2017年 5月 の投稿一覧

「物件売らない海外不動産セミナー」の快楽

こんばんはManachanです。いまデルタ航空で太平洋上を移動中。私が乗ってる「成田〜アトランタ直行便」は日本発着路線のなかで第2位のロングフライトだそうで、片道14時間かかります。映画だけでは時間持て余してしまうので、機内WiFiつないてブログ書いてます。

今回は、私が代表をつとめる「アジア太平洋大家の会」(APHOC)で取り組んでいる、新しいタイプの海外不動産セミナーについて書きますね。

いま東京では多数の海外不動産セミナーが行われるようになりましたが、その大半は物件販売セミナーです。それは弊会とて例外ではなく、今なおAPHOCの主催する海外不動産セミナーの約8割は物件販売セミナーが占めています。

とはいえ、私たちはあくまで大家の会(投資家コミュニティ)であって販売業者ではないので、会員のニーズも踏まえつつ「物件販売を目的としない勉強会的なセミナー」もいろいろ考え企画してきました。登場の順序からいうと、

    2013〜16年

1) 「海外不動産税務セミナー」…国際税理士の先生を呼んで、海外物件取得後の各国での税務申告に関する知識型のセミナーを何度かやりました。

2) 「海外物件管理セミナー」…マレーシア、フィリピンなど、APHOC会員が多数の物件を買っている国で賃貸管理や民泊サービスを行う会社を呼んでセミナーを何度かやりました。

3) 「海外不動産失敗談共有セミナー」…私自身も含めて投資経験者が「海外不動産買ったけどうまくいかなかった事例」を赤裸々に語り、次回以降どうすれば良いかを参加者と一緒に考えるセミナーを何度かやりました。

上記に関しては、我々APHOCが最初に手掛けた1〜2年後に他団体も同様のフォーマットでセミナーやるようになりましたので、需要は確実にあるようですね。

今年に入ると、さらに新たなタイプの「物件売らないセミナー」が加わります。

    2017年

4) 「業者抜き、投資家限定フリーディスカッションセミナー」…国•都市を限定し(例. タイ、ドイツetc..)、その国ですでに物件買った方、これから物件買おうとしている方が集まり、参加者各人の資産形成スタイルやニーズを深掘りしつつ、その目的にあった投資法や物件の選球眼を養うセミナー。

このセミナーは、2月23日に「タイ不動産」を題材に開催しました(ブログはドイツ不動産勉強会」を開催予定です。

また、7月から新しいタイプのセミナーを仕掛けます。

5) 「海外不動産セミナーでは絶対に聞けない話」…こちらは通常の講演形式で、業者様の参加大歓迎のセミナー。一言でいうと「○○国の不動産物件、業者は良いことばかり言うけど、実際のところどうなの?」という素朴な疑問に対し、むちゃくちゃ真剣に向き合い、真正面から答えるセミナーです。

いわゆる「海外不動産業界ウラ話」的な内容や、私が世界各国で不動産物件視察のみならずプロの不動産コンサル等にヒアリングして得た知識、複数国の不動産マーケットを横断的に見ることにより得られる知見をたっぷり盛り込んで語ることにより、参加者の皆様に深い学びと、「各国の不動産マーケットや業界の利益構造」に関する知識、「販売業者が語らない(気づいてない??)言外の情報を読みとる能力」を養う機会になります。

かなり強烈なぶっちゃけ話をしますので、「録音、録画は厳禁」とさせていただきます。このセミナー、初登場の場は「名古屋」で、7月17日(月祝)に開催します、お楽しみに。「海外不動産セミナーで絶対に聞けない話(東南アジア編)

最後に、セミナー企画者の立場からいうと、「海外不動産を売らないセミナー」は、やっててものすごく楽しいです。

これらは、私が物件売らなくて良い自由な立場だからこそできるセミナーだと思うし、「物件売らなきゃならない」業者様とはまた違った角度で、投資家向けに有益な情報·知見を提供することで、日本における海外不動産投資文化を盛り上げていきたいです。

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人工知能が人間の仕事を奪うのか?

おはようございます。Manachanです。

昨日、都内で開催された「私立中学の合同説明会」に行ってきました。小学6年生の娘を持つ身として、できるだけ本人に合った教育環境を見つけたいという親心が動機でしたが、同じように考える親は多いようで、ものすごい人出でしたね。170余りのブースが全部埋まり軒並み順番待ちでした。

最近の私立中高のパンフレットを見ると、「人工知能(AI)」という言葉がそこら中に踊っています。たとえば、

「2020年代以降、半数以上の仕事が人工知能に置き換わられると言われています。そんな時代を、どう生き、どう学んでいくか?」

来るべき時代に、いかなる教育ソリューションを提供するのか?できるのか?という点は別として、「いずれ人工知能に仕事を奪われる」という問題意識は、教育界としてかなり共有されているようですね。近所の区立小学校の校長でさえ、こないだそんな話をしてましたから・・

今回のブログは、「本当に、人間の多くの仕事が人工知能に奪われてしまうのか?」を、自らの体験を踏まえて検証・推論したいと思います。

私は、そのテーマを語るのに適した人材の一人だと自負しています。というのは私自身かつてITエンジニアとして、自分自身の仕事が奪われるリスクをリアルに感じ、必要に迫られて転職・キャリアの組み換えをしてきた者だからです。

実際、いま「人工知能に仕事を奪われる」云々の議論は、10年ちょっと前に、「IT技術やグローバル化によって先進国の仕事が奪われる」という議論と瓜二つに見えます。当時書いたエッセイを引用しますね。

ITは職を奪う?(2009/8/6)

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↓ 引用ここから

「ITは、我々の職を守るのか?奪うのか?」という問いに対しては、賛否両論が分かれます。バラ色の将来像を描く人もいれば、逆に職を奪われることを、危惧する人もいます。

日本という、経済先進国で働く者にとってみれば、ITの浸透によって、事務的な仕事が不要になったり、あるいは、より労賃の安い国に流出することによって、より高度で価値の高い仕事にシフトすることを迫られる、それができなければ、職を失う・・・みたいな状況に置かれた人も、多いことでしょう。実際それは、数年前、ITエンジニアとして働く、私の身にも起こりました。

数年前、私はオーストラリアで働いていました。ここは英語圏で、賃金水準が比較的高い国です。当時、同国のITチームの仕事を、インドや中国に移そうという話がありました。それらの国では、ほぼ同レベルのITエンジニアの労賃が、オーストラリアの3分の1から5分の1、と言われていました。特にインド人の場合、英語のハンディもありません。

私は、直感的にこう思いました。「このままでは、職を失ってしまう」と・・・

考え抜いた末、私が到達した結論は、こうでした。

『途上国のITエンジニアで、簡単に代替できてしまうような仕事をしている限り、未来はない』
『途上国のITエンジニアと競争するのでなく、彼らを使う立場にならねばならない』

折りしも、数年前から、我が職場に研修にきていた中国人エンジニアから、耳寄りな話を聞きました。彼の勤務する、大連のオフィスで、いまチームリーダーを募集しているとのこと。それも、二人の部下を率いて、米国の顧客向けに、オフショアからサービスを提供する仕事だとのこと。

中国へ行こう!私はそう決心しました。妻を説得して、電話面接を受けまくりました。そして数ヵ月後、私は住み慣れたシドニーを後にして、マイナス7度、凍てつく大連の土を踏んだのです。

中国での仕事は、大変忙しいものでした。私も部下2名のチームリーダーでスタートしたのが、1年後には3つのプロジェクトを同時に回し、計15名の部下をマネージする立場になりました。

そんな日々、大連オフィスに、見慣れた顔がやってきました。それは、シドニーのオフィスでかつて一緒に働いていた、オーストラリア人の同僚だったのです!話を聞くと、結局、シドニーの仕事を大連に移すことになり、彼の担当するアプリケーション知識を、大連のエンジニアに伝えに来たとのこと。

シドニーから、仕事を追いかけて、赤道を超えて中国にやって来たら、結局、元の仕事が追いかけてきたというわけです。私の選択は、間違っていなかったと、この時確信しました。

↑ 引用ここまで
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そろそろ、話を人工知能に戻しましょう。スマホ搭載AIアプリ、自動翻訳アプリ、医療・介護用ロボット…その発展は目覚ましく、さらに加速しているように見えますが、それが人間の仕事を奪う時には、少なくとも二つのことが起こらなければいけません。

・企業の経営陣が、人間がやっている仕事の全部または一部を、人工知能に置き換えるという「意思決定」が必要。
・上記意思決定の判断材料として、既存の業務フローの全部または一部を人工知能に置き換えるという「業務設計」が必要。

逆にいえば、少なくとも下記の仕事は、「人間」がやらなければなりません。

・人工知能の活用の是非を「責任」をもって決断する仕事
・業務を整理し、人間の労働と人工知能のベストミックスを「設計」する仕事

私が10数年前、「途上国のITエンジニアと競争するのでなく、彼らを使う立場にならねばならない」と考えたのと同様、これからの時代は、「人工知能を使う立場になる」ことを念頭に置いて仕事するのが、結果的に職を守り、キャリアを発展させるのだと思います。

キーワードでいえば、「責任」と「設計」でしょうね。人工知能は定型業務はもちろん、「判断」までできますが、自分の「判断」したことの「責任」までは取りませんし、それは最後まで人間の聖なる仕事として残るでしょう。逆にいえば、組織のなかで責任取らないサラリーマンとか、税務調査入られた時に責任とらない税理士会計士、金融商品の紹介してるだけの資産コンサルタント等は、今後どんどん淘汰されるのでしょうね。

また、業務のなかには、「ハイタッチな人間相手の仕事」のように、人工知能が代替しにくい領域が含まれます。例えば、生きるか死ぬかの瀬戸際になった時、多くの人は人工知能よりも安心して相談できる医師のアドバイスを選ぶでしょうし、そこに「宗教・死生観」がかかわってくると、なおさら、人工知能の及ぶところではありません。また、マイホームのように、多くの人が一生に一度だと思う大きな買い物になると、多くの客は人工知能よりも信頼できる営業マンを選ぶでしょう。つまるところ、業務は「人工知能と人間労働」のベストミックスになるわけで、その全体を「設計」する仕事もまた、人間の聖なる仕事として残るでしょう。

あと言うと、「起業家」も人工知能には代替できない領域でしょうね。自分自身も起業して4年目、実態は「気楽な零細企業社長」として、日々、いろんな方々と出会い、パートナーシップを組んで仕事していますし、ビジネスチャンスを求めて世界中に出かけます。極めて非定型な仕事、かつ属人的なスキル・人間力がものを言う仕事ですので、人工知能がどんなに発達しても奪われることはないでしょう。

以上まとめると、最後の最後まで人間の仕事として残りそうなのは、

・倫理的責任を伴う仕事(経営者など)
・ハイタッチな人間相手の仕事(医者、宗教家、芸術家からセールスマンまで)
・上記全体を設計する仕事(業務プロセス技術者など)
・起業家

これからの時代は、「人間とは何か?」、「労働とは何か?」、「人工知能はどう使うべきか?」、「社会のなかで責任取るとはどういうことか?」といった、本質的な問いを深く思考する能力や、他者を巻き込んで議論を深めていくコミュニケーション能力が必要なのだと思います。あとは、「変わる能力」(=時代のニーズに合わせて自分のスキルや職種を組み替えていく能力)も大事ですね。

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未熟な業者、悪気のない煽りトーク

こんばんはManachanです。5日間にわたる香港、タイ、カンボジア出張を終え、日本への帰途につくところ。いまマレーシア、クアラルンプールで乗り継ぎ中。
 
私はアジア、欧州、北米、大洋州…世界中の不動産物件を視察、研究して回る泥臭い仕事をしてますが、どの国、どの都市であっても、不動産の基本はそう変わるものではありません。
 
不動産とは土地、住居、或いは店舗、オフィス、倉庫といった、人間の暮らしや経済活動の舞台となる「モノ」ですので、それが誰かに使われる限り、経済的価値を持ちます。
 
不動産には、それを保有、運営することで現金を得たり、富を殖やす効果があります。不動産を得るには当然対価が必要で、私たち投資家は経験的に、「不動産投資の成功失敗は8割以上、入り口で決まる」ことを良く知っています。つまり、
 
-不動産が本来持つ価値より安く買えれば、まず失敗はしない。
-割高な価格で買ってしまうと、挽回するのが難しい。
 
分かりやすい話でいうと、日本国内の「新築ワンルーム投資」でお金持ちになった人を私は知りません。特に信販ローン組んで業者の言い値で買っちゃった人の場合、多くは保有時のキャッシュフローもトントンかマイナス、売りに出した時の価格は大きなマイナス。資産形成どころか富を毀損する結果にしかなりません。
 
それは、新築ワンルームの販売価格に業者利益がたっぷり乗って、物件が本来持つ価値よりずっと割高なものを買ってしまったからです。資産形成だと思って投じたお金が「ワンルーム業者や金融機関の養分」になるだけで、決して自分のお金にはならないのです。
 
これまで日本で売られてきた海外不動産物件にも、少なからず、それと似た構図があります。特に東南アジア新興国のプレビルド(予約販売)物件に典型的ですが、
 
-完成したらすぐ、いくらで貸せますよ
-値上がりしてすぐ売れますよ
-年間いくら上がりますよ
 
そんな業者トークを信じて物件買って、数年後、「こんなはずじゃなかった」と後悔する人は多い。手放したくても損切りしないと売れない。その時初めて、現地相場より割高な価格で買ってしまったことを悟るのです。
 
なぜ、セールスマンは売る時に現実のマーケットとかけ離れた煽りトークをしてしまうのか?
 
たぶん、悪気はないです。「物件所在国のマーケット未成熟」に、「不動産業者としての知識スキル不足」が重なると、どうしても煽りトークになっちゃうのです。典型的な例は、
 
– 東南アジア、特に後発の新興国では、不動産の相場そのものがあやふやな形でしか存在せず、売値も賃料も「言い値」で決まる面がある。

– そういう国では、建築原価の3〜4倍もの業者利益を上乗せして販売するデベロッパーが少なからずいる(その価格で買っちゃうと最初から投資物件として成り立たない)。

– また、現地デベロッパーの担当者は、想定賃料を聞かれるとものすごく強気な数字を言う傾向にある(そもそも、彼らに賃貸管理の経験がないので、数字に根拠も妥当性もない)。

– 上記のような物件を日本向けに売る業者も、自らの不動産経験が浅いと、「本来の価値より割高なので投資物件として成り立たない」構図を見抜けない。
 
そういう状況が重なってしまうと、誰にも悪気がないのに、「客に対して結果的に嘘をついてしまう」ことになってしまいがち。だから海外物件を買うにあたって、業者トークを鵜呑みにするのは危険。むしろ、上記の構図に気づいた上で情報収集、判断する必要があると思います。
 
ちょうどタイムリーなインタビュー記事があったので、引用します。
 
(Interviewer)海外不動産で、信頼できるエージェントの見極め方は何かありますか?
 
(Manachan)不動産の十分な知識があるかどうかを含めて、やりとりしながら見極めていくしかないですね。海外不動産を扱う日本人エージェントは、不動産歴がないか、参入して間もない方が多いように思います。

やっぱり「餅は餅屋」。私は15年ぐらい不動産買ったり売ったりしてきたので、まだ業歴1~2年ぐらいの方に知識がないのは、やり取りしてすぐ分かります。

「キャリアがない」ことの何が問題かというと、要は不動産が値上がったり値下がったり、家賃が取れたり取れなかったり、いろんな問題があったり、そういう諸々が判明するのは買ってから長い時間がかかりますよね。

日本の不動産マーケットでいえば2004〜07年にミニバブルがあり、2008〜09年リーマン・ショック余波でドーンと下がって、2012年以降アベノミクスで上がってます。そういう1つのサイクルを経験するのに10年ぐらいはかかる。私はそういう浮き沈みを一通り体験したけど、業界キャリアや投資歴の少ない人って、その経験がないんですよ。

たとえばベトナムの物件売っているエージェントの中には、ベトナムがいま値上がってる事しか知らない者がいます。「これから値が崩れたらどうなる?その時どうすればいい?」みたいな事を想像したことがないのです。

その意味で、エージェントが信頼できるかどうかは、結局パーソナリティとスキルの問題に帰着しますね。その2つの判断軸で見ていくのが良いでしょう。
 
(Interviewer)スキルの部分でいうと、10年以上の不動産業界歴が目安でしょうか。
 
(Manachan)必須ではないけど、業歴10年あれば望ましいですね。実際、日本の不動産業界でプロとして仕事やってきた方ほど、いろんな意味で「分かってる」って思うんですよ。たとえばお客様に説明する時に、彼らは「これ値上がりますよ」とか「絶対大丈夫ですよ」って“言えない”んです。いろいろ見ちゃってるから。

むしろ、「この物件にはこういう良い面と、こういう悪い面があって、その悪い面はどこがリスクで、何が起こったらそのリスクに対処する必要があります。あとはお客様のご判断です」みたいな言い方になるんです。投資家として、そういう業者さんとお付き合いしたいですね。
 
最後に、まとめます。
 
– 煽りトークは、業者として未熟な証。
– 業者の誠実度は、人格とスキルの両方でみていくべき。

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人の時間と情報はタダじゃないけど…

こんばんは、Manachanです。明日の夜からまた海外出張ですが、今晩は東京の自宅で家族とTVの前でまったりしてます。

今日は土曜日、娘をアプリ開発教室に連れていく途中、こんなこと言われました。「パパはたぶん、日本一、楽してる大人だよね」と…ま、誉め言葉として受け取っておきましょう。

 

独立自営の事業主になって、4年余。日々、時間の使い方は自由です。自宅でも事務所でも旅先でも、好きなところで仕事できます。満員電車とも社内政治とも無縁。その意味では、確かに楽してるかも…そんな自由度の高い働き方が、私自身とても気に入っています。

でもよく考えると、私は自由な時間を「お金」に換えていかねばなりません。一家4人を食わせて学校に通わせる他、社員と自分の給料、事務所家賃、旅費滞在費、広告費、税務申告費等々を捻出し、創業・運転資金の元本利息を返済し、さらに利益も上げなければなりません。

事業主の境遇になると、サラリーマン時代よりは確かに、「時は金なり」だとリアルに感じます。ま、サラリーマンも会社組織を通じて、間接的には労働時間を給料に換えているわけですが、事業主の場合、毎月決まった給料が振り込まれるわけじゃない。自分で動いて売上あげなきゃならないし、そのために使うリソースはとりあえず自分の時間しかないわけだから…

 

とはいえ、私自身、「カネにならない仕事は一切しない」、「カネ払わない客とは一切付き合わない」とドライに割り切ってるわけではありません。むしろ逆で、当面カネになりそうもないことに、贅沢に時間を使っています。それは、

・将来の新市場開拓につながる(かもしれない)海外出張だったり…
・将来ビジネスパートナーになる(かもしれない)方々との面談や飲みだったり…
・旧知の友人に会いに行ったり…
・海に行ってのんびりしたり、知らない街を歩いたり…
・震災被災地でいろいろお手伝いをしたり、地元の方と飲んだり…

 

ま、もろもろありますが、カネになる云々はともかく、私が「有意義な時間の使い方」だと思うことをやってるんですね。何をもって有意義だと感じるか?その多くは、「相手」あってのことです。

・一緒に時間を過ごして楽しいと思う相手
・情報交換して有益だと思う相手
・自分をさらけ出して、本音でつきあってくれる相手

 

そろそろ本題に戻ります。本質的にいうと、私の時間、あなたの時間はタダではありません。相手に時間を使ってもらうには、それなりの「対価」を支払い、それを相手に認めてもらう必要があります。

その「対価」は、どんなかたちでも構いません。当然、お金でも良いし、情報でもネットワークでも良い。あるいは「人格」でも良い。上述「一緒に時間を過ごして楽しいと思う」ような相手なら、私は彼または彼女がすでに対価を払っていると見なし、その人のためにいつでも無条件で自分の時間を使う用意があります。そうじゃないフツーの相手の場合、私は自分の時間を使い情報を提供する対価として、お金をいただくことがあります。

 

私の大好きな「旅」の世界でいうと、たとえば、ネットを使った宿泊形態として、たとえば「AirBnBや途家などを通じて宿代を払う有償型の民泊」もあれば、「カウチサーフィン」という、無償で泊まる形態もありますよね。

「カウチサーフィン」が成り立つのはなぜか?泊める人(ホスト)と泊まる人(ゲスト)が、お互いに旅の情報交換をする、お互いの家に無料で泊めあうなど、「お金には換算できないけど、それに代わる何か」を対価として与え合っている。その前提があってはじめて成り立っています。

もう一つ、私の大好きな「外国語学習」では、「ランゲッジ・エクスチェンジ」(Language Exchange)といって、お互いの言葉を無料で教えあうことが広く行われています。私も日本語や中国語を教える見返りに、タイ語やベトナム語、マレー語を教わったことがあります。言い換えると、相手にタイ語を教わる対価を、日本語を教えることで払っているわけです。

最近の私は忙しいので、以前よりも対価を「お金」で払う頻度が増えています。カウチサーフィンとか好きだけど、朝から晩まで忙しく動き回るのでビジネスホテルにお金を払って泊まった方が気楽だと感じますし、ランゲッジエクスチェンジ好きだけど時間がないから、お金を払ってタイ語やインドネシア語のプライベートレッスン行ったりしてます。

 

以上まとめると、

・相手の時間は、タダではない。
・時間を使ってもらうには、相手にとって有益な何らかの対価を払う必要がある。
・その対価は、お金でなくても良い。人格、情報、ネットワーク等でも良い。

 

それが人間社会の掟だと思いますし、大部分の大人は理解しておられますが、世の中には、「相手の時間がタダ」で、「対価を支払わずにいくら使っても良い」と誤解している方も、少数ながら存在します。

特に、「自分のやってることが正義だと思い込んでいる人」にそれが目立ちますね。正しいことをしてるんだから、その目的のために相手のリソース(時間や情報)をどう使っても許される、という思考回路であるよう。

 

しかし世の中、往々にして、「あなたの正義が、私にとっても正義であるとは限らない」。価値観や感性を共有しない相手の時間を使わせていただくには、相応の対価を支払う必要があり、それをやらないと嫌われます。

モンスターペアレントとか、横暴な客とか、独善的な社会運動家とか、いろんなタイプがありますよね。お金を払うとか、相手に有益な情報を提供するとか、それ以前に「性格が良くて面白い奴」なら何だかんだいって許されるのですが、そのどれも提供できないと、結局、誰にも相手にしてもらえなくなります。

 

人生は時間でできています。繰り返しになりますが、私の時間もあなたの時間も、本質的にはタダじゃないので、相手の時間を使わせていただくには、それなりの対価を提供するのが世の掟。言い換えれば、人間は「金銭的または非金銭的な対価のやり取り」をしながら、お互いの時間や情報をシェアし合っているのだと思います。

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移民で人口増のドイツで賃貸経営

こんばんは、Manachanです。前回のブログでは、日本の人口減を緩和するため、政府が実質的な移民受け入れをした結果、東京周辺がコスモポリタン化して人口増加している事実を書きましたが、今回は日本とよく似た西欧の国、少子高齢化と人口減少に悩む「ドイツ」について書きます。

 

とはいえ、ドイツが人口減少に悩んだのは、過去の話になりました。今では、ヨーロッパ全域や中近東から押し寄せる移民・難民の処遇がメインの社会問題になっています。ドイツの総人口は、外国人流入のおかげで増加が続いています。直近(2016年)のデータでは、

ドイツでの出生 約74万人
― ドイツ国内で死亡 約93万人
+ 海外からの純流入 約82万人
―――――――――――――――――――
合計  63万人増 (8217万人⇒8280万人)

 

もし海外からの移民流入がなければ、ドイツの人口は年間19万人減っていたはずなのですが、それを大きく上回る82万人の移民純流入があったため、総人口が60万人以上増えたのです。

前年の2015年は移民流入の勢いがもっと凄くて、110万人余りの純流入があり、その結果、総人口が97.8万人も増えました。今のドイツは、一般的なイメージはよりもずっと、移民受け入れ大国なのですね。

 

ドイツに来る移民が多い理由の一つとして、「シェンゲン協定によりEU圏内の入出国が自由である」ことが挙げられます。そのため、EUの最貧国ルーマニアやブルガリア等から、職と給与を求めて人々がフリーパスで入国しますし、失業率の高い南欧のギリシャ、イタリア、スペイン等からドイツを目指す人も多いのです。

また、非EU圏であるトルコからは数十年の移民受け入れの歴史があるため、ドイツ・トルコ間の人の往来は非常に盛んですし、2011年以降はシリア内戦による難民も多く来ています。今のドイツは人口減少に悩むどころか、「ドイツ語をしゃべらない外国人の流入」の方が悩ましい問題です。

 

さて、年間100万人近くも来る移民が、ドイツのどこに行くのか?結論からいうと、各方面に散ります。来独した外国人は連邦内の16の州(ブンデスラント)に予算とともに割り当てられるので、首都ベルリンにも、裕福な都市ミュンヘンやシュツットガルトにも、金融の街フランクフルトにも、港町ハンブルクにも、ルール工業地帯にも旧東独の各州にも、もれなく移民が住みつきます。日本や英仏と違ってドイツには突出した大都市がないため、どこか一つの地域に集中する傾向はあまり見られません。

 

そろそろ不動産の話をしましょう。私がドイツで不動産を紹介(イチオシ)している地域は、ノルトライン・ヴェストファーレン(NRW)州という、国内で人口・GDPとも最大規模の州です。ドイツの西部、オランダやベルギーとの国境に近い場所にあり、州都は「デュッセルドルフ」、最大都市は大聖堂のある「ケルン」。あと、社会科の授業で習った「ルール工業地帯」に所在する「エッセン」、「ドルトムント」、「デュイスブルク」。旧西独の首都だった「ボン」など、数多くの都市を擁する欧州屈指の人口密集地帯です。

 

不動産投資視点からみた、NRW州の良い点は、

・ものすごく安い値段で、それなりに良質な物件が買える(区分マンションで300万円~)
・家賃水準はそれなりだが、価格が安いので利回りが高い(ネット利回り8%台、グロス11~12%)
・賃貸物件の需給がタイトで、空室率が低い(場所にもよるが2~3%台が多い)

 

なぜ価格が安いのか?ひとつの理由は、NRW州、特に「ルール工業地帯」エリアが、1980年以降、地域基幹産業(石炭鉄鋼業)の衰退により、長い構造不況を経験したことです。同州の人口はピーク時よりも減り、失業率も改善したとはいえ、ドイツ平均よりはまだ高い状態が続いています。

逆に、そういう問題を抱えたエリアだからこそ、物件が激安価格で買えるのですね。景気が良く裕福なミュンヘンやフランクフルトで、ネット8%なんて利回りは到底期待できません。それどころか、NRW州都デュッセルドルフも国際ビジネスや金持ちが集まる場所になったため仕入れ値が高く、頑張ってもネット5%出ない状態。

したがって、高利回り物件が良く出る「狙い目エリア」は、デュッセルドルフ以北。ルール工業地帯に属する大都市「デュイスブルク」や「エッセン」、その近隣にある「ゲルゼンキルヘン」や「ボーフム」等の中堅都市、あるいはデュッセルドルフを挟んで東西にある「ウッパータール」、「メンヒェングラートバッハ」等が中心になります。

(上記の数字は各都市の人口です)

 

NRW州の人口は、移民流入の影響を受け、ここ5年ほど増加基調が続いています。1970年代の人口ピーク時には及ばないとはいえ、どの都市も人口が増えるか、最悪でも下げ止まっています。

 

デュッセルドルフの人口推移

エッセンの人口推移

 

デュイスブルクの人口推移

 

私は昨年10月から今年1日にかけて、NRW州内で3回、物件視察をしました。一回の視察で東へ西へ、北へ南へ、200㎞近く移動するのですが、凄いと思ったのは、「見渡す限り、新築建てている現場がない」こと…アウトバーンも一般道も、いろんな道を走って、一度たりとも新築現場を見かけないのです。

ということは…移民含めて、増えた人口が、もれなく中古物件の賃貸客なるということです。私、30戸以上は物件見てますが、どの街に行っても、部屋の空きがほとんどないですね。

 

あと、ドイツは概して街の雰囲気が良いし、部屋をきれいに使って住んでいる人が多い印象でした。建物も築年が1950年代以降になると設備内容が良くなり、堅牢なつくりで安心感のある物件が多い。ドイツなら長期的に安定した賃貸経営できそうだと思い、私はメンヒェングラートバッハという街で3ベッドの区分をひとつ、オーナーチェンジで買って、いまユーロで家賃いただいてます。

 

昨年後半から、物件の立地や価格や利回りをずっとウォッチし続けてきて、思ったこと…NRW州内でも、仕入れ価格が徐々に上がってきているようで、「区分でネット8%台以上」の利回りを求める場合、今年初めまではエッセン、デュイスブルクなどの大都市でもたくさんありましたが、最近ではゲルゼンキルヘン、ヘルネ等の中堅都市が中心になってきました。仕入れ部隊も安い物件が乏しくなって苦労しているんだと思います。

どの地域の、どの価格帯の物件でも、不動産はできれば早いタイミングで買った方が、良い立地の物件が安く手に入っておいしいのだと思います。

 

人口増と需給バランスの良さを兼ね備えた「ドイツ激安収益不動産」。興味ある方は、5月9日に東京でセミナーやりますので、是非来てみてくださいね。

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セミナー「ドイツ不動産~収益性と投資のポイント徹底解説」

■日程  2017年5月9日(火) 19:00~21:00

■会場 パズル一番町 セミナールーム2
千代田区一番町10-8一番町ウエストビル5階(東京メトロ「半蔵門」、「麹町」より徒歩3分)

■参加料金:2000円  (※APHOC有料会員は無料招待いたします。)

■紹介ページと申込リンク:goo.gl/zI50AX

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外国人受け入れと首都圏再集中の構図

こんにちはManachanです。ゴールデンウィーク、気持ちの良い晴天が続きますね。私は忙しい仕事が一段落し、空き時間を使ってブログ更新に励んでおります。今回は、東京を中心に最近目に見えて増えている「外国人住民」が、日本の人口動態さえ変えつつある面に着目し、統計数字をいろいろ調べて書いてみました。
かくいう私自身も、国際結婚してまして、妻は「東京に住む外国系住民」のひとりです。住まいは江東区の東陽町で、近所を歩けば中国語が聞こえてくる、都心勤務のインド人ITエンジニアとご家族も多数お住まいで、ネパール人が経営するインド料理店が毎年増えています。うちの子の通う小学校では外国姓か国際結婚ファミリーの子供がクラスに3~4人はいます。そういえばお隣さんもフィリピン人。
それが大都市の当たり前の姿なのだと思います。ニューヨーク、ロンドン、パリ、シドニー、トロント、シンガポール…海外の大都市はもっとコスモポリタンですよね。東京もゆっくりと、その道を歩みはじめたのだと思います。江東区は外国籍住民の人口比率が5~6%で、年々増えています。でも私が以前住んでいたシドニーは外国出身者が総人口の39%を占める社会でした。真のコスモポリタン都市での暮らしを経験した者の視点から、「ゆっくり国際化しつつある東京・首都圏のいま」を描いてみたいと思います。
ここ数年、東京を中心に「外国人住民が増えている」のは、明らかに、政策によるものです。2012年12月に自民党が政権を奪回し、第二次安倍政権が始まって以来、在留外国人数は右肩上がりに増え、わずか4年間で203万人から238万人に、35万人も増えています。もっとも、この数字は日本国に合法的に滞在できる25種類の在留資格をすべて含んでおり、所謂「移民」に相当するものは「永住者」ビザかと思いますが、このビザの発給数も安倍政権下の4年間で62.4万人から72.7万人へ急増しています。実質的にいえば、10万人余りが新たに日本へ移住したと言って良いでしょう(うちの奥さんもその一人)。


安倍政権が外国人の受け入れを増やしている背景には、日本の人口がすでに厳しい減少局面にある事情があります。安倍政権発足直後の2013年にはすでに、日本国内の出生数104万人に対し、死亡数は127万人。黙っていても年間23万人の日本人が減る状況でした。たとえていえば、神奈川県厚木市や大阪府寝屋川市クラスの中堅都市が、毎年一つづつ、消滅しているような状況です。しかも、出生数と死亡数のギャップは年々拡大する一方で、東京オリンピックが終わる頃には年間50万人の日本人が減ることがほぼ確実視されています。
アベノミクスで日本経済再生を打ち出した自民党・安倍政権。しかし経済を復活させたくても、デフレが20年も続き、かつ人口が年間何十万人も減り続けてマインドが委縮する衰退国家に、一体どんな経済再生の芽があるのか?
為政者が、「できるだけ、日本の人口を減らしたくない」と考えるのは自然なことです。高齢者がお亡くなりになるのはやむを得ない。出生数を増やそうにもすぐに増えるものではない。であれば、政策的にコントロールできるのは「海外からの流入」しかありません。
人口が増えたり減ったりする方程式は、簡単です。

「人口増減」=「自然増減」(「出生数」―「死亡数」)
+「社会増減」(「海外からの流入」―「海外への流出」)

安倍政権が登場した初年度、2013年に、日本の総人口は約20万人、減りました。

出生=104万人、死亡=127万人
海外からの流入=4万人、海外への流出=1万人
⇒人口増減=104万―127万+4万―1万=マイナス20万


それから3年経った、2016年。出生数はさらに減り、死亡数はさらに増え、自然増減はさらに厳しくなりました。しかし、この年の人口減は、16万人にとどまっています。なぜなら、海外からの流入が大幅に増えたからです。

出生=100万人、死亡=130万人
海外からの流入=16万人、海外への流出=2万人
⇒人口増減=100万―130万+16万―2万=マイナス16万


これは仮説ですが、安倍政権は日本人が自然に減る分の全部は無理としても、その半分は外国人受け入れで賄いたかったのではないかと思います。もしそうだとすれば、治世4年間で、その目標は達成されたといえます。2016年には、日本人の自然減30万5593名の52.5%にあたる、16万309名の外国人登録者(特別永住者は除く)を増やしています。


今度はもう少しミクロにみてみましょう。外国人を受け入れた後、彼らは日本のどの地域に定着するのか?2013~16年の間は一貫して、彼らの半数以上が「関東」、特に「首都圏」(東京、神奈川、埼玉、千葉の一都三県)に集中しました。2013年は外国人増加数の68%、2016年は少し全国に散りましたがそれでも52%が、関東の新住民になっています。一都三県の割合はそれぞれ63%(2013)、46%(2016)。


この4年間、「外国人の受け入れ」と「首都圏への一極集中」が進んだ結果、一都三県における外国人登録者数は、77万9千人から97万8千人と、実に20万人も増えています。


外国人が4年間に20万人(年間5万)増える…首都圏一極集中が進むなかでも、これは決して小さな数字ではありません。日本全国から一都三県に移動する転入者が年間15万人程度ですので、外国人の増加分は実に3割を占める計算になります。
安倍政権による外国人受け入れが、ようやく数字に表れてきたのが、2013年後半からです。そこで、2013年6月末から現在(2017年3月末)までの4年弱で、各自治体における人口増加分のうち、外国人がどれだけ寄与しているかを、整理してみました。

東京都平均:日本人増加73.8%(284,348名)、外国人増加26.2%(101,159名)
新宿区:日本人増加53.3%(8,770名)、外国人増加46.7%(7,674名)
豊島区:日本人増加45.8%(6,603名)、外国人増加54.2%(7,814名)
江東区:日本人増加76.2%(18,286名)、外国人増加23.8%(5,700名)
江戸川区:日本人増加51.1%(8,335名)、外国人増加48.9%(7,972名)
世田谷区:日本人増加87.6%(26,265名)、外国人増加12.4%(3,729名)
杉並区:日本人増加76.8%(14,497名)、外国人増加23.2%(4,378名)


東京都だけではなく、周辺県のベッドタウンでも、外国人増加が人口増の相当部分を占める状況は同様です。千葉県、埼玉県、神奈川県の代表的な都市の数字を整理してみました。特に、日本最大の基礎自治体、人口370万を超える横浜市で、外国人の増加数が日本人より多かったのは驚きですね。

市川市:日本人増加74.8%(9,936名)、外国人増加25.2%(3,344名)
船橋市:日本人増加65.5%(8,559名)、外国人増加34.5%(4,511名)
千葉市:日本人増加55.6%(3,620名)、外国人増加44.4%(2,889)
川口市:日本人増加38.9%(5,566名)、外国人増加61.1%(8,754名)
さいたま市:日本人増加86.9%(30,123名)、外国人増加13.1%(4,542名)
川崎市:日本人増加85.0%(41,850名)、外国人増加15.0%(7,389名)
横浜市:日本人増加47.0%(11,414名)、外国人増加53.0%(12,857名)


私は、首都圏で賃貸経営を営むオーナーとして、都内や近郊都市の人口動態を時々調べますが、ここ数年の人口流入が想定以上に力強いのに気がつきました。たとえば、千葉県市川市。ここは2012年以前は人口減少自治体として県内でも有名でしたが、なぜか、この2~3年は人口が増えまくっています。オリンピックを控えて、比較的景気の良い首都圏への人口流入が起こるのは分かるけど、日本の他地域の人口が減るなかで首都圏だけが人口吸引するにしては、流入の勢いが強すぎる。これは、外国人が影響しているに違いないと思い、詳しく数字を調べて整理してみると、案の定、というか予想以上でしたね。
単なる首都圏再集中ではない。たぶん日本の歴史始まって以来の、「東京コスモポリタン化」による人口増加が、首都圏全域で起こっています
いまの時代、日本人だけの人口動態だけを追っていては、精度の高い人口予測はできません。特に象徴的なのは、2014年5月に発表された日本創成会議の試算。「豊島区が都内で唯一の消滅可能性都市」に名指しされて、話題を呼びましたね。これは2010年前後、民主党政権下で日本人と外国人の人口が減っていた頃の枠組に基づいて試算したもので、2013年以降、安倍政権の外国人受け入れによる豊島区人口の爆増を全く織り込んでいませんでした。実際、あのレポートが発表されてから3年弱で、豊島区の人口は1万人も増えているのですから、全く妥当性ありませんでしたね(なお、外国人の増加が全体6割を占めています)。
首都圏で不動産投資する者にとって、外国人住民の流入による賃貸需要、売買需要の増加は、もはや無視できないファクターになったといえます。この波を確実につかんで、ビジネスにつなげていきたいですね。

 

参考ブログ記事)

アベノ開国エコノミー、人口減に挑む(2017/8/18)

実はあまり減らなかった日本の人口(2017/1/4)

 

出典)
・法務省「在留外国人統計」(平成24~28年)
・外務省「海外在留邦人人数調査統計」(平成24~28年)
・各自治体の「住民基本台帳」(平成24年7月~29年4月)

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海外不動産、ゆっくり売ろうよ

こんばんはManachanです。いま日本はゴールデンウィーク。天気も良く、暑すぎず寒すぎず、新緑まぶしい気持ち良い季節ですね。折角の連休ですが我が家は遠出せず、子供を近所のアスレチック等に連れていってのんびり過ごします。

今回は、「海外不動産販売」ねたで書いてみます。

海外(国際)不動産の世界で、私は様々な役割の仕事をします。日本人が海外不動産を買う「アウトバウンド」の領域だけでも、1)「投資家」でありかつ、2)「マーケッター」でもあり、3)「アドバイザー」でもあり、最近は4)「海外物件の仕入れ業者」でもあります。

3)に関しては、日本人投資家向けのアドバイスが多いですが、最近は「海外の不動産デベロッパーや仲介業者」からアドバイスを求められる機会が増えています。たとえば、

〇〇国の物件を、日本で200戸売りたいが、どうすればいいか、Manachanのアドバイスが欲しい

私、こういう仕事やりたいわけじゃないんだけど、とにかく多方面からリクエストが来るのです。世界には、国境を越えた不動産セールス案件がたくさんあります。例えば、「マレーシアで供給する1万戸のコンドミニアムを世界中で売りたい。中国で2000戸売れたから、日本でも200戸くらいは売れるだろう」みたいに考える業者が少なからずいるのです。

でもって、日本人に200戸売るにあたって、誰に頼めば売ってくれるか?その受け皿となってくれる有力な販売会社が日本にはまだありません。結局、話が巡り巡って、私みたいな奴にも相談がくるのです。

私、この種の話は、基本的にはお断りしています。私は「アジア太平洋大家の会」という海外不動産の投資同好会を束ねているだけで、販売会社ではありません。セミナー企画や集客はできますが、ワンルーム業者の営業ノルマみたいに、物件たくさん売る話は生理的に嫌いです。なぜなら、

・日本の海外不動産マーケットは、まだまだ未成熟。業界も投資家も成長途上。

・日本の投資家が海外物件から着実に利益をとって、どんどん豊かになれば、このマーケットは確実に伸びるが、現時点では、まだそこまでいっていない。

・そんな状態で、日本人に海外の物件をたくさん売っても、必ず無理や歪みが出るので、マーケット・業界の健全な発展につながらない。

言い換えれば、「日本人と海外不動産との幸せな関係」がまだ確立されていない以上、業者主導で数を売りまくるのは反対、という立場なのです。それやると絶対に、おかしなことになるから…

思い起こせば、これまで10年近く、東南アジア某国や、北米の某地方都市の物件を、何百戸何千戸と売りまくった業者が、いろんな問題を起こしました。ああいう物件買った人が、ハッピーになることは稀で、逆に入居付け、転売、管理会社探し、登記などに困って私に「レスキュー依頼」してくるケースがはるかに多い。損している彼らが、二戸目、三戸目…を買うことはありませんので、日本の海外不動産マーケットは健全に伸びていきません。

「Manachanがそういうセミナーを企画した張本人じゃないか!」という方もおられるかもしれません。確かに2011~13年頃は、日本中探しても、見渡す限り東南アジアのプレビルドや北米某都市の築古物件を売る業者しか見当たらず、当時の私は、苦悩に満ちたセミナー運営をしていました。なぜなら、「たいていの業者が最初のころは理想に燃えて、海外の良い物件を紹介しようとしていたのに、途中からたくさんの数を売ろうとして、変な方向に走ってしまう」からです。

業者として、たくさん戸数を売りたいのは理解できます。でも顧客サービスが伴わなければ、管理が雑になれば、結果的に大勢の日本人投資家を不幸にしてしまいます。結局私はいろんな業者と衝突し、決裂し、やむなく会員に向けて「注意喚起のメルマガ」を出す、トラブルが起こりそうな都市に海外人脈を駆使してセーフティネットをつくる…そんな日々が続きました。

最近、アジア太平洋大家の会のセミナーは、全体的な傾向として、先進国の大都市や成長エリアの物件にシフトしています。賃貸市場も二次売買市場も整備され、管理会社のしっかりした案件を中心に扱った結果、海外物件から確実な利益を得る会員も徐々に増えてきました。あと数年もすれば、味をしめた会員が2戸目、3戸目、4戸目をどんどん買って、海外不動産マーケット全体が伸びていくと思います。

そういう時代になれば、日本でたくさんの戸数を売りたい海外業者のアドバイスにも乗れるのかもしれませんが、現在はまだ時期尚早。海外物件で利益を取れる日本の投資家層を、フォローしながら大事に育てていく段階、リピーター予備軍をつくる段階だと思います。

2017年日本の標語。「一気に売るな、海外不動産」、「少なく売って、まず投資家に、儲けさせよう」。

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子供は、どんなバイリンガルに育つのか?

おはようございます、Manachanです。北京出張から帰ったあと、怒涛のようなセミナーラッシュに、法人確定申告…多忙な時期がようやく一段落し、ブログを書く時間的余裕がようやくできました。
 
世の中はゴールデンウィークの休みに入ります。気候の良い行楽シーズンではありますが、我が家は遠出せず東京の自宅近辺でのんびり過ごすつもりです。久々のブログは、「子供の多言語教育」ねたで書きますね。
 
私と妻とは国際結婚していて、小学生の子供が2人います。我が家はナチュラルに多言語が飛び交う環境です。
 
-私と子供たちとの会話は、日本語
-妻と子供たちとの会話は、英語
-夫婦間の会話は、中国語
-子供同士の会話は、日本語か英語
 
子供の教育環境ですが、平日は近所の区立小学校(当然日本語)に通い、土曜日だけ英語の補習校に通わせています。補習校に来ている子供たちの大多数は、日本人と英語圏出身者の国際結婚家庭のお子様で、我が家と似たような言語環境で暮らしています。
 
補習校は週一ペースなので、ネイティヴの先生が英語の読み書きやレポート、プロジェクトを一通りやるとはいえ、あくまで「英語力を維持するための補完的役割」しかできません。英米系のインターみたいに、月曜から金曜まで、英語だけで授業をやるような密度は当然期待できないし、補習校に通ったからといって人気のインターに即入学できるだけの英語力が身につくとも限りません。
 
そこで多くの親たちは(私も含めて)小学5年生頃までに、大きな選択を迫られます。
 
子供の教育言語(Academic Language)を英語にするか日本語にするか?
 
「英語」を選んだ親は、子供を英米系インターに行かせるか、または英語圏にUターン移住して現地校に入れる人も相当数います。一方、「日本語」を選んだ親は、一般の日本人家庭と同様、私立か公立の中学校、高校に行かせます。
 
親が「せっかく学んだのだから、英語も日本語もモノにしたい」と思い、かつ、子供も勉強好きな場合は、広尾学園や三田学園などのバイリンガル中学校の受験にチャレンジすることになります。
 
でも、そういう学校に行かせたところで、よくよく見れば、教育言語は「英語をメイン、日本語をサブ」か「日本語をメイン、英語をサブ」のどちらかにするに過ぎない。その意味で、他のバイリンガル家庭と同じく、結局は英語か日本語のいずれかを選んでいることになります。
 
その経験から、我々が学んだことは、
 
子供は、話し言葉の面では多国語話せるようになるけれど、教育言語は一つしか持てない。
 
私たちは、日本語が圧倒的優位な環境で暮らし、かつ家庭で英語も使っています。話し言葉の面では、どの家庭の子も、見事な日英バイリンガルになります。うちの二人の子たちもそうです。
 
だた、彼らバイリンガルキッズに、数学、物理、化学、生物、歴史、地理、保健体育といった教科を教える上で使う言語は、英語か日本語か、どちらかに絞った方が明らかに効果的なのです。普通考えて、数学を英語で教えて、また同じ内容を日本語で教えて、というのは明らかに非効率だし、歴史・地理・公民など社会科になれば英語圏の教科書と日本の教科書で内容が全く違うわけだし・・
 
もっとも、英語&フランス語、英語&オランダ語みたいに、お互いに語彙や構造の似た言語同士であれば、教育言語を複数持つことも可能かもしれません。カナダや西欧とかで多くの実例があるでしょうから、皆さんどうやってるか知りたいです。でも、少なくとも日本では非常に難しいです。英語と日本語は天と地ほどかけ離れていますから…
 
我が家では、娘ソフィア(小6)の教育言語を日本語にすることに決めました。息子ポニー(小3)にはまだ英語教育の目も残っていますが、たぶん日本語になるでしょう。私自身、どちらを好むかといわれれば、断然日本語ですね。なぜなら、
 
・世界的にみれば、英語できる人より、日本語できる人の方がずっと稀少。
・英語話者のコミュニティは世界中にあり、新興国途上国にもたくさんあって、彼らの収入給与水準は年収10万~。一方、日本語話者のコミュニティは基本的に日本に限られ、給与水準は年収200万~。つまり個人レベルでみて、日本語できた方が経済価値が高い。
・日本語で教育を受ければ、2000以上の漢字を認識できるようになり、それが中国語学習への近道になる。
・我が家はこれから当面、東京に住み続けるので、通常の学校、専門技術学校含め、日本語の方が断然、教育の選択肢が豊富。
・英語の方が「後付け」しやすい。つまり、日本語で教育を受けた後、大学等で英語で専門教育を受けるのは、世界各国でできるし選択肢も豊富だが、逆に日本語の場合は日本に限られる。

 
それぞれの家庭で、居住地も言語環境も親の言語スキルも違うので、バイリンガル教育を志すにも各自の状況に応じて最適なものを選び取っていけば良いと思います。私は「日本語をベースとした日英バイリンガル」の方が「英語ベース」よりもたぶん価値が高いと思うし、今せっかく東京に住んでいるので日本語での教育に力を入れます。
 
まず日本語をベースとして育ち、後付けで英語、フランス語、スペイン語、中国語、アラビア語などを習得するのは、やる気になればいくらでもできます。現実に私がそれをやっているわけで…

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