、公式にはまだ許されませんが、実質上は「移民が社会の一定数を占める国」といって良いでしょう。私たちはそのリアリティを認識した上で議論した方が、少なくとも神学論争に終始するより、数万倍有益だと思います。
では、「建前は移民ダメ、実質的に移民OKな国」である日本に移住を希望する場合、具体的にどうすればいいのか?私思うに、一番確実なのは、「経営管理ビザ」を通じて永住権ないし日本国籍を取る方法だと思います。これは、ニュージーランドなどで多用されている「創業ビザ」(Entrepreneur Visa)と似ていて、
1)外国人が日本で会社・事務所を設立して、500万円以上の資本金で事業をスタートする。
2)書類上問題なければ、1年間有効な経営管理ビザが下りるので、その間に来日(日本に定住)して、事業活動を行って収益を上げる。事業の種類は合法的であれば基本何でも良い。
3)事業活動が順調で、納税の義務を果たし、自身が日本で生活するために必要な額の給料(目安は月額25万円以上)を得られれば、経営管理ビザは1~5年間、更新できる。
4)経営管理ビザを通じて、通算5年間以上日本に合法的に滞在すれば、「帰化」(=日本国籍取得)の申請が可能。
5)合法的な滞在期間が10年を超えれば、「日本の永住権」申請が可能。
ここで一番チャレンジングなのが、「数年間にわたり、日本で事業を通じて月額25万以上の収入を上げ続ける」ことでしょう。私も会社経営をしていて、売上をコンスタントに上げるのは難しいと感じていますが、言葉の不自由な外国人であれば尚更でしょう。
でも、「事業内容はなんでも良い」のがポイント。だから、不動産賃貸収入でも良いのです。たとえば、いま1億円以上の現金がある人なら、日本でネット利回り5%で安定稼働する1億円の物件を買うことはすぐできます。それを自分が設立した会社で保有すれば、賃料収入は会社の売り上げになり、年商は500万円。そこから事務所経費とか税理士の申告費用とか、もろもろを差し引いて、自分に年間300万円(月間25万円)以上の給料を出すのは簡単ですよね?
1億円の物件が買えなければ、たとえば5000万円で、ネット利回り6%とかの物件を買えばいいのです。空室や補修とかで、賃貸収入売上が月間25万円に少し足りなくなったとしても、他に自分の本業(貿易とか、店舗経営とか…)でその分を稼げばよい。少なくとも、ゼロから売上を立てるよりは、賃貸収入と併用した方が断然、難易度が低くなります。
日本国としても、合法的な事業活動をして、法人税や所得税を納め続けている外国人に対して、ビザ発給・更新を断ることは通常ありません。特に今の税務署は、喉から手が出る位、税収が欲しいですから、売上がちゃんと上がる法人を経営し続けることが、外国人が今の日本で、最も安全かつ確実に、移民する方法になります。そこで収益不動産を併用しない手はない。
この内容を、私は先週、中国・北京での不動産展セミナーで話してきました。題して、「不動産を使って日本に移住する具体的方法」。私が講演した後、質問者がぞろぞろついてくる状況で、非常に大きな反響でした。
また今日、経営管理ビザ取得済の永住希望者が香港から来日しますので、横浜市内で物件案内を行う予定です。来週には、もっと早期にビザ取った方を訪問するために群馬県まで行きます。
日々、こういう経験をしているので、「移民を受け入れるか否か?」よりも、「移民ニーズをどうつかんで、不動産と組み合わせてビジネスにしていくか?」の方に興味があります。
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